JP2004268231A - インパクトレンチ - Google Patents

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JP2004268231A JP2003065142A JP2003065142A JP2004268231A JP 2004268231 A JP2004268231 A JP 2004268231A JP 2003065142 A JP2003065142 A JP 2003065142A JP 2003065142 A JP2003065142 A JP 2003065142A JP 2004268231 A JP2004268231 A JP 2004268231A
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Eiichi Hamada
栄一 浜田
Shuichi Yonezawa
修一 米沢
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Atlas Copco KK
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】インパクトレンチにマーキング手段を設け、ボルトの締付け作業および締付け状態の確認を効率的に行う。
【解決手段】マーキング手段46にインクカートリッジ47を備える押捺スポンジを用いることにより、インクカートリッジ47から一定量のインクを押捺スポンジに供給して、複数のボルト頭部9に対し連続的にマーキング作業を行うことが可能となる。押捺スポンジからボルト頭部9へと塗布されるインクは、ソケット13の内部に格納されており、ソケット13の外部から供給される構成を採らないので、従来の如く、ソケット外部からインクを供給する際に、供給管路にインクの目詰まりを生ずるといった問題は発生しない。なお、マーキング手段46を、ボルト頭部9へと接近させるためのピストン32の駆動力は、エア管路22によって供給されるエアの背圧から得ている。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インパクトレンチの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ボルトを所定のトルクで締付けた証拠として、ボルトにマーキングを施す手段が、様々に考案されている。例えば、プリセット型トルクレンチに、締付けトルクが所定値に達した時のトグル動作に伴って作動するエアマイクロスイッチと、その開閉により作動するエアシリンダとを設け、当該エアシリンダによりボルトの頭部に対しマーキング手段を押付けるものが発明されている(例えば、特許文献1参照。)。また、トルクリミッタ付ボルト・ナット締付け機において、ソケットのボルト頭部を嵌合する凹部内にマーキングを突出させ、ボルト頭部をソケットに嵌合する時点でボルト頭部にマーキングを施すものが発明されている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、図5に示す例は、ナットランナー1の、ソケット2を駆動する回転軸3に、貫通穴4を設け、締付け完了信号をトリガーとして塗料を導入する塗料噴射装置5から、貫通穴4に塗料を噴射し、ボルト・ナットに塗料をマーキングすることを可能としたものである。
【0003】
【特許文献1】
特開昭62−130182号公報(第1頁、図3)
【特許文献2】
特開平9−1472号公報(請求項1、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術は、各々以下のような課題を包含していた。まず、プリセット型トルクレンチにマーキング手段を設けたものは、あくまでもトルク検査用手工具であるため、ボルト締付け作業は別の動力工具で行う必要があり、作業者はその都度工具を持ち替えなければならないといった、作業上の煩わしさがある。
【0005】
一方、トルクリミッタ付ボルト・ナット締付け機にマーキング手段を設けたものは、ボルト頭部をソケットに嵌合する時点でボルト頭部にマーキングを施す、即ち、ボルトの締付けを行う前にボルト頭部にマーキングを施すものであるが、実用上マーキングを施したボルトが締付け不良となっているといった問題を生じることは少ないと考えられる。理由は、ボルト・ナット締付け機は、駆動反力が内力で相殺されるので大トルクでの締付けが可能であり、トルクリミッタにより回転停止制御を行うものであることから、何らかの理由で作業を中断しない限り、マーキングを施したボルトは必ず所定の締付けトルクで締付けられるからである。
しかしながら、例えば、インパクトレンチにおいて、これと同様にボルト頭部をソケットに嵌合する時点でボルト頭部にマーキングを施すこととすると、締め付け完了の判断が作業者によってばらつく余地があり、規定の締付けトルクで締付けた証拠としてのマーキングの信頼性を確保することが容易ではない。
【0006】
また、図5に示す例では、塗料噴射装置5が工具本体側(非回転部)から、塗料を回転軸3の貫通穴4へと送るための通路6や、通路6と貫通穴4との連結部7等に、塗料の目詰まりが生じ易いといった問題がある。また、供給された塗料が回転軸3の貫通穴4を通過してボルト8の頭部9へと円滑に塗布されるためには、連結部7を回転軸3の端部に置くことが必要不可欠であり、かかる構造を採ることが可能なランナータイプのボルト締付け装置にその適用が限られるといった問題もあった。さらに、塗料タンク、ベンチュリーバルブ、配管チューブ、塗料調整弁などで構成されるマーキング手段は、その構成が複雑で高価となるといった弊害もあった。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、インパクトレンチにマーキング手段を設け、作業者が工具を持ち替えることなくボルトの締付け作業および締付け作業完了のマーキングを行うことを可能とし、ボルトの締付け作業および締付け状態の確認を効率的に行うことを可能とすることにある。また、簡単な構造のマーキング手段を構成することで、保守管理を容易としかつ故障の発生も少なく、信頼性の高いマーキング機能付きボルト締付け手段を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための、本発明の請求項1に係るインパクトレンチは、ボルトの締付けトルクが規定値に達した時点で、エアモータへのエアの供給を停止するシャットオフバルブを、エアの供給回路中に備えるインパクトレンチであって、ボルト頭部と嵌合する凹部の奥方に、エア圧によって軸方向へと駆動されるピストンおよび当該ピストンに駆動されるマーキング手段を内蔵し、外周面に前記ピストンへの連通路を開口する円筒状ソケットと、前記シャットオフバルブを閉じることにより上昇するエアの背圧を取出し、前記ピストンへと送るためのエア管路と、前記円筒状ソケットの外周面を回転可能に密閉保持し、かつ、前記外周面に開口する前記ピストンへの連通路を前記エア管路と連通させるソケット保持部とを備えることを特徴とするものである。
【0009】
本発明によれば、ボルトの締付けトルクが規定トルクに達した時点でエアモータを自動停止させるための、前記シャットオフバルブを閉じることにより上昇するエアの背圧を、前記エア管路によって、前記ソケットに内蔵したピストンへと送り、その駆動に利用する。そして、ボルトの締付けトルクが規定トルクに達した後に、前記ピストンに駆動されるマーキング手段により、ボルト頭部にマーキングを施すことができる。前記ソケットへと供給されるものはあくまでもエアであることから、エア管路中に目詰まりを起こすといった不具合は生じない。
また、前記ソケット保持部は、前記円筒状ソケットの外周面を回転可能に密閉保持し、かつ、前記円筒状ソケットの外周面に開口する前記ピストンとの連通路を前記エア管路と連通させるものであることから、ボルトの締付けに必要な前記ソケットの回転を阻害することなく、前記ソケットに内蔵したピストンへとエアの背圧を供給することが可能である。
【0010】
また、本発明の請求項2に係るインパクトレンチは、請求項1記載のインパクトレンチにおいて、前記円筒状ソケットは、前記ピストンに前記凹部と嵌合するボルトの頭部に接近する方向へと前記エアの背圧を作用させるエア回路と、当該エアによる駆動力に対向する当該駆動力よりも小さな弾性力を、前記ピストンに付与するバネとを備えるものである。
【0011】
本発明によれは、前記ソケットのボルト頭部と嵌合する凹部の奥方に設けたマーキング手段を、ボルト頭部へと接近させるための前記ピストンの駆動力を、前記エア管路から供給されるエアの背圧によって得ると共に、当該マーキング手段をボルト頭部から離間させ原位置へと戻すための駆動力を、前記バネによって得ることで、前記マーキング手段の駆動構造の単純化を図ることができる。
【0012】
また、本発明の請求項3に係るインパクトレンチは、請求項2記載のインパクトレンチにおいて、前記ピストンは有底筒状をなし、その開放端を前記凹部と嵌合するボルトの頭部に向けて配置し、その内筒部に前記マーキング手段を配置して当該マーキング手段とピストン底部との間に圧縮バネを介在させ、当該圧縮バネの弾性力に対向する比較的小さな弾性力を前記マーキング手段に付与するバネを、前記円筒状ソケットに設けたものである。
【0013】
本発明によれば、前記マーキング手段とピストン底部との間に圧縮バネを介在させることにより、前記マーキング手段を前記ピストンに対し浮動支持している。そして、前記ピストンの作動ストロークを変更することなく、高さの異なるボルト頭部に対する、前記マーキング手段の当接圧力の適正化を図ることが可能となる。
ここで、前記ピストンの駆動を開始してから前記マーキング手段がボルト頭部に当接するまでの間は、前記マーキング手段とピストン底部との間に設けた圧縮バネは縮むことなく、前記圧縮バネの弾性力に対向する比較的小さな弾性力を前記マーキング手段に付与するバネが縮んで、前記マーキング手段と前記ピストンとの位置関係を保ちつつ、前記マーキング手段をボルト頭部へと接近させる。前記マーキング手段がボルト頭部に当接した後は、前記圧縮バネが縮み、前記ピストン底部と前記マーキング手段との距離を縮め、ボルト頭部の高さのバラツキの分を吸収する。一方、当該マーキング手段をボルト頭部から離間させる際には、まず、前記圧縮バネが元の状態まで伸び、その後、前記マーキング手段のボルト頭部への接近時に縮んだバネの弾性力によって、後退する前記ピストンに前記マーキング手段を追従させ、原位置へと戻すことが可能となる。
【0014】
また、本発明の請求項4に係るインパクトレンチは、請求項2または3記載のインパクトレンチにおいて、前記マーキング手段はインクカートリッジを備える押捺スポンジとしたものである。
本発明によれば、前記インクカートリッジから一定量のインクを前記押捺スポンジに供給して、複数のボルト頭部に対し連続的にマーキング作業を行うことが可能となる。なお、前記押捺スポンジの硬度が比較的低い場合には、前記押捺スポンジ自体の変形によって、高さの異なるボルト頭部に対する、前記マーキング手段の当接圧力の適正化を図ることが可能であり、請求項3記載のピストンに対するマーキング手段の浮動支持構造は不要である。一方、前記押捺スポンジの硬度が比較的高い場合には、請求項3記載のピストンに対するマーキング手段の浮動支持構造を採用することが望ましい。
【0015】
また、本発明の請求項5に係るインパクトレンチは、請求項2または3記載のインパクトレンチにおいて、前記マーキング手段は打撃ピンとしたものである。
本発明によれば、前記打撃ピンによってボルト頭部に窪みを形成することで、複数のボルト頭部に対し連続的にマーキング作業を行うことが可能となる。なお、マーキングをすべきボルト頭部の高さを一定に制限する場合には、請求項3記載のピストンに対するマーキング手段の浮動支持構造は不要である。一方、高さの異なるボルト頭部にマーキングを施す必要がある場合には、請求項3記載のピストンに対するマーキング手段の浮動支持構造を採用することが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、従来技術と同一部分若しくは相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明を省略する。
【0017】
図1には、本発明の実施の形態に係るインパクトレンチ11を示している。また図2には、インパクトレンチ11に内蔵されたエアの供給回路を概略的に図示している。
インパクトレンチ11の本体12には、ソケット13の駆動手段としてエアモータ14が内蔵されている。また、グリップ部15には、エア供給口16から供給された圧縮エアを、エアモータ14へと送るための操作を行うトリガ17が設けられている。そして、トリガ17によって開閉操作されるトリガバルブ18と、エアモータ14との間には、ボルトの締付けトルクが規定値に達した時点で、エアモータへのエアの供給を停止するシャットオフバルブ19が設けられている。さらに、トリガバルブ18とシャットオフバルブ19との間には、シャットオフバルブ19を閉じることによって上昇するエア回路中のエアの背圧を逃がすための分岐管路20を設けている。そして、分岐管路20へと逃げたエアは、例えば本体12の後部に設けた背圧信号出力口21から取出され、エア管路22を介して、ソケット13へと送られる。
【0018】
図3には、図1に符号Aで示す二点鎖線で囲んだ部分の構造を断面で図示している。また、図4には、ソケット13の外観を立体的に示している。
ソケット13は円筒状をなし、その基端部23には、エアモータ14(図2)に駆動される出力角軸24と嵌合するための角穴25を形成している。また、基端部23と出力角軸24とを貫通する貫通穴26、27を設け、貫通穴26、27に抜け止め用のピン28を挿入することで、ソケット13はインパクトレンチ11に対し着脱可能に固定される。
【0019】
ソケット13の先端部29には、ボルト頭部9と嵌合する断面六角状の凹部30を形成している。また、凹部30の奥方には空洞31を設け、空洞31をシリンダ室とするピストン32を内蔵している。ピストン32は有底筒状をなしており、その開放端を凹部30と嵌合するボルトの頭部9に向けて配置している。ピストン32の開放端に設けたフランジ33は、空洞31に形成した段部34と当接して、ピストン32の作動ストロークの一端部を画定している。さらに、フランジ33と、凹部30に捩じ込まれる止めネジ35との間に、バネ36を配置している。バネ36は、エアの背圧によるピストン32の駆動力と対向するための、当該駆動力よりも小さな弾性力をピストン32に付与するものである。
【0020】
ソケット13の空洞31の底面中央部には、ピストン32に対し、ボルト頭部9に接近する方向へとエアの背圧を作用させるためのエア回路37が連通されている。エア回路37は、空洞31の底面中央部からソケット13の外周面へ向けて放射状に延び、ソケット13の外周面に形成された環状溝38に開口39を形成している(図4参照)。ソケット13の外周面は、インパクトレンチ11の本体12に対し、ボルト40によって固定されるソケット保持部41の、スリーブ42によって回転可能に保持されている。また、ソケット13外周面の環状溝38および開口39は、スリーブ42に保持されるOリング43によって密閉されている。さらに、スリーブ42の貫通穴44に固定されるジョイント45に、エア管路22を連結している。よって、エア管路22とソケット13外周面の環状溝38および開口39とは、気密性をもって接続されている。
【0021】
また、ピストン32の内筒部には、マーキング手段46を配置している。図示のマーキング手段46は、ピストン32の内筒部に挿通可能な円筒状のインクカートリッジ47を備える押捺スポンジである。インクカートリッジ47の基端部48とピストン32の底部49との間には、圧縮バネ50を介在させている。なお、インクカートリッジ47の基端部48を、圧縮バネ50のコイル径よりも小径の突起状に形成することにより、圧縮バネ50の位置決めを施すことが可能である。
さらに、インクカートリッジ47の先端部と、凹部30に捩じ込まれる止めネジ35との間に、バネ51を配置している。バネ51は、圧縮バネ50の弾性力に対向する比較的小さな弾性力を、インクカートリッジ47に付与するものである。
【0022】
上記構成をなすインパクトレンチ11によると、ボルトの締付け作業およびボルト頭部9へのマーキング作業は、次の手順で行われる。
作業者は、インパクトレンチ11のグリップ部15を握り、ソケット13の凹部30をボルト頭部9に嵌合させる。そして、トリガ17を引くことにより、エアモータ14を回転させ、エアモータ14に駆動される出力角軸24によりソケット13を回転駆動する。ボルトの締付けトルクが規定値に達した時点で、シャットオフバルブ19が閉じ、エアモータ14へのエアの供給を停止する。よって、ボルトを規定の締付けトルクで締付けた時点で、ソケット13の回転は自動停止する。
【0023】
シャットオフバルブ19を閉じることによって上昇するエア回路中のエアの背圧は、背圧信号出力口21から取出され、エア管路22、ジョイント45、スリーブ42の貫通穴44、ソケット13の環状溝38、開口39、エア回路37を介して、ソケット13の空洞31(シリンダ室)へと送られる。この際、エア管路22とソケット13外周面の、環状溝38および開口39との間で、エア漏れを生ずることはない。
【0024】
ソケット13の空洞31へとエアの背圧が送られることで、ピストン32は、バネ36の弾性力に対向して、ボルト頭部9へと接近していく。この際、ピストン32の駆動を開始してからマーキング手段46がボルト頭部9に当接するまでの間は、マーキング手段46とピストン底部49との間に設けた圧縮バネ50は縮むことなく、バネ51が縮むことにより、マーキング手段46とピストン32との位置関係を保ちつつ、マーキング手段46をボルト頭部9へと接近させる。そして、マーキング手段46である押捺スポンジをボルト頭部に当接させ、インクをボルト頭部9に塗布する。マーキング手段46である押捺スポンジがボルト頭部9に当接した時点で、ピストン32が作動ストローク端部まで移動していない場合であっても、ピストン32の動作は継続される。ピストン32が作動ストローク端部に至るまでの間は、圧縮バネ50が縮み、インクカートリッジ47の基端部48とピストン32の底部49とを接近させる。
【0025】
ボルト頭部9へのマーキング作業を終了した後、作業者は、トリガ17を戻すことで、トリガバルブ18を閉じる。すると、ソケット13の空洞31へと送られていたエアの背圧は急激に低下し、ピストン32はバネ36の弾性力によって原位置へと押戻される。そして、マーキング手段46をボルト頭部9から離間させる。この際、マーキング手段46のボルト頭部9への接近時に縮んだ圧縮バネ50が再び伸びて、インクカートリッジ47の基端部48とピストン32の底部49との距離を、再び当初の状態に戻す。さらに、バネ51の弾性力によって、後退するピストン32にマーキング手段46を追従させ、原位置へと押戻すことができる。
【0026】
上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。まず、本発明の実施の形態によれば、ボルトの締付けトルクが規定トルクに達した時点でエアモータ14を自動停止させるための、シャットオフバルブ19を閉じることにより上昇するエアの背圧を、エア管路22によって、ソケット13に内蔵したピストン32へと送り、その駆動に利用する。そして、ボルトの締付けトルクが規定トルクに達した後に、ピストン32に駆動されるマーキング手段46により、ボルト頭部にマーキングを施すことができる。ここで、ソケット13へと供給されるものはあくまでもエアであることから、エア管路22中に目詰まりを起こすといった不具合は生じ得ないものである。
【0027】
また、ソケット保持部41のスリーブ42は、ソケット13の外周面を回転可能に密閉保持し、かつ、ソケット13の外周面に開口するピストンとの連通路(エア回路37、環状溝38、開口39)を、エア管路22と連通させるものであることから、ボルトの締付けに必要なソケット13の回転を阻害することなく、インパクトレンチ11に内蔵されたエアの供給回路(図2)から、ソケット13に内蔵したピストン32へと、エアの背圧を供給することが可能である。
【0028】
また、本発明の実施の形態によれば、凹部30の奥方に設けたマーキング手段46を、ボルト頭部9へと接近させるためのピストン32の駆動力を、エア管路22によって供給されるエアの背圧によって得ると共に、マーキング手段46をボルト頭部9から離間させ原位置へと戻すための駆動力を、バネ36によって得ることで、マーキング手段36の駆動構造の単純化を図ることができる。
【0029】
また、本発明の実施の形態では、マーキング手段46のインクカートリッジ47とピストン底部49との間に圧縮バネ50を介在させることにより、マーキング手段46をピストン32に対し浮動支持している。したがって、ピストン32の作動ストロークを変更することなく、高さの異なるボルト頭部9に対する、マーキング手段46の当接圧力の適正化を図ることが可能となる。
ここで、ピストン32の駆動を開始してからマーキング手段46がボルト頭部9に当接するまでの間は、マーキング手段46とピストン底部49との間に設けた圧縮バネ50は縮むことなく、圧縮バネ50の弾性力に対向する比較的小さな弾性力をマーキング手段46のインクカートリッジ47に付与するバネ51が縮むことにより、マーキング手段46とピストン32との位置関係を保ちつつ、マーキング手段46をボルト頭部9へと接近させるさせることができる。マーキング手段46がボルト頭部9に当接した後は、圧縮バネ50が縮み、ピストン底部49とマーキング手段46との距離を縮め、ボルト頭部9の高さのバラツキの分を吸収する。一方、マーキング手段46をボルト頭部9から離間させる際には、まず、圧縮バネ50が元の状態まで伸び、その後、マーキング手段46のボルト頭部9への接近時に縮んだバネ51の弾性力によって、後退するピストン32にマーキング手段46を追従させ、原位置へと戻すことが可能となる。
【0030】
また、本発明の実施の形態では、マーキング手段46にインクカートリッジ47を備える押捺スポンジを用いることにより、インクカートリッジ47から一定量のインクを押捺スポンジに供給して、複数のボルト頭部9に対し連続的にマーキング作業を行うことが可能となる。ここで、押捺スポンジからボルト頭部9へと塗布されるインクは、ソケット13の内部に格納されており、ソケット13の外部から供給される構成を採らないので、従来(図5参照)の如く、ソケット外部からインクを供給する際に、供給管路にインクの目詰まりを生ずるといった問題は発生しない。また、外部からソケットへとインクを供給するために必要となる、塗料タンク、ベンチュリーバルブ、配管チューブ、塗料調整弁などの複雑で高価な構成が不用であり、マーキング手段の単純化が図られる。
【0031】
なお、押捺スポンジの硬度が比較的低い場合には、押捺スポンジ自体の変形によって、高さの異なるボルト頭部に対する、マーキング手段46の当接圧力の適正化を図ることが可能であることから、ピストン32を有底筒状とし、ピストン32の内筒部にマーキング手段46を浮動支持する構造は不要である。かかる場合には、ピストン32とマーキング手段46とを一体構造、若しくは、ピストン32に対しマーキング手段46を着脱自在に固定する構造をとることとする。一方、押捺スポンジの硬度が比較的高い場合には、高さの異なるボルト頭部9に対する、マーキング手段46の当接圧力の適正化を図るために、図示の如くマーキング手段46の浮動支持構造を採用することが望ましい。
【0032】
さらに、マーキング手段46としてのインクカートリッジ47を備える押捺スポンジに代えて、例えば、打撃ピンを用いることも可能である。かかる場合には、ピストン32に駆動される打撃ピンによってボルト頭部9に窪みを形成することで、複数のボルト頭部に対し連続的にマーキング作業を行うことが可能となる。
このように、打撃ピンをマーキング手段46に用いる場合でも、マーキングをすべきボルト頭部9の高さを一定のものに制限する場合には、マーキング手段46の浮動支持構造は不用となる(押捺スポンジの硬度が比較的高い場合も同様である。)。一方、高さの異なるボルト頭部にマーキングを施す必要がある場合には、高さの異なるボルト頭部9に対する、打撃ピンの当接圧力の適正化を図るために、マーキング手段46の浮動支持構造を採用することが望ましい。
【0033】
【発明の効果】
本発明はこのように構成したので、インパクトレンチにマーキング手段を設け、作業者が工具を持ち替えることなくボルトの締付け作業および締付け作業完了のマーキングを行うことが可能となり、ボルトの締付け作業および締付け状態の確認を効率的に行うことが可能となる。また、簡単な構造のマーキング手段を構成することで、保守管理を容易としかつ故障の発生も少なく、信頼性の高いマーキング機能付きボルト締付け手段を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るインパクトレンチを示す模式図である。
【図2】図1に示すインパクトレンチに内蔵された、エアの供給回路を示す概略図である。
【図3】図1に示すインパクトレンチの、符号Aで示す二点鎖線で囲んだ部分を断面で図ししたものである。
【図4】図1に示すインパクトレンチの、ソケットの外観を示す立体図である。
【図5】従来の、マーキング手段を設けたナットランナーの要部を示す模式図である。
【符号の説明】
9 頭部
11 インパクトレンチ
13 ソケット
14 エアモータ
18 トリガバルブ
19 シャットオフバルブ
20 分岐管路
21 背圧信号出力口
22 エア管路
24 出力角軸
25 角穴
30 凹部
32 ピストン
36 バネ
37 エア回路
38 環状溝
39 開口
41 ソケット保持部
42 スリーブ
43 Oリング
44 貫通穴
45 ジョイント
46 マーキング手段
47 インクカートリッジ
49 ピストンの底部
50 圧縮バネ
51 バネ

Claims (5)

  1. ボルトの締付けトルクが規定値に達した時点で、エアモータへのエアの供給を停止するシャットオフバルブを、エアの供給回路中に備えるインパクトレンチであって、
    ボルト頭部と嵌合する凹部の奥方に、エア圧によって軸方向へと駆動されるピストンおよび当該ピストンに駆動されるマーキング手段を内蔵し、外周面に前記ピストンへの連通路を開口する円筒状ソケットと、
    前記シャットオフバルブを閉じることにより上昇するエアの背圧を取出し、前記ピストンへと送るためのエア管路と、
    前記円筒状ソケットの外周面を回転可能に密閉保持し、かつ、前記外周面に開口する前記ピストンへの連通路を前記エア管路と連通させるソケット保持部とを備えることを特徴とするインパクトレンチ。
  2. 前記円筒状ソケットは、前記ピストンに前記凹部と嵌合するボルトの頭部に接近する方向へと前記エアの背圧を作用させるエア回路と、
    当該エアによる駆動力に対向する当該駆動力よりも小さな弾性力を、前記ピストンに付与するバネとを備えることを特徴とする請求項1記載のインパクトレンチ。
  3. 前記ピストンは有底筒状をなし、その開放端を前記凹部と嵌合するボルトの頭部に向けて配置し、その内筒部に前記マーキング手段を配置して当該マーキング手段とピストン底部との間に圧縮バネを介在させ、
    当該圧縮バネの弾性力に対向する比較的小さな弾性力を前記マーキング手段に付与するバネを、前記円筒状ソケットに設けたことを特徴とする請求項2記載のインパクトレンチ。
  4. 前記マーキング手段はインクカートリッジを備える押捺スポンジであることを特徴とする請求項2または3記載のインパクトレンチ。
  5. 前記マーキング手段は打撃ピンであることを特徴とする請求項2または3記載のインパクトレンチ。
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WO2014079604A1 (de) 2012-11-26 2014-05-30 Markator Manfred Borries Gmbh Vorrichtung zum markieren einer schraube oder eines schraubenkopfs
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