JP2004267019A - 鉢植え植物への自動給水方法及び自動給水装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】培養土と一緒に、自動給水用の不織布片を埋め込む在来方法が抱える、経済性や使い勝手の悪さを概ね解消し、併せて、補給水の蒸散抑制対策も講じた、鉢植え植物への自動給水方法及び自動給水装置を提供する。
【解決手段】方法及び装置は、鉢を据え置く鉢置部の上に、不織布、スポンジ、起毛布等から成る保水性マットを敷き、載置部の下側に設けた貯水部の貯留水を、毛細管作用を有する水吸上材を介して、保水性マットに補給し、保水性マットの上面を、鉢の底孔を通して鉢内の培養土に接触させ、その吸蔵水を培養土に補給することを特徴とする。
そして、保水性マットの上面に、不透水性シートに多数のピンホールを設けた蒸散抑制シートを被せることも特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】方法及び装置は、鉢を据え置く鉢置部の上に、不織布、スポンジ、起毛布等から成る保水性マットを敷き、載置部の下側に設けた貯水部の貯留水を、毛細管作用を有する水吸上材を介して、保水性マットに補給し、保水性マットの上面を、鉢の底孔を通して鉢内の培養土に接触させ、その吸蔵水を培養土に補給することを特徴とする。
そして、保水性マットの上面に、不透水性シートに多数のピンホールを設けた蒸散抑制シートを被せることも特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛細管現象を利用した在来の自動給水方式を、更に格段に改良した、鉢植え植物への自動給水方法及び自動給水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉢植え植物への水遣りの手間を省く為の自動給水方法として、例えば、図7に示した、自動給水式植木鉢50の様に、鉢51の中に、培養土Sと一緒に帯紐状の不織布片52を埋め込み、その下端側を鉢の底孔51aから引き出したうえ、鉢と別体に設けた貯水タンク53の、水層W中に浸漬させる方法が取られて来た。
【0003】
【特許文献1】
実用新案登録 第3060615号:水槽付き植木鉢
【特許文献2】
実用新案登録 第3060957号:給水タンク付き植木鉢
【特許文献3】
実用新案登録 第3069101号:花卉植物の底面給水装置
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、この種の在来の自動給水方法には、以下に列挙した如き、改善すべき少なからぬ難点があった。
(イ) 鉢植え植物の栽培業者にとっては、一つ一つの鉢に、培養土と一緒に不織布片を埋め込む作業は、手間が掛かり過ぎ、経費も嵩む。
(ロ) 使い捨ての不織布片は資源の無駄使いになる上に、プラスチック製の腐らない不織布片は、環境保全の面でも好ましくない。
(ハ) 使い捨ての鉢に、貯水タンクを一体に設ける方法は、資源浪費及びゴミ処理の両面から好ましくない。然も、鉢の製作費が嵩む。
(ニ) 個々の鉢に不織布片を埋め込んで置かないと、自動給水を行えない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、培養土と一緒に、自動給水用の不織布片を埋め込む在来方法が抱える、上記の諸問題を概ね解消させることが出来、併せて、補給水の蒸散抑制対策も講じた、鉢植え植物への自動給水方法及び自動給水装置を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する為の、本発明による鉢植え植物への自動給水方法は、
鉢を据え置く鉢置部の上に、不織布、スポンジ、起毛布等から成る保水性マットを敷き、
鉢置部の下側に設けた貯水部の貯留水を、毛細管作用を有する水吸上材を介して保水性マットに補給し、その吸蔵水を鉢の底孔を通して培養土に吸い上げさせることを特徴とする。
そして、保水性マットの上面に凹凸面を形成させ、その突出部分が、鉢の底孔を通して鉢内の培養土に接触する様にするとよい。
或いは、鉢の底面に、毛細管作用を有する細孔乃至はスリットを設けて、保水性マットの吸蔵水を、鉢内に導く様にしてもよい。
更に、保水性マットの上面に、不透水性シートに多数のピンホールを設けた蒸散抑制シートを被せることも特徴とする。
【0007】
本発明による、鉢植え植物用への自動給水装置は、
鉢植え植物を載置する鉢置部と、鉢置部の下側に設けた貯水部と、鉢置部の上に敷いた保水性マットと、貯水部内の水を保水性マットに補給する為の、毛細管作用を有する水吸上材とを備えることを特徴とする。
そして、不透水性シートに多数のピンホールを設けた蒸散抑制シートを、保水性マットの上面に被せたことも特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施例に就いて、図1〜図3を参照しながら説明する。 図1は、この実施例の自動給水装置A1の上に、植木鉢(鉢)Bを載せた使用状態を示す縦断面図である。
【0009】
自動給水装置A1は、植木鉢Bを載置する為の、受皿状をした鉢置部1の下側に、短円筒形をした蓋無し容器状の貯水部2を、着脱自在に嵌着させた構成を備えている。
貯水部2は、その水深を外側から確認出来る様に、透明材料で作るか、又は、覗き窓を設けて置くことが望ましい。
【0010】
鉢置部1の載置面1aには、所定間隔を隔てた2箇所に、スリット状の刳抜孔a,aを設けている。
この刳抜孔a,aには、不織布製で帯紐状の水吸上材3を、下向きコ字形に折り曲げたうえ、その両脚部分を下向きに挿し込ませている。
そして、この状態で、水吸上材3の両端部を貯水部2の水層W中に浸漬させている。
【0011】
そして、鉢置部1の載置面1aには、その全面に保水性マット4、この実施例では不織布を敷き置いている。
保水性マット4としては、良好な吸水性と柔軟性とを併せ備えた、スポンジ板や、適度の剛性を備えて倒伏し難い起毛布等も使用出来る。
【0012】
一方、植木鉢Bの底部には、排水及び通気目的の他に、鉢内の培養土Sを保水性マット4に接触させて、その吸蔵水を培養土Sに補給する役割も果たす底孔bを、複数箇所に設けている。
尚、図1では、底孔bを塞いで培養土の抜け落ちを防ぐネットの類の図示は省略している。
【0013】
保水性マット4の吸蔵水を、鉢内の培養土Sに吸い上げさせる別の方法として、図示は省いたが、植木鉢Bの底面の複数箇所に、毛細管作用を有する細孔乃至はスリットを設けて置いてもよい。
【0014】
次に、自動給水装置A1の使い方に就いて説明する。
自動給水装置A1は、図1に示した様に、水吸上材3を取り付けた貯水部2の上に、鉢置部1を嵌着させた、組立済みの状態で市販される。
【0015】
この自動給水装置A1を使う時には、受皿状の鉢置部1の中に、給水用の水を注ぎ込むと、保水性マット4を透過しうえ、刳抜孔aを通過して貯水部2の中に流入する。
この給水量は、水層Wの水面が、鉢置部1の載置面1aに達しない程度に留め置く。
【0016】
この状態で、鉢置部1に敷かれた保水性マット4の上に、好みの植物が植えられた植木鉢Bを据え置くと、適度の弾撥力のある保水性マット4は、植木鉢Bの底面に接触した部分がその重みによって圧縮される。
然し、鉢の底孔bに接する部分の保水性マット4は圧縮されないので、図1に示した様に、鉢底の厚み以上に膨出して、植木鉢Bの中の培養土Sに接触した状態になる。
【0017】
時間の経過と共に、培養土Sの保有水が、その表面や植物体を経て蒸散し次第に減って来ると、それに連れて、培養土Sに接触している保水性マット4の吸蔵水が、毛細管作用によって底孔bの箇所から培養土Sに継続的に吸い上げられて行く。
植木鉢Bが素焼鉢であれば、この鉢自体も、保水性マット4の吸蔵水を吸い上げる。或いは、底孔bから植物の根がはみ出ていれば、この根を通しても、保水性マット4の吸蔵水が吸い上げられる。
【0018】
従って、例えば、旅行や仕事上の出張等の為に一週間位家を留守にしても、その間の水遣りの心配をしなくても済む。
或いは、水遣りを忘れた為に、植物を枯らしてしまうことも無くなる。
【0019】
そして、自動給水装置A1による、植木鉢Bへの給水は、上述の如くして行われるので、冒頭に記した、従来の自動給水方式とは異なって、植木鉢の一つ一つに不織布片を埋め込むという、面倒で、経費も嵩む無駄な手間を掛ける必要が全く無くなる。
又、貯水タンクを付設した分、高価になる鉢を使わなくて済む。
【0020】
培養土Sの、望ましい湿り具合いは、植え込む植物の如何によって相異する。それに対応する為には、培養土Sの配合を変える以外に、植木鉢Bの底孔bの大きさや孔数を適宜に変える方法を採ることも出来る。
或いは、吸水性能が異なる保水性マット4を使い分けたり、その重ね合わせ枚数を変える等してもよい。
【0021】
貯水部2の貯留水が減って来たら、皿状の鉢置部1の周縁部と植木鉢Bとの間の隙間から、或いは植木鉢Bを一旦持ち上げてから、給水すればよい。
尚、保水性マット4として、スポンジ板を用いた場合には、図3に示した様に、スポンジ板の上面を凹凸面に形成すれば、植木鉢Bの底孔bの部分で、保水性マット4を培養土Sに向けて膨出させ易くなる。
【0022】
次に、本発明による、自動給水装置の別の実施例に就いて、図4〜図6を参照しながら説明する。
図4は、この実施例の自動給水装置A2の部分平面図、図5は、その幅方向の縦断面図、図6は、その長さ方向の部分拡大縦断面図である。
【0023】
この自動給水装置A2は、鉢植え植物の栽培業者、販売業者、或いは、庭やベランダに栽培棚を設ける程に鉢の所有数が多い、園芸愛好家向きの構造を備えている。
そして、例えば、図7に示した様な、在来の特殊な鉢やポットを使う必要が無く、極く普通の鉢やポットに植えた、大量の植物への水遣りの労力と時間を顕著に減らすことが出来る。
【0024】
自動給水装置A2の貯水部2は、ステンレススチールや硬質プラスチック製のチャンネル材の両端を、端面板で封鎖した如き、長方形の箱形に形成されている。
そして、端面板に相当する両側端面には、園芸植物の量販店等で使われている展示用ラックの桟等に引っ掛ける為の、掛金具5を取付けている。
【0025】
箱形に形成された貯水部2の中には、図5に示した様に、横断面が下向きコ字形をした樋状の鉢置部1が落とし込まれている。
この鉢置部1の頂面部分が、植木鉢Bを載せる載置面1aとなる。
尚、載置面1aの下側には、補強用のリブ(図示略)を設けている。
【0026】
載置面1aの全面には、所定間隔を隔てて位置する1組の短小なスリット6,6の複数組を、散在状に設けている。
各1組のスリット6,6間には、図6に示した様に、不織布製で帯紐状の水吸上材3を、自動給水装置A1と同様に跨座状に垂設し、その両脚端を貯水部2内に蓄えた水層W中に浸漬させている。
【0027】
又、載置面1aの片隅には、図4,図6に示した様に、貯水部2内への注水口7と、水層Wの水深報知用の、フロート状の水面センサ8の挿通孔9を設けている。
【0028】
更に、載置面1a上には、その全面にわたって保水性マット4が敷き置かれる。
この保水性マット4の下面には、図6に示した様に、水吸上材3を接触させている。
【0029】
そして、保水性マット4の上面には、その吸蔵水が無用に蒸散するのを防ぐ為の蒸散抑制シート10を、その全面にわたって覆い被せている。
この実施例の蒸散抑制シート10は、軟質塩化ビニールやポリエチレン樹脂等の柔軟な不透水性シートに、透水用の多数のピンホールを設けたものである。
【0030】
自動給水装置A2の使い方は、図6に示した組上状態にセットしたうえ、貯水部2の中に所定の水深の水層Wが設けられる様に、注水口7から注水する。
然かる後、蒸散抑制シート10の上に、図示の様に植木鉢B、或いは、栽培ポットを載せればよい。
【0031】
この状態で、蒸散抑制シート10を被せた保水性マット4は、自動給水装置A1の場合と同様に、植木鉢Bの底孔bに接する部分が、この孔内に膨出して、鉢内の培養土Sに接触する。
【0032】
時間の経過と共に、植木鉢Bの中の培養土が次第に乾いて来ると、それに連れて、保水性マット4の吸蔵水が、蒸散抑制シート10のピンホールの部分から、その毛細管作用によって培養土に吸い上げられる。
そして、蒸散抑制シート10の全面のほぼ99%以上を占めるピンホールを設けていない部分によって、保水性マット4の吸蔵水の無駄な蒸散が防がれる。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかな様に、本発明による鉢植え植物への自動給水方法及び自動給水装置は、培養土と一緒に埋め込んだの不織布片の毛細管作用によって、貯水タンク内の貯留水を、培養土に補給する在来方式に比べて、以下列挙した如き実用上のより優れた諸効果が得られる。
(a) 鉢植え植物の栽培業者にとっては、一つ一つの鉢に、培養土と一緒に不織布片を埋め込むという、手間も経費も掛かる作業を省ける。
(b) 使い捨ての不織布片が資源の無駄使いになり、プラスチック製の腐らない不織布片が環境を損なう問題も解消する。
(c) 使い捨ての鉢の一つ一つに、貯水タンクを付設することによる、資源浪費やゴミ処理問題も軽減し、且つ、鉢の製作費が増さなくて済む。
(d) 水吸い上げ用の不織布片を埋設していない普通の鉢やポットにも、自動給水出来る。
(e) そして勿論、鉢植え植物の栽培業者や販売業者は、従来の、散水ホースを使った、多くの時間と労力を要する水遣り作業から開放される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、自動給水装置の使用状態を示す縦断面図である。
【図2】同上、吸水性シートの縦断面図である。
【図3】吸水性シートの別の実施例を示す縦断面図である。
【図4】本発明による、別の実施例を示すもので、自動給水装置の部分平面図である。
【図5】同上、自動給水装置の幅方向の縦断面図である。
【図6】同上、自動給水装置の長手方向の部分拡大縦断面図である。
【図7】従来例を示すもので、自動給水式植木鉢の縦断面図である。
【符号の説明】
A1,A2 自動給水装置
B 植木鉢(鉢)
a 刳抜孔
b 底孔
S 培養土
W 水層
1 鉢置部
1a 載置面
2 貯水部
3 水吸上材
4 保水性マット
5 掛金具
6 スリット
7 注水口
8 水面センサ
9 挿通孔
10 蒸散抑制シート
50 従来の自動給水式植木鉢
51 鉢
51a 底孔
52 不織布片
53 貯水タンク
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛細管現象を利用した在来の自動給水方式を、更に格段に改良した、鉢植え植物への自動給水方法及び自動給水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉢植え植物への水遣りの手間を省く為の自動給水方法として、例えば、図7に示した、自動給水式植木鉢50の様に、鉢51の中に、培養土Sと一緒に帯紐状の不織布片52を埋め込み、その下端側を鉢の底孔51aから引き出したうえ、鉢と別体に設けた貯水タンク53の、水層W中に浸漬させる方法が取られて来た。
【0003】
【特許文献1】
実用新案登録 第3060615号:水槽付き植木鉢
【特許文献2】
実用新案登録 第3060957号:給水タンク付き植木鉢
【特許文献3】
実用新案登録 第3069101号:花卉植物の底面給水装置
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、この種の在来の自動給水方法には、以下に列挙した如き、改善すべき少なからぬ難点があった。
(イ) 鉢植え植物の栽培業者にとっては、一つ一つの鉢に、培養土と一緒に不織布片を埋め込む作業は、手間が掛かり過ぎ、経費も嵩む。
(ロ) 使い捨ての不織布片は資源の無駄使いになる上に、プラスチック製の腐らない不織布片は、環境保全の面でも好ましくない。
(ハ) 使い捨ての鉢に、貯水タンクを一体に設ける方法は、資源浪費及びゴミ処理の両面から好ましくない。然も、鉢の製作費が嵩む。
(ニ) 個々の鉢に不織布片を埋め込んで置かないと、自動給水を行えない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、培養土と一緒に、自動給水用の不織布片を埋め込む在来方法が抱える、上記の諸問題を概ね解消させることが出来、併せて、補給水の蒸散抑制対策も講じた、鉢植え植物への自動給水方法及び自動給水装置を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する為の、本発明による鉢植え植物への自動給水方法は、
鉢を据え置く鉢置部の上に、不織布、スポンジ、起毛布等から成る保水性マットを敷き、
鉢置部の下側に設けた貯水部の貯留水を、毛細管作用を有する水吸上材を介して保水性マットに補給し、その吸蔵水を鉢の底孔を通して培養土に吸い上げさせることを特徴とする。
そして、保水性マットの上面に凹凸面を形成させ、その突出部分が、鉢の底孔を通して鉢内の培養土に接触する様にするとよい。
或いは、鉢の底面に、毛細管作用を有する細孔乃至はスリットを設けて、保水性マットの吸蔵水を、鉢内に導く様にしてもよい。
更に、保水性マットの上面に、不透水性シートに多数のピンホールを設けた蒸散抑制シートを被せることも特徴とする。
【0007】
本発明による、鉢植え植物用への自動給水装置は、
鉢植え植物を載置する鉢置部と、鉢置部の下側に設けた貯水部と、鉢置部の上に敷いた保水性マットと、貯水部内の水を保水性マットに補給する為の、毛細管作用を有する水吸上材とを備えることを特徴とする。
そして、不透水性シートに多数のピンホールを設けた蒸散抑制シートを、保水性マットの上面に被せたことも特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施例に就いて、図1〜図3を参照しながら説明する。 図1は、この実施例の自動給水装置A1の上に、植木鉢(鉢)Bを載せた使用状態を示す縦断面図である。
【0009】
自動給水装置A1は、植木鉢Bを載置する為の、受皿状をした鉢置部1の下側に、短円筒形をした蓋無し容器状の貯水部2を、着脱自在に嵌着させた構成を備えている。
貯水部2は、その水深を外側から確認出来る様に、透明材料で作るか、又は、覗き窓を設けて置くことが望ましい。
【0010】
鉢置部1の載置面1aには、所定間隔を隔てた2箇所に、スリット状の刳抜孔a,aを設けている。
この刳抜孔a,aには、不織布製で帯紐状の水吸上材3を、下向きコ字形に折り曲げたうえ、その両脚部分を下向きに挿し込ませている。
そして、この状態で、水吸上材3の両端部を貯水部2の水層W中に浸漬させている。
【0011】
そして、鉢置部1の載置面1aには、その全面に保水性マット4、この実施例では不織布を敷き置いている。
保水性マット4としては、良好な吸水性と柔軟性とを併せ備えた、スポンジ板や、適度の剛性を備えて倒伏し難い起毛布等も使用出来る。
【0012】
一方、植木鉢Bの底部には、排水及び通気目的の他に、鉢内の培養土Sを保水性マット4に接触させて、その吸蔵水を培養土Sに補給する役割も果たす底孔bを、複数箇所に設けている。
尚、図1では、底孔bを塞いで培養土の抜け落ちを防ぐネットの類の図示は省略している。
【0013】
保水性マット4の吸蔵水を、鉢内の培養土Sに吸い上げさせる別の方法として、図示は省いたが、植木鉢Bの底面の複数箇所に、毛細管作用を有する細孔乃至はスリットを設けて置いてもよい。
【0014】
次に、自動給水装置A1の使い方に就いて説明する。
自動給水装置A1は、図1に示した様に、水吸上材3を取り付けた貯水部2の上に、鉢置部1を嵌着させた、組立済みの状態で市販される。
【0015】
この自動給水装置A1を使う時には、受皿状の鉢置部1の中に、給水用の水を注ぎ込むと、保水性マット4を透過しうえ、刳抜孔aを通過して貯水部2の中に流入する。
この給水量は、水層Wの水面が、鉢置部1の載置面1aに達しない程度に留め置く。
【0016】
この状態で、鉢置部1に敷かれた保水性マット4の上に、好みの植物が植えられた植木鉢Bを据え置くと、適度の弾撥力のある保水性マット4は、植木鉢Bの底面に接触した部分がその重みによって圧縮される。
然し、鉢の底孔bに接する部分の保水性マット4は圧縮されないので、図1に示した様に、鉢底の厚み以上に膨出して、植木鉢Bの中の培養土Sに接触した状態になる。
【0017】
時間の経過と共に、培養土Sの保有水が、その表面や植物体を経て蒸散し次第に減って来ると、それに連れて、培養土Sに接触している保水性マット4の吸蔵水が、毛細管作用によって底孔bの箇所から培養土Sに継続的に吸い上げられて行く。
植木鉢Bが素焼鉢であれば、この鉢自体も、保水性マット4の吸蔵水を吸い上げる。或いは、底孔bから植物の根がはみ出ていれば、この根を通しても、保水性マット4の吸蔵水が吸い上げられる。
【0018】
従って、例えば、旅行や仕事上の出張等の為に一週間位家を留守にしても、その間の水遣りの心配をしなくても済む。
或いは、水遣りを忘れた為に、植物を枯らしてしまうことも無くなる。
【0019】
そして、自動給水装置A1による、植木鉢Bへの給水は、上述の如くして行われるので、冒頭に記した、従来の自動給水方式とは異なって、植木鉢の一つ一つに不織布片を埋め込むという、面倒で、経費も嵩む無駄な手間を掛ける必要が全く無くなる。
又、貯水タンクを付設した分、高価になる鉢を使わなくて済む。
【0020】
培養土Sの、望ましい湿り具合いは、植え込む植物の如何によって相異する。それに対応する為には、培養土Sの配合を変える以外に、植木鉢Bの底孔bの大きさや孔数を適宜に変える方法を採ることも出来る。
或いは、吸水性能が異なる保水性マット4を使い分けたり、その重ね合わせ枚数を変える等してもよい。
【0021】
貯水部2の貯留水が減って来たら、皿状の鉢置部1の周縁部と植木鉢Bとの間の隙間から、或いは植木鉢Bを一旦持ち上げてから、給水すればよい。
尚、保水性マット4として、スポンジ板を用いた場合には、図3に示した様に、スポンジ板の上面を凹凸面に形成すれば、植木鉢Bの底孔bの部分で、保水性マット4を培養土Sに向けて膨出させ易くなる。
【0022】
次に、本発明による、自動給水装置の別の実施例に就いて、図4〜図6を参照しながら説明する。
図4は、この実施例の自動給水装置A2の部分平面図、図5は、その幅方向の縦断面図、図6は、その長さ方向の部分拡大縦断面図である。
【0023】
この自動給水装置A2は、鉢植え植物の栽培業者、販売業者、或いは、庭やベランダに栽培棚を設ける程に鉢の所有数が多い、園芸愛好家向きの構造を備えている。
そして、例えば、図7に示した様な、在来の特殊な鉢やポットを使う必要が無く、極く普通の鉢やポットに植えた、大量の植物への水遣りの労力と時間を顕著に減らすことが出来る。
【0024】
自動給水装置A2の貯水部2は、ステンレススチールや硬質プラスチック製のチャンネル材の両端を、端面板で封鎖した如き、長方形の箱形に形成されている。
そして、端面板に相当する両側端面には、園芸植物の量販店等で使われている展示用ラックの桟等に引っ掛ける為の、掛金具5を取付けている。
【0025】
箱形に形成された貯水部2の中には、図5に示した様に、横断面が下向きコ字形をした樋状の鉢置部1が落とし込まれている。
この鉢置部1の頂面部分が、植木鉢Bを載せる載置面1aとなる。
尚、載置面1aの下側には、補強用のリブ(図示略)を設けている。
【0026】
載置面1aの全面には、所定間隔を隔てて位置する1組の短小なスリット6,6の複数組を、散在状に設けている。
各1組のスリット6,6間には、図6に示した様に、不織布製で帯紐状の水吸上材3を、自動給水装置A1と同様に跨座状に垂設し、その両脚端を貯水部2内に蓄えた水層W中に浸漬させている。
【0027】
又、載置面1aの片隅には、図4,図6に示した様に、貯水部2内への注水口7と、水層Wの水深報知用の、フロート状の水面センサ8の挿通孔9を設けている。
【0028】
更に、載置面1a上には、その全面にわたって保水性マット4が敷き置かれる。
この保水性マット4の下面には、図6に示した様に、水吸上材3を接触させている。
【0029】
そして、保水性マット4の上面には、その吸蔵水が無用に蒸散するのを防ぐ為の蒸散抑制シート10を、その全面にわたって覆い被せている。
この実施例の蒸散抑制シート10は、軟質塩化ビニールやポリエチレン樹脂等の柔軟な不透水性シートに、透水用の多数のピンホールを設けたものである。
【0030】
自動給水装置A2の使い方は、図6に示した組上状態にセットしたうえ、貯水部2の中に所定の水深の水層Wが設けられる様に、注水口7から注水する。
然かる後、蒸散抑制シート10の上に、図示の様に植木鉢B、或いは、栽培ポットを載せればよい。
【0031】
この状態で、蒸散抑制シート10を被せた保水性マット4は、自動給水装置A1の場合と同様に、植木鉢Bの底孔bに接する部分が、この孔内に膨出して、鉢内の培養土Sに接触する。
【0032】
時間の経過と共に、植木鉢Bの中の培養土が次第に乾いて来ると、それに連れて、保水性マット4の吸蔵水が、蒸散抑制シート10のピンホールの部分から、その毛細管作用によって培養土に吸い上げられる。
そして、蒸散抑制シート10の全面のほぼ99%以上を占めるピンホールを設けていない部分によって、保水性マット4の吸蔵水の無駄な蒸散が防がれる。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかな様に、本発明による鉢植え植物への自動給水方法及び自動給水装置は、培養土と一緒に埋め込んだの不織布片の毛細管作用によって、貯水タンク内の貯留水を、培養土に補給する在来方式に比べて、以下列挙した如き実用上のより優れた諸効果が得られる。
(a) 鉢植え植物の栽培業者にとっては、一つ一つの鉢に、培養土と一緒に不織布片を埋め込むという、手間も経費も掛かる作業を省ける。
(b) 使い捨ての不織布片が資源の無駄使いになり、プラスチック製の腐らない不織布片が環境を損なう問題も解消する。
(c) 使い捨ての鉢の一つ一つに、貯水タンクを付設することによる、資源浪費やゴミ処理問題も軽減し、且つ、鉢の製作費が増さなくて済む。
(d) 水吸い上げ用の不織布片を埋設していない普通の鉢やポットにも、自動給水出来る。
(e) そして勿論、鉢植え植物の栽培業者や販売業者は、従来の、散水ホースを使った、多くの時間と労力を要する水遣り作業から開放される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、自動給水装置の使用状態を示す縦断面図である。
【図2】同上、吸水性シートの縦断面図である。
【図3】吸水性シートの別の実施例を示す縦断面図である。
【図4】本発明による、別の実施例を示すもので、自動給水装置の部分平面図である。
【図5】同上、自動給水装置の幅方向の縦断面図である。
【図6】同上、自動給水装置の長手方向の部分拡大縦断面図である。
【図7】従来例を示すもので、自動給水式植木鉢の縦断面図である。
【符号の説明】
A1,A2 自動給水装置
B 植木鉢(鉢)
a 刳抜孔
b 底孔
S 培養土
W 水層
1 鉢置部
1a 載置面
2 貯水部
3 水吸上材
4 保水性マット
5 掛金具
6 スリット
7 注水口
8 水面センサ
9 挿通孔
10 蒸散抑制シート
50 従来の自動給水式植木鉢
51 鉢
51a 底孔
52 不織布片
53 貯水タンク
Claims (6)
- 鉢を据え置く鉢置部の上に、不織布、スポンジ、起毛布等から成る保水性マットを敷き、
鉢置部の下側に設けた貯水部の貯留水を、毛細管作用を有する水吸上材を介して保水性マットに補給し、その吸蔵水を鉢の底孔を通して培養土に吸い上げさせることを特徴とする鉢植え植物への自動給水方法。 - 保水性マットの上面に凹凸面を形成させ、その突出部分が、鉢の底孔を通して鉢内の培養土に接触する様にしたことを特徴とする請求項1記載の鉢植え植物への自動給水方法。
- 鉢の底面に、毛細管作用を有する細孔乃至はスリットを設けて、保水性マットの吸蔵水を、鉢内に導く様にしたことを特徴とする請求項1記載の鉢植え植物への自動給水方法。
- 保水性マットの上面に、不透水性シートに多数のピンホールを設けた蒸散抑制シートを被せることを特徴とする請求項1記載の鉢植え植物への自動給水方法。
- 鉢植え植物を載置する鉢置部と、鉢置部の下側に設けた貯水部と、鉢置部の上に敷いた保水性マットと、貯水部内の水を保水性マットに補給する為の、毛細管作用を有する水吸上材とを備えることを特徴とする鉢植え植物用への自動給水装置。
- 保水性マットの上面に、不透水性シートに多数のピンホールを設けた蒸散抑制シートを被せたことを特徴とする請求項5記載の鉢植え植物への自動給水装置。
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JP2009180632A (ja) * | 2008-01-31 | 2009-08-13 | Jeol Ltd | 走査プローブ顕微鏡 |
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2003
- 2003-03-05 JP JP2003058424A patent/JP2004267019A/ja active Pending
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