JP2004267966A - 不斉エポキシ触媒及びそれを用いた光学活性エポキシドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エノン類及び含フッ素化合物類の不斉エポキシ反応において、光学活性ビナフトール、希土類金属アルコキシド、フォスフィンオキサイド類、クメンハイドロパーオキサイド又はtert−ブチルハイドロパーオキサイド、並びにアルコール類からなる不斉エポキシ化触媒を用いる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エノン類及び含フッ素化合物類の不斉エポキシ化触媒及びそれを用いたエノン類及び含フッ素化合物類の光学活性エポキシドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
希土類金属アルコキシドを用いたエノン類の不斉エポキシ化触媒としては、光学活性ジヒドロキシ化合物又は光学活性1,3−ジケト化合物と希土類金属アルコキシドより調製される触媒、光学活性ビナフトール、ランタントリイソプロポキシド又はイッテルビウムトリイソプロポキシド、ルチジン−N−オキサイド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホルトリアミド、トリ(2−メチルフェニル)フォスフィンオキサイド又はトリ(4−メチルフェニル)フォスフィンオキサイドから調製される触媒、そして、光学活性ビナフトール、ランタントリイソプロポキシド、トリフェニルフォスフィンオキサイド並びにクメンハイドロパーオキサイド又はtert−ブチルハイドロパーオキサイドから調製される触媒等が知られており、これらの触媒を用いて各種エノン類を不斉エポキシ化し光学活性エポキシドを得る方法が知られている(例えば、特許文献1〜特許文献4参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−120668号公報
【特許文献2】
特開平12−229242号公報
【特許文献3】
特開平12−334307号公報
【特許文献4】
特開平13−232211号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の不斉エポキシ触媒を用いて行ったエノン類の不斉エポキシ化反応においても反応に用いる基質によっては目的とする光学活性エポキシドの光学純度が不充分で、より高い光学純度を与える触媒の開発が求められていた。
【0005】
また、下記一般式(6)
【0006】
【化8】
[式中、R12はメチル基、エチル基、炭素数3〜20の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜20の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルケニル基、エチニル基、炭素数3〜20の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキニル基、フェニル基、芳香環の2〜6位がメチル基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がエチル基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位が炭素数3〜6の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキル基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がメトキシ基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がエトキシ基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位が炭素数3〜6の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルコキシ基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がフッ素原子,塩素原子,臭素原子又はヨウ素原子で1〜5個置換された置換フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−フリル基、2−フリル基、1−ピラン基、2−ピラン基、3−ピラン基を表す。
【0007】
また、R13は−O−R14又は−N(R14)2(式中、R14は各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜20の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜20の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルケニル基、エチニル基、炭素数3〜20の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキニル基、フェニル基、芳香環の2〜6位がメチル基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がエチル基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位が炭素数3〜6の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキル基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がメトキシ基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がエトキシ基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位が炭素数3〜6の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルコキシ基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がフッ素原子,塩素原子,臭素原子又はヨウ素原子で1〜5個置換された置換フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−フリル基、2−フリル基、1−ピラン基、2−ピラン基、又は3−ピラン基を示す。)を表す。]
で示される含フッ素化合物の不斉エポキシ化反応は知られていなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく、より高い光学純度を与える触媒について鋭意検討した結果、(A)光学活性ビナフトール類、(B)希土類金属アルコキシド、(C)フォスフィンオキサイド類、並びに(D)クメンハイドロパーオキサイド又はtert−ブチルハイドロパーオキサイドからなる不斉エポキシ化触媒組成にさらに(E)アルコール類を添加して調製した触媒が、従来の触媒に比べて高い反応性を維持できるだけでなく、さらに生成物に高い光学純度を与えることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、
1.(A)光学活性ビナフトール類、(B)希土類金属アルコキシド、(C)フォスフィンオキサイド類、(D)クメンハイドロパーオキサイド又はtert−ブチルハイドロパーオキサイド、並びに(E)アルコール類からなる不斉エポキシ化触媒、
2.光学活性ビナフトール類が、下記一般式(1)又は一般式(2)
【0010】
【化9】
【化10】
[上記一般式(1)又は一般式(2)中、R1,R2,R3及びR4は各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜10の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜10の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルケニル基、エチニル基、炭素数3〜10の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキニル基、メトキシ基、エトキシ基、炭素数3〜10の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルコキシ基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、炭素数3〜5の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルコキシ基で置換された炭素数3〜5の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルコキシ基、フェニル基、芳香環の2〜6位が1〜5個のメチル基で置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位が1〜5個のエチル基で置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位が炭素数3〜10の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキル基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がメトキシ基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がエトキシ基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位が炭素数3〜10の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルコキシ基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がフェニル基で1〜5個置換された置換フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントリル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を示す。]
で示される化合物であることを特徴とする上記不斉エポキシ化触媒、
3.上記一般式(1)又は一般式(2)で示される光学活性ビナフトール類が、(R)−ビナフトール、(R)−3,3’−ジメトキシビナフトール、(R)−3,3’−メトキシエトキシビナフトール、(R)−6,6’−ジフェニルビナフトール、(R)−6,6’−ジブロモビナフトール、(R)−6,6’−ジナフチルビナフトール、(R)−6,6’−ジメトキシビナフトール、(S)−ビナフトール、(S)−3,3’−ジメトキシビナフトール、(S)−3,3’−メトキシエトキシビナフトール、(S)−6,6’−ジフェニルビナフトール、(S)−6,6’−ジブロモビナフトール、(S)−6,6’−ジナフチルビナフトール、及び(S)−6,6’−ジメトキシビナフトールからなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする上記不斉エポキシ化触媒
4.希土類金属アルコキシドが、ランタノイドトリイソプロポキシドであることを特徴とする上記不斉エポキシ化触媒、
5.希土類金属アルコキシドが、ランタントリイソプロポキシドであることを特徴とする上記不斉エポキシ化触媒、
6.フォスフィンオキサイド類が、下記一般式(3)
【0011】
【化11】
[式中、R5,R6,及びR7は各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜10の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキル基、炭素数5〜14の芳香族基、炭素数1〜5のアルキル基で置換された炭素数5〜14の芳香族基、又はNR8R9(ここで、R8及びR9は各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜10の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキル基、炭素数5〜14の芳香族基、炭素数5〜14の芳香族基で置換されたメチル基、炭素数5〜14の芳香族基で置換されたエチル基、炭素数5〜14の芳香族基で置換された炭素数3〜5の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキル基、又は炭素数5〜14の芳香族基で置換された芳香族基を示し、R8及びR9は結合して炭素数2〜6のアルキレン基を示しても良い。)を示す。]
で示される化合物であることを特徴とする上記不斉エポキシ化触媒、
7.フォスフィンオキサイド類が、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリ(4−メチルフェニル)ホスフィンオキサイド、ヘキサメチルリン酸トリアミド及びトリピペリジノホスフィンオキサイドからなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする上記不斉エポキシ化触媒、
8.アルコール類が、1〜3価アルコールであることを特徴とする上記不斉エポキシ化触媒、
9.アルコール類が、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブタノール、ヒドロベンゾイン、及びmeso−ヒドロベンゾインからなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする上記不斉エポキシ化触媒、
10.上記不斉エポキシ化触媒と溶剤からなる不斉エポキシ化触媒溶液、
11.上記不斉エポキシ化触媒又は触媒溶液存在下、下記一般式(4)
【0012】
【化12】
(式中、R10及びR11は各々独立して、メチル基、エチル基、炭素数3〜20の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜20の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルケニル基、エチニル基、炭素数3〜20の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキニル基、フェニル基、芳香環の2〜6位がメチル基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がエチル基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位が炭素数3〜6の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキル基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がメトキシ基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がエトキシ基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位が炭素数3〜6の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルコキシ基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がフッ素原子、塩素原子、臭素原子若しくはヨウ素原子で1〜5個置換された置換フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−フリル基、2−フリル基、1−ピラン基、2−ピラン基、又は3−ピラン基を表す。)
で示されるエノン類と酸化剤を反応させることを特徴とする下記一般式(5)
【0013】
【化13】
(式中、R10及びR11は前記と同じ定義であり、*印は光学活性炭素を表す。)
で示される光学活性エポキシドの製造方法、並びに
12.上記不斉エポキシ化触媒存在下、下記一般式(6)
【0014】
【化14】
[式中、R12はメチル基、エチル基、炭素数3〜20の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜20の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルケニル基、エチニル基、炭素数3〜20の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキニル基、フェニル基、芳香環の2〜6位がメチル基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がエチル基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位が炭素数3〜6の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキル基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がメトキシ基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がエトキシ基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位が炭素数3〜6の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルコキシ基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がフッ素原子,塩素原子,臭素原子又はヨウ素原子で1〜5個置換された置換フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−フリル基、2−フリル基、1−ピラン基、2−ピラン基、3−ピラン基を表す。
【0015】
また、R13は−O−R14又は−N(R14)2(式中、R14は各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜20の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜20の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルケニル基、エチニル基、炭素数3〜20の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキニル基、フェニル基、芳香環の2〜6位がメチル基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がエチル基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位が炭素数3〜6の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキル基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がメトキシ基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がエトキシ基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位が炭素数3〜6の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルコキシ基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がフッ素原子,塩素原子,臭素原子又はヨウ素原子で1〜5個置換された置換フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−フリル基、2−フリル基、1−ピラン基、2−ピラン基、又は3−ピラン基を示す。)を表す。]
で示される含フッ素化合物類と酸化剤を反応させることを特徴とする下記一般式(7)
【0016】
【化15】
(式中、R12及びR13は前記と同じ定義であり、*印は光学活性炭素を表す。)
で示される光学活性含フッ素エポキシドの製造方法、
である。
【0017】
本発明を以下詳細に説明する。
【0018】
最初に、本発明で使用される不斉エポキシ化触媒について説明する。
【0019】
本発明の触媒は、(A)光学活性ビナフトール類、(B)希土類金属アルコキシド、(C)フォスフィンオキサイド類、(D)クメンハイドロパーオキサイド又はtert−ブチルハイドロパーオキサイド、並びに(E)アルコール類からなる。
【0020】
本発明の触媒の構成比は、特に限定するものではないが、(B)希土類金属アルコキシド1モルに対して、(A)光学活性ビナフトール類が通常1〜3モル、(C)フォスフィンオキサイド類が通常0.1〜10モル、好ましくは1〜10モル、(D)tert−ブチルハイドロパーオキサイド又はクメンハイドロパーオキサイドが通常1〜20モル、好ましくは1〜10モル、及び(E)アルコール類が通常0.1〜20モル、好ましくは3〜9モルである。
【0021】
本発明の触媒に使用される光学活性ビナフトール類としては、特に限定するものではないが、例えば、上記一般式(1)又は(2)で示される化合物が挙げられる。具体的には、(R)体として、(R)−ビナフトール、(R)−3,3’−ジメトキシビナフトール、(R)−3,3’−メトキシエトキシビナフトール、(R)−6,6’−ジフェニルビナフトール、(R)−6,6’−ジブロモビナフトール、(R)−6,6‘−ジナフチルビナフトール、(R)−6,6’−ジメトキシビナフトール等が好適な光学活性ビナフトール類として挙げられる。また、これらと立体的に鏡像関係にある(S)体としては、(S)−ビナフトール、(S)−3,3’−ジメトキシビナフトール、(S)−3,3’−メトキシエトキシビナフトール、(S)−6,6’−ジフェニルビナフトール、(S)−6,6’−ジブロモビナフトール、(S)−6,6’−ジナフチルビナフトール、(S)−6,6’−ジメトキシビナフトール等が好適な光学活性ビナフトール類として挙げられ、これらは目的によって使い分けられる。
【0022】
本発明の触媒に使用される希土類金属アルコキシドとしては、特に限定するするものではないが、具体的には、スカンジウムトリメトキシド、スカンジウムトリエトキシド、スカンジウムトリイソプロポキシド、スカンジウムトリ−n−プロポキシド、イットリウムトリメトキシド、イットリウムトリエトキシド、イットリウムトリイソプロポキシド、イットリウムトリ−n−プロポキシド、ランタントリメトキシド、ランタントリエトキシド、ランタントリイソプロポキシド、ランタントリ−n−プロポキシド、セリウムトリメトキシド、セリウムトリエトキシド、セリウムトリイソプロポキシド、セリウムトリ−n−プロポキシド、プラセオジムトリメトキシド、プラセオジムトリエトキシド、プラセオジムトリイソプロポキシド、プラセオジムトリ−n−プロポキシド、ネオジムトリメトキシド、ネオジムトリエトキシド、ネオジムトリイソプロポキシド、ネオジムトリ−n−プロポキシド、サマリウムトリメトキシド、サマリウムトリエトキシド、サマリウムトリイソプロポキシド、サマリウムトリ−n−プロポキシド、ユーロピウムトリメトキシド、ユーロピウムトリエトキシド、ユーロピウムトリイソプロポキシド、ユーロピウムトリ−n−プロポキシド、ガドリウムトリメトキシド、ガドリウムトリエトキシド、ガドリウムトリイソプロポキシド、ガドリウムトリ−n−プロポキシド、テルビウムトリメトキシド、テルビウムトリエトキシド、テルビウムトリイソプロポキシド、テルビウムトリ−n−プロポキシド、ディスプロシウムトリメトキシド、ディスプロシウムトリエトキシド、ディスプロシウムトリイソプロポキシド、ディスプロシウムトリ−n−プロポキシド、ホルミウムトリメトキシド、ホルミウムトリエトキシド、ホルミウムトリイソプロポキシド、ホルミウムトリ−n−プロポキシド、エルビウムトリメトキシド、エルビウムトリエトキシド、エルビウムトリイソプロポキシド、エルビウムトリ−n−プロポキシド、ツリウムトリメトキシド、ツリウムトリエトキシド、ツリウムトリイソプロポキシド、ツリウムトリ−n−プロポキシド、イッテルビウムトリメトキシド、イッテルビウムトリエトキシド、イッテルビウムトリイソプロポキシド、イッテルビウムトリ−n−プロポキシド、ルテチウムトリメトキシド、ルテニウムトリエトキシド、ルテチウムトリイソプロポキシド、ルテチウムトリ−n−プロポキシド等が挙げられる。これらのうち、好ましくはランタントリイソプロポキシド、イッテルビウムトリイソプロポキシドであり、特にランタントリイソプロポキシドが好ましい。
【0023】
本発明の触媒に使用されるフォスフィンオキサイド類としては、特に限定するものではないが、具体的には、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリ(2−メチルフェニル)ホスフィンオキサイド、トリ(3−メチルフェニル)ホスフィンオキサイド、トリ(4−メチルフェニル)ホスフィンオキサイド、メチルジフェニルホスフィンオキサイド、メトキシメチルジフェニルホスフィンオキサイド、トリ(n−ブチル)ホスフィンオキサイド、トリ(n−オクチル)ホスフィンオキサイド、トリ(シクロヘキシル)ホスフィンオキサイド等が挙げられ、さらにヘキサメチルリン酸トリアミド、トリピペリジノホスフィンオキサイド等のリン酸トリアミドが挙げられる。
【0024】
本発明の触媒に使用されるtert−ブチルハイドロパーオキサイドは、市販のデカン等の溶液をそのまま用いても良いし、70%又は90%水溶液よりトルエン抽出し、硫酸マグネシウム等で乾燥した後、本発明に使用しても良い。また、クメンハイドロパーオキサイドは市販の80%を精製して使用しても良いし、そのまま用いても良い。
【0025】
本発明の触媒に使用されるアルコール類としては、特に限定するものではないが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキシルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、2−フェニル−2−プロパノール、α−フェニルエチルアルコール、β―フェニルエチルアルコール等の一価アルコール、エチレングリーコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、cis−シクロペンタン−1,2−ジオール、cis−シクロヘキサン−1,2−ジオール、ピナコール、ヒドロベンゾイン、meso−ヒドロベンゾイン等の二価アルコール、1,2,3−トリヒドロキシヘキサン、ピロガロール、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンの三価アルコール、meso−エリトリオール、キシリトール、アドニトール、ズルシトール等の多価アルコールが挙げられ、これらのうち、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、2−フェニル−2−プロパノール、ヒドロベンゾイン、meso−ヒドロベンゾインがさらに好ましく、tert−ブチルアルコールが特に好ましい。
【0026】
本発明の触媒に適用可能な溶剤としては、触媒及び不斉エポキシ化反応に不活性な溶剤であればあらゆる溶剤が適用可能であるが、触媒の安定性、不斉エポキシ化反応の反応成績の面でジメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン(以下、THFと略す)等のエーテル系溶剤が好ましく、中でも最も高結果を与えるのはTHFである。なお、溶剤の使用量としては、希土類金属アルコキシドに対して重量換算で2〜200倍量、さらに好ましくは5〜100倍量の範囲である。
【0027】
本発明の触媒の使用量は特に限定するものではないが、反応に使用される基質に対して、希土類金属アルコキシドのモル数を基準として、通常0.01〜50モル%、好ましくは0.1〜25モル%の範囲である。
【0028】
本発明の触媒の調製方法は特に限定されないが、例えば、上記触媒を構成する成分を混合し、−50℃〜100℃の範囲で0.5時間〜4時間保持することにより形成される、本発明の触媒の形成により、触媒溶液の色調は黄緑〜深緑色を呈する。
【0029】
本発明の触媒は、エノン類や含フッ素化合物類の不斉エポキシ化反応に利用可能であり、高い反応性と生成物に高い光学純度を与える。本発明の触媒を用い反応させることにより発現する光学絶対配置は、一般的に触媒を構成する光学活性ビナフトールの光学絶対配置に依存し、(R)−ビナフトールを用いた場合には、生成物の不斉炭素の絶対配置が(R)体になり、(S)−ビナフトールを用いれば、生成物の不斉炭素の光学絶対配置は(S)体になる関係にある。但し、(R)−ビナフトールを用いれば、生成物の不斉炭素の光学絶対配置が(R)体になるというわけではなく、基質の種類等によって生成物の光学絶対配置は異なる。本発明の触媒を用いて不斉エポキシ化反応を行った場合、一般的には、(R)−ビナフトールを用いれば、生成するエノンのエポキシドの2位(α位)と3位(β位)の光学絶対配置は(2S,3R)になり、一方、(S)−ビナフトールを用いれば、(2R,3S)になる。
【0030】
続いて、本発明の触媒を用いて行う不斉エポキシ化反応について説明する。
【0031】
本発明の光学活性エポキシドの製造方法は、本発明の触媒存在下、上記一般式(4)で示されるエノン類と酸化剤を反応させることを特徴とする。
【0032】
本発明の方法に適用なエノン類としては、上記一般式(4)で示される化合物であればあらゆるものが適用可能であるが、具体的には、メチルビニルケトン、trans−3−ペンテン−2−オン、trans−3−ヘキセン−2−オン、trans−3−ヘプテン−2−オン、trans−3−オクテン−2−オン、trans−3−ノネン−2−オン、エチルビニルケトン、trans−4−ヘキセン−3−オン、trans−4−へプテン−3−オン、trans−4−オクテン−3−オン、trans−4−ノネン−3−オン、イソプロピルビニルケトン、trans−2−メチル−4−ヘキセン−3−オン、trans−2−メチル−4−へプテン−3−オン、trans−2−メチル−4−オクテン−3−オン、trans−2−メチル−4−ノネン−3−オン、trans−1−フェニル−3−シクロヘキシル−2−プロペン−1−オン、trans−1−フェニル−2−ブテン−1−オン、trans−1,3−ジフェニル−2−プロピレン−1−オン、trans−2−メチル−5−フェニル−4−ペンテン−3−オン、trans−4−メチル−1−フェニル−3−ペンテン−2−オン、trans−4−フェニル−3−ブチレン−2−オン、trans−6−フェニル−3−へキセン−2−オン、trans−5−フェニル−3−ヘキセン−2−オン、trans−1−(t−ブチル)−3−シクロヘキシル−2−プロペン−1−オン、trans−1−(t−ブチル)−2−ブテン−1−オン、trans−1−(t−ブチル)−3−フェニル−2−プロピレン−1−オン等が挙げられる。
【0033】
本発明の方法で得られるエノン類の光学活性エポキシドは、上記一般式(5)で示される化合物である。具体的には、上記一般式(4)で示されるエノン類を用い、かつ触媒を構成する光学活性ビナフトールとして(R)−ビナフトールを使用した場合、(S)−3,4−エポキシブタン−2−オン、trans−(3S,4R)−3,4−エポキシ−ペンタン−2−オン、trans−(3S,4R)−3,4−エポキシヘキサン−2−オン、trans−(3S,4R)−3,4−エポキシヘプタン−2−オン、trans−(3S,4R)−3,4−エポキシオクタン−2−オン、trans−(3S,4R)−3,4−エポキシノナン−2−オン、(S)−1,2−エポキシペンタン−3−オン、trans−(4S,5R)−4,5−エポキシヘキサン−3−オン、trans−(4S,5R)−4,5−エポキシヘプタン−3−オン、trans−(4S,5R)−4,5−エポキシオクタン−3−オン、trans−(4S,5R)−4,5−エポキシノナン−3−オン、(S)−1,2−エポキシ−4−メチルペンタン−3−オン、trans−(4S,5R)−4,5−エポキシ−2−メチルヘキサン−3−オン、trans−(4S,5R)−4,5−エポキシ−2−メチルヘプタン−3−オン、trans−(4S,5R)−4,5−エポキシ−2−メチルオクタン−3−オン、trans−(4S,5R)−4,5−エポキシ−2−メチルノナン−3−オン、trans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−1−フェニル−3−シクロヘキシルプロパン−1−オン、trans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−1−フェニルブタン−1−オン、trans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−1,3−ジフェニルプロパン−1−オン、trans−(1R,2S)−1,2−エポキシ−4−メチル−1−フェニルペンタン−3−オン、trans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−1−フェニル−4−メチルペンタン−1−オン、trans−(3S,4R)−3,4−エポキシ−4−フェニルブタン−2−オン、trans−(3S,4R)−3,4−エポキシ−6−フェニルヘキサン−2−オン、trans−(3S,4R)−3,4−エポキシ−5−フェニルヘキサン−2−オン、trans−(1R,2S)−1,2−エポキシ−1−シクロヘキシ−4,4−ジメチルルペンタン−3−オン、trans−(4S、5R)−2,2−ジメチルヘキサン−3−オン、trans−(1R,2S)−1,2−エポキシ−1−フェニル−4,4−ジメチルペンタン−3−オン等の光学活性エポキシドが得られ、また、(S)−ビナフトールを使用した場合では上記と立体的に鏡像関係にある光学絶対配置の光学活性エポキシドが得られる。
【0034】
次に、光学活性含フッ素エポキシドの製造方法は、本発明の触媒存在下、上記一般式(6)で示される含フッ素化合物類と酸化剤を反応させることを特徴とする。
【0035】
本発明の方法で使用される含フッ素化合物類としては、上記一般式(6)で示される化合物であればあらゆるものが適用可能であるが、具体的には、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸メチル、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸エチル、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸n−プロピル、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸イソブチル、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸tert−ブチル、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸フェニル、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸ベンジル、trans−2−トリフルオロメチル−2−ブテン酸メチル、trans−2−トリフルオロメチル−2−ブテン酸エチル、2−トリフルオロ−2−ブテン酸n−プロピル、trans−2−トリフルオロ−2−ブテン酸イソブチル、trans−2−トリフルオロ−2−ブテン酸tert−ブチル、trans−2−トリフルオロ−2−ブテン酸フェニル、trans−2−トリフルオロ−2−ブテン酸ベンジル、trans−2−トリフルオロメチル−2−ペンテン酸メチル、trans−2−トリフルオロメチル−2−ペンテン酸エチル、trans−2−トリフルオロ−2−ペンテン酸n−プロピル、trans−2−トリフルオロ−2−ペンテン酸イソブチル、trans−2−トリフルオロ−2−ペンタン酸tert−ブチル、trans−2−トリフルオロ−2−ペンテン酸フェニル、trans−2−トリフルオロ−2−ペンタン酸ベンジル、trans−2−トリフルオロメチル−3−フェニル−2−プロペン酸メチル、trans−2−トリフルオロメチル−3−フェニル−2−プロペン酸エチル、trans−2−トリフルオロメチル−3−フェニル−2−プロペン酸n−プロピル、trans−2−トリフルオロメチル−3−フェニル−2−プロペン酸イソブチル、trans−2−トリフルオロメチル−3−フェニル−2−プロペン酸tert−ブチル、trans−2−トリフルオロメチル−3−フェニル−2−プロペン酸フェニル、2−トリフルオロメチル−2−プロペン酸ベンジル、N−メチル−2−(トリフルオロメチル)アクリルアミド、N−エチル−2−(トリフルオロメチル)アクリルアミド、N−n−プロピル−2−(トリフルオロメチル)アクリルアミド、N−イソブチル−2−(トリフルオロメチル)アクリルアミド、N−tert−ブチル−2−(トリフルオロメチル)アクリルアミド、N−フェニル−2−(トリフルオロメチル)アクリルアミド、N−ベンジル−2−(トリフルオロメチル)アクリルアミド、N−(3−クロロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)アクリルアミド、N−(4−クロロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)アクリルアミド、N,N−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)アクリルアミド、N,N−ジフェニル−2−(トリフルオロメチル)アクリルアミド等が挙げられる。
【0036】
本発明の方法で得られる含フッ素化合物類の光学活性エポキシドは、上記一般式(7)で示される化合物であり、具体的には、上記一般式(6)で示される含フッ素化合物類を用い、かつ触媒を構成する光学活性ビナフトールとして、(R)−ビナフトールを使用した場合、(S)−2,3−エポキシ−2−トリフロオロメチルプロピオン酸メチル、(S)−2,3−エポキシ−2−トリフロオロメチルプロピオン酸エチル、(S)−2,3−エポキシ−2−トリフロオロメチルプロピオン酸イソブチル、(S)−2,3−エポキシ−2−トリフロオロメチルプロピオン酸tert−ブチル、(S)−2,3−エポキシ−2−トリフロオロメチルプロピオン酸フェニル、(S)−2,3−エポキシ−2−トリフロオロメチルプロピオン酸ベンジル、trnas−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルブタン酸メチル、trnas−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルブタン酸エチル、trnas−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルブタン酸n−プロピル、trnas−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルブタン酸イソブチル、trnas−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルブタン酸tert−ブチル、trnas−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルブタン酸フェニル、trnas−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルブタン酸ベンジル、trnas−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルペンタン酸メチル、trnas−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルペンタン酸エチル、trnas−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルペンタン酸n−プロピル、trnas−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルペンタン酸イソブチル、trnas−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルペンタン酸tert−ブチル、trnas−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルペンタン酸フェニル、trnas−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルペンタン酸ベンジル、trans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチル−3−フェニルプロピオン酸メチル、trans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチル−3−フェニルプロピオン酸エチル、trans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチル−3−フェニルプロピオン酸n−プロピル、trans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチル−3−フェニルプロピオン酸イソブチル、trans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチル−3−フェニルプロピオン酸tert−ブチルtrans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチル−3−フェニルプロピオン酸フェニル、trans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチル−3−フェニルプロピオン酸ベンジル、N−メチル−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルプロピンアミド、N−エチル−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルプロピンアミド、N−n−プロピル−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルプロピンアミド、N−イソブチル−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルプロピンアミド、N−tert−ブチル−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルプロピンアミド、N−フェニル−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルプロピンアミド、N−ベンジル−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルプロピンアミド、N−(3−クロロフェニル)−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルプロピンアミド、N−(4−クロロフェニル)−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルプロピンアミド、N,N−ジメチル−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルプロピンアミド、N,N−ジフェニル−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルプロピンアミドの光学活性エポキシドが得られ、また、(S)−ビナフトールを使用した場合では上記と立体的に鏡像関係にある光学絶対配置の光学活性エポキシドが得られる。
【0037】
本発明の反応で使用される酸化剤は、特に限定されないが、通常クメンハイドロパーオキサイド又はtert−ブチルハイドロパーオキサイドが用いられる。この酸化剤の使用量としては、触媒形成に使用した量と反応時に添加する量を合わせて、反応に基質に対して理論的には等量で充分であるが、反応を完結させるためには、好ましくは1.1モル倍量以上使用する。
【0038】
本発明の反応方法としては、特に限定されないが、予め調製した上記の触媒溶液中に反応に用いる基質を添加した後、ついでクメンハイドロパーオキサイド若しくはtert−ブチルハイドロパーオキサイドの酸化剤を供給し反応を行うか、又は反応に用いる基質とクメンハイドロパーオキサイド若しくはtert−ブチルハイドロパーオキサイドの酸化剤からなる混合物を供給しながら反応を行う方法が挙げられる。これら反応に具される基質及び酸化剤は、本発明の触媒を調製する際に用いた溶剤で希釈して使用しても良く、その場合、溶剤の使用量としては反応に使用される基質又は酸化剤に対して重量換算で0.01〜200倍量、さらに好ましくは0.1〜100倍量の範囲である。これら酸化剤、又は基質と酸化剤からなる混合物の供給時間は、通常、0.01〜72時間の範囲であり、また、供給温度としては反応に用いる基質の違いにより異なるが、通常−70℃〜100℃の範囲である。なお、反応を完結させるために供給後、供給温度と同一温度で熟成反応を行っても差し支えない。
【0039】
本発明の方法では、触媒調製時及び反応時に系内を脱水し、また触媒形成反応、エポキシ化反応を加速する目的でゼオライトの使用が可能であり、その使用量としては反応に用いる基質に対してあらゆる量比で使用可能であるが、通常エノン1mmolに対して10mg〜2g程度使用する。ゼオライトの種類としてはモレキュラシーブ3A、4A、5Aに代表されるA型ゼオライト、モレキュラシーブ13X、Y型、L型等様々なゼオライトが適用可能であるが、これらのうち、モレキュラシーブ4Aが好ましい。
【0040】
反応終了後、後処理、カラムクロマトグラフィー等で精製を行うことにより、目的物の光学活性エポキシドを高収率、高光学純度で得る。
【0041】
【発明の効果】
本発明の触媒により、高反応性、高収率かつ高光学純度でのエノン類及び含フッ素化合物類の不斉エポキシ化反応が提供されるので、本発明は各種医農薬中間体の製造方法として極めて有用である。
【0042】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、生成物の定量及び光学純度の検定は、下記機器類を使用し実施した。
【0043】
(定量)
1H−NMR(Varian製Gemini−200)により、内部標準として桂皮酸メチルを測定試料中に添加して定量を行った。
【0044】
(光学純度の検定)
ダイセル(株)のキラルカラムOB−H又はOD−Hを装着した高速液体クロマトグラフィーで行い、溶離溶媒:Hexane/i−PrOH=2/1〜100/1(vol/vol)、流量1ml/minで測定した。
【0045】
trans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−1−フェニル−3−シクロヘキシルプロパン−1−オンの場合、キラルカラムOD−Hを用い、溶離溶媒:Hexane/i−PrOH=9/1、流量1ml/minの条件下で、保持時間5.6分に(2S,3R体)、5.8分に(2R,3S体)の各エナンチオマーのピークが出現した。
【0046】
実施例1
50mlのナス型フラスコに、マグネチックスタラーチップ、モレキュラーシーブス4A(0.930g、あらかじめ真空ポンプで減圧下、180℃×4時間予備乾燥品)、トリフェニルフォスフィンオキサイド(0.390g、1.400mmol)及び(R)−ビナフトール(0.147g、0.513mmol)を秤りとり、これに窒素雰囲気下で秤取ったランタントリイソプロポキシド[La(O−iPr)3,0.147g、0.467mmol]を加えた。さらに、これらにTHF(6.4ml)を加えて、室温下、1時間攪拌することにより溶解させた後、tert−ブチルアルコール(0.208g、2.806mmol)を加えて1時間攪拌した後、このフラスコの混合物中に、室温で攪拌しながら80%クメンハイドロパーオキサイド(0.178g、0.936mmol)を加えて、さらに2時間攪拌を行った。触媒溶液は、クメンハイドロパーオキサイド添加して30分後、徐々に緑色の着色が始まり最終的に深緑色に呈色したのを目視で確認した。
【0047】
次に、この触媒溶液を0℃まで冷却した後、80%クメンハイドロパーオキサイド(1.776g、9.335mmol)を同温度で添加し、ついでtrans−1−フェニル−3−シクロヘキシル−2−プロペン−1−オン(2.000g、9.333mmol)及びTHF(6.4ml)からなる溶液を1時間かけて滴下し、さらに同温度で16時間熟成反応を行った。
【0048】
反応終了後、飽和塩化アンモニウム水溶液5ml加えて触媒を失活させた後、残存するクメンハイドロパーオキサイドを飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液で還元した。続いて、同溶液を濾過し、得られたろ液をシリカゲルカラムで処理した後、濃縮することによりtrans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−1−フェニル−3−シクロヘキシルプロパン−1−オンが含有されるオレンジ色の溶液4.470gを得た。この得られた溶液について1H−NMRによる定量及びHPLCによる光学純度の測定を行った結果、収量が2.100g(収率:97.7%)、光学純度が98.1%eeであった。
【0049】
実施例2
実施例1と同じ反応装置を用いて、実施例1と同様な手順で触媒の調製を行った。なお、触媒はモレキュラーシーブス4A(0.869g、180℃×4時間予備乾燥品)、トリフェニルフォスフィンオキサイド(0.181g、0.650mmol)、(R)−ビナフトール(0.149g、0.524mmol)、La(O−iPr)3(0.137g、0.434mmol)、tert−ブチルアルコール(0.193g、2.604mmol)、80%クメンハイドロパーオキサイド(0.165g、0.867mmol)そしてTHF(6.5ml)の組成比で調製した。
【0050】
この触媒溶液を0℃まで冷却した後、80%クメンハイドロパーオキサイド(1.653g、8.689mmol)、trans−1−フェニル−2−ブテン−1−オン(1.270g、8.689mmol)及びTHF(2.1ml)からなる溶液を1時間かけて滴下し、さらに同温度で17時間熟成反応を行った。
【0051】
反応終了後、実施例1と同様な処理を行って、trans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−1−フェニルブタン−1−オンが含有されるオレンジ色の溶液4.470gを得た。この得られた溶液について1H−NMRによる定量及びHPLCによる光学純度の測定を行った結果、収量が1.200g(収率:79.4%)、光学純度が82.2%eeであった。
【0052】
実施例3
実施例1と同じ反応装置を用いて、(R)−ビナフトールを(R)−3,3’−ジメトキシビナフトールに変えた以外実施例1と同様な手順で触媒の調製を行った。なお、触媒はモレキュラーシーブス4A(0.869g、180℃×4時間予備乾燥品)、トリフェニルフォスフィンオキサイド(0.181g、0.650mmol)、(R)−3,3’−ジメトキシビナフトール(0.182g、0.524mmol)、La(O−iPr)3(0.137g、0.434mmol)、tert−ブチルアルコール(0.193g、2.604mmol)、80%クメンハイドロパーオキサイド(0.165g、0.867mmol)そしてTHF(6.5ml)の組成比で調製した。
【0053】
この触媒溶液を0℃まで冷却した後、80%クメンハイドロパーオキサイド(1.653g、8.689mmol)、trans−1−フェニル−2−ブテン−1−オン(1.270g、8.689mmol)及びTHF(2.1ml)からなる溶液を1時間かけて滴下し、さらに同温度で17時間熟成反応を行った。
【0054】
反応終了後、実施例1と同様な処理を行って、trans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−1−フェニルブタン−1−オンが含有されるオレンジ色の溶液4.470gを得た。この得られた溶液について1H−NMRによる定量及びHPLCによる光学純度の測定を行った結果、収量が1.209g(収率:80.0%)、光学純度が80.2%eeであった。
【0055】
実施例4
実施例1と同じ反応装置を用いて、tert−ブチルアルコールをmeso−ヒドロベンゾインに変えた以外、実施例1と同様な手順で触媒の調製を行った。なお、触媒はモレキュラーシーブス4A(0.869g、180℃×4時間予備乾燥品)、トリフェニルフォスフィンオキサイド(0.181g、0.650mmol)、(R)−ビナフトール(0.149g、0.520mmol)、La(O−iPr)3(0.137g、0.434mmol)、meso−ヒドロベンゾイン(0.559g、2.609mmol)、80%クメンハイドロパーオキサイド(0.165g、0.867mmol)そしてTHF(6.5ml)の組成比で調製した。
【0056】
この触媒溶液を0℃まで冷却した後、80%クメンハイドロパーオキサイド(1.653g、8.689mmol)、trans−1−フェニル−2−ブテン−1−オン(1.270g、8.689mmol)及びTHF(2.1ml)からなる溶液を1時間かけて滴下し、さらに同温度で17時間熟成反応を行った。
【0057】
反応終了後、実施例1と同様な処理を行って、trans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−1−フェニルブタン−1−オンが含有されるオレンジ色の溶液5.58gを得た。この得られた溶液について1H−NMRによる定量及びHPLCによる光学純度の測定を行った結果、収量が1.335g(収率:94.7%)、光学純度が73.8%eeであった。
【0058】
実施例5
実施例1と同じ反応装置を用いて、クメンハイドロパーオキサイドをtert−ブチルハイドロパーオキサイドに変えた以外、実施例1と同様な手順で触媒の調製を行った。なお、触媒はモレキュラーシーブス4A(0.869g、180℃×4時間予備乾燥品)、トリフェニルフォスフィンオキサイド(0.181g、0.650mmol)、(R)−ビナフトール(0.149g、0.520mmol)、La(O−iPr)3(0.137g、0.434mmol)、tert−ブチルアルコール(0.193g、2.604mmol)、tert−ブチルハイドロパーオキサイドのデカン溶液(5M、0.17ml、0.869mmol)そしてTHF(8.5ml)の組成比で調整した。
【0059】
次に、この触媒溶液に、室温下、tert−ブチルハイドロパーオキサイド(5M、1.7ml、8.689mmol)、trans−1,3−ジフェニル−2−プロピレン−1−オン(1.810g、8.689mmol)及びTHF(2.1ml)からなる溶液を1時間かけて滴下し、さらに同温度で16時間熟成反応を行った。
【0060】
反応終了後、実施例1と同様な処理を行って、trans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−1,3−ジフェニルプロパン−1−オンが含有される褐色の溶液4.250gを得た。この得られた溶液について1H−NMRによる定量及びHPLCによる光学純度の測定を行った結果、収量が1.910g(収率:98.0%)、光学純度が98.5%eeであった。
【0061】
実施例6
実施例1と同じ反応装置を用いて、La(O−iPr)3、トリフェニルフォスフィンオキサイド及びクメンハイドロパーオキサイドをイッテルビウムイソプロポキシド[Yb(O−iPr)3]、トリ(2−メチルフェニル)フォスフィンオキサイド及びtert−ブチルハイドロパーオキサイドに変えた以外、実施例1と同様な手順で触媒の調製を行った。なお、触媒はモレキュラーシーブス4A(0.869g、180℃×4時間予備乾燥品)、トリ(2−メチルフェニル)フォスフィンオキサイド(0.208g、0.650mmol)、(R)−ビナフトール(0.149g、0.520mmol)、Yb(O−iPr)3(0.152g、0.434mmol)、tert−ブチルアルコール(0.193g、2.604mmol)、tert−ブチルハイドロパーオキサイドのデカン溶液(5M、0.17ml、0.869mmol)そしてTHF(8.5ml)の組成比で調製した。
【0062】
次に、この触媒溶液に、室温下、tert−ブチルハイドロパーオキサイド(5M、1.7ml、8.689mmol)、trans−1,3−ジフェニル−2−プロピレン−1−オン(1.810g、8.689mmol)及びTHF(2.1ml)からなる溶液を1時間かけて滴下し、さらに同温度で16時間熟成反応を行った。
【0063】
反応終了後、実施例1と同様な処理を行って、trans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−1,3−ジフェニルプロパン−1−オンが含有される褐色の溶液4.200gを得た。この得られた溶液について1H−NMRによる定量及びHPLCによる光学純度の測定を行った結果、収量が1.902g(収率:97.6%)、光学純度が92.0%eeであった。
【0064】
実施例7
実施例1と同じ反応装置を用いて、La(O−iPr)3をサマリウムイソプロポキシド[Sm(O−iPr)3]に変えた以外、実施例1と同様な手順で触媒の調製を行った。なお、触媒はモレキュラーシーブス4A(0.869g、180℃×4時間予備乾燥品)、トリフェニルフォスフィンオキサイド(0.181g、0.650mmol)、(R)−ビナフトール(0.149g、0.524mmol)、La(O−iPr)3(0.137g、0.434mmol)、tert−ブチルアルコール(0.193g、2.604mmol)、80%クメンハイドロパーオキサイド(0.165g、0.867mmol)、そしてTHF(8.5ml)の組成比で調整した。
【0065】
次に、この触媒溶液に、室温下、80%クメンハイドロパーオキサイド(1.653g、8.689mmol)、trans−1−フェニル−2−ヘプテン−1−オン(1.636g、8.689mmol)及びTHF(8.3ml)からなる溶液を1時間かけて滴下し、さらに同温度で16時間熟成反応を行った。
【0066】
反応終了後、実施例1と同様な処理を行って、trans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−1−ヘプテノンが含有される褐色の溶液4.250gを得た。この得られた溶液について1H−NMRによる定量及びHPLCによる光学純度の測定を行った結果、収量が1.739g(収率:98.0%)、光学純度が95.5%eeであった。
【0067】
実施例8
実施例1と同じ反応装置を用いて、実施例1と同様な手順で触媒の調製を行った。なお、触媒はモレキュラーシーブス4A(0.869g、180℃×4時間予備乾燥品)、トリフェニルフォスフィンオキサイド(0.363g、1.304mmol)、(R)−ビナフトール(0.299g、1.044mmol)、La(O−iPr)3(0.274g、0.0.869mmol)、tert−ブチルアルコール(0.386g、5.208mmol)、80%クメンハイドロパーオキサイド(0.331g、0.1.740mmol)、そしてTHF(23.3ml)の組成比で調製した。
【0068】
この触媒溶液を−15℃まで冷却した後、80%クメンハイドロパーオキサイド(1.653g、8.689mmol)、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸ベンジル(2.000g、8.689mmol)及びTHF(19.5ml)からなる溶液を1時間かけて滴下し、さらに同温度で16時間熟成反応を行った。
【0069】
反応終了後、実施例1と同様な処理を行って、(S)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルプロピオン酸ベンジルが含有されるオレンジ色の溶液4.06gを得た。この得られた溶液について1H−NMRによる定量及びHPLCによる光学純度の測定を行った結果、収量が1.946g(収率:91.0%)、光学純度が84.0%eeであった。
【0070】
実施例9
実施例1と同じ反応装置を用いて、tert−ブタノールをイソアミルアルコールに変えた以外、実施例1と同様な手順で触媒の調製を行った。なお、触媒はモレキュラーシーブス4A(0.869g、180℃×4時間予備乾燥品)、トリメチルフェニルフォスフィンオキサイド(0.181g、0.650mmol)、(R)−ビナフトール(0.299g、1.044mmol)、La(O−iPr)3(0.274g、0.867mmol)、イソアミルアルコール(0.459g、5.208mmol)、80%クメンハイドロパーオキサイド(0.331g、1.740mmol)そしてTHF(23.3ml)の組成比で調製した。
【0071】
この触媒溶液を−15℃まで冷却した後、80%クメンハイドロパーオキサイド(1.653g、8.689mmol)、trans−2−トリフルオロ−2−ブテン酸フェニル(2.000g、8.689mmol)及びTHF(19.5ml)からなる溶液を1時間かけて滴下し、さらに同温度で16時間熟成反応を行った。
【0072】
反応終了後、実施例1と同様な処理を行って、trnas−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルブタン酸フェニルが含有されるオレンジ色の溶液3.96gを得た。この得られた溶液について1H−NMRによる定量及びHPLCによる光学純度の測定を行った結果、収量が1.797g(収率:84.0%)、光学純度が80.0%eeであった。
【0073】
実施例10
実施例1と同じ反応装置を用いて、トリフェニルフォスフィンオキサイドをトリ(4−メチルフェニル)フォスフィンオキサイドに変えた以外、実施例1と同様な手順で触媒の調製を行った。なお、触媒はモレキュラーシーブス4A(0.869g、180℃×4時間予備乾燥品)、トリ(4−メチルフェニル)フォスフィンオキサイド(0.209g、0.650mmol)、(R)−ビナフトール(0.299g、1.044mmol)、La(O−iPr)3(0.274g、0.867mmol)、tert−ブチルアルコール(0.386g、5.208mmol)、80%クメンハイドロパーオキサイド(0.331g、1.740mmol)、そしてTHF(23.3ml)の組成比で調製した。
【0074】
この触媒溶液を−15℃まで冷却した後、80%クメンハイドロパーオキサイド(1.653g、8.689mmol)、N−(4−クロロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)アクリルアミド(2.169g、8.689mmol)及びTHF(19.5ml)からなる溶液を1時間かけて滴下し、さらに同温度で16時間熟成反応を行った。
【0075】
反応終了後、実施例1と同様な処理を行って、N−(4−クロロフェニル)−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルプロピンアミドが含有されるオレンジ色の溶液4.10gを得た。この得られた溶液について1H−NMRによる定量及びHPLCによる光学純度の測定を行った結果、収量が2.026g(収率:87.8%)、光学純度が90.0%eeであった。
【0076】
実施例11
実施例1と同じ反応装置を用いて、tert−ブタノールをピロガロールに変えた以外、実施例1と同様な手順で触媒の調製を行った。なお、触媒はモレキュラーシーブス4A(0.869g、180℃×4時間予備乾燥品)、トリフェニルフォスフィンオキサイド(0.181g、0.650mmol)、(R)−ビナフトール(0.299g、1.044mmol)、La(O−iPr)3(0.274g、0.867mmol)、ピロガロール(0.657g、5.208mmol)、80%クメンハイドロパーオキサイド(0.331g、1.740mmol)、そしてTHF(23.3ml)の組成比で調製した。
【0077】
この触媒溶液を−10℃まで冷却した後、80%クメンハイドロパーオキサイド(1.653g、8.689mmol)、N,N−ジフェニル−2−(トリフルオロメチル)アクリルアミド(2.531g、8.689mmol)及びTHF(19.5ml)からなる溶液を1時間かけて滴下し、さらに同温度で16時間熟成反応を行った。
【0078】
反応終了後、実施例1と同様な処理を行って、N,N−ジフェニル−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルプロピンアミドが含有されるオレンジ色の溶液4.10gを得た。この得られた溶液について1H−NMRによる定量及びHPLCによる光学純度の測定を行った結果、収量が2.269g(収率:85.0%)、光学純度が88.0%eeであった。
【0079】
比較例1
50mlのナス型フラスコに、マグネチックスタラーチップ、モレキュラーシーブス4A(0.930g、あらかじめ真空ポンプで減圧下、180℃×4時間予備乾燥品)、トリフェニルフォスフィンオキサイド(0.390g、1.400mmol)及び(R)−ビナフトール(0.147g、0.513mmol)を秤りとり、これに窒素雰囲気下で秤取ったランタントリイソプロポキシド[La(O−iPr)3,0.147g、0.467mmol]を加えた。さらに、これらにTHF(6.4ml)を加えて、室温下、1時間攪拌することにより溶解させた後、このフラスコの混合物中に、室温で攪拌しながら80%クメンハイドロパーオキサイド(0.178g、0.936mmol)を加えて、さらに2時間攪拌を行った。触媒溶液は、クメンハイドロパーオキサイド添加して30分後、徐々に緑色の着色が始まり最終的に深緑色に呈色したのを目視で確認した。
【0080】
次に、この触媒溶液を0℃まで冷却した後、80%クメンハイドロパーオキサイド(1.776g、9.335mmol)を同温度で添加し、ついでtrans−1−フェニル−3−シクロヘキシル−2−プロペン−1−オン(2.000g、9.333mmol)及びTHF(6.4ml)からなる溶液を1時間かけて滴下し後、さらに同温度で16時間熟成反応を行った。
【0081】
反応終了後、飽和塩化アンモニウム水溶液5ml加えて触媒を失活させた後、残存するクメンハイドロパーオキサイドを飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液で還元した。続いて、同溶液を濾過し、得られたろ液をシリカゲルカラムで処理した後、濃縮することによりtrans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−1フェニル−3−シクロヘキシルプロパン−1−オンが含有されるオレンジ色の溶液4.38gを得た。この得られた溶液について1H−NMRによる定量及びHPLCによる光学純度の測定を行った結果、収量が2.079g(収率:96.7%)、光学純度が96.6%eeであった。この結果から明らかのように、得られたtrans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−1フェニル−3−シクロヘキシルプロパン−1−オンは実施例のものに比べ、劣った光学純度のものであった。
【0082】
比較例2
比較例1と同じ反応装置を用いて、比較例1と同様な手順で触媒の調製を行った。なお、触媒はモレキュラーシーブス4A(0.869g、180℃×4時間予備乾燥品)、トリフェニルフォスフィンオキサイド(0.181g、0.652mmol)、(R)−ビナフトール(0.149g、0.520mol)、La(O−iPr)3(0.137g、0.434mmol)、80%クメンハイドロパーオキサイド(0.165g、0.867mmol)、そしてTHF(6.5ml)の組成比で調製した。
【0083】
この触媒溶液を0℃まで冷却した後、80%クメンハイドロパーオキサイド(1.653g、8.689mmol)、trans−1−フェニル−2−ブテン−1−オン(1.270g、8.689mmol)及びTHF(2.1ml)からなる溶液を1時間かけて滴下し、さらに同温度で17時間熟成反応を行った。
【0084】
反応終了後、比較例1と同様な処理を行って、trans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−1−フェニルブタン−1−オンが含有されるオレンジ色の溶液43.47gを得た。この得られた溶液について1H−NMRによる定量及びHPLCによる光学純度の測定を行った結果、収量が1.134g(収率:80.4%)、光学純度が66.5%eeであった。この結果から明らかのように、得られたtrans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−1−フェニルブタン−1−オンは実施例のものに比べ、劣った光学純度のものであった。
【0085】
比較例3
比較例1と同じ反応装置を用いて、クメンハイドロパーオキサイドをtert−ブチルハイドロパーオキサイドに変えた以外、比較例1と同様な手順で触媒の調製を行った。なお、触媒はモレキュラーシーブス4A(0.869g、180℃×4時間予備乾燥品)、トリフェニルフォスフィンオキサイド(0.181g、0.650mmol)、(R)−ビナフトール(0.149g、0.520mol)、La(O−iPr)3(0.137g、0.434mmol)、tert−ブチルハイドロパーオキサイドのデカン溶液(5M、0.17ml、0.869mmol)、そしてTHF(8.5ml)の組成比で調整した。
【0086】
次に、この触媒溶液に、室温下、tert−ブチルハイドロパーオキサイド(5M、1.7ml、8.689mmol)、カルコン(1.810g、8.689mmol)及びTHF(2.1ml)からなる溶液を1時間かけて滴下し、さらに同温度で16時間熟成反応を行った。
【0087】
反応終了後、比較例1と同様な処理を行って、trans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−1,3−ジフェニルプロパン−1−オンが含有される褐色の溶液4.21gを得た。この得られた溶液について1H−NMRによる定量及びHPLCによる光学純度の測定を行った結果、収量が1.871g(収率:96.0%)、光学純度が96.0%eeであった。この結果から明らかのように、得られたtrans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−1,3−ジフェニルプロパン−1−オンは実施例のものに比べ、劣った光学純度のものであった。
【0088】
比較例4
比較例1と同じ反応装置を用いて、La(O−iPr)3をSm(O−iPr)3に変えた以外、比較例1と同様な手順で触媒の調製を行った。なお、触媒はモレキュラーシーブス4A(0.869g、180℃×4時間予備乾燥品)、トリフェニルフォスフィンオキサイド(0.181g、0.650mmol)、(R)−ビナフトール(0.149g、0.524mmol)、La(O−iPr)3(0.137g、0.434mmol)、80%クメンハイドロパーオキサイド(0.165g、0.867mmol)そしてTHF(8.5ml)の組成比で調整した。
【0089】
次に、この触媒溶液に、室温下、80%クメンハイドロパーオキサイド(1.653g、8.689mmol)、trans−1−フェニル−2−ヘプテン−1−オン(1.636g、8.689mmol)及びTHF(8.3ml)からなる溶液を1時間かけて滴下し、さらに同温度で16時間熟成反応を行った。
【0090】
反応終了後、実施例1と同様な処理を行って、trans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−1−ヘプテノンが含有される褐色の溶液4.250gを得た。この得られた溶液について1H−NMRによる定量及びHPLCによる光学純度の測定を行った結果、収量が1.704g(収率:96.0%)、光学純度が89.0%eeであった。この結果から明らかのように、得られたtrans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−1−ヘプテノンは実施例のものに比べ、劣った光学純度のものであった。
【0091】
比較例5
比較例1と同じ反応装置を用いて、比較例1と同様な手順で触媒の調製を行った。なお、触媒はモレキュラーシーブス4A(0.869g、180℃×4時間予備乾燥品)、トリフェニルフォスフィンオキサイド(0.181g、0.650mmol)、(R)−ビナフトール(0.299g、1.044mol)、La(O−iPr)3(0.274g、0.867mmol)、80%クメンハイドロパーオキサイド(0.331g、0.1.740mmol)、そしてTHF(23.3ml)の組成比で調製した。
【0092】
この触媒溶液を−15℃まで冷却した後、80%クメンハイドロパーオキサイド(1.653g、8.689mmol)、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸ベンジル(2.000g、8.689mmol)及びTHF(19.5ml)からなる溶液を1時間かけて滴下し、さらに同温度で16時間熟成反応を行った。
【0093】
反応終了後、比較例1と同様な処理を行って、(S)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルプロピオン酸ベンジルが含有されるオレンジ色の溶液4.57gを得た。この得られた溶液について1H−NMRによる定量及びHPLCによる光学純度の測定を行った結果、収量が1.945g(収率:90.9%)、光学純度が76.0%eeであった。この結果から明らかのように、得られた(S)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルプロピオン酸ベンジルは実施例のものに比べ、劣った光学純度のものであった。
【0094】
比較例6
比較例1と同じ反応装置を用いて、比較例1と同様な手順で触媒の調製を行った。なお、触媒はモレキュラーシーブス4A(0.869g、180℃×4時間予備乾燥品)、トリメチルフェニルフォスフィンオキサイド(0.181g、0.650mmol)、(R)−ビナフトール(0.299g、1.044mmol)、La(O−iPr)3(0.274g、0.867mmol)、80%クメンハイドロパーオキサイド(0.331g、1.740mmol)、そしてTHF(23.3ml)の組成比で調製した。
【0095】
この触媒溶液を−15℃まで冷却した後、80%クメンハイドロパーオキサイド(1.653g、8.689mmol)、trans−2−トリフルオロ−2−ブテン酸フェニル(2.000g、8.689mmol)及びTHF(19.5ml)からなる溶液を1時間かけて滴下し、さらに同温度で16時間熟成反応を行った。
【0096】
反応終了後、比較例1と同様な処理を行って、trans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルブタン酸フェニルが含有されるオレンジ色の溶液3.86gを得た。この得られた溶液について1H−NMRによる定量及びHPLCによる光学純度の測定を行った結果、収量が1.776g(収率:84.0%)、光学純度が65.0%eeであった。この結果から明らかのように、得られたtrans−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルブタン酸フェニルは実施例のものに比べ、劣った光学純度のものであった。
【0097】
比較例7
比較例1と同じ反応装置を用いて、トリフェニルフォスフィンオキサイドをトリ(4−メチルフェニル)フォスフィンオキサイドに変えた以外、比較例1と同様な手順で触媒の調製を行った。なお、触媒はモレキュラーシーブス4A(0.869g、180℃×4時間予備乾燥品)、トリ(4−メチルフェニル)フォスフィンオキサイド(0.209g、0.650mmol)、(R)−ビナフトール(0.299g、1.044mmol)、La(O−iPr)3(0.274g、0.867mmol)、80%クメンハイドロパーオキサイド(0.331g、1.740mmol)そしてTHF(23.3ml)の組成比で調製した。
【0098】
この触媒溶液を−15℃まで冷却した後、80%クメンハイドロパーオキサイド(1.653g、8.689mmol)、N−(4−クロロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)アクリルアミド(2.169g、8.689mmol)及びTHF(19.5ml)からなる溶液を1時間かけて滴下し、さらに同温度で16時間熟成反応を行った。
【0099】
反応終了後、比較例1と同様な処理を行って、N−(4−クロロフェニル)−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルプロピンアミドが含有されるオレンジ色の溶液4.00gを得た。この得られた溶液について1H−NMRによる定量及びHPLCによる光学純度の測定を行った結果、収量が1.961g(収率:85.0%)、光学純度が70.0%eeであった。この結果から明らかのように、得られたN−(4−クロロフェニル)−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルプロピンアミドは実施例のものに比べ、劣った光学純度のものであった。
【0100】
比較例8
比較例1と同じ反応装置を用いて、比較例1と同様な手順で触媒の調製を行った。なお、触媒はモレキュラーシーブス4A(0.869g、180℃×4時間予備乾燥品)、トリフェニルフォスフィンオキサイド(0.181g、0.650mmol)、(R)−ビナフトール(0.299g、1.044mmol)、La(O−iPr)3(0.274g、0.867mmol)、80%クメンハイドロパーオキサイド(0.331g、1.740mmol)、そしてTHF(23.3ml)の組成比で調製した。
【0101】
この触媒溶液を−10℃まで冷却した後、80%クメンハイドロパーオキサイド(1.653g、8.689mmol)、N,N−ジフェニル−2−(トリフルオロメチル)アクリルアミド(2.531g、8.689mmol)及びTHF(19.5ml)からなる溶液を1時間かけて滴下し、さらに同温度で16時間熟成反応を行った。
【0102】
反応終了後、実施例1と同様な処理を行って、N,N−ジフェニル−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルプロピンアミドが含有されるオレンジ色の溶液4.10gを得た。この得られた溶液について1H−NMRによる定量及びHPLCによる光学純度の測定を行った結果、収量が2.264g(収率:84.8%)、光学純度が68.9%eeであった。この結果から明らかのように、得られたN,N−ジフェニル−(2S,3R)−2,3−エポキシ−2−トリフルオロメチルプロピンアミドは実施例のものに比べ、劣った光学純度のものであった。
Claims (12)
- (A)光学活性ビナフトール類、(B)希土類金属アルコキシド、(C)フォスフィンオキサイド類、(D)クメンハイドロパーオキサイド又はtert−ブチルハイドロパーオキサイド、並びに(E)アルコール類からなる不斉エポキシ化触媒。
- 光学活性ビナフトール類が、下記一般式(1)又は一般式(2)
で示される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の不斉エポキシ化触媒。 - 一般式(1)又は一般式(2)で示される光学活性ビナフトール類が、(R)−ビナフトール、(R)−3,3’−ジメトキシビナフトール、(R)−3,3’−メトキシエトキシビナフトール、(R)−6,6’−ジフェニルビナフトール、(R)−6,6’−ジブロモビナフトール、(R)−6,6’−ジナフチルビナフトール、(R)−6,6’−ジメトキシビナフトール、(S)−ビナフトール、(S)−3,3’−ジメトキシビナフトール、(S)−3,3’−メトキシエトキシビナフトール、(S)−6,6’−ジフェニルビナフトール、(S)−6,6’−ジブロモビナフトール、(S)−6,6’−ジナフチルビナフトール、及び(S)−6,6’−ジメトキシビナフトールからなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項2に記載の不斉エポキシ化触媒
- 希土類金属アルコキシドが、ランタノイドトリイソプロポキシドであることを特徴とする請求項1及至請求項3のいずれかに記載の不斉エポキシ化触媒。
- 希土類金属アルコキシドが、ランタントリイソプロポキシドであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の不斉エポキシ化触媒。
- フォスフィンオキサイド類が、下記一般式(3)
で示される化合物であることを特徴とする請求項1及至請求項5のいずれかに記載の不斉エポキシ化触媒。 - フォスフィンオキサイド類が、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリ(4−メチルフェニル)ホスフィンオキサイド、ヘキサメチルリン酸トリアミド及びトリピペリジノホスフィンオキサイドからなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の不斉エポキシ化触媒。
- アルコール類が、1〜3価アルコールであることを特徴とする請求項1及至請求項7のいずれかに記載の不斉エポキシ化触媒。
- アルコール類が、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブタノール、ヒドロベンゾイン、及びmeso−ヒドロベンゾインからなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項1及至請求項8のいずれかに記載の不斉エポキシ化触媒。
- 請求項1及至請求項9のいずれかに記載の不斉エポキシ化触媒と溶剤からなる不斉エポキシ化触媒溶液。
- 請求項1及至請求項10のいずれかに記載の不斉エポキシ化触媒又は触媒溶液存在下、下記一般式(4)
で示されるエノン類と酸化剤を反応させることを特徴とする下記一般式(5)
- 請求項1及至請求項10のいずれかに記載の不斉エポキシ化触媒又は触媒溶液存在下、下記一般式(6)
また、R13は−O−R14又は−N(R14)2(式中、R14は各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜20の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜20の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルケニル基、エチニル基、炭素数3〜20の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキニル基、フェニル基、芳香環の2〜6位がメチル基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がエチル基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位が炭素数3〜6の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキル基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がメトキシ基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がエトキシ基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位が炭素数3〜6の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルコキシ基で1〜5個置換された置換フェニル基、芳香環の2〜6位がフッ素原子,塩素原子,臭素原子又はヨウ素原子で1〜5個置換された置換フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−フリル基、2−フリル基、1−ピラン基、2−ピラン基、又は3−ピラン基を示す。)を表す。]
で示される含フッ素化合物類と酸化剤を反応させることを特徴とする下記一般式(7)
で示される光学活性含フッ素エポキシドの製造方法。
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