JP2004267813A - カートリッジ型ろ過器およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低圧損で長寿命のフィルタを配置したカートリッジ型ろ過器を提供すること。
【解決手段】短繊維の集合体からなるフィルタを配置するにあたり、微細多孔のある硬質の筒芯の周囲に、捲縮を持つ短繊維同士が接触箇所で結合する積層構造からなる筒状のフィルタを配置した構造とした。また、層間を流体が通過するようにした積層構造のフィルタにおいて、積層構造を構成している短繊維の繊維軸および/または積層面と同方向に流体が通過するようにフィルタを配置した構造とした。
該短繊維が2種または2種以上の合成繊維で構成されていて、一つの合成繊維が他の合成繊維よりも相対的に低融点であり、加熱により少なくとも一つの合成繊維の表面が溶融し他の合成繊維の接触箇所を接着する熱融着性合成繊維からなる構造のフィルタを配置したカートリッジ型ろ過器を提供する。
【選択図】 図10
【解決手段】短繊維の集合体からなるフィルタを配置するにあたり、微細多孔のある硬質の筒芯の周囲に、捲縮を持つ短繊維同士が接触箇所で結合する積層構造からなる筒状のフィルタを配置した構造とした。また、層間を流体が通過するようにした積層構造のフィルタにおいて、積層構造を構成している短繊維の繊維軸および/または積層面と同方向に流体が通過するようにフィルタを配置した構造とした。
該短繊維が2種または2種以上の合成繊維で構成されていて、一つの合成繊維が他の合成繊維よりも相対的に低融点であり、加熱により少なくとも一つの合成繊維の表面が溶融し他の合成繊維の接触箇所を接着する熱融着性合成繊維からなる構造のフィルタを配置したカートリッジ型ろ過器を提供する。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は捲縮を持つ短繊維積層構造からなるフィルタを配置した気体や液体の微粒子を捕捉するカートリッジ型ろ過器およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、気体や液体中の微粒子をろ過するためのカートリッジ型ろ過器は各種形式のものが公知である。例えば、多く糸巻きフィルタ、プリーツ型フィルタなどが上げられる。また、ろ過材として金属メッシュ、ポーラスなセラミックス、織物や不織布などが多く用いられて来た。
【0003】
例えば、流体中の微粒子を圧力の高低に関わらず捕捉するフィルタとしては、従来から微細多孔質のセラミックス製フィルタがある。このセラミックフィルタは超硬質で圧力による変形がないので確実に微粒子を捕捉するが、高価で割れやすく重くて取り扱いが難しく、また、捕捉する微粒子量も少ないなどの欠点があった。
【0004】
また、糸巻きフィルタでは、綿糸、ポリプロピレン等の紡績糸を孔のあいた芯棒に巻きつけてろ過フィルタとしている。使用する原綿の種類と番手、製造時の条件である巻き張力と巻き数および綾角度等を変えることでろ過粒子の大きさを決定していた。その場合、SSや微粒子を糸と糸の間の間隙を利用して圧力損失を少なくして、内層部へSS部を侵入させた後、捕捉しているが、短繊維間の間隙と糸間の間隙の差が大きいため、どちらかに偏りすぎ、短繊維間でSSを捕捉しようとするとフィルタを通過する微粒子径が大きくなり、糸の間隔でSSを捕捉しようとすると微粒子成分が細かすぎてすぐに目詰まりを生じていた。
【0005】
また、プリーツ型フィルタでは、ろ過紙のようなろ過面によってろ過微粒子を捕捉する場合に、ろ過粒子がろ過紙の上に堆積すると目詰まりしてろ過しなくなるので、プリーツ状にすることで、ろ過面積を大きく取り、性能の向上を図っているが、形態上、ろ過面積を広げるには限度があった。
【0006】
フィルタとしてモノフィラメントの連続糸である合成樹脂重合体マルチフィラメント嵩高加工糸を素材を用いた例があるが座屈を生じやすいなどの欠点があった。(例えば、特許文献1参照。)また、通液状芯筒上に繊維ウェブシート捲回中に繊維層に交絡させて層間を接合する例や、(例えば、特許文献2参照。)、有孔筒状体に綾状に巻きつけ繊維交点を接着する例(例えば、特許文献3参照。)があるが長繊維不織布をベースにしたもので、通水抵抗などに問題があった。
【0007】
【特許文献1】特開昭58−24318号公報
【特許文献2】特開平5−192516号公報
【特許文献3】特開2001−321622号公報
【発明が解決しようとする課題】
カートリッジ型ろ過器の評価項目としては、粒子の捕捉精度、圧力損失、寿命、カートリッジ収納性、シール性、対薬品性、温度特性、経済性、安全性、保管性および廃棄性等をあげることができる。中でも、圧力損失が低く、長寿命であり微粒子の捕捉精度の高いフィルタが望まれる。
【0008】
通常、繊維構造物をろ過材として使用する場合、液体の方向に対して繊維が流体に抵抗する直角方向に並べ、微粒子を捕捉させるには都合が良いが流体の圧力損失が大きくなる欠点があった。一方、当該繊維軸と同方向に液体が流れると側壁流となって圧力損失は小さくなるが、各繊維間の距離が小さくなりすぎて流量が少なくなったり、微粒子を捕捉する抵抗体が少なくなるという欠点があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明におけるカートリッジ型ろ過器は、請求項1に記載のように、短繊維の集合体からなるフィルタを配置するにあたり、微細多孔のある硬質の筒芯の周囲に、捲縮を持つ短繊維同士が接触箇所で結合する積層構造からなる筒状のフィルタを配置した構造としている。
【0010】
請求項2に記載のように、本発明のカートリッジ型ろ過器は、層間を流体が通過するようにした積層構造のフィルタにおいて、積層構造を構成している短繊維の繊維軸および/または積層面と同方向に流体が通過するようにフィルタを配置している。
【0011】
請求項3に記載のように、本発明のカートリッジ型ろ過器は、短繊維が2種または2種以上の合成繊維で構成されていて、一つの合成繊維が他の合成繊維よりも相対的に低融点であり、加熱により少なくとも一つの合成繊維の表面が溶融し他の合成繊維の接触箇所を接着する熱融着性合成繊維からなる構造のフィルタを配置している。
【0012】
請求項4に記載のように、本発明のカートリッジ型ろ過器は、外周部から筒内部になるに従って連続的に、または段階的に、積層構造のかさ密度を高くした構造のフィルタを配置している。
【0013】
請求項5に記載のように、本発明のカートリッジ型ろ過器は、短繊維の表面の一部または、全面に短繊維を硬化する物質を付着させたフィルタを配置した構造としている。
【0014】
請求項6に記載のように、本発明のカートリッジ型ろ過器は、最外部および/または最内部に布帛、不織布および/またはろ紙を配置した構造のフィルタを配置している。
【0015】
請求項7に記載のように、本発明のカートリッジ型ろ過器は、中心部が硬質である筒芯の外形に波形、突起および/またはスリットを設けた構造のフィルタを配置している。
【0016】
請求項8に記載のように、本発明のカートリッジ型ろ過器は、中心部が硬質である筒芯に筒状の軸と同方向に規則的および/または不規則なスリットを設けている。
【0017】
請求項9に記載のように、本発明のカートリッジ型ろ過器は、外形部に波形、突起および/またはスリットを設けた構造のフィルタを配置している。
【0018】
請求項10に記載のように、短繊維の集合体からなるフィルタを配置したカートリッジ型ろ過器の製造方法において、微細多孔のある硬質の筒芯の周囲に、捲縮を持つ短繊維同士が接触箇所で結合する積層構造からなる筒状のフィルタを配置するようにしている。
【0019】
また、請求項11に記載のように、短繊維の集合体からなるフィルタを配置したカートリッジ型ろ過器の製造方法において、短繊維が2種または2種以上の合成繊維で構成されていて、一つの合成繊維が他の合成繊維よりも相対的に低融点であり、加熱により少なくとも一つの合成繊維が熱融着性繊維からなり該熱融着性繊維の表面が溶融し他の合成繊維の接触箇所を接着する構造にしたフィルタを配置するようにしている。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明では、図10に示すカートリッジ型ろ過器60のフィルタ66として低圧力損失および長寿命を得るために、図1に示す様に短繊維10に捲縮をつけて短繊維間の距離を持たして適当な空隙をつくり流体の流れを確保し、短繊維10の接する部分を結合することで立体網目構造にして、流体中の微粒子を網目で捕捉する積層構造20とした。積層構造20に捕捉される微粒子の量は、立体構造ゆえに表面だけでなく内部の体積全体で捕捉されるので、ろ紙や糸巻きろ過に比べて捕捉される微粒子は多くなる。その結果、流体中の微粒子の濃度が一定であれば、捕捉量が多い分だけ積層構造20から成形されるフィルタ66の寿命は長くなる。
【0021】
ろ過器の性能として流体中の微粒子の粗密によって篩い分けする性能が重要であり、微粒子は立体網目構造で捕捉されるので網目が細かいほど微粒子がよく捕捉される。本発明による積層圧縮ブロック21は、捲縮された短繊維10から構成されているので、短繊維10の繊度と積層圧縮ブロック21の圧縮の程度(すなわち、積層構造20を構成する見かけかさ密度)を変化させることにより微粒子を捕捉する大きさをコントロールすることができる。具体的には、短繊維10の繊度が小さいほど、積層構造20を積層圧縮ブロック21とした場合の圧縮程度が大きいほど微細な微粒子を捕捉することが出来る。
【0022】
しかし、積層構造20をフィルタ66として使用すると一般にろ過の後半に外圧により短繊維10が歪み、捕捉力が弱まって微粒子が抜けて飛び出す現象がある。(プッシュアウト現象と呼ばれている)。本発明が解決する課題は、該プッシュアウト現象を起こさないフィルタ66を配置するカートリッジ型ろ過器を提供することである。
【0023】
流体が短繊維10の繊維軸に沿って通過する場合と短繊維10の繊維軸に直角に流れる場合を比べると、前者の方が流体が円滑に流れて圧倒的に圧力損失は少ない。本発明のフィルタ66はこの原理を応用した。捲縮のないストレートな繊維を同一方向に整列させると空隙の少ない構造体になるので液体の通路を確保できない。本発明では、空隙をつくるために、短繊維10の捲縮を利用した。すなわち、図1に示すように捲縮をもつ短繊維10を平面に列べるように積層すると、積層構造20は捲縮のもつ弾性で絡み合いながら繊維間に大きな空隙をもつ。この積層された積層構造20を上面から圧縮して積層圧縮ブロック21を成形すると、図2に示すように圧縮軸方向と圧縮軸と直角方向とでは短繊維10の配列において異方性のある積層圧縮ブロック21ができる。積層圧縮ブロック21を圧縮するだけでは形態保持ができないけれども、構成する短繊維10の原綿に低融点熱融着性合成繊維11を混ぜておいて、圧縮下で加熱し、短繊維10間の交差部分を接合すると、積層圧縮ブロック21ができる。図2において、流体の流れる方向が積層圧縮ブロック21の積層方向に沿った方向の場合は、流体抵抗(少)31の矢印で表すように流体抵抗が少なく、積層方向に直角の方向の場合には、流体抵抗(大)32の矢印で表すように流体抵抗が大きいことを現している。
【0024】
図3は、図2における積層圧縮ブロック21を筒状に示す切断面40に沿って打ち抜いて、図4に示すように、積層圧縮ブロック21の積層方向を横方向に流体を通過させる後述する筒状のカートリッジ型ろ過器60に使用する積層圧縮ブロック21を示している。この切断方法では、図4の流体抵抗(少)31の矢印に示すように流体を通過させる方向は積層方向に沿った方向となり、矢印のとおり流体抵抗は少ない。図5は図2に示す積層圧縮ブロック21を方向を変えて切断面40に沿って切断する場合を示している。図5に示すように、積層圧縮ブロック21を、図5のa−a’、b−b’に示す方向で切断し、図6に示した方向に曲げて、最終的に図7に示すように筒状のカートリッジ型ろ過器60に使用可能な積層方向が縦方向になる筒状の積層圧縮ブロック21を形成した。
【0025】
図6に示す平板状の積層圧縮ブロック21を図7に示すように筒状に加工すると積層圧縮ブロック21に残留応力が残るので、実際には、熱処理により応力を除去してから芯を介して筒状に配置している。
【0026】
図7のに示す積層圧縮ブロック21のように縦方向に利用した筒状のカートリッジ型ろ過器に使用する積層圧縮ブロック21の外形部よりも中心部のほうが積層圧縮ブロック21のかさ密度が高いように成形することにより、流体中の微粒子を粗細の勾配をもって捕捉する事が出来る。
【0027】
また、フィルタ66を形成する積層圧縮ブロック21の積層方向を縦方向で利用した筒状の積層圧縮ブロック21は、図8に示すように最外層積層圧縮ブロック21cから順番に中間層積層圧縮ブロック21b最内層積層圧縮ブロック21aのように内部のほうに積層圧縮ブロック21のかさ密度を高くすることで、捕捉する微粒子の比較的大きいものはフィルタ66の最外層積層圧縮ブロック21cに、小さいものは最内層積層圧縮ブロック21aに選別されて微粒子を捕捉する構造になっている。このように、外形部よりも中心部のほうが積層圧縮ブロック21のかさ密度が高いようにすれば、流体中の微粒子が粗細の勾配をもって捕捉する事が出来る。
【0028】
通常、短繊維10からなる積層構造20は外圧がかかるとたわむ性質があり、積層構造20を特定のかさ密度で圧縮して成形した積層圧縮ブロック21に微粒子が詰まると積層圧縮ブロック21のたわみで微粒子の捕捉がゆるんでリークする。この現象を改善する手段としては、積層圧縮ブロック21を構成する短繊維10の剛性を高くすることが考えられる。しかし、短繊維10の集合体で剛性を高くすると積層圧縮ブロック21の見かけかさ密度が大きくなり、捕捉する微粒子径を選別できないという欠点を有すので、本発明では図8に示すように、フィルタ66の中心部の最内層積層圧縮ブロック21aのかさ密度を上げて剛性を確保し、その外側に中間層積層圧縮ブロック21b、最外層積層圧縮ブロック21cとそれぞれの箇所で相応の粒度の微粒子を捕捉するのに適した積層圧縮ブロック21を配した。
【0029】
この場合、最内層積層圧縮ブロック21aをカートリッジ型ろ過器60を構成するフィルタ66の筒芯65とすることができる。剛性を上げた最内層積層圧縮ブロック21aを筒状に特に円筒状に曲げるにあたり成形がやりにくくなるために、図9−a.に示すように、数ミリ間隔のスリット50を入れて筒状に曲がりやすくするとともに、図9−bに示すようにスリット50の外壁が漏斗状になり、結果的に高いかさ密度の最内層積層圧縮ブロック21aの表面積を増やして微粒子が最内層積層圧縮ブロック21a内部のスリット50内に捕捉する構造となり捕捉性能を向上することができた。
【0030】
また、筒芯65として用いた最内層積層圧縮ブロック21aを図9−cに示すような六角形の外形とし、スリット50を六角形のコーナーに入れて曲がりやすくすることで、容易に最内層積層圧縮ブロック21aを成形することができる。
【0031】
該スリット50の空間は、積層構造20を圧縮して製作する過程で、積層圧縮ブロック21に熱処理を施すために、捲縮のある繊維が膨張してある程度スリット50の空間をふさいでいる状態となっている。
【0032】
一方、金属繊維や無機繊維は剛性が高くフィルタの構造体としては適しているが捲縮の付与や交差点での接合が難しい。逆に、高分子で構成される繊維の場合は物性上剛性に限界がある。本発明では、剛性を高めるには短繊維10の表面に硬化材を付着させることによって達成することが出来た。その結果、積層圧縮ブロック21の硬度が高くなり、積層圧縮ブロック21内の微粒子がしっかりと短繊維10間で捕捉された。このときに使用する硬化材として、水ガラスや溶剤可溶型の高分子樹脂を用いた。特に、最内層積層圧縮ブロック21aに硬化剤を多く含有させて積層圧縮ブロック21の見かけかさ密度を上げることにより、ろ過精度を向上させることが出来た。
【0033】
また、多孔のフィルタ66の筒表面にメッシュの決まった布帛、不織布および/またはろ紙を最内層膜68、最外層膜69として配置し、積層圧縮ブロック21からの微粒子の漏れを無くすようにした。特に織物で捕捉効果の大きい物として織物を構成する短繊維の直径が数ミクロンからなる微細繊維のものが良い。 捲縮を持つ短繊維10で構成された積層圧縮ブロック21で硬質且つ微少多孔がある最内層積層圧縮ブロック21aを配置したフィルタ66を用いることにより、微粒子の捕捉精度が向上するとともに、微粒子が漏れるプッシュアウト現象も改善できた。
【0034】
図10を用いて本発明のカートリッジ型ろ過器の構成について説明する。カートリッジ型ろ過器60はカートリッジ本体67と上部ブロック70をネジ93で結合した箱からなる。カートリッジ本体67内部には、筒芯65の周りに積層圧縮ブロック21からなるフィルタ66が配置される。時に、最内層積層圧縮ブロック21aが筒芯65として用いられる。フィルタ66は必要に応じて、最内層膜68、最外層膜69で保護される。
【0035】
上部ブロック70には、流体の出入り機構として流体流入方向33から流入する流体が流入口35から流入し、フィルタ66の外周部とカートリッジ本体67との間の隙間から流体通過方向63の矢印に沿ってフィルタ66の間を抜け、微粒子を捕捉されながら、筒芯65を通過して中央部の筒部から流体は上部ブロック70の方向に通過し、流出口36を通過して、流体流出方向34の矢印に沿って流体は通過する。
【0036】
この時、フィルタ66の上端部と下端部で流体が漏れると微粒子捕捉性能が低下するので、上シール機構90および下シール機構91が設けられている。図11に説明のため、下シール機構91について図示してある。フィルタ66には液体が通過しない安定した材質の遮断板(パッキング)もしくは接着剤で両端面を固化した構成の上遮断板61、下遮断板62が配置され、上遮断板61と下遮断板62にそれぞれ円形状に先が尖った断面形状の上シール機構90および下シール機構91を当てネジ93の締め上げによる圧縮力を利用してシールする機構となっている。
【0037】
上記シール機構を設けているが、短繊維10から成る積層圧縮ブロック21は極めて均一性の高い素材であるが、積層圧縮ブロック21を製造する過程や、短繊維10のもつ固有物性のために、積層圧縮ブロック21が液体の圧力に負けて撓み、捕捉すべき微粒子が端面からリークする可能性がある。図10は本発明のフィルタ66をカートリッジ本体67に内蔵したものの1例であるが、撓みの欠点を改善する一つの方法として、プラスチック製の多孔筒を筒芯65として配した。また、そのプラスチックの筒芯65に布帛、不織布および/またはろ紙を最内層膜68として巻くように取り付けると目的とする微粒子径以上を安定して捕捉する。
【0038】
特に、50ミクロン以下の微細な微粒子を確実に捕捉するには、ミクロ繊維からなる織物を使用するとよい。他の方法として、最内層に繊維層からなる硬質の微細な多孔体を設ける方法がある。更に、漏れる微粒子を少なくするためには、最内層で繊維の弾性による目開きを防止する必要があり、内部から繊維表面に硬化させる樹脂等を塗布して開口を小さくすることも効果的である。
【0039】
本発明の製造方法と形態の特徴はつぎのとおりである。本発明において積層圧縮ブロック21を構成する基材としての短繊維10は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアクリル、ポリアミドなどの合成繊維、異種の合成繊維同士の混合繊維や、木綿等の植物繊維と合成繊維との混合繊維の短繊維10であり、いずれも適用できる。なかでも、形態保持の優れているポリエステルはもっとも好ましい材料である。
【0040】
該短繊維10は、その繊度が0.5デニール〜30デニールの範囲であって繊維長が15mm〜100mmの範囲のものが好ましい。繊度が小さい(細い)と捕捉する微粒子が細かくなり、大きいと捕捉する微粒子が大きくなるが、0.5デニール以下の繊度の短繊維10は、製造工程でもつれやすく生産性が悪い。また、30デニール以上の短繊維10では、接着強度が低下して形態安定性に欠けるという欠点が生じる。短繊維10の繊維長が15mmより短いと繊維同士の包絡が少なくなって形態の安定性がなくなり、また、100mmより長くなると繊維同士が絡みすぎて積層構造20を形成しにくくなる。
【0041】
短繊維10の捲縮数は通常単繊維長さの一インチ間あたりの山数で表すが、本発明の捲縮数は、5山〜20山の範囲が好ましい。捲縮数が5山以下の短繊維は、紡績工程で短繊維同士が絡まらずその結果積層構造20になりにくく、捲縮数が20山より多いと短繊維10が絡み過ぎて毛玉になりやすく積層構造20にむらが出来やすくなって均一性が必要な積層構造20には適さない。
【0042】
短繊維10が2種または2種以上の合成繊維で構成されていて、一つの合成繊維が他の合成繊維よりも相対的に低融点である熱融着性合成繊維11は加熱により少なくともその表面が溶融し接触した箇所で接着しうるようにして積層構造20を形成すると良い。このような熱融着性合成繊維11としては、低融点の共重合ポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維等がある。特に、少なくとも一方に上記したごとき低融点ポリマー成分を有する複合繊維は形態保持性が優れているので好ましい。
【0043】
短繊維10として複合繊維が芯鞘状複合繊維の場合には、鞘成分に低融点成分を配置する。このような熱融着性合成繊維11は、やはり短繊維10が好ましい。短繊維10にすることによって繊維層からなる積層構造20の全体に均一に分散させ、繊維同士を均一に接着できて形態の保持が強固になる。また、熱融着性合成繊維11の短繊維10は、分散性向上の観点から、混紡する短繊維10とほぼ同程度である、繊度が1デニール〜10デニール、繊維長15mm〜70mmの範囲であることが好ましい。熱融着性合成繊維11の混合比率は、繊維層構造全体に対して5重量%〜75重量%が好ましい。
【0044】
熱融着性合成繊維11が5重量%より少ないと、繊維同士の接着が不十分になって使用中の形態保持が困難になる。一方、熱融着性合成繊維11が75重量%以上になると、熱セットの時間が極端に短くなったり、熱融着合成繊維11が溶けだして繊維間の穴を塞いで、微粒子の捕捉効果を著しく低下させる場合がある。
【0045】
つぎに、短繊維10を一方向(X方向)に列べる製造方法について記述する。短繊維10を混紡する工程において、上記で示した熱融着性合成繊維11を含んだ原綿をよく混綿し、カード工程を経て連篠工程で図12に示すように、スライバ12を形成する。このスライバ12を図13に示すように短繊維10がほぼ一方向に配列するように積層する。スライバ12を積層した積層構造20を短繊維10の直角方向に圧力をかけると図14に示すようにスライバ12が扁平になり短繊維10がほぼ一方向に配列した構造になる。
【0046】
短繊維10には捲縮が施されているので、圧縮力に反発する力が発生する。この反発力で積層構造20のかさ密度、すなわち、目的のろ過粒子を捕捉するかさ密度になるように熱処理炉で熱融着性合成繊維11を介して短繊維10間を接着し、しっかりとした積層圧縮ブロック21を成形する。このとき、かさ密度を均一にするためには、スライバ12の層を一度に圧縮せずに分割して積層、圧縮、を繰り返し行い、積層圧縮ブロック21の体積になる大きさになるように成形することが好ましい。
【0047】
短繊維10を概ね二方向(XとY方向の平面)に列べる製造方法について記述する。熱融着合成繊維11を含む短繊維10をよく混綿した一定の積層構造20を収納ボックスに風送し、しかる後、集積、圧縮し、引き続き、風送圧縮をくりかえし行うと積層した積層圧縮ブロック21が成形される。図15に球体の積層構造20が成形されたその工程のモデル図を示す。図15−aは積層構造20を風送した直後の球状のモデルを示し、図15−bは圧縮して出来たモデルを示す。図16は図15−bに示す積層構造20の集合体のモデルを図示したものである。
図2に示した積層圧縮ブロック21において短繊維10が平面に配列した積層圧縮ブロック21を成形する。このとき、かさ密度を均一にするために、積層、圧縮を繰り返し、短繊維10に方向性のある積層圧縮ブロック21を製作する。
【0048】
このようにして製作した積層圧縮ブロック21を繊維やプラスチックから成る筒状の硬質な筒芯65の外周に取りつけるのであるが、ここで、筒芯65に関して述べる。筒芯65は、ポリプロピレンなどから成る格子状の孔の空いた筒を用いることが出きる。また、不織布を接着材とともに筒芯65の形状になるように丸棒に巻き付けて固定し、しかる後、丸棒を抜いて硬質で多孔質な繊維構造体の芯を成形し筒芯65として用いることができる。このとき、最内層にミクロ繊維からなる織物または不織布を貼りつけると、微粒子をリークさせずに捕捉する効果が得られる。
【0049】
また、前述したように、図9に示すような本発明の方法を用いて成形された筒状の積層圧縮ブロック21を筒芯65として用いることができる。このように、本発明の積層圧縮ブロック21を筒芯65として用いる場合、剛性を得るために、通常の積層圧縮ブロック21を成形するよりも更に高圧縮して見かけかさ密度を高くした状態で加熱して成形する。また曲げ成形が困難である為図9−b、図9−dのようにスリット50を入れて成形を容易にするとともに、図9−bに示すように、円筒状の場合に施したスリット50は外壁が漏斗状になり積層圧縮ブロック21の表面積を増やすこととなり、捕捉性能が向上するという効果が得られる。
【0050】
さらに、上記プラスチックや剛性を持たせた筒状の最内層積層圧縮ブロック21aから成る筒芯65の内面に有機溶剤に溶解する硬化材硬化剤を均質に塗布し乾燥させると、短繊維10同士の開口が小さくなり、且つ、短繊維10同士の接触点の
接合が強固になって、微粒子をリークさせずに捕捉する効果が得られる。この時の硬化剤としては、アクリルポリマー、ポリアミドポリマー等を用いることが好ましい。また、低融点フィルムを最内層部に貼りつけて熱処理することによっても同等の効果が得られる。
【0051】
微粒子を捕捉するフィルタ66の効率は、表面積を多く取ればより効率が上昇する。本発明のカートリッジ型ろ過器60に配置するフィルタ66においてもフィルタ66と通過する流体との界面面積が大きいほど効率が良くなる。ろ過効率を高めるために、図17、図18に示すように、フィルタ66の外形を凸形、波形とするおよび/またはスリット50等を入れるなど断面形状を複雑にすることにより、ろ過面積を大きくし、断面が単純な筒状のフィルタ66よりも捕捉効果が大きいフィルタを得ることができる。
【0052】
【実施例】
(実施例1)筒状のカートリッジ型ろ過器60において、図2に示すような積層構造20をもったポリエステル繊維と図9に示す構造をもつ高密度のポレエステル繊維からなる最内層積層圧縮ブロック21aを筒芯65として用いた2層構造からなる平均かさ密度が110g/リットル、長さ25cm、外形7.0cmのフィルタ66を作成した。このフィルタ66と糸巻きフィルター(公称SS濃度50ミクロン除去)とをモデル濁水(微粒子径が70ミクロン〜100ミクロン、濁度6ppm)を用いて初期通水量で比較した結果、ろ過水の濁度は同程度であったが、本発明のカートリッジ型ろ過器60は糸巻きフィルターに比べて、圧力損失が0.2kg/平方センチメートルの時点で1.3倍の通水量が得られた。
【0053】
(実施例2)水質浄化を目的としたカートリッジ型ろ過器60において、筒状プラスチックから成る筒芯65の周りにミクロ繊維からなる織物を被覆し、接合部を液漏れのないように接着し、しかる後、図10に示すように、短繊維10がポリエステル繊維から成り、かさ密度115g/リットル、長さ25cm、外形7.5cmのフィルタ66を作成した。該フィルタ66と糸巻きフィルター(公称30ミクロン粒子除去)それぞれに、濁水濃度が2〜5ppmの湖水に塩化第二鉄からなる凝集剤を鉄成分で換算して3ppm添加、攪拌した後フロックとして通過させた。ろ過水の濁度を測定したところ、どちらのろ過器も0.0〜0.2ppmの範囲でろ過されていたが、圧力損失の0.3kg/平方センチメートルへの到達時間については、本発明のカートリッジ型ろ過器60の方がが1.4倍長いという結果が得られた。
【0054】
(実施例3)図8に示したような見かけかさ密度の異なる三層の積層圧縮ブロック21からなるフィルタ66で、最外層積層圧縮ブロック21cより段階的に見かけかさ密度を変え、最内層積層圧縮ブロック21aの見かけかさ密度が大きいフィルター66を作成した。すなわち、最外層積層圧縮ブロック21cのかさ密度を30g/リットル、中間層積層圧縮ブロック21bの見かけかさ密度を80g/リットル、最内層積層圧縮ブロック21aの見かけかさ密度を150g/リットルとなるような構造体としての作成したフィルタ66と、実施例1で使用した糸巻きフィルターとそれぞれに5ppmのベントナイトを攪拌しながら通過させて比較したところ、圧力損失0.5kg/平方センチメートルまでの到達時間は、三段構造の該フィルタ66は、糸巻きフィルターと比較して1.3倍長いという結果が得られた。
【0055】
(実施例4)図9−aに示した最内層積層圧縮ブロック21aを筒芯65として用いて、本発明に基づき図7に示した形状の積層圧縮ブロック21、比較例として同一素材を用いたランダムな繊維構造体をそれぞれ形成し、双方と共に見かけかさ密度を約120g/リットルとしたカートリッジ型濾過器60を製作した。該2本のカートリッジ型ろ過器60に水道水を10リットル/分の流量で通過させたところ、本発明のフィルタ66の場合は初期圧損が0.15kg/平方センチメートル、比較例としてのランダム繊維構造体の場合は0.4kg/平方センチメートルであり、本発明の積層圧縮ブロック21からなるフィルタ66を配置したカートリッジ型ろ過器60は初期圧損が極めて低いことが判った。
【0056】
(実施例5)実施例1で用いたフィルタ66の表面を目付40g/平方メートルのポリエステルかならる不織布で覆ったものと、比較例として、実施例1で用いた糸巻きフィルタの内部に捕捉された微粒子の重量を下記条件で比較した。すなわち、25ミクロン相当の活性炭微粒子(絶乾重量で20g)を200リットルの水に溶解し全量通過させ、表面を水洗いした後、乾燥させて内部捕捉重量を計測した。本発明のフィルタ66の捕捉量は11.8g、比較例としての糸巻きフィルターは8.8gであり、本発明のフィルタ66は体積内で微粒子を捕捉していることがわかった。
【0057】
(実施例6)本発明におけるカートリッジ型ろ過器60において、筒芯65として図9−cに示すような最内層積層圧縮ブロック21aを六角形の形状にしたものを用いたところ、初期圧力損失は若干上昇した。しかし、スリット50が少ないために筒芯65の製作が極めて容易になった。
【0058】
【発明の効果】
本発明によると、圧力損失が小さく、しかも、繊維積層の外層部で粗い粒子を捕捉して内層部で微粒子を捕捉することができることから捕捉固形分の重量が多くなり、従って、低圧損で長寿命の液体濾過器を得ることができる。微粒子を捕捉する構造体は、短繊維の集合体から成っていて、短繊維の形状、物性および繊維集合体の密度、繊維方向等、繊維集合体の特性を選別することによって、微粒子の捕捉能力が決まり、簡単に筒状のカートリッジ型ろ過器を製造することが出来る。その結果、圧力損失が少なく、使用する寿命が長く、ろ過精度が安定したろ過器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の捲縮を持つ短繊維同士が接触箇所で結合する積層構造を表す図である。
【図2】本発明の積層構造を圧縮した積層圧縮ブロックの状態を表す図である。
【図3】本発明の積層圧縮ブロックを切断し筒状の積層圧縮ブロックを形成することを表す図である。
【図4】本発明の積層圧縮ブロックの積層圧縮面を横方向に切断した場合のフィルタ形状を表す図である。
【図5】図2に示す積層圧縮ブロックをフィルタとして使用する場合の切断する部位を表す図である。
【図6】図5に示す積層圧縮ブロックを切断した切断片をフィルタとして使用する為に曲げた場合の曲げ方向を表す図である。
【図7】図6に示す積層圧縮ブロックをさらに曲げて筒状に成形し、積層圧縮面を縦方向に切断した場合のフィルタとしたことを表す図である。
【図8】本発明の積層構造のかさ密度を筒内部になるに従って高くしたことを表す図である。
【図9】a.、b.本発明の筒状の芯が円筒状であるものの外形にスリットを設けたことを表す図である。c.、d.本発明の筒状の芯に六角形になるようにスリットを設けたことを表す図である。
【図10】本発明のフィルタを配置したカートリッジ型ろ過器の全体構成を表す図である。
【図11】本発明のカートリッジと遮断板のシール状態を表す図である。
【図12】本発明の捲縮を持つ1本の短繊維の状態を表す図である。
【図13】図12に示す短繊維を積層構造にしたことを表す図である。
【図14】図14に示す積層構造を圧縮した後切断することとその方向を表す図である。
【図15】a.本発明の捲縮を持つ短繊維同士が接触箇所で結合する球体の積層構造を表す図である。b.図15−a.の球体の積層構造を圧縮した状態を表す図である。
【図16】図15−b.に示す圧縮した球体積層構造を積層圧縮ブロックとした状態を表す図である。
【図17】本発明におけるフィルタの外形を波形にしたことを表す図である。
【図18】本発明におけるフィルタの外形にスリットを設けたことを表す図である。
【符号の説明】
10 短繊維
11 熱融着性繊合成繊維
12 スクラバ
20 積層構造
21 積層圧縮ブロック
21a 最内層積層圧縮ブロック
21b 中間層積層圧縮ブロック
21c 最外層積層圧縮ブロック
31 流体抵抗(少)
32 流体抵抗(大)
33 流体流入方向
34 流体流出方向
35 流入口
36 流出口
40 切断面
50 スリット
60 カートリッジ型ろ過器
61 上遮断板
62 下遮断板
63 流体通過方向
65 筒芯
66 フィルタ
67 カートリッジ本体
68 最内層膜
69 最外層膜
70 上部ブロック
90 上シール機構
91 下シール機構
93 ネジ機構
【発明の属する技術分野】
本発明は捲縮を持つ短繊維積層構造からなるフィルタを配置した気体や液体の微粒子を捕捉するカートリッジ型ろ過器およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、気体や液体中の微粒子をろ過するためのカートリッジ型ろ過器は各種形式のものが公知である。例えば、多く糸巻きフィルタ、プリーツ型フィルタなどが上げられる。また、ろ過材として金属メッシュ、ポーラスなセラミックス、織物や不織布などが多く用いられて来た。
【0003】
例えば、流体中の微粒子を圧力の高低に関わらず捕捉するフィルタとしては、従来から微細多孔質のセラミックス製フィルタがある。このセラミックフィルタは超硬質で圧力による変形がないので確実に微粒子を捕捉するが、高価で割れやすく重くて取り扱いが難しく、また、捕捉する微粒子量も少ないなどの欠点があった。
【0004】
また、糸巻きフィルタでは、綿糸、ポリプロピレン等の紡績糸を孔のあいた芯棒に巻きつけてろ過フィルタとしている。使用する原綿の種類と番手、製造時の条件である巻き張力と巻き数および綾角度等を変えることでろ過粒子の大きさを決定していた。その場合、SSや微粒子を糸と糸の間の間隙を利用して圧力損失を少なくして、内層部へSS部を侵入させた後、捕捉しているが、短繊維間の間隙と糸間の間隙の差が大きいため、どちらかに偏りすぎ、短繊維間でSSを捕捉しようとするとフィルタを通過する微粒子径が大きくなり、糸の間隔でSSを捕捉しようとすると微粒子成分が細かすぎてすぐに目詰まりを生じていた。
【0005】
また、プリーツ型フィルタでは、ろ過紙のようなろ過面によってろ過微粒子を捕捉する場合に、ろ過粒子がろ過紙の上に堆積すると目詰まりしてろ過しなくなるので、プリーツ状にすることで、ろ過面積を大きく取り、性能の向上を図っているが、形態上、ろ過面積を広げるには限度があった。
【0006】
フィルタとしてモノフィラメントの連続糸である合成樹脂重合体マルチフィラメント嵩高加工糸を素材を用いた例があるが座屈を生じやすいなどの欠点があった。(例えば、特許文献1参照。)また、通液状芯筒上に繊維ウェブシート捲回中に繊維層に交絡させて層間を接合する例や、(例えば、特許文献2参照。)、有孔筒状体に綾状に巻きつけ繊維交点を接着する例(例えば、特許文献3参照。)があるが長繊維不織布をベースにしたもので、通水抵抗などに問題があった。
【0007】
【特許文献1】特開昭58−24318号公報
【特許文献2】特開平5−192516号公報
【特許文献3】特開2001−321622号公報
【発明が解決しようとする課題】
カートリッジ型ろ過器の評価項目としては、粒子の捕捉精度、圧力損失、寿命、カートリッジ収納性、シール性、対薬品性、温度特性、経済性、安全性、保管性および廃棄性等をあげることができる。中でも、圧力損失が低く、長寿命であり微粒子の捕捉精度の高いフィルタが望まれる。
【0008】
通常、繊維構造物をろ過材として使用する場合、液体の方向に対して繊維が流体に抵抗する直角方向に並べ、微粒子を捕捉させるには都合が良いが流体の圧力損失が大きくなる欠点があった。一方、当該繊維軸と同方向に液体が流れると側壁流となって圧力損失は小さくなるが、各繊維間の距離が小さくなりすぎて流量が少なくなったり、微粒子を捕捉する抵抗体が少なくなるという欠点があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明におけるカートリッジ型ろ過器は、請求項1に記載のように、短繊維の集合体からなるフィルタを配置するにあたり、微細多孔のある硬質の筒芯の周囲に、捲縮を持つ短繊維同士が接触箇所で結合する積層構造からなる筒状のフィルタを配置した構造としている。
【0010】
請求項2に記載のように、本発明のカートリッジ型ろ過器は、層間を流体が通過するようにした積層構造のフィルタにおいて、積層構造を構成している短繊維の繊維軸および/または積層面と同方向に流体が通過するようにフィルタを配置している。
【0011】
請求項3に記載のように、本発明のカートリッジ型ろ過器は、短繊維が2種または2種以上の合成繊維で構成されていて、一つの合成繊維が他の合成繊維よりも相対的に低融点であり、加熱により少なくとも一つの合成繊維の表面が溶融し他の合成繊維の接触箇所を接着する熱融着性合成繊維からなる構造のフィルタを配置している。
【0012】
請求項4に記載のように、本発明のカートリッジ型ろ過器は、外周部から筒内部になるに従って連続的に、または段階的に、積層構造のかさ密度を高くした構造のフィルタを配置している。
【0013】
請求項5に記載のように、本発明のカートリッジ型ろ過器は、短繊維の表面の一部または、全面に短繊維を硬化する物質を付着させたフィルタを配置した構造としている。
【0014】
請求項6に記載のように、本発明のカートリッジ型ろ過器は、最外部および/または最内部に布帛、不織布および/またはろ紙を配置した構造のフィルタを配置している。
【0015】
請求項7に記載のように、本発明のカートリッジ型ろ過器は、中心部が硬質である筒芯の外形に波形、突起および/またはスリットを設けた構造のフィルタを配置している。
【0016】
請求項8に記載のように、本発明のカートリッジ型ろ過器は、中心部が硬質である筒芯に筒状の軸と同方向に規則的および/または不規則なスリットを設けている。
【0017】
請求項9に記載のように、本発明のカートリッジ型ろ過器は、外形部に波形、突起および/またはスリットを設けた構造のフィルタを配置している。
【0018】
請求項10に記載のように、短繊維の集合体からなるフィルタを配置したカートリッジ型ろ過器の製造方法において、微細多孔のある硬質の筒芯の周囲に、捲縮を持つ短繊維同士が接触箇所で結合する積層構造からなる筒状のフィルタを配置するようにしている。
【0019】
また、請求項11に記載のように、短繊維の集合体からなるフィルタを配置したカートリッジ型ろ過器の製造方法において、短繊維が2種または2種以上の合成繊維で構成されていて、一つの合成繊維が他の合成繊維よりも相対的に低融点であり、加熱により少なくとも一つの合成繊維が熱融着性繊維からなり該熱融着性繊維の表面が溶融し他の合成繊維の接触箇所を接着する構造にしたフィルタを配置するようにしている。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明では、図10に示すカートリッジ型ろ過器60のフィルタ66として低圧力損失および長寿命を得るために、図1に示す様に短繊維10に捲縮をつけて短繊維間の距離を持たして適当な空隙をつくり流体の流れを確保し、短繊維10の接する部分を結合することで立体網目構造にして、流体中の微粒子を網目で捕捉する積層構造20とした。積層構造20に捕捉される微粒子の量は、立体構造ゆえに表面だけでなく内部の体積全体で捕捉されるので、ろ紙や糸巻きろ過に比べて捕捉される微粒子は多くなる。その結果、流体中の微粒子の濃度が一定であれば、捕捉量が多い分だけ積層構造20から成形されるフィルタ66の寿命は長くなる。
【0021】
ろ過器の性能として流体中の微粒子の粗密によって篩い分けする性能が重要であり、微粒子は立体網目構造で捕捉されるので網目が細かいほど微粒子がよく捕捉される。本発明による積層圧縮ブロック21は、捲縮された短繊維10から構成されているので、短繊維10の繊度と積層圧縮ブロック21の圧縮の程度(すなわち、積層構造20を構成する見かけかさ密度)を変化させることにより微粒子を捕捉する大きさをコントロールすることができる。具体的には、短繊維10の繊度が小さいほど、積層構造20を積層圧縮ブロック21とした場合の圧縮程度が大きいほど微細な微粒子を捕捉することが出来る。
【0022】
しかし、積層構造20をフィルタ66として使用すると一般にろ過の後半に外圧により短繊維10が歪み、捕捉力が弱まって微粒子が抜けて飛び出す現象がある。(プッシュアウト現象と呼ばれている)。本発明が解決する課題は、該プッシュアウト現象を起こさないフィルタ66を配置するカートリッジ型ろ過器を提供することである。
【0023】
流体が短繊維10の繊維軸に沿って通過する場合と短繊維10の繊維軸に直角に流れる場合を比べると、前者の方が流体が円滑に流れて圧倒的に圧力損失は少ない。本発明のフィルタ66はこの原理を応用した。捲縮のないストレートな繊維を同一方向に整列させると空隙の少ない構造体になるので液体の通路を確保できない。本発明では、空隙をつくるために、短繊維10の捲縮を利用した。すなわち、図1に示すように捲縮をもつ短繊維10を平面に列べるように積層すると、積層構造20は捲縮のもつ弾性で絡み合いながら繊維間に大きな空隙をもつ。この積層された積層構造20を上面から圧縮して積層圧縮ブロック21を成形すると、図2に示すように圧縮軸方向と圧縮軸と直角方向とでは短繊維10の配列において異方性のある積層圧縮ブロック21ができる。積層圧縮ブロック21を圧縮するだけでは形態保持ができないけれども、構成する短繊維10の原綿に低融点熱融着性合成繊維11を混ぜておいて、圧縮下で加熱し、短繊維10間の交差部分を接合すると、積層圧縮ブロック21ができる。図2において、流体の流れる方向が積層圧縮ブロック21の積層方向に沿った方向の場合は、流体抵抗(少)31の矢印で表すように流体抵抗が少なく、積層方向に直角の方向の場合には、流体抵抗(大)32の矢印で表すように流体抵抗が大きいことを現している。
【0024】
図3は、図2における積層圧縮ブロック21を筒状に示す切断面40に沿って打ち抜いて、図4に示すように、積層圧縮ブロック21の積層方向を横方向に流体を通過させる後述する筒状のカートリッジ型ろ過器60に使用する積層圧縮ブロック21を示している。この切断方法では、図4の流体抵抗(少)31の矢印に示すように流体を通過させる方向は積層方向に沿った方向となり、矢印のとおり流体抵抗は少ない。図5は図2に示す積層圧縮ブロック21を方向を変えて切断面40に沿って切断する場合を示している。図5に示すように、積層圧縮ブロック21を、図5のa−a’、b−b’に示す方向で切断し、図6に示した方向に曲げて、最終的に図7に示すように筒状のカートリッジ型ろ過器60に使用可能な積層方向が縦方向になる筒状の積層圧縮ブロック21を形成した。
【0025】
図6に示す平板状の積層圧縮ブロック21を図7に示すように筒状に加工すると積層圧縮ブロック21に残留応力が残るので、実際には、熱処理により応力を除去してから芯を介して筒状に配置している。
【0026】
図7のに示す積層圧縮ブロック21のように縦方向に利用した筒状のカートリッジ型ろ過器に使用する積層圧縮ブロック21の外形部よりも中心部のほうが積層圧縮ブロック21のかさ密度が高いように成形することにより、流体中の微粒子を粗細の勾配をもって捕捉する事が出来る。
【0027】
また、フィルタ66を形成する積層圧縮ブロック21の積層方向を縦方向で利用した筒状の積層圧縮ブロック21は、図8に示すように最外層積層圧縮ブロック21cから順番に中間層積層圧縮ブロック21b最内層積層圧縮ブロック21aのように内部のほうに積層圧縮ブロック21のかさ密度を高くすることで、捕捉する微粒子の比較的大きいものはフィルタ66の最外層積層圧縮ブロック21cに、小さいものは最内層積層圧縮ブロック21aに選別されて微粒子を捕捉する構造になっている。このように、外形部よりも中心部のほうが積層圧縮ブロック21のかさ密度が高いようにすれば、流体中の微粒子が粗細の勾配をもって捕捉する事が出来る。
【0028】
通常、短繊維10からなる積層構造20は外圧がかかるとたわむ性質があり、積層構造20を特定のかさ密度で圧縮して成形した積層圧縮ブロック21に微粒子が詰まると積層圧縮ブロック21のたわみで微粒子の捕捉がゆるんでリークする。この現象を改善する手段としては、積層圧縮ブロック21を構成する短繊維10の剛性を高くすることが考えられる。しかし、短繊維10の集合体で剛性を高くすると積層圧縮ブロック21の見かけかさ密度が大きくなり、捕捉する微粒子径を選別できないという欠点を有すので、本発明では図8に示すように、フィルタ66の中心部の最内層積層圧縮ブロック21aのかさ密度を上げて剛性を確保し、その外側に中間層積層圧縮ブロック21b、最外層積層圧縮ブロック21cとそれぞれの箇所で相応の粒度の微粒子を捕捉するのに適した積層圧縮ブロック21を配した。
【0029】
この場合、最内層積層圧縮ブロック21aをカートリッジ型ろ過器60を構成するフィルタ66の筒芯65とすることができる。剛性を上げた最内層積層圧縮ブロック21aを筒状に特に円筒状に曲げるにあたり成形がやりにくくなるために、図9−a.に示すように、数ミリ間隔のスリット50を入れて筒状に曲がりやすくするとともに、図9−bに示すようにスリット50の外壁が漏斗状になり、結果的に高いかさ密度の最内層積層圧縮ブロック21aの表面積を増やして微粒子が最内層積層圧縮ブロック21a内部のスリット50内に捕捉する構造となり捕捉性能を向上することができた。
【0030】
また、筒芯65として用いた最内層積層圧縮ブロック21aを図9−cに示すような六角形の外形とし、スリット50を六角形のコーナーに入れて曲がりやすくすることで、容易に最内層積層圧縮ブロック21aを成形することができる。
【0031】
該スリット50の空間は、積層構造20を圧縮して製作する過程で、積層圧縮ブロック21に熱処理を施すために、捲縮のある繊維が膨張してある程度スリット50の空間をふさいでいる状態となっている。
【0032】
一方、金属繊維や無機繊維は剛性が高くフィルタの構造体としては適しているが捲縮の付与や交差点での接合が難しい。逆に、高分子で構成される繊維の場合は物性上剛性に限界がある。本発明では、剛性を高めるには短繊維10の表面に硬化材を付着させることによって達成することが出来た。その結果、積層圧縮ブロック21の硬度が高くなり、積層圧縮ブロック21内の微粒子がしっかりと短繊維10間で捕捉された。このときに使用する硬化材として、水ガラスや溶剤可溶型の高分子樹脂を用いた。特に、最内層積層圧縮ブロック21aに硬化剤を多く含有させて積層圧縮ブロック21の見かけかさ密度を上げることにより、ろ過精度を向上させることが出来た。
【0033】
また、多孔のフィルタ66の筒表面にメッシュの決まった布帛、不織布および/またはろ紙を最内層膜68、最外層膜69として配置し、積層圧縮ブロック21からの微粒子の漏れを無くすようにした。特に織物で捕捉効果の大きい物として織物を構成する短繊維の直径が数ミクロンからなる微細繊維のものが良い。 捲縮を持つ短繊維10で構成された積層圧縮ブロック21で硬質且つ微少多孔がある最内層積層圧縮ブロック21aを配置したフィルタ66を用いることにより、微粒子の捕捉精度が向上するとともに、微粒子が漏れるプッシュアウト現象も改善できた。
【0034】
図10を用いて本発明のカートリッジ型ろ過器の構成について説明する。カートリッジ型ろ過器60はカートリッジ本体67と上部ブロック70をネジ93で結合した箱からなる。カートリッジ本体67内部には、筒芯65の周りに積層圧縮ブロック21からなるフィルタ66が配置される。時に、最内層積層圧縮ブロック21aが筒芯65として用いられる。フィルタ66は必要に応じて、最内層膜68、最外層膜69で保護される。
【0035】
上部ブロック70には、流体の出入り機構として流体流入方向33から流入する流体が流入口35から流入し、フィルタ66の外周部とカートリッジ本体67との間の隙間から流体通過方向63の矢印に沿ってフィルタ66の間を抜け、微粒子を捕捉されながら、筒芯65を通過して中央部の筒部から流体は上部ブロック70の方向に通過し、流出口36を通過して、流体流出方向34の矢印に沿って流体は通過する。
【0036】
この時、フィルタ66の上端部と下端部で流体が漏れると微粒子捕捉性能が低下するので、上シール機構90および下シール機構91が設けられている。図11に説明のため、下シール機構91について図示してある。フィルタ66には液体が通過しない安定した材質の遮断板(パッキング)もしくは接着剤で両端面を固化した構成の上遮断板61、下遮断板62が配置され、上遮断板61と下遮断板62にそれぞれ円形状に先が尖った断面形状の上シール機構90および下シール機構91を当てネジ93の締め上げによる圧縮力を利用してシールする機構となっている。
【0037】
上記シール機構を設けているが、短繊維10から成る積層圧縮ブロック21は極めて均一性の高い素材であるが、積層圧縮ブロック21を製造する過程や、短繊維10のもつ固有物性のために、積層圧縮ブロック21が液体の圧力に負けて撓み、捕捉すべき微粒子が端面からリークする可能性がある。図10は本発明のフィルタ66をカートリッジ本体67に内蔵したものの1例であるが、撓みの欠点を改善する一つの方法として、プラスチック製の多孔筒を筒芯65として配した。また、そのプラスチックの筒芯65に布帛、不織布および/またはろ紙を最内層膜68として巻くように取り付けると目的とする微粒子径以上を安定して捕捉する。
【0038】
特に、50ミクロン以下の微細な微粒子を確実に捕捉するには、ミクロ繊維からなる織物を使用するとよい。他の方法として、最内層に繊維層からなる硬質の微細な多孔体を設ける方法がある。更に、漏れる微粒子を少なくするためには、最内層で繊維の弾性による目開きを防止する必要があり、内部から繊維表面に硬化させる樹脂等を塗布して開口を小さくすることも効果的である。
【0039】
本発明の製造方法と形態の特徴はつぎのとおりである。本発明において積層圧縮ブロック21を構成する基材としての短繊維10は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアクリル、ポリアミドなどの合成繊維、異種の合成繊維同士の混合繊維や、木綿等の植物繊維と合成繊維との混合繊維の短繊維10であり、いずれも適用できる。なかでも、形態保持の優れているポリエステルはもっとも好ましい材料である。
【0040】
該短繊維10は、その繊度が0.5デニール〜30デニールの範囲であって繊維長が15mm〜100mmの範囲のものが好ましい。繊度が小さい(細い)と捕捉する微粒子が細かくなり、大きいと捕捉する微粒子が大きくなるが、0.5デニール以下の繊度の短繊維10は、製造工程でもつれやすく生産性が悪い。また、30デニール以上の短繊維10では、接着強度が低下して形態安定性に欠けるという欠点が生じる。短繊維10の繊維長が15mmより短いと繊維同士の包絡が少なくなって形態の安定性がなくなり、また、100mmより長くなると繊維同士が絡みすぎて積層構造20を形成しにくくなる。
【0041】
短繊維10の捲縮数は通常単繊維長さの一インチ間あたりの山数で表すが、本発明の捲縮数は、5山〜20山の範囲が好ましい。捲縮数が5山以下の短繊維は、紡績工程で短繊維同士が絡まらずその結果積層構造20になりにくく、捲縮数が20山より多いと短繊維10が絡み過ぎて毛玉になりやすく積層構造20にむらが出来やすくなって均一性が必要な積層構造20には適さない。
【0042】
短繊維10が2種または2種以上の合成繊維で構成されていて、一つの合成繊維が他の合成繊維よりも相対的に低融点である熱融着性合成繊維11は加熱により少なくともその表面が溶融し接触した箇所で接着しうるようにして積層構造20を形成すると良い。このような熱融着性合成繊維11としては、低融点の共重合ポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維等がある。特に、少なくとも一方に上記したごとき低融点ポリマー成分を有する複合繊維は形態保持性が優れているので好ましい。
【0043】
短繊維10として複合繊維が芯鞘状複合繊維の場合には、鞘成分に低融点成分を配置する。このような熱融着性合成繊維11は、やはり短繊維10が好ましい。短繊維10にすることによって繊維層からなる積層構造20の全体に均一に分散させ、繊維同士を均一に接着できて形態の保持が強固になる。また、熱融着性合成繊維11の短繊維10は、分散性向上の観点から、混紡する短繊維10とほぼ同程度である、繊度が1デニール〜10デニール、繊維長15mm〜70mmの範囲であることが好ましい。熱融着性合成繊維11の混合比率は、繊維層構造全体に対して5重量%〜75重量%が好ましい。
【0044】
熱融着性合成繊維11が5重量%より少ないと、繊維同士の接着が不十分になって使用中の形態保持が困難になる。一方、熱融着性合成繊維11が75重量%以上になると、熱セットの時間が極端に短くなったり、熱融着合成繊維11が溶けだして繊維間の穴を塞いで、微粒子の捕捉効果を著しく低下させる場合がある。
【0045】
つぎに、短繊維10を一方向(X方向)に列べる製造方法について記述する。短繊維10を混紡する工程において、上記で示した熱融着性合成繊維11を含んだ原綿をよく混綿し、カード工程を経て連篠工程で図12に示すように、スライバ12を形成する。このスライバ12を図13に示すように短繊維10がほぼ一方向に配列するように積層する。スライバ12を積層した積層構造20を短繊維10の直角方向に圧力をかけると図14に示すようにスライバ12が扁平になり短繊維10がほぼ一方向に配列した構造になる。
【0046】
短繊維10には捲縮が施されているので、圧縮力に反発する力が発生する。この反発力で積層構造20のかさ密度、すなわち、目的のろ過粒子を捕捉するかさ密度になるように熱処理炉で熱融着性合成繊維11を介して短繊維10間を接着し、しっかりとした積層圧縮ブロック21を成形する。このとき、かさ密度を均一にするためには、スライバ12の層を一度に圧縮せずに分割して積層、圧縮、を繰り返し行い、積層圧縮ブロック21の体積になる大きさになるように成形することが好ましい。
【0047】
短繊維10を概ね二方向(XとY方向の平面)に列べる製造方法について記述する。熱融着合成繊維11を含む短繊維10をよく混綿した一定の積層構造20を収納ボックスに風送し、しかる後、集積、圧縮し、引き続き、風送圧縮をくりかえし行うと積層した積層圧縮ブロック21が成形される。図15に球体の積層構造20が成形されたその工程のモデル図を示す。図15−aは積層構造20を風送した直後の球状のモデルを示し、図15−bは圧縮して出来たモデルを示す。図16は図15−bに示す積層構造20の集合体のモデルを図示したものである。
図2に示した積層圧縮ブロック21において短繊維10が平面に配列した積層圧縮ブロック21を成形する。このとき、かさ密度を均一にするために、積層、圧縮を繰り返し、短繊維10に方向性のある積層圧縮ブロック21を製作する。
【0048】
このようにして製作した積層圧縮ブロック21を繊維やプラスチックから成る筒状の硬質な筒芯65の外周に取りつけるのであるが、ここで、筒芯65に関して述べる。筒芯65は、ポリプロピレンなどから成る格子状の孔の空いた筒を用いることが出きる。また、不織布を接着材とともに筒芯65の形状になるように丸棒に巻き付けて固定し、しかる後、丸棒を抜いて硬質で多孔質な繊維構造体の芯を成形し筒芯65として用いることができる。このとき、最内層にミクロ繊維からなる織物または不織布を貼りつけると、微粒子をリークさせずに捕捉する効果が得られる。
【0049】
また、前述したように、図9に示すような本発明の方法を用いて成形された筒状の積層圧縮ブロック21を筒芯65として用いることができる。このように、本発明の積層圧縮ブロック21を筒芯65として用いる場合、剛性を得るために、通常の積層圧縮ブロック21を成形するよりも更に高圧縮して見かけかさ密度を高くした状態で加熱して成形する。また曲げ成形が困難である為図9−b、図9−dのようにスリット50を入れて成形を容易にするとともに、図9−bに示すように、円筒状の場合に施したスリット50は外壁が漏斗状になり積層圧縮ブロック21の表面積を増やすこととなり、捕捉性能が向上するという効果が得られる。
【0050】
さらに、上記プラスチックや剛性を持たせた筒状の最内層積層圧縮ブロック21aから成る筒芯65の内面に有機溶剤に溶解する硬化材硬化剤を均質に塗布し乾燥させると、短繊維10同士の開口が小さくなり、且つ、短繊維10同士の接触点の
接合が強固になって、微粒子をリークさせずに捕捉する効果が得られる。この時の硬化剤としては、アクリルポリマー、ポリアミドポリマー等を用いることが好ましい。また、低融点フィルムを最内層部に貼りつけて熱処理することによっても同等の効果が得られる。
【0051】
微粒子を捕捉するフィルタ66の効率は、表面積を多く取ればより効率が上昇する。本発明のカートリッジ型ろ過器60に配置するフィルタ66においてもフィルタ66と通過する流体との界面面積が大きいほど効率が良くなる。ろ過効率を高めるために、図17、図18に示すように、フィルタ66の外形を凸形、波形とするおよび/またはスリット50等を入れるなど断面形状を複雑にすることにより、ろ過面積を大きくし、断面が単純な筒状のフィルタ66よりも捕捉効果が大きいフィルタを得ることができる。
【0052】
【実施例】
(実施例1)筒状のカートリッジ型ろ過器60において、図2に示すような積層構造20をもったポリエステル繊維と図9に示す構造をもつ高密度のポレエステル繊維からなる最内層積層圧縮ブロック21aを筒芯65として用いた2層構造からなる平均かさ密度が110g/リットル、長さ25cm、外形7.0cmのフィルタ66を作成した。このフィルタ66と糸巻きフィルター(公称SS濃度50ミクロン除去)とをモデル濁水(微粒子径が70ミクロン〜100ミクロン、濁度6ppm)を用いて初期通水量で比較した結果、ろ過水の濁度は同程度であったが、本発明のカートリッジ型ろ過器60は糸巻きフィルターに比べて、圧力損失が0.2kg/平方センチメートルの時点で1.3倍の通水量が得られた。
【0053】
(実施例2)水質浄化を目的としたカートリッジ型ろ過器60において、筒状プラスチックから成る筒芯65の周りにミクロ繊維からなる織物を被覆し、接合部を液漏れのないように接着し、しかる後、図10に示すように、短繊維10がポリエステル繊維から成り、かさ密度115g/リットル、長さ25cm、外形7.5cmのフィルタ66を作成した。該フィルタ66と糸巻きフィルター(公称30ミクロン粒子除去)それぞれに、濁水濃度が2〜5ppmの湖水に塩化第二鉄からなる凝集剤を鉄成分で換算して3ppm添加、攪拌した後フロックとして通過させた。ろ過水の濁度を測定したところ、どちらのろ過器も0.0〜0.2ppmの範囲でろ過されていたが、圧力損失の0.3kg/平方センチメートルへの到達時間については、本発明のカートリッジ型ろ過器60の方がが1.4倍長いという結果が得られた。
【0054】
(実施例3)図8に示したような見かけかさ密度の異なる三層の積層圧縮ブロック21からなるフィルタ66で、最外層積層圧縮ブロック21cより段階的に見かけかさ密度を変え、最内層積層圧縮ブロック21aの見かけかさ密度が大きいフィルター66を作成した。すなわち、最外層積層圧縮ブロック21cのかさ密度を30g/リットル、中間層積層圧縮ブロック21bの見かけかさ密度を80g/リットル、最内層積層圧縮ブロック21aの見かけかさ密度を150g/リットルとなるような構造体としての作成したフィルタ66と、実施例1で使用した糸巻きフィルターとそれぞれに5ppmのベントナイトを攪拌しながら通過させて比較したところ、圧力損失0.5kg/平方センチメートルまでの到達時間は、三段構造の該フィルタ66は、糸巻きフィルターと比較して1.3倍長いという結果が得られた。
【0055】
(実施例4)図9−aに示した最内層積層圧縮ブロック21aを筒芯65として用いて、本発明に基づき図7に示した形状の積層圧縮ブロック21、比較例として同一素材を用いたランダムな繊維構造体をそれぞれ形成し、双方と共に見かけかさ密度を約120g/リットルとしたカートリッジ型濾過器60を製作した。該2本のカートリッジ型ろ過器60に水道水を10リットル/分の流量で通過させたところ、本発明のフィルタ66の場合は初期圧損が0.15kg/平方センチメートル、比較例としてのランダム繊維構造体の場合は0.4kg/平方センチメートルであり、本発明の積層圧縮ブロック21からなるフィルタ66を配置したカートリッジ型ろ過器60は初期圧損が極めて低いことが判った。
【0056】
(実施例5)実施例1で用いたフィルタ66の表面を目付40g/平方メートルのポリエステルかならる不織布で覆ったものと、比較例として、実施例1で用いた糸巻きフィルタの内部に捕捉された微粒子の重量を下記条件で比較した。すなわち、25ミクロン相当の活性炭微粒子(絶乾重量で20g)を200リットルの水に溶解し全量通過させ、表面を水洗いした後、乾燥させて内部捕捉重量を計測した。本発明のフィルタ66の捕捉量は11.8g、比較例としての糸巻きフィルターは8.8gであり、本発明のフィルタ66は体積内で微粒子を捕捉していることがわかった。
【0057】
(実施例6)本発明におけるカートリッジ型ろ過器60において、筒芯65として図9−cに示すような最内層積層圧縮ブロック21aを六角形の形状にしたものを用いたところ、初期圧力損失は若干上昇した。しかし、スリット50が少ないために筒芯65の製作が極めて容易になった。
【0058】
【発明の効果】
本発明によると、圧力損失が小さく、しかも、繊維積層の外層部で粗い粒子を捕捉して内層部で微粒子を捕捉することができることから捕捉固形分の重量が多くなり、従って、低圧損で長寿命の液体濾過器を得ることができる。微粒子を捕捉する構造体は、短繊維の集合体から成っていて、短繊維の形状、物性および繊維集合体の密度、繊維方向等、繊維集合体の特性を選別することによって、微粒子の捕捉能力が決まり、簡単に筒状のカートリッジ型ろ過器を製造することが出来る。その結果、圧力損失が少なく、使用する寿命が長く、ろ過精度が安定したろ過器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の捲縮を持つ短繊維同士が接触箇所で結合する積層構造を表す図である。
【図2】本発明の積層構造を圧縮した積層圧縮ブロックの状態を表す図である。
【図3】本発明の積層圧縮ブロックを切断し筒状の積層圧縮ブロックを形成することを表す図である。
【図4】本発明の積層圧縮ブロックの積層圧縮面を横方向に切断した場合のフィルタ形状を表す図である。
【図5】図2に示す積層圧縮ブロックをフィルタとして使用する場合の切断する部位を表す図である。
【図6】図5に示す積層圧縮ブロックを切断した切断片をフィルタとして使用する為に曲げた場合の曲げ方向を表す図である。
【図7】図6に示す積層圧縮ブロックをさらに曲げて筒状に成形し、積層圧縮面を縦方向に切断した場合のフィルタとしたことを表す図である。
【図8】本発明の積層構造のかさ密度を筒内部になるに従って高くしたことを表す図である。
【図9】a.、b.本発明の筒状の芯が円筒状であるものの外形にスリットを設けたことを表す図である。c.、d.本発明の筒状の芯に六角形になるようにスリットを設けたことを表す図である。
【図10】本発明のフィルタを配置したカートリッジ型ろ過器の全体構成を表す図である。
【図11】本発明のカートリッジと遮断板のシール状態を表す図である。
【図12】本発明の捲縮を持つ1本の短繊維の状態を表す図である。
【図13】図12に示す短繊維を積層構造にしたことを表す図である。
【図14】図14に示す積層構造を圧縮した後切断することとその方向を表す図である。
【図15】a.本発明の捲縮を持つ短繊維同士が接触箇所で結合する球体の積層構造を表す図である。b.図15−a.の球体の積層構造を圧縮した状態を表す図である。
【図16】図15−b.に示す圧縮した球体積層構造を積層圧縮ブロックとした状態を表す図である。
【図17】本発明におけるフィルタの外形を波形にしたことを表す図である。
【図18】本発明におけるフィルタの外形にスリットを設けたことを表す図である。
【符号の説明】
10 短繊維
11 熱融着性繊合成繊維
12 スクラバ
20 積層構造
21 積層圧縮ブロック
21a 最内層積層圧縮ブロック
21b 中間層積層圧縮ブロック
21c 最外層積層圧縮ブロック
31 流体抵抗(少)
32 流体抵抗(大)
33 流体流入方向
34 流体流出方向
35 流入口
36 流出口
40 切断面
50 スリット
60 カートリッジ型ろ過器
61 上遮断板
62 下遮断板
63 流体通過方向
65 筒芯
66 フィルタ
67 カートリッジ本体
68 最内層膜
69 最外層膜
70 上部ブロック
90 上シール機構
91 下シール機構
93 ネジ機構
Claims (11)
- 短繊維の集合体からなるフィルタを配置したカートリッジ型ろ過器において、微細多孔のある硬質の筒芯の周囲に、捲縮を持つ短繊維同士が接触箇所で結合する積層構造からなる筒状のフィルタを配置したことを特徴とするカートリッジ型ろ過器。
- 層間を流体が通過するようにした積層構造のフィルタにおいて、積層構造を構成している短繊維の繊維軸および/または積層面と同方向に流体が通過するようにフィルタを配置したことを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ型ろ過器。
- 短繊維が2種または2種以上の合成繊維で構成されていて、一つの合成繊維が他の合成繊維よりも相対的に低融点であり、加熱により少なくとも一つの合成繊維の表面が溶融し他の合成繊維の接触箇所を接着する熱融着性合成繊維からなる構造のフィルタを配置したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のカートリッジ型ろ過器。
- 外周部から筒内部になるに従って連続的に、または段階的に、積層構造のかさ密度を高くした構造のフィルタを配置したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のカートリッジ型ろ過器。
- 短繊維の表面の一部または、全面に短繊維を硬化する物質を付着させたフィルタを配置したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のカートリッジ型ろ過器。
- 最外部および/または最内部に布帛、不織布および/またはろ紙を配置した構造のフィルタを配置したことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のカートリッジ型ろ過器。
- 中心部が硬質である筒芯の外形に波形、突起および/またはスリットを設けた構造のフィルタを配置したことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のカートリッジ型ろ過器。
- 中心部が硬質である筒芯に筒状の軸と同方向に規則的および/または不規則なスリットを設けたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のカートリッジ型ろ過器。
- 外形部に波形、突起および/またはスリットを設けた構造のフィルタを配置したことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のカートリッジ型ろ過器。
- 短繊維の集合体からなるフィルタを配置したカートリッジ型ろ過器の製造方法において、微細多孔のある硬質の筒芯の周囲に、捲縮を持つ短繊維同士が接触箇所で結合する積層構造からなる筒状のフィルタを配置するようにしたことを特徴とするカートリッジ型ろ過器の製造方法。
- 短繊維が2種または2種以上の合成繊維で構成されていて、一つの合成繊維が他の合成繊維よりも相対的に低融点であり、加熱により少なくとも一つの合成繊維が熱融着性繊維からなり該熱融着性繊維の表面が溶融し他の合成繊維の接触箇所を接着する構造にしたフィルタを配置するようにしたことを特徴とする請求項10に記載のカートリッジ型ろ過器の製造方法。
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-
2003
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