JP7107555B2 - 鉗子 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 平成30年1月28日にテレビ放送により公開
本発明は、内視鏡下外科手術で使用される鉗子に関するものであり、特に、腸管等の管組織を閉塞するためのクリップを把持する構造の技術分野に属する。
従来より、例えば腹腔鏡等を使用した内視鏡下外科手術においては、患者の腹部に複数の切開部を形成し、これら切開部から複数の鉗子やレーザーメス等を腹腔内に同時に挿入して各種手技を行う。この内視鏡下外科手術の場合、切開部が小さくて済むので患者の回復が早まるとともに、患者の侵襲を低下させることができるので、近年、術例が増加している。
内視鏡下外科手術で使用される鉗子としては、例えば、特許文献1~5に開示されているものが知られている。特許文献1、2の鉗子は、術者が体腔外で操作する操作部と、トロカールを介して体腔内に挿入される細長い硬性の挿入部と、挿入部の先端に設けられ、体腔内で組織を把持する開閉動作可能な把持片とを備えている。また、特許文献3の鉗子では、挿入部の先端部に対して、把持片を支持する部材が回動自在に設けられている。また、特許文献4、5の鉗子では、挿入部の先端部と、把持片を支持する部材との間に屈曲部が設けられている。
また、例えば内視鏡下における大腸癌の切除手術の場合、大腸を一時的に閉塞するための組織閉鎖型クリップが使用されることがある。このクリップは、特許文献6に開示されているようなクリップ鉗子によって患者の切開部から体腔内に挿入して大腸の所望の閉塞部位に持っていった後、鉗子を体腔外から操作することによってクリップで大腸の一部を閉じた状態にする。この特許文献6の鉗子は、挿入部の先端部に対して固定された固定把持片と、可動把持片とを有しており、体腔外から可動把持片を操作することが可能になっている。
特許第3708152号公報 特許第5290813号公報 特許第4938156号公報 特許第5287087号公報 特許第5330627号公報 特開2012-232066号公報
ところで、内視鏡下手術では、体腔外から鉗子を操作して把持片を所望の部位に持っていく必要があり、その処置は難易度が高い。例えば、特許文献1、2では、把持片が開閉動作するだけなので、把持片の角度を変えたい場合には、術者が体腔外から操作部を動かして挿入部の角度を変える必要があり、把持可能な組織が限定されてしまうことが考えられる。これに対し、特許文献3~5のように屈曲部等を設けることで、挿入部を動かさなくても把持片の角度を変えることができるので、把持片の自由度が向上する。
ところが、特許文献1~5の鉗子は、体内の組織を把持するための鉗子であり、組織閉鎖型クリップを把持可能な構成とはなっていない。すなわち、クリップは、体腔内で開いた状態で保持しておき、所望の部位に到達した後、外部からの操作で閉状態にする必要があり、そのため、クリップ鉗子は、特許文献1~5のような組織を把持するための鉗子とは全く異なるものになる。
従って、クリップを把持して体腔内の所望の位置に持って行くためには、特許文献6のクリップ鉗子を使用する必要があるが、この特許文献6のクリップ鉗子は、把持片の角度を変えることができないので、クリップを所望の部位に持って行くためには、例えば別の鉗子を使用し、体腔内においてクリップ鉗子で把持しているクリップに別の鉗子を当てて当該クリップを把持部に把持したままで角度を調整する作業が必要になる。この作業時では、クリップをクリップ鉗子で掴み直すという作業も必要になり、その結果、手術時間が長引いてしまうおそれがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、内視鏡下外科手術で管組織を閉塞するクリップを把持する鉗子において、クリップの角度を体腔内で容易に変更することができるようにしてクリップを短時間で所望の部位に持って行き、管組織を閉じることができるようにし、ひいては手術時間の短縮を図ることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、クリップ鉗子において把持片の角度調整を可能にした。
第1の発明は、内視鏡下外科手術で管組織を閉塞するクリップを把持する鉗子において、体腔外で術者が把持する本体部を備えた操作部と、前記操作部に固定され、該操作部から延びる管状をなし、体腔内へ挿入される挿入部と、前記挿入部の先端部に対して該挿入部の管軸と交差する方向に延びる軸回りに回動可能に取り付けられた固定側把持片と、前記固定側把持片に対して開閉可能に取り付けられ、該固定側把持片と共働して前記クリップを把持する可動側把持片と、前記操作部が有する第1操作部材及び第2操作部材と、前記第1操作部材と前記固定側把持片とに連結され、前記第1操作部材の操作力を前記固定側把持片に対して前記軸回りに伝達する第1操作力伝達部材と、前記第2操作部材に連結され、前記第2操作部材の操作力を該可動側把持片に対して開閉方向に伝達する第2操作力伝達部材と、前記第2操作部材に連結され、前記本体部の内部まで延びるコントロールロッドと、前記本体部の内部に設けられ、前記コントロールロッドの先端部が係合する係合溝を有するカム部材とを備え、前記第1操作部材及び前記第2操作部材は、前記本体部から突出するとともに、該本体部の互いに離れた部位に対して揺動可能に取り付けられ、前記係合溝は、前記可動側把持片が前記クリップを把持した位置にあるときに、前記第2操作部材が前記可動側把持片を開く側へ揺動しないように、前記コントロールロッドの先端部に係合する第1係合溝部と、前記可動側把持片が前記クリップを把持し、且つ該クリップが開放された状態となるまで前記可動側把持片が閉じ方向に動いたときに、前記第2操作部材が前記可動側把持片を開く側へ揺動しないように、前記コントロールロッドの先端部に係合する第2係合溝部を有していることを特徴とする。
この構成によれば、操作部の第2操作部材を操作すると、第2操作部材の操作力が第2操作力伝達部材によって可動側把持片に伝達されるので、可動側把持片を開状態にすることが可能になる。この状態で、固定側把持片と可動側把持片とによってクリップを把持してから、挿入部を体腔内に挿入すると、クリップが固定側把持片と可動側把持片とによって把持された状態で体腔内に挿入される。
その後、操作部の第1操作部材を操作すると、第1操作部材の操作力が第1操作力伝達部材によって固定側把持片に伝達されて固定側把持片が挿入部の管軸と交差する方向に延びる軸回りに回動する。このとき、可動側把持片は固定側把持片に対して取り付けられているので、可動側把持片も同様に回動することになり、その結果、クリップの挿入部に対する角度が変化する。これにより、クリップの角度を体腔内で容易に調整することができ、クリップを短時間で所望の部位に持って行くことができるようになる。
クリップを所望の部位に持って行った後、操作部の第2操作部材を操作して可動側把持片をさらに開き方向に動かすことで、クリップを固定側把持片と可動側把持片との間から外して一時的に留置しておくことができる。
また、例えば、体腔内で管組織を閉塞した状態にあるクリップの位置を変える必要がある場合には、操作部の第2操作部材を操作して可動側把持片を動かすことによってクリップを固定側把持片と可動側把持片とで把持し、動かすことができる。従って、本発明に係る鉗子は、クリップのリムーバーの代わりとしても使用することができる。
また、第1操作部材及び第2操作部材が互いに離れているので、術者は第1操作部材及び第2操作部材を個別に揺動操作する際に、互いの干渉が防止される。
また、第2操作部材を操作すると該第2操作部材と共にコントロールロッドも動くことになる。このコントロールロッドの先端部は、本体部の内部に設けられているカム部材の係合溝に係合しており、可動側把持片がクリップを把持した位置にあるときには、第2操作部材が可動側把持片を開く側へ揺動しないように、コントロールロッドの動きが規制される。これにより、術者が第2操作部材から手を離したとしても、クリップが可動側把持片と固定側把持片との間から脱落することはない。
また、可動側把持片がクリップを把持した状態で、該クリップが開放するまで可動側把持片が閉じ方向に動いたときには、第2操作部材が可動側把持片を開く側へ揺動しないように、コントロールロッドの動きが規制される。これにより、術者が第2操作部材から手を離したとしても、クリップが開放した状態で保持されることになる。
の発明は、前記固定側把持片における前記可動側把持片との対向面には、前記クリップが嵌まる固定側溝部が形成され、前記可動側把持片における前記固定側把持片との対向面には、前記クリップが嵌まる可動側溝部が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、クリップを固定側把持片と可動側把持片とで把持したときに、クリップが固定側溝部及び可動側溝部に嵌まるので、クリップの固定側把持片に対する角度、可動側把持片に対する角度が変化し難くなる。したがって、固定側把持片と可動側把持片とで把持されたクリップが仮に体腔内の組織に当たったとしても、クリップの位置ズレが抑制される。
の発明は、前記固定側把持片及び前記可動側把持片には、前記クリップに設けられた凸部が嵌まる貫通孔が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、クリップを固定側把持片と可動側把持片とで把持したときに、クリップの凸部が固定側把持片及び可動側把持片の貫通孔に嵌まるので、固定側把持片と可動側把持片とで把持されたクリップが仮に体腔内の組織に当たったとしても、クリップの位置ズレが抑制される。
の発明は、前記第1操作力伝達部材は、前記挿入部の内部を管軸方向に延びるとともに、管軸方向に移動可能に設けられた棒材で構成され、前記第1操作力伝達部材の基端部が前記第1操作部材に連結され、前記第1操作力伝達部材の先端部が前記固定側把持片における前記軸から径方向に離れた部位に対して連結されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1操作部材を揺動させると第1操作力伝達部材が挿入部の内部を管軸方向に移動し、これにより、第1操作力伝達部材の先端部が管軸方向に変位することになる。第1操作力伝達部材の先端部は、固定側把持片における軸から径方向に離れた部位に対して連結されているので、第1操作力伝達部材の先端部が管軸方向に変位すると、固定側把持片が軸回りに回動することになる。従って、第1操作力伝達部材を簡単に構成することが可能になる
の発明は、1つの前記係合溝の一部分により、前記第1係合溝部及び前記第2係合溝部が構成されていることを特徴とする。
第1の発明によれば、固定側把持片と可動側把持片を体腔外からの操作で回動させることによってクリップの角度を体腔内で容易に変更することができる。これにより、クリップを短時間で所望の部位に持って行くことができ、その結果、手術時間の短縮を図ることができる。
また、第1操作部材及び第2操作部材を個別に揺動操作する際に、互いの干渉を防止することができ、操作性が良好になる。
また、第2操作部材にコントロールロッドを連結し、本体部の内部に、コントロールロッドの先端部が係合する係合溝を有するカム部材を設けたので、可動側把持片がクリップを把持した位置にあるときに、コントロールロッドの動きを規制してクリップが可動側把持片と固定側把持片との間から脱落しないようにすることができる。
また、術者が第2操作部材から手を離したとしても、クリップを開放した状態で保持することができるので、管組織を閉塞する際の処置が容易になる。
の発明によれば、クリップを固定側把持片の固定側溝部及び可動側把持片の可動側溝部に嵌めることができるので、クリップの位置ズレを抑制することができ、更なる手術時間の短縮を図ることができる。
の発明によれば、クリップの凸部を固定側把持片及び可動側把持片の貫通孔に嵌めることができるので、クリップの位置ズレを抑制することができ、更なる手術時間の短縮を図ることができる。
の発明によれば、挿入部の内部を管軸方向に延びる棒材により、第1操作力伝達部材を簡単に構成することができる
の発明によれば、1つの係合溝に第1係合溝部及び第2係合溝部を形成することができるので、構造がシンプルになる。
本発明の実施形態に係る鉗子の側面図である。 本発明の実施形態に係る鉗子の平面図である。 本発明の実施形態に係る鉗子の背面図である。 図1におけるA-A線断面図である。 角度調整レバーと把持部との関係を示す図であり、角度調整レバーが0゜位置にある場合を示す。 角度調整レバーが90゜位置にある場合を示す図5相当図である。 把持部開閉レバーと把持部との関係を示す図であり、把持部開閉レバーがクリップ解放位置にある場合を示す。 把持部開閉レバーがクリップ把持位置にある場合を示す図7相当図である。 把持部開閉レバーがクリップ開放位置にある場合を示す。 カム部材の側面図である。 クリップの側面図である。 トロカールの斜視図である。 患者の腹部に切開部を形成した状態を示す図である。 大腸をクリップで挟んだ状態を示す図である。 大腸の一部を切除した状態を示す図である。 大腸の胃側に巾着縫合をし、大腸の肛門側に縫合器を挿入した状態を示す図である。 大腸を縫合した状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る鉗子1を示すものである。鉗子1は、内視鏡下外科手術で管組織を閉塞するクリップ100(図11に示す)を把持するクリップ鉗子である。図1を鉗子1の側面図、図2を鉗子1の平面図、図3を鉗子1の背面図とするが、実際の使用状態では、鉗子1の前後、左右、上下は入れ替わることがある。図1及び図2における右側を鉗子1の基端側とし、図1及び図2における左側を鉗子1の先端側とする。図3は、鉗子1を基端側から見た図であり、図3の右側は使用時に術者から見て右となるので、鉗子1の右側とし、図3の左側は使用時に術者から見て左となるので、鉗子1の左側とする。
図11に示すクリップ100は、一対のクリップ片部101、101と、これらクリップ片部101、101の基端部101a、101a同士を連結して一体化するバネ102とを有している。バネ102の弾性力により、クリップ片部101、101の先端部101b、101b同士が圧接する方向、即ち閉方向に付勢されるようになっている。クリップ片部101、101の先端部101b、101bの圧接力により、管組織を閉塞することが可能になる。クリップ片部101、101の先端部101b、101b同士が圧接した状態を、クリップ100が閉じた状態と呼ぶことができる。
一方、クリップ片部101、101の基端部101a、101a同士が互いに接近する方向に力を加えると、バネ102の弾性力に抗してクリップ片部101、101の先端部101b、101bが互いに離れるように、クリップ片部101、101を動かすことができる。クリップ片部101、101の先端部101b、101bが互いに離れた状態を、クリップ100が開放した状態と呼ぶことができる。また、各クリップ片部101には、凸部101cが設けられている。
尚、クリップ100の構成は上述した構成に限られるものではなく、クリップ100に類似した構成のものであってもよいし、従来から周知の他の構造のものであってもよい。また、クリップ100は、管組織、具体的には腸管を閉塞するのに使用されるものである。クリップ片部101、101の長さや形状は、任意に設定することができる。
内視鏡下外科手術では、図13に示すように、患者200の腹部に4箇所の切開部201と、これら切開部201とは別に大きめの切開部202とを形成し、切開部201には、図12に示すようなトロカール300と呼ばれるサポート部材を挿入する。切開部202は、腹腔鏡と呼ばれるカメラ(図示せず)を挿入するのに利用したり、体内組織を体腔外へ取り出す際に利用する。
トロカール300は切開部201に挿入される筒部301を有している。筒部301に鉗子1や別の鉗子等を挿入することで、体腔内にアクセスすることができる。トロカール300はガス供給管部302を有している。ガス供給管部302は、筒部301に連通している。筒部301を切開部201に挿入した状態でガス供給管部302にガスを供給することで、腹部を膨らませて体腔内に術野を確保することができる。トロカール300の構成は上述した構成に限られるものではなく、トロカール300に類似した構成のものであってもよいし、従来から周知の他の構造のものであってもよい。
尚、本実施形態の説明では、腹腔内の手術について説明するが、本発明は腹腔内の手術以外にも胸腔内の手術等にも適用することができる。
(鉗子1の全体構成)
図1~図3に示すように、鉗子1は、操作部2と、体腔内へ挿入される挿入部3と、クリップ100を把持する把持部4とを少なくとも備えている。操作部2は、術中に体腔外に配置される部分であり、体腔外で術者が把持して後述するような各種操作を行うためのものである。挿入部3は、操作部2に固定され、該操作部2から延びる管状をなしている。挿入部3がトロカール300の筒部301に挿入される。把持部4は、固定側把持片40と可動側把持片41とを備えており、固定側把持片40と可動側把持片41とによってクリップ100を把持することができるようになっている。
(操作部2の構成)
操作部2は、術者が把持する本体部20と、角度調整レバー21と、把持部開閉レバー22と、コントロールロッド23と、カム部材24とを備えている。本体部20は、挿入部3の径方向に突出するように設けられており、術者の手のひらに収まるような形状とされている。本体部20における挿入部3が固定されている側を本体部20の基端側といい、本体部20における挿入部3の径方向に突出した側を本体部20の先端側というものとする。本体部20を構成する部材の材質は、例えば樹脂材等とすることができるが、これに限られるものではない。また、術者は、本体部20を薬指、小指及び親指で握り込むようにして持つことが可能になっており、本体部20をしっかりと把持することができ、手の中で安定する。
角度調整レバー21及び把持部開閉レバー22は、例えばステンレス等の高剛性な部材で構成されており、術者が個別に操作するものである。角度調整レバー21は、詳細は後述するが、把持部4の角度を調整するためのものであり、本発明の第1操作部材に相当する部材である。角度調整レバー21は、本体部20における基端側の部位から挿入部3とは反対側へ向けて突出している。角度調整レバー21の先端部には、突部21aが設けられている。突部21aには親指を掛けることができるようになっており、角度調整レバー21は親指によって操作することが可能になっている。
角度調整レバー21の基端部は、本体部20に対して揺動軸21bを介して揺動可能に取り付けられている。揺動軸21bは、鉗子1の左右方向に延びる軸である。角度調整レバー21は、図5に示す位置から図6に実線で示す位置まで揺動可能であり、術者は、図5に示す位置と図6に実線で示す位置との間の任意の位置で停止させることもできる。尚、図5に示す位置を0゜位置といい、図6に示す位置を90゜位置という。図5及び図6では、把持部4の可動側把持片41を省略している。
図5に示すように、角度調整レバー21は、揺動軸21bから径方向に突出する部分を有している。この径方向に突出する部分は、本体部20に収容されているので図1に示す側面から見えないようになっている。図5に示すように、角度調整レバー21の径方向に突出する部分には、長穴21cが形成されている。長穴21cは、揺動軸21bの径方向に長い形状とされている。図示しないが、操作部2には、角度調整レバー21を図5に示す位置となるように付勢するバネ等からなる付勢部材が設けられている。従って、付勢部材の付勢力に抗して角度調整レバー21を図6に実線で示す位置まで揺動させることができ、図6に実線で示す位置にある角度調整レバー21から指を離すと、角度調整レバー21は図5に示す位置に自動的に戻ることになる。尚、上記付勢部材は省略してもよい。後述するクリップ100のバネ力によって付勢力を得ることもできる。
図1に示す把持部開閉レバー22は、詳細は後述するが、把持部4を開くためのものであり、本発明の第2操作部材に相当する部材である。把持部開閉レバー22は、本体部20における基端側の部位から突出しており、この把持部開閉レバー22の突出方向は、角度調整レバー21の突出方向とは反対方向となっている。把持部開閉レバー22の基端部は、本体部20に対して揺動軸22cを介して揺動可能に取り付けられている。揺動軸22cは、角度調整レバー21の揺動軸21bと同方向に延びており、鉗子1の左右方向に延びる軸である。
把持部開閉レバー22は、揺動軸22cから離れた部位に、第1貫通孔22aと第2貫通孔22bとが上下方向に並ぶように設けられている。第1貫通孔22aには術者の人差し指を挿入することができ、また、第2貫通孔22bには術者の中指を挿入することができる。よって、把持部開閉レバー22は、術者の人差し指及び中指によって操作することができる。尚、第1貫通孔22a及び第2貫通孔22bには上述した指以外の指を挿入することもできる。第1貫通孔22a及び第2貫通孔22bの一方のみ設けてもよいし、第3貫通孔や第4貫通孔(図示せず)を設けてもよい。第1貫通孔22a及び第2貫通孔22bの一方または両方を長穴としてもよい。また、貫通孔を設けないレバーであってもよい。
図7に示すように、把持部開閉レバー22は、揺動軸22cから径方向に突出する突出部22dを有している。この突出部22dは、第1貫通孔22a及び第2貫通孔22bが形成された部分とは反対方向(上方向)に突出しており、本体部20に収容されているので図1に示す側面から見えないようになっている。図7に示すように、突出部22dには、長穴22eが形成されている。長穴22eは、揺動軸22cの径方向(上下方向)に長い形状とされている。図示しないが、操作部2には、把持部開閉レバー22を図7に示す位置となるように付勢するバネ等からなる付勢部材が設けられている。尚、上記付勢部材は省略してもよい。後述するクリップ100のバネ力によって付勢力を得ることもできる。
把持部開閉レバー22は、図7に示す位置、図8に示す位置、図9に示す位置に揺動可能である。尚、図7に示す位置をクリップ解放位置といい、図8に示す位置をクリップ把持位置といい、図9に示す位置をクリップ開放位置という。図7~図9では、操作部2を側面図で示し、把持部4は底面図で示している。
コントロールロッド23は、例えばステンレス等の高剛性な部材で構成されており、把持部開閉レバー22を所定位置で保持するための部材である。コントロールロッド23の一端部(コントロールロッド23の基端部)は把持部開閉レバー22に連結されており、従って、把持部開閉レバー22を揺動軸22c回りに前後方向に揺動させると、把持部開閉レバー22の揺動量に応じてコントロールロッド23が移動することになる。
コントロールロッド23の他端部(コントロールロッド23の先端部23b)は本体部20の内部に達するまで延びている。コントロールロッド23の把持部開閉レバー22側の端部は、連結軸23aを介して、把持部開閉レバー22の揺動軸22cから径方向に離れた部位、具体的には下方へ離れた部位に回動可能に連結されている。そして、コントロールロッド23は、本体部20側へ向けて延びているので、コントロールロッド23と、把持部開閉レバー22の揺動軸22cとは上下方向に間隔をあけて配置されることになる。コントロールロッド23の本体部20側の部分は、本体部20に形成された開口部(図示せず)から該本体部20の内部に差し込まれている。
鉗子1は、コントロールロッド23の動きを制御するためのカム部材24を備えている。カム部材24は、本体部20の内部に設けられている。図1に示すように、本体部20の側面には、カム部材24が外部から見えるように側面開口部20aが形成されている。また、図3に示すように、本体部20の後面には、カム部材24が外部から見えるように後面開口部20bが形成されている。カム部材24は外部から見えないように覆われていてもよい。
カム部材24は図10にも示すように所定の厚みを有する板材で構成されており、図7等に示すように上下方向に延びる姿勢とされて本体部20に対して動かないように締結部材等により固定されている。
カム部材24の左側面には、コントロールロッド23の先端部23bが係合する係合溝25が形成されている。コントロールロッド23の先端部23bは、係合溝25に対してその左側方から差し込まれた状態で係合するようになっており、コントロールロッド23の先端部23bが係合溝25内を移動することは可能であるが、係合溝25から抜けないようになっている。
係合溝25は、カム部材24の前側下部から上方へ向けて後側へ延びる下側溝部25aと、この下側溝部25aの上端部に連なり、前側へ延びる下側ロック用溝部(第1係合溝部)25bと、この下側ロック用溝部25bの前端部に連なり、上方へ向けて後側へ延びる中間溝部25cと、この中間溝部25cの上端部に連なり、前側へ延びる上側ロック用溝部(第2係合溝部)25dと、この上側ロック用溝部25dの前端部に連なり、上方へ向けて延びた後、下方へ屈曲して下側溝部25aの前端部まで延びるリターン溝部25eとで構成されている。下側溝部25a、下側ロック用溝部25b、中間溝部25c、上側ロック用溝部25d及びリターン溝部25eは、この順で連続しており、これにより、係合溝25は環状になる。また、係合溝25の一部分により、下側ロック用溝部25b及び上側ロック用溝部25dを構成しているので、構造がシンプルになる。上記係合溝25の形状は一例であり、上述した動きを実現することができる形状であればよい。
把持部開閉レバー22が図7に示すクリップ解放位置にあるときには、把持部開閉レバー22が前方向に付勢されているので、コントロールロッド23の先端部23bは、符号P1で示す位置、即ち、下側溝部25aの下端部(前端部)に位置することになる。把持部開閉レバー22を術者が後側へ揺動させるとコントロールロッド23の先端部23bが矢印Aで示すように後側へ移動していき、下側ロック用溝部25bの後端部に達する。コントロールロッド23の先端部23bが下側ロック用溝部25bの後端部に達した時点でそれ以上後側へ移動しないので、把持部開閉レバー22の揺動が停止する。その後、把持部開閉レバー22から手を離すと、前方向への付勢力によって把持部開閉レバー22が前側へ揺動しようとして、コントロールロッド23の先端部23bが下側ロック用溝部25b内を矢印B方向へ移動する。コントロールロッド23の先端部23bは下側ロック用溝部25bの前端部に達して停止する(符号P2で示す位置)。これにより、把持部開閉レバー22が後側へ第1の所定角度揺動した状態で停止する。
この停止状態から把持部開閉レバー22を術者が更に後側へ揺動させると、コントロールロッド23の先端部23bが矢印Cで示すように中間溝部25cを上方へ移動していき、上側ロック用溝部25dの後端部に達する。コントロールロッド23の先端部23bが上側ロック用溝部25dの後端部に達した時点でそれ以上後側へ移動しないので、把持部開閉レバー22の揺動が停止する。その後、把持部開閉レバー22から手を離すと、前方向への付勢力によって把持部開閉レバー22が前側へ揺動しようとして、コントロールロッド23の先端部23bが上側ロック用溝部25d内を矢印D方向へ移動する。コントロールロッド23の先端部23bは上側ロック用溝部25dの前端部に達して停止する(符号P3で示す位置)。これにより、把持部開閉レバー22が後側へ第2の所定角度揺動した状態で停止する。
この停止状態から把持部開閉レバー22を術者が更に後側へ揺動させると、コントロールロッド23の先端部23bが矢印Eで示すように、上側ロック用溝部25dから上方へ移動し、リターン溝部25eを通って下側溝部25aの前端部に達して停止する(符号P1で示す位置)。コントロールロッド23の先端部23bがリターン溝部25eを通っている間は、把持部開閉レバー22の付勢力によって移動可能となっている。
(挿入部3の構成)
図1等に示すように、挿入部3は直線状に延びており、その長さは、操作部2を体腔外へ位置付けた状態で、挿入部3の先端部がトロカール300の筒部301から体腔内に達し、更に目的とする位置に達することができるように設定されている。図4に示すように、挿入部3は、円管部材31と、角度調整用ロッド33と、把持部開閉ロッド34とを備えている。円管部材31、角度調整用ロッド33及び把持部開閉ロッド34は、例えばステンレス等で構成されている。円管部材31の外径は、例えば10mm程度に設定することができ、円管部材31の長さは、数十cm程度に設定することができる。円管部材31は、挿入部3のボディ部となる部分である。また、円管部材31の内部には、内管部材32が設けられている。円管部材31は、内管部材32に対して軸方向にスライド可能に設けることができる。
角度調整用ロッド33及び把持部開閉ロッド34は、円管部材31の内部に収容されており、円管部材31の管軸に沿って直線状に延びる棒材で構成されている。角度調整用ロッド33及び把持部開閉ロッド34は、後述するように、術者の操作力を鉗子1の先端部に伝達するための操作力伝達部材であることから、容易に変形しないように高剛性に構成されている。
把持部開閉ロッド34の径は、角度調整用ロッド33の径よりも太くなっているが、角度調整用ロッド33と把持部開閉ロッド34とが互いに接触しないように各々の外径が設定されている。また、角度調整用ロッド33及び把持部開閉ロッド34と、円管部材31の内面とは互いに接触しないように、円管部材31の内径が設定されている。円管部材31の基端部(操作部2側の端部)は、操作部2の本体部20に対して固定されている。
角度調整用ロッド33及び把持部開閉ロッド34の各々の径方向中心部は、円管部材31の径方向中心部から偏心している。具体的には、角度調整用ロッド33の径方向中心部は円管部材31の径方向中心部から上に、把持部開閉ロッド34の径方向中心部は、円管部材31の径方向中心部から下に偏心している。これにより、角度調整用ロッド33及び把持部開閉ロッド34を互いに干渉させることなく、円管部材31の内部に収容することができる。尚、把持部4を逆方向に回動させる場合、角度調整用ロッド33の径方向中心部は円管部材31の径方向中心部から下に、把持部開閉ロッド34の径方向中心部は、円管部材31の径方向中心部から上に偏心していてもよい。
図5に示すように、角度調整用ロッド33の基端部(操作部2側の端部)には、連結軸33aが設けられている。連結軸33aは、角度調整レバー21の揺動軸21bと同方向に延びており、角度調整レバー21の長穴21cに挿入されて角度調整用ロッド33と角度調整レバー21とを連結する。連結軸33aが長穴21cに挿入された状態では、長穴21cの内部を該長穴21cの長手方向に移動可能となっている。角度調整レバー21に加えられた操作力は、連結軸33aを介して角度調整用ロッド33に伝達されて該角度調整用ロッド33を円管部材31の管軸方向に移動させる力となる。
図7に示すように、把持部開閉ロッド34の基端部(操作部2側の端部)には、連結軸34aが設けられている。連結軸34aは、把持部開閉ロッド34の揺動軸22cと同方向に延びており、把持部開閉ロッド34の長穴22eに挿入されて把持部開閉ロッド34と把持部開閉レバー22とを連結する。連結軸34aが長穴22eに挿入された状態では、長穴22eの内部を該長穴22eの長手方向に移動可能となっている。把持部開閉レバー22に加えられた操作力は、連結軸34aを介して把持部開閉ロッド34に伝達されて該把持部開閉ロッド34を円管部材31の管軸方向に移動させる力となる。
一方、円管部材31の先端部(把持部4側の端部)には、後述する固定側把持片40が取り付けられる把持片支持部材35が固定されている。把持片支持部材35は円管部材31の外方へ向けて管軸方向に突出する突出板部35aを有している。突出板部35aには、リベット挿入孔35bが鉗子1の左右方向に貫通するように形成されている。リベット挿入孔35bには、固定側把持片40を把持片支持部材35aに回動可能に取り付けるためのリベット35cが挿入されている。リベット35cは、鉗子1の左右方向に延びており、固定側把持片40はリベット35cの軸回りに回動するようになっている。
角度調整用ロッド33の先端部(把持部4側の端部)は、円管部材31の先端部から管軸方向に突出している。この角度調整用ロッド33の先端部には先端係合部33bが設けられている。先端係合部33bは、角度調整用ロッド33を鉗子1の右側へ屈曲させることによって形成された部分であり、角度調整用ロッド33と一体に形成されている。尚、先端係合部33bは、角度調整用ロッド33とは別部材で構成されていてもよい。
把持部開閉ロッド34の先端部(把持部4側の端部)も円管部材31の先端部から管軸方向に突出しているが、角度調整用ロッド33の先端部よりも基端側寄りに位置している。把持部開閉ロッド34の先端部には、傾斜面34bが設けられている。傾斜面34bは、鉗子1の左側へ行くほど基端側に位置するように傾斜している。
(把持部4の構成)
把持部4は、挿入部3の先端部に対して該挿入部3の管軸と交差する方向に延びる軸回りに回動可能に取り付けられた固定側把持片40と、該固定側把持片40に対して開閉可能に取り付けられ、該固定側把持片40と共働してクリップ100を把持する可動側把持片41とを備えている。この実施形態では、固定側把持片40は、リベット35cによって挿入部3に回動可能に取り付けられており、このリベット35cの軸部が鉗子1の左右方向に延びているので、固定側把持片40の回動中心線は鉗子1の左右方向に延びることになる。また、リベット35cの軸部は、固定側把持片40の幅方向(図5の上下方向)中央部から一方向に偏心しており、この実施形態では、固定側把持片40の幅方向中央部よりも下寄り(図5の下側寄り)に位置している。
固定側把持片40の幅方向両側には、固定側把持片40の回動中心線と直交する方向に延びる貫通孔40aがそれぞれ形成されている。各貫通孔40aには、可動側把持片41の幅方向両側に設けられた回動軸41aがそれぞれ回動可能に挿入されている。これにより、可動側把持片41は、固定側把持片40に対して回動軸41a回りに回動することになり、可動側把持片41と固定側把持片40との先端部同士が離れた開状態と、可動側把持片41と固定側把持片40との先端部同士が接近または接触した閉状態とに切り替えることができるとともに、開状態と閉状態との間で任意の開閉状態とすることもできるようになる。尚、図示しないが、把持部4には、可動側把持片41を開方向に常時付勢するバネからなる弾性部材が設けられている。
また、固定側把持片40の貫通孔40aに可動側把持片41の回動軸41aを挿入することで、固定側把持片40と可動側把持片41とが一体化し、可動側把持片41も固定側把持片40と共にリベット35cの軸部回りに回動可能になる。
固定側把持片40の貫通孔40aよりも基端側には、長穴40bが形成されている。長穴40bは、固定側把持片40の幅方向(図5の上下方向)中央部から一方向に偏心しており、この実施形態では、固定側把持片40の幅方向中央部よりも上寄り(図5の上側寄り)に位置している。つまり、長穴40bとリベット35cの軸部とは、固定側把持片40の幅方向に互いに離れている。
長穴40bは、リベット35cの軸部の径方向に長い形状とされており、リベット35cの軸部から離れるに従って固定側把持片40の先端部に近づくように傾斜して延びている。この長穴40bには、角度調整用ロッド33の先端係合部33bが差し込まれた状態で係合するようになっている。これにより、角度調整用ロッド33は、固定側把持片40に連結された状態になる。
そして、角度調整用ロッド33が基端側へ移動すると、先端係合部33bにより、固定側把持片40における長穴40bが形成された部位が基端側へ引っ張られて固定側把持片40がリベット35cの軸部回りに回動し、また、角度調整用ロッド33が先端側へ移動すると、先端係合部33bにより、固定側把持片40における長穴40bが形成された部位が先端側へ押されて固定側把持片40がリベット35cの軸部回りに回動する。
角度調整レバー21が図5に示す位置を0゜位置にあるときには、固定側把持片40及び可動側把持片41の長手方向が円管部材31の管軸に沿う方向となる。一方、角度調整レバー21が図6に示す位置を90゜位置にあるときには、固定側把持片40及び可動側把持片41の長手方向が円管部材31の管軸と略直交する方向となる。角度調整レバー21の揺動角度によって固定側把持片40及び可動側把持片41の長手方向の向きをほぼ無段階で変更することができる。
固定側把持片40における可動側把持片41との対向面には、クリップ100を構成している一方のクリップ片部101の基端側が嵌まる2つの固定側溝部40c、40dが固定側把持片40の長手方向に互いに間隔をあけて形成されている。固定側把持片40の固定側溝部40c、40dの間の部位には、クリップ100に設けられた一方の凸部101cが嵌まる貫通孔40eが形成されている。
また、可動側把持片41における固定側把持片40との対向面には、クリップ100を構成している他方のクリップ片部101の基端側が嵌まる2つの可動側溝部41c、41dが可動側把持片41の長手方向に互いに間隔をあけて形成されている。可動側把持片41の可動側溝部41c、41dの間の部位には、クリップ100に設けられた他方の凸部101cが嵌まる貫通孔41eが形成されている。
図7に示すように、可動側把持片41の基端部には、把持部開閉ロッド34の傾斜面34bが当接するロッド当接面41bが形成されている。このロッド当接面41bは湾曲面とされている。把持部開閉ロッド34の傾斜面34bをロッド当接面41bに当接させることで、把持部開閉ロッド34の操作力を可動側把持片41に対して開閉方向に伝達することができる。
すなわち、把持部開閉ロッド34が基端側へ移動すると、傾斜面34bが基端側へ移動することになり、このとき、可動側把持片41が弾性部材によって開方向に付勢されていることから、ロッド当接面41bが傾斜面34bに当接した状態を維持しながら、可動側把持片41が開方向に回動していく。また、把持部開閉ロッド34が先端側へ移動すると、傾斜面34bが先端側へ移動することになり、このときの操作力を上記弾性部材の付勢力よりも大きくすることで、弾性部材の付勢力に抗して可動側把持片41が閉方向に回動する。
把持部開閉レバー22を図7に示すクリップ解放位置にすると、把持部開閉ロッド34が最も基端側へ移動した状態となり、固定側把持片40と可動側把持片41との先端側同士の間隔が最も広くなる。よって、クリップ100を固定側把持片40と可動側把持片41との間から外すことができる。
把持部開閉レバー22を図8に示すクリップ把持位置にすると、把持部開閉ロッド34が中間位置へ移動した状態となり、固定側把持片40と可動側把持片41との先端側同士の間隔が中間の間隔になる。このとき、固定側把持片40と可動側把持片41との間にクリップ100を配置することで、固定側把持片40と可動側把持片41とにより、クリップ100を閉じた状態で把持することができる。つまり、把持部開閉レバー22がクリップ把持位置にあるときには、クリップ100を閉じた状態では把持することができるように、固定側把持片40と可動側把持片41との先端側同士の間隔が設定されている。固定側把持片40と可動側把持片41との先端側同士の間隔は、傾斜面34bの傾斜角度や、可動側把持片41のロッド当接面41bの形状等により任意に設定することができる。
可動側把持片41がクリップ100を把持した位置にあるときには、コントロールロッド23の先端部23bがカム部材24の下側ロック用溝部25bの前端部に達して停止するので、把持部開閉レバー22が可動側把持片41を開く側へ揺動しないようにロックされる。
把持部開閉レバー22を図9に示すクリップ開放位置にすると、把持部開閉ロッド34が最も先端側へ移動した状態となり、固定側把持片40と可動側把持片41との先端側同士の間隔が最も狭くなる、もしくは固定側把持片40と可動側把持片41との先端側同士が接触する。このとき、固定側把持片40と可動側把持片41とでクリップ100を把持していると、クリップ100が開放するまで可動側把持片41が閉じ方向に動くことになり、クリップ片部101、101の基端部101a、101a同士が互いに接近し、クリップ100が開放した状態になる。
可動側把持片41がクリップ100を把持し、且つ該クリップ100が開放するまで可動側把持片41が閉じ方向に動いたときには、コントロールロッド23の先端部23bがカム部材24の上側ロック用溝部25dの前端部に達して停止するので、把持部開閉レバー22が可動側把持片41を開く側へ揺動しないようにロックされる。
(鉗子1の使用方法及び手術手順)
次に、鉗子1の使用方法及び手術手順について説明する。この例では大腸に癌ができ、この癌ができた部分を切除する場合について説明する。まず、図13に示すように、患者200の腹部に4箇所の小切開部201と、大きめの切開部202とを形成する。小切開部201は、腹腔に鉗子1等を挿入するためのものであり、切開部202はカメラを腹腔に挿入したり、切除部を体外へ取り出すためのものである。また、図12に示すトロカール300を用意し、筒部301を小切開部201に挿入する。
次に、鉗子1にクリップ100を把持させる。鉗子1にクリップ100を把持させる際には、始めに、把持部開閉レバー22を図7に示す位置をクリップ解放位置にし、固定側把持片40と可動側把持片41とを開いておき、固定側把持片40と可動側把持片41との間にクリップ100を配置する。その後、把持部開閉レバー22を引いて図8に示すクリップ把持位置にすると、固定側把持片40と可動側把持片41とによってクリップ100が把持される。そして、把持部開閉レバー22がロックされるので、術者が把持部開閉レバー22から指を離してもクリップ100が把持されたまま鉗子1に保持される。鉗子1をトロカール300に挿入する前に、トロカール300から腹腔内にエアを送り、腹腔を膨らませておく。
鉗子1にクリップ100を把持させた後、トロカール300の筒部301に挿入して腹腔内に挿入していく。図14に示すように、クリップ100は、大腸203の癌204ができた部位よりも肛門205に近い側を閉塞するための部材である。よって、クリップ100を、大腸203の癌204ができた部位よりも肛門205に近い側へ持って行く操作が必要になるが、このとき、周囲の組織等の存在により、クリップ100の角度を変更したい場合がある。この場合、術者は、角度調整レバー21を操作することで、固定側把持片40及び可動側把持片41の角度を変更し、その結果、クリップ100の角度を変更することができる。クリップ100の角度はほぼ無段階に変更できるので、所望の角度にすることができる。
クリップ100を所望の部位に到達させる間、クリップ100が体腔内の組織に当たることがあるが、クリップ片部101が固定側溝部40c、40d及び可動側溝部41c、41dに嵌まっているので、クリップ100の位置ズレが抑制される。また、クリップ100の凸部101cが貫通孔40e、41eに嵌まっていることによってもクリップ100の位置ズレが抑制される。尚、固定側溝部40c、40d及び可動側溝部41c、41dと、貫通孔40e、41eとのうち、一方のみ設けてもよい。また、固定側溝部40c、40d及び可動側溝部41c、41dのうち、一方のみ設けてもよい。また、貫通孔40e、41eのうち、一方のみ設けてもよい。溝部の数は特に限定されない。
クリップ100を所望の部位に到達させた後、把持部開閉レバー22を引いて図9に示すクリップ開放位置にする。これによりクリップ100が開いた状態になるので、クリップ片部101、101の先端側の間に、大腸203における閉塞したい部位を配置する。このとき、把持部開閉レバー22がロックされるので、術者が把持部開閉レバー22から指を離してもクリップ100が開いた状態のまま鉗子1に保持される。
その後、把持部開閉レバー22を引くと、コントロールロッド23の先端部23bが図10のカム部材24のリターン溝部25eを移動して符号P1で示す位置に来るので、把持部開閉レバー22が図7に示すクリップ解放位置になる。これにより、クリップ100を固定側把持片40と可動側把持片41との間から外して大腸203の所望箇所を閉塞することができる。
また、例えば、大腸203を閉塞した状態にあるクリップ100の位置を変える必要がある場合には、把持部開閉レバー22を引くことによって可動側把持片41を動かしてクリップ100を固定側把持片40と可動側把持片41とで把持し、クリップ100を開いた状態にすることができる。従って、鉗子1は、クリップ100のリムーバーの代わりとしても使用することができる。
鉗子1をトロカール300の筒部301から抜く際には、角度調整レバー21を図5に示す0゜位置としておく。
クリップ100で大腸203の所望箇所を閉塞した後、図15に示すように、大腸203の一部を切除する。その後、図16に示すように、吻合器400、401をセットする。次いで、図17に示すように、吻合器400、401によって大腸203を接合する。尚、吻合器400、401は、従来から周知の器具であり、ステープル等によって大腸203を吻合することができるように構成されたものである。
尚、上述した使用例は一例であり、大腸203以外の腹部の手術や胸部の手術の際にも鉗子1を使用することができる。また、クリップ100の形状や構造に合わせて固定側把持片40と可動側把持片41の形状や大きさ等を変更することができる。
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、この実施形態に係る鉗子1によれば、固定側把持片40と可動側把持片41を体腔外からの操作で回動させることによってクリップ100の角度を体腔内で容易に変更することができる。これにより、クリップ100を短時間で所望の部位に持って行くことができ、その結果、手術時間の短縮を図ることができる。
また、角度調整レバー21と把持部開閉レバー22とが本体部20の互いに離れた部位に設けられているので、角度調整レバー21と把持部開閉レバー22とを個別に揺動操作する際に、互いの干渉を防止することができ、操作性が良好になる。
また、把持部開閉レバー22にコントロールロッド23を連結し、本体部20の内部に、コントロールロッド23の先端部23bが係合する係合溝25を有するカム部材24を設けたので、可動側把持片41がクリップ100を把持した位置にあるときに、コントロールロッド23の動きを規制してクリップ100が可動側把持片41と固定側把持片40との間から脱落しないようにすることができる。
また、可動側把持片41がクリップ100を把持した状態で、該クリップ100が開放するまで可動側把持片41が閉じ方向に動いたときには、把持部開閉レバー22が可動側把持片41を開く側へ揺動しないように、コントロールロッド23の動きを規制することができる。これにより、術者が把持部開閉レバー22から手を離したとしても、クリップ100を開放した状態で保持することができる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係る鉗子は、例えば内視鏡下外科手術で使用することができる。
1 鉗子
2 操作部
3 挿入部
4 把持部
20 本体部
21 角度調整レバー(第1操作部材)
22 把持部開閉レバー(第2操作部材)
23 コントロールロッド
23b コントロールロッドの先端部
24 カム部材
25 係合溝
25b 下側ロック用溝部(第1係合溝部)
25d 上側ロック用溝部(第2係合溝部)
33 角度調整用ロッド(第1操作力伝達部材)
34 把持部開閉ロッド(第2操作力伝達部材)
40 固定側把持片
40c、40d 固定側溝部
40e 貫通孔
41 可動側把持片
41c、41d 可動側溝部
41e 貫通孔
100 クリップ

Claims (5)

  1. 内視鏡下外科手術で管組織を閉塞するクリップを把持する鉗子において、
    体腔外で術者が把持する本体部を備えた操作部と、
    前記操作部に固定され、該操作部から延びる管状をなし、体腔内へ挿入される挿入部と、
    前記挿入部の先端部に対して該挿入部の管軸と交差する方向に延びる軸回りに回動可能に取り付けられた固定側把持片と、
    前記固定側把持片に対して開閉可能に取り付けられ、該固定側把持片と共働して前記クリップを把持する可動側把持片と、
    前記操作部が有する第1操作部材及び第2操作部材と、
    前記第1操作部材と前記固定側把持片とに連結され、前記第1操作部材の操作力を前記固定側把持片に対して前記軸回りに伝達する第1操作力伝達部材と、
    前記第2操作部材に連結され、前記第2操作部材の操作力を該可動側把持片に対して開閉方向に伝達する第2操作力伝達部材と
    前記第2操作部材に連結され、前記本体部の内部まで延びるコントロールロッドと、
    前記本体部の内部に設けられ、前記コントロールロッドの先端部が係合する係合溝を有するカム部材とを備え
    前記第1操作部材及び前記第2操作部材は、前記本体部から突出するとともに、該本体部の互いに離れた部位に対して揺動可能に取り付けられ、
    前記係合溝は、前記可動側把持片が前記クリップを把持した位置にあるときに、前記第2操作部材が前記可動側把持片を開く側へ揺動しないように、前記コントロールロッドの先端部に係合する第1係合溝部と、前記可動側把持片が前記クリップを把持し、且つ該クリップが開放された状態となるまで前記可動側把持片が閉じ方向に動いたときに、前記第2操作部材が前記可動側把持片を開く側へ揺動しないように、前記コントロールロッドの先端部に係合する第2係合溝部を有していることを特徴とする鉗子。
  2. 請求項に記載の鉗子において、
    前記固定側把持片における前記可動側把持片との対向面には、前記クリップが嵌まる固定側溝部が形成され、
    前記可動側把持片における前記固定側把持片との対向面には、前記クリップが嵌まる可動側溝部が形成されていることを特徴とする鉗子。
  3. 請求項1または2に記載の鉗子において、
    前記固定側把持片及び前記可動側把持片には、前記クリップに設けられた凸部が嵌まる貫通孔が形成されていることを特徴とする鉗子。
  4. 請求項またはに記載の鉗子において、
    前記第1操作力伝達部材は、前記挿入部の内部を管軸方向に延びるとともに、管軸方向に移動可能に設けられた棒材で構成され、
    前記第1操作力伝達部材の基端部が前記第1操作部材に連結され、
    前記第1操作力伝達部材の先端部が前記固定側把持片における前記軸から径方向に離れた部位に対して連結されていることを特徴とする鉗子。
  5. 請求項に記載の鉗子において、
    1つの前記係合溝の一部分により、前記第1係合溝部及び前記第2係合溝部が構成されていることを特徴とする鉗子。
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