JP2004267420A - 弾球遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】変動記憶情報として記憶された大当たり図柄用乱数値(大当たり判定となった場合の停止図柄を決定するための乱数値)が奇数図柄/偶数図柄の何れに対応するものであるかに応じて、変動記憶表示を異なる表示態様、例えば「赤」又は「青」で表示するように構成し、またその変動記憶情報に対応する図柄変動時には、外れの場合の停止図柄をその変動記憶表示の種類に対応するように、例えば変動記憶表示が「赤」の場合には奇数図柄、「青」の場合には偶数図柄での外れ態様となるようにしたものである。
【選択図】 図10
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機等の弾球遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばパチンコ機等の弾球遊技機では、従来、図柄始動手段が遊技球を検出したときに、乱数発生手段から大当たり判定用乱数値等の変動記憶情報を取得すると共に図柄表示手段の1又は複数個の遊技図柄を所定時間変動させ、例えばその大当たり判定用乱数値が所定の大当たり判定値であった場合には、変動後の遊技図柄を「7・7・7」等の大当たり態様(特定態様)で停止させると共に、アタッカー等の開閉式の大入賞手段を開放する等、遊技者に有利な利益状態を発生させるようにしたものが知られている。
【0003】
また、図柄始動手段が遊技球を検出した場合には、そのときに取得された大当たり判定用乱数値等の変動記憶情報を、所定の上限個数(例えば4個)を限度として記憶しておき、図柄表示手段が図柄変動表示中の場合には、その図柄変動の終了後に、記憶中の変動記憶情報の個数(変動記憶個数)分だけ図柄表示手段の図柄変動を行うようにしている。なお、その変動記憶個数は、変動記憶個数表示手段により、例えばその変動記憶個数分のランプを点灯させる等により遊技者に報知するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−127879号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の弾球遊技機では、変動記憶個数表示手段はランプの消灯/点灯の切り換えによって変動記憶個数を表示するものであって、例えば個々の変動記憶情報の内容を報知するようにはなっていないため、保留記憶情報に係る将来の図柄変動において有利な利益状態が発生することを遊技者に期待させるような効果的な演出を行い得ない欠点があった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、保留記憶情報に係る将来の図柄変動に関する情報を変動記憶個数の表示演出に盛り込むことにより、遊技者の期待感をより一層向上させて興趣を更に増大できる弾球遊技機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、図柄始動手段26と、該図柄始動手段26が遊技球を検出することに基づいて取得される変動記憶情報を記憶する情報記憶手段67,67aと、前記変動記憶情報に基づいて遊技図柄を変動表示する図柄表示手段35と、前記変動記憶情報に基づいて前記図柄表示手段35の変動後の停止図柄を選択する停止図柄選択手段55と、前記図柄表示手段35の変動後の停止図柄が特定態様となることに基づいて遊技者に有利な利益状態を発生させる利益状態発生手段54と、前記情報記憶手段67に記憶され且つ未だ前記図柄表示手段35の図柄変動に供していない前記変動記憶情報の数である変動記憶個数を、その変動記憶個数分の変動記憶表示により報知する変動記憶個数表示手段36とを備えた弾球遊技機において、前記情報記憶手段67,67aに記憶される変動記憶情報の内容を判定する判定手段58aを備え、前記変動記憶個数表示手段36は、前記判定手段58aの判定結果に応じて、前記各変動記憶表示の表示態様として予め記憶された複数種類の何れかを用いるように構成され、前記停止図柄選択手段55は、前記停止図柄のうちの少なくとも一部を、前記変動記憶表示の表示態様の種類に対応するように選択する構成としたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図17は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、1は遊技機本体で、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。4はガラス扉、5は前面板で、これらは前枠3の窓孔6に対応して上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。
【0009】
7は発射用の遊技球を貯留する上皿で、前面板5の前側に装着され、上皿カバー8により覆われている。上皿カバー8には、スピーカー等の音声出力手段9からのサウンドを前側に出力する例えばスリット状の音声出力部8aが形成されている。
【0010】
また、10は余剰球等を貯留する下皿で、前面板5の下側で前枠3の前側に配置され、下皿カバー11により覆われている。下皿10の一側、例えば向かって右側には、発射手段12の発射ハンドル13が、前枠3の前側に突出状に設けられている。
【0011】
21は遊技盤で、前枠3の窓孔6に対応するように、前枠3の裏側に着脱自在に装着されている。遊技盤21には、図2に示すように、発射手段12により発射された遊技球を案内するガイドレール22が環状に装着されると共に、そのガイドレール22の内側の遊技領域23に、可変表示手段24、普通図柄始動手段25、特別図柄始動手段(図柄始動手段)26、大入賞手段27、普通入賞手段28等の各種遊技部品が配置されている。
【0012】
可変表示手段24は、遊技盤21に前面側から装着された表示ケース29と、この表示ケース29の略中央に配置された例えば液晶表示手段30等を備えている。表示ケース29には、普通図柄表示手段31、普通変動記憶個数表示手段32、特別変動記憶個数表示手段(変動記憶個数表示手段)36、ランプ手段33等が設けられている。液晶表示手段30は、特別図柄表示手段(図柄表示手段)35を構成している。
【0013】
普通図柄表示手段31は、1個又は複数個、例えば1個の普通図柄を変動表示可能な例えば7セグメント式の表示手段により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段25が遊技球を検出することを条件にその普通図柄が所定時間変動して、普通図柄始動手段25による遊技球検出時に取得された当たり判定用乱数値が予め定められた当たり判定値と一致した場合には所定の当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。なお、普通図柄始動手段25は遊技球が入賞可能な入賞手段により構成してもよい。
【0014】
普通図柄には、数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター図柄、その他の図柄を適宜使用可能であり、この実施形態では、「0」〜「9」までの数字図柄が用いられている。
【0015】
また、普通図柄表示手段31の変動表示中に普通図柄始動手段25が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定用乱数値が所定の上限個数(例えば4個)を限度として記憶されると共に、普通変動記憶個数表示手段32がその当たり判定用乱数値の記憶個数(以下、普通変動記憶個数という)を表示してその時点での普通変動記憶個数を遊技者に報知するようになっている。
【0016】
なお、普通変動記憶個数表示手段32は、例えば普通変動記憶個数の上限個数と同数(例えば4個)のランプを備え、普通変動記憶個数分のランプを点灯させることによりその普通変動記憶個数を報知するようになっている。
【0017】
特別図柄始動手段26は、例えば開閉可能な左右一対の開閉爪26aを備えた可変作動式の電動式チューリップ等により構成され、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が当たり態様となることに基づいて第1利益状態が発生したときに開閉爪26aが所定時間開放するようになっている。
【0018】
特別図柄表示手段35は、図3に示すように、液晶表示手段30上に1個又は複数個、例えば左右方向に3個の特別図柄(遊技図柄)を、キャラクター等の各種演出画像と共に変動表示可能に構成され、特別図柄始動手段26が遊技球を検出することを条件にそれら特別図柄を所定時間変動表示して、例えば左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
【0019】
特別図柄は、上下方向又は左右方向にスクロールする等、所定の変動パターンで変動して、特別図柄始動手段26による遊技球検出時に取得された大当たり判定用乱数値(変動記憶情報の一例)が予め定められた大当たり判定値と一致した場合には例えば3つの特別図柄が全て同一となる大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には例えば特別図柄の少なくとも1つが異なる図柄となる外れ態様(非特定態様)で停止する。
【0020】
特別図柄の変動パターンとしては、図4に示すように、大きく分けてリーチ状態を経由しないリーチなし変動パターンとリーチ状態を経由するリーチ変動パターンとがある。また、リーチなし変動パターンは必ず外れ態様となるが、リーチ変動パターンには、外れ態様になる場合と大当たり態様になる場合とがある。
【0021】
本実施形態では、リーチ変動パターンとして「ノーマルリーチ」、「ライオンリーチ」、「ゾウリーチ」、「ダチョウリーチ」、「キリンリーチ」の5種類が設けられており、更に同一種類のリーチ変動パターンについても、変動時間が異なる複数パターンが設けられている。なお、「ライオンリーチ」、「ゾウリーチ」、「ダチョウリーチ」、「キリンリーチ」の各リーチ変動パターンでは、例えばリーチ状態発生後に特別図柄表示手段35上に夫々「ライオン」、「ゾウ」、「ダチョウ」、「キリン」の各キャラクター画像が出現して、リーチ変動を演出するようになっている。もちろん、変動パターンの種類等はこれに限られるものではない。
【0022】
特別図柄には、数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター図柄、その他の図柄を適宜使用可能であり、この実施形態では、「0」〜「9」までの数字図柄が用いられている。また、大当たり態様には特別大当たり態様(特別特定態様)とそれ以外の通常大当たり態様(通常特定態様)とがあり、本実施形態では、奇数図柄による大当たり態様、例えば「7・7・7」等を特別大当たり態様、偶数図柄による大当たり態様、例えば「6・6・6」等を通常大当たり態様としている。
【0023】
更に、各特別図柄は、その種類に応じて異なる態様で表示されるようになっており、本実施形態では、奇数図柄を「赤」、偶数図柄を「青」で夫々表示するようになっている。もちろん、図柄全体を「赤」又は「青」で着色する必要はなく、遊技者がその違いを容易に認識できる程度にそれらの色を用いればよい。
【0024】
なお、本実施形態では、特別図柄始動手段26による遊技球検出時に、上述した大当たり判定用乱数値の他、大当たり態様となる場合の図柄の種類を決定するための大当たり図柄用乱数値を、変動記憶情報として夫々取得するようになっている。
【0025】
また、特別図柄表示手段35の変動表示中に特別図柄始動手段26が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された大当たり判定用乱数値等の変動記憶情報が所定の上限個数(例えば4個)を限度として記憶されると共に、特別変動記憶個数表示手段36がその変動記憶情報の記憶個数(以下、特別変動記憶個数という)を表示して、その時点での特別変動記憶個数を遊技者に報知するようになっている。
【0026】
特別変動記憶個数表示手段36は、特別変動記憶個数を、その特別変動記憶個数分の変動記憶表示により報知するためのもので、図3に示すように、特別変動記憶個数の上限個数と同数、例えば4個の第1〜第4ランプ36a〜36dを備えている。これら第1〜第4ランプ36a〜36dは、第1〜第4番目に記憶されている各変動記憶情報に対応している。
【0027】
特別変動記憶個数表示手段36は、4個の第1〜第4ランプ36a〜36dのうち、第1ランプ36a側から特別変動記憶個数分を、対応する各変動記憶情報の内容に応じて複数色(複数種類の表示態様の一例)、例えば赤と青の2色の何れかで発光させる(変動記憶表示)ことにより特別変動記憶個数を報知するようになっている。遊技者は、第1〜第4ランプ36a〜36dの発光個数、即ち変動記憶表示の個数により特別変動記憶個数を知ることができる。なお、各ランプ36a〜36dの発光色は、特別図柄の表示色と対応している。
【0028】
大入賞手段27は、下部側の横軸心廻りに開閉する開閉板27aを備えた可変作動式であって、特別図柄表示手段35の特別図柄が変動後に大当たり態様で停止することに基づいて第2利益状態が発生したときに、開閉板27aが前側に所定時間開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
【0029】
なお、大入賞手段27は、その開放から所定時間(例えば30秒間)が経過するか、所定時間内に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞することを条件に開閉板27aを閉じ、遊技球が内部の特定領域38を通過することを条件に、最大所定回数(例えば16回)まで開閉動作を繰り返すようになっている。
【0030】
図5は制御系のブロック図である。図5において、41は主制御基板、42は音声ランプ制御基板、43は図柄制御基板で、これら各制御基板41〜43は、遊技盤21に装着された可変表示手段24、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠3及び遊技盤21を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
【0031】
本実施形態では、主制御基板41は音声ランプ制御基板42に対して一方向通信のみ可能に接続されており、音声ランプ制御基板42は図柄制御基板43に対して双方向通信可能に接続されている。これにより、主制御基板41から図柄制御基板43へのコマンドは音声ランプ制御基板42を経由して送信される。
【0032】
主制御基板41上には、主に遊技盤21側の遊技動作に関わる制御を行う遊技制御手段50が設けられ、CPU、ROM、RAM等により構成されている。遊技制御手段50は、更に普通抽選手段51、第1利益状態発生手段52、特別抽選手段53、第2利益状態発生手段(利益状態発生手段)54、停止図柄選択手段55、変動パターン選択手段56、特別遊技状態発生手段57、変動記憶個数判定手段58、制御コマンド送信手段59等を備えている。
【0033】
普通抽選手段51は、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄を当たり態様とするか否かを抽選するためのもので、普通乱数発生手段61、普通乱数取得手段62、普通乱数記憶手段63、普通判定手段64等を備えている。
【0034】
普通乱数発生手段61は、変動後の普通図柄が当たり態様となる確率が例えば1/10のときに0〜9までの10個の当たり判定用乱数値を発生する等、その確率に応じた所定数の当たり判定用乱数値を繰り返し発生するようになっている。
【0035】
普通乱数取得手段62は、普通図柄始動手段25が遊技球を検出することを条件に普通乱数発生手段61から当たり判定用乱数値を1個取得し、その取得した当たり判定用乱数値を普通乱数記憶手段63に所定個数(例えば4個)を限度として記憶するようになっている。
【0036】
普通判定手段64は、普通図柄の変動後の停止図柄を当たり態様とするか否か、即ち第1利益状態を発生させるか否かを判定するもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段63に1個以上の当たり判定用乱数値が記憶されている場合に、普通乱数記憶手段63に記憶されている当たり判定用乱数値のうち最も早く記憶された1個を取り出し、その当たり判定用乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かを判定する当たり判定処理を行い、その当たり判定処理で当たりと判定した場合に当たりの判定出力を出すようになっている。
【0037】
第1利益状態発生手段52は、普通判定手段64の判定結果が当たり判定のときに、普通図柄表示手段31の変動後の普通図柄が当たり態様となることに基づいて特別図柄始動手段26の開閉爪26aを所定時間開放させる第1利益状態を発生させるものである。
【0038】
特別抽選手段53は、特別図柄表示手段35の変動後の停止図柄を大当たり態様とするか否か等を抽選するためのもので、特別乱数発生手段65、特別乱数取得手段66、特別乱数記憶手段(情報記憶手段)67、演出用記憶手段(情報記憶手段)67a、特別判定手段68等を備えている。
【0039】
特別乱数発生手段65は、変動後の特別図柄を大当たり態様とするか否かの判定に用いる大当たり判定用乱数、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄様の選択に用いる大当たり図柄用乱数、変動後の特別図柄が外れ態様となる場合の停止図柄の選択に用いる第1〜第3外れ図柄用乱数、リーチ変動(大当たり態様となる変動を含む)となる場合の変動パターンの選択に用いるリーチ変動パターン用乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生するようになっている。
【0040】
本実施形態では、大当たり判定用乱数は0〜199の範囲で、大当たり図柄用乱数、第1〜第3外れ図柄用乱数は夫々0〜9の範囲で、リーチ変動パターン用乱数は0〜29の範囲で、夫々繰り返し発生されるものとする。
【0041】
特別乱数取得手段66は、特別図柄始動手段26が遊技球を検出することを条件に、特別乱数発生手段65から大当たり判定用乱数値、及び大当たり図柄用乱数値の2種類の乱数値を変動記憶情報として夫々1個取得し、それらの変動記憶情報を特別乱数記憶手段67に夫々所定個数(例えば各4個)を限度として記憶させると共に、その特別乱数記憶手段67に記憶させた変動記憶情報を演出用記憶手段67aにも一時的に記憶させるようになっている。
【0042】
ここで、特別乱数記憶手段67及び演出用記憶手段67aの概略構成は例えば図6に示すようになっている。即ち、特別乱数記憶手段67には、変動記憶個数の上限値(4個)と同数の変動記憶情報記憶エリアA1〜A4、及び1つの変動記憶個数記憶エリアA0が設けられている。
【0043】
変動記憶情報記憶エリアA1〜A4には、大当たり判定用乱数値と大当たり図柄用乱数値とを夫々1個ずつ記憶可能となっている。以下の説明では、変動記憶情報記憶エリアA1〜A4内の大当たり判定用乱数値の記憶エリアを夫々大当たり判定用記憶エリアA11〜A41、大当たり図柄用乱数値の記憶エリアを夫々大当たり図柄用記憶エリアA12〜A42とする。
【0044】
また、変動記憶個数記憶エリアA0には、この特別乱数記憶手段67に記憶されている変動記憶情報の個数(組数)、即ち特別変動記憶個数が格納され、常に最新の状態に更新されるようになっている。
【0045】
演出用記憶手段67aには、大当たり判定用乱数値、及び大当たり図柄用乱数値を夫々記憶するための2つの記憶エリアB1,B2が例えば1組設けられている。
【0046】
特別乱数取得手段66は、特別図柄始動手段26が遊技球を検出したとき、その時点の特別変動記憶個数(変動記憶個数記憶エリアA0に記憶されている値)が所定の上限個数(例えば4個)未満であれば、特別乱数発生手段65から大当たり判定用乱数値、及び大当たり図柄用乱数値を夫々1個取得し、それら各乱数値を、特別乱数記憶手段67の4つの記憶エリアA1〜A4の空きエリアに前詰めで(例えば直前の特別変動記憶個数が3個の場合には記憶エリアA4に)格納すると共に、変動記憶個数記憶エリアA0に記憶されている特別変動記憶個数の値に1を加算し、更に特別乱数記憶手段67に記憶させた大当たり判定用乱数値、及び大当たり図柄用乱数値を演出用記憶手段67aにも格納する。
【0047】
特別判定手段68は、特別図柄の変動後の停止図柄を大当たり態様とするか否か、即ち第2利益状態を発生させるか否かを判定するもので、特別図柄表示手段35が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段67に1組以上の変動記憶情報が記憶されている場合(変動記憶個数が1個以上の場合)に、特別図柄表示手段35の変動開始に際して第1番目の大当たり判定用乱数値を大当たり判定用記憶エリアA11から読み出し、その大当たり判定用乱数値が予め定められた大当たり判定値(例えば7)と一致する場合に大当たりの判定結果を出力するようになっている。
【0048】
第2利益状態発生手段54は、特別判定手段68の判定結果が大当たり判定となり、特別図柄表示手段35の特別図柄が変動後に大当たり態様で停止することに基づいて、遊技者に有利な第2利益状態を発生させるためのものである。
【0049】
この第2利益状態発生手段54は、特別図柄表示手段35の特別図柄が大当たり態様で停止した後に大入賞手段27の開閉板27aを開放し、また開閉板27aの開放から所定時間(例えば30秒)が経過するか、所定時間(例えば30秒)の経過までに大入賞手段27に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞したときに開閉板27aを閉じ、更に入賞した遊技球が特定領域38を通過することを条件に、最大所定回数(例えば16回)まで開閉動作(第2利益状態)を継続させるようになっている。
【0050】
停止図柄選択手段55は、特別図柄の変動後の停止図柄を選択するためのもので、特別判定手段68の判定結果が大当たり判定のときには、特別乱数記憶手段67の大当たり図柄用記憶エリアA12から大当たり図柄用乱数値を読み出し、この大当たり図柄用乱数値と、図9に示す大当たり図柄選択テーブルとに基づいて停止図柄(大当たり態様)を選択し、特別判定手段68の判定結果が外れ判定のときには、特別乱数発生手段65から第1〜第3外れ図柄用乱数値を取得して、これら第1〜第3外れ図柄用乱数値と、図10に示す外れ図柄選択テーブルとに基づいて停止図柄(外れ態様)を選択するようになっている。
【0051】
図9に示すように、大当たり図柄選択テーブルには、大当たり図柄用乱数値と大当たり図柄との対応関係が規定されており、特別判定手段68の判定結果が大当たり判定の場合には、この大当たり図柄選択テーブルで選択された大当たり図柄を、左、右、中の3つの特別図柄の停止図柄とする。
【0052】
また、図10に示すように、外れ図柄選択テーブルには、2種類の左外れ図柄選択テーブルA,Bと、1種類の右外れ図柄選択テーブルと、2種類の中外れ図柄選択テーブルA,Bとが設けられている。
【0053】
図10(a1)(a2)に示す2種類の左外れ図柄選択テーブルA,Bは、共に外れ態様を構成する左図柄(以下、左外れ図柄という)を選択するためのもので、第1外れ図柄用乱数値と左外れ図柄との対応関係が規定されており、特別乱数記憶手段67の大当たり図柄用記憶エリアA12に記憶されている大当たり図柄用乱数値が奇数図柄(特別大当たり態様)に対応する「1,3,5,7,9」の何れかの場合には左外れ図柄選択テーブルAが、それ以外の場合には左外れ図柄選択テーブルBが、夫々用いられる。
【0054】
ここで、図10(a1)に示す左外れ図柄選択テーブルAでは、選択される左外れ図柄が必ず奇数となるように設定されており、また図10(a2)に示す左外れ図柄選択テーブルBでは、選択される左外れ図柄は必ず偶数となるように設定されている。これにより、左外れ図柄は、特別乱数記憶手段67の大当たり図柄用記憶エリアA12に記憶されている大当たり図柄用乱数値が奇数図柄に対応する値の場合には奇数図柄となり、大当たり図柄用乱数値が偶数図柄に対応する値の場合には偶数図柄となる。
【0055】
図10(b)に示す右外れ図柄選択テーブルは、外れ態様を構成する右図柄(以下、右外れ図柄という)を選択するためのもので、第2外れ図柄用乱数値と、左外れ図柄と右外れ図柄との差分値(以下、左−右外れ図柄差分値という)との対応関係が規定されている。図10に示す右外れ図柄選択テーブルは、第2外れ図柄用乱数値に対応する左−右外れ図柄差分値は全て偶数に設定されている。これにより、右外れ図柄は、左外れ図柄が奇数図柄となった場合には必ず奇数図柄となり、左外れ図柄が偶数図柄となった場合には必ず偶数図柄となる。
【0056】
なお、左−右外れ図柄差分値として0が選択された場合には、右外れ図柄は左外れ図柄と同一となり、リーチ状態が発生する。
【0057】
図10(c1)(c2)に示す2種類の中外れ図柄選択テーブルA,Bは、共に外れ態様を構成する中図柄(以下、中外れ図柄という)を選択するためのもので、第3外れ図柄用乱数値と、左外れ図柄と中外れ図柄との差分値(以下、左−中外れ図柄差分値という)との対応関係が規定されており、左外れ図柄と右外れ図柄とでリーチ状態となる場合、即ち右外れ図柄選択テーブルにより選択された左−右外れ図柄差分値が0の場合には中外れ図柄選択テーブルBが、それ以外の場合には中外れ図柄選択テーブルAが、夫々用いられる。
【0058】
中外れ図柄選択テーブルBでは、左−中外れ図柄差分値として0が選択されないように設定されている。左外れ図柄と右外れ図柄とでリーチ状態となる場合にこの中外れ図柄選択テーブルBを用いることで、特別判定手段68の判定結果が外れ判定となったにも拘わらず特別図柄の停止図柄として大当たり態様が選択される不具合を防止できる。
【0059】
また、図10(c1)(c2)に示す中外れ図柄選択テーブルA,Bは、第3外れ図柄用乱数値に対応する左−中外れ図柄差分値は全て偶数に設定されている。これにより、中外れ図柄は、左外れ図柄が奇数図柄となった場合には必ず奇数図柄となり、偶数図柄となった場合には必ず偶数図柄となる。
【0060】
変動パターン選択手段56は、特別判定手段68の判定結果と、停止図柄選択手段55の選択結果とに基づいて、複数の変動パターンの中から1つを択一的に選択するためのもので、特別判定手段68の判定結果が大当たり判定の場合には、特別乱数発生手段65から取得したリーチ変動パターン用乱数値に基づいて複数種類のリーチ大当たり変動パターンの何れかを、特別判定手段68の判定結果が外れ判定で且つ停止図柄選択手段55でリーチなし変動に対応する停止図柄が選択された場合(左−右外れ図柄差分値として0以外が選択された場合)にはリーチなし外れ変動パターンを、特別判定手段68の判定結果が外れ判定で且つ停止図柄選択手段55でリーチ変動に対応する停止図柄が選択された場合(左−右外れ図柄差分値として0が選択された場合)には、特別乱数発生手段65から取得したリーチ変動パターン用乱数値に基づいて複数種類のリーチ外れ変動パターンの何れかを、夫々選択するようになっている。
【0061】
本実施形態では、リーチ変動パターン用乱数値とリーチ大当たり変動パターン及びリーチ外れ変動パターンとの対応関係は例えば図4に示すように設定されている。
【0062】
なお、特別図柄表示手段35が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段67に1組以上の変動記憶情報が記憶されている場合には、上述した特別判定手段68、及び停止図柄選択手段55によって特別乱数記憶手段67の記憶エリアA1から各変動記憶情報が読み出された後、記憶エリアA2〜A4に記憶されている各変動記憶情報が夫々記憶エリアA1〜A3にシフトされると共に、変動記憶個数記憶エリアA0に記憶されている特別変動記憶個数の値から1が減算される。
【0063】
特別遊技状態発生手段57は、第2利益状態の終了後(又は発生後)に、遊技者に有利となる特別遊技状態を発生させるためのもので、停止図柄選択手段55で大当たり態様のうちの特別大当たり態様が選択され、変動後の特別図柄が特別大当たり態様となることを条件に、第2利益状態の終了後に、特別図柄が大当たり態様となる確率を通常確率状態(例えば1/200等の低確率)から高確率状態(例えば1/50程度)へと変化させると共に、第1利益状態発生手段52による特別図柄始動手段26の開閉爪26aの開放時間を通常開放時間よりも長い延長開放時間に変化させるようになっている。
【0064】
なお、特別遊技状態発生手段57は、高確率状態のときに、例えば特別判定手段68の大当たり判定値の数を増やして、大当たり態様の発生確率を高くするように構成すればよい。
【0065】
特別遊技状態発生手段57は、特別図柄が大当たり態様のうちの通常大当たり態様となって次の第2利益状態が発生するか、特別図柄が予め定められた所定回数変動するか、或いは特別図柄始動手段26に予め定められた所定個数の遊技球が入賞した場合等にその作動を停止し、大当たり態様の発生確率を高確率から通常確率(低確率)へと復帰させて特別遊技状態を終了させる。もちろん、特別遊技状態の終了条件はこれに限られるものではない。
【0066】
変動記憶個数判定手段58は、特別変動記憶個数の変化に関する判定を行うためのもので、増加時判定手段58aと減少時判定手段58bとを備えている。
【0067】
増加時判定手段58aは、特別変動記憶個数が増加したときに、演出用記憶手段67aに新たに記憶された変動記憶情報の1つである大当たり図柄用乱数値に基づいて、その変動記憶情報に基づく特別図柄の変動における停止図柄が大当たり態様となった場合にその各停止図柄が奇数図柄となるか偶数図柄となるか、即ちその大当たり態様が特別遊技状態の発生の条件となる特別大当たり態様となるか否かを判定する大当たり図柄判定手段70により構成されており、特別図柄始動手段26が遊技球を検出し且つその検出に関する変動記憶情報が演出用記憶手段67aに記憶されたときに、特別変動記憶個数が増加したものと判断して作動するようになっている。従って、特別図柄始動手段26が遊技球を検出しても、その時点の特別変動記憶個数が上限値(4個)の場合には作動しない。
【0068】
また、本実施形態の増加時判定手段58aは、特別図柄が変動後に大当たり態様となる場合にその図柄が奇数図柄となるか偶数図柄となるかの判定に加えて、特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様となるか否かについても判定するようになっている。
【0069】
即ち、増加時判定手段58aは、演出用記憶手段67aに新たに変動記憶情報(大当たり判定用乱数値、及び大当たり図柄用乱数値)が記憶されると、大当たり判定用記憶エリアB1から大当たり判定用乱数値を、大当たり図柄用記憶エリアB2から大当たり図柄用乱数値を夫々読み出し、それら大当たり判定用乱数値と大当たり図柄用乱数値とに基づいて複数種類の入賞状態のうちの1つを選択する。
【0070】
本実施形態では、増加時判定手段58aで選択される複数種類の入賞状態として、図8に示すように入賞状態1〜4の4種類を設けている。入賞状態1は大当たり態様/奇数図柄を、入賞状態2は大当たり態様/偶数図柄を、入賞状態3は外れ態様/奇数図柄を、入賞状態4は外れ態様/偶数図柄を夫々表している。
【0071】
増加時判定手段58aによる入賞状態の選択は、例えば次のような手順で行われる。即ち、大当たり判定用記憶エリアB1から読み出した大当たり判定用乱数値と図11(a)に示す入賞状態選択テーブルAとに基づいて第1判定値を、大当たり図柄用記憶エリアB2から読み出した大当たり図柄用乱数値と図11(b)に示す入賞状態選択テーブルBとに基づいて第2判定値を、夫々選択する。
【0072】
ここで、入賞状態選択テーブルAでは、大当たり判定用乱数値と第1判定値との対応関係が規定されており、複数の大当たり判定用乱数値のうちの大当たり判定値、例えば「7」に対応する第1判定値が「3」に、それ以外の大当たり判定用乱数値に対応する第1判定値が「1」に、夫々設定されている。
【0073】
また、入賞状態選択テーブルBでは、大当たり図柄用乱数値と第2判定値との対応関係が規定されており、特別大当たり態様に対応する大当たり図柄用乱数値「1,3,5,7,9」に対する第2判定値が「1」に、通常大当たり態様に対応する大当たり図柄用乱数値「0,2,4,6,8」に対する第2判定値が「0」に、夫々設定されている。
【0074】
第1判定値と第2判定値とが得られると、それらを加算して1〜4の範囲の入賞状態選択用判定値が算出され、この入賞状態選択用判定値に基づいて4種類の入賞状態1〜4のうちの1つが選択される。入賞状態選択用判定値と入賞状態との対応関係は図8のように設定されている。
【0075】
減少時判定手段58bは、特別変動記憶個数の減少を判定するもので、例えば特別乱数記憶手段の変動記憶個数記憶エリアA0に記憶されている特別変動記憶個数の値の変化を所定時間毎(例えば4msec毎)にチェックし、その特別変動記憶個数の値が前回よりも減少したときに、特別変動記憶個数の減少を判定するようになっている。
【0076】
制御コマンド送信手段59は、所定の制御コマンドを音声ランプ制御基板42、図柄制御基板43等のサブ基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段63に1個以上の当たり判定用乱数値が記憶されている場合に、普通判定手段64の判定結果に基づいて普通図柄の変動制御コマンドを図柄制御基板43側に送信する機能、特別図柄表示手段35が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段67に1組以上の変動記憶情報が記憶されている場合に、特別判定手段68の判定結果、停止図柄選択手段55で選択された停止図柄、変動パターン選択手段56で選択された変動パターン等に基づいて、変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、変動停止コマンド等の特別図柄の変動制御コマンドを図柄制御基板43側に送信する機能、普通変動記憶個数が変化したときに、その変化後の普通変動記憶個数に対応する普通変動記憶表示指定コマンドを音声ランプ制御基板42側に送信する機能、特別変動記憶個数が変化したときに、その変化後の特別変動記憶個数に対応する特別変動記憶表示指定コマンドを音声ランプ制御基板42側に送信する機能、特別変動記憶個数が増加したときに、増加時判定手段58aで選択された入賞状態に対応する入賞状態指定コマンドを音声ランプ制御基板42側に送信する機能等を備えている。
【0077】
なお、本実施形態では、特別図柄の変動制御コマンドを構成する変動パターンコマンドは、図4に示すように、22種類の変動パターンに対して夫々「A001H」〜「A016H」が割り当てられている。また、特別変動記憶表示指定コマンドは、図7に示すように、変化後の特別変動記憶個数1〜4、及び0個に対応して「D001H」〜「D005H」が割り当てられている。更に、入賞状態指定コマンドは、図8に示すように、入賞状態1〜4に対応して「C001H」〜「C004H」が割り当てられている。
【0078】
また、本実施形態では、特別変動記憶個数が増加したとき、特別変動記憶表示指定コマンドを入賞状態指定コマンドに優先して送信するように構成されている。
【0079】
音声ランプ制御基板42は、ランプ手段33、音声出力手段9、普通変動記憶個数表示手段32、特別変動記憶個数表示手段36等の制御を行うためのもので、ランプ制御手段71、音声制御手段72、普通変動記憶個数表示制御手段73、表示態様選択手段83、特別変動記憶個数表示制御手段84等を備えている。
【0080】
ランプ制御手段71は、ランプ手段33の発光制御を行うもので、特別図柄の変動表示と同期してその変動パターンに対応する発光パターンでランプ手段33を発光させる他、第1,第2利益状態や特別遊技状態の発生等の遊技状態に応じて所定の発光パターンでランプ手段33を発光させるようになっている。
【0081】
音声制御手段72は、音声出力手段9の制御を行うもので、特別図柄の変動表示と同期して音声出力手段9からその変動パターンに対応する所定の効果音等を出力させる他、第1,第2利益状態や特別遊技状態の発生等の遊技状態に応じて所定の効果音等を音声出力手段9から出力させるようになっている。
【0082】
普通変動記憶個数表示制御手段73は、普通変動記憶個数表示手段32の表示制御を行うもので、遊技制御手段50側から送信される普通変動記憶表示指定コマンドに基づいて、普通変動記憶個数表示手段32のランプを普通変動記憶個数分だけ点灯させるようになっている。
【0083】
表示態様選択手段83は、特別変動記憶個数表示手段36による特別変動記憶個数の表示に用いる表示態様を選択するもので、遊技制御手段50からの入賞状態指定コマンドに基づいて、増加分の変動記憶表示に用いる表示態様を複数種類、例えば「青」、「赤」の2種類の中から選択するようになっている。
【0084】
例えば、入賞状態指定コマンドが入賞状態2又は入賞状態4に対応するものであった場合には「青」の表示態様が、入賞状態指定コマンドが入賞状態3に対応するものであった場合には「赤」の表示態様が選択され、入賞状態指定コマンドが入賞状態1に対応するものであった場合には、「赤」と「青」の何れかが所定の選択率、例えば9:1の割合で選択されるようになっている。
【0085】
これにより、特別変動記憶個数表示手段36の第1〜第4ランプ36a〜36dの何れかが例えば「赤」で発光した場合には、その変動記憶表示に対応する特別図柄の変動で大当たり態様となった場合にはその図柄は必ず奇数(即ち特別大当たり態様)となる一方、「青」で発光した場合には、その変動記憶表示に対応する特別図柄の変動で大当たり態様となった場合にはその図柄は高い確率で偶数(即ち通常大当たり態様)となるが、「青」で発光したとしても、奇数図柄による大当たり態様となる可能性が残されている。
【0086】
従って、遊技者は、特別変動記憶個数表示手段36の表示態様(発光色)によって、その変動記憶表示に対応する特別図柄の変動において大当たり態様となった場合にそれが特別大当たり態様となるか否かについて予測することができると共に、たとえ自分に不利な通常大当たり態様に対応する「青」の表示態様となった場合であっても、実際の変動では自分に有利な特別大当たり態様となることを信じて常に期待感を持って遊技を行うことができる。
【0087】
なお、入賞状態1に対して「青」の表示態様が選択された場合には、その旨の情報が図柄制御基板43側の特別図柄制御手段82に送信される。
【0088】
特別変動記憶個数表示制御手段84は、特別変動記憶個数表示手段36の表示制御を行うもので、遊技制御手段50からの特別変動記憶表示指定コマンド、特別図柄の変動制御コマンド(例えば変動パターンコマンド)、及び表示態様選択手段83による選択結果に基づいて、第1〜第4ランプ36a〜36dの1又は複数により、複数種類の表示態様(「青」又は「赤」での発光)の何れかに基づく変動記憶表示を行って、その変動記憶表示の数により特別変動記憶個数を報知させるようになっている。
【0089】
即ち、特別変動記憶個数表示制御手段84は、遊技制御手段50から特別変動記憶個数の増加に対応する特別変動記憶表示指定コマンドを受信すると、第1〜第4ランプ36a〜36dのうち今回の増加分に対応する1個を発光させる。なお、この時点(増加に対応する特別変動記憶表示指定コマンドを受信した時点)ではまだ入賞状態指定コマンドを受信しておらず、表示態様選択手段83による表示態様の選択結果も出ていないので、その増加分に対応するランプはとりあえず仮の表示態様、例えば「青」で発光させればよい。
【0090】
そして、遊技制御手段50から入賞状態指定コマンドを受信し、表示態様選択手段83により所定の表示態様が選択されると、特別変動記憶個数表示制御手段84は、仮の表示態様、例えば「青」で発光させたばかりの増加分に対応するランプの表示態様を、表示態様選択手段83で選択された表示態様に切り換える。もちろん、表示態様選択手段83で選択された表示態様が仮の表示態様と同じであれば結果的に表示態様は変化しない。
【0091】
一方、遊技制御手段50からの特別変動記憶表示指定コマンドが変動記憶個数の減少に対応するものである場合には、特別変動記憶個数表示制御手段84は、ランプ36b〜36dの変動記憶表示を1つずつ前側(第1ランプ36a側)にシフトさせる。
【0092】
このとき、特別変動記憶個数表示制御手段84は、変動記憶個数の減少に対応する特別変動記憶表示指定コマンドを受信した時点では、表示態様はそのままで第1〜第4ランプ36a〜36dの発光個数のみを1個減少させ、その後に遊技制御手段50から特別図柄の変動制御コマンド、例えば変動パターンコマンドを受信したときに、表示態様を前側にシフトさせるようになっている。これは、特別図柄始動手段26による遊技球の検出と特別図柄の変動開始とが略同時に発生して、減少時判定手段58bにより特別変動記憶個数の減少が検出できなかった場合でも確実に変動記憶表示のシフトを行わせるためである。即ち、表示態様のシフトを、減少時判定手段58により特別変動記憶個数の減少が検出されることを条件に送信される特別変動記憶表示指定コマンドではなく、特別図柄の変動開始時に必ず送信される変動パターンコマンドに基づいて行うことで、特別変動記憶個数の減少に合わせて表示態様を確実にシフトさせることができる。
【0093】
図柄制御基板43は、普通図柄表示手段31、特別図柄表示手段35等の各表示手段の表示制御を行うためのもので、普通図柄制御手段81、特別図柄制御手段82等を備えている。
【0094】
普通図柄制御手段81は、普通図柄表示手段31の表示制御を行うもので、遊技制御手段50側からの普通図柄の変動制御コマンドに基づいて普通図柄表示手段31の普通図柄を所定時間変動させて、普通判定手段64の判定結果が当たり判定のときに「7」等の当たり態様で、それ以外のときに外れ態様で普通図柄を停止させるようになっている。
【0095】
特別図柄制御手段82は、特別図柄表示手段35の表示制御を行うもので、遊技制御手段50側からの特別図柄の変動制御コマンドに基づいて、例えば変動パターンコマンドで指定された変動パターンに従って特別図柄表示手段35による特別図柄を開始させ、所定時間変動後に遊技制御手段50側から変動停止コマンドを受信したときに、停止図柄コマンドで指定された停止図柄となるようにその変動を停止させるようになっている。
【0096】
更に、特別図柄制御手段82は、音声ランプ制御基板42側から所定の変動記憶情報について入賞状態1に対して「青」の表示態様が選択された旨の情報を受信した場合には、その変動記憶情報に対応する特別図柄の変動表示においては、例えばまず偶数図柄による大当たり態様(通常大当たり態様)で変動を仮停止させた後、全図柄を再変動させて奇数図柄による大当たり態様(特別大当たり態様)で最終停止させるように構成されている。
【0097】
次に上記パチンコ機における動作について、図12〜図15に示すフローチャート、図16及び図17に示す画像表示説明図等を適宜参照しつつ説明する。
【0098】
ゲームに際して発射手段12により遊技球が発射されると、その遊技球はガイドレール22を経て遊技領域23に入った後、その遊技領域23内を落下する間に普通入賞手段28等に入賞するか、普通図柄始動手段25を通過しながら下方へと落下する。遊技球が普通図柄始動手段25を通過すると、普通乱数取得手段62が普通乱数発生手段61の当たり判定用乱数値を取得して、その当たり判定用乱数値を所定の上限個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段63に順次記憶させる。
【0099】
なお、普通乱数記憶手段63に1個以上の当たり判定用乱数値が記憶されている場合には、制御コマンド送信手段50から送信される普通変動記憶表示指定コマンドに基づいて、普通変動記憶個数表示手段32がその記憶されている当たり判定用乱数値の数(普通変動記憶個数)を例えばランプの発光個数により表示してその時点での普通変動記憶個数を遊技者に報知する。
【0100】
普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段63に1個以上の当たり判定用乱数値が記憶されている場合には、普通判定手段64が、普通乱数記憶手段63に記憶されている当たり判定用乱数値のうち最も早く記憶された1個を取り出し、その当たり判定用乱数値が当たり判定値と一致すれば当たりの判定結果を出力すると共に、その判定結果に基づいて制御コマンド送信手段59を介して音声ランプ制御基板42経由で図柄制御基板43側に普通図柄の変動制御コマンドを送信する。
【0101】
普通判定手段64の判定結果が当たり判定のときには、図柄制御基板43側の普通図柄制御手段81の制御により、普通図柄表示手段31の普通図柄が所定時間変動した後に「7」等の当たり態様で停止する。そして、第1利益状態発生手段52の制御により、特別図柄始動手段26の開閉爪26aが所定時間開放し、この特別図柄始動手段26に遊技球が入賞し易くなる。なお、普通判定手段64の判定結果が当たり判定以外であれば、変動後の普通図柄が「7」等以外の外れ態様で停止する。
【0102】
例えば特別図柄始動手段26の開閉爪26aが開放して遊技球が入賞し、この特別図柄始動手段26が遊技球を検出すると、その時点の特別変動記憶個数が所定の上限個数(例えば4個)未満であれば(図12のS1:Yes)、特別乱数取得手段66が、特別乱数発生手段65から大当たり判定用乱数値、及び大当たり図柄用乱数値を夫々1個取得し、それら各乱数値を、その時点の特別変動記憶個数が3個の場合には記憶エリアA4のA41,A42に(S2:Yes→S2a,S2b)、2個の場合には記憶エリアA3のA31,A32に(S3:Yes→S3a,S3b)、1個の場合には記憶エリアA2のA21,A22に(S4:Yes→S4a,S4b)、0個の場合には記憶エリアA1のA11,A12に(S4:No→S5a,S5b)夫々格納すると共に、特別乱数記憶手段67の変動記憶個数記憶エリアA0に記憶されている特別変動記憶個数の値に1を加算し(S6)、更に特別乱数記憶手段67に記憶させた変動記憶情報、即ち大当たり判定用乱数値、及び大当たり図柄用乱数値を演出用記憶手段67aの記憶エリアB1,B2に夫々格納する(図13のS7,S8)。
【0103】
演出用記憶手段67aに変動記憶情報が新たに記憶されると、増加時判定手段58aが、大当たり判定用記憶エリアB1から大当たり判定用乱数値を、大当たり図柄用記憶エリアB2から大当たり図柄用乱数値を夫々読み出し、その読み出された大当たり判定用乱数値と入賞状態選択テーブルA(図11(a)参照)とに基づいて第1判定値を選択し(S9)、読み出された大当たり図柄用乱数値と入賞状態選択テーブルB(図11(b)参照)とに基づいて第2判定値を選択し(S10)、それら第1判定値と第2判定値とを加算して入賞状態選択用判定値を算出する(S11)。
【0104】
そして、その入賞状態選択用判定値が4の場合(S12:Yes)には入賞状態1が(S12a)、入賞状態選択用判定値が3の場合(S12:No→S13:Yes)には入賞状態2が(S13a)、入賞状態選択用判定値が2の場合(S12:No→S13:No→S14:Yes)には入賞状態3が(S14a)、入賞状態選択用判定値が1の場合(S12:No→S13:No→S14:No)には入賞状態4が(S15a)、夫々選択される。
【0105】
続いて、制御コマンド送信手段59が、増加後の特別変動記憶個数に基づいて特別変動記憶表示指定コマンドを、増加時判定手段58aによる入賞状態の選択結果に基づいて入賞状態指定コマンドを、順次音声ランプ制御基板42側に送信する(S16,S17)。例えば、増加後の特別変動記憶個数が1個で且つ増加時判定手段58aの選択結果が入賞状態1であれば特別変動記憶表示指定コマンド「D001H」と入賞状態指定コマンド「C001H」とが、特別変動記憶個数が4個で且つ増加時判定手段58aの選択結果が入賞状態4であれば特別変動記憶表示指定コマンド「D004H」と入賞状態指定コマンド「C004H」とが、順次音声ランプ制御基板42側に送信される(図7,図8参照)。
【0106】
なお、特別変動記憶個数の加算処理(S6)は、特別図柄始動手段26による遊技球の検出直後であればどのようなタイミングで行ってもよく、例えば変動記憶情報を特別乱数記憶手段67に記憶する前や、特別変動記憶表示指定コマンド等の送信後等に行ってもよい。
【0107】
音声ランプ制御基板42側では、遊技制御手段50側から特別変動記憶個数の増加に対応する特別変動記憶表示指定コマンドを受信すると、特別変動記憶個数表示制御手段84が、特別変動記憶個数表示手段36による特別変動記憶個数の表示を更新する。
【0108】
なお、以下の説明では、特別変動記憶個数表示制御手段84による第1〜第4ランプ36a〜36dに対する表示(発光)の有無の設定を「xxxx」、表示態様(発光色)の設定を「yyyy」、第1〜第4ランプ36a〜36dの実際の表示状態を「zzzz」で示す。ここで、各設定における4つのx,y,zは夫々第1〜第4ランプ36a〜36dに対応しており、xは「1(発光有り)」又は「0(発光なし)」、yは「1(赤)」又は「0(青)」、zは「R(赤発光)」、「B(青発光)」、又は「−(消灯)」とし、x=「1」で且つy=「1」の場合にはz=「R」、x=「1」で且つy=「0」の場合にはz=「B」、x=0の場合にはyの値に拘わらずz=「−」とする。
【0109】
即ち、特別変動記憶個数表示制御手段84は、まずその特別変動記憶表示指定コマンドに基づいて、特別変動記憶個数表示手段36の第1〜第4ランプ36a〜36dのうち、今回の増加分に対応する1個を発光させる。但し、この時点ではまだ入賞状態指定コマンドを受信しておらず、表示態様選択手段83による表示態様の選択結果も出ていないので、その増加分に対応するランプはとりあえず仮の表示態様、例えば「青」で発光させる。
【0110】
例えば、特別変動記憶個数表示手段36の第1,第2ランプ36a,36bが共に「青」で発光している状態(特別変動記憶個数2個を表示)で、変動記憶個数3個に対応する特別変動記憶表示指定コマンド「D003H」を受信した場合には、特別変動記憶個数表示制御手段84は、まず表示有無設定を「1110」、表示態様設定を「0000」とする。これにより、第1〜第4ランプ36a〜36dの表示状態は「BBB−」となる(図16(a)→(b))。
【0111】
続いて、遊技制御手段50から入賞状態指定コマンドを受信すると、表示態様選択手段83が、その入賞状態指定コマンドに基づいて、増加分の変動記憶表示に用いる表示態様を「青」、「赤」の2種類の中から選択する。このとき、入賞状態指定コマンドが入賞状態2に対応する「C002H」、又は入賞状態4に対応する「C004H」であれば「青」の表示態様が、入賞状態指定コマンドが入賞状態3に対応する「C003H」であれば「赤」の表示態様が選択され、入賞状態指定コマンドが入賞状態1に対応する「C001H」であれば、「赤」と「青」の何れかが例えば9:1の割合で選択される。
【0112】
表示態様選択手段83により表示態様が選択されると、特別変動記憶個数表示制御手段84は、今回の増加分に対応するランプの表示態様を表示態様選択手段83で選択された表示態様に切り換える。例えば、表示態様選択手段83で「赤」の表示態様が選択された場合には、特別変動記憶個数表示制御手段84は、表示態様設定のみを「0000」から「0010」に切り換える。これによって第1〜第4ランプ36a〜36dの表示状態は「BBB−」から「BBR−」へと変化する(図16(b)→(c))。
【0113】
これにより、遊技者は特別変動記憶個数が2個から3個に増加したこと、及びその増加した変動記憶情報に対応する図柄変動で大当たり態様となればそれは必ず奇数図柄、即ち特別大当たり態様となることを認識できる。
【0114】
なお、特別変動記憶表示指定コマンドを受信したときにその増加分に対応するランプをとりあえず仮の表示態様(例えば「青」)で発光させるのではなく、特別変動記憶表示指定コマンドを受信した後、更に入賞状態指定コマンドを受信して、表示態様選択手段83により増加分の変動記憶表示に用いる表示態様が選択されたときに初めてその増加分に対応するランプを発光させてもよい。
【0115】
特別図柄の変動が終了して特別図柄表示手段35が変動表示可能な状態となり且つ第2乱数記憶手段67に1個以上の大当たり判定用乱数値が記憶されている場合(特別変動記憶個数が1個以上の場合)には(図16(d))、特別判定手段68が、特別乱数記憶手段67の大当たり判定用記憶エリアA11から大当たり判定用乱数値を取り出し、その大当たり判定用乱数値が予め定められた大当たり判定値(例えば7)と一致すれば大当たりの判定結果を、大当たり判定用乱数値が大当たり判定値と一致しなければ外れの判定結果を夫々出力する。
【0116】
そして、停止図柄選択手段55が特別図柄の変動後の停止図柄を選択する。即ち、停止図柄選択手段55は、特別判定手段68の判定結果が大当たり判定のときには(図14のS21:Yes)、特別乱数記憶手段67の大当たり図柄用記憶エリアA12から大当たり図柄用乱数値を読み出し、この大当たり図柄用乱数値と、図9に示す大当たり図柄選択テーブルとに基づいて停止図柄(大当たり態様)を選択する(S22)。例えば、大当たり図柄用乱数値が0であれば、選択される停止図柄は「0・0・0」となり、大当たり図柄用乱数値が7であれば、選択される停止図柄は「7・7・7」となる。
【0117】
一方、停止図柄選択手段55は、特別判定手段68の判定結果が外れ判定のときには(S21:No)、特別乱数発生手段65から第1〜第3外れ図柄用乱数値を取得すると共に特別乱数記憶手段67の大当たり図柄用記憶エリアA12から大当たり図柄用乱数値を読み出し、この大当たり図柄用乱数値が奇数図柄(特別大当たり態様)に対応する「1,3,5,7,9」の何れかの場合には(S23:Yes)、第1外れ図柄用乱数値と図10(a1)に示す左外れ図柄選択テーブルAとに基づいて左外れ図柄を選択し(S24a)、大当たり図柄用乱数値が偶数図柄(通常大当たり態様)に対応する「0,2,4,6,8」の何れかの場合には(S23:No)、第1外れ図柄用乱数値と図10(a2)に示す左外れ図柄選択テーブルBとに基づいて左外れ図柄を選択する(S24b)。
【0118】
ここで、図10(a1)に示す左外れ図柄選択テーブルAでは、選択される左外れ図柄が必ず奇数となるように設定されており、また図10(a2)に示す左外れ図柄選択テーブルBでは、選択される左外れ図柄が必ず偶数となるように設定されているため、左外れ図柄は、大当たり図柄用記憶エリアA12に記憶されている大当たり図柄用乱数値が奇数図柄に対応する値の場合には奇数図柄となり、偶数図柄に対応する値の場合には偶数図柄となる。
【0119】
例えば、第1外れ図柄用乱数値として「7」が取得された場合、選択される左外れ図柄は、大当たり図柄用乱数値が奇数図柄(特別大当たり態様)に対応する「1,3,5,7,9」の何れかであれば「7」、偶数図柄(通常大当たり態様)に対応する「0,2,4,6,8」の何れかであれば「6」となる。
【0120】
このように、停止図柄選択手段55により、左外れ図柄は、特別変動記憶個数表示手段36の変動記憶表示の表示態様の種類(「赤」又は「青」の発光色)に対応するように選択される。
【0121】
続いて、第2外れ図柄用乱数値と図10(b)に示す右外れ図柄選択テーブルとに基づいて左−右外れ図柄差分値が選択され、この差分値と、S24a,24bで選択された左外れ図柄とに基づいて右外れ図柄が選択される(S25)。ここで、図10(b)に示す右外れ図柄選択テーブルでは、選択される左−右外れ図柄差分値は必ず偶数となるように設定されているため、右外れ図柄は、左外れ図柄が奇数図柄となった場合には必ず奇数図柄となり、左外れ図柄が偶数図柄となった場合には必ず偶数図柄となる。
【0122】
例えば、第2外れ図柄用乱数値として「0」が取得された場合、左−右外れ図柄差分値は「0」となり、選択される右外れ図柄は、左外れ図柄が「6」の場合には「6」、「7」の場合には「7」となる。
【0123】
このように、停止図柄選択手段55は、右外れ図柄を、偶数に設定された左−右外れ図柄差分値と左外れ図柄とに基づいて選択するため、左外れ図柄のように2種類の図柄選択テーブルを用いることなく、1種類の図柄選択テーブルを用いるだけで、右外れ図柄を、特別変動記憶個数表示手段36の変動記憶表示の表示態様の種類(「赤」又は「青」の発光色)に対応させることができる。
【0124】
更に、左外れ図柄と右外れ図柄とが同一であるか否か、即ち左−右外れ図柄差分値として0が選択されたか否かが判定される(S26)。そして、左外れ図柄と右外れ図柄とが同一でない場合には(S26:No)、第3外れ図柄用乱数値と図10(c1)に示す中外れ図柄選択テーブルAとに基づいて左−中外れ図柄差分値が選択され、この差分値と、S24a,24bで選択された左外れ図柄とに基づいて中外れ図柄が選択される(S27a)。一方、左外れ図柄と右外れ図柄とが同一となった場合には(S26:Yes)、第3外れ図柄用乱数値と図10(c2)に示す中外れ図柄選択テーブルBとに基づいて左−中外れ図柄差分値が選択され、この差分値と、S24a,24bで選択された左外れ図柄とに基づいて中外れ図柄が選択される(S27b)。
【0125】
ここで、中外れ図柄選択テーブルBでは、左−中外れ図柄差分値として0が選択されないように設定されているため、左外れ図柄と右外れ図柄とでリーチ状態が成立する場合にこの中外れ図柄選択テーブルBを用いることで、特別判定手段68の判定結果が外れ判定となったにも拘わらず特別図柄の停止図柄として大当たり態様が選択される不具合を防止できる。
【0126】
また、図10(c1)(c2)に示す中外れ図柄選択テーブルA,Bでは、第3外れ図柄用乱数値に対応する左−中外れ図柄差分値は全て偶数に設定されているため、中外れ図柄は、左外れ図柄が奇数図柄となった場合には必ず奇数図柄となり、偶数図柄となった場合には必ず偶数図柄となる。
【0127】
例えば、左外れ図柄と右外れ図柄として共に「6」が選択され、第3外れ図柄用乱数値として「0」が取得された場合、左−中外れ図柄差分値は「2」となり、選択される中外れ図柄は「8」、停止図柄は「6・8・6」となる。
【0128】
このように、停止図柄選択手段55は、中外れ図柄を、偶数に設定された左−中外れ図柄差分値と左外れ図柄とに基づいて選択するため、左外れ図柄のように2種類の図柄選択テーブルを用いることなく、1種類の図柄選択テーブルを用いるだけで、中外れ図柄を、特別変動記憶個数表示手段36の変動記憶表示の表示態様の種類(「赤」又は「青」の発光色)に対応させることができる。
【0129】
以上のように、特別判定手段68の判定結果が外れ判定の場合に停止図柄選択手段55により選択される左、右、中の各停止図柄は、特別変動記憶個数表示手段36の変動記憶表示の表示態様の種類(「赤」又は「青」の発光色)に対応するように、大当たり図柄用記憶エリアA12に記憶されている大当たり図柄用乱数値が奇数図柄に対応する値の場合には全て奇数図柄となり、偶数図柄に対応する値の場合には全て偶数図柄となる。
【0130】
停止図柄選択手段55により停止図柄が選択されると、変動パターン選択手段56が、特別乱数発生手段65からリーチ変動パターン用乱数値を取得して、このリーチ変動パターン用乱数値と、特別判定手段68の判定結果と、停止図柄選択手段55の選択結果とに基づいて変動パターンを択一的に選択する。
【0131】
例えば、図4に示すように、特別判定手段68の判定結果が大当たり判定の場合には、リーチ変動パターン用乱数値が5であればノーマルリーチ3大当たり変動パターンが、29であればキリンリーチ大当たり変動パターンが夫々選択され、特別判定手段68の判定結果が外れ判定で且つ停止図柄選択手段55でリーチ変動に対応する停止図柄(左外れ図柄と右外れ図柄とが同一)が選択された場合には、リーチ変動パターン用乱数値が5であればノーマルリーチ1外れ変動パターンが、29であればダチョウリーチ2外れ変動パターンが夫々選択される。また、特別判定手段68の判定結果が外れ判定で且つ停止図柄選択手段55でリーチなし変動に対応する停止図柄(左外れ図柄と右外れ図柄とが非同一)が選択された場合には、リーチなし外れ変動パターンが選択される。
【0132】
一方、上記のように特別判定手段68及び停止図柄選択手段55によって特別乱数記憶手段67の記憶エリアA1から各変動記憶情報が読み出されると、特別乱数記憶手段67の記憶エリアA2〜A4に記憶されている各変動記憶情報が記憶エリアA1〜A3にシフトされ(図15のS31)、更に変動記憶個数記憶エリアA0に記憶されている特別変動記憶個数の値が1減算される(S32)。
【0133】
そして、減少時判定手段58bが特別変動記憶個数の減少を判定し、これに基づいて制御コマンド送信手段59が図柄制御基板43側に特別変動記憶表示指定コマンドを送信する。即ち、減少後の特別変動記憶個数が3個の場合には「D003H」が(S33:Yes→S33a)、2個の場合には「D002H」が(S34:Yes→S34a)、1個の場合には「D001H」が(S35:Yes→S35a)、0個の場合には「D005H」が(S35:No→S36a)、夫々送信される。
【0134】
また、制御コマンド送信手段59は、その特別変動記憶表示指定コマンドの送信と略同時に、変動パターンコマンド、左停止図柄コマンド、右停止図柄コマンド、中停止図柄コマンドを図柄制御基板43及び音声ランプ制御基板42側に送信して特別図柄の変動開始を指示する(S37)。
【0135】
音声ランプ制御基板42側では、まず遊技制御手段50側から受信した特別変動記憶個数の減少に対応する特別変動記憶表示指定コマンドに基づいて、特別変動記憶個数表示制御手段84が、表示態様はそのままで第1〜第4ランプ36a〜36dの発光個数のみを1個減少させる。例えば、表示有無設定が「1110」、表示態様設定が「0010」で、第1〜第4ランプ36a〜36dの表示状態が「BBR−」となっているときに特別変動記憶表示指定コマンド「D002H」を受信すると、特別変動記憶個数表示制御手段84は、表示有無設定のみを「1110」から「1100」に切り換える。これによって第1〜第4ランプ36a〜36dの表示状態は「BBR−」から「BB−−」へと変化する(図16(c)→(d))。
【0136】
そして、特別変動記憶個数表示制御手段84は、遊技制御手段50側から特別図柄の変動制御コマンド、例えば変動パターンコマンドを受信することに基づいて、第1〜第4ランプ36a〜36dの表示態様を前側にシフトさせる。即ち、表示態様設定を「0010」から「0100」に切り換える(図16(d)→(e))。これによって第1〜第4ランプ36a〜36dの表示状態は「BB−−」から「BR−−」へと変化して、特別変動記憶個数の減少による表示態様のシフトが完了する。
【0137】
このように、表示態様のシフトを、減少時判定手段58により特別変動記憶個数の減少が検出されたときに送信される特別変動記憶表示指定コマンドではなく、特別図柄の変動開始時に必ず送信される変動パターンコマンド等に基づいて行うことで、特別図柄始動手段26による遊技球の検出と特別図柄の変動開始とが略同時に発生して、減少時判定手段58bにより特別変動記憶個数の減少が検出できなかった場合でも確実に変動記憶表示をシフトさせることができる。
【0138】
また、図柄制御基板43側では、特別図柄制御手段82の制御により、遊技制御手段50側からの変動パターンコマンド、左停止図柄コマンド、右停止図柄コマンド、中停止図柄コマンドに基づいて特別図柄表示手段35による特別図柄の変動が開始される(図16(e))。
【0139】
特別図柄の変動開始後、その変動パターンに応じた所定の変動時間が経過した時点で制御コマンド送信手段59から図柄制御基板43側に変動停止コマンドが送信され、この変動停止コマンドを受信した特別図柄制御手段82は、変動表示中の特別図柄を左、右、中の各停止図柄コマンドで指定された停止図柄で停止、確定させる。
【0140】
ここで、上述したように、特別判定手段68の判定結果が外れ判定の場合に停止図柄選択手段55により選択される左、右、中の各停止図柄は、大当たり図柄用乱数値が奇数図柄に対応する値の場合(入賞状態3に対応)には全て奇数図柄となり、大当たり図柄用乱数値が偶数図柄に対応する値の場合(入賞状態4に対応)には全て偶数図柄となるため、変動後の特別図柄が外れ態様となる図柄変動においては、その変動に対応する変動記憶表示が奇数に対応する「赤」であった場合には各図柄が順次奇数(「赤」で着色された図柄)で停止し、偶数に対応する「青」であった場合には各図柄が順次偶数(「青」で着色された図柄)で停止する。
【0141】
例えば、図16(f)→(g)に示す図柄変動では、その図柄変動に対応する変動記憶表示が偶数に対応する「青」であった(図16(c)〜(e)参照)ため、左、右、中の各図柄は全て偶数(「青」で着色された図柄)で停止している。
【0142】
このように、変動後に外れ態様となる図柄変動においても、各停止図柄は変動記憶表示の表示態様に応じた種類で順次停止するため、例えば変動記憶表示が奇数に対応する「赤」であったにも拘わらず、それに対応する図柄変動で最初に左図柄が偶数で停止したためにその時点で遊技者が早々と大当たり又は特別大当たり態様に対する期待感を喪失してしまうようなことがなく、遊技者の期待感を長く維持できる利点がある。
【0143】
更に、変動記憶表示の発光色に合わせて、奇数図柄が「赤」、偶数図柄が「青」に着色されているため、遊技者がこの演出の内容を理解しやすく、演出効果が向上する利点もある。
【0144】
また、例えばその特別図柄の変動が表示態様選択手段83において入賞状態1に対して「青」の表示態様が選択された変動記憶情報に対応するものであった場合には、音声ランプ制御基板42側から受信したその旨の情報に基づいて、特別図柄制御手段82は、まず特別図柄を偶数図柄による大当たり態様(通常大当たり態様)で仮停止させた後(図17(b),(c))、全図柄を再変動させて奇数図柄による大当たり態様(特別大当たり態様)で最終停止させる(図17(d),(e))。
【0145】
このように、特別図柄の変動表示を、特別変動記憶個数表示手段36による内部抽選結果とは異なる演出表示(入賞状態1に対して「青」の表示態様を用いる演出表示)に対応させることで、演出効果が更に向上する。
【0146】
変動後の特別図柄が大当たり態様になると、その後に第2利益状態発生手段54が作動して第2利益状態が発生し、大入賞手段27の開閉板27aが前側に開放する。大入賞手段27は、開放から所定時間(例えば30秒)が経過するか、所定時間(例えば30秒)の経過までに大入賞手段27に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞すれば、その時点で開閉板27aが閉じる。そして、入賞した遊技球が特定領域38を通過すれば、再度開閉板27aが開放し、最大所定回数(例えば16回)まで開閉動作を繰り返す。
【0147】
このため、第2利益状態が発生すれば、大入賞手段27に多数の遊技球が入賞する可能性があり、遊技者はその入賞球数に応じて賞球の払い出しを受けることができ、多大な利益を享受することができる。
【0148】
そして、第2利益状態が終了すると、第2利益状態の発生に起因する特別図柄が大当たり態様のうちの特別大当たり態様(例えば「7・7・7」)であった場合には、特別遊技状態発生手段57が作動して、大当たり態様の発生確率を通常確率から高確率へと変化させ、また特別図柄始動手段26の開放時間を通常開放時間から延長開放時間へと変化させる。その後は、特別判定手段68が高確率状態で大当たり態様とするか否かを判定するため、変動後の特別図柄が大当たり態様となる可能性が非常に高くなり、また特別図柄始動手段26に遊技球が入賞しやすくなって特別図柄の変動回数が増加するため、遊技者は通常よりも有利な状態でゲームを行うことができる。
【0149】
特別遊技状態発生後、特別図柄が大当たり態様のうちの通常大当たり態様となって次の第2利益状態が発生するか、それまでに特別図柄が予め定められた所定回数変動すると、特別遊技状態発生手段57の作動が停止し、大当たり態様の発生確率が高確率から通常確率(低確率)へ、特別図柄始動手段26の開放時間が延長開放時間から通常開放時間へと復帰して特別遊技状態が終了する。
【0150】
以上説明したように、本実施形態では、情報記憶手段としての演出用記憶手段67aに記憶されている変動記憶情報の内容を判定する増加時判定手段58aを備え、特別変動記憶個数表示手段36が、増加時判定手段58aの判定結果に応じて各変動記憶表示の表示態様として予め記憶された複数種類、例えば「青」「赤」の2種類の発光色の何れかを用いるように構成され、停止図柄選択手段55は、停止図柄を、変動記憶表示の表示態様の種類に対応するように選択する構成としているため、変動記憶情報に係る将来の図柄変動に関する情報を変動記憶個数の表示演出に盛り込むことができ、遊技者の期待感をより一層向上させて興趣を更に増大させることができると共に、変動記憶表示の表示態様とその変動記憶表示に対応する図柄変動における停止図柄との対応関係が矛盾してしまう不具合を防止でき、図柄変動の開始後も遊技者の期待感を長く維持できる利点がある。
【0151】
特別図柄表示手段35の変動後の停止図柄が大当たり態様のうちの特別大当たり態様となることに基づいて遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段57を備え、情報記憶手段としての特別乱数記憶手段67,演出用記憶手段67aに記憶される変動記憶情報に、特別図柄表示手段35の変動後の停止図柄が大当たり態様となる場合にその大当たり態様を特別大当たり態様とそれ以外の通常大当たり態様との何れにするかに関する大当たり図柄用乱数値(特別特定態様指定情報)を含み、特別変動記憶個数表示手段36は、その大当たり図柄用乱数値に基づいて、特別大当たり態様又は通常大当たり態様に対応する「赤」又は「青」の発光色(所定の表示態様)で特別変動記憶個数を表示し、停止図柄選択手段55は、特別図柄表示手段35の変動後の停止図柄が外れ態様となる場合に、大当たり図柄用乱数値に基づいて、特別大当たり態様又は通常大当たり態様と同種の図柄を含む停止図柄を選択するように構成されているため、例えば変動記憶表示が特別大当たり態様に対応する表示態様であったにも拘わらず、それに対応する図柄変動において最初に停止した左図柄が通常大当たり態様と同種の図柄で停止したためにその時点で遊技者が早々と大当たり又は特別大当たり態様に対する期待感を喪失してしまうようなことがなく、遊技者の期待感を長く維持できる利点がある。
【0152】
特別図柄表示手段35は、複数の特別図柄を所定の順序で停止表示するように構成され、複数の特別図柄が全て同一となる停止図柄を大当たり態様(特定態様)、所定種類(例えば奇数)の図柄による大当たり態様を特別大当たり態様、所定種類以外(例えば偶数)の図柄による大当たり態様を通常大当たり態様とし、停止図柄選択手段55は、特別図柄表示手段35の変動後の停止図柄が外れ態様となる場合に、各特別図柄の停止図柄として、大当たり図柄用乱数値(特別特定態様指定情報)が特別大当たり態様に関連するものである場合には所定種類の図柄を、通常大当たり態様に関連するものである場合には所定種類以外の図柄を、夫々選択するように構成されているため、特別図柄表示手段35の変動後の停止図柄が外れ態様となる場合であっても、変動記憶表示の表示態様の種類とその変動記憶表示に対応する図柄変動における各停止図柄の種類との対応関係に矛盾が生じることがなく、従って少なくとも最初の図柄が停止した時点では、遊技者はその後に外れ態様となることを認識することができず、遊技者の期待感を長く維持できる。
【0153】
奇数図柄又は偶数図柄による大当たり態様を特別大当たり態様、偶数図柄又は奇数図柄による大当たり態様を通常大当たり態様とし、停止図柄選択手段55は、特別図柄表示手段35の変動後の停止図柄が外れ態様となる場合に、最初に停止する左図柄として、大当たり図柄用乱数値(特別特定態様指定情報)に基づいて奇数図柄又は偶数図柄を選択し、2番目以降に停止する右図柄及び中図柄については、最初に停止又する左図柄との差分値が偶数となるように選択するように構成されているため、最初に停止する左図柄さえ大当たり図柄用乱数値に基づいて変動記憶表示の表示態様の種類に対応するように選択すれば、後の右図柄、中図柄については、例えば各1種類の図柄選択テーブルを用いるだけで、変動記憶表示の表示態様の種類に対応させることができる。
【0154】
図18及び図19は本発明の第2の実施形態を例示し、停止図柄選択手段55が、左外れ図柄(最初に停止する遊技図柄)を選択する際に、変動後の停止図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる大当たり図柄選択テーブルと同一の左外れ図柄選択テーブルを用いるように構成した例を示している。
【0155】
図18に示すように、本実施形態の左外れ図柄選択テーブルは、大当たり図柄用乱数値と左外れ図柄との対応関係を規定しており、図9に示す大当たり図柄選択テーブルと同じ設定内容となっている。
【0156】
図19に示すように、停止図柄選択手段55は、特別判定手段68の判定結果が外れ判定のときには(S21:No)、特別乱数発生手段65から第2,第3外れ図柄用乱数値を取得すると共に大当たり図柄用記憶エリアA12から大当たり図柄用乱数値を読み出し、この大当たり図柄用乱数値と図18に示す左外れ図柄選択テーブルとに基づいて左外れ図柄を選択する(S24)。
【0157】
ここで、左外れ図柄選択テーブルは、大当たり図柄選択テーブルと同じ設定内容となっているため、S24で選択される左外れ図柄は、特別判定手段68の判定結果が大当たり判定となった場合の大当たり図柄と同一となる。即ち、大当たり図柄用記憶エリアA12に記憶されている大当たり図柄用乱数値が奇数図柄に対応する値の場合には奇数図柄となり、大当たり図柄用乱数値が偶数図柄に対応する値の場合には偶数図柄となる。
【0158】
また、右外れ図柄及び中外れ図柄については、第1の実施形態と同様の手順(S25,S26,S27a,S27b)で選択される。
【0159】
これにより、第1の実施形態と同様、特別判定手段68の判定結果が外れ判定の場合に停止図柄選択手段55により選択される左、右、中の各停止図柄は、大当たり図柄用記憶エリアA12に記憶されている大当たり図柄用乱数値が奇数図柄に対応する値の場合には全て奇数図柄となり、大当たり図柄用乱数値が偶数図柄に対応する値の場合には全て偶数図柄となる。即ち、1種類の左外れ図柄選択テーブルを用いるだけで、2種類の左外れ図柄選択テーブルを用いる第1の実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0160】
なお、本実施形態の場合には、左外れ図柄を選択する際に第1外れ図柄用乱数値ではなく大当たり図柄用乱数値を用いるため、特別乱数発生手段65で第1外れ図柄用乱数を発生させる必要はない。
【0161】
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明はこれら各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では、停止図柄選択手段55は、変動後の停止図柄が外れ態様となる場合に、全ての特別図柄が変動記憶表示の表示態様の種類に対応するように選択する構成としたが、特別図柄のうちの一部についてのみ、変動記憶表示の表示態様の種類に対応するように選択する構成としてもよい。この場合、少なくとも最初に停止する図柄、例えば左図柄については表示態様の種類に対応させることが望ましい。
【0162】
実施形態では、外れ態様となる場合の右図柄及び中図柄については、第2/第3外れ図柄用乱数値と右/中外れ図柄選択テーブルとに基づいて左図柄との差分値を選択し、その差分値と左図柄とに基づいて右図柄/中図柄を選択するように構成したが、例えば第2/第3外れ図柄用乱数値と右/中外れ図柄選択テーブルとに基づいて右図柄/中図柄を直接選択するように構成してもよい。この場合、右/中外れ図柄選択テーブルを、実施形態における左外れ図柄選択テーブルと同じように、選択される右/中図柄の種類が異なるように複数種類設ければ、右/中図柄を、実施形態と同様、変動記憶表示の表示態様の種類に対応するように選択することができる。
【0163】
実施形態では、特別大当たり態様(特別特定態様)を奇数図柄による大当たり態様(特定態様)としたが、所定種類の図柄による大当たり態様を特別大当たり態様とすればよく、例えば偶数図柄による大当たり態様を特別大当たり態様としてもよい。
【0164】
各特別図柄の停止順序は左、中、右等、任意であり、全図柄を同時に停止させるようにしてもよい。また、実施形態では各特別図柄が順に停止するものとして説明したが、例えば各特別図柄を所定の順序で仮停止させた後、全図柄を略同時に停止させて停止図柄を確定させるように構成してもよい。
【0165】
当該変動に対応して変動記憶表示手段36に表示されていた色を、その当該変動中に所定箇所、例えば液晶表示手段30上等で報知するようにしてもよい。
【0166】
実施形態では、特別乱数記憶手段67に記憶される変動記憶情報と同じ情報を演出用記憶手段67aにも記憶させて、その演出用記憶手段67aに記憶された変動記憶情報に基づいて特別変動記憶個数表示手段36による各変動記憶情報の内容に応じた演出等を行うように構成したが、この演出用記憶手段67aを省略して、特別乱数記憶手段67に記憶された変動記憶情報を用いて特別変動記憶個数表示手段36による演出等を行うように構成してもよい。
【0167】
また、特別乱数取得手段66の実行から増加時判定手段58a実行までの間に大当たり判定用乱数及び大当たり図柄用乱数が更新されない場合には、演出用記憶手段67aを設ける必要はなく、特別乱数取得手段66により取得された乱数値をそのまま用いて増加時判定手段58aによる判定を行うようにしてもよい。
【0168】
特別変動記憶個数表示手段36は、各変動記憶表示を複数種類の表示態様に切り換え可能であればよく、例えば液晶表示手段等に表示したキャラクター画像等の個数により特別変動記憶個数を報知する構成としてもよい。この場合には、例えばキャラクター画像等の種類により、大当たり態様となる場合の図柄種類等、変動記憶情報の内容を報知するようにすればよい。
【0169】
特別変動記憶個数表示手段36は、液晶式、ランプ式の他、プラズマ式、ドット式、回転ドラム式、ベルト式、チェーン式等の表示手段を用いてもよい。
【0170】
特別変動記憶個数表示手段36による表示態様は特別図柄が大当たり態様となる場合にその大当たり態様が特別大当たり態様となるか否かに対応するものであればよく、例えばランプの連続点灯と点滅、発光間隔が異なる2種類の点滅等、どのようなものでもよい。
【0171】
入賞状態の種類は、大当たり図柄用乱数値の内容、即ち特別図柄が大当たり態様となった場合にその図柄が奇数図柄となるか偶数図柄となるかに対応する少なくとも2種類あればよい。但し、入賞状態がその2種類のみの場合には、演出制御手段84側では特別図柄が大当たり態様となるか否かについては認識できないため、いわゆるガセ報知等は行い難くなり、演出内容は制限される。
【0172】
特別変動記憶個数等の上限個数は4個に限られるものではなく、3個以下でもよいし5個以上であってもよい。また遊技状態に応じて可変としてもよいし、上限個数を設けなくてもよい。
【0173】
特別遊技状態発生手段57で発生させる特別遊技状態としては、特別図柄が大当たり態様となる確率を通常状態よりも高確率とし、特別図柄始動手段26の開放時間を通常開放時間よりも長い延長開放時間に変化させるもの以外に、例えば特別図柄の変動時間を通常状態よりも短縮するもの、普通図柄が当たり態様となる確率を通常状態よりも高確率とするもの、普通図柄の変動時間を通常状態よりも短縮するもの、大入賞手段27の開放のラウンド回数を増加(例えば通常5回を16回に増加)させるもの、大入賞手段27の1回の開放時間を増大(例えば通常10秒を30秒に増大)させるもの、大入賞手段27の規定入賞数を増加(例えば通常5個を10個に増加)させるもの、普通図柄始動手段25の上限変動記憶個数を増加(例えば通常4個を6個に増加)させるもの、特別図柄始動手段26の上限変動記憶個数を増加(例えば通常4個を6個に増加)させるもの、所定の役物に遊技球が入賞しやすくなる発射タイミング等を報知するもの等、種々の利益状態を用いることができる。また、それら複数種類の利益状態を同時或いは個別に発生させるようにしてもよい。
【0174】
制御系の基板構成は適宜変更できる。例えば、図柄制御基板43を音声ランプ制御基板42よりも上位(遊技制御手段50側)に接続してもよいし、図柄制御基板43と音声ランプ制御基板42とを1つの基板で構成してもよいし、音声ランプ制御基板42を音声制御基板とランプ制御基板とに分けてもよい。また、遊技制御手段50を搭載した主制御基板41と図柄制御基板43や音声ランプ制御基板42等の各サブ基板とを一方向通信のみ可能に個別に接続してもよい。
【0175】
特別変動記憶個数表示手段36により変動記憶個数のみの表示を行う通常モードと、特別変動記憶個数表示手段36により変動記憶個数の表示と共に複数種類の表示態様による各変動記憶情報の内容に基づく表示を行う特別モードとを切り換え可能に構成してもよい。
【0176】
この場合、特別遊技状態中(確率変動中)にのみ特別モードとするか、或いは特別遊技状態中(確率変動中)にのみ特別モードを選択可能としてもよい。特別遊技状態中(確率変動中)は、遊技者の興味は大当たりとなるか否かよりもむしろ次回の大当たりでも特別遊技状態(確率変動)となるか否か、即ち次回の大当たりが奇数図柄で大当たりとなるか否かであるため、変動記憶表示の表示態様によって大当たり図柄の種類を報知する演出による効果が最も期待できる。
【0177】
通常モードでは、例えば変動記憶表示の色を特別モード中の「赤」、「青」とは異なる例えば「緑」としたり、外れ図柄の選択テーブルを奇数図柄/偶数図柄等で区分しない構成とするなど、特別モードとの違いを遊技者が容易に認識できる程度に変動記憶表示の色や停止図柄の選択テーブルを特別モードとは異ならせることが望ましい。
【0178】
また、通常モードと特別モードとの切り換えは、特別遊技状態の開始/終了等の所定の切り換え条件の成立に基づいて自動的に行うようにしてもよいし、ボタン操作等の外部操作に基づいて行うようにしてもよい。
【0179】
また本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。
【0180】
【発明の効果】
本発明によれば、図柄始動手段26と、該図柄始動手段26が遊技球を検出することに基づいて取得される変動記憶情報を記憶する情報記憶手段67,67aと、変動記憶情報に基づいて遊技図柄を変動表示する図柄表示手段35と、変動記憶情報に基づいて図柄表示手段35の変動後の停止図柄を選択する停止図柄選択手段55と、図柄表示手段35の変動後の停止図柄が特定態様となることに基づいて遊技者に有利な利益状態を発生させる利益状態発生手段54と、情報記憶手段67に記憶され且つ未だ図柄表示手段35の図柄変動に供していない変動記憶情報の数である変動記憶個数を、その変動記憶個数分の変動記憶表示により報知する変動記憶個数表示手段36とを備えた弾球遊技機において、情報記憶手段67,67aに記憶される変動記憶情報の内容を判定する判定手段58aを備え、変動記憶個数表示手段36は、判定手段58aの判定結果に応じて、各変動記憶表示の表示態様として予め記憶された複数種類の何れかを用いるように構成され、停止図柄選択手段55は、停止図柄のうちの少なくとも一部を、変動記憶表示の表示態様の種類に対応するように選択する構成となっているため、変動記憶情報に係る将来の図柄変動に関する情報を変動記憶個数の表示演出に盛り込むことができ、遊技者の期待感をより一層向上させて興趣を更に増大させることができると共に、変動記憶表示の表示態様とその変動記憶表示に対応する図柄変動における停止図柄との対応関係が矛盾してしまう不具合を防止でき、図柄変動の開始後も遊技者の期待感を長く維持できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すパチンコ機の正面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示す遊技盤の正面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示す特別変動記憶個数表示手段の正面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を示す変動パターンと各種乱数値及びコマンドとの対応関係の一例である。
【図5】本発明の第1の実施形態を示す制御系のブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施形態を示す特別乱数記憶手段及び演出用記憶手段の概略構成を示す説明図である。
【図7】本発明の第1の実施形態を示す特別変動記憶表示指定コマンドの一例である。
【図8】本発明の第1の実施形態を示す入賞状態指定コマンドの一例である。
【図9】本発明の第1の実施形態を示す大当たり図柄選択テーブルの一例である。
【図10】本発明の第1の実施形態を示す外れ図柄選択テーブルの一例である。
【図11】本発明の第1の実施形態を示す入賞状態選択テーブルの一例である。
【図12】本発明の第1の実施形態を示す特別図柄始動手段による遊技球検出時における遊技制御手段側の処理手順の一例を示すフローチャート(前半)である。
【図13】本発明の第1の実施形態を示す特別図柄始動手段による遊技球検出時における遊技制御手段側の処理手順の一例を示すフローチャート(後半)である。
【図14】本発明の第1の実施形態を示す停止図柄選択処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第1の実施形態を示す特別図柄変動開始時における遊技制御手段側の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第1の実施形態を示す特別図柄表示手段と特別変動記憶個数表示手段との表示状態の変化の一例である。
【図17】本発明の第1の実施形態を示す特別図柄表示手段と特別変動記憶個数表示手段との表示状態の変化の一例である。
【図18】本発明の第2の実施形態を示す左外れ図柄選択テーブルの一例である。
【図19】本発明の第2の実施形態を示す停止図柄選択処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
26 特別図柄始動手段(図柄始動手段)
35 特別図柄表示手段(図柄表示手段)
36 特別変動記憶個数表示手段(変動記憶個数表示手段)
54 第2利益状態発生手段(利益状態発生手段)
55 停止図柄選択手段
57 特別遊技状態発生手段
58a 増加時判定手段(判定手段)
67 特別乱数記憶手段(情報記憶手段)
67a 演出用記憶手段(情報記憶手段)
Claims (6)
- 図柄始動手段(26)と、該図柄始動手段(26)が遊技球を検出することに基づいて取得される変動記憶情報を記憶する情報記憶手段(67)(67a)と、前記変動記憶情報に基づいて遊技図柄を変動表示する図柄表示手段(35)と、前記変動記憶情報に基づいて前記図柄表示手段(35)の変動後の停止図柄を選択する停止図柄選択手段(55)と、前記図柄表示手段(35)の変動後の停止図柄が特定態様となることに基づいて遊技者に有利な利益状態を発生させる利益状態発生手段(54)と、前記情報記憶手段(67)に記憶され且つ未だ前記図柄表示手段(35)の図柄変動に供していない前記変動記憶情報の数である変動記憶個数を、その変動記憶個数分の変動記憶表示により報知する変動記憶個数表示手段(36)とを備えた弾球遊技機において、前記情報記憶手段(67)(67a)に記憶される変動記憶情報の内容を判定する判定手段(58a)を備え、前記変動記憶個数表示手段(36)は、前記判定手段(58a)の判定結果に応じて、前記各変動記憶表示の表示態様として予め記憶された複数種類の何れかを用いるように構成され、前記停止図柄選択手段(55)は、前記停止図柄のうちの少なくとも一部を、前記変動記憶表示の表示態様の種類に対応するように選択する構成としたことを特徴とする弾球遊技機。
- 図柄表示手段(35)の変動後の停止図柄が前記特定態様のうちの特別特定態様となることに基づいて遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段(57)を備え、前記情報記憶手段(67)(67a)に記憶される変動記憶情報に、前記図柄表示手段(35)の変動後の停止図柄が特定態様となる場合にその特定態様を前記特別特定態様とそれ以外の通常特定態様との何れにするかに関する特別特定態様指定情報を含み、前記変動記憶個数表示手段(36)は、前記特別特定態様指定情報に基づいて、前記特別特定態様又は前記通常特定態様に対応する所定の表示態様で前記変動記憶個数を表示し、前記停止図柄選択手段(55)は、前記図柄表示手段(35)の変動後の停止図柄が非特定態様となる場合に、前記特別特定態様指定情報に基づいて、前記特別特定態様又は前記通常特定態様と同種の図柄を含む停止図柄を選択するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
- 前記図柄表示手段(35)は、複数の遊技図柄を所定の順序で停止表示するように構成され、複数の遊技図柄が全て同一となる停止図柄を前記特定態様、所定種類の図柄による前記特定態様を特別特定態様、前記所定種類以外の図柄による前記特定態様を通常特定態様とし、前記停止図柄選択手段(55)は、前記図柄表示手段(35)の変動後の停止図柄が非特定態様となる場合に、前記複数の遊技図柄のうちの少なくとも最初に停止又は仮停止する遊技図柄として、前記特別特定態様指定情報が前記特別特定態様に関連するものである場合には前記所定種類の図柄を、前記通常特定態様に関連するものである場合には前記所定種類以外の図柄を、夫々選択するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の弾球遊技機。
- 前記停止図柄選択手段(55)は、前記図柄表示手段(35)の変動後の停止図柄が非特定態様となる場合の、前記複数の遊技図柄のうちの少なくとも最初に停止又は仮停止する遊技図柄を選択する際に、前記特別特定態様指定情報が前記特別特定態様に関連するものである場合と前記通常特定態様に関連するものである場合とで異なる図柄選択テーブルを用いるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の弾球遊技機。
- 前記停止図柄選択手段(55)は、前記図柄表示手段(35)の変動後の停止図柄が非特定態様となる場合の、前記複数の遊技図柄のうちの少なくとも最初に停止又は仮停止する遊技図柄を選択する際に、変動後の停止図柄が特定態様となる場合の停止図柄の選択に用いる図柄選択テーブルと同一の図柄選択テーブルを用いるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の弾球遊技機。
- 奇数図柄又は偶数図柄による特定態様を特別特定態様、偶数図柄又は奇数図柄による特定態様を通常特定態様とし、前記停止図柄選択手段(55)は、前記図柄表示手段(35)の変動後の停止図柄が非特定態様となる場合に、前記複数の遊技図柄のうちの最初に停止又は仮停止する遊技図柄として、前記特別特定態様指定情報に基づいて前記奇数図柄又は偶数図柄を選択し、2番目以降に停止又は仮停止する遊技図柄については、最初に停止又は仮停止する遊技図柄との差分値が偶数となるように選択するように構成されていることを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載の弾球遊技機。
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