JP2004267241A - 縫合器 - Google Patents

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Abstract

【課題】縫合箇所を長くしつつ内臓を把持する把持部の小型化および操作性の向上を可能とする縫合器を得ること。
【解決手段】本発明の実施の形態に係る縫合器は、ステープル23を押し出すあご部31と、回動自在にあご部31に係合され、係合部を中心として回動によりあご部31とともに内臓を把持するアンビル部13と、あご部31およびアンビル部13の長手方向に沿って進行し、把持された内臓を切断するカッター18と、あご部31およびアンビル部13の係合部より先端に近い位置で引張力によりあご部31およびアンビル部13の把持力を増加させるワイヤー17とを備える。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば内視鏡手術などで使用され、腎臓、腸などといった内臓を縫合・切断する縫合器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の縫合器は、例えば、その先端にある把持部に、ステープルおよびカッターを収容するステープルカートリッジと、そのステープルカートリッジに対向しステープルの先端を折り曲げるアンビルとを備えている。従来の縫合器では、ステープルカートリッジとアンビルとにより内臓が把持され、そのステープルカートリッジ内にあるステープルがアンビルへと押し出されて、ステープルの先端がアンビルの凹部で折れ曲がり、その把持された部分が縫合される。そして、縫合された部分に沿ってカッターを進行させ、その部位を切断する。これにより、縫合と切断が一連の動作により行われる。
【0003】
ステープルにより正確に縫合するためには、ステープルカートリッジに対してアンビルを正確に固定し、ステープルの先端がアンビルの凹部に正確に接触する必要がある。ステープルの先端とアンビルの凹部を正確に配置するためには、内臓を確実に把持してステープルカートリッジとアンビルとを正確に配置させる必要がある。
【0004】
内臓を確実に把持してステープルカートリッジとアンビルとを正確に配置させる従来のものとしては、押し広げられたステープルカートリッジとアンビルの基端部に外筒を嵌合させてステープルカートリッジとアンビルとを閉じていくようにして内臓を把持させ、さらに、アンビルに係止軸を設け、ステープルカートリッジに可動の係止爪を設け、係止爪を係止軸に掛けてアンビルをステープルカートリッジ側へ引き寄せて内臓を確実に把持するものがある(例えば特許文献1参照)。
【0005】
また、従来の他のものとしては、アンビル部材の長手方向にスロットを設けるとともに、そのスロットに係合するカムプレートを設け、そのスロットにカムプレートを係合させ、さらにアンビルを押し広げるためのバネをアンビルとステープルカートリッジとの間に挿入した状態で、そのカムプレートを進行させることで、内臓を把持しアンビル部材をステープルカートリッジに対して一定位置に配置するように付勢するものがある(例えば特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−317322号公報(段落0020、図2)
【特許文献2】
特開平8−173437号公報(段落0012、図3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の縫合器では、内臓を確実に把持してステープルカートリッジとアンビルとを正確に配置させる機構が複雑であり、それに伴い小型化が困難であり、ひいては術中の操作性を向上させることが困難であるという問題がある。
【0008】
すなわち、特許文献1に記載の従来の縫合器では、係止軸、係止爪および係止爪の駆動機構を先端部に設けるため、小型化が困難であり、またそれに起因して操作性の向上が困難である。また、特許文献2に記載の従来の縫合器では、ステープルカートリッジの先端までカムプレートを進行させるため、カムプレートの長さをステープルカートリッジの長さと同程度とする必要があり、小型化が困難であり、またそれに起因して操作性の向上が困難である。
【0009】
先に、本発明者は、操作性を向上させた縫合器を発明した。図13は、その縫合器の具体例を示す斜視図である。図13に示す縫合器は、操作部が設けられたハンドル部101、ハンドル部101と把持部103を連結するシャフト部102、および内臓を把持する把持部103を備える。ハンドル部101には、シャフト部102および把持部103を回転させるための回転ダイヤル111、把持部103に内臓を把持させるためのクランプハンドル112、把持部103に縫合・切断を行わせるためのファイヤハンドル113、および把持部103による把持を解除するためのリリースハンドル114が設けられている。また、把持部103には、内臓を挟持するためのあご部121およびアンビル部122が設けられ、あご部121にはステープルを収容したステープルカートリッジ123が装着されている。また、シャフト部102には、回転ダイヤル111、クランプハンドル112、ファイヤハンドル113、およびリリースハンドル114に対する操作により生じた駆動力を、把持部103に伝達する図示せぬ伝達手段が設けられている。
【0010】
本発明は、上記の問題に鑑みて改良され、縫合箇所を長くしつつ内臓を把持する把持部の小型化および操作性の向上を可能とする縫合器を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の縫合器は、内臓を把持し、把持した部分をステープルで縫合しつつカッターにより切断する縫合器であって、ステープルを押し出すあご部と、あご部に係合され、係合部を中心として回動によりあご部とともに内臓を把持するアンビル部と、あご部およびアンビル部の長手方向に沿って進行し、把持された内臓を切断するカッターと、あご部およびアンビル部の係合部より先端に近い位置で引張力によりあご部およびアンビル部の把持力を増加させるワイヤーとを備える。
【0012】
この縫合器を利用すると、縫合箇所を長くしつつ内臓を把持する把持部の小型化および操作性の向上が可能となる。
【0013】
さらに、本発明の縫合器は、上記発明の縫合器に加え、ワイヤーが、一端をアンビル部に接続固定され、あご部を貫通して配置され、カッターがあご部およびアンビル部の長手方向の所定の位置より先に位置するときにあご部およびアンビル部の把持力を増加させるようにしたものである。
【0014】
この縫合器を利用すると、アンビル部の回動による把持力が弱まるあご部およびアンビル部の先端部分における把持力をワイヤーにより増加させることができ、あご部およびアンビル部の長手方向において把持力を比較的均一に保つことができる。
【0015】
さらに、本発明の縫合器は、上記発明の縫合器にいずれかに加え、あご部が、ステープルを内蔵したステープルカートリッジと、ステープルカートリッジを着脱可能に固定するカートリッジ支持部材とを有するものである。
【0016】
この縫合器を利用すると、使い捨てのステープルカートリッジを使用する場合でも、縫合箇所を長くしつつ内臓を把持する把持部の小型化および操作性の向上が可能となる。
【0017】
さらに、本発明の縫合器は、上記発明の縫合器のいずれかに加え、アンビル部の回動面に沿って形成されたアンビル部のフランジ部と、フランジ部においてアンビル部の長手方向に沿って斜めに形成された係合受け部と、操作に応じて長手方向に移動する作動軸部材と、作動軸部材に連結固定され、係合受け部に係合する係合凸部を有し、作動軸部材が長手方向に押し出されると、カム機構によりアンビル部を回動させ把持動作させる作動コマ部材とを備える。
【0018】
この縫合器を利用すると、把持動作時の作動軸部材の移動範囲が狭くて済み、把持部内における作動軸部材の移動のための空間を小さくできるため、把持部を小型化することができる。
【0019】
さらに、本発明の縫合器は、上記発明の縫合器のいずれかに加え、ワイヤーが、アンビル部におけるワイヤー固定部からカッターの進行方向の反対側を通ってあご部における貫通位置へ導かれているものである。
【0020】
この縫合器を利用すると、切断時にワイヤーによりカッターの進行が妨げられることがなく、円滑に縫合・切断を行うことができ、操作性を向上させることができる。
【0021】
さらに、本発明の縫合器は、上記発明の縫合器のいずれかに加え、下記の構造を有するものである。あご部が、長手方向に沿ってカッター進行用のスリットと、アンビル部におけるワイヤー固定部に対向する位置に貫通孔とを有し、ワイヤーが、把持力を増加させるときに、あご部における固定部からそのスリットを通って貫通孔へ直線的に導かれる。
【0022】
この縫合器を利用すると、ワイヤーの引張力の方向が把持のためのアンビル部による加重方向と一致するため、ワイヤーの引張力によりアンビル部およびあご部の把持力の増加を有効に行うことができる。
【0023】
さらに、本発明の縫合器は、上記発明の縫合器のいずれかに加え、下記の構造を有するものである。あご部が、操作に応じてアンビル部を動作させるための作動軸部材が配置される中空部と、ワイヤーを中空部に引込むための引込み孔と、ワイヤーの貫通位置から引込み孔までワイヤーの通るワイヤー溝とを有し、ワイヤーが、引込み孔を通り作動軸部材に沿って配置される。
【0024】
この縫合器を利用すると、把持部の外形を損ねずにワイヤーを敷設することができ、把持部の小型化および操作性の向上が可能となる。
【0025】
さらに、本発明の縫合器は、上記発明の縫合器のいずれかに加え、カッターを固定され、あご部におけるカッターの進行終端で切り返して配置され、引張力によりカッターを進行させるカッター駆動用ワイヤーを備える。
【0026】
この縫合器を利用すると、カッターの駆動にワイヤーを使用するため、把持部の小型化および操作性の向上が可能となる。
【0027】
さらに、本発明の縫合器は、上記発明の縫合器のいずれかに加え、下記の構造を有するものである。あご部は、操作に応じてアンビル部を動作させるための作動軸部材が配置される中空部と、カッター駆動用ワイヤーを中空部に引込むための引込み孔と、カッター駆動用ワイヤーの貫通位置から引込み孔までカッター駆動用ワイヤーの通るカッター駆動用ワイヤー溝とを有し、カッター駆動用ワイヤーが、引込み孔を通り作動軸部材に沿って配置される。
【0028】
この縫合器を利用すると、把持部の外形を損ねずにカッター駆動用ワイヤーを敷設することができ、把持部の小型化および操作性の向上が可能となる。
【0029】
本発明の縫合器は、内臓を把持し、把持した部分をステープルで縫合しつつカッターにより切断する縫合器であって、操作部に接続される円筒状の連結部と、ステープルを押し出すあご部と、ステープルを受けるアンビル部とを有し円筒状の外形を有する把持部と、連結部と把持部との間に設けられダブルヒンジ機構により所定の角度範囲で曲がる首振り部とを備える。
【0030】
この縫合器を利用すると、首振り部により、把持部のみの首振りが可能となり、連結部の姿勢を一定にしたままで把持部を体内の所望の部位に配置し易くなるため、操作性の向上が可能となる。
【0031】
さらに、本発明の縫合器は、上記発明の縫合器に加え、下記の構造を有するものである。首振り部は、2つのダブルヒンジを有する。それらのうちの第1のダブルヒンジは、第1のアームと、第1のアームの両端のそれぞれにおいてある首振り面内で回動する2つのヒンジとを有し、第2のダブルヒンジは、第1のアームとクロスする第2のアームと、第2のアームの両端のそれぞれにおいて首振り面内で回動する2つのヒンジとを有する。
【0032】
この縫合器を利用すると、首振り部の折れ曲がりが急峻にならず、内部に配置される操作用駆動力伝達手段などの接触抵抗を小さくすることができ、操作性を向上させることができる。
【0033】
さらに、本発明の縫合器は、上記発明の縫合器のいずれかに加え、連結部の長手方向に沿って押し引き可能な操作用ロッドを備える。そして、首振り部は、操作用ロッドを接続する操作用ロッド連結部を有する。
【0034】
この縫合器を利用すると、操作用ロッドの押し引きにより首振り部の首振り角度が制御され、簡単な構造で首振り操作を行うことができ、操作性の向上が可能となる。
【0035】
さらに、本発明の縫合器は、上記発明の縫合器に加え、操作用ロッドが、少なくとも2つのリンクを回動可能に接続して構成されるものである。
【0036】
この縫合器を利用すると、首振り部の首振り角度に応じて操作用ロッドも折れ曲がり、操作用ロッドと周囲との接触抵抗の増加を抑制でき、操作性の向上が可能となる。
【0037】
さらに、本発明の縫合器は、上記発明の縫合器のいずれかに加え、把持部と首振り部との間または首振り部と連結部との間に設けられ、把持部と首振り部とを、または首振り部と連結部とを、長手方向を軸として回転自在に接続する接続部を備える。
【0038】
この縫合器を利用すると、さらに、接続部により連結部を回転させずに把持部を回転させることが可能となり、連結部の姿勢を一定にしたままで把持部を体内の所望の部位に配置し易くなるため、操作性の向上が可能となる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0040】
図1は、本発明の実施の形態に係る縫合器を示す外観図である。また、図2は、本発明の実施の形態に係る縫合器を示す他の外観図である。なお、図1は、アンビル部13を閉じた状態を示す図であり、図2は、アンビル部13を開いた状態を示す図である。図1(A)および図2(A)は、平面図であり、図1(B)および図2(B)は、正面図であり、図1(C)および図2(C)は、底面図であり、図1(D)および図2(D)は、左側面図である。なお、背面図については、正面図と略左右対称となるため、省略する。
【0041】
図1および図2に示すように、本実施の形態に係る縫合器では、把持部41と、図示せぬ操作部に接続される連結部61とが、接続部材6,7およびアーム8,9により、回転自在かつ首振り自在に接続されている。
【0042】
連結部61は、連結部外筒1、および、互いに接合され連結部外筒1に挿入される連結部半円筒部材4,5を有し、全体として、円筒形状とされ、中空部を有する。その中空部には、後述の作動軸部材2、ワイヤー16およびカッター駆動用ワイヤー17が配置される。また、2つの連結部半円筒部材4,5のうちの一方の連結部半円筒部材4(操作時に縫合器の上側に配置される連結部半円筒部材4)には、長手方向に沿って図示せぬ溝が形成され、その溝と連結部外筒1とにより形成される空間には、把持部41を首振り(回頭)させるための操作用ロッド51が配置される。
【0043】
連結部61内に配置される作動軸部材2は、把持のための操作による駆動力を把持部41に伝達するための伝達手段である。さらに、作動軸部材2は、湾曲可能かつ摺動時の抵抗を減らすために、ポリエステルなどの樹脂製とされるとともに、小径の線に一定間隔で複数の大径の円形フランジを配した形状とされる。
【0044】
また、連結部61内に配置される操作用ロッド51は、操作により連結部61の長手方向に沿って押し引き可能であって、2つのリンク14,15を回動可能に接続して構成される。操作用ロッド51は、例えばステンレス鋼で形成される。
【0045】
連結部外筒1は、薄肉円筒の部材であり、連結部半円筒部材4,5は、それぞれ厚肉半円筒の部材であり、両者を接合すると、その外径が連結部外筒1の内径と略同一な円筒形状となり、連結部外筒1の内側に密に挿入可能となる。さらに連結部半円筒部材4,5のそれぞれの一端には、切り欠き部4a,5aが形成されている。この切り欠き部4aには、アーム9用の図示せぬ回動軸が、連結部半円筒部材4の長手方向に平行な端面に対して垂直に形成されている。なお、アーム8用の切り欠き部4a,5aは、背面側に同様に形成されている(図示せず)。連結部外筒1および連結部半円筒部材4,5は、例えばステンレス鋼で形成される。
【0046】
アーム8,9は、連結部61の外径と略同一の外径で略半周だけ螺旋状に周回する湾曲形状を有し、その外形は、把持部41を連結部61と平行に配置した際に、径方向において把持部41および連結部61の外縁より突出しない形状となっている。さらに、アーム8,9のそれぞれ両端には、図示せぬ連結用の孔が設けられている。この孔は、連結部61との連結および後述の接続部材6,7との連結に使用される。アーム8,9は、例えばステンレス鋼で形成される。
【0047】
そして、アーム8,9の一端に形成された孔に連結部半円筒部材4の回動軸を挿入させ、アーム8,9のそれぞれの一端を挟み込みつつ連結部半円筒部材4,5を接合させることで、接合後の連結部半円筒部材4,5は、略円筒形状となり、さらに、連結部外筒1に挿入される。これにより、アーム8,9は、連結部半円筒部材4,5の接合面に平行な面内で回動自在に連結部61に接続される。
【0048】
また、2つのアーム8,9のうちの一方のアーム8(操作時に縫合器の上側に配置されるアーム8)には、操作用ロッド連結部8aが形成され、操作用ロッド連結部8aおよびリンク14の接続によりアーム8と操作用ロッド51とが回動自在に連結される。
【0049】
また、接続部材6,7は、それぞれ略半円筒形状を有し、それぞれの一端には、アーム8,9接続用の切り欠き部6a,7aが形成され、他端には、ピン11,12係合用の溝(図12参照)が、接続部材6,7の接合時にリング状になるように形成されている。さらに、接続部材6の切り欠き部6aには、アーム8用の図示せぬ回動軸が、接続部材6の長手方向に平行な端面に対して垂直に形成されている。なお、アーム9用の切り欠き部6a,7aおよび回動軸は、背面側に同様に形成されている(図示せず)。
【0050】
そして、接続部材6のアーム8,9用回動軸をアーム8,9の他端に形成された孔に挿入させ、アーム8,9のそれぞれの他端を挟み込みつつ接続部材6,7を接合させることで、接合後の接続部材6,7は、略円筒形状となり、さらに、カートリッジ支持部材10に挿入される。これにより、アーム8,9は、接続部材6,7の接合面に平行な面内で回動自在に接続部材6,7による接続部に接続される。また、接合後の接続部材6,7は、カートリッジ支持部材10に挿入された後、回動自在に把持部41にピン止めされる。
【0051】
このようにして、連結部半円筒部材4,5、アーム8および接続部材6,7による第1のダブルヒンジ、並びに連結部半円筒部材4,5、アーム9および接続部材6,7による第2のダブルヒンジという2つのダブルヒンジを有する首振り部71が構成される。
【0052】
次に、本実施の形態に係る縫合器の先端部分である把持部41の構造について説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る縫合器におけるアンビル部13の一部を切り欠いて示す斜視図である。図3(A)は、アンビル部13を閉じた状態の各部の配置を示す図であり、図3(B)は、アンビル部13を開いた状態の各部の配置を示す図である。図4は、本発明の実施の形態に係る縫合器におけるあご部31を示す斜視図である。図5は、本発明の実施の形態に係る縫合器における、ステープルカートリッジ21に内蔵されるステープル23、ステープル23の台座26,27、並びに、ステープル23の押出部材19、カッター18およびカッター駆動用ワイヤー16の配置関係を示す斜視図である。
【0053】
把持部41は、作動コマ部材3と、アンビル部13と、カートリッジ支持部材10およびステープルカートリッジ21によるあご部31とから構成される。
【0054】
作動コマ部材3は、図3(A)に示すように略直方体形状を有し、作動軸部材2の先端に接続固定され、あるいは作動軸部材2と一体に成形され、カートリッジ支持部材10の中空部10jに配置される。さらに、作動コマ部材3の対向する1組の面には、同一直線上に、対向して、カム機構用の2つのコマ3aが形成され、作動コマ部材3の先端側には、カッター18が最も連結部61側に位置するときに収納される凹形状のカッター収納部3bが形成される。
【0055】
カートリッジ支持部材10は、図4に示すように円筒を階段状に切り欠いた形状に成形され、その一端が円筒形状とされており、中空部10jを有する。カートリッジ支持部材10は、例えばステンレス鋼で形成される。カートリッジ支持部材10の一端には、その切り欠き端面に平行な方向でかつ長手方向に垂直にピン固定孔10a,10bが形成されている。また、その切り欠き部分の連結部61側端部付近には、その切り欠き端面およびステープルカートリッジ21表面(平面)に平行な直線上で対向する2箇所に係合孔10cが形成される。その係合孔10cの把持部41先端側隣りには、カートリッジ支持部材10の長手方向に対して平行にカム長孔10dが形成されている。このカム長孔10dには、作動コマ部材3のコマ3aが係合し、このカム長孔10dによりガイドされて、作動コマ部材3が長手方向に平行に移動する。
【0056】
カートリッジ支持部材10の連結部61側の円筒端部には、互いに接合された接続部材6,7の他端が挿入され、ピン固定孔10a,10bにピン11,12が挿入されることでピン11,12が接続部材6,7の溝と係合し、カートリッジ支持部材10に接続部材6,7がピン止めされる。これにより、カートリッジ支持部材10は、接続部材6,7に対して長手方向を軸とした回転は可能であるが、長手方向に接続部材6,7から離脱しないように規制される。このようにして、アーム8,9などで構成される首振り部71および接続部材6,7による接続部により、把持部41と連結部61とが連結され、連結部61、首振り部71、接続部材6,7による接続部および把持部41のカートリッジ支持部材10の内部に作動軸部材2が配置される。
【0057】
さらに、カートリッジ支持部材10の中空部10jには、作動コマ部材3の他に、カッター18が配置される。カッター18は、図5に示すように、内臓切断用の刃を有し、アンビル部13およびステープルカートリッジ21の内臓への接触面に対して刃が略垂直となるようにカッター駆動用ワイヤー16に固定される。
【0058】
また、カートリッジ支持部材10に装着されるステープルカートリッジ21は、次のように構成される。図6は、本発明の実施の形態に係る縫合器におけるステープルカートリッジ21の構造を示す図である。図6(A)は、ステープルカートリッジ本体24、ケース25およびステープル23を示す斜視図であり、図6(B)は、ステープルカートリッジ本体24の底面図であり、図6(C)は、ケース25の底面図である。
【0059】
ステープルカートリッジ21は、ステープル23を収容した樹脂製のステープルカートリッジ本体24と、ステンレス鋼製のケース25と、ステープルカートリッジ本体24に収容されているステープル23を押し出すための押出部材19とから構成され、カードリッジ支持部材10に対して着脱可能とされる。このステープルカートリッジ21は、1回の縫合が完了しステープル23が空になると取り外され、次回の縫合の前に新しいものに付け替えられる。
【0060】
ステープルカートリッジ本体24には、中央に長手方向に沿ってカッター通過スリット24aと、カッター通過スリット24aの両脇に片側3列ずつのステープル収容孔24bと、ケース25と嵌合するための嵌合凸部24cが形成されている。各ステープル収容孔24bには、U字形状とされた例えばチタン製のステープル23が、その先端を孔入口に向けて収容される。また、ステープルカートリッジ本体24の底面には、押出部材19をガイドする4本のガイド溝24dが形成されている。さらに、ステープルカートリッジ本体24の底面側には、ステープル23を載置するための台座26,27(図6には図示せず、図5参照)が設けられる。なお、台座26,27は、把持部41による把持が解かれると、ステープル23と別離し、ステープルカートリッジ21内に残留する。台座26には、2つのステープル23が載置され、台座27には、1つのステープル23が載置される。また、3列のステープル収容孔24bのうちの、カッター通過スリット24aに最も近い列と最も遠い列では、カッター18の進行方向において同一位置にステープル収容孔24bが形成され、残りの1列では、カッター18の進行方向において他の2列におけるステープル収容孔24bの間にステープル収容孔24bが形成される。これにより、切断部分の両脇が長手方向に沿って連続的に縫合されることとなる。
【0061】
ケース25には、中央に長手方向に沿ってカッター通過スリット25aと、ステープルカートリッジ本体24と嵌合するための嵌合孔25bが形成される。
【0062】
そして、ステープルカートリッジ本体24とケース25との間には、押出部材19が配置される。押出部材19は、片側2枚合計4枚のブレード19a,19b,19c,19dを有する。これらの4枚のブレード19a,19b,19c,19dは、ステープルカートリッジ本体24の4本のガイド溝24dに係合される。各ブレード19a,19b,19c,19dにおいてステープル23の台座26,27に当接する面は傾斜している。この傾斜により、先端方向への押出部材19の進行に伴い、ブレード19a,19b,19c,19dに当接した台座26,27とその台座26,27に載置されたステープル23がアンビル部13に向けて押し上げられることとなる。なお、カッター18より先端側に押出部材19が配置されるため、押出部材19により、カッター18の通過する位置の両脇にステープル23が事前に打ち込まれる。
【0063】
そして、ステープルカートリッジ本体24の嵌合凸部24cとケース25の嵌合孔25bとを嵌合させることでステープルカートリッジ21が得られる。そして、そのステープルカートリッジ21がカートリッジ支持部材10の切り欠き部分に装着される。
【0064】
一方、アンビル部13は、例えばステンレス鋼で、把持時に内臓に接する先端側を略平板状に成形され、連結部61側をコの字形状に形成される。図7は、本発明の実施の形態に係る縫合器におけるアンビル部13単体を示す底面図である。アンビル部13のステープルカートリッジ21と対向し把持時に内臓に接する面には、図7に示すように、ステープルカートリッジ21に収納されるステープル23と同数のアンビル凹部13bが、ステープルカートリッジ21に収納されるステープル23と同様のパターンで配されている。アンビル凹部13eが、押し出されたステープル23の先端の当接を受けると、ステープル23の先端は折り曲がり、その部位がステープル止めされ縫合される。また、内臓切断時にカッター18をガイドするカッターガイド溝13fが中央において長手方向に平行に形成されている。一方、コの字形状における2つのフランジ部13aは、アンビル部13の連結部61側の一部(約3分の1程度の部位)においてアンビル部13の回動面に沿ってそれぞれ形成されており、各フランジ部13aには、アンビル部13の長手方向に沿って斜めに形成された係合受け部であるカム長孔13bと、カートリッジ支持部材10の係合孔10cに係合する係合凸部13cが形成される。
【0065】
係合凸部13cより把持部41先端側には、カム長孔13bが形成される。カム長孔13bは、作動コマ部材3のコマ3aの係合を受ける。この作動コマ部材3のコマ3aと、このカム長孔13bとによりカム機構により、アンビル部13は、作動コマ部材3の移動によって、係合孔10c(および係合凸部13c)を中心として回動することとなる。すなわち、作動コマ部材3が長手方向に移動すると、作動コマ部材3のコマ3aは、長手方向に対して平行に移動するが、カム長孔13bはその長手方向に対して斜めに形成されているため、アンビル部13は、係合孔10c(および係合凸部13c)を中心として回動することとになり、これにより、アンビル部13の内側平面とステープルカートリッジ21の平面とが平行に保たれる。なお、回動の中心となる係合孔10c(および係合凸部13c)は、回動前後で長手方向に移動しないため、アンビル部13とステープルカートリッジ21との位置合わせの精度が良好となる。
【0066】
ここで、カッター駆動用ワイヤー16によるカッター18の駆動機構、およびワイヤー17による把持部41の先端部分における把持力の増加のための機構について説明する。図8は、本発明の実施の形態に係る縫合器の一部を切り欠いて示す斜視図である。図9は、本発明の実施の形態に係る縫合器のうちの把持部の断面図である。
【0067】
カッター駆動用ワイヤー16は、カッター18を前進および後退させるためのワイヤーである。このカッター駆動用ワイヤー16には、例えばステンレス鋼線が使用される。また、ワイヤー17は、引張力によりあご部31およびアンビル部13の把持力を増加させるためのワイヤーである。このワイヤー17には、例えばステンレス鋼線が使用される。
【0068】
カッター駆動用ワイヤー16を敷設するために、作動軸部材2には切り欠き部2a,2bが形成され、カートリッジ支持部材10の先端でステープルカートリッジ21とカートリッジ支持部材10とにより貫通孔10iが形成され、さらに、カートリッジ支持部材10には、底面側に長手方向に沿って貫通孔10iからワイヤー導通溝10eが形成され、ワイヤー導通溝10eの終端に引込み孔10hが形成されている。
【0069】
つまり、カッター駆動用ワイヤー16は、連結部61の中空部から、首振り部71のアーム8,9の湾曲内側で作動軸部材2の切り欠き部2aを通って、把持部41では作動コマ部材3とカートリッジ支持部材10との間、貫通孔10i、ワイヤー導通溝10eおよび引込み孔10hを経て、再度、作動コマ部材3とカートリッジ支持部材10との間と、首振り部71のアーム8,9の内側で作動軸部材2の切り欠き部2bを通って、連結部61の中空部へと導かれる。そして、作動コマ部材3と貫通孔10iとの間で、カッター18がカッター駆動用ワイヤー16に固定されている。また、ステープルカートリッジ21がカートリッジ支持部材10に装着されると、押出部材19が、カッター駆動用ワイヤー16上における収納時のカッター18と貫通孔10gとの間でかつカッター18に隣接して載置される。
【0070】
これにより、カッター駆動用ワイヤー16の一端を引張ることでカッター18が把持部41の先端へ向けて進行し、他端を引張ることでカッター18が作動コマ部材3側へ向けて後退する。また、押出部材19は、カッター18が把持部41の先端へ向けて進行する際にカッター18の当接を受け、カッター18とともに同一方向へ進行することとなる。なお、カッター駆動用ワイヤー16の両端を結合してループ状としてもよく、その場合には、一方向へカッター駆動用ワイヤー16を引張るとカッター18が進行し、逆方向へ引張るとカッター18が後退する。なお、カッター18は、アンビル部13のカッターガイド溝13f、およびステープルカートリッジ21のカッター通過スリット24a,25aによるガイドを受けて長手方向において前進および後退する。また、押出部材19は、前進するカッター18に押され、ステープルカートリッジ21のガイド溝24dによるガイドを受けてステープルカートリッジ本体24とケース25との間で長手方向に進行していき、そのステープルカートリッジ21での縫合が完了した後もステープルカートリッジ21の先端部分内に残留する。カッター18を前進し内臓を切断する際には、カッター駆動用ワイヤー16には、図示せぬ操作部により7キログラム重程度の引張力が掛けられる。
【0071】
一方、把持部41における把持力の増加させるワイヤー17を敷設するために、アンビル部13には、ワイヤー17の一端を固定するワイヤー固定部13dと、ワイヤー固定部13dからカッター18の収納位置まで、アンビル部13のカッターガイド溝13fと同位置にカッターガイド溝13fより深く刻まれたワイヤー導通溝13gとが形成され、カートリッジ支持部材10には、ワイヤー固定部13dに対向する位置の貫通孔10gと、貫通孔10gから引込み孔10hまでのワイヤー導通溝10fとが形成され、作動軸部材2には、図示せぬ中空部が形成されている。ワイヤー固定部13dは、樹脂や金属の係止片をワイヤー17の終端に設けて凹部に係止させる方法、樹脂や金属などによるろう付けなどにより実現される。また、本実施の形態では、ワイヤー固定部13dは、アンビル部13の回動中心から最も先端のステープル23の収納位置までの間の略中央の位置に設けられる。ただし、ワイヤー固定部13dの位置は、ステープルカートリッジ21の長さ、ステープルカートリッジ21とアンビル部13との間隙の広さ、把持する内蔵の種類、あご部31およびアンビル部13による把持力の強さなどに応じて設定してよい。
【0072】
つまり、ワイヤー17は、ワイヤー固定部13dから、アンビル部13のワイヤー導通溝13gを通って、カッター18と作動コマ部材3との間、カッター18および押出部材19とカートリッジ支持部材10との間、貫通孔10g、ワイヤー導通溝10fおよび引込み孔10hを経て、作動コマ部材3とカートリッジ支持部材10との間と、首振り部71のアーム8,9の内側で作動軸部材2の中空部を通って、連結部61の中空部へと導かれる。
【0073】
これにより、カッター18がワイヤー固定部13dおよび貫通孔10gより把持部41先端側に位置するときに、連結部61内へ導通されているワイヤー17の一端を操作部の方向へ引張ることで、ワイヤー17は、ワイヤー固定部13dからステープルカートリッジ21のカッター通過スリット24a,25aを通って直線的に貫通孔10gへ向かって引張られ、アンビル部13に対してあご部31の方向への引張り加重が掛かり、把持部41による把持力が増加することとなる。アンビル部13の回動中心から最も先端のステープル23の収納位置までが約6センチメートルであり、アンビル部13の回動中心から約3センチメートルの位置にワイヤー固定部13dが設けられているとき、ワイヤー17により把持力を増加させる際にはワイヤー17には、図示せぬ操作部により20キログラム重程度の引張力が掛けられる。
【0074】
すなわち、カッター18がワイヤー固定部13dおよび貫通孔10gより連結部61側に位置するときには、アンビル部13およびカートリッジ支持部材10と作動コマ部材3とのカム機構による加重が、アンビル部13とあご部31との間の内臓に掛かる。一方、カッター18がワイヤー固定部13dおよび貫通孔10gより把持部41先端側に位置するときには、アンビル部13およびカートリッジ支持部材10と作動コマ部材3とのカム機構による加重、並びにワイヤー17の引張力による加重が、アンビル部13とあご部31との間の内臓に掛かる。
【0075】
アンビル部13およびカートリッジ支持部材10と作動コマ部材3とのカム機構による回動の中心に近い位置では、カム機構による加重が大きいが、把持部41先端に近づくほど、支点から作用点までの距離が長くなるため、カム機構による加重が小さくなるが、本実施の形態に係る縫合器では、カム機構による加重が小さくなる先端側の部分を縫合する際には、ワイヤー17の引張力による加重が追加される。これにより、ステープルカートリッジ21の長手方向全域にわたって良好な加重で内臓が把持され、ステープル23とアンビル凹部13eとの位置が正確に合わせられる。
【0076】
上述のようにして本実施の形態に係る縫合器は構成される。この縫合器のうち、ステープルカートリッジ21は、着脱可能とされ、1回の縫合ごとに交換される。その他の部分は、10回程度の縫合に反復的に使用される。そのため、ステープルカートリッジ21以外の部分は、10回程度の縫合に耐え得る強度とされ、また、必要に応じて滅菌洗浄される場合には、それに耐え得る材質・構造とされる。あるいは、その部分を、10回以上の継続的なリユースに耐え得る材質・構造としてもよい。現在、医療業界では使い捨て器具の不適切なリユースが問題視されているため、できる限り、器具をリユース可能とすることが望ましい。
【0077】
次に、上記縫合器の回頭動作について説明する。図10は、本発明の実施の形態に係る縫合器における把持部41の回転を示す斜視図である。図11は、本発明の実施の形態に係る縫合器における把持部41の首振りを示す平面図である。
【0078】
本実施の形態の縫合器は、内視鏡手術などに使用される。内視鏡手術では、まず、トロッカーを打ち込むことによりトロッカー外筒を体表に貫通させて配置し、そのトロッカー外筒に、内視鏡、縫合器といった手術器具などを挿通させ、術者が、内視鏡による体内の映像を見ながら手術器具を操作して手術を行う。
【0079】
縫合器の挿入時には、円筒形状のトロッカー外筒の内壁に干渉しないように、縫合器のアンビル部13は閉じられた状態とされる。そして、挿入後、縫合器の先端が目標となる内臓の部位に到達するように縫合器は操作される。その際、縫合器の先端は、体表に対して垂直に近い状態で体内に挿入されるため、縫合器の先端を目標となる内臓の部位に的確な姿勢で到達させる必要がある。
【0080】
本実施の形態の縫合器では、把持部41の回転と、アーム8,9による首振り部71の首振り(回頭)とにより、把持部41を目標となる内臓の部位に的確な姿勢で到達させることを可能としている。
【0081】
すなわち、操作に応じて、作動軸部材2に対して回転力が加えられると、作動軸部材2は、長手方向を軸として回転しようとするが、その際、作動軸部材2に連結固定された作動コマ部材3も併せて回転しようとする。作動コマ部材3のコマ3aはカートリッジ支持部材10のカム長孔10dおよびアンビル部13のカム長孔13bに係合しているため、その回転力により作動コマ部材3に併せてカートリッジ支持部材10およびアンビル部13も回転しようとする。そして、接続部材6,7とカートリッジ支持部材10との間が回転自在に接続されているため、図10に示すように、アーム8,9および連結部61は回転することなく、カートリッジ支持部材10およびアンビル部13を含む把持部41が回転する。
【0082】
したがって、例えば図13に示すような回転ダイヤル111と同様な回転ダイヤルを本実施の形態に係る縫合器の操作部に設け、その回転ダイヤルの回転を作動軸部材2に伝達することで、術者による把持部41の回転操作が可能となる。
【0083】
また、術者の操作に応じて、操作用ロッド51が押し出されると、図11(A)に示すようにアーム8が、連結部61との接続点(切り欠き部4aの回動軸)を中心に、連結部半円筒部材4を上側、連結部半円筒部材5を下側にして把持部41先端に向かって右方向に回動し、操作用ロッド51が引き込まれると、図11(B)に示すようにアーム8が、左方向(すなわち逆方向)に回動する。その際、操作用ロッド51は、リンク14とリンク15との接続点において適度に折れ曲がる。アーム8が回動すると、アーム9に規制されつつ、アーム8に接続された接続部材6,7が、アーム8,9による首振り部71の略中央を中心として旋回し、接続部材6,7に接続された把持部41も同時に旋回する。そして、ある角度まで把持部41が旋回すると、アーム8の側面が接続部材6,7に当接し、および/または、アーム9の側面が連結部半円筒部材4,5に当接してそれ以上の旋回が制限される。
【0084】
したがって、回転ダイヤル、回動レバーなどを本実施の形態に係る縫合器の操作部に設け、その回転ダイヤル、回動レバーなどの回転を操作用ロッド51の押し引きに変換することで、術者による把持部41の首振り操作が可能となる。
【0085】
次に、縫合・切断の際の上記縫合器の動作について説明する。図12は、本発明の実施の形態に係る縫合器の一部を切り欠いて縫合・切断動作を説明する正面図である。図12(A)は、カッター18が収納されている状態の図である。図12(B)は、カッター18がワイヤー固定部13dおよび貫通孔10gの位置を通過しそれより先端側に位置する状態の図である。図12(C)は、カッター18が最も先端まで進行した状態の図である。
【0086】
縫合・切断前においては、まず、作動軸部材2が先端方向に押し出されてカートリッジ支持部材10とアンビル部13とによるカム機構の加重により内臓が把持された状態とされる。その時点では、図12(A)に示すように、カッター18は、作動コマ部材3付近に収納されており、カッター駆動用ワイヤー16およびワイヤー17には引張力は掛けられていない。
【0087】
したがって、例えば、図13に示すクランプハンドル112と同様のクランプハンドルを本実施の形態に係る縫合器の操作部に設け、そのクランプハンドルを引くことで、作用軸部材2が押し出されるようにすることで、術者による把持部41の把持操作が可能となる。
【0088】
そして、その状態で、カッター駆動用ワイヤー16の一端が引張られると、カッター駆動用ワイヤー16に固定されたカッター18は、把持部41先端に向かって進行する。その際、押出部材19は、カッター18とともに進行する。そして、押出部材19の進行に伴い、押出部材19の通過位置に配置されている台座26,27とともにステープル23が押し上げられ、その部位がステープル23により縫合され、後続のカッター18の進行により、縫合された2つの部位の中間が切断される。その際、ワイヤー17は、カッター駆動用ワイヤー16とともに徐々に引き込まれる。ただし、常に、ワイヤー17は、カッター18を追い越すことはない。
【0089】
したがって、例えば、図13に示すファイヤハンドル113と同様のファイヤハンドルを設け、そのファイヤハンドルを引くことで、カッター駆動用ワイヤー16およびワイヤー17のそれぞれの一端が引き込まれるようにすることで、術者による縫合・切断操作が可能となる。
【0090】
そして、操作に伴い、カッター18がワイヤー固定部13dおよび貫通孔10gの位置を通過すると、ワイヤー17は、所定の引張力で引っ張られて、図12(B)に示すように、ワイヤー固定部13dからカッター通過スリット24aを通って貫通孔10gへ直線的に配置される。そして、このワイヤー17の張力により、アンビル部13には、あご部31方向への加重が追加される。これにより、把持部41の先端に近い部分でも適切な加重が掛かり、ステープル23とアンビル凹部13eとの位置が正確に合う。
【0091】
さらに、術者の操作に伴い、カッター18がワイヤー固定部13dおよび貫通孔10gの位置を通過した後は、ワイヤー17はほとんど引き込まれず、ワイヤー17に一定の引張力が掛かった状態となる。一方、操作に伴い、カッター駆動用ワイヤー16は、継続して引き込まれていき、それに伴ってカッター18が継続して進行していく。そして、カッター18および押出部材19は、すべてのステープル23を押し出しそれによる2本の縫合箇所の間を切断し、図12(C)に示すように、先端部まで到達すると、それ以上進まない状態となる。
【0092】
このようにして、ステープルカートリッジ21に内蔵されたすべてステープル23が押し出され、縫合・切断が完了する。なお、縫合の途中からワイヤー17に張力が掛かるが、操作上では、1つの操作手段に対する一様な操作で、上述のようにワイヤーを動作させる機構とすれば、術者によるワイヤー17に対する個別の操作は不要となる。
【0093】
このように、カッター18は前進して切断を行うが、縫合・切断の完了後、術者の操作により、ワイヤー17を緩めて、カッター駆動用ワイヤー16を逆方向へ引張ることで、カッター18を収納位置まで戻すことができる。
【0094】
以上のように、上記実施の形態に係る縫合器は、ステープル23を押し出すあご部31と、あご部31に係合され、係合部(係合孔10cおよび係合凸部13c)を中心として回動によりあご部31とともに内臓を把持するアンビル部13と、あご部31およびアンビル部13の長手方向に沿って進行し、把持された内臓を切断するカッター18と、あご部31およびアンビル部13の係合部より先端に近い位置で引張力によりあご部31およびアンビル部13の把持力を増加させるワイヤー17とを備える。
【0095】
これにより、あご部31およびアンビル部13の把持の比較的弱い部分をワイヤー17により増強することで、良好に把持しつつ縫合箇所を長くすることができ、さらに把持部41への駆動力の伝達手段としてワイヤー17を使用することで、内臓を把持する把持部の小型化および操作性の向上が可能となる。
【0096】
さらに、上記実施の形態によれば、ワイヤー17が、一端をアンビル部13に接続固定され、あご部31を貫通して配置され、カッター18があご部31およびアンビル部13の長手方向の所定の位置より先に位置するときにあご部31およびアンビル部13の把持力を増加させる。
【0097】
これにより、アンビル部13の回動による把持力が弱まるあご部31およびアンビル部13の先端部分における把持力をワイヤー17により増加させることができ、あご部31およびアンビル部13の長手方向において把持力を比較的均一に保つことができる。
【0098】
さらに、上記実施の形態によれば、あご部31が、ステープル23を内蔵したステープルカートリッジ21と、ステープルカートリッジ21を着脱可能に固定するカートリッジ支持部材10とを有する。
【0099】
これにより、使い捨てのステープルカートリッジ21を使用する場合でも、縫合箇所を長くしつつ内臓を把持する把持部の小型化および操作性の向上が可能となる。
【0100】
さらに、上記実施の形態によれば、把持部41は、アンビル部13の回動面に沿って形成されたアンビル部13のフランジ部13aと、フランジ部13aにおいてアンビル部13の長手方向に沿って斜めに形成されたカム長孔13bと、操作に応じて長手方向に移動する作動軸部材2と、作動軸部材2に連結固定され、カム長孔13bに係合するコマ3aを有し、作動軸部材2が長手方向に押し出されると、カム機構によりアンビル部13を回動させ把持動作させる作動コマ部材3とを備える。
【0101】
これにより、把持動作時の作動軸部材2の移動範囲が狭くて済み、把持部41内における作動軸部材2の移動のための空間を小さくできるため、把持部41を小型化することができる。
【0102】
さらに、上記実施の形態によれば、ワイヤー17が、アンビル部13におけるワイヤー固定部13dからカッター18の進行方向の反対側を通ってあご部31の貫通位置(貫通孔10g)へ導かれているものである。
【0103】
これにより、切断時にワイヤー17によりカッター18の進行が妨げられることがなく、円滑に縫合・切断を行うことができ、操作性を向上させることができる。
【0104】
さらに、上記実施の形態によれば、あご部31が、長手方向に沿ってカッター18進行用のカッター通過スリット24aと、ワイヤー固定部13dに対向する位置に貫通孔10gとを有し、ワイヤー17が、把持力を増加させるときに、アンビル部13におけるワイヤー固定部13dからそのスリットを通って貫通孔10gへ直線的に導かれる。
【0105】
これにより、ワイヤー17の引張力の方向がアンビル部13による把持のための加重方向と一致するため、ワイヤー17の引張力によりアンビル部13およびあご部31の把持力の増加を有効に行うことができる。
【0106】
さらに、上記実施の形態によれば、あご部31が、操作に応じてアンビル部13を動作させるための作動軸部材2が配置される中空部10jと、ワイヤー17を中空部10jに引込むための引込み孔10hと、ワイヤー17の貫通位置から引込み孔までワイヤーの通るワイヤー溝10fとを有し、ワイヤー17が、引込み孔10hを通り作動軸部材2に沿って配置される。
【0107】
これにより、把持部41の外形を損ねずにワイヤー17を敷設することができ、把持部41の小型化および操作性の向上が可能となる。
【0108】
さらに、上記実施の形態によれば、カッター駆動用ワイヤー16は、カッター18を固定され、あご部31におけるカッター18の進行終端で切り返して配置され、引張力によりカッター18を進行させる。
【0109】
これにより、カッター18の駆動にワイヤー16を使用するため、把持部41の小型化および操作性の向上が可能となる。
【0110】
さらに、上記実施の形態によれば、あご部31は、カッター駆動用ワイヤー16の貫通位置から引込み孔10hまでカッター駆動用ワイヤー16の通るカッター駆動用ワイヤー溝10eを有し、カッター駆動用ワイヤー16が、引込み孔10hを通り作動軸部材2に沿って配置される。
【0111】
これにより、把持部41の外形を損ねずにカッター駆動用ワイヤー16を敷設することができ、把持部41の小型化および操作性の向上が可能となる。
【0112】
また、上記実施の形態に係る縫合器は、操作部に接続される円筒状の連結部61と、ステープル23を押し出すあご部31とステープル23を受けるアンビル部13とを有し円筒状の外形を有する把持部41と、連結部61と把持部41との間に設けられダブルヒンジ機構により所定の角度範囲で曲がる首振り部71とを備える。
【0113】
これにより、把持部41のみの首振りが可能となり、連結部61の姿勢を一定にしたままで把持部41を体内の所望の部位に配置し易くなるため、操作性の向上が可能となる。
【0114】
さらに、上記実施の形態によれば、首振り部71は、2つのダブルヒンジを有する。そのうちの第1のダブルヒンジは、アーム8と、アーム8の両端のそれぞれにおいてある首振り面内で回動する2つのヒンジとを有し、第2のダブルヒンジは、アーム8とクロスするアーム9と、アーム9の両端のそれぞれにおいて同一の首振り面内で回動する2つのヒンジとを有する。
【0115】
これにより、首振り部71の折れ曲がりが急峻にならず、首振り部71の内部に配置される作動軸部材2などの接触抵抗を小さくすることができる。
【0116】
さらに、上記実施の形態によれば、連結部61の長手方向に沿って押し引き可能な操作用ロッド51を備える。そして、首振り部71は、操作用ロッドを接続する操作用ロッド連結部8aを有する。
【0117】
これにより、操作用ロッド51の押し引きにより首振り部71の首振り角度が制御され、簡単な構造で首振り操作を行うことができ、操作性の向上が可能となる。
【0118】
さらに、上記実施の形態によれば、操作用ロッド51が、少なくとも2つのリンク14,15を回動可能に接続して構成される。
【0119】
これにより、首振り部71の首振り角度に応じて操作用ロッド51も折れ曲がり、操作用ロッド51と周囲との接触抵抗の増加を抑制でき、操作性の向上が可能となる。
【0120】
さらに、上記実施の形態によれば、接続部材6,7による接続部が、把持部41と首振り部71との間に設けられ、把持部41と首振り部71とを、長手方向を軸として回転自在に接続する。
【0121】
これにより、連結部61を回転させずに把持部41を回転させることが可能となり、連結部61の姿勢を一定にしたままで把持部41を体内の所望の部位に配置し易くなるため、操作性の向上が可能となる。
【0122】
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0123】
例えば、上記実施の形態では、ワイヤー17をアンビル部13に固定し、あご部31において貫通させているが、その代わりに、ワイヤー17をあご部31に固定し、アンビル部13を貫通させるようにしてもよい。
【0124】
また、上記実施の形態におけるあご部31は、ステープルカートリッジ21が着脱可能とされているが、ステープルカートリッジがあご部31に固定されており、あご部31全体が使い捨てとされる場合でも同様に本発明を適用することができる。
【0125】
また、上記実施の形態における各部の材質は、上述したものに限定されず、手術において各部に加わる力、重量、滅菌消毒への耐性などの条件を満たすものであれば、他のものでもよい。
【0126】
また、上記実施の形態において、接続部材6,7を把持部41に固定し、回転自在の接続部を、首振り部71と連結部61との間に設け、首振り部71と連結部61とを、長手方向を軸として回転自在に接続するようにしてもよい。
【0127】
また、上記実施の形態において、連結部61を図示せぬ操作部に対して回動自在に接続し、回転ダイヤル111と同様の回転ダイヤルを操作部に別途設け、その回転ダイヤル111により連結部61およびその先の部分が回動するようにしてもよい。その場合、連結部61の回転により、把持部41、接続部および首振り部71、すなわち連結部61より先端側の部分もすべて併せて回転する。これにより、首振り部71の首振り方向を回転させることが可能となる。また、把持の方向(アンビル部13の回動方向)が、作動軸部材2の回転、および連結部61の回転という2つの方法でそれぞれ変更可能となる。
【0128】
また、上記実施の形態において、把持力増加用のワイヤー17を複数本、長手方向の別々の位置に設けるようにしてもよい。
【0129】
なお、本発明の縫合器の先端部の回頭機構および回転機構については、他の内視鏡手術器具にも応用が可能である。
【0130】
【発明の効果】
本発明によれば、縫合箇所を長くしつつ内臓を把持する把持部の小型化および操作性の向上を可能とする縫合器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る縫合器を示す外観図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係る縫合器を示す他の外観図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態に係る縫合器におけるアンビル部の一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態に係る縫合器におけるあご部を示す斜視図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態に係る縫合器における、ステープルカートリッジに内蔵されるステープル、ステープルの台座、並びに、ステープルの押出部材、カッターおよびカッター駆動用ワイヤーの配置関係を示す斜視図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態に係る縫合器におけるステープルカートリッジの構造を示す図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態に係る縫合器におけるアンビル部単体を示す底面図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態に係る縫合器の一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態に係る縫合器のうちの把持部の断面図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態に係る縫合器における把持部の回転を示す斜視図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態に係る縫合器における把持部の首振りを示す平面図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態に係る縫合器の一部を切り欠いて縫合・切断動作を説明する正面図である。
【図13】図13は、他の縫合器の参考例を示す斜視図である。
【符号の説明】
2 作動軸部材
3 作動コマ部材
3a コマ(係合凸部)
6,7 接続部材(接続部)
8 アーム(第1のアーム)
8a 操作用ロッド連結部
9 アーム(第2のアーム)
10 カートリッジ支持部材
10e ワイヤー導通溝(カッター駆動用ワイヤー溝)
10g 貫通孔
10j 中空部
10h 引込み孔
10f ワイヤー導通溝(ワイヤー溝)
13 アンビル部
13a フランジ部
13b カム長孔(係合受け部)
13d ワイヤー固定部
14,15 リンク
16 カッター駆動用ワイヤー
17 ワイヤー
18 カッター
21 ステープルカートリッジ
23 ステープル
24a カッター通過スリット(スリット)
31 あご部
41 把持部
51 操作用ロッド
61 連結部
71 首振り部

Claims (14)

  1. 内臓を把持し、把持した部分をステープルで縫合しつつカッターにより切断する縫合器において、
    ステープルを押し出すあご部と、
    上記あご部に係合され、係合部を中心として回動により上記あご部とともに内臓を把持するアンビル部と、
    上記あご部および上記アンビル部の長手方向に沿って進行し、把持された内臓を切断するカッターと、
    上記あご部および上記アンビル部の上記係合部より先端に近い位置で引張力により上記あご部および上記アンビル部の把持力を増加させるワイヤーと、
    を備えることを特徴とする縫合器。
  2. 前記ワイヤーは、一端を前記アンビル部に接続固定され、前記あご部を貫通して配置され、前記カッターが前記あご部および前記アンビル部の長手方向の所定の位置より先に位置するときに、前記あご部および前記アンビル部の把持力を増加させることを特徴とする請求項1記載の縫合器。
  3. 前記あご部は、ステープルを内蔵したステープルカートリッジと、上記ステープルカートリッジを着脱可能に固定するカートリッジ支持部材とを有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の縫合器。
  4. 前記アンビル部の回動面に沿って形成された前記アンビル部のフランジ部と、
    上記フランジ部において前記アンビル部の長手方向に沿って斜めに形成された係合受け部と、
    操作に応じて長手方向に移動する作動軸部材と、
    上記作動軸部材に連結固定され、上記係合受け部に係合する係合凸部を有し、上記作動軸部材が長手方向に押し出されると、カム機構により前記アンビル部を回動させ把持動作させる作動コマ部材と、
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の縫合器。
  5. 前記ワイヤーは、前記アンビル部におけるワイヤー固定部から前記カッターの進行方向の反対側を通って前記あご部における貫通位置へ導かれることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の縫合器。
  6. 前記あご部は、長手方向に沿って前記カッター進行用のスリットと、前記アンビル部における前記ワイヤー固定部に対向する位置に貫通孔とを有し、
    前記ワイヤーは、把持力を増加させるときに、前記アンビル部における固定部から上記スリットを通って上記貫通孔へ直線的に導かれること、
    を特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の縫合器。
  7. 前記あご部は、操作に応じて前記アンビル部を動作させるための作動軸部材が配置される中空部と、前記ワイヤーを上記中空部に引込むための引込み孔と、前記ワイヤーの貫通位置から引込み孔まで前記ワイヤーの通るワイヤー溝とを有し、
    前記ワイヤーは、上記引込み孔を通り上記作動軸部材に沿って配置されること、
    を特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の縫合器。
  8. 前記カッターを固定され、前記あご部における前記カッターの進行終端で切り返して配置され、引張力により前記カッターを進行させるカッター駆動用ワイヤーを備えることを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の縫合器。
  9. 前記あご部は、操作に応じて前記アンビル部を動作させるための作動軸部材が配置される中空部と、前記カッター駆動用ワイヤーを上記中空部に引込むための引込み孔と、前記カッター駆動用ワイヤーの貫通位置から上記引込み孔まで前記カッター駆動用ワイヤーの通るカッター駆動用ワイヤー溝とを有し、
    前記カッター駆動用ワイヤーは、上記引込み孔を通り上記作動軸部材に沿って配置されること、
    を特徴とする請求項8記載の縫合器。
  10. 内臓を把持し、把持した部分をステープルで縫合しつつカッターにより切断する縫合器において、
    操作部に接続される円筒状の連結部と、
    ステープルを押し出すあご部と、ステープルを受けるアンビル部とを有し円筒状の外形を有する把持部と、
    上記連結部と上記把持部との間に設けられダブルヒンジ機構により所定の角度範囲で曲がる首振り部と、
    を備えることを特徴とする縫合器。
  11. 前記首振り部は、2つのダブルヒンジを有し、
    上記2つのダブルヒンジのうちの第1のダブルヒンジは、第1のアームと、上記第1のアームの両端のそれぞれにおいてある首振り面内で回動する2つのヒンジとを有し、
    上記2つのダブルヒンジのうちの第2のダブルヒンジは、上記第1のアームとクロスする第2のアームと、上記第2のアームの両端のそれぞれにおいて上記首振り面内で回動する2つのヒンジとを有すること、
    を特徴とする請求項10記載の縫合器。
  12. 前記連結部の長手方向に沿って押し引き可能な操作用ロッドを備え、
    前記首振り部は、上記操作用ロッドを接続する操作用ロッド連結部を有すること、
    を特徴とする請求項10または請求項11記載の縫合器。
  13. 前記操作用ロッドは、少なくとも2つのリンクを回動可能に接続して構成されることを特徴とする請求項12記載の縫合器。
  14. 前記把持部と前記首振り部との間または前記首振り部と前記連結部との間に設けられ、前記把持部と前記首振り部とを、または前記首振り部と前記連結部とを、長手方向を軸として回転自在に接続する接続部を備えることを特徴とする請求項10から請求項13のうちのいずれか1項記載の縫合器。
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