JP2004267919A - 燃焼排ガス処理装置および処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率的な燃焼排ガスの処理を可能とするガス処理装置および処理方法を提供する。
【解決手段】酸化チタン等の光触媒に白金などの熱触媒を担持してなる複合触媒体を用い、光照射手段により複合触媒体に光を照射しながら燃焼排ガスを複合触媒体に通して、該複合触媒体の触媒作用により燃焼排ガスを処理する。好ましくは、光照射手段により複合触媒体に光を間欠的に照射して、被毒化された熱触媒を光触媒作用により再生することである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、触媒の作用により燃焼排ガスの処理を行う燃焼排ガス処理装置および処理方法に関するものであり、より詳細には、燃焼排ガス中のアルデヒドなどの有害物質を除去するのに好適なガス処理技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドに代表されるアルデヒド類は、不快臭を有し人体の健康に有害であるので、その除去技術が検討されてきた。例えば、居住空間における建材やタバコなどを原因とする微量のアルデヒドの除去に関しては、光触媒や活性炭を用いる方法が存在する。
【0003】
一方、燃焼排ガス中のアルデヒド類を除去する場合においては、特開平9−285720号公報、特開2001−239162号公報などに開示されているように、熱的な触媒作用を利用して酸化除去する方法が用いられている。すなわち、特開平9−285720号公報には、アルミナに白金を担持した熱触媒で燃焼排ガスを処理する技術が開示され、また、特開2001−239162号公報には、ジルコニアに白金を担持させた熱触媒で燃焼排ガスを処理する技術が開示されている。
【0004】
しかしながら、燃焼排ガス中には通常5〜15%程度の水蒸気や0.1〜10ppm程度の硫黄酸化物が含まれており、従来の熱触媒では、アルデヒド類の除去が必ずしも効率的には進まなかった。
【0005】
特に、燃焼排ガスの温度が低い場合には、熱的な触媒作用が十分に期待できなかった。例えば、アセトアルデヒドを除去する場合には、通常アセトアルデヒドを酸化分解し、水と二酸化炭素にすることによって脱臭するわけであるが、燃焼排ガスの温度が低い場合には、この反応が十分に進まず、例えば酢酸などの中間生成物が発生し、新たな臭いの発生源になることもあった。
【0006】
一方、特開2000−225321号公報には、酸化チタン等の光触媒に白金等の熱触媒を担持してなる複合触媒体と、該触媒体に光を照射する光照射手段と、該触媒体を加熱する加熱手段とを備える脱臭装置が開示されている。この脱臭装置は、光触媒作用と熱触媒作用との両触媒作用を利用するものであるが、その具体的な利用形態は、光触媒作用を主とし、補足的に熱触媒作用を利用するものである。すなわち、同公報では、光照射手段により複合触媒体に光を照射しながら、複合触媒体に接触した汚染ガスや複合触媒体中の吸着材料に吸着された汚染ガスを光触媒作用により分解し、そして、この運転中に1〜5時間の間隔で加熱手段を1〜10分間加熱することにより複合触媒体に残留する有機物等の汚染物を熱触媒作用で分解している。そのため、同公報は、どちらかと言えば、室内環境中などに微量に存在する汚染物質を分解するための常温域でのガス処理を対象としたものであり、燃焼排ガスのような高温で大量の汚染物質を含むガスを定常的かつ効率的に分解するための技術については開示されていない。また、同公報の技術では、シーズヒーター等の加熱手段を別途用いる必要がある。
【0007】
以上のように従来は一般に、光触媒による脱臭は、室内での空気清浄機のような常温域でのガス処理に利用されており、燃焼排ガスのような高温のガス処理に光触媒を利用しようとする試みは、これまでなされていなかったのが実情である。
【0008】
【特許文献1】特開平9−285720号公報
【0009】
【特許文献2】特開2001−239162号公報
【0010】
【特許文献3】特開2000−225321号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、今まで燃焼排ガスのガス処理に用いられることのなかった光触媒作用を利用して、従来にも増して効率的な燃焼排ガスの処理を可能とするガス処理装置および処理方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、光触媒に熱触媒を担持してなる複合触媒体を加熱しながら同時に光照射して用いることにより、熱的な触媒作用と光触媒作用の相乗効果が発現されることを見い出し、これを燃焼排ガスのガス処理に利用して効率的な処理を行うことができるガス処理装置および処理方法を案出した。また、燃焼排ガス中に含まれるCOやSOによって被毒化された熱触媒を光触媒作用により再生できることを見出し、この知見から一層の省エネルギー化を図りながら安定したガス処理性能を発揮することができるガス処理装置および処理方法を案出した。
【0013】
すなわち、本発明は、光触媒作用を有する光触媒に加熱による触媒作用を有する熱触媒を担持してなる複合触媒体と、該複合触媒体に光を照射する光照射手段とを備え、前記光照射手段により前記複合触媒体に光を照射しながら、燃焼排ガスを前記複合触媒体に通して、該複合触媒体の触媒作用により燃焼排ガスを処理することを特徴とする燃焼排ガス処理装置を提供するものである。
【0014】
本発明は、また、光触媒作用を有する光触媒に加熱による触媒作用を有する熱触媒を担持してなる複合触媒体を用いて、該複合触媒体に光を照射しながら、燃焼排ガスを該複合触媒体に通して、該複合触媒体の触媒作用により燃焼排ガスを処理することを特徴とする燃焼排ガスの処理方法を提供するものである。
【0015】
かかる本発明によれば、燃焼排ガスの持つ熱により加熱される複合触媒体の熱的な触媒作用と光照射による光触媒作用との相乗効果により、燃焼排ガスの効率的な処理が可能となる。また、特に燃焼排ガスの熱を利用して複合触媒体を加熱するため、別途ヒータを設けて加熱する場合に比べて、装置が簡便となり、また省エネルギー化が図られる。更に、処理対象であるガス自体が高温であるため、常温のガスを処理する場合に比べて、触媒の処理性能上も有利である。
【0016】
上記本発明においては、光照射手段により複合触媒体に光を間欠的に照射することが好ましい。この場合、被毒化された熱触媒を光照射時に光触媒作用によって再生することができるので、一層の省エネルギー化を図りながら安定したガス処理性能を発揮することができる。ここで、間欠的な光照射とは、光照射と非照射とを交互に繰り返すことである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる複合触媒体は、光触媒作用を有する光触媒の表面に、加熱による熱的な触媒作用を有する熱触媒を担持してなるものである。
【0018】
上記光触媒は、光照射により電荷を生じて光触媒反応を起こさせるものであれば特に限定されない。好ましくは、光により酸化反応を起こすような材料からなるものである。
【0019】
より具体的には、光照射により電荷を生じる酸化物半導体からなるものであり、例えば、Ti、W、Si、In、Sn、Fe、Zn等の酸化物のいずれか又はこれらを複合してなる、粒径が5〜1000nmの粒子が挙げられる。また、これらの酸化物を、厚みが5nm〜100μm程度の膜状にしたもの、更に、Al等の担体にこれらの酸化物をコーティングしたものが挙げられる。
【0020】
この内、コストおよび安全性の面から考えると酸化チタン(TiO)が最も実用的であり、また、酸化チタンの結晶構造としてはアナターゼ型が適しているが、ルチル型を用いることもできる。
【0021】
上記熱触媒は、加熱されることで触媒作用を発揮するものであれば、特に限定されないが、Pt、Pd、Ni、Au、Ag、Ru、Rh等の金属の少なくとも一種からなる粒子が好ましく用いられる。より好ましくは、粒径が0.1〜10nmである上記金属又はその酸化物の粒子が用いられる。熱触媒の粒径(D1)とこれを担持する光触媒の粒径(D2)との比は、効率的な触媒作用を発揮させるという観点より、D1/D2=10〜1000であることが好ましい。
【0022】
この熱触媒を光触媒の表面に担持させる方法は特に限定されず、例えば、光析出法、含浸法、化学析出法、蒸着法等により、光触媒表面に熱触媒粒子を固定化することができる。
【0023】
熱触媒の担持量も特に限定されないが、通常、上記光触媒に対する重量比で0.1〜3重量%程度である。
【0024】
本発明で用いる複合触媒体の形態は特に制限されず、必要に応じて、ペレット、ハニカムなど任意の形態とすることができる。例えば、ペレットとする場合には、必要に応じてシリカゾル、ジルコニアゾルなどの公知のバインダーを加え成型しても良い。
【0025】
ここで、本発明の複合触媒体において、上記熱触媒は、それ自身が熱的な触媒作用を発揮してアルデヒドなどの有害物質を分解除去するだけでなく、その電子捕捉力により、光触媒中で光励起により発生した電子と正孔のうち、電子を捕捉して光触媒中の電子と正孔を分離し、これにより電子と正孔の再結合を抑制して、光触媒の効率を上げる作用がある。また、上記光触媒は、熱触媒の粒子表面にCOやSOが付着して被毒化するのを防止し、あるいはまた、被毒化された熱触媒上の活性点を再生する作用を発揮する。この再生作用は、熱触媒に付着したCOやSO等の被毒物質を光触媒作用により分解ないしイオン化することで、熱触媒上から除去するものと推測される。
【0026】
本発明で用いる光照射手段としては、特に限定されないが、冷陰極管、ブラックライト、水銀灯等が好ましく、特に紫外線強度の強いものの方が光触媒作用を利用する上で適している。また、太陽光線等の外部の光源からの光を取り込んで利用することもできる。
【0027】
本発明では、このような光照射手段により上記複合触媒体に光を照射しながら、燃焼排ガスを複合触媒体の層に通すことによって、燃焼排ガス中のアルデヒドなどの有害物質を除去する。
【0028】
処理対象となる燃焼排ガスは、天然ガスなどの燃料を燃焼させることにより発生する高温の排ガスであり、例えば、ガスヒートポンプシステムやコージェネレーションシステム等のガスエンジンからの排ガス、ボイラーからの排ガスなどが好適な処理対象となる。
【0029】
これらの燃焼排ガスは、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどのアルデヒドを含むガスであり、本発明のガス処理装置及びガス処理方法はこのようなアルデヒドを酸化して脱臭するのに好適である。また、これらの燃焼排ガスには、アルデヒドとともに、SO等の硫黄酸化物やCOなどといった熱触媒を被毒化する成分を含有する。本発明であると、上記のように複合触媒体中の光触媒により熱触媒粒子の表面上に付着した被毒成分を除去することができるので、このような被毒成分を含有する燃焼排ガスにも好適に用いられる。
【0030】
燃焼排ガスの温度は、本発明では燃焼排ガスの余熱を利用して複合触媒体を加熱し、これにより熱触媒作用を発揮させるため、そのような熱触媒作用を発揮するのに十分な温度であればよい。具体的には、複合触媒体の層に導入する際の温度で、約60℃以上であることが好ましく、より好ましくは80℃以上である。また、その上限は特に限定されないが、200℃以下であることが好ましい。
【0031】
複合触媒体に対するガス空間速度(GHSV)は、2,000〜400,000h−1程度が好ましく、より好ましくは12,000〜120,000h−1程度である。
【0032】
本発明では、光照射手段による複合触媒体への光照射を間欠的に行うことが、更なる省エネルギー化を図る上で好ましい。すなわち、上記複合触媒体は、本来は、光照射手段により光を常時照射するとともに、燃焼排ガスの余熱で常時加熱された状態にあることが、処理効率を高める上では好ましいが、処理条件によっては、熱触媒作用だけで十分高い処理効率を確保することができる場合もある。そのような場合、間欠的に光照射を行うことにより、光照射時には、熱触媒作用と光触媒作用との相乗効果により高い処理効率が得られるとともに、光触媒により熱触媒粒子上の被毒成分を除去して熱触媒を再生することができる。また、非照射時には、光照射時に再生された熱触媒により高い処理効率を発揮することができる。従って、光照射手段の作動時間を削減することで更なる省エネルギー化を図りながら、継続的に安定した高い処理効率を確保することができる。
【0033】
このように光照射を間欠的に行う場合における照射と非照射の時間間隔は、特に限定されないが、間欠的に光照射する場合、光触媒の役割は主として被毒した熱触媒の再生となるため、非照射時間は熱触媒が被毒化して処理効率が悪化するまでの時間とし、照射時間はこのようにして被毒化された熱触媒を再生し終わるまでの時間に設定することが好ましい。このような時間間隔は、予め実験的に求めることができる。
【0034】
図1は、本発明の一実施例に係る燃焼排ガス処理装置(脱臭装置)の模式的な断面図である。このガス処理装置は、上記複合触媒体からなる中空円柱状の触媒層(1)と、該触媒層(1)を同軸に取り囲む円筒状の本体筒部(2)とからなる二重筒状をなし、触媒層(1)の内側の軸心上に光照射手段としてブラックライト(3)が配置されている。このブラックライト(3)が点灯することで、その外側を取り囲む触媒層(1)に光が均等に照射される。本体筒部(2)の軸方向一端(図では下端)には、不図示のガスエンジンから延びる排ガス管に接続されて同エンジンから燃焼排ガス(G)が導かれるガス入口部(21)が設けられており、このガス入口部(21)が触媒層(1)の内側空間に接続されている。本体筒部(2)の軸方向他端(図では上端)には、大気に開放されるガス出口部(22)が設けられており、このガス出口部(22)が触媒層(1)の外側の本体筒部(2)との間の空間に接続されている。
【0035】
このガス処理装置では、ガスエンジンから排出される高温の燃焼排ガス(G)が下側のガス入口部(21)から触媒層(1)の内側に流入し、触媒層(1)を通って上側のガス出口部(22)から排気される。この触媒層(1)を通る際に、燃焼排ガス(G)は、触媒層(1)を加熱しながら、その熱触媒作用によりアルデヒドが酸化されて除去される。その際、ブラックライト(3)を点灯しておいた場合には、触媒層(1)は光照射を受けるので、上記熱触媒作用とともに光触媒作用を発揮させてアルデヒドの除去を行うことができ、また熱触媒の被毒化を防止または被毒成分の除去を行うことができる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例に基づき、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0037】
〈実施例1:光触媒作用と熱触媒作用の相乗効果〉
アナターゼ型の酸化チタン(石原産業(株)製「ST−01」)をテトラアンミン白金硝酸塩水溶液に浸漬し、乾燥した後、ヒドラジンにより還元して、光触媒としての酸化チタンに熱触媒としての白金を1重量%担持させた複合触媒体を得た。
【0038】
得られた複合触媒体0.3gを閉鎖循環式反応装置にセットし、複合触媒体の温度を100℃に保ち、かつ75Wの水銀灯の光を照射しながら、空気中にアセトアルデヒドを0.5%含有させたガスを該反応装置中に入れて反応させ、アセトアルデヒドの分解により生じた二酸化炭素の濃度を2時間後に測定した。結果を下記表1に示す。
【0039】
〈比較例1:光触媒作用を単独で用いた場合〉
上記実施例1と同じ複合触媒体を室温で加熱せずに用い、75Wの水銀灯の光を照射しながら、その他は実施例1と同様にしてアセトアルデヒド分解活性を測定した。結果を表1に示す。
【0040】
〈比較例2:熱的触媒作用を単独で用いた場合〉
ルチル型の酸化チタンに5重量%の白金を担持し、熱的な触媒作用のみを利用する従来型の脱臭触媒を得た。これを100℃に加熱し、光を照射せずに用いて、その他は実施例1と同様にしてアセトアルデヒド分解活性を測定した。結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
Figure 2004267919
【0042】
表1に示すように、比較例1および比較例2ではアセトアルデヒドの分解により生じた二酸化炭素の濃度は低く、分解が効率良く進んでいない。一方、実施例1ではアセトアルデヒドの分解により生じた二酸化炭素の濃度が高く、分解が効率良く進んでいることがわかる。特に、実施例1では、光触媒作用を単独で用いた比較例1と熱的触媒作用を単独で用いた比較例2を足し合わせた濃度の約2倍の二酸化炭素が発生しており、光触媒作用と熱的触媒作用を複合して用いることにより、光と熱の相乗効果が発揮されていることがわかる。
【0043】
〈実施例2:光触媒による被毒化防止効果〉
実施例1と同じ複合触媒体を外径5mm、高さ5mmの円筒状ペレットに加圧成型した後、粉砕しふるいに掛けて粒径1mm程度に揃えた。この粒状の複合触媒体をガラスメッシュを用いて、厚さ5mm、直径20cm、長さ25cmの中空円柱状に保持して触媒層を形成し、これを図1に示すガス処理装置にセットした。そして、このガス処理装置を用い、窒素中に臭い成分としてアセトアルデヒドを300ppm含有させた模擬排ガスの脱臭を行った。模擬排ガスには、実際の燃焼排ガスに模して、酸素が5%、水蒸気が10%含まれるように調整し、更に、触媒を被毒する成分として、COが1000ppm、SOが3ppm含まれるようにした。この模擬排ガスを80℃に加熱して、上記触媒層にガス空間速度30000h−1となるように導入した。なお、触媒層は排ガスにより加熱されるため、触媒層自体を加熱するヒータは設けなかった。
【0044】
この状態で、排ガスによる触媒の被毒が安定すると思われる60時間、触媒による脱臭性能を評価した。この60時間の脱臭処理の間、2時間おきに1時間ずつ、10Wのブラックライトから光を照射した。その際、ブラックライトから触媒層表面までの距離は約10cmとした。脱臭性能は、模擬排ガス中に含まれるアルデヒドが二酸化炭素まで分解された割合を測定することにより評価した。その測定は、ブラックライトにより光を照射していない時点で行った。結果は図2及び下記表2に示すとおりである。
【0045】
〈比較例3:光照射なし〉
上記した60時間の脱臭処理の間、光照射を一切行わなかった。それ以外は実施例2と全く同様にした。
【0046】
【表2】
Figure 2004267919
【0047】
実施例2においては、初期から一定の高い脱臭性能を示した。60時間経過時点でみると、1%のアセトアルデヒドが分解されていないものの、95%のアセトアルデヒドが無臭の二酸化炭素にまで分解され、更に4%のアセトアルデヒドが酢酸に転化されていた。酢酸の臭いの閾値濃度はアセトアルデヒドの4倍であるため、アセトアルデヒドが酢酸に転化されることで臭いの強度は抑制される。従って、分解されなかったアセトアルデヒドも含めて全体でみると、98%の臭いが脱臭されていた。実施例2においては、定期的にブラックライトから放射される光を照射したため、COやSOにより被毒された熱触媒上の活性点が光触媒効果で再生され、継続的に安定な脱臭性能が維持されていた。
【0048】
これに対し、比較例3では、初期には高い脱臭性能を示すものの、COやSOによる被毒により脱臭性能が低下し、脱臭性能の低下が安定化した60時間時点では、43%しか無臭の二酸化炭素まで分解されていなかった。臭いの強度の低い酢酸に転化された分を考慮しても、64%の臭いしか脱臭されていなかった。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、熱触媒作用と光触媒作用との相乗効果により、燃焼排ガスの温度が比較的低温の場合であっても、効率的にアルデヒド等の有害物質を除去することができる。また、熱触媒作用と光触媒作用との相乗効果により、少ない光量でも十分な活性が得られる。そして、燃焼排ガスの熱を利用して複合触媒体が加熱されるため、別途ヒータを設けて加熱する場合に比べて、装置が簡便となり、また省エネルギー化が図られる。
【0050】
また、アルデヒド分解反応については、酢酸などの中間体の生成で反応が止まる比率を小さくして、二酸化炭素と水にまで分解される比率を高めることができ、脱臭機能が高い。
【0051】
更に、本発明によれば、光照射手段により複合触媒体に光を間欠的に照射することにより、被毒化された熱触媒を光照射時に光触媒作用によって再生することができ、従って、一層の省エネルギー化を図りながら安定したガス処理性能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る燃焼排ガス処理装置を模式的に示す断面図である。
【図2】実施例2及び比較例3における脱臭性能の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1……触媒層
2……本体筒部
3……ブラックライト(光照射手段)
G……燃焼排ガス

Claims (11)

  1. 光触媒作用を有する光触媒に加熱による触媒作用を有する熱触媒を担持してなる複合触媒体と、該複合触媒体に光を照射する光照射手段とを備え、
    前記光照射手段により前記複合触媒体に光を照射しながら、燃焼排ガスを前記複合触媒体に通して、該複合触媒体の触媒作用により燃焼排ガスを処理することを特徴とする燃焼排ガス処理装置。
  2. 前記光照射手段が前記複合触媒体に光を間欠的に照射することを特徴とする請求項1記載の燃焼排ガス処理装置。
  3. 前記燃焼排ガスがアルデヒドを含むガスであり、該アルデヒドを酸化して脱臭することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の燃焼排ガス処理装置。
  4. 前記光触媒が、光照射により電荷を生じる酸化物半導体からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃焼排ガス処理装置。
  5. 前記熱触媒が、Pt、Pd、Ni、Au、Ag、Ru及びRhからなる群より選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃焼排ガス処理装置。
  6. 光触媒作用を有する光触媒に加熱による触媒作用を有する熱触媒を担持してなる複合触媒体を用いて、該複合触媒体に光を照射しながら、燃焼排ガスを該複合触媒体に通して、該複合触媒体の触媒作用により燃焼排ガスを処理することを特徴とする燃焼排ガスの処理方法。
  7. 前記複合触媒体に光を間欠的に照射することを特徴とする請求項6記載の燃焼排ガスの処理方法。
  8. 前記複合触媒体に通す燃焼排ガスの温度が60℃〜200℃であることを特徴とする請求項6又は7記載の燃焼排ガスの処理方法。
  9. 前記燃焼排ガスがアルデヒドを含むガスであり、該アルデヒドを酸化して脱臭することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の燃焼排ガスの処理方法。
  10. 前記光触媒が、光照射により電荷を生じる酸化物半導体からなることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の燃焼排ガスの処理方法。
  11. 前記熱触媒が、Pt、Pd、Ni、Au、Ag、Ru及びRhからなる群より選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の燃焼排ガスの処理方法。
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