以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図13は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、1は遊技機本体で、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。4はガラス扉、5は前面板で、これらは前枠3の窓孔6に対応して上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。
7は発射用の遊技球を貯留する上皿で、前面板5の前側に装着され、上皿カバー8により覆われている。上皿カバー8には、スピーカー等の音声出力手段9からのサウンドを前側に出力する例えばスリット状の音声出力部8aが形成されている。
また、10は余剰球等を貯留する下皿で、前面板5の下側で前枠3の前側に配置され、下皿カバー11により覆われている。下皿10の一側、例えば向かって右側には、発射手段12の発射ハンドル13が、前枠3の前側に突出状に設けられている。
21は遊技盤で、前枠3の窓孔6に対応するように、前枠3の裏側に着脱自在に装着されている。遊技盤21には、図2に示すように、発射手段12から発射された遊技球を案内するガイドレール22が環状に装着されると共に、そのガイドレール22の内側の遊技領域23に、可変表示手段24、普通図柄始動手段25、特別図柄始動手段26、大入賞手段27、普通入賞手段28等の各種遊技部品が配置されている。
可変表示手段24は、遊技盤21に前面側から装着された表示ケース29と、この表示ケース29の略中央に配置された例えば液晶表示手段30とを備えている。表示ケース29には、普通図柄表示手段31、普通変動記憶個数表示手段32、ランプ手段33等が設けられている。液晶表示手段30は、特別図柄表示手段(図柄表示手段)35と特別変動記憶個数表示手段(変動記憶個数表示手段)36とを兼用している。
普通図柄表示手段31は、1個又は複数個、例えば1個の普通図柄を変動表示可能な例えば7セグメント式の表示手段により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段25が遊技球を検出することを条件にその普通図柄が所定時間変動して、普通図柄始動手段25による遊技球検出時に取得された当たり判定用乱数値が予め定められた当たり判定値と一致した場合には所定態様(所定種類の図柄)で、それ以外の場合には非所定態様で停止するようになっている。なお、普通図柄始動手段25は遊技球が入賞可能な入賞手段により構成してもよい。
普通図柄には、数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター図柄、その他の図柄を適宜使用可能であり、この実施形態では、「0」〜「9」までの数字図柄が用いられている。
また、普通図柄表示手段31の変動表示中に普通図柄始動手段25が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定用乱数値が所定の上限個数(例えば4個)を限度として記憶されると共に、普通変動記憶個数表示手段32がその当たり判定用乱数値の記憶個数(普通変動記憶個数)を表示してその時点での普通変動記憶個数を遊技者に報知するようになっている。
なお、普通変動記憶個数表示手段32は、例えば普通変動記憶個数の上限個数と同数(例えば4個)のランプを備え、普通変動記憶個数分のランプを点灯させることによりその普通変動記憶個数を報知するようになっている。
特別図柄始動手段(図柄始動手段)26は、例えば開閉可能な左右一対の開閉爪26aを備えた可変作動式の電動式チューリップ等により構成され、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が所定態様となることに基づいて第1利益状態が発生したときに開閉爪26aが所定時間開放するようになっている。
特別図柄表示手段35は、図3に示すように、液晶表示手段30上に1個又は複数個、例えば左右方向に3個の特別図柄(遊技図柄)を、キャラクター等の各種演出画像と共に変動表示可能に構成され、特別図柄始動手段26が遊技球を検出することを条件にそれら特別図柄を所定時間変動表示して、例えば左、右、中等の所定の順序で、又は同時に停止するようになっている。
特別図柄は、変動時には上下方向又は左右方向にスクロールする等、所定の変動パターンで変動して、特別図柄始動手段26による遊技球検出時に取得された大当たり判定用乱数値(変動記憶情報の一例)が予め定められた大当たり判定値と一致した場合には例えば全ての特別図柄が同一となる特定態様(大当たり態様)で、それ以外の場合には例えば特別図柄の少なくとも1つが異なる図柄となる非特定態様(外れ態様)で停止する。
特別図柄の変動パターンとしては、図4に示すように、大きく分けてリーチ状態を経由しないリーチなし変動パターンとリーチ状態を経由するリーチ変動パターンとがある。また、リーチなし変動パターンは必ず非特定態様(外れ)となるが、リーチ変動パターンには、非特定態様(外れ)になる場合と特定態様(大当たり)になる場合とがある。
また、リーチ変動パターンには、「ノーマルリーチ」、「ライオンリーチ」、「ゾウリーチ」、「ダチョウリーチ」、「キリンリーチ」の5種類があり、そのうち、「キリンリーチ」を除く各リーチ変動パターンは、夫々変動時間が異なる3パターンが設けられており、それら3パターンでは例えば1〜3の順(例えばノーマルリーチ1〜ノーマルリーチ3の順)で変動時間が長くなるように設定されている。
本実施形態では、非特定態様(外れ)に対応するリーチ外れ変動パターンとして、ノーマルリーチ1,2、ライオンリーチ1,2、ゾウリーチ1,2、ダチョウリーチ1,2の8パターンが設けられ、特定態様(大当たり)に対応するリーチ大当たり変動パターンとして、ノーマルリーチ1〜3、ライオンリーチ1〜3、ゾウリーチ1〜3、ダチョウリーチ1〜3、キリンリーチの13パターンが設けられている。
このように、ノーマルリーチ3、ライオンリーチ3、ゾウリーチ3、ダチョウリーチ3、キリンリーチの各変動パターンについては特定態様にのみ対応しているため、例えばキリンリーチ変動パターンが出現したとき、或いはノーマルリーチ、ライオンリーチ、ゾウリーチ、ダチョウリーチの各リーチ変動パターンによる変動時間が所定時間を超えたときには必ず特定態様となる。
なお、「ライオンリーチ」、「ゾウリーチ」、「ダチョウリーチ」、「キリンリーチ」の各リーチ変動パターンでは、例えばリーチ状態発生後に特別図柄表示手段35上に夫々「ライオン」、「ゾウ」、「ダチョウ」、「キリン」の各キャラクター画像が出現して、リーチ変動を演出するようになっている。
特別図柄には、数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター図柄、その他の図柄を適宜使用可能であり、この実施形態では、「0」〜「9」までの数字図柄が用いられている。また、特定態様には特別特定態様とそれ以外の通常特定態様とがあり、本実施形態では、奇数図柄による特定態様、例えば「7・7・7」等を特別特定態様、偶数図柄による特定態様、例えば「6・6・6」等を通常特定態様としている。
なお、本実施形態では、特別図柄始動手段26による遊技球検出時に、上述した大当たり判定用乱数値の他、特定態様となる場合の図柄の種類を決定するための大当たり図柄用乱数値、非特定態様となる場合にリーチ変動とするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数値、リーチ変動(特定態様となる変動の全てを含む)の場合の変動パターンを決定するためのリーチ変動パターン用乱数値(変動パターン指定情報)を、変動記憶情報として夫々取得するようになっている。
また、特別図柄表示手段35の変動表示中に特別図柄始動手段26が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された大当たり判定用乱数値等の変動記憶情報が所定の上限個数(例えば4個)を限度として記憶されると共に、特別変動記憶個数表示手段36がその変動記憶情報の記憶個数(特別変動記憶個数)を表示して、その時点での特別変動記憶個数を遊技者に報知するようになっている。
特別変動記憶個数表示手段36は、特別変動記憶個数を、その特別変動記憶個数分の変動記憶表示により報知するためのもので、図3に示すように、液晶表示手段30上の一部分、例えば右端側に配置された特別変動記憶個数表示領域37を備えている。
特別変動記憶個数表示領域37には、特別変動記憶個数の上限個数と同数、例えば4個の第1〜第4領域37a〜37dが例えば下向きに一列状に配置されており、これら第1〜第4領域37a〜37dは、第1〜第4番目に記憶されている各変動記憶情報に対応している。
特別変動記憶個数表示手段36は、これら4個の第1〜第4領域37a〜37dのうち、第1領域37a側から特別変動記憶個数分の領域に、対応する各変動記憶情報の内容に応じて複数種類の表示態様の何れかで変動記憶表示を行うことにより特別変動記憶個数を報知するようになっている。本実施形態では、変動記憶表示の複数種類の表示態様として、変動パターンの種類に対応する「ライオン」「ゾウ」「ダチョウ」「キリン」の各キャラクター画像による表示態様、又は「?」の画像による表示態様とが設けられている。以下、「ライオン」「ゾウ」「ダチョウ」「キリン」「?」の画像による表示態様を、夫々ライオン表示態様、ゾウ表示態様、ダチョウ表示態様、キリン表示態様、不確定表示態様という。
なお、特別変動記憶個数が上限個数(例えば4個)に満たない場合には、第1〜第4領域37a〜37dのうちの1個以上の領域について対応する変動記憶情報が存在しない状態となるが、その場合には、例えばその領域に対応する数字画像が表示される(以下、変動記憶なし表示という)ようになっている。例えば特別変動記憶個数が2個のときには、図3に示すように、第1,第2領域37a,37bにはライオン表示態様、不確定表示態様等による変動記憶表示が、第3,第4領域37c,37dには夫々「3」「4」の数字画像による変動記憶なし表示が行われる。遊技者は、特別変動記憶個数表示領域37上の変動記憶表示の表示状態により特別変動記憶個数を知ることができる。
大入賞手段27は、下部側の横軸心廻りに開閉する開閉板27aを備えた可変作動式であって、特別図柄表示手段35の変動後の特別図柄が特定態様となることに基づいて第2利益状態が発生したときに、開閉板27aが前側に所定時間開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
なお、大入賞手段27は、その開放から所定時間(例えば30秒間)が経過するか、所定時間内に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞することを条件に開閉板27aを閉じ、遊技球が内部の特定領域38を通過することを条件に、最大所定回数(例えば16回)まで開閉動作を繰り返すようになっている。
図5は制御系のブロック図である。図5において、41は主制御基板、42は音声ランプ制御基板、43は図柄制御基板で、これら各制御基板41〜43は、遊技盤21に装着された可変表示手段24、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠3及び遊技盤21を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
本実施形態では、主制御基板41は音声ランプ制御基板42に対して一方向通信のみ可能に接続されており、音声ランプ制御基板42は図柄制御基板43に対して双方向通信可能に接続されている。これにより、主制御基板41から図柄制御基板43へのコマンドは音声ランプ制御基板42を経由して送信される。
主制御基板41上には、主に遊技盤21側の遊技動作に関わる制御を行う遊技制御手段50が設けられ、CPU、ROM、RAM等により構成されている。遊技制御手段50は、更に普通抽選手段51、第1利益状態発生手段52、特別抽選手段53、第2利益状態発生手段(利益状態発生手段)54、停止図柄態様選択手段55、変動パターン選択手段56、特別遊技状態発生手段57、変動記憶個数判定手段58、制御コマンド送信手段59等を備えている。
普通抽選手段51は、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄を所定態様とするか否かを抽選するためのもので、普通乱数発生手段61、普通乱数取得手段62、普通乱数記憶手段63、普通判定手段64等を備えている。
普通乱数発生手段61は、変動後の普通図柄が所定態様(当たり)となる確率が例えば1/10のときに0〜9までの10個の当たり判定用乱数値を発生する等、その確率に応じた所定数の当たり判定用乱数値を繰り返し発生するようになっている。
普通乱数取得手段62は、普通図柄始動手段25が遊技球を検出することを条件に普通乱数発生手段61から当たり判定用乱数値を1個取得し、その取得した当たり判定用乱数値を普通乱数記憶手段63に所定個数(例えば4個)を限度として記憶するようになっている。
普通判定手段64は、普通図柄の変動後の停止図柄を所定態様とするか否か、即ち第1利益状態を発生させるか否かを判定するもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段63に1個以上の当たり判定用乱数値が記憶されている場合に、普通乱数記憶手段63に記憶されている当たり判定用乱数値のうち最も早く記憶された1個を取り出し、その当たり判定用乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かを判定する当たり判定処理を行い、その当たり判定処理で当たりと判定した場合に所定態様(当たり)の判定出力を出すようになっている。
第1利益状態発生手段52は、普通判定手段64の判定結果が所定態様判定のときに、普通図柄表示手段31の変動後の普通図柄が所定態様となることに基づいて特別図柄始動手段26の開閉爪26aを所定時間開放させる第1利益状態を発生させるものである。
特別抽選手段53は、特別図柄表示手段35の変動後の停止図柄を特定態様とするか否か等を抽選するためのもので、特別乱数発生手段65、特別乱数取得手段66、特別乱数記憶手段(情報記憶手段)67、演出用記憶手段(情報記憶手段)67a、特別判定手段68等を備えている。
特別乱数発生手段65は、変動後の特別図柄を特定態様とするか否かの判定に用いる大当たり判定用乱数、変動後の特別図柄が特定態様となる場合の図柄の選択に用いる大当たり図柄用乱数、変動後の特別図柄が非特定態様となる場合にリーチ変動とするか否かの決定に用いるリーチ判定用乱数、変動後の特別図柄が非特定態様となる場合の図柄の選択に用いる第1〜第3外れ図柄用乱数、リーチ変動(特定態様となる変動を含む)の場合の変動パターンの選択に用いるリーチ変動パターン用乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生するようになっている。
本実施形態では、大当たり判定用乱数は0〜199の範囲で、大当たり図柄用乱数、リーチ判定用乱数、第1外れ図柄用乱数、第3外れ図柄用乱数は夫々0〜9の範囲で、第2外れ図柄用乱数は0〜8の範囲で、リーチ変動パターン用乱数は0〜29の範囲で、夫々繰り返し発生されるものとする。
特別乱数取得手段66は、特別図柄始動手段26が遊技球を検出することを条件に、特別乱数発生手段65から大当たり判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値、及びリーチ変動パターン用乱数値を変動記憶情報として夫々1個取得し、それら変動記憶情報を特別乱数記憶手段67に夫々所定個数(例えば各4個)を限度として記憶させると共に、その特別乱数記憶手段67に記憶させた変動記憶情報、即ち大当たり判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値、及びリーチ変動パターン用乱数値を演出用記憶手段67aにも一時的に記憶させるようになっている。
ここで、特別乱数記憶手段67及び演出用記憶手段67aは、その概略構成は例えば図6に示すようになっている。即ち、特別乱数記憶手段67には、特別変動記憶個数の上限個数と同数(例えば4個)の変動記憶情報記憶エリアA1〜A4、及び1つの変動記憶個数記憶エリアA0が設けられている。
変動記憶情報記憶エリアA1〜A4には、夫々大当たり判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値、リーチ変動パターン用乱数値を1個ずつ記憶可能となっている。以下の説明では、変動記憶情報記憶エリアA1〜A4内の大当たり判定用乱数値の記憶エリアを夫々大当たり判定用記憶エリアA11〜A41とし、同様に大当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値、リーチ変動パターン用乱数値の各記憶エリアをA12〜A42、A13〜A43、A14〜A44とする。
また、変動記憶個数記憶エリアA0には、この特別乱数記憶手段67に記憶されている変動記憶情報の個数(組数)、即ち特別変動記憶個数が格納され、常に最新の状態に更新されるようになっている。
また、演出用記憶手段67aには、大当たり判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値、及びリーチ変動パターン用乱数値を夫々記憶するための4つの記憶エリアB1〜B4が例えば1組設けられている。
特別乱数取得手段66は、特別図柄始動手段26が遊技球を検出したとき、その時点の特別変動記憶個数(変動記憶個数記憶エリアA0に記憶されている値)が所定の上限個数(例えば4個)未満であれば、特別乱数発生手段65から大当たり判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値、及びリーチ変動パターン用乱数値を夫々1個取得し、それら各乱数値を、特別乱数記憶手段67の4つの記憶エリアA1〜A4の空きエリアに前詰めで(例えば特別変動記憶個数が3個の場合には記憶エリアA4に)格納すると共に、変動記憶個数記憶エリアA0に記憶されている特別変動記憶個数の値に1を加算し、更にその特別乱数記憶手段67に記憶させた変動記憶情報のうちの大当たり判定用乱数値、リーチ判定用乱数値、及びリーチ変動パターン用乱数値を演出用記憶手段67aにも格納する。
特別判定手段68は、特別図柄の変動後の停止図柄を特定態様とするか否か、即ち第2利益状態を発生させるか否かを判定するもので、特別図柄表示手段35が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段67に1組以上の変動記憶情報が記憶されている場合(変動記憶個数が1個以上の場合)に、特別図柄表示手段35の変動開始に際してその第1番目の大当たり判定用乱数値を大当たり判定用記憶エリアA11から読み出し、その大当たり判定用乱数値が予め定められた大当たり判定値(例えば7)と一致する場合に特定態様(大当たり)の判定出力を出すようになっている。
第2利益状態発生手段54は、特別判定手段68から特定態様の判定出力があったときに、特別図柄表示手段35の変動後の特別図柄が「7・7・7」等の特定態様となることに基づいて、遊技者に有利な第2利益状態を発生させるためのものである。
この第2利益状態発生手段54は、特別図柄表示手段35の変動後の特別図柄が特定態様となった後に大入賞手段27の開閉板27aを開放し、また開閉板27aの開放から所定時間(例えば30秒)が経過するか、所定時間(例えば30秒)の経過までに大入賞手段27に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞したときに開閉板27aを閉じ、更に入賞した遊技球が特定領域38を通過することを条件に、最大所定回数(例えば16回)まで開閉動作(第2利益状態)を継続させるようになっている。
停止図柄態様選択手段55は、特別図柄の変動後の停止図柄態様を選択するためのもので、特別判定手段68の判定結果が特定態様判定のときには、特別乱数記憶手段67の大当たり図柄用記憶エリアA12から大当たり図柄用乱数値を読み出し、この大当たり図柄用乱数値に基づいて特定態様の図柄を選択し、非特定態様判定のときには、特別乱数発生手段65から第1〜第3外れ図柄用乱数値を取得すると共に特別乱数記憶手段67のリーチ判定用記憶エリアA13からリーチ判定用乱数値を読み出して、これら第1〜第3外れ図柄用乱数値とリーチ判定用乱数値とに基づいて非特定態様の図柄を選択するようになっている。
例えば、特別判定手段68の判定結果が特定態様判定の場合には、0〜9までの大当たり図柄用乱数値に準じた特定態様の図柄が選択される。また、特別判定手段68の判定結果が非特定態様判定の場合には、0〜99までのリーチ判定用乱数値に応じてリーチ変動とするか否かが決定され、リーチ変動とする場合には左右の停止図柄が同じで中央の停止図柄が異なる図柄となるように、リーチ変動としない場合には少なくとも左右の停止図柄が異なる図柄となるように、第1〜第3外れ図柄用乱数値を用いて3つの停止図柄が選択される。
変動パターン選択手段56は、特別判定手段68の判定結果と、停止図柄態様選択手段55の選択結果と、特別乱数記憶手段67のリーチ変動パターン用記憶エリアA14に記憶されているリーチ変動パターン用乱数値とに基づいて、複数の変動パターンの中から1つを択一的に選択するためのもので、特別判定手段68の判定結果が特定態様判定の場合にはリーチ変動パターン用乱数値に基づいて13個のリーチ大当たり変動パターンの何れかを、特別判定手段68の判定結果が非特定態様判定で且つ停止図柄態様選択手段55でリーチなし変動に対応する停止図柄が選択された場合にはリーチなし外れ変動パターンを、特別判定手段68の判定結果が非特定態様判定で且つ停止図柄態様選択手段55でリーチ変動に対応する停止図柄が選択された場合にはリーチ変動パターン用乱数値に基づいて8個のリーチ外れ変動パターンの何れかを、夫々選択するようになっている。リーチ変動パターン用乱数値とリーチ大当たり変動パターン及びリーチ外れ変動パターンとの対応関係は例えば図4に示すように設定されている。
なお、特別図柄表示手段35が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段67に1組以上の変動記憶情報が記憶されている場合には、上述した特別判定手段68、停止図柄態様選択手段55、及び変動パターン選択手段56によって特別乱数記憶手段67の記憶エリアA1から各変動記憶情報が読み出された後、記憶エリアA2〜A4に記憶されている各変動記憶情報が夫々記憶エリアA1〜A3にシフトされると共に、変動記憶個数記憶エリアA0に記憶されている特別変動記憶個数の値から1が減算される。
特別遊技状態発生手段57は、第2利益状態の終了後(又は発生後)に、遊技者に有利となる特別遊技状態を発生させるためのもので、停止図柄態様選択手段55で特定態様のうちの特別特定態様が選択され、変動後の特別図柄が特別特定態様となることを条件に、第2利益状態の終了後に、特別図柄が特定態様となる確率を通常確率状態(例えば1/200等の低確率)から高確率状態(例えば1/50程度)へと変化させると共に、第1利益状態発生手段52による特別図柄始動手段26の開閉爪26aの開放時間を通常開放時間よりも長い延長開放時間に変化させるようになっている。
なお、特別遊技状態発生手段57は、高確率状態のときに、例えば特別判定手段68の大当たり判定値の数を増やして、特定態様の発生確率を高くするようになっている。
特別遊技状態発生手段57は、特別図柄が特定態様のうちの通常特定態様となって次の第2利益状態が発生するか、特別図柄が予め定められた所定回数変動するか、或いは特別図柄始動手段26に予め定められた所定個数の遊技球が入賞した場合等にその作動を停止し、特定態様の発生確率を高確率から通常確率(低確率)へと復帰させて特別遊技状態を終了させるようになっている。なお、特別遊技状態の終了条件は上述したものに限られるものではない。
変動記憶個数判定手段58は、特別変動記憶個数の変化に関する判定を行うためのもので、増加時判定手段58aと減少時判定手段58bとを備えている。
増加時判定手段58aは、特別変動記憶個数が増加したときに、演出用記憶手段67aに新たに記憶された大当たり判定用乱数値、リーチ判定用乱数値、及びリーチ変動パターン用乱数値の3種類の変動記憶情報に基づいて、それら変動記憶情報に基づく特別図柄の変動がリーチ変動となるか否か、及びリーチ変動となる場合にはそのリーチ変動パターンの種類を判定するリーチ変動種類判定手段69により構成されており、特別図柄始動手段26が遊技球を検出し且つその検出に関する変動記憶情報が演出用記憶手段67aに記憶されたときに、特別変動記憶個数が増加したものと判断して作動するようになっている。従って、特別図柄始動手段26が遊技球を検出しても、その時点の特別変動記憶個数が上限値(4個)の場合には作動しない。
増加時判定手段58aは、演出用記憶手段67aに新たに変動記憶情報(大当たり判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値、及びリーチ変動パターン用乱数値)が記憶されると、まず大当たり判定用記憶エリアB1から大当たり判定用乱数値を読み出し、この大当たり判定用乱数値に基づいて特定態様となるか否かを判定する。この特定態様か否かの判定方法は特別判定手段68による判定方法と同じである。
そして、特定態様と判定した場合には、リーチ変動パターン用記憶エリアB4からリーチ変動パターン用乱数値を読み出し、このリーチ変動パターン用乱数値に基づいて13個のリーチ大当たり変動パターンの何れかを選択し、選択されたリーチ変動パターンの種類を示す判定信号を出力する。例えば、ノーマルリーチ1大当たり変動パターンが選択された場合には「ノーマルリーチ」、ライオンリーチ3大当たり変動パターンが選択された場合には「ライオンリーチ」、キリンリーチ大当たり変動パターンが選択された場合には「キリンリーチ」に対応する判定信号が夫々出力される。
一方、大当たり判定用乱数値に基づいて非特定態様と判定した場合には、更にリーチ判定用記憶エリアB3からリーチ判定用乱数値を読み出し、このリーチ判定用乱数値に基づいてリーチ変動とするか否かを判定し、リーチ変動と判定した場合には、リーチ変動パターン用記憶エリアB4からリーチ変動パターン用乱数値を読み出し、このリーチ変動パターン用乱数値に基づいて8個のリーチ外れ変動パターンの何れかを選択してその種類を示す判定信号を出力し、リーチなし変動と判定した場合には「リーチなし」の判定信号を出力する。以上の変動パターンに関する判定方法は、変動パターン選択手段56による変動パターンの選択方法と同じである。
即ち、増加時判定手段58aは、特別図柄の変動開始時に行われる特別判定手段68及び変動パターン選択手段56による判定処理に先立って、特別図柄始動手段26が遊技球を検出した時点で演出用記憶手段67aに新たに記憶された変動記憶情報に基づいて判定を行い、リーチ変動パターンの種類を示す5つの判定信号、又は「リーチなし」の判定信号の何れかを出力する。
なお、増加時判定手段58aは、大当たり判定用乱数値に基づいて特定態様となるか否かを判定するに際し、夫々の大当たり判定用乱数値の判定毎に高確率状態か否かを考慮するようになっている。即ち、増加時判定手段58aは、大当たり判定用乱数値に基づく特定態様となるか否かの判定と共に、大当たり図柄用記憶エリアB2に記憶されている大当たり図柄用乱数値に基づいて特定態様となった場合の図柄の判定も行い、例えば大当たり判定用乱数値に基づいて特定態様と判定され且つ大当たり図柄用乱数値に基づいてその特定態様が奇数図柄による特定態様(特別特定態様)と判定された場合には、少なくとも次に記憶された大当たり判定用乱数値による特定態様か否かの判定は高確率状態、即ち大当たり判定値の数を増加させた状態で判定するようになっている。
減少時判定手段58bは、特別変動記憶個数の減少を判定するもので、例えば特別乱数記憶手段の変動記憶個数記憶エリアA0に記憶されている特別変動記憶個数の値の変化を所定時間間隔(例えば4msec毎)でチェックし、その特別変動記憶個数の値が前回よりも減少したときに、特別変動記憶個数の減少を判定するようになっている。
制御コマンド送信手段59は、所定の制御コマンドを音声ランプ制御基板42、図柄制御基板43等のサブ基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段63に1個以上の当たり判定用乱数値が記憶されている場合に、普通判定手段64の判定結果に基づいて普通図柄の変動制御コマンドを音声ランプ制御基板42を経由して図柄制御基板43側に送信する機能、特別図柄表示手段35が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段67に1組以上の変動記憶情報が記憶されている場合に、特別判定手段68の判定結果、停止図柄態様選択手段55で選択された停止図柄態様、変動パターン選択手段56で選択された変動パターン等に基づいて、変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、変動停止コマンド等の特別図柄の変動制御コマンドを音声ランプ制御基板42を経由して図柄制御基板43側に送信する機能、普通変動記憶個数が変化したときに、その変化後の普通変動記憶個数に対応する普通変動記憶表示指定コマンドを音声ランプ制御基板42側に送信する機能、特別変動記憶個数が変化したときに、その変化後の特別変動記憶個数に対応する特別変動記憶表示指定コマンド(変動記憶表示指定コマンド)を図柄制御基板43側に送信する機能等を備えている。
なお、本実施形態では、特別図柄の変動制御コマンドを構成する変動パターンコマンドは、図4に示すように、22種類の変動パターンに対して夫々「A001H」〜「A016H」が割り当てられている。
また、特別変動記憶表示指定コマンドとして、特別変動記憶個数に対応する複数種類のコマンドよりなるグループが、変動パターンの種類に応じて複数種類設けられている。本実施形態では、図7に示すように、リーチなし変動パターン及びノーマルリーチ変動パターンに対応する通常コマンドグループ、ライオンリーチ変動パターンに対応するライオンコマンドグループ、ゾウリーチ変動パターンに対応するゾウコマンドグループ、ダチョウリーチ変動パターンに対応するダチョウコマンドグループ、及びキリンリーチ変動パターンに対応するキリンコマンドグループの計5種類のコマンドグループが設けられている。
ライオン、ゾウ、ダチョウ、キリンの各コマンドグループは、特別変動記憶個数1〜4個に対応する各4個のコマンドで構成され、通常コマンドグループは、特別変動記憶個数1〜4、及び0個に対応する5個のコマンドで構成されている。
特別変動記憶個数の増加時(増加時判定手段58aからの判定信号の出力時)には、その増加後の特別変動記憶個数と増加時判定手段58aからの判定信号とに基づいて、ライオン、ゾウ、ダチョウ、キリン、通常の全てのコマンドグループに含まれる全てのコマンドの中から所定のコマンドが送信される。即ち、まず増加時判定手段58aからの判定信号(変動パターンの種類)に基づいて、その判定信号が「ライオンリーチ」、「ゾウリーチ」、「ダチョウリーチ」、「キリンリーチ」の何れかであればそれに対応するコマンドグループが、「ノーマルリーチ」及び「リーチなし」であれば通常コマンドグループが選択され、そのコマンドグループに属する複数のコマンドの中から、その増加後の特別変動記憶個数に対応するコマンドが選択され、送信される。この場合の変動パターン及び増加後の特別変動記憶個数と送信される特別変動記憶表示指定コマンドとの対応関係は図4に示す通りである。
一方、特別変動記憶個数の減少時(減少時判定手段58bからの判定信号の出力時)には、通常コマンドグループに属する複数のコマンドの中から、その減少後の特別変動記憶個数に対応するコマンドが選択され、送信される。
このように、特別変動記憶表示指定コマンドとして、特別変動記憶個数に対応する複数種類のコマンドよりなるコマンドグループを、変動パターンの種類に応じて複数設けているため、コマンド受信側の図柄制御基板43では、1つの特別変動記憶表示指定コマンドにより、特別変動記憶個数と変動パターンの種類との2つの情報を得ることができる。
音声ランプ制御基板42は、ランプ手段33、音声出力手段9、普通変動記憶個数表示手段32等の制御を行うためのもので、ランプ制御手段71、音声制御手段72、普通変動記憶個数表示制御手段73等を備えている。
ランプ制御手段71は、ランプ手段33の発光制御を行うためのもので、特別図柄の変動表示と同期して例えばその変動パターンに対応する発光パターンでランプ手段33を発光させる他、第1,第2利益状態や特別遊技状態の発生等の遊技状態に応じて所定の発光パターンでランプ手段33を発光させるようになっている。
音声制御手段72は、音声出力手段9の制御を行うためのもので、特別図柄の変動表示と同期して音声出力手段9から例えばその変動パターンに対応する所定のサウンドを出力させる他、第1,第2利益状態や特別遊技状態の発生等の遊技状態に応じて所定のサウンドを音声出力手段9から出力させるようになっている。
普通変動記憶個数表示制御手段73は、普通変動記憶個数表示手段32の表示制御を行うためのもので、遊技制御手段50側から送信される普通変動記憶表示指定コマンドに基づいて、普通変動記憶個数表示手段32のランプを普通変動記憶個数分だけ点灯させるようになっている。
図柄制御基板43は、普通図柄表示手段31、特別図柄表示手段35、特別変動記憶個数表示手段36等の各表示手段の表示制御を行うためのもので、普通図柄制御手段81、特別図柄制御手段82、表示態様選択手段83、特別変動記憶個数表示制御手段(演出制御手段)84等を備えている。
普通図柄制御手段81は、普通図柄表示手段31の表示制御を行うもので、遊技制御手段50側からの普通図柄の変動制御コマンドに基づいて普通図柄表示手段31の普通図柄を所定時間変動させて、普通判定手段64の判定結果が所定態様判定のときに「7」等の所定態様で、それ以外のときに非所定態様で普通図柄を停止させるようになっている。
特別図柄制御手段82は、特別図柄表示手段35の表示制御を行うもので、遊技制御手段50側からの特別図柄の変動制御コマンドに基づいて、例えば変動パターンコマンドで指定された変動パターンに従って特別図柄表示手段35による特別図柄の変動を開始させ、所定時間変動後に遊技制御手段50側から変動停止コマンドを受信したときに、停止図柄コマンドで指定された停止図柄となるようにその変動を停止させるようになっている。
表示態様選択手段83は、特別変動記憶個数表示手段36による特別変動記憶個数の表示に用いる表示態様を選択するためのもので、遊技制御手段50からの特別変動記憶表示指定コマンドに基づいて、その特別変動記憶表示指定コマンドが変動記憶個数の増加に対応するものである場合に、今回増加分の変動記憶表示に用いる表示態様を複数種類、即ちライオン、ゾウ、ダチョウ、キリン、不確定の5種類の表示態様の中から選択するようになっている。
例えば、遊技制御手段50からの特別変動記憶表示指定コマンドがライオン、ゾウ、ダチョウ、キリンの各コマンドグループに属するものである場合には、所定の確率(例えば80%)でそのコマンドグループに対応する表示態様、即ちライオン、ゾウ、ダチョウ、キリンの各表示態様を選択し、それ以外の場合は不確定表示態様を選択するようになっている。
なお、本実施形態では、通常コマンドグループに属するコマンドは、特別変動記憶個数の増加時と減少時との何れの場合にも送信される可能性があるため、遊技制御基板50側から受信した特別変動記憶表示指定コマンドが通常コマンドグループに属するものである場合には、そのコマンドのみの情報ではそれが特別変動記憶個数の増加/減少の何れに対応するものであるかを判定することができない場合がある(例えば特別変動記憶個数1〜3個に対応する「D001H」〜「D003H」の場合)。しかしながら、図柄制御基板43側ではそのコマンド受信時における特別変動記憶個数を把握しているため、特別変動記憶表示指定コマンドの種類に関係なく常にそれが増加/減少の何れに対応するものであるかを判定することが可能である。
特別変動記憶個数表示制御手段84は、特別変動記憶個数表示手段36の表示制御を行うためのもので、遊技制御手段50からの特別変動記憶表示指定コマンドに基づいて、特別変動記憶個数表示領域37の第1〜第4領域37a〜37dの1又は複数に、複数種類の表示態様の何れかに基づく変動記憶表示を行って、その変動記憶表示の数により特別変動記憶個数を報知させるようになっている。
例えば、遊技制御手段50からの特別変動記憶表示指定コマンドが変動記憶個数の増加に対応するものである場合には、特別変動記憶個数表示制御手段84は、第1〜第4領域37a〜37dのうち、その増加後の特別変動記憶個数に対応する領域(例えば特別変動記憶個数が3個から4個に増加する場合には第4領域37d)に、表示態様選択手段83で選択された表示態様による変動記憶表示を行うようになっている。
一方、遊技制御手段50からの特別変動記憶表示指定コマンドが変動記憶個数の減少に対応するものである場合には、特別変動記憶個数表示制御手段84は、その時点で第2〜第4領域37b〜37dに表示されている変動記憶表示を、減少後コマンドで指定された減少後の特別変動記憶個数と一致するように前側(第1領域37a側)にシフトさせると共に、第1領域37aに表示されていたキャラクター画像等が特別図柄表示手段35側に移動するアニメーション表示を行うようになっている。
そして、例えば第1領域37aから特別図柄表示手段35側に移動してきたキャラクター画像等が画面外に消えた後、引き続き特別図柄表示手段35上で特別図柄制御手段82の制御による特別図柄の変動表示が開始される。ここで、第1領域37aから特別図柄表示手段35側に移動してきた画像がライオン、ゾウ、ダチョウ、キリンの何れかのキャラクターであった場合には、その特別図柄の変動はそのキャラクターに対応するリーチ変動パターンの何れかとなり、例えばリーチ発生後にそのキャラクターが再度登場してリーチ演出が行われる。
次に上記パチンコ機における動作について、図8〜図10に示すフローチャート、図11〜図13に示す画像表示説明図等を適宜参照しつつ説明する。
ゲームに際して発射手段12により遊技球を発射すると、その遊技球はガイドレール22を経て遊技領域23に入った後、その遊技領域23内を落下する間に普通入賞手段28等に入賞するか、普通図柄始動手段25を通過しながら下方へと落下する。遊技球が普通図柄始動手段25を通過すると、普通乱数取得手段62が普通乱数発生手段61の当たり判定用乱数値を取得して、その当たり判定用乱数値を所定の上限個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段63に順次記憶する。
なお、普通乱数記憶手段63に1個以上の当たり判定用乱数値が記憶されている場合には、制御コマンド送信手段50から送信される普通変動記憶表示指定コマンドに基づいて、普通変動記憶個数表示手段32がその記憶されている当たり判定用乱数値の数(普通変動記憶個数)を例えばランプの発光個数により表示してその時点での普通変動記憶個数を遊技者に報知する。
普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段63に1個以上の当たり判定用乱数値が記憶されている場合には、普通判定手段64が、普通乱数記憶手段63に記憶されている当たり判定用乱数値のうち最も早く記憶された1個を取り出し、その当たり判定用乱数値が当たり判定値と一致すれば所定態様(当たり)の判定出力を出力すると共に、その判定結果に基づいて制御コマンド送信手段59を介して音声ランプ制御基板42経由で図柄制御基板43側に普通図柄の変動制御コマンドを送信する。
普通判定手段64の判定結果が所定態様判定のときには、図柄制御基板43側の普通図柄制御手段81の制御により、普通図柄表示手段31の普通図柄が所定時間変動した後に「7」等の所定態様で停止する。そして、第1利益状態発生手段52の制御により、特別図柄始動手段26の開閉爪26aが所定時間開放し、この特別図柄始動手段26に遊技球が入賞し易くなる。なお、普通判定手段64の判定結果が所定態様判定以外であれば、変動後の普通図柄が「7」等以外の非所定態様で停止する。
例えば特別図柄始動手段26の開閉爪26aが開放して遊技球が入賞し、この特別図柄始動手段26が遊技球を検出すると、その時点の特別変動記憶個数が所定の上限個数(例えば4個)未満であれば(図8のS1:Yes)、特別乱数発生手段65から大当たり判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値、及びリーチ変動パターン用乱数値を夫々1個取得し、それら各乱数値を、特別変動記憶個数が3個の場合には記憶エリアA4のA41〜A44に(S2:Yes→S2a〜S2d)、2個の場合には記憶エリアA3のA31〜A34に(S3:Yes→S3a〜S3d)、1個の場合には記憶エリアA2のA21〜A24に(S4:Yes→S4a〜S4d)、0個の場合には記憶エリアA1のA11〜A14に(S4:No→S5a〜S5d)夫々格納すると共に、特別乱数記憶手段の変動記憶個数記憶エリアA0に記憶されている特別変動記憶個数の値に1を加算し(S6)、更にその特別乱数記憶手段67に記憶させた変動記憶情報、即ち大当たり判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値、及びリーチ変動パターン用乱数値を演出用記憶手段67aの記憶エリアB1〜B4に夫々格納する(図9のS7〜S10)。
演出用記憶手段67aに新たに大当たり判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値、及びリーチ変動パターン用乱数値の4つの変動記憶情報が記憶されると、変動記憶個数判定手段58の増加時判定手段58aが、まず大当たり判定用記憶エリアB1から大当たり判定用乱数値を読み出し、この大当たり判定用乱数値に基づいて特定態様となるか否かを判定する(S11)。
ここで、増加時判定手段58aは、大当たり判定用乱数値に基づく特定態様となるか否かの判定と共に、大当たり図柄用記憶エリアB2に記憶されている大当たり図柄用乱数値に基づいて特定態様となった場合の図柄の判定も行い、例えば大当たり判定用乱数値に基づいて特定態様と判定され且つ大当たり図柄用乱数値に基づいてその特定態様が奇数図柄による特定態様(特別特定態様)と判定された場合には、少なくとも次に記憶された大当たり判定用乱数値による特定態様か否かの判定は高確率状態の下で行う。
大当たり判定用乱数値に基づいて特定態様と判定された場合には(S11:Yes)、増加時判定手段58aは、リーチ変動パターン用記憶エリアB4からリーチ変動パターン用乱数値を読み出し、このリーチ変動パターン用乱数値に基づいて13個のリーチ大当たり変動パターンの何れかを選択し、選択されたリーチ変動パターンの種類を示す判定信号を出力する(S11a)。例えば、ノーマルリーチ2大当たり変動パターンが選択された場合には「ノーマルリーチ」、ライオンリーチ3大当たり変動パターンが選択された場合には「ライオンリーチ」、キリンリーチ大当たり変動パターンが選択された場合には「キリンリーチ」に対応する判定信号が夫々出力される。
一方、大当たり判定用乱数値に基づいて非特定態様と判定された場合には(S11:No)、増加時判定手段58aは、更にリーチ判定用記憶エリアB3からリーチ判定用乱数値を読み出し、このリーチ判定用乱数値に基づいてリーチ変動とするか否かを判定する(S12)。そして、ここでリーチ変動と判定した場合には(S12:Yes)、リーチ変動パターン用記憶エリアB4からリーチ変動パターン用乱数値を読み出し、このリーチ変動パターン用乱数値に基づいて8個のリーチ外れ変動パターンの何れかを選択してその種類、例えば「ノーマルリーチ」「ライオンリーチ」「ゾウリーチ」等を示す判定信号を出力する(S12a)。リーチなし変動と判定した場合には(S12:No)、「リーチなし」の判定信号を出力する(S13)。
そして、制御コマンド送信手段59が、増加時判定手段58aからの判定信号と増加後の特別変動記憶個数とに基づいて、図柄制御基板43側に特別変動記憶表示指定コマンドを送信する。
即ち、増加後の特別変動記憶個数が4個の場合には、増加時判定手段58aからの判定信号(変動パターンの種類)に応じて5種類の増加後コマンドD004H,D104H,D204H,D304H,D404Hのうちの何れかが送信され(S14:Yes→S14a)、同様に、増加後の特別変動記憶個数が3個の場合には増加後コマンドD003H,D103H,D203H,D303H,D403Hのうちの何れかが(S15:Yes→S15a)、増加後の特別変動記憶個数が2個の場合には増加後コマンドD002H,D102H,D202H,D302H,D402Hのうちの何れかが(S16:Yes→S16a)、増加後の特別変動記憶個数が1個の場合には増加後コマンドD001H,D101H,D201H,D301H,D401Hのうちの何れかが(S16:No→S17a)、夫々送信される。
例えば、増加後の特別変動記憶個数が1個で且つそのときの増加時判定手段58aからの判定信号が「ライオンリーチ」の場合にはライオンコマンドグループの「D101H」が、特別変動記憶個数が4個で且つそのときの変動記憶個数判定手段58からの判定信号が「リーチなし」の場合には通常コマンドグループの「D004H」が、図柄制御基板43側に送信される(図4参照)。
なお、特別変動記憶個数の加算処理(S6)は、特別図柄始動手段26による遊技球の検出直後であればどのようなタイミングで行ってもよく、例えば変動記憶情報を特別乱数記憶手段67に記憶する前や、特別変動記憶表示指定コマンドの送信後等に行ってもよい。
図柄制御基板43側では、遊技制御手段50側から特別変動記憶個数の増加に対応する特別変動記憶表示指定コマンドを受信すると、表示態様選択手段83が、今回増加分の変動記憶表示に用いる表示態様を複数種類、即ちライオン、ゾウ、ダチョウ、キリン、不確定の5種類の表示態様の中から選択する。例えば、受信した特別変動記憶表示指定コマンドがライオン、ゾウ、ダチョウ、キリンの各コマンドグループに属するものである場合には、例えば80%の確率でそのコマンドグループに対応する表示態様、即ちライオン、ゾウ、ダチョウ、キリンの各表示態様を選択し、例えば20%の確率で不確定表示態様を選択する。
そして、特別変動記憶個数表示制御手段84が、特別変動記憶個数表示領域37の第1〜第4領域37a〜37dのうち、今回の増加分に対応する領域に、表示態様選択手段83で選択された表示態様による変動記憶表示を行う。
例えば、受信した特別変動記憶表示指定コマンドが「D101H」であり、表示態様選択手段83においてライオン表示態様が選択された場合には、特別変動記憶個数表示領域37の第1領域37aの表示が変動記憶なし表示(数字画像)からライオン表示態様による変動記憶表示、即ち「ライオン」のキャラクター画像に切り換えられる(図11参照)。これにより、遊技者は、特別変動記憶個数が0個から1個となり、その変動記憶情報に対応する変動はライオンリーチ変動パターンとなることを認識することができる。
また例えば、受信した特別変動記憶表示指定コマンドが「D404H」であり、表示態様選択手段83において不確定表示態様が選択された場合には、特別変動記憶個数表示領域37の第1〜第3領域37a〜37cの変動記憶表示はそのままに、新たに第4領域37dの表示が変動記憶なし表示(数字画像)から不確定表示態様による変動記憶表示、即ち「?」の画像に切り換えられる(図12参照)。この場合には、遊技者は、特別変動記憶個数が3個から4個となったことについては認識できるが、その変動記憶情報に対応する変動がリーチ変動となるか否か、及びリーチ変動となる場合のその種類等については認識することができない。
このように、リーチ変動となる場合であっても不確定表示態様となる場合を設けることで、結果的にリーチなし変動となる場合であっても遊技者は常にリーチ変動への期待感を持って遊技を行うことができ、興趣が向上する利点がある。
特別図柄表示手段35が変動表示可能な状態となり且つ第2乱数記憶手段67に1個以上の大当たり判定用乱数値が記憶されている場合(特別変動記憶個数が1個以上の場合)には、特別判定手段68が、特別乱数記憶手段67の大当たり判定用記憶エリアA11から大当たり判定用乱数値を取り出し、その大当たり判定用乱数値が予め定められた大当たり判定値(例えば7)と一致すれば特定態様の判定出力を、大当たり判定用乱数値が大当たり判定値と一致しなければ非特定態様の判定出力を夫々出力する。
そして、停止図柄態様選択手段55が、特別図柄の変動後の停止図柄を選択する。即ち、特別判定手段68の判定結果が特定態様判定のときには、停止図柄態様選択手段55は、特別乱数記憶手段67に記憶されている大当たり図柄用乱数値を大当たり図柄用記憶エリアA12から読み出し、この大当たり図柄用乱数値に基づいて特定態様の図柄を選択する。例えば、大当たり図柄用乱数値が0であれば、選択される特定態様図柄は「0・0・0」となり、大当たり図柄用乱数値が7であれば、選択される特定態様図柄は「7・7・7」となる。
一方、特別判定手段68の判定結果が非特定態様判定のときには、停止図柄態様選択手段55は、特別乱数発生手段65から第1〜第3外れ図柄用乱数値を取得すると共に、特別乱数記憶手段67に記憶されているリーチ判定用乱数値をリーチ判定用記憶エリアA13から読み出して、これら第1〜第3外れ図柄用乱数値とリーチ判定用乱数値とに基づいて非特定態様の図柄を選択する。例えば、リーチ判定用乱数値が10未満の場合にはリーチ変動とし(図4)、第1〜第3外れ図柄用乱数値に基づいてリーチ変動に対応する非特定態様、例えば「2・6・2」等が選択され、リーチ判定用乱数値が10以上の場合にはリーチなし変動とし(図4)、第1〜第3外れ図柄用乱数値に基づいてリーチなし変動に対応する非特定態様、例えば「2・7・6」等が選択される。
また、変動パターン選択手段56が、特別判定手段68の判定結果と、停止図柄態様選択手段55の選択結果と、特別乱数記憶手段67のリーチ変動パターン用記憶エリアA14に記憶されているリーチ変動パターン用乱数値とに基づいて、複数の変動パターンの中から1つを選択する。
例えば図4に示すように、特別判定手段68の判定結果が特定態様判定の場合には、リーチ変動パターン用乱数値が5であればノーマルリーチ3大当たり変動パターンが、15であればゾウリーチ2大当たり変動パターンが、29であればキリンリーチ大当たり変動パターンが夫々選択され、特別判定手段68の判定結果が非特定態様判定で且つ停止図柄態様選択手段55でリーチ変動に対応する停止図柄が選択された場合には、リーチ変動パターン用乱数値が5であればノーマルリーチ1外れ変動パターンが、15であればライオンリーチ1外れ変動パターンが、29であればダチョウリーチ2外れ変動パターンが夫々選択される。また、特別判定手段68の判定結果が非特定態様判定で且つ停止図柄態様選択手段55でリーチなし変動に対応する停止図柄が選択された場合には、リーチなし外れ変動パターンが選択される。
一方、上記のように特別判定手段68、停止図柄態様選択手段55、及び変動パターン選択手段56によって特別乱数記憶手段67の記憶エリアA1から各変動記憶情報が読み出されると、特別乱数記憶手段67の記憶エリアA2〜A4に記憶されている各変動記憶情報が夫々記憶エリアA1〜A3にシフトされ(図10のS21)、更に変動記憶個数記憶エリアA0に記憶されている特別変動記憶個数の値から1が減算される(S22)。
そして、変動記憶個数判定手段58の減少時判定手段58bが特別変動記憶個数の減少を判定し、これに基づいて制御コマンド送信手段59が図柄制御基板43側に通常コマンドグループに属する特別変動記憶表示指定コマンドを送信する。即ち、減少後の特別変動記憶個数が3個の場合には「D003H」が(S23:Yes→S23a)、2個の場合には「D002H」が(S24:Yes→S24a)、1個の場合には「D001H」が(S25:Yes→S25a)、0個の場合には「D005H」が(S25:No→S26a)、夫々送信される。
また、制御コマンド送信手段59は、その特別変動記憶表示指定コマンドの送信と略同時に、変動パターンコマンド、左停止図柄コマンド、右停止図柄コマンド、中停止図柄コマンドを図柄制御基板43側に順次送信して特別図柄の変動開始を指示する(S27)。
図柄制御基板43側では、遊技制御手段50側から受信した特別変動記憶個数の減少に対応する特別変動記憶表示指定コマンドに基づいて、特別変動記憶個数表示制御手段84が、その時点で表示されている第2〜第4領域37b〜37dの変動記憶表示を1つずつ前側(第1領域37a側)にシフトさせると共に、第1領域37aに表示されていたキャラクターを特別図柄表示手段35側に移動させるようにアニメーション表示を行う(図13(a)〜(c))。
そして、第1領域37aから特別図柄表示手段35側に移動してきたキャラクター画像等が例えば画面外に消えた後、引き続き特別図柄表示手段35上で特別図柄制御手段82の制御による特別図柄の変動表示が開始される(図13(d))。ここで、第1領域37aから特別図柄表示手段35側に移動してきた画像がライオン、ゾウ、ダチョウ、キリンの何れかのキャラクターであった場合には、その特別図柄の変動はそのキャラクターに対応するリーチ変動パターンの何れかとなり、例えばリーチ発生後にそのキャラクターが再度登場してリーチ演出が行われる(図13(e))。
このように、第1領域37aの表示がライオン、ゾウ、ダチョウ、キリンの各表示態様であった場合には、その第1領域37aに表示されていたそれらのキャラクターが特別図柄表示手段35側に移動してそのまま変動パターンに従った演出動作に移って行くため、特別変動記憶個数表示手段36側と特別図柄表示手段35側との間の連携表示による更なる演出効果の向上が期待できると共に、特別変動記憶個数表示手段36側の第1〜第4領域37a〜37dの個々の表示態様が特別図柄の変動パターンに関連していることを遊技者に容易に認識させることができる。
特別図柄の変動開始後、その変動パターンに応じた所定の変動時間が経過した時点で制御コマンド送信手段59から図柄制御基板43側に変動停止コマンドが送信され(S28,S29)、この変動停止コマンドを受信した特別図柄制御手段82は、変動表示中の特別図柄を左、右、中の各停止図柄コマンドで指定された停止図柄で停止、確定させる(図13(f))。
変動後の特別図柄が特定態様となると、その後に第2利益状態発生手段54が作動して第2利益状態が発生し、大入賞手段27の開閉板27aが前側に開放する。大入賞手段27は、開放から所定時間(例えば30秒)が経過するか、所定時間(例えば30秒)の経過までに大入賞手段27に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞すれば、その時点で開閉板27aが閉じる。そして、入賞した遊技球が特定領域38を通過すれば、再度開閉板27aが開放し、最大所定回数(例えば16回)まで開閉動作を繰り返す。
このため、第2利益状態が発生すれば、大入賞手段27に多数の遊技球が入賞する可能性があり、遊技者はその入賞球数に応じて賞球の払い出しを受けることができ、多大な利益を享受することができる。
そして、第2利益状態が終了すると、第2利益状態の発生に起因する特別図柄が特定態様のうちの特別特定態様(例えば「7・7・7」)であった場合には、特別遊技状態発生手段57が作動して、特定態様の発生確率を通常確率から高確率へと変化させ、また特別図柄始動手段26の開放時間を通常開放時間から延長開放時間へと変化させる。その後は、特別判定手段68が高確率状態で特定態様とするか否かを判定するため、変動後の特別図柄が特定態様となる可能性が非常に高くなり、また特別図柄始動手段26に遊技球が入賞しやすくなって特別図柄の変動回数が増加するため、遊技者は通常よりも有利な状態でゲームを行うことができる。
特別遊技状態発生後、特別図柄が特定態様のうちの通常特定態様となって次の第2利益状態が発生するか、それまでに特別図柄が予め定められた所定回数変動すると、特別遊技状態発生手段57の作動が停止し、特定態様の発生確率が高確率から通常確率(低確率)へ、特別図柄始動手段26の開放時間が延長開放時間から通常開放時間へと復帰して特別遊技状態が終了する。
以上説明したように、本実施形態では、特別変動記憶表示指定コマンドとして、特別変動記憶個数に対応する複数種類のコマンドよりなるグループを、変動記憶情報の内容に応じて複数設けると共に、演出制御手段としての特別変動記憶個数表示手段84は、特別変動記憶表示指定コマンドに基づいて、特別変動記憶個数表示手段36による各変動記憶表示の表示態様として予め記憶された複数種類、即ちライオン、ゾウ、ダチョウ、キリン、不確定の各表示態様の何れかを用いるように構成されているため、変動記憶情報に係る将来の図柄変動に関する情報を変動記憶個数の表示演出に盛り込むことができ、遊技者の期待感をより一層向上させて興趣を更に増大させることができると共に、1つの特別変動記憶表示指定コマンドにより、特別変動記憶個数と表示態様の種類の2つの情報を遊技制御手段50から特別変動記憶個数表示制御手段84側に伝達することができる。
特別乱数記憶手段67及び演出用記憶手段67aに記憶される変動記憶情報は、特別図柄表示手段35による特別図柄の変動パターンに対応する変動パターン指定情報としてのリーチ変動パターン用乱数値を含み、特別変動記憶個数表示手段36は、リーチ変動パターン用乱数値に基づく所定の表示態様で特別変動記憶個数を表示するように構成されているため、遊技者は特別変動記憶個数表示手段36による個々の変動記憶情報に対応する表示態様によってその変動記憶情報に対応する将来の図柄変動における変動パターンを知ることができ、例えばその変動パターンの種類に応じて利益状態の発生に対する期待感を高揚させつつ遊技を行うことができる。
特別変動記憶個数表示手段36による表示態様は特別図柄の変動パターンで用いられるキャラクターによる表示を含み、変動記憶情報に対応する図柄変動が開始される際に、その変動記憶情報に対応して特別変動記憶個数表示手段36に表示されていたキャラクターを特別図柄表示手段35側に移動させ、そのキャラクターによる変動パターンを開始させるように構成されているため、特別変動記憶個数表示手段36側と特別図柄表示手段35側との間の連携表示による更なる演出効果の向上が期待できると共に、特別変動記憶個数表示手段36側の個々の表示態様が特別図柄の変動パターンに関連していることを遊技者に容易に認識させることができる。
特別図柄表示手段35と特別変動記憶個数表示手段36とを1つの表示手段30上に設けているため、上述した連携表示を容易且つより効果的に行うことができ、また制御系の構成を簡略化できる。
図14及び図15は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を変更して、外部操作可能な操作手段91を設け、この操作手段91が操作されることに基づいて特別変動記憶個数表示手段36の表示態様を変更するように構成した例を示している。
本実施形態では、遊技機本体1の前側の所定位置、例えば上皿カバー8の前側に、押しボタン式等の操作手段91が設けられている。操作手段91は、図14に示すように、前後方向に配置された略筒状のケース体92と、このケース体92の内部前側に前後方向摺動自在に嵌合された操作ボタン93と、ケース体92内に配置され且つ操作ボタン93を前向きに弾性付勢するコイルバネ等の付勢手段94と、ケース体92の後側等に配置された操作基板95とを備えている。
操作基板95の前側には、例えば操作手段91の操作が有効となる操作有効期間中に点灯するLED等の発光手段96と、当該操作手段91の操作、即ち操作ボタン93が押圧操作されたことを検出する略コの字型の近接スイッチ等よりなる操作検出手段97とが装着され、ケース体92の内側で且つ操作ボタン93の後側に配置されている。
操作ボタン93は、その前側の少なくとも一部分が透光性のある合成樹脂等で形成されており、その後側の発光手段96の点灯により発光して、操作有効期間中であることを遊技者に報知するようになっている。また、操作ボタン93の後部側には、後ろ向きの突起部93aが例えば一体に設けられており、操作有効期間中に操作ボタン93が付勢手段94に抗して押されたとき、その突起部93aが後方に移動して近接スイッチ等よりなる操作検出手段97により検出されるようになっている。
図15は、図柄制御基板43と操作手段91との接続関係を中心に示した制御系のブロック図である。遊技制御基板50、音声ランプ制御基板42等の構成については第1の実施形態と同様である。
報知制御手段85は、操作手段91の操作が有効な操作有効期間中であることを遊技者に報知すべく発光手段96の発光制御を行うもので、所定の操作有効期間中に操作手段91の発光手段96を所定の発光パターン(例えば連続発光)で発光させるようになっている。
本実施形態では、特別変動記憶個数表示手段36が所定の表示態様、例えば不確定表示態様による表示を行っている状態における所定期間、例えば不確定表示態様が出現してから所定時間(5秒間等)を操作有効期間とする。なお、この操作有効期間は、例えば報知制御手段85が、特別変動記憶個数表示手段36による不確定表示態様による表示中の任意期間をランダムに設定するようにしてもよい。また、報知制御手段85は、操作有効期間を設けるか否かを、例えば不確定表示態様による表示が行われる毎に乱数抽選等により選択するように構成してもよい。
また、特別変動記憶個数表示制御手段84は、所定の操作有効期間中に遊技者により操作ボタン93が操作され、その操作が操作検出手段97により検出されることに基づいて、例えば表示態様選択手段83においてリーチ変動パターンであるにも拘わらず不確定表示態様が選択された場合に、例えば所定の確率で、不確定表示態様による表示をそのリーチ変動パターンに対応するライオン表示態様等の表示態様に変更するようになっている。
このように、遊技者の外部操作に基づいて特別変動記憶個数表示手段36の表示態様を変更するように構成することで、演出効果が更に向上して興趣を喚起することができる。
なお、例えば操作有効期間が開始されたときに、発光手段96の発光と共に、或いは発光手段96の発光に代えて、特別図柄表示手段35、特別変動記憶個数表示手段36等の所定の表示手段上で操作有効期間となったことを遊技者に知らせるための報知、例えば「ボタンチャンス!」等の文言表示を行うようにしてもよい。また、操作有効期間となったことを音声により遊技者に報知するようにしてもよい。
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明はこれら各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では、特別乱数記憶手段67に記憶される変動記憶情報と同じ情報を演出用記憶手段67aにも記憶させて、その演出用記憶手段67aに記憶された変動記憶情報に基づいて特別変動記憶個数表示手段36による各変動記憶情報の内容に応じた演出を行うように構成したが、この演出用記憶手段67aを省略して、特別乱数記憶手段67に記憶された変動記憶情報を用いて特別変動記憶個数表示手段36による演出を行うように構成してもよい。
特別変動記憶個数表示手段36の表示領域を、変動記憶表示指定コマンド等に応じて拡大/縮小するようにしてもよい。この場合、全表示領域を一体として拡大/縮小してもよいし、例えば変動記憶表示を行う領域のみを拡大表示するなど、変動記憶表示に対応する個々の領域を個別に拡大/縮小するようにしてもよい。
特別変動記憶個数表示手段36は、各変動記憶表示を複数種類の表示態様に切り換え可能であればよく、例えば複数のランプの発光個数により特別変動記憶個数を報知する構成としてもよい。この場合には、例えば各ランプの発光色により変動パターンの種類等、変動記憶情報の内容を報知するようにすればよい。
特別変動記憶個数表示手段36は、液晶式、ランプ式の他、プラズマ式、ドット式、回転ドラム式、ベルト式、チェーン式等の表示手段を用いてもよく、また特別図柄表示手段35とは別の表示手段上に設けてもよい。
特別変動記憶個数表示手段36による表示態様は変動パターンの種類に対応するものであればよく、例えば「ライオン」「ゾウ」等、変動パターンに対応する文字画像による表示態様等であってもよい。
実施形態では、変動記憶情報の1つである変動パターン指定情報として、リーチ変動となる場合の変動パターンを決定するためのリーチ変動パターン用乱数値を用いたが、例えばリーチなし変動を含めた全ての変動パターンを決定するための変動パターン用乱数値を用いてもよい。また、特別図柄のリーチ変動パターンの種類は「ライオン」「ゾウ」等に限らないことは言うまでもない。更に、リーチなし外れ変動パターンを2つ以上設けてもよい。
実施形態では、変動記憶表示の表示態様として、変動記憶表示指定コマンドで指定されたリーチ種類(例えばライオンリーチ)に対応する表示態様(例えばライオン表示態様)と、不確定表示態様との何れかを一定の選択率で選択するように構成したが、それ以外の表示態様(例えばライオンリーチに対してゾウリーチ)を選択する場合を設けてもよいし、それら各表示態様の選択率を遊技状態や乱数抽選等により変化させるようにしてもよい。
変動記憶表示指定コマンドに、変動記憶個数や変動パターン以外の情報、例えば大当たり/外れ等の情報を含ませてもよい。例えば、「変動記憶表示2」「ライオンリーチ変動パターン」に対応する変動記憶表示指定コマンドのうち、大当たりに対応するものを「D102H」、外れに対応するものを「D112H」のように設定すればよい。演出制御手段側では、この変動記憶表示指定コマンドに含ませた大当たり/外れ情報等に基づいて任意の演出を行うことができる。
この場合、同じリーチ変動パターンに対応する変動記憶表示指定コマンドを受信した場合でも、大当たり/外れの何れに対応するかに応じて変動記憶表示の表示態様の選択率を異ならせるようにしてもよい。これにより、キャラクターが表示された時点で大当たりへの期待感を高めることができるなど、より多彩な演出が可能となる。
例えば、同じ「変動記憶表示2」「ライオンリーチ変動パターン」に対応する変動記憶表示指定コマンドであっても、大当たりに対応する「D102H」の場合にはライオン表示態様、ゾウ表示態様、不確定表示態様を夫々8/10、1/10、1/10の確率で選択し、外れに対応する「D112H」び場合には同じく夫々2/10、0/10、8/10の確率で選択するように構成すれば、遊技者は、変動記憶表示としてライオン表示態様が出現すれば大当たりの可能性が高いことを認識でき、変動記憶表示としてゾウ表示態様が出現したにも拘わらず実際の図柄変動ではライオンリーチが出現した場合には大当たりを確信できる。
実施形態では、変動記憶表示の表示態様の選択を演出制御手段側で行うように構成したが、遊技制御手段側で行うように構成してもよい。ただ、遊技制御手段側の負担軽減の観点からは、実施形態のように演出制御手段側で変動記憶表示の表示態様の選択を行う構成とすることが望ましい。
増加時判定手段58aによる変動パターンの判定結果を、特別乱数記憶手段67側に記憶させるようにしてもよい。これにより、特別乱数記憶手段67側へのリーチ判定用乱数値、リーチ変動パターン用乱数値の記憶を省略することが可能となり、また変動パターン選択手段56を省略することも可能である。
増加時判定手段58aによる判定中に変動記憶情報としての各種乱数値が更新されないことが保証される場合には、特別乱数取得手段66で取得された各種乱数値をそのまま用いて(即ち図9のステップS7〜S10を省略して)増加時判定手段58aによる判定を行うように構成してもよい。この場合にも演出用記憶手段67aを省略することが可能である。
特別変動記憶個数等の上限個数は4個に限られるものではなく、3個以下でもよいし5個以上であってもよい。また遊技状態に応じて可変としてもよいし、上限個数を設けなくてもよい。
特別遊技状態発生手段57で発生させる特別遊技状態としては、特別図柄が特定態様となる確率を通常状態よりも高確率とし、特別図柄始動手段26の開放時間を通常開放時間よりも長い延長開放時間に変化させるもの以外に、例えば特別図柄の変動時間を通常状態よりも短縮するもの、普通図柄が所定態様となる確率を通常状態よりも高確率とするもの、普通図柄の変動時間を通常状態よりも短縮するもの、大入賞手段27の開放のラウンド回数を増加(例えば通常5回を16回に増加)させるもの、大入賞手段27の1回の開放時間を増大(例えば通常10秒を30秒に増大)させるもの、大入賞手段27の規定入賞数を増加(例えば通常5個を10個に増加)させるもの、普通図柄始動手段25の上限変動記憶個数を増加(例えば通常4個を6個に増加)させるもの、特別図柄始動手段26の上限変動記憶個数を増加(例えば通常4個を6個に増加)させるもの、所定の役物に遊技球が入賞しやすくなる発射タイミング等を報知するもの等、種々の利益状態を用いることができる。また、それら複数種類の利益状態を同時或いは個別に発生させるようにしてもよい。
制御系の基板構成は適宜変更できる。例えば、図柄制御基板43を音声ランプ制御基板42よりも上位(遊技制御手段50側)に接続してもよいし、図柄制御基板43と音声ランプ制御基板42とを1つの基板で構成してもよいし、音声ランプ制御基板42を音声制御基板とランプ制御基板とに分けてもよい。また、遊技制御手段50を搭載した主制御基板41と図柄制御基板43や音声ランプ制御基板42等の各サブ基板とを一方向通信のみ可能に個別に接続してもよい。
演出制御手段としての特別変動記憶個数表示制御手段84は、音声ランプ制御基板42、図柄制御基板43等、どのサブ基板上に設けてもよいし、専用の基板上に設けてもよい。
操作手段91は、押しボタン式のものに限られるものではなく、スライド式、トグル式、レバー式、タッチパネル式等の種々の構成を採用できる。また、操作手段91を遊技制御手段50側に接続し、操作手段91からの検出信号に基づくコマンドをサブ基板側に送信するように構成してもよい。
また本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。