JP2004268335A - スクリーンマスク、それを用いた電子部品の製造方法および電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】プリント基板に密着させたスクリーンマスクの複数の開口部に導電性接合材を印刷した後にスクリーンマスクとプリント基板とを引き離す版離れを行なう際、プリント基板とスクリーンマスクとが弾かれるように版離れして発生するスクリーンマスクの開口部における導電性接合材の残留や、プリント基板に印刷された導電性接合材の形崩れなどの不具合の発生を低減することを実現したスクリーンマスク、および、そのスクリーンマスクを用いた電子部品の製造方法および電子部品を提供する。
【解決手段】スクリーンマスク1の開口部形成領域3と外周部4との間に、スクリーンマスク1の一部を厚さ方向に突出させた突部5を形成することで、スクリーンマスク1の剛性を突部5において部分的に高めてプリント基板7とスクリーンマスク1との版離れを良好にする。
【選択図】 図1
【解決手段】スクリーンマスク1の開口部形成領域3と外周部4との間に、スクリーンマスク1の一部を厚さ方向に突出させた突部5を形成することで、スクリーンマスク1の剛性を突部5において部分的に高めてプリント基板7とスクリーンマスク1との版離れを良好にする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板などにソルダペーストや導電性接着剤などの印刷材を印刷するためのスクリーンマスク、また、それを用いた電子部品の製造方法および電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント基板などにソルダペーストや導電性接着剤などの印刷材を印刷する方法としては、従来よりスクリーンマスクを用いるスクリーン印刷の方法が提案されている。以下に、従来のスクリーンマスクについて、図7に基づいて説明する。
【0003】
図7は、従来のスクリーンマスク20を示す平面図である。マスクプレート20aは、ニッケル合金素材などのばね性を有する金属薄板からなる。また、マスクプレート20aには、プリント基板上のソルダペーストなどの導電性接合材の印刷が必要な部分に対応して複数の開口部2が形成されている。また、この複数の開口部2によって、同図に点線で示す開口部形成領域3が形成されている。マスクプレート20aは、例えばアルミパイプの溶接やアルミの鋳物からなる版枠で4辺を支持されてスクリーンマスク20を構成する。スクリーンマスク20は、その一方主面が導電性接合材を載せ、プリント基板に密着されない面であり、他方主面がプリント基板などに密着される面である。ただし、同図においては版枠の図示を省略している。
【0004】
プリント基板への導電性接合材の印刷は、まず、スクリーンマスク20をプリント基板に密着させ、続いてスキージをスクリーンマスク20の一方主面上を水平にスライド移動させる。これにより、複数の開口部2を通して導電性接合材がプリント基板上に印刷される。次に、スクリーンマスク20を昇降させる手段でプリント基板と密着したスクリーンマスク20をプリント基板から引き離すように上昇させ、スクリーンマスク20とプリント基板とを分離する版離れを行なう。これにより、導電性接合材のプリント基板のランドパターン上への印刷が完了する。
【0005】
しかし、近年の高密度実装化に伴い、例えばプリント基板などに印刷される印刷材の印刷厚は、相互に隣接する導電性接合材間での短絡を防止するために減少しており、それに伴って導電性接合材の印刷厚を制御するマスクプレート20aの厚さは、従来の150μm前後から、80μm〜100μmに薄くされている。従って、マスクプレート20aの剛性が低くなり、容易にたわむようになっている。
【0006】
そのため、版離れの際、スクリーンマスク20は、プリント基板と密着している部分が導電性接合材の粘着力により離れにくく、外周部だけが反り上がってたわんでしまう。この状態でスクリーンマスク20を上昇させ続けると、スクリーンマスク20を上昇させる力がスクリーンマスク20とプリント基板との粘着力よりも大きくなったとき、スクリーンマスク20はプリント基板から弾かれるように版離れする。このとき、複数の開口部2内の導電性接合材が乱され、スクリーンマスク20に導電性接合材が残留したり、プリント基板上に印刷される導電性接合材の形崩れを生じたりする不具合が発生していた。
【0007】
この問題を解決するため、スクリーンマスクの他方主面側と接し、かつ、開口部形成領域を取り囲んで平面形状に取り付けられた、スクリーンマスクの剛性を高める支持部材を備えたスクリーンマスクが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。支持部材は例えば金属板などの剛性の高い鋼板からなり、平面形状は枠型で開口部形成領域を取り囲んで配置される。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−234203号公報(第3−4頁、図1)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記スクリーンマスクでは、スクリーンマスクの他方主面側に平面形状をした枠型の支持部材を取付ける別の工程を付加する必要があり、支持部材のコストおよびスクリーンマスクの他方主面側への支持部材の取付コストがかかり、スクリーンマスク全体の製作コストが高くなってしまう、という問題があった。
【0010】
本発明のスクリーンマスクは、上述の問題を鑑みて為されたものであり、上述の問題を解決し、スクリーンマスクへの印刷材の残留やプリント基板に印刷したソルダペーストなどの形崩れなどの不具合の発生を低減したスクリーンマスクを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のスクリーンマスクは、基板に印刷材を印刷するために形成された複数の開口部を有するマスクプレートを含むスクリーンマスクにおいて、前記マスクプレートにおける前記複数の開口部が形成されている開口部形成領域の外周部に、一部を厚さ方向に突出させた突部を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明のスクリーンマスクの特定の局面においては、前記突部は、前記基板に密着されない面側に突出するように形成されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明のスクリーンマスクの特定の局面においては、前記突部は、前記開口部形成領域を囲むように形成されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明のスクリーンマスクの特定の局面においては、前記突部は、連続して形成されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明のスクリーンマスクの特定の局面においては、前記突部の高さは、前記マスクプレートの厚さの少なくとも20倍以上であることを特徴とする。
【0016】
また、上記目的を達成するため、本発明のスクリーンマスクの製造方法は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のスクリーンマスクを製造する方法において、前記突部に対応した突部または凹部を有する母材上に金属をめっきしてマスクプレートを形成する工程を含むことを特徴とする。
【0017】
さらに、上記目的を達成するため、本発明のスクリーンマスクを用いた電子部品の製造方法は、基板と、前記基板の一方主面側に搭載される回路素子とを用意する工程と、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の前記スクリーンマスクを用いて前記基板の一方主面側に印刷材を印刷する工程と、前記基板に前記回路素子を搭載する工程と、を含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明のスクリーンマスクを用いた電子部品の製造方法の特定の局面においては、前記印刷材は導電性接合材であり、前記回路素子は、前記基板の一方主面側において、前記導電性接合材を介して搭載されることを特徴とする。
【0019】
さらに、上記目的を達成するため、本発明のスクリーンマスクを用いた電子部品は、基板と、前記基板の一方主面側に搭載される回路素子と、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のスクリーンマスクを用いて前記基板の一方主面側に印刷された印刷材と、を含むことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスクリーンマスクの一実施例について、図1から図3までの各図に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施例であるスクリーンマスク1を示す平面図である。図2は、図1にA−Aで示す分割線に沿って分割した断面図である。図3は、本発明の一実施例のマスクプレート1aの製造方法を示す断面図である。
【0021】
図1に示すスクリーンマスク1は、マスクプレート1aと版枠とから構成される。スクリーンマスク1は、一方主面がプリント基板などに密着されない面であり、他方主面がプリント基板などに密着される面である。
【0022】
マスクプレート1aは、ニッケル合金素材などのばね性を有する金属薄板からなる。マスクプレート1aは一般に厚さが50μmから200μmのものが多用されており、本実施例においては、図2に示す厚さt1が150μmのものを使用した。また、図1においては図示を省略したが、版枠は例えばアルミパイプの溶接やアルミの鋳物により構成され、マスクプレート1aの4辺を支持している。
【0023】
また、マスクプレート1aには、プリント基板上の導電性接合材の印刷が必要な部分に対応して複数の開口部2が形成されている。この複数の開口部2によって図1に点線で示す開口部形成領域3が形成されている。
【0024】
また、マスクプレート1aには、図1、図2に示すように、開口部形成領域3(図1参照)と外周部4との間に開口部形成領域3を囲むように連続して、マスクプレート1aの一方主面側に断面半円形状に突出する突部5が形成されている。図2に示すように、本実施例の突部5の断面形状はスクリーンマスク1の一方主面側からの高さt2(突部5の高さ)が5mm、幅wが10mmであり、高さt2はマスクプレート1aの厚さ150μmの約33倍である。また、図2、図3において版枠の図示は省略している。
【0025】
次に、本実施例のマスクプレート1a、および、マスクプレート1aを備えたスクリーンマスク1の製造方法について図3に基づいて説明する。
【0026】
本実施例のマスクプレート1aは、図3に示すようにアディティブ法を用いて製造される。
【0027】
まず、マスクプレート1aの突部5の形成予定領域に対応して凹部が設けられた金属製の母材13の上にレジスト膜を形成し、続いてレジスト膜の上にレジストパターンの形成予定領域に対応した開口部が形成されたフォトマスクをセットする(図示せず)。
【0028】
次に、フォトマスクの開口部分を露光してレジストパターンの形成予定領域のレジスト膜を感光させる(図示せず)。
【0029】
次に、レジスト膜にセットしていたフォトマスクを外し、余分なレジスト膜を例えば有機溶剤から構成される現像液により除去する現像を行ない、マスクプレート1aの開口予定領域にレジストパターン14を形成する(図3(a))。
【0030】
次に、母材13上にニッケルなどのめっき膜15を形成する(図3(b))。
【0031】
次に、図3(a)で形成したレジストパターン14を、例えば有機溶剤から構成される剥離液によって剥離する(図3(c))。
【0032】
次に、形成しためっき膜15から母材13を剥離することで図3(b)において形成しためっき膜15がマスクプレート1aとなる(図3(d))。
【0033】
こうして形成された本実施例のマスクプレート1aの複数の開口部2には、それぞれ母材13と接していた面が狭くなるようにテーパーが設けられている。ここで、本実施例では版離れにおいて、スクリーンマスク1を昇降させる手段でプリント基板と密着したスクリーンマスク1をプリント基板から引き離すように上昇させて分離するため、スクリーンマスク1は、導電性接合材が複数の開口部2から良好に版抜けするようにテーパーの広い面を他方主面として用いる(図3(e))。
【0034】
以上のステップを経ることによって、本実施例のマスクプレート1aが完成される。
【0035】
また、このマスクプレート1aに版枠を嵌め合わせてマスクプレート1aの周縁が固定されるように組み立てることで、本願発明のスクリーンマスク1を製造することができる。
【0036】
上述したように、本実施例のスクリーンマスク1によれば、開口部形成領域3と外周部4との間に、スクリーンマスク1の一部を一方主面側に断面半円形状に突出させた突部5を形成している。これによりスクリーンマスク1の垂直方向の厚さを突部5において部分的に厚くできるため、従来例のように支持部材を使用することなくスクリーンマスク1の剛性を高めることができる。従って、従来のように支持部材を取付ける工程が必要でなく、支持部材にかかるコストおよび支持部材の取付コストを削減することが可能である。
【0037】
さらに、本実施例のスクリーンマスク1によれば、開口部形成領域3と外周部4との間に突部5を形成することで剛性を高めているため、スクリーンマスク1の複数の開口部2に導電性接合材の印刷を行なった後に版離れを行なう際においても、スクリーンマスク1の外周部4のたわみが軽減されてスクリーンマスク1がプリント基板から弾かれるように版離れすることがない。従って、スクリーンマスク1の複数の開口部2への導電性接合材の残留やプリント基板に印刷された導電性接合材の形崩れなどの印刷不良など、不具合の発生を低減することができる。
【0038】
また、スクリーンマスク1の他方主面側に滲んだ導電性接合材をスクリーン印刷装置の自動クリーニング機能を用いて取り除く際、従来のスクリーンマスクのように他方主面側に形成された支持部材が支障となることがなく、自動クリーニングに対応可能なスクリーンマスク1を提供することができる。
【0039】
また、本実施例のスクリーンマスク1は、形成するマスクプレート1aの突部5に対応した凹部を有する母材13上にニッケルなどをめっきして形成したマスクプレート1aを備えている。このため、従来のマスクプレートのように、マスクプレート1aに物理的な力を加えて突部を形成する必要がないため、より高精度のスクリーンマスク1を得ることができる。
【0040】
また、本発明のスクリーンマスク1の製造方法によれば、形成するマスクプレート1aの突部5に対応した凹部を有する母材13上にニッケルなどをめっきして形成したマスクプレート1aを用いるため、従来のマスクプレートのように、マスクプレート1aに物理的な力を加えて突部を形成する製造工程を付加する必要がない。従って、従来より高精度で、かつ、製造工程の短縮を可能にしたマスクプレート1aを備えたスクリーンマスク1を得ることができる。
【0041】
次に、本実施例のスクリーンマスク1を用いた電子部品12の製造方法および電子部品12の一実施例について、図4および図5に基づいて説明する。図4は、本発明のスクリーンマスク1を用いた電子部品の製造方法を示す正面図である。図5は、本発明のスクリーンマスク1を用いて製造された電子部品12を示す正面図である。
【0042】
まず、プリント基板7と、プリント基板7の一方主面側に搭載される回路素子8を用意する。プリント基板7は例えば樹脂やセラミックス等の絶縁材料によって構成される。また、回路素子8としては例えば積層セラミックコンデンサなどが用いられる。
【0043】
次に、プリント基板7の一方主面側に導電性接合材9を印刷する工程を行なう。このときまず、スクリーンマスク1とプリント基板7とを密着させてスクリーンマスク1の一方主面側をスキージ10が水平にスライド移動することによって、複数の開口部2に導電性接合材9の充填を行なう(図4(a),(b))。
【0044】
その後、スクリーンマスク1を昇降させる手段によってスクリーンマスク1を上昇させ、プリント基板7と密着したスクリーンマスク1をプリント基板7から引き離す版離れを行なう。これによりプリント基板7のランドパターン上への印刷が完了する(図4(c))。ただし図4においては、図5に示すランドパターン11の図示を省略した。
【0045】
次に、導電性接合材9が印刷されたプリント基板7の一方主面側のランドパターン11上に、図5に示す回路素子8を配置する工程を行なう。このとき、回路素子8は、例えばチップマウンターなどを用いて導電性接合材9が印刷されたプリント基板7のランドパターン11上に配置される。
【0046】
次に、回路素子8が配置されたプリント基板7をリフロー炉に入れて加熱し、プリント基板7と回路素子8とを固着するリフローを行なう。このリフローにより回路素子8が導電性接合材9を介してプリント基板7に搭載される(図示せず)。
【0047】
以上の工程を経て、図5に示す1プリント基板7と、回路素子8と、導電性接合材9とを備えた電子部品12が完成する。
【0048】
このように、本実施例のスクリーンマスク1を用いた電子部品12の製造方法および電子部品12によれば、突部5を形成することで剛性を高めた本実施例のスクリーンマスク1を用いるため、スクリーンマスク1の複数の開口部2に導電性接合材9の印刷を行なった後に版離れを行なう際においても、スクリーンマスク1の外周部のたわみが軽減され、スクリーンマスク1がプリント基板から弾かれるように版離れすることがない。従って、スクリーンマスク1の複数の開口部2への導電性接合材9の残留やプリント基板7に印刷された導電性接合材9の形崩れなどの印刷不良など、不具合の発生を低減することができ、信頼性の高い電子部品12を得ることができる。
【0049】
なお、本実施例のスクリーンマスク1においては、突部5は開口部形成領域3と外周部4との間に開口部形成領域3の周囲を囲むように連続して形成されたが、本発明はこれに限定されるものではない。ただし、より効果的にスクリーンマスク1の剛性を高めるため、突部5は開口部形成領域3の周囲を囲むように連続して形成されることが好ましい。
【0050】
また、本実施例のスクリーンマスク1では、突部5は断面半円形状に形成されたが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、突部5の形状は例えば台形状や三角形状に形成されても良いし、あるいは本実施例の突部5が開口部形成領域3の周囲に複数形成されても良い。
【0051】
また、本実施例のスクリーンマスク1では、突部5の高さt2(突部5の高さ)が5mm、マスクプレート1aの厚さの約33倍としたが、本発明はこれに限定されるものではない。ただし、より効果的にスクリーンマスク1の剛性を高めるため、突部5の高さt2(突部5の高さ)はマスクプレート1aの厚さの20倍以上とされるのが好ましい。
【0052】
また、本発明において突部5はスクリーンマスク1の一部を一方主面側に突出するように形成されたが、本発明はこれに限定されるものではない。より詳しくは、突部5はスクリーンマスク1の他方主面側に突出するように形成されても良い。ただし、スクリーンマスクの一方主面側に突出する突部が形成されるときが好ましい。このとき、従来のスクリーンマスクのように他方主面側に取付けた支持部材が支障となることがない。従って、スクリーンマスクの他方主面側に滲んだ印刷材をスクリーン印刷装置の自動クリーニング機能を用いて取り除くことが可能である。
【0053】
本発明のマスクプレート1aは、マスクプレート1aの突部5の形成予定領域に対応して凹部が設けられた金属製の母材13を用いたアディティブ法により製造されたが、本発明はこれに限定されるものではない。より詳しくは、図6(a)〜(c)に示すマスクプレート1aの突部5の形成予定領域に対応して突部が設けられた母材13を用いて、マスクプレート1aが製造されても良い(図6(d))。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本発明のスクリーンマスクによれば、スクリーンマスクの剛性を高める手段として支持部材を使用せず、開口部形成領域と外周部との間に、スクリーンマスクの一部を厚さ方向に突出させた突部を形成する。この突部を形成することでスクリーンマスクの垂直方向の厚さが部分的に厚くできるため、従来のスクリーンマスクのように支持部材を取付ける別の工程を付加することなくスクリーンマスクの剛性を高めることができる。従って、支持部材にかかるコストおよび支持部材の取付コストを削減した、信頼性の高い電子部品を提供することが可能である。
【0055】
さらに、本発明のスクリーンマスクによれば、開口部形成領域と外周部との間に突部を形成することで剛性を高めているため、スクリーンマスクの複数の開口部に印刷材の印刷を行なった後にスクリーンマスクをプリント基板から引き離す版離れを行なう際においても、スクリーンマスクの外周部のたわみが軽減されてスクリーンマスクがプリント基板から弾かれるように版離れすることがない。従って、スクリーンマスクの複数の開口部への印刷材の残留やプリント基板に印刷された印刷材の形崩れなどの印刷不良など、不具合の発生を低減することができ、信頼性の高い電子部品を提供することができる。
【0056】
また、本発明のスクリーンマスクによれば、開口部形成領域と外周部との間にスクリーンマスクの一方主面側に突出する突部が形成されるときが好ましい。このとき、従来のスクリーンマスクのように他方主面側に取付けた支持部材が支障となることがない。従って、スクリーンマスクの他方主面側に滲んだ印刷材をスクリーン印刷装置の自動クリーニング機能を用いて取り除く際においても、自動クリーニングに対応可能なスクリーンマスクを提供することができる。
【0057】
また、本発明のスクリーンマスクの突部の高さは、マスクプレートの厚さの少なくとも20倍以上であるときが好ましい。このときより効果的にスクリーンマスクの剛性を高めることができる。
【0058】
また、本発明のスクリーンマスクは、形成するマスクプレートの突部に対応した突部または凹部を有する母材上に金属をめっきして形成したマスクプレートを備えるときが好ましい。このとき、より高精度のスクリーンマスクを得ることができる。
【0059】
また、本発明のスクリーンマスクの製造方法によれば、形成するマスクプレートの突部に対応した突部または凹部を有する母材上に金属をめっきして形成したマスクプレートを用いるため、マスクプレートに物理的な力を加えて突部を形成する製造工程を付加する必要がない。従って、従来より高精度で、かつ、製造工程の短縮を可能にしたマスクプレートを備えたスクリーンマスクを得ることができる。
【0060】
また、本発明のマスクプレートを用いた電子部品の製造方法および電子部品によれば、開口部形成領域と外周部との間に突部を形成することで剛性を高めているため、スクリーンマスクの複数の開口部に印刷材の印刷を行なった後にスクリーンマスクをプリント基板から引き離す版離れを行なう際においても、スクリーンマスクの外周部のたわみが軽減されてスクリーンマスクがプリント基板から弾かれるように版離れすることがない。従って、スクリーンマスクの複数の開口部への印刷材の残留やプリント基板に印刷された印刷材の形崩れなどの印刷不良など、不具合の発生を低減することができ、信頼性の高い電子部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるスクリーンマスクを示す平面図である。
【図2】図1に示すスクリーンマスクを図1にA−Aで示す分割線に沿って分割した断面図である。
【図3】本発明の一実施例であるマスクプレートの製造方法を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施例であるスクリーンマスクを用いた電子部品の製造方法を示す正面図である。
【図5】本発明の一実施例であるスクリーンマスクを用いて製造された電子部品を示す正面図である。
【図6】本発明の一実施例であるマスクプレートの他の製造方法を示す断面図である。
【図7】従来のスクリーンマスクを示す平面図である。
【符号の説明】
1,20 スクリーンマスク
1a,20a マスクプレート
2 開口部
3 開口部形成領域
4 外周部
5 突部
7 プリント基板
8 回路素子
9 導電性接合材
10 スキージ
11 ランドパターン
12 電子部品
13 母材
14 レジストパターン
15 めっき
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板などにソルダペーストや導電性接着剤などの印刷材を印刷するためのスクリーンマスク、また、それを用いた電子部品の製造方法および電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント基板などにソルダペーストや導電性接着剤などの印刷材を印刷する方法としては、従来よりスクリーンマスクを用いるスクリーン印刷の方法が提案されている。以下に、従来のスクリーンマスクについて、図7に基づいて説明する。
【0003】
図7は、従来のスクリーンマスク20を示す平面図である。マスクプレート20aは、ニッケル合金素材などのばね性を有する金属薄板からなる。また、マスクプレート20aには、プリント基板上のソルダペーストなどの導電性接合材の印刷が必要な部分に対応して複数の開口部2が形成されている。また、この複数の開口部2によって、同図に点線で示す開口部形成領域3が形成されている。マスクプレート20aは、例えばアルミパイプの溶接やアルミの鋳物からなる版枠で4辺を支持されてスクリーンマスク20を構成する。スクリーンマスク20は、その一方主面が導電性接合材を載せ、プリント基板に密着されない面であり、他方主面がプリント基板などに密着される面である。ただし、同図においては版枠の図示を省略している。
【0004】
プリント基板への導電性接合材の印刷は、まず、スクリーンマスク20をプリント基板に密着させ、続いてスキージをスクリーンマスク20の一方主面上を水平にスライド移動させる。これにより、複数の開口部2を通して導電性接合材がプリント基板上に印刷される。次に、スクリーンマスク20を昇降させる手段でプリント基板と密着したスクリーンマスク20をプリント基板から引き離すように上昇させ、スクリーンマスク20とプリント基板とを分離する版離れを行なう。これにより、導電性接合材のプリント基板のランドパターン上への印刷が完了する。
【0005】
しかし、近年の高密度実装化に伴い、例えばプリント基板などに印刷される印刷材の印刷厚は、相互に隣接する導電性接合材間での短絡を防止するために減少しており、それに伴って導電性接合材の印刷厚を制御するマスクプレート20aの厚さは、従来の150μm前後から、80μm〜100μmに薄くされている。従って、マスクプレート20aの剛性が低くなり、容易にたわむようになっている。
【0006】
そのため、版離れの際、スクリーンマスク20は、プリント基板と密着している部分が導電性接合材の粘着力により離れにくく、外周部だけが反り上がってたわんでしまう。この状態でスクリーンマスク20を上昇させ続けると、スクリーンマスク20を上昇させる力がスクリーンマスク20とプリント基板との粘着力よりも大きくなったとき、スクリーンマスク20はプリント基板から弾かれるように版離れする。このとき、複数の開口部2内の導電性接合材が乱され、スクリーンマスク20に導電性接合材が残留したり、プリント基板上に印刷される導電性接合材の形崩れを生じたりする不具合が発生していた。
【0007】
この問題を解決するため、スクリーンマスクの他方主面側と接し、かつ、開口部形成領域を取り囲んで平面形状に取り付けられた、スクリーンマスクの剛性を高める支持部材を備えたスクリーンマスクが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。支持部材は例えば金属板などの剛性の高い鋼板からなり、平面形状は枠型で開口部形成領域を取り囲んで配置される。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−234203号公報(第3−4頁、図1)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記スクリーンマスクでは、スクリーンマスクの他方主面側に平面形状をした枠型の支持部材を取付ける別の工程を付加する必要があり、支持部材のコストおよびスクリーンマスクの他方主面側への支持部材の取付コストがかかり、スクリーンマスク全体の製作コストが高くなってしまう、という問題があった。
【0010】
本発明のスクリーンマスクは、上述の問題を鑑みて為されたものであり、上述の問題を解決し、スクリーンマスクへの印刷材の残留やプリント基板に印刷したソルダペーストなどの形崩れなどの不具合の発生を低減したスクリーンマスクを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のスクリーンマスクは、基板に印刷材を印刷するために形成された複数の開口部を有するマスクプレートを含むスクリーンマスクにおいて、前記マスクプレートにおける前記複数の開口部が形成されている開口部形成領域の外周部に、一部を厚さ方向に突出させた突部を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明のスクリーンマスクの特定の局面においては、前記突部は、前記基板に密着されない面側に突出するように形成されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明のスクリーンマスクの特定の局面においては、前記突部は、前記開口部形成領域を囲むように形成されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明のスクリーンマスクの特定の局面においては、前記突部は、連続して形成されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明のスクリーンマスクの特定の局面においては、前記突部の高さは、前記マスクプレートの厚さの少なくとも20倍以上であることを特徴とする。
【0016】
また、上記目的を達成するため、本発明のスクリーンマスクの製造方法は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のスクリーンマスクを製造する方法において、前記突部に対応した突部または凹部を有する母材上に金属をめっきしてマスクプレートを形成する工程を含むことを特徴とする。
【0017】
さらに、上記目的を達成するため、本発明のスクリーンマスクを用いた電子部品の製造方法は、基板と、前記基板の一方主面側に搭載される回路素子とを用意する工程と、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の前記スクリーンマスクを用いて前記基板の一方主面側に印刷材を印刷する工程と、前記基板に前記回路素子を搭載する工程と、を含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明のスクリーンマスクを用いた電子部品の製造方法の特定の局面においては、前記印刷材は導電性接合材であり、前記回路素子は、前記基板の一方主面側において、前記導電性接合材を介して搭載されることを特徴とする。
【0019】
さらに、上記目的を達成するため、本発明のスクリーンマスクを用いた電子部品は、基板と、前記基板の一方主面側に搭載される回路素子と、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のスクリーンマスクを用いて前記基板の一方主面側に印刷された印刷材と、を含むことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスクリーンマスクの一実施例について、図1から図3までの各図に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施例であるスクリーンマスク1を示す平面図である。図2は、図1にA−Aで示す分割線に沿って分割した断面図である。図3は、本発明の一実施例のマスクプレート1aの製造方法を示す断面図である。
【0021】
図1に示すスクリーンマスク1は、マスクプレート1aと版枠とから構成される。スクリーンマスク1は、一方主面がプリント基板などに密着されない面であり、他方主面がプリント基板などに密着される面である。
【0022】
マスクプレート1aは、ニッケル合金素材などのばね性を有する金属薄板からなる。マスクプレート1aは一般に厚さが50μmから200μmのものが多用されており、本実施例においては、図2に示す厚さt1が150μmのものを使用した。また、図1においては図示を省略したが、版枠は例えばアルミパイプの溶接やアルミの鋳物により構成され、マスクプレート1aの4辺を支持している。
【0023】
また、マスクプレート1aには、プリント基板上の導電性接合材の印刷が必要な部分に対応して複数の開口部2が形成されている。この複数の開口部2によって図1に点線で示す開口部形成領域3が形成されている。
【0024】
また、マスクプレート1aには、図1、図2に示すように、開口部形成領域3(図1参照)と外周部4との間に開口部形成領域3を囲むように連続して、マスクプレート1aの一方主面側に断面半円形状に突出する突部5が形成されている。図2に示すように、本実施例の突部5の断面形状はスクリーンマスク1の一方主面側からの高さt2(突部5の高さ)が5mm、幅wが10mmであり、高さt2はマスクプレート1aの厚さ150μmの約33倍である。また、図2、図3において版枠の図示は省略している。
【0025】
次に、本実施例のマスクプレート1a、および、マスクプレート1aを備えたスクリーンマスク1の製造方法について図3に基づいて説明する。
【0026】
本実施例のマスクプレート1aは、図3に示すようにアディティブ法を用いて製造される。
【0027】
まず、マスクプレート1aの突部5の形成予定領域に対応して凹部が設けられた金属製の母材13の上にレジスト膜を形成し、続いてレジスト膜の上にレジストパターンの形成予定領域に対応した開口部が形成されたフォトマスクをセットする(図示せず)。
【0028】
次に、フォトマスクの開口部分を露光してレジストパターンの形成予定領域のレジスト膜を感光させる(図示せず)。
【0029】
次に、レジスト膜にセットしていたフォトマスクを外し、余分なレジスト膜を例えば有機溶剤から構成される現像液により除去する現像を行ない、マスクプレート1aの開口予定領域にレジストパターン14を形成する(図3(a))。
【0030】
次に、母材13上にニッケルなどのめっき膜15を形成する(図3(b))。
【0031】
次に、図3(a)で形成したレジストパターン14を、例えば有機溶剤から構成される剥離液によって剥離する(図3(c))。
【0032】
次に、形成しためっき膜15から母材13を剥離することで図3(b)において形成しためっき膜15がマスクプレート1aとなる(図3(d))。
【0033】
こうして形成された本実施例のマスクプレート1aの複数の開口部2には、それぞれ母材13と接していた面が狭くなるようにテーパーが設けられている。ここで、本実施例では版離れにおいて、スクリーンマスク1を昇降させる手段でプリント基板と密着したスクリーンマスク1をプリント基板から引き離すように上昇させて分離するため、スクリーンマスク1は、導電性接合材が複数の開口部2から良好に版抜けするようにテーパーの広い面を他方主面として用いる(図3(e))。
【0034】
以上のステップを経ることによって、本実施例のマスクプレート1aが完成される。
【0035】
また、このマスクプレート1aに版枠を嵌め合わせてマスクプレート1aの周縁が固定されるように組み立てることで、本願発明のスクリーンマスク1を製造することができる。
【0036】
上述したように、本実施例のスクリーンマスク1によれば、開口部形成領域3と外周部4との間に、スクリーンマスク1の一部を一方主面側に断面半円形状に突出させた突部5を形成している。これによりスクリーンマスク1の垂直方向の厚さを突部5において部分的に厚くできるため、従来例のように支持部材を使用することなくスクリーンマスク1の剛性を高めることができる。従って、従来のように支持部材を取付ける工程が必要でなく、支持部材にかかるコストおよび支持部材の取付コストを削減することが可能である。
【0037】
さらに、本実施例のスクリーンマスク1によれば、開口部形成領域3と外周部4との間に突部5を形成することで剛性を高めているため、スクリーンマスク1の複数の開口部2に導電性接合材の印刷を行なった後に版離れを行なう際においても、スクリーンマスク1の外周部4のたわみが軽減されてスクリーンマスク1がプリント基板から弾かれるように版離れすることがない。従って、スクリーンマスク1の複数の開口部2への導電性接合材の残留やプリント基板に印刷された導電性接合材の形崩れなどの印刷不良など、不具合の発生を低減することができる。
【0038】
また、スクリーンマスク1の他方主面側に滲んだ導電性接合材をスクリーン印刷装置の自動クリーニング機能を用いて取り除く際、従来のスクリーンマスクのように他方主面側に形成された支持部材が支障となることがなく、自動クリーニングに対応可能なスクリーンマスク1を提供することができる。
【0039】
また、本実施例のスクリーンマスク1は、形成するマスクプレート1aの突部5に対応した凹部を有する母材13上にニッケルなどをめっきして形成したマスクプレート1aを備えている。このため、従来のマスクプレートのように、マスクプレート1aに物理的な力を加えて突部を形成する必要がないため、より高精度のスクリーンマスク1を得ることができる。
【0040】
また、本発明のスクリーンマスク1の製造方法によれば、形成するマスクプレート1aの突部5に対応した凹部を有する母材13上にニッケルなどをめっきして形成したマスクプレート1aを用いるため、従来のマスクプレートのように、マスクプレート1aに物理的な力を加えて突部を形成する製造工程を付加する必要がない。従って、従来より高精度で、かつ、製造工程の短縮を可能にしたマスクプレート1aを備えたスクリーンマスク1を得ることができる。
【0041】
次に、本実施例のスクリーンマスク1を用いた電子部品12の製造方法および電子部品12の一実施例について、図4および図5に基づいて説明する。図4は、本発明のスクリーンマスク1を用いた電子部品の製造方法を示す正面図である。図5は、本発明のスクリーンマスク1を用いて製造された電子部品12を示す正面図である。
【0042】
まず、プリント基板7と、プリント基板7の一方主面側に搭載される回路素子8を用意する。プリント基板7は例えば樹脂やセラミックス等の絶縁材料によって構成される。また、回路素子8としては例えば積層セラミックコンデンサなどが用いられる。
【0043】
次に、プリント基板7の一方主面側に導電性接合材9を印刷する工程を行なう。このときまず、スクリーンマスク1とプリント基板7とを密着させてスクリーンマスク1の一方主面側をスキージ10が水平にスライド移動することによって、複数の開口部2に導電性接合材9の充填を行なう(図4(a),(b))。
【0044】
その後、スクリーンマスク1を昇降させる手段によってスクリーンマスク1を上昇させ、プリント基板7と密着したスクリーンマスク1をプリント基板7から引き離す版離れを行なう。これによりプリント基板7のランドパターン上への印刷が完了する(図4(c))。ただし図4においては、図5に示すランドパターン11の図示を省略した。
【0045】
次に、導電性接合材9が印刷されたプリント基板7の一方主面側のランドパターン11上に、図5に示す回路素子8を配置する工程を行なう。このとき、回路素子8は、例えばチップマウンターなどを用いて導電性接合材9が印刷されたプリント基板7のランドパターン11上に配置される。
【0046】
次に、回路素子8が配置されたプリント基板7をリフロー炉に入れて加熱し、プリント基板7と回路素子8とを固着するリフローを行なう。このリフローにより回路素子8が導電性接合材9を介してプリント基板7に搭載される(図示せず)。
【0047】
以上の工程を経て、図5に示す1プリント基板7と、回路素子8と、導電性接合材9とを備えた電子部品12が完成する。
【0048】
このように、本実施例のスクリーンマスク1を用いた電子部品12の製造方法および電子部品12によれば、突部5を形成することで剛性を高めた本実施例のスクリーンマスク1を用いるため、スクリーンマスク1の複数の開口部2に導電性接合材9の印刷を行なった後に版離れを行なう際においても、スクリーンマスク1の外周部のたわみが軽減され、スクリーンマスク1がプリント基板から弾かれるように版離れすることがない。従って、スクリーンマスク1の複数の開口部2への導電性接合材9の残留やプリント基板7に印刷された導電性接合材9の形崩れなどの印刷不良など、不具合の発生を低減することができ、信頼性の高い電子部品12を得ることができる。
【0049】
なお、本実施例のスクリーンマスク1においては、突部5は開口部形成領域3と外周部4との間に開口部形成領域3の周囲を囲むように連続して形成されたが、本発明はこれに限定されるものではない。ただし、より効果的にスクリーンマスク1の剛性を高めるため、突部5は開口部形成領域3の周囲を囲むように連続して形成されることが好ましい。
【0050】
また、本実施例のスクリーンマスク1では、突部5は断面半円形状に形成されたが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、突部5の形状は例えば台形状や三角形状に形成されても良いし、あるいは本実施例の突部5が開口部形成領域3の周囲に複数形成されても良い。
【0051】
また、本実施例のスクリーンマスク1では、突部5の高さt2(突部5の高さ)が5mm、マスクプレート1aの厚さの約33倍としたが、本発明はこれに限定されるものではない。ただし、より効果的にスクリーンマスク1の剛性を高めるため、突部5の高さt2(突部5の高さ)はマスクプレート1aの厚さの20倍以上とされるのが好ましい。
【0052】
また、本発明において突部5はスクリーンマスク1の一部を一方主面側に突出するように形成されたが、本発明はこれに限定されるものではない。より詳しくは、突部5はスクリーンマスク1の他方主面側に突出するように形成されても良い。ただし、スクリーンマスクの一方主面側に突出する突部が形成されるときが好ましい。このとき、従来のスクリーンマスクのように他方主面側に取付けた支持部材が支障となることがない。従って、スクリーンマスクの他方主面側に滲んだ印刷材をスクリーン印刷装置の自動クリーニング機能を用いて取り除くことが可能である。
【0053】
本発明のマスクプレート1aは、マスクプレート1aの突部5の形成予定領域に対応して凹部が設けられた金属製の母材13を用いたアディティブ法により製造されたが、本発明はこれに限定されるものではない。より詳しくは、図6(a)〜(c)に示すマスクプレート1aの突部5の形成予定領域に対応して突部が設けられた母材13を用いて、マスクプレート1aが製造されても良い(図6(d))。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本発明のスクリーンマスクによれば、スクリーンマスクの剛性を高める手段として支持部材を使用せず、開口部形成領域と外周部との間に、スクリーンマスクの一部を厚さ方向に突出させた突部を形成する。この突部を形成することでスクリーンマスクの垂直方向の厚さが部分的に厚くできるため、従来のスクリーンマスクのように支持部材を取付ける別の工程を付加することなくスクリーンマスクの剛性を高めることができる。従って、支持部材にかかるコストおよび支持部材の取付コストを削減した、信頼性の高い電子部品を提供することが可能である。
【0055】
さらに、本発明のスクリーンマスクによれば、開口部形成領域と外周部との間に突部を形成することで剛性を高めているため、スクリーンマスクの複数の開口部に印刷材の印刷を行なった後にスクリーンマスクをプリント基板から引き離す版離れを行なう際においても、スクリーンマスクの外周部のたわみが軽減されてスクリーンマスクがプリント基板から弾かれるように版離れすることがない。従って、スクリーンマスクの複数の開口部への印刷材の残留やプリント基板に印刷された印刷材の形崩れなどの印刷不良など、不具合の発生を低減することができ、信頼性の高い電子部品を提供することができる。
【0056】
また、本発明のスクリーンマスクによれば、開口部形成領域と外周部との間にスクリーンマスクの一方主面側に突出する突部が形成されるときが好ましい。このとき、従来のスクリーンマスクのように他方主面側に取付けた支持部材が支障となることがない。従って、スクリーンマスクの他方主面側に滲んだ印刷材をスクリーン印刷装置の自動クリーニング機能を用いて取り除く際においても、自動クリーニングに対応可能なスクリーンマスクを提供することができる。
【0057】
また、本発明のスクリーンマスクの突部の高さは、マスクプレートの厚さの少なくとも20倍以上であるときが好ましい。このときより効果的にスクリーンマスクの剛性を高めることができる。
【0058】
また、本発明のスクリーンマスクは、形成するマスクプレートの突部に対応した突部または凹部を有する母材上に金属をめっきして形成したマスクプレートを備えるときが好ましい。このとき、より高精度のスクリーンマスクを得ることができる。
【0059】
また、本発明のスクリーンマスクの製造方法によれば、形成するマスクプレートの突部に対応した突部または凹部を有する母材上に金属をめっきして形成したマスクプレートを用いるため、マスクプレートに物理的な力を加えて突部を形成する製造工程を付加する必要がない。従って、従来より高精度で、かつ、製造工程の短縮を可能にしたマスクプレートを備えたスクリーンマスクを得ることができる。
【0060】
また、本発明のマスクプレートを用いた電子部品の製造方法および電子部品によれば、開口部形成領域と外周部との間に突部を形成することで剛性を高めているため、スクリーンマスクの複数の開口部に印刷材の印刷を行なった後にスクリーンマスクをプリント基板から引き離す版離れを行なう際においても、スクリーンマスクの外周部のたわみが軽減されてスクリーンマスクがプリント基板から弾かれるように版離れすることがない。従って、スクリーンマスクの複数の開口部への印刷材の残留やプリント基板に印刷された印刷材の形崩れなどの印刷不良など、不具合の発生を低減することができ、信頼性の高い電子部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるスクリーンマスクを示す平面図である。
【図2】図1に示すスクリーンマスクを図1にA−Aで示す分割線に沿って分割した断面図である。
【図3】本発明の一実施例であるマスクプレートの製造方法を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施例であるスクリーンマスクを用いた電子部品の製造方法を示す正面図である。
【図5】本発明の一実施例であるスクリーンマスクを用いて製造された電子部品を示す正面図である。
【図6】本発明の一実施例であるマスクプレートの他の製造方法を示す断面図である。
【図7】従来のスクリーンマスクを示す平面図である。
【符号の説明】
1,20 スクリーンマスク
1a,20a マスクプレート
2 開口部
3 開口部形成領域
4 外周部
5 突部
7 プリント基板
8 回路素子
9 導電性接合材
10 スキージ
11 ランドパターン
12 電子部品
13 母材
14 レジストパターン
15 めっき
Claims (9)
- 基板に印刷材を印刷するために形成された複数の開口部を有するマスクプレートを含むスクリーンマスクにおいて、
前記マスクプレートにおける前記複数の開口部が形成されている開口部形成領域の外周部に、一部を厚さ方向に突出させた突部を有することを特徴とする、スクリーンマスク。 - 前記突部は、前記基板に密着されない面側に突出するように形成されることを特徴とする、請求項1に記載のスクリーンマスク。
- 前記突部は、前記開口部形成領域を囲むように形成されることを特徴とする、請求項1ないし請求項2のいずれかに記載のスクリーンマスク。
- 前記突部は、連続して形成されることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のスクリーンマスク。
- 前記突部の高さは、前記マスクプレートの厚さの少なくとも20倍以上であることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のスクリーンマスク。
- 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のスクリーンマスクを製造する方法において、前記突部に対応した突部または凹部を有する母材上に金属をめっきしてマスクプレートを形成する工程を含むことを特徴とする、スクリーンマスクの製造方法。
- 基板と、前記基板の一方主面側に搭載される回路素子とを用意する工程と、
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の前記スクリーンマスクを用いて前記基板の一方主面側に印刷材を印刷する工程と、
前記基板に前記回路素子を搭載する工程と、を含むことを特徴とする、電子部品の製造方法。 - 前記印刷材は導電性接合材であり、前記回路素子は、前記基板の一方主面側において、前記導電性接合材を介して搭載されることを特徴とする、請求項7に記載の電子部品の製造方法。
- 基板と、
前記基板の一方主面側に搭載される回路素子と、
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のスクリーンマスクを用いて前記基板の一方主面側に印刷された印刷材と、を含むことを特徴とする電子部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003060340A JP2004268335A (ja) | 2003-03-06 | 2003-03-06 | スクリーンマスク、それを用いた電子部品の製造方法および電子部品 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003060340A JP2004268335A (ja) | 2003-03-06 | 2003-03-06 | スクリーンマスク、それを用いた電子部品の製造方法および電子部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004268335A true JP2004268335A (ja) | 2004-09-30 |
Family
ID=33122912
Family Applications (1)
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JP2003060340A Pending JP2004268335A (ja) | 2003-03-06 | 2003-03-06 | スクリーンマスク、それを用いた電子部品の製造方法および電子部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004268335A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008221539A (ja) * | 2007-03-09 | 2008-09-25 | Fuji Mach Mfg Co Ltd | スクリーン印刷装置 |
JP2010228320A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Kyoritsu Kagaku Sangyo Kk | 接着剤リブ形成用メタルマスク及びその製造方法 |
-
2003
- 2003-03-06 JP JP2003060340A patent/JP2004268335A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008221539A (ja) * | 2007-03-09 | 2008-09-25 | Fuji Mach Mfg Co Ltd | スクリーン印刷装置 |
JP2010228320A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Kyoritsu Kagaku Sangyo Kk | 接着剤リブ形成用メタルマスク及びその製造方法 |
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