JP2004265140A - 電子文書管理システム、電子文書管理方法、電子文書管理プログラム、及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】紙文書にスキャナで読み取り可能なユニークなID情報を付加することにより、審査・承認フローの中での電子文書・紙文書の混在を可能とする電子文書管理システムを提供する。
【解決手段】この電子文書管理システム100は、紙文書の情報を光学的に読み込んで電子情報に変換するスキャナ1と、電子文書の情報を紙文書として出力するプリンタ2と、共有文書の登録、削除、閲覧、審査・承認依頼などを行うクライアントPC3と、データベース4内に共有文書を保管するドキュメントサーバ5と、電子文書管理システム100内の文書に関する審査・承認情報を格納するワークフローサーバ6と、夫々を接続するネットワーク8とを備えて構成される。尚、ワークフローサーバ6内には審査・承認情報を格納するデータベース7を有している。また本実施形態ではクライアントPC3が1つの場合について説明しているが、複数有っても構わない。
【選択図】 図1
【解決手段】この電子文書管理システム100は、紙文書の情報を光学的に読み込んで電子情報に変換するスキャナ1と、電子文書の情報を紙文書として出力するプリンタ2と、共有文書の登録、削除、閲覧、審査・承認依頼などを行うクライアントPC3と、データベース4内に共有文書を保管するドキュメントサーバ5と、電子文書管理システム100内の文書に関する審査・承認情報を格納するワークフローサーバ6と、夫々を接続するネットワーク8とを備えて構成される。尚、ワークフローサーバ6内には審査・承認情報を格納するデータベース7を有している。また本実施形態ではクライアントPC3が1つの場合について説明しているが、複数有っても構わない。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子文書管理システムに関し、さらに詳しくは、電子文書における審査・承認技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ワークフローとは業務の流れを意味し、ここでいうワークフローシステムはその流れを自動化するシステムを指している。このワークフローに関するソフトウエアは多数市販されており、例えば、勤怠入力や交通費清算システムなど、様々な場面で用いられている。そして多くのワークフローシステムに含まれる機能に「文書の審査・承認」機能がある。この審査・承認について、例えば富士ゼロックス社の「ISO XROSS」では「Docu Works」に登録した電子印を使用し承認印を押し、その文書を共有フォルダにいれる等で承認文書の受け渡しが可能となる。また、共有文書を保管するシステムとして、サーバ側で作成したキャビネットの中に、クライアント側で文書登録・削除・移動、フォルダ作成・削除・移動等の操作を行うことができるシステムについて提案されており、フォルダ内に保管するものとして、実ファイルへのリンク(ショートカット)を用いることもできる。そして登録文書には「文書タイプ」と呼ばれるものを関連付けて管理しており、一般ユーザは文書管理サーバに登録されている「文書タイプ」を一つ選択し、文書タイプ内の「文書名」「作成者名」等の各項目を入力し、文書に関連づける。そしてこのシステムは図7に示すように、ツリービューを用いることにより、階層構造を容易に視覚的に認識可能であることと、文書やフォルダに対する操作をGUI上で行えることを特徴としている。
また文書管理に関する従来技術として特開2002−305617公報には、スキャンステップや画像処理ステップの前にペーパーUIを検出する方法について開示されている。それによると、ペーパーUIの形式で配信処理命令を含んでいる符号化カバーシートを提供することによって原文書を表すデジタルデータファイルの配信を促進するシステムと方法であり、コードはペーパーUIの存在を表示する。このシステムは、コードを検出し且つ制御プロセッサにペーパーUI命令を処理するよう信号合図する光学センサを含むとしている。
また特開2002−218125公報には、画像入力部から文書画像を入力し、この入力された文書画像に対して、この文書画像の予め定めた箇所あるいは付箋に処理命令の内容が記載されている情報を文字認識部で抽出して認識する。この文字認識部で認識された認識結果と命令データベース部に予め記憶されている処理命令の内容とを比較して、命令判断部で入力された文書画像に記載されている処理命令の内容を判断し、この判断された処理命令に従って、処理部にて文書画像毎の処理を実行するとしている。
【特許文献1】特開2002−305617公報
【特許文献2】特開2002−218125公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1では、スキャンする紙文書にカバーページを付け、そのカバーページ上に光学的に読み取り可能な「ペーパーUI」と呼ばれるバーコードを印刷している。「ペーパーUI」の中には配信経路情報、他の機能経路への方向づけという情報が含まれており、電子文書として取り込まれた後の処理情報を紙上に含ませておく点が本発明と似ているところであるが、審査・承認フローを流すために必要なユニークなID情報を持たせていないため、審査・承認フローを正確に実行することができないといった問題がある。
また特許文献2は、文書画像のあらかじめ定められた場所や付せんなどに、処理命令、識別子を記述し、文字認識部で文字認識し、命令判断部で命令を理解し処理を行う。命令例としてはコピー、ファックス、OCR等があげられている。しかし、この従来技術も特許文献1と同様に、審査・承認フローを流すために必要なユニークなID情報を認識して処理を行うわけではないので、審査・承認フローを正確に実行することができないといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑み、紙文書にスキャナで読み取り可能なユニークなID情報を付加することにより、審査・承認フローの中での電子文書・紙文書の混在を可能とする電子文書管理システムを提供することを目的する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、フォルダとファイルの階層構造、及びファイル情報を格納し、前記階層構造内の特定領域にアクセス制御行う電子文書管理サーバと、ネットワークを介して前記電子文書管理サーバにアクセスし、該電子文書管理サーバ内の情報を参照、及び更新する電子文書クライアントとを備えた電子文書管理システムにおいて、紙文書の情報を光学的に読み込んで電子情報に変換するスキャナと、電子文書の情報を紙文書として出力するプリンタと、前記電子文書管理システム内の文書に関する審査・承認情報を格納するワークフローサーバとを更に備え、前記ワークフローサーバは、前記プリンタに対して前記電子文書の情報を紙文書に出力する際、ユニークなID情報を前記紙文書に印刷することを指示し、該ID情報が印刷された紙文書により審査・承認作業を行った後、該紙文書に印刷された文書情報及びID情報を前記スキャナにより取り込み、該取り込まれた文書情報及びID情報を処理して電子文書の審査・承認フローを継続するように制御することを特徴とする。
従来の電子文書管理システムでは、電子文書による審査・承認フローを流して処理することはできるが、電子文書と紙文書が混在したシステムにおいて紙文書に承認して承認印を押印し、再び電子文書に変換して保存するシステムはなかった。この大きな理由は電子文書と紙文書の連携を行うための手段を備えていなかったためである。そこで本発明では、紙文書を印刷する時に電子文書との関連付けを行うためにユニークなID情報を生成して紙文書に印刷する。そして、紙文書で審査・承認を行った後、その紙文書のユニークなID情報をスキャナにより読み込んでワークフローサーバに保存する。これにより、ワークフローサーバでは生成したユニークなID情報の電子文書と、スキャナにより読み込まれた紙文書のユニークなID情報とを比較することにより、電子文書と紙文書の整合をとることができる。
かかる発明によれば、ワークフローサーバで生成したユニークなID情報を持つ電子情報を印刷する時、そのID情報を文書と同時に印刷するので、電子文書と紙文書の整合を正確にとることができ、電子文書と紙文書が混在しても電子文書の審査・承認フローを継続することができる。
【0005】
請求項2は、前記ワークフローサーバは、審査・承認作業中の電子文書に関する情報、前記審査・承認作業の経路情報、及び文書の審査・承認状態に関する情報を保管するデータベースと、前記プリンタへの紙文書の出力の指示、前記電子文書の審査・承認処理、及び前記スキャナにより読み取った情報を基にワークフローの継続を行う制御部とを備えたことを特徴とする。
本発明のワークフローサーバは、データベース上にどのような経路で審査・承認が行われたかの情報と、審査・承認すべき文書の状態がどのように成っているかの情報を記憶する。また、プリンタに対して電子文書の情報を紙文書に印刷する指示や、実際の電子文書の審査・承認のための処理や、スキャナから読み取ったID情報からワークフローの継続を行う処理を制御する制御部を備えている。従って、ワークフローサーバが主として文書管理、特に電子文書の審査・承認の処理を主体的に行うことができる。
かかる発明によれば、ワークフローサーバが審査・承認のためのデータベースとその制御部を備えているので、電子文書の審査・承認の処理を主体的に行うことができる。
請求項3は、前記ユニークなID情報は、前記プリンタにより前記紙文書の所定の位置に印刷され、前記スキャナにより取り込まれた文書情報及びID情報を前記ワークフローサーバ内のデータベースに保持することにより、前記紙文書と電子文書の整合をとることを特徴とする。
本発明の最も大きな特徴は、電子文書と紙文書の整合をとることである。その方法の特徴として、各電子文書にユニークなID情報を付加し、そのID情報を紙文書の印刷時に印刷し、紙文書上で審査・承認の処理がされた紙文書を再度、スキャナにより読み込むときにID情報を同時に読み込んで、データベースに保持するものである。これにより、データベース上の電子文書とスキャナにより読み込まれた紙文書の整合をID情報により行うことができる。
かかる発明によれば、ID情報が紙文書に印刷され再びスキャナにより電子文書として読み込まれるので、データベース上の電子文書とスキャナにより読み込まれた紙文書の整合をID情報により行うことができる。
【0006】
請求項4は、前記ワークフローサーバは、前記プリンタに対して前記ユニークなID情報を前記紙文書に出力する際、前記ユニークなID情報と共に前記紙文書の枚数情報を印刷することを指示し、前記スキャナにより取り込まれた前記ID情報及び枚数情報に基づいて前記紙文書の枚数及び取り込み順序をチェックすることを特徴とする。
本発明のワークフローサーバは、ユニークなID情報以外に、何枚目の文書であるかの情報を付加する。これにより、複数枚にわたる文書の管理が可能となる。これにより、ワークフローサーバは出力した枚数をユニークなID情報とともに管理し、紙文書をスキャンし再び電子文書となる場合に、出力した全ての文書を取り込んだか、また取り込み順は正しいかのチェックを行い、正しくない場合はユーザに対して警告を行うことができる。
かかる発明によれば、ユニークなID情報以外に、何枚目の文書であるかの情報を付加するので、プリンタで出力した全ての文書を取り込んだか、その取り込み順序は正しいかをチェックすることができる。
請求項5は、フォルダとファイルの階層構造、及びファイル情報を格納し、前記階層構造内の特定領域にアクセス制御行う電子文書管理サーバと、ネットワークを介して前記電子文書管理サーバにアクセスし、該電子文書管理サーバ内の情報を参照、及び更新する電子文書クライアントとを備えた電子文書管理方法において、紙文書の情報を光学的に読み込んで電子情報に変換するスキャナと、電子文書の情報を紙文書として出力するプリンタと、前記電子文書管理システム内の文書に関する審査・承認情報を格納するワークフローサーバとを更に備え、前記ワークフローサーバは、前記プリンタに対して前記電子文書の情報を紙文書に出力する際、ユニークなID情報を前記紙文書に印刷することを指示し、該ID情報が印刷された紙文書により審査・承認作業を行った後、該紙文書に印刷された文書情報及びID情報を前記スキャナにより取り込み、該取り込まれた文書情報及びID情報を処理して電子文書の審査・承認フローを継続するように制御することを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項1と同様の作用効果を奏する。
【0007】
請求項6は、前記ワークフローサーバは、審査・承認作業中の電子文書に関する情報、前記審査・承認作業の経路情報、及び文書の審査・承認状態に関する情報を保管するデータベースと、前記プリンタへの紙文書の出力の指示、前記電子文書の審査・承認処理、及び前記スキャナにより読み取った情報を基にワークフローの継続を行う制御部とを備えたことを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項2と同様の作用効果を奏する。
請求項7は、前記ユニークなID情報は、前記プリンタにより前記紙文書の所定の位置に印刷され、前記スキャナにより取り込まれた文書情報及びID情報を前記ワークフローサーバ内のデータベースに保持することにより、前記紙文書と電子文書の整合をとることを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項3と同様の作用効果を奏する。
請求項8は、前記ワークフローサーバは、前記プリンタに対して前記ユニークなID情報を前記紙文書に出力する際、前記ユニークなID情報と共に前記紙文書の枚数情報を印刷することを指示し、前記スキャナにより取り込まれた前記ID情報及び枚数情報に基づいて前記紙文書の枚数及び取り込み順序をチェックすることを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項4と同様の作用効果を奏する。
請求項9は、請求項5乃至8の何れか一項に記載の電子文書管理方法をコンピュータが制御可能にプログラミングしたことを特徴とする。
かかる発明によれば、本発明の電子文書管理方法をコンピュータが制御可能なOSに従ってプログラミングすることにより、そのOSを備えたコンピュータであれば同じ処理方法により制御することができる。
請求項10は、請求項9に記載の電子文書管理プログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする。
かかる発明によれば、電子文書管理プログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録媒体に記録することにより、この記録媒体を持ち運ぶことにより何処でもプログラムを稼動することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の一実施形態に係る電子文書管理システムの構成図である。この電子文書管理システム100は、紙文書の情報を光学的に読み込んで電子情報に変換するスキャナ1と、電子文書の情報を紙文書として出力するプリンタ2と、共有文書の登録、削除、閲覧、審査・承認依頼などを行うクライアントPC3と、データベース4内に共有文書を保管するドキュメントサーバ5と、電子文書管理システム100内の文書に関する審査・承認情報を格納するワークフローサーバ6と、夫々を接続するネットワーク8とを備えて構成される。尚、ワークフローサーバ6内には審査・承認情報を格納するデータベース7を有している。また本実施形態ではクライアントPC3が1つの場合について説明しているが、複数有っても構わない。
【0009】
次に電子文書管理システム100の概略動作について説明する。クライアントPC3はネットワーク8を介してドキュメントサーバ5へアクセスし、共有文書の登録、削除、閲覧、審査・承認依頼などを行うことができる。またドキュメントサーバ5はデータベース4内に共有文書を保管する。またワークフローサーバ6はデータベース7を持ち、審査・承認フローを流れる電子文書に関する情報、フロー経路情報、文書のフロー状態(審査・承認状態)情報を保管する。また、ワークフローサーバ6は図示しない制御部を持ち、プリンタ2へ紙文書の出力を依頼したり、電子文書の審査・承認処理を行ったり、スキャナ1により読み取った情報を元にワークフローの続きを行うといった動作を担う。またスキャナ1及びプリンタ2はネットワーク接続が可能なものである。
【0010】
図2は、電子文書と紙文書が審査・承認フローに混在している場合を説明する模式図である。説明を簡単にするために電子文書管理システム100の各構成要件は省略している。この図は点線を境にして上段を紙文書、下段を電子文書とする。まずオリジナルの電子文書10上に文書A11が存在するものとする。この文書は例えば、承認図や起案書といった第3者により審査・承認を必要とする文書であるとする。その電子文書10は一旦プリンタにより紙に印刷され、紙文書12として作成する。そのとき同時にユニークなID情報13を所定の位置に印刷する。このとき、ID情報13は記号若しくは数字でも良いし、バーコードに変換して印刷しても良い。そして紙文書12に承認者が承認印15を押印して承認する。次にこの紙文書12を電子文書に戻すためにスキャナにより文書A11とID情報13が読み込まれる。ID情報13は記号若しくは数字で構成されている場合は、IDを認識するためにOCR等により画像認識を行う。またバーコードで構成されている場合は、バーコードリーダにより読み取り、再び電子文書14として格納する。その電子文書14にはID情報13と文書A11と承認印15が記録されている。
【0011】
図3は図2の情報が付加された紙文書の一例を示す図である。この例では、ID情報を数字により構成した場合について示している。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。紙文書12には、文書11が印刷され、右上端にID情報13が印刷され、右下端に承認印15が押印されている。またユニークなID情報を生成する方法としては、Windows(登録商標)の提供するAPI関数を用いることにより実現可能である。このAPI関数はネットワークカードや生成時刻からユニークな値を生成するものである。
図4はID情報に更に何枚目の文書であるかの情報を付加する例を示す図である。この例では、ユニークなID情報13の末尾に「3」を付加することにより、この文書が3枚目であることを示している。その他の例として「3/5」と表示して全ページが5ページあり、その3ページ目であることを表す表示の仕方でも構わない。これにより、複数枚にわたる文書の管理が可能となり、ワークフローサーバは出力した枚数をユニークなID情報とともに管理し、紙文書をスキャンし再び電子文書となる場合に出力した全ての文書を取り込んだか、取り込み順は正しいかのチェックを行い、間違っていればユーザに対して警告を行うことができる。
【0012】
図5は本発明の電子文書管理システムにおける紙文書出力時の処理の流れを表すフローチャートである。各列は左からプリンタ、ワークフローサーバ、クライアントPCの動作を表す。図1を参照して説明する。まず電子文書から紙文書にフローが移る時、クライアントPC3により、電子文書が審査される(S1)。審査がOKになると審査情報が更新されてワークフローサーバ6内の審査・承認情報DB7に登録される(S2)。次にワークフローサーバ6より、次審査(承認)は紙文書で行われることがクライアントPC3へ通知される(S3)。するとクライアントPC3は電子文書の出力をワークフローサーバ6へ依頼すると(S4)、ワークフローサーバ6は審査・承認情報DB7から文書情報、ID情報、印刷枚数を取り込みプリンタ2に対して文書出力を依頼する(S5)。プリンタ2はその依頼に基づいて文書情報、ID情報を印刷枚数に従って印刷し(S6)紙文書12を次審査(承認)者へ渡す。
図6は本発明の電子文書管理システムにおける紙文書取り込み時の処理の流れを表すフローチャートである。各列は左からスキャナ、ワークフローサーバの動作を表す。図1を参照して説明する。まず紙文書から電子文書にフローが移る時、審査(承認)済の紙文書12を受け取り、スキャナ1で紙文書を読み込む(S11)。読み込んだ情報中にユニークなID情報が存在するか否かがチェックされ(S12)、ID情報が存在しなければ(S12でNOのルート)、通常のスキャン処理が行われ(S13)、ステップS12でID情報が存在すると(S12でYESのルート)、そのID情報を問い合わせるためにワークフローサーバ6に送られ(S14)、ワークフローサーバ6がIDに関連する情報を審査・承認情報DB7から取得し(S15)、その情報に基づいてスキャナ1はスキャンした文書の枚数が審査・承認情報DB7の情報と一致するか否かをチェックし(S16)、一致しなければ(S16でNOのルート)、警告ダイアログを表示する(S17)。ステップS16で一致すれば(S16でYESのルート)、更に文書が正しい順番でスキャンされているか否かをチェックし(S18)、正しい順番でスキャンされていない場合は(S18でNOのルート)、ステップS11に戻って繰り返す。ステップS18で順番が正しければ(S18でYESのルート)、ワークフローサーバ6は審査情報を更新する(S19)。
【0013】
【発明の効果】
以上記載のごとく請求項1、5の発明によれば、ワークフローサーバで生成したユニークなID情報を持つ電子情報を印刷する時、そのID情報を文書と同時に印刷するので、電子文書と紙文書の整合を正確にとることができ、電子文書と紙文書が混在しても電子文書の審査・承認フローを継続することができる。
また請求項2、6では、ワークフローサーバが審査・承認のためのデータベースとその制御部を備えているので、電子文書の審査・承認の処理を主体的に行うことができる。
また請求項3、7では、ID情報が紙文書に印刷され再びスキャナにより電子文書として読み込まれるので、データベース上の電子文書とスキャナにより読み込まれた紙文書の整合をID情報により行うことができる。
また請求項4、8では、ユニークなID情報以外に、何枚目の文書であるかの情報を付加するので、プリンタで出力した全ての文書を取り込んだか、その取り込み順序は正しいかをチェックすることができる。
また請求項9では、本発明の電子文書管理方法をコンピュータが制御可能なOSに従ってプログラミングすることにより、そのOSを備えたコンピュータであれば同じ処理方法により制御することができる。
また請求項10では、電子文書管理プログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録媒体に記録することにより、この記録媒体を持ち運ぶことにより何処でもプログラムを稼動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子文書管理システムの構成図。
【図2】本発明の電子文書と紙文書が審査・承認フローに混在している場合を説明する模式図。
【図3】本発明の図2の情報が付加された紙文書の一例を示す図。
【図4】本発明のID情報に更に何枚目の文書であるかの情報を付加する例を示す図。
【図5】本発明の電子文書管理システムにおける紙文書出力時の処理の流れを表すフローチャート。
【図6】本発明の電子文書管理システムにおける紙文書取り込み時の処理の流れを表すフローチャート。
【図7】従来の階層構造を持つシステムを説明する図。
【符号の説明】
1 スキャナ、2 プリンタ、3 クライアントPC、4 データベース、5ドキュメントサーバ、6 ワークフローサーバ、7 データベース、8 ネットワーク
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子文書管理システムに関し、さらに詳しくは、電子文書における審査・承認技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ワークフローとは業務の流れを意味し、ここでいうワークフローシステムはその流れを自動化するシステムを指している。このワークフローに関するソフトウエアは多数市販されており、例えば、勤怠入力や交通費清算システムなど、様々な場面で用いられている。そして多くのワークフローシステムに含まれる機能に「文書の審査・承認」機能がある。この審査・承認について、例えば富士ゼロックス社の「ISO XROSS」では「Docu Works」に登録した電子印を使用し承認印を押し、その文書を共有フォルダにいれる等で承認文書の受け渡しが可能となる。また、共有文書を保管するシステムとして、サーバ側で作成したキャビネットの中に、クライアント側で文書登録・削除・移動、フォルダ作成・削除・移動等の操作を行うことができるシステムについて提案されており、フォルダ内に保管するものとして、実ファイルへのリンク(ショートカット)を用いることもできる。そして登録文書には「文書タイプ」と呼ばれるものを関連付けて管理しており、一般ユーザは文書管理サーバに登録されている「文書タイプ」を一つ選択し、文書タイプ内の「文書名」「作成者名」等の各項目を入力し、文書に関連づける。そしてこのシステムは図7に示すように、ツリービューを用いることにより、階層構造を容易に視覚的に認識可能であることと、文書やフォルダに対する操作をGUI上で行えることを特徴としている。
また文書管理に関する従来技術として特開2002−305617公報には、スキャンステップや画像処理ステップの前にペーパーUIを検出する方法について開示されている。それによると、ペーパーUIの形式で配信処理命令を含んでいる符号化カバーシートを提供することによって原文書を表すデジタルデータファイルの配信を促進するシステムと方法であり、コードはペーパーUIの存在を表示する。このシステムは、コードを検出し且つ制御プロセッサにペーパーUI命令を処理するよう信号合図する光学センサを含むとしている。
また特開2002−218125公報には、画像入力部から文書画像を入力し、この入力された文書画像に対して、この文書画像の予め定めた箇所あるいは付箋に処理命令の内容が記載されている情報を文字認識部で抽出して認識する。この文字認識部で認識された認識結果と命令データベース部に予め記憶されている処理命令の内容とを比較して、命令判断部で入力された文書画像に記載されている処理命令の内容を判断し、この判断された処理命令に従って、処理部にて文書画像毎の処理を実行するとしている。
【特許文献1】特開2002−305617公報
【特許文献2】特開2002−218125公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1では、スキャンする紙文書にカバーページを付け、そのカバーページ上に光学的に読み取り可能な「ペーパーUI」と呼ばれるバーコードを印刷している。「ペーパーUI」の中には配信経路情報、他の機能経路への方向づけという情報が含まれており、電子文書として取り込まれた後の処理情報を紙上に含ませておく点が本発明と似ているところであるが、審査・承認フローを流すために必要なユニークなID情報を持たせていないため、審査・承認フローを正確に実行することができないといった問題がある。
また特許文献2は、文書画像のあらかじめ定められた場所や付せんなどに、処理命令、識別子を記述し、文字認識部で文字認識し、命令判断部で命令を理解し処理を行う。命令例としてはコピー、ファックス、OCR等があげられている。しかし、この従来技術も特許文献1と同様に、審査・承認フローを流すために必要なユニークなID情報を認識して処理を行うわけではないので、審査・承認フローを正確に実行することができないといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑み、紙文書にスキャナで読み取り可能なユニークなID情報を付加することにより、審査・承認フローの中での電子文書・紙文書の混在を可能とする電子文書管理システムを提供することを目的する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、フォルダとファイルの階層構造、及びファイル情報を格納し、前記階層構造内の特定領域にアクセス制御行う電子文書管理サーバと、ネットワークを介して前記電子文書管理サーバにアクセスし、該電子文書管理サーバ内の情報を参照、及び更新する電子文書クライアントとを備えた電子文書管理システムにおいて、紙文書の情報を光学的に読み込んで電子情報に変換するスキャナと、電子文書の情報を紙文書として出力するプリンタと、前記電子文書管理システム内の文書に関する審査・承認情報を格納するワークフローサーバとを更に備え、前記ワークフローサーバは、前記プリンタに対して前記電子文書の情報を紙文書に出力する際、ユニークなID情報を前記紙文書に印刷することを指示し、該ID情報が印刷された紙文書により審査・承認作業を行った後、該紙文書に印刷された文書情報及びID情報を前記スキャナにより取り込み、該取り込まれた文書情報及びID情報を処理して電子文書の審査・承認フローを継続するように制御することを特徴とする。
従来の電子文書管理システムでは、電子文書による審査・承認フローを流して処理することはできるが、電子文書と紙文書が混在したシステムにおいて紙文書に承認して承認印を押印し、再び電子文書に変換して保存するシステムはなかった。この大きな理由は電子文書と紙文書の連携を行うための手段を備えていなかったためである。そこで本発明では、紙文書を印刷する時に電子文書との関連付けを行うためにユニークなID情報を生成して紙文書に印刷する。そして、紙文書で審査・承認を行った後、その紙文書のユニークなID情報をスキャナにより読み込んでワークフローサーバに保存する。これにより、ワークフローサーバでは生成したユニークなID情報の電子文書と、スキャナにより読み込まれた紙文書のユニークなID情報とを比較することにより、電子文書と紙文書の整合をとることができる。
かかる発明によれば、ワークフローサーバで生成したユニークなID情報を持つ電子情報を印刷する時、そのID情報を文書と同時に印刷するので、電子文書と紙文書の整合を正確にとることができ、電子文書と紙文書が混在しても電子文書の審査・承認フローを継続することができる。
【0005】
請求項2は、前記ワークフローサーバは、審査・承認作業中の電子文書に関する情報、前記審査・承認作業の経路情報、及び文書の審査・承認状態に関する情報を保管するデータベースと、前記プリンタへの紙文書の出力の指示、前記電子文書の審査・承認処理、及び前記スキャナにより読み取った情報を基にワークフローの継続を行う制御部とを備えたことを特徴とする。
本発明のワークフローサーバは、データベース上にどのような経路で審査・承認が行われたかの情報と、審査・承認すべき文書の状態がどのように成っているかの情報を記憶する。また、プリンタに対して電子文書の情報を紙文書に印刷する指示や、実際の電子文書の審査・承認のための処理や、スキャナから読み取ったID情報からワークフローの継続を行う処理を制御する制御部を備えている。従って、ワークフローサーバが主として文書管理、特に電子文書の審査・承認の処理を主体的に行うことができる。
かかる発明によれば、ワークフローサーバが審査・承認のためのデータベースとその制御部を備えているので、電子文書の審査・承認の処理を主体的に行うことができる。
請求項3は、前記ユニークなID情報は、前記プリンタにより前記紙文書の所定の位置に印刷され、前記スキャナにより取り込まれた文書情報及びID情報を前記ワークフローサーバ内のデータベースに保持することにより、前記紙文書と電子文書の整合をとることを特徴とする。
本発明の最も大きな特徴は、電子文書と紙文書の整合をとることである。その方法の特徴として、各電子文書にユニークなID情報を付加し、そのID情報を紙文書の印刷時に印刷し、紙文書上で審査・承認の処理がされた紙文書を再度、スキャナにより読み込むときにID情報を同時に読み込んで、データベースに保持するものである。これにより、データベース上の電子文書とスキャナにより読み込まれた紙文書の整合をID情報により行うことができる。
かかる発明によれば、ID情報が紙文書に印刷され再びスキャナにより電子文書として読み込まれるので、データベース上の電子文書とスキャナにより読み込まれた紙文書の整合をID情報により行うことができる。
【0006】
請求項4は、前記ワークフローサーバは、前記プリンタに対して前記ユニークなID情報を前記紙文書に出力する際、前記ユニークなID情報と共に前記紙文書の枚数情報を印刷することを指示し、前記スキャナにより取り込まれた前記ID情報及び枚数情報に基づいて前記紙文書の枚数及び取り込み順序をチェックすることを特徴とする。
本発明のワークフローサーバは、ユニークなID情報以外に、何枚目の文書であるかの情報を付加する。これにより、複数枚にわたる文書の管理が可能となる。これにより、ワークフローサーバは出力した枚数をユニークなID情報とともに管理し、紙文書をスキャンし再び電子文書となる場合に、出力した全ての文書を取り込んだか、また取り込み順は正しいかのチェックを行い、正しくない場合はユーザに対して警告を行うことができる。
かかる発明によれば、ユニークなID情報以外に、何枚目の文書であるかの情報を付加するので、プリンタで出力した全ての文書を取り込んだか、その取り込み順序は正しいかをチェックすることができる。
請求項5は、フォルダとファイルの階層構造、及びファイル情報を格納し、前記階層構造内の特定領域にアクセス制御行う電子文書管理サーバと、ネットワークを介して前記電子文書管理サーバにアクセスし、該電子文書管理サーバ内の情報を参照、及び更新する電子文書クライアントとを備えた電子文書管理方法において、紙文書の情報を光学的に読み込んで電子情報に変換するスキャナと、電子文書の情報を紙文書として出力するプリンタと、前記電子文書管理システム内の文書に関する審査・承認情報を格納するワークフローサーバとを更に備え、前記ワークフローサーバは、前記プリンタに対して前記電子文書の情報を紙文書に出力する際、ユニークなID情報を前記紙文書に印刷することを指示し、該ID情報が印刷された紙文書により審査・承認作業を行った後、該紙文書に印刷された文書情報及びID情報を前記スキャナにより取り込み、該取り込まれた文書情報及びID情報を処理して電子文書の審査・承認フローを継続するように制御することを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項1と同様の作用効果を奏する。
【0007】
請求項6は、前記ワークフローサーバは、審査・承認作業中の電子文書に関する情報、前記審査・承認作業の経路情報、及び文書の審査・承認状態に関する情報を保管するデータベースと、前記プリンタへの紙文書の出力の指示、前記電子文書の審査・承認処理、及び前記スキャナにより読み取った情報を基にワークフローの継続を行う制御部とを備えたことを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項2と同様の作用効果を奏する。
請求項7は、前記ユニークなID情報は、前記プリンタにより前記紙文書の所定の位置に印刷され、前記スキャナにより取り込まれた文書情報及びID情報を前記ワークフローサーバ内のデータベースに保持することにより、前記紙文書と電子文書の整合をとることを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項3と同様の作用効果を奏する。
請求項8は、前記ワークフローサーバは、前記プリンタに対して前記ユニークなID情報を前記紙文書に出力する際、前記ユニークなID情報と共に前記紙文書の枚数情報を印刷することを指示し、前記スキャナにより取り込まれた前記ID情報及び枚数情報に基づいて前記紙文書の枚数及び取り込み順序をチェックすることを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項4と同様の作用効果を奏する。
請求項9は、請求項5乃至8の何れか一項に記載の電子文書管理方法をコンピュータが制御可能にプログラミングしたことを特徴とする。
かかる発明によれば、本発明の電子文書管理方法をコンピュータが制御可能なOSに従ってプログラミングすることにより、そのOSを備えたコンピュータであれば同じ処理方法により制御することができる。
請求項10は、請求項9に記載の電子文書管理プログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする。
かかる発明によれば、電子文書管理プログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録媒体に記録することにより、この記録媒体を持ち運ぶことにより何処でもプログラムを稼動することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の一実施形態に係る電子文書管理システムの構成図である。この電子文書管理システム100は、紙文書の情報を光学的に読み込んで電子情報に変換するスキャナ1と、電子文書の情報を紙文書として出力するプリンタ2と、共有文書の登録、削除、閲覧、審査・承認依頼などを行うクライアントPC3と、データベース4内に共有文書を保管するドキュメントサーバ5と、電子文書管理システム100内の文書に関する審査・承認情報を格納するワークフローサーバ6と、夫々を接続するネットワーク8とを備えて構成される。尚、ワークフローサーバ6内には審査・承認情報を格納するデータベース7を有している。また本実施形態ではクライアントPC3が1つの場合について説明しているが、複数有っても構わない。
【0009】
次に電子文書管理システム100の概略動作について説明する。クライアントPC3はネットワーク8を介してドキュメントサーバ5へアクセスし、共有文書の登録、削除、閲覧、審査・承認依頼などを行うことができる。またドキュメントサーバ5はデータベース4内に共有文書を保管する。またワークフローサーバ6はデータベース7を持ち、審査・承認フローを流れる電子文書に関する情報、フロー経路情報、文書のフロー状態(審査・承認状態)情報を保管する。また、ワークフローサーバ6は図示しない制御部を持ち、プリンタ2へ紙文書の出力を依頼したり、電子文書の審査・承認処理を行ったり、スキャナ1により読み取った情報を元にワークフローの続きを行うといった動作を担う。またスキャナ1及びプリンタ2はネットワーク接続が可能なものである。
【0010】
図2は、電子文書と紙文書が審査・承認フローに混在している場合を説明する模式図である。説明を簡単にするために電子文書管理システム100の各構成要件は省略している。この図は点線を境にして上段を紙文書、下段を電子文書とする。まずオリジナルの電子文書10上に文書A11が存在するものとする。この文書は例えば、承認図や起案書といった第3者により審査・承認を必要とする文書であるとする。その電子文書10は一旦プリンタにより紙に印刷され、紙文書12として作成する。そのとき同時にユニークなID情報13を所定の位置に印刷する。このとき、ID情報13は記号若しくは数字でも良いし、バーコードに変換して印刷しても良い。そして紙文書12に承認者が承認印15を押印して承認する。次にこの紙文書12を電子文書に戻すためにスキャナにより文書A11とID情報13が読み込まれる。ID情報13は記号若しくは数字で構成されている場合は、IDを認識するためにOCR等により画像認識を行う。またバーコードで構成されている場合は、バーコードリーダにより読み取り、再び電子文書14として格納する。その電子文書14にはID情報13と文書A11と承認印15が記録されている。
【0011】
図3は図2の情報が付加された紙文書の一例を示す図である。この例では、ID情報を数字により構成した場合について示している。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。紙文書12には、文書11が印刷され、右上端にID情報13が印刷され、右下端に承認印15が押印されている。またユニークなID情報を生成する方法としては、Windows(登録商標)の提供するAPI関数を用いることにより実現可能である。このAPI関数はネットワークカードや生成時刻からユニークな値を生成するものである。
図4はID情報に更に何枚目の文書であるかの情報を付加する例を示す図である。この例では、ユニークなID情報13の末尾に「3」を付加することにより、この文書が3枚目であることを示している。その他の例として「3/5」と表示して全ページが5ページあり、その3ページ目であることを表す表示の仕方でも構わない。これにより、複数枚にわたる文書の管理が可能となり、ワークフローサーバは出力した枚数をユニークなID情報とともに管理し、紙文書をスキャンし再び電子文書となる場合に出力した全ての文書を取り込んだか、取り込み順は正しいかのチェックを行い、間違っていればユーザに対して警告を行うことができる。
【0012】
図5は本発明の電子文書管理システムにおける紙文書出力時の処理の流れを表すフローチャートである。各列は左からプリンタ、ワークフローサーバ、クライアントPCの動作を表す。図1を参照して説明する。まず電子文書から紙文書にフローが移る時、クライアントPC3により、電子文書が審査される(S1)。審査がOKになると審査情報が更新されてワークフローサーバ6内の審査・承認情報DB7に登録される(S2)。次にワークフローサーバ6より、次審査(承認)は紙文書で行われることがクライアントPC3へ通知される(S3)。するとクライアントPC3は電子文書の出力をワークフローサーバ6へ依頼すると(S4)、ワークフローサーバ6は審査・承認情報DB7から文書情報、ID情報、印刷枚数を取り込みプリンタ2に対して文書出力を依頼する(S5)。プリンタ2はその依頼に基づいて文書情報、ID情報を印刷枚数に従って印刷し(S6)紙文書12を次審査(承認)者へ渡す。
図6は本発明の電子文書管理システムにおける紙文書取り込み時の処理の流れを表すフローチャートである。各列は左からスキャナ、ワークフローサーバの動作を表す。図1を参照して説明する。まず紙文書から電子文書にフローが移る時、審査(承認)済の紙文書12を受け取り、スキャナ1で紙文書を読み込む(S11)。読み込んだ情報中にユニークなID情報が存在するか否かがチェックされ(S12)、ID情報が存在しなければ(S12でNOのルート)、通常のスキャン処理が行われ(S13)、ステップS12でID情報が存在すると(S12でYESのルート)、そのID情報を問い合わせるためにワークフローサーバ6に送られ(S14)、ワークフローサーバ6がIDに関連する情報を審査・承認情報DB7から取得し(S15)、その情報に基づいてスキャナ1はスキャンした文書の枚数が審査・承認情報DB7の情報と一致するか否かをチェックし(S16)、一致しなければ(S16でNOのルート)、警告ダイアログを表示する(S17)。ステップS16で一致すれば(S16でYESのルート)、更に文書が正しい順番でスキャンされているか否かをチェックし(S18)、正しい順番でスキャンされていない場合は(S18でNOのルート)、ステップS11に戻って繰り返す。ステップS18で順番が正しければ(S18でYESのルート)、ワークフローサーバ6は審査情報を更新する(S19)。
【0013】
【発明の効果】
以上記載のごとく請求項1、5の発明によれば、ワークフローサーバで生成したユニークなID情報を持つ電子情報を印刷する時、そのID情報を文書と同時に印刷するので、電子文書と紙文書の整合を正確にとることができ、電子文書と紙文書が混在しても電子文書の審査・承認フローを継続することができる。
また請求項2、6では、ワークフローサーバが審査・承認のためのデータベースとその制御部を備えているので、電子文書の審査・承認の処理を主体的に行うことができる。
また請求項3、7では、ID情報が紙文書に印刷され再びスキャナにより電子文書として読み込まれるので、データベース上の電子文書とスキャナにより読み込まれた紙文書の整合をID情報により行うことができる。
また請求項4、8では、ユニークなID情報以外に、何枚目の文書であるかの情報を付加するので、プリンタで出力した全ての文書を取り込んだか、その取り込み順序は正しいかをチェックすることができる。
また請求項9では、本発明の電子文書管理方法をコンピュータが制御可能なOSに従ってプログラミングすることにより、そのOSを備えたコンピュータであれば同じ処理方法により制御することができる。
また請求項10では、電子文書管理プログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録媒体に記録することにより、この記録媒体を持ち運ぶことにより何処でもプログラムを稼動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子文書管理システムの構成図。
【図2】本発明の電子文書と紙文書が審査・承認フローに混在している場合を説明する模式図。
【図3】本発明の図2の情報が付加された紙文書の一例を示す図。
【図4】本発明のID情報に更に何枚目の文書であるかの情報を付加する例を示す図。
【図5】本発明の電子文書管理システムにおける紙文書出力時の処理の流れを表すフローチャート。
【図6】本発明の電子文書管理システムにおける紙文書取り込み時の処理の流れを表すフローチャート。
【図7】従来の階層構造を持つシステムを説明する図。
【符号の説明】
1 スキャナ、2 プリンタ、3 クライアントPC、4 データベース、5ドキュメントサーバ、6 ワークフローサーバ、7 データベース、8 ネットワーク
Claims (10)
- フォルダとファイルの階層構造、及びファイル情報を格納し、前記階層構造内の特定領域にアクセス制御行う電子文書管理サーバと、ネットワークを介して前記電子文書管理サーバにアクセスし、該電子文書管理サーバ内の情報を参照、及び更新する電子文書クライアントとを備えた電子文書管理システムにおいて、
紙文書の情報を光学的に読み込んで電子情報に変換するスキャナと、電子文書の情報を紙文書として出力するプリンタと、前記電子文書管理システム内の文書に関する審査・承認情報を格納するワークフローサーバとを更に備え、
前記ワークフローサーバは、前記プリンタに対して前記電子文書の情報を紙文書に出力する際、ユニークなID情報を前記紙文書に印刷することを指示し、該ID情報が印刷された紙文書により審査・承認作業を行った後、該紙文書に印刷された文書情報及びID情報を前記スキャナにより取り込み、該取り込まれた文書情報及びID情報を処理して電子文書の審査・承認フローを継続するように制御することを特徴とする電子文書管理システム。 - 前記ワークフローサーバは、審査・承認作業中の電子文書に関する情報、前記審査・承認作業の経路情報、及び文書の審査・承認状態に関する情報を保管するデータベースと、前記プリンタへの紙文書の出力の指示、前記電子文書の審査・承認処理、及び前記スキャナにより読み取った情報を基にワークフローの継続を行う制御部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の電子文書管理システム。
- 前記ユニークなID情報は、前記プリンタにより前記紙文書の所定の位置に印刷され、前記スキャナにより取り込まれた文書情報及びID情報を前記ワークフローサーバ内のデータベースに保持することにより、前記紙文書と電子文書の整合をとることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子文書管理システム。
- 前記ワークフローサーバは、前記プリンタに対して前記ユニークなID情報を前記紙文書に出力する際、前記ユニークなID情報と共に前記紙文書の枚数情報を印刷することを指示し、前記スキャナにより取り込まれた前記ID情報及び枚数情報に基づいて前記紙文書の枚数及び取り込み順序をチェックすることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の電子文書管理システム。
- フォルダとファイルの階層構造、及びファイル情報を格納し、前記階層構造内の特定領域にアクセス制御行う電子文書管理サーバと、ネットワークを介して前記電子文書管理サーバにアクセスし、該電子文書管理サーバ内の情報を参照、及び更新する電子文書クライアントとを備えた電子文書管理方法において、
紙文書の情報を光学的に読み込んで電子情報に変換するスキャナと、電子文書の情報を紙文書として出力するプリンタと、前記電子文書管理システム内の文書に関する審査・承認情報を格納するワークフローサーバとを更に備え、
前記ワークフローサーバは、前記プリンタに対して前記電子文書の情報を紙文書に出力する際、ユニークなID情報を前記紙文書に印刷することを指示し、該ID情報が印刷された紙文書により審査・承認作業を行った後、該紙文書に印刷された文書情報及びID情報を前記スキャナにより取り込み、該取り込まれた文書情報及びID情報を処理して電子文書の審査・承認フローを継続するように制御することを特徴とする電子文書管理方法。 - 前記ワークフローサーバは、審査・承認作業中の電子文書に関する情報、前記審査・承認作業の経路情報、及び文書の審査・承認状態に関する情報を保管するデータベースと、前記プリンタへの紙文書の出力の指示、前記電子文書の審査・承認処理、及び前記スキャナにより読み取った情報を基にワークフローの継続を行う制御部とを備えたことを特徴とする請求項5に記載の電子文書管理方法。
- 前記ユニークなID情報は、前記プリンタにより前記紙文書の所定の位置に印刷され、前記スキャナにより取り込まれた文書情報及びID情報を前記ワークフローサーバ内のデータベースに保持することにより、前記紙文書と電子文書の整合をとることを特徴とする請求項5又は6に記載の電子文書管理方法。
- 前記ワークフローサーバは、前記プリンタに対して前記ユニークなID情報を前記紙文書に出力する際、前記ユニークなID情報と共に前記紙文書の枚数情報を印刷することを指示し、前記スキャナにより取り込まれた前記ID情報及び枚数情報に基づいて前記紙文書の枚数及び取り込み順序をチェックすることを特徴とする請求項5、6又は7に記載の電子文書管理方法。
- 請求項5乃至8の何れか一項に記載の電子文書管理方法をコンピュータが制御可能にプログラミングしたことを特徴とする電子文書管理プログラム。
- 請求項9に記載の電子文書管理プログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする記録媒体。
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