JP2004264384A - 感放射線性樹脂組成物および液晶表示素子 - Google Patents

感放射線性樹脂組成物および液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】表示パネル用スペーサーに要求される強度、耐熱寸法安定性を満たすと共に、ラビング耐性に優れ、液晶の電圧保持率、配向性能を低下させない表示パネルスペーサーを与えることのできる感放射線性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、エポキシ基含有不飽和化合物、およびこれら2種類の化合物以外のオレフィン系不飽和化合物の共重合体、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、感放射線重合開始剤ならびにフラーレンおよび/またはフラーレン誘導体からなる感放射線性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感放射線性樹脂組成物および液晶表示素子に関する。さらに詳しくは、液晶パネルやタッチパネルなどの表示パネル用スペーサーを形成するための材料として好適な感放射線性樹脂組成物およびそれから形成されたスペーサーを備えた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶パネルには2枚の基板の間隔を一定に保つために所定の粒径を有するガラスビーズ、プラスチックビーズ等のスペーサー粒子が使用されている。これらスペーサー粒子は、ガラス基板上にランダムに散布されるため、有効画素部内に上記スペーサーが存在すると、スペーサーの写り込みがあったり、入射光が散乱を受け液晶パネルのコントラストが低下するという問題があった。これらの問題を解決するためにスペーサーをフォトリソグラフィーにより形成する方法が提案された。この方法によれば、感光性樹脂を基板に塗布し所定のマスクを介し紫外線を照射した後、現像してドット状やストライプ状のスペーサーを形成することができる。これによると有効画素部以外の場所にスペーサーを形成することができ上記問題を解決することができる。さらにこの方法によれば、セルギャップを感光性樹脂の塗布膜厚によりコントロールできるためギャップ幅のコントロールが容易で、精度が高いという特徴も得られる。
【0003】
液晶パネルを製造する工程において、基体に感光性樹脂よりなるスペーサーを形成し、ラビングされた配向膜を備えるには、以下の3通りの方法が使用できる。▲1▼基体にフォトリソグラフィーによりスペーサーを形成した後、配向膜を塗布、形成し、ラビングする。▲2▼配向膜を塗布、形成し、フォトリソグラフィーによりスペーサーを形成後、配向膜をラビングする。▲3▼配向膜を塗布、形成し、ラビングした後にフォトリソグラフィーでスペーサーを形成する。▲1▼、▲2▼においては、スペーサーを形成した後にラビングの工程が入るため、スペーサーがラビングにより基体から剥がれたり、ラビングによりスペーサーが削れたり、配向膜とスペーサーがラビングにより剥がれたりすることがあり、そうすると表示不良が生じる。▲2▼、▲3▼の方法では、配向膜を塗布した後にスペーサーを形成するため、スペーサー形成過程で配向膜を溶解、膨潤させたり、配向膜上に残留物があったりすることがあり、そうすると液晶配向性に異常が生じる。また、スペーサーは液晶と直接触れるため、イオン性物質や、不純物がスペーサーから溶出すると電圧保持率の低下が生じる。
【0004】
上述したように感光性樹脂よりなるスペーサーには、ラビングにより表示不良が生じないようラビング耐性が高く、液晶配向不良を生じさせず、電圧保持率を低下させないことが求められる。
さらに、液晶パネルやタッチパネル用スペーサーには、熱により形状が変化しないよう耐熱寸法安定性や、液晶パネルにかかる外部圧力により形状が変化しないよう圧縮強度が必要とされる。
【0005】
近年、フラーレンの大量合成法が確立され、比較的安価で供給されるように成って以来、フラーレンの研究は急速な勢いで発展している。その特異な構造から、新しい電子物性、光学特性、磁気物性、超伝導性等の電磁気学的性質、高い機械的な強度、高耐熱性を有することから、産業上の利用という観点からも活発に研究開発が行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ラビング耐性に優れ、電圧保持率、液晶配向性を低下させず、高耐熱性、高絶縁性、溶剤耐性に優れ、強度が高いスペーサーを形成できるネガ型感光性材料である、フラーレンまたはフラーレン誘導体を含有する感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、本発明の上記感放射線性組成物から形成された上記諸特性を持つスペーサーを備えた液晶表示素子を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から明らかになろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、
[A](a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物(以下、「化合物(a1)」ともいう。)、
(a2)エポキシ基含有不飽和化合物(以下、「化合物(a2)」ともいう。)および(a3)前記(a1)および(a2)以外のオレフィン系不飽和化合物(以下、「化合物(a3)」ともいう。)、の共重合体、
[B]エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物(以下、「重合性化合物[B]」ともいう。)、
[C]感放射線重合開始剤(以下、「重合開始剤[C]」ともいう。) ならびに
[D]フラーレンおよび/またはフラーレン誘導体
を含有することを特徴とする表示パネルスペーサー用感放射線性樹脂組成物により達成される。
【0010】
また、本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第2に、本発明の上記感放射線性組成物から形成されたスペーサーを備えた液晶表示素子によって達成される。
【0011】
【発明の好ましい実施形態】
以下、本発明の感放射線性樹脂組成物について先ず詳述する。
【0012】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、共重合体[A]、重合性化合物[B]、重合開始剤[C]ならびにフラーレンおよび/またはフラーレン誘導体[D]からなる。
【0013】
共重合体[A]
共重合体[A]は、化合物(a1)、化合物(a2)および化合物(a3)を溶媒中で、重合開始剤の存在下にラジカル重合することによって製造することができる。
【0014】
共重合体[A]は、化合物(a1)から誘導される構成単位を、好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%含有している。この構成単位が5重量%未満である共重合体は、アルカリ水溶液に溶解しにくくなり、一方40重量%を超える共重合体はアルカリ水溶液に対する溶解性が大きくなりすぎる傾向にある。化合物(a1)としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸などのジカルボン酸;およびこれらジカルボン酸の無水物が挙げられる。これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などが共重合反応性、アルカリ水溶液に対する溶解性および入手が容易である点から好ましく用いられる。これらは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0015】
共重合体[A]は、化合物(a2)から誘導される構成単位を、好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜60重量%含有している。この構成単位が10重量%未満の場合は得られるスペーサーの強度が低下する傾向にあり、一方70重量%を超える場合は共重合体の保存安定性が低下する傾向にある。
【0016】
化合物(a2)としては、例えばアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらのうち、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが共重合反応性および得られるスペーサーの強度を高める点から好ましく用いられる。これらは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0017】
また、共重合体[A]は、化合物(a3)から誘導される構成単位を、好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜50重量%含有している。この構成単位が10重量%未満の場合は、共重合体[A]の保存安定性が低下する傾向にあり、一方70重量%を超える場合は共重合体[A]がアルカリ水溶液に溶解しにくくなる。
【0018】
化合物(a3)としては、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレートなどのメタクリル酸アルキルエステル;メチルアクリレート、イソプロピルアクリレートなどのアクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシルメタクリレート、2−メチルシクロヘキシルメタクリレート、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(当該技術分野で慣用名としてジシクロペンタニルメタクリレートといわれている)、ジシクロペンタニルオキシエチルメタクリレート、イソボロニルメタクリレートなどのメタクリル酸環状アルキルエステル;シクロヘキシルアクリレート、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(当該技術分野で慣用名としてジシクロペンタニルアクリレートといわれている)、ジシクロペンタオキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレートなどのアクリル酸環状アルキルエステル;フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなどのメタクリル酸アリールエステル;フェニルアクリレート、ベンジルアクリレートなどのアクリル酸アリールエステル;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどのジカルボン酸ジエステル;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのヒドロキシアルキルエステル;およびスチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどが挙げられる。
【0019】
これらのうち、スチレン、t−ブチルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、p−メトキシスチレン、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、1,3−ブタジエンなどが共重合反応性およびアルカリ水溶液に対する溶解性の点から好ましい。これらは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0020】
上記のように、本発明で用いられる共重合体[A]は、カルボキシル基および/またはカルボン酸無水物基ならびにエポキシ基を有しており、アルカリ水溶液に対して適切な溶解性を有するとともに、特別な硬化剤を併用しなくとも加熱により容易に硬化させることができる。
【0021】
上記の共重合体[A]を含む感放射線性樹脂組成物によれば、現像する際に現像残りを生じることなく、また膜べりすることなく、容易に所定パターンのスペーサーを形成することができる。
【0022】
共重合体[A]の製造に用いられる重合溶媒としては、具体的には、例えばメタノール、エタノールなどのアルコール類;テトラヒドロフランなどのエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなどのジエチレングリコール類;プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン類;および酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチルなどのエステル類が挙げられる。
【0023】
共重合体[A]の製造に用いられる重合開始剤としては、一般的にラジカル重合開始剤として知られているものが使用できる。例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物;および過酸化水素が挙げられる。ラジカル重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、過酸化物を還元剤とともに用いてレドックス型開始剤としてもよい。
【0024】
本発明で用いられる共重合体[A]のポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という)は、好ましくは、2×10〜1×10、より好ましくは5×10〜5×10である。Mwが2×10未満であると、得られる被膜は、現像性、残膜率などが低下したり、またパターン形状、耐熱性などに劣ることがあり、一方1×10を超えると、感度が低下したりパターン形状に劣ることがある。
【0025】
重合性化合物[B]
重合性化合物[B]としては、単官能、2官能または3官能以上の(メタ)アクリレートが、重合性が良好でありしかも得られるスペーサーの強度が向上する点から好ましく用いられる。
【0026】
上記単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレートなどが挙げられる。これらは、その市販品として入手することができる。例えばアロニックスM−101、同M−111、同M−114(東亞合成(株)製)、KAYARAD TC−110S、同TC−120S(日本化薬(株)製)、ビスコート158、同2311(大阪有機化学工業(株)製)が挙げられる。
【0027】
上記2官能(メタ)アクリレートとしては、例えばエチレングリコール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレートなどが挙げられる。これらは、その市販品として入手することができる。例えばアロニックスM−210、同M−240、同M−6200(東亞合成(株)製)、KAYARAD HDDA、同HX−220、同R−604(日本化薬(株)製)、ビスコート260、同312、同335HP(大阪有機化学工業(株)製)などが挙げられる。
【0028】
上記3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイロキシエチル)フォスフェート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、その市販品として入手することができる。例えばアロニックスM−309、同M−400、同M−405、同M−450、同M−7100、同M−8030、同M−8060(東亞合成(株)製)、KAYARAD TMPTA、同DPHA、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同DPCA−120(日本化薬(株)製)、ビスコート295、同300、同360、同GPT、同3PA、同400(大阪有機化学工業(株)製)などが挙げられる。
【0029】
これらの単官能、2官能または3官能以上の(メタ)アクリレートは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0030】
重合開始剤[C]
重合開始剤[C]としては、感放射線ラジカル重合開始剤あるいは感放射線カチオン重合開始剤などを使用することができる。
【0031】
これら重合開始剤の使用に際しては、放射線照射条件が酸素雰囲気下であるか、無酸素雰囲気下であるかを考慮することが必要である。放射線照射を無酸素雰囲気下で行う場合には、一般的なあらゆる種類の感放射線ラジカル重合開始剤および感放射線カチオン重合開始剤を使用することができる。一方、酸素雰囲気下で放射線照射を行うときには、感放射線ラジカル重合開始剤の種類によっては、酸素によりラジカルが失活し、感度の低下が起こり、そのためスペーサーとなる放射線照射部分の残膜率、表面硬度などが充分に得られない場合があり、感放射線ラジカル重合開始剤を選択して使用する必要がある。しかし、感放射線カチオン重合開始剤は、酸素による活性種の失活がほとんどなく、酸素雰囲気下でも、無酸素雰囲気下でも自由に使用できる。
【0032】
感放射線ラジカル重合開始剤としては、例えばベンジル、ジアセチルなどのα−ジケトン類;ベンゾインなどのアシロイン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのアシロインエーテル類;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;アセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α,α’−ジメトキシアセトキシベンゾフェノン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのアセトフェノン類;アントラキノン、1,4−ナフトキノンなどのキノン類;フェナシルクロライド、トリブロモメチルフェニルスルホン、トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのハロゲン化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド;およびジ−t−ブチルパーオキサイドなどの過酸化物が挙げられる。
【0033】
この感放射線ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えばIRGACURE−184、同369、同500、同651、同907、同1700、Darocur−1173、同1116、同2959、同1664、同4043(チバ−ガイギー社製)、KAYACURE−DETX 、同 MBP、同 DMBI 、同 EPA、同 OA(日本化薬(株)製)、VICURE−10、同55(STAUFFER Co.LTD 製)、TRIGONALP1(AKZO Co.LTD 製)、SANDORAY 1000(SANDOZ Co.LTD 製)、DEAP(APJOHN Co.LTD 製)、QUANTACURE−PDO、同 ITX、同 EPD(WARD BLEKINSOP Co.LTD 製)等が挙げられる。
【0034】
さらに、感放射線カチオン重合開始剤としては、例えばフェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスホネート、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロアルセネート、フェニルジアゾニウムトリフルオロメタンスルホナート、フェニルジアゾニウムトリフルオロアセテート、フェニルジアゾニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジアゾニウムヘキサフルオロアルサ合物が挙げられる。
【0035】
この感放射線カチオン重合開始剤の市販品としては、例えばジアゾニウム塩であるアデカウルトラセットPP−33(旭電化工業(株)製)、スルホニウム塩であるOPTOMER SP−150、同−170(旭電化工業(株)製)、およびメタロセン化合物であるIrgacure261(チバガイギー社製)などが挙げられる。
【0036】
また、これら感放射線ラジカル重合開始剤または感放射線カチオン重合開始剤と感放射線増感剤とを併用することによって酸素による失活の少ない、高感度の感放射線性樹脂組成物を得ることも可能である。
【0037】
フラーレンおよびフラーレン誘導体[D]
フラーレンとしては、例えば、C36、C60、C70、C76、C78、C82、C84、C90、C96および一分子中の炭素数が96を超えかつ最大凝集塊径が30nm以下の高次フラーレンなどを挙げることができ、これらのうちC60、C70、C76、C82などが好ましく用いられる。
【0038】
これらフラーレンは公知の方法によって合成することができる。
【0039】
例えば、C36の製造方法はNew Daiamond. vol.16, no.2, 2000, p.30−31に開示されている。C60、C70、C76、C78、C82、C84、C90およびC96にの製造方法としては、J. Phy. Chem., 94, 8634(1990)にアーク放電法による製造方法が、またZ. Phys. D, 40, 414(1997)にオーブン・レーザー法による製造方法がそれぞれ開示されている。また一分子中の炭素数が96を超えかつ最大凝集塊径が30nm以下の高次フラーレンは上記アーク放電法の副生物として得ることができる。
【0040】
これらフラーレンの市販品としては、C60およびC70としてフロンティアカーボン(株)製、MATERIALS TECHNOLOGIES RESEARCH MTR LIMITED社製などが挙げられる。また、C76、C78、C84としてMATERIALS TECHNOLOGIES RESEARCH MTR LIMITED社製などが挙げられる。
【0041】
上記フラーレン類は炭素数の異なるフラーレンの混合物として用いても本発明の目的を達成することができる。その市販品としては、フロンティアカーボン(株)製またはMATERIALS TECHNOLOGIES RESEARCH MTR LIMITED社製のC60/C70の混合物が挙げられる。
【0042】
また、上記フラーレン誘導体としては、フラーレンの表面に炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基等の官能基を有するものであることができる。上記アミノ基は式−NRで表される。ここで、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基または分子量30〜50,000のポリエーテル鎖であることができる。上記アミノ基において置換基Rがポリエーテル鎖であるときには、その末端は水酸基または炭素数1〜6のアルコキシル基であることができる。
【0043】
上記フラーレン誘導体は、例えばScience, 252,548(1991)およびJ.Am.Chem.Soc, 114,1103(1992)に開示されているエポキシ化反応、Angew.Chem.Int.Ed.Engl., 30,1309(1991)に開示されている1級または2級アミンの付加反応、J.Am.Chem.Soc, 114,7301(1992) に開示されているDiels−Alder反応、あるいはJ. Chem. Soc., Chem. Commun., 1791(1992)に開示されているポリ水酸化反応等により合成することができる。
J.Org.Chem., 59,3503(1994) ならびにJ.Am.Chem.Soc, 118,4484(1996) には、長鎖アルキル基を含むアジド化合物によるフラーレンへの長鎖アルキル基の導入が開示されている。本発明では、特に、フラーレンとアジド化合物が反応して得られるフラーレン誘導体が好ましく用いられる。フラーレンおよびフラーレン誘導体は、周知のように、トルエンなどの芳香族炭化水素溶剤に一部溶解するほかは、その他有機溶剤に対する溶解性が非常に乏しい。本発明で用いられる好ましいフラーレン誘導体は、有機溶剤に対する溶解性向上のためフラーレンに置換基を導入するとともに、それら置換基に(A)光ラジカル発生能および(B)エチレン性不飽和結合を有する重合性能を付与したものである。
【0044】
かかるフラーレン誘導体は、下記式(1)
【0045】
【化6】
Figure 2004264384
【0046】
ここで、
【0047】
【化7】
Figure 2004264384
【0048】
はフラーレン骨格の2個の炭素原子からの結合手を示しそしてXは(A)光ラジカル発生能を有する部位または(B)エチレン性不飽和結合を有する重合性部位を示しそしてnは1〜6の整数を示す、
で表わされる。
【0049】
(A)光ラジカル発生能を有する部位は、下記式(4)
【0050】
【化8】
Figure 2004264384
【0051】
で示される4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン)(チバ・ガイキー社、商品名“イルガキュアー2959”で市販されている)のアジド化合物誘導体をフラーレンと反応せしめることにより容易に導入することができる。アジド化合物誘導体が得られれば、J.Org.Chem., 59,3503(1994)記載の方法により、フラーレンに導入することができる。これにより、下記式(2)
【0052】
【化9】
Figure 2004264384
【0053】
で表わされる、光ラジカル発生能を有する部位を有するフラーレン誘導体が得られる。なお、上記アジド化合物は特開平10−34071号公報に記載の方法により容易に合成することができる。
【0054】
また、(B)エチレン性不飽和結合を有する重合性部位は、分子中にエチレン性不飽和結合とカルボキシル基を含有する化合物をフラーレンと反応せしめることにより導入される。これにより、下記式(3)
【0055】
【化10】
Figure 2004264384
【0056】
ここで、R
【0057】
【化11】
Figure 2004264384
【0058】
を示し、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基でありそしてn、mおよびlはそれぞれ独立に1〜5の整数を示す、
で表わされる重合性を有するフラーレン誘導体が得られる。
【0059】
分子中にエチレン性不飽和結合とカルボキシル基を含有する化合物としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸(B−1の場合)や以下東亞合成(株)製のω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート(B−2の場合)、(メタ)アクリル酸ダイマー(B−3の場合)、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(B−4の場合)が挙げられる。
【0060】
上記導入反応は、まず、例えばp−トルエンスルホン酸を触媒にして、エチレン性不飽和結合とカルボキシル基を含有する化合物とトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンのエステル化合物を合成し、これにクロロアセチルクロライドを反応させ、アミド結合を形成し、アジ化ナトリウムを用いることで、エチレン性不飽和結合を有するアジド化合物を得る。次いでこれを、同様にして、J.Org.Chem., 59,3503(1994)記載の方法によりフラーレンと反応せしめフラーレン誘導体に導入することができる。
【0061】
感放射線性樹脂組成物
本発明の感放射線性樹脂組成物は、上記の共重合体[A]、重合性化合物[B]、重合開始剤[C]および、フラーレンおよび/またはフラーレン誘導体[D]の各成分を均一に混合することによって調製される。通常、本発明の感放射線性樹脂組成物は、適当な溶媒に溶解されて溶液状態で用いられる。例えば共重合体[A]、重合性化合物[B]、重合開始剤[C]、フラーレン化合物および/またはフラーレン誘導体[D]および、必要により、その他の配合剤を、所定の割合で混合することにより、溶液状態として感放射線性樹脂組成物を調製することができる。
【0062】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、共重合体[A]100重量部に対して、重合性化合物[B]を、好ましくは40〜200重量部、より好ましくは60〜150重量部、重合開始剤[C]を、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは5〜30重量部、フラーレンおよび/またはフラーレン誘導体[D]を、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.1〜10重量部の割合で含有している。
【0063】
重合性化合物[B]が40重量部未満の場合は得られるスペーサーの膜べりや強度の低下を生じやすく、200重量部を超える場合は得られるスペーサーの密着性が低下しやすい。また重合開始剤[C]の量が1重量部未満の場合は得られるスペーサーの膜べりや強度の低下を生じやすく、50重量部を超える場合は液晶中への溶出物が増加し電圧保持率が低下しやすい。フラーレンおよび/またはフラーレン誘導体[D]が50重量部を超える場合、感放射線性樹脂溶液に対する溶解性の低下、感放射線性樹脂溶液の低温保存時における、固形分の析出を生じる。
【0064】
本発明の感放射線性樹脂組成物の調製に用いられる溶媒としては、共重合体[A]、重合性化合物[B]、重合開始剤[C]およびフラーレンおよび/またはフラーレン誘導体[D]の各成分を均一に溶解し、各成分と反応しないものが用いられる。
【0065】
具体的には、例えばメタノール、エタノールなどのアルコール類;テトラヒドロフランなどのエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのジエチレングリコール類;プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン類;および酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチルなどのエステル類が挙げられる。
【0066】
これらの溶剤の中で、溶解性、各成分との反応性および塗膜の形成のしやすさから、グリコールエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、エステル類およびジエチレングリコール類が好ましく用いられる。
【0067】
さらに前記溶媒とともに高沸点溶媒を併用することもできる。併用できる高沸点溶媒としては、例えばN−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどが挙げられる。
【0068】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて上記以外に他の成分を含有していてもよい。
【0069】
ここで、他の成分としては、塗布性を向上するための界面活性剤を挙げることができる。その市販品としては、例えばBM−1000、BM−1100(BMCHEMIE社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、エフトップEF301、同303、同352(新秋田化成(株)製)、SH−28PA、SH−190、SH−193、SZ−6032、SF−8428、DC−57、DC−190(東レシリコーン(株)製)などフッ素およびシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
【0070】
アリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシエチレンジアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤;オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、
【0071】
(メタ)アクリル酸系共重合体ポリフローNo.57、95(共栄社化学(株)製)などが挙げられる。
【0072】
これらの界面活性剤は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは5重量部以下、より好ましくは2重量部以下で用いられる。界面活性剤の量が5重量部を超える場合は、塗布時の膜あれが生じやすくなる。
【0073】
また基体との接着性を向上させるために接着助剤を使用することもできる。このような接着助剤としては、官能性シランカップリング剤が好ましく使用される。その例としては、例えばカルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有するシランカップリング剤が挙げられる。具体的にはトリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。 このような接着助剤は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重量部以下の量で用いられる。接着助剤の量が20重量部を超える場合は、現像残りが生じやすくなる。
【0074】
また上記のように調製された組成物溶液は、孔径0.2μm程度のミリポアフィルタなどを用いて濾過した後、使用に供することもできる。
【0075】
スペーサーの形成
本発明の感放射線性樹脂組成物は、下地基板表面に塗布し、プレベークにより溶媒を除去することによって塗膜とすることができる。塗布方法として、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法などの各種の方法を採用することができる。
【0076】
また、プレベークの条件は、各成分の種類、配合割合などによっても異なるが、好ましくは70〜90℃で1〜15分間程度である。次にプレベークされた塗膜に所定パターンマスクを介して紫外線などの放射線を照射し、さらに現像液により現像し、不要な部分を除去して所定パターンを形成する。現像方法は液盛り法、ディッピング法、シャワー法などのいずれでもよく、現像時間は、好ましくは30〜180秒間である。
【0077】
上記現像液としては、アルカリ水溶液、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニアなどの無機アルカリ類;エチルアミン、n−プロピルアミンなどの1級アミン類;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミンなどの2級アミン類;トリメチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエチルアミン、トリエチルアミンなどの3級アミン類;ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの3級アミン類;ピロール、ピペリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネンなどの環状3級アミン類;ピリジン、コリジン、ルチジン、キノリンなどの芳香族3級アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドなどの4級アンモニウム塩の水溶液を使用することができる。また上記アルカリ水溶液に、メタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒および/または界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
【0078】
現像後、流水洗浄を30〜90秒間行い、不要な部分を除去し、さらに圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによって、パターンが形成される。その後このパターンを、ホットプレート、オーブンなどの加熱装置により、所定温度、例えば150〜250℃で、所定時間、例えばホットプレート上なら5〜30分間、オーブン中では30〜90分間加熱処理をすることにより目的とするスペーサーを得ることができる。
【0079】
液晶表示装置
上記の如くしてスペーサーが形成された、スペーサーと液晶配向膜を持つ透明電極付基板を準備し、これらの2枚の平行な基板の間に液晶配向剤を充填し、周囲を封止剤で封止する方法により、本発明の液晶表示素子を得ることができる。本発明の液晶表示素子は本発明の感放射線性樹脂組成物から形成されたスペーサーを持つ透明基板を備えていることを除けばそれ自体公知の構成からなり、それ自体公知の方法により製造することができる。
【0080】
【実施例】
以下に合成例、実施例および比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0081】
合成例1
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル200重量部を仕込んだ。引き続きスチレン10重量部、メタクリル酸20重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部、ジシクロペンタニルメタクリレート25重量部およびを仕込み窒素置換した後、さらに1,3−ブタジエン5重量部を仕込みゆるやかに攪拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は33.5%であり、重合体の重量平均分子量は19,000であった。
【0082】
合成例2
22.4g(0.10モル)の4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(ヒドロキシ−2−プロピルケトン)および9.5g(0.12モル)のピリジンをテトラヒドロフランに溶解させ、この溶液に、氷浴中で、21.0g(0.11モル)のp−トルエンスルホニルクロライド加え、その後、室温で3時間反応させた。その後、エバポレーションすることで溶剤を除去し、塩酸、水および酢酸エチルで抽出後処理により、4−(2−p−トリルスルホニルオキシエトキシ)フェニル−(ヒドロキシ−2−プロピルケトン)を得た。
【0083】
37.8g(0.1モル)の4−(2−p−トリルスルホニルオキシエトキシ)フェニル−(ヒドロキシ−2−プロピルケトン)と9.8g(0.15モル)のアジ化ナトリウムをジメチルスルホキシド中で、60℃で1.5時間反応させた。その後、多量の水へ反応液を注ぎ、黄色オイル状物を酢酸エチルで抽出した。その後、有機層の溶剤を除去、真空乾燥することで4−(2−アジドエトキシ)フェニル−(ヒドロキシ−2−プロピルケトン)を得た。
【0084】
700gのクロロベンゼン中、1.0g(1.38ミリモル)のC60を、窒素雰囲気下、加熱還流し完全に溶解させ、350mg(1.4ミリモル)の4−(2−アジドエトキシ)フェニル−(ヒドロキシ−2−プロピルケトン)のクロロベンゼン溶液(10g)をC60クロロベンゼン溶液に徐々に加えた。24時間加熱還流後、エバポレーションで濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液酢酸エチル/ヘキサン=1/3)で精製した。溶剤除去後、茶褐色固体を得た(収率31wt%)。
【0085】
IRで、2,100cm−1のアジド由来のピークの消失、3,300cm−1の−OH基由来のブロードな吸収、1,660cm−1の−C=O由来のピークの生成を確認した。生成物のトルエン中のUV−Visスペクトルにおいて、C60由来の400nm付近のシャープな吸収、450〜700nmにかけてのブロードな吸収を確認した。
【0086】
このようにして得られた光ラジカル発生能を有するフラーレン誘導体を(D−(A−1))とする。
【0087】
合成例3
9.4g(0.13モル)のアクリル酸、3.8g(0.031モル)のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよび7.5g(0.048モル)のp−トルエンスルホン酸をトルエンに溶解させ、水分離器を付して、8時間加熱還流した。反応終了後、水、炭酸水素ナトリウム水溶液および水で順次後処理して有機層の溶剤を除去し、トリス(((アクリロイル)オキシ)メチル))アミノメタンを得た。
【0088】
3.4g(0.012モル)のトリス(((アクリロイル)オキシ)メチル))アミノメタンおよび2.4g(0.024モル)のトリエチルアミンをテトラヒドロフランに溶解させ、これに、氷浴中で、2.7g(0.024モル)のクロロアセチルクロライドをゆっくりと加えた。室温で3時間反応させた後、エバポレーションすることで溶剤を除去し、塩酸、水による洗滌および酢酸エチルでの抽出後処理により、N−クロロアセチル−トリス(((アクリロイル)オキシ)メチル))イミノメタンを得た。
【0089】
3.6g(0.010モル)のN−クロロアセチル−トリス(((アクリロイル)オキシ)メチル))イミノメタンと0.65g(0.010モル)のアジ化ナトリウムをジメチルスルホキシド中で、60℃で8時間反応させた。その後、多量の水へ反応液を注ぎ、無色オイル状物を酢酸エチルで抽出した。その後、有機層の溶剤を除去、真空乾燥することでN−アジドアセチル−トリス(((アクリロイル)オキシ)メチル))イミノメタンを得た。
【0090】
700gのクロロベンゼン中、1.0g(1.38ミリモル)のC60を、窒素雰囲気下、加熱還流し完全に溶解させ、513mg(1.4ミリモル)のN−アジドアセチル−トリス(((アクリロイル)オキシ)メチル))イミノメタンのクロロベンゼン溶液(10g)をC60クロロベンゼン溶液に徐々に加えた。24時間加熱還流後、エバポレーションで濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液 酢酸エチル/ヘキサン=1/5)で精製した。溶剤除去後、茶褐色固体を得た(収率40wt%)。このようにして得られたエチレン性不飽和結合からなる重合性部位を有するフラーレン誘導体を(D−B−1)とする。
【0091】
IRで、2,100cm−1のアジド由来のピークの消失、1,750cm−1の−CO−O−基由来のピーク、3,400、1,680cm−1の−NH−CO−由来のピークの生成を確認した。生成物のトルエン中のUV−Visスペクトルにおいて、C60由来の400nm付近のシャープな吸収、450〜700nmにかけてのブロードな吸収を確認した。
【0092】
合成例4
合成例3において、アクリル酸9.4g(0.13モル)の代わりに、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート(重合度m≒2)39g(0.13モル)を用い、その他は合成例3と同様にして、エチレン性不飽和結合からなる重合性部位を有するフラーレン誘導体(D−B−2)を得た。この生成物はIRおよびUV−Visにより確認した。
【0093】
合成例5
合成例3において、アクリル酸9.4g(0.13モル)の代わりに、アクリル酸ダイマー28g(0.13モル)を用い、その他は合成例3と同様にして、エチレン性不飽和結合からなる重合性部位を有するフラーレン誘導体(D−B−3)を得た。この生成物はIRおよびUV−Visにより確認した。
【0094】
合成例6
合成例3において、アクリル酸9.4g(0.13モル)の代わりに、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート34.3g(0.13モル)を用い、その他は合成例3と同様にして、エチレン性不飽和結合からなる重合性部位を有するフラーレン誘導体(D−B−4)を得た。この生成物はUVおよびUV−Visにより確認した。
【0095】
実施例1
成分[A]としての合成例1で得られた共重合体100重量部(固形分)と、成分[B]としてのKAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)80重量部と、成分[C]としての2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(Irgacure369;CIBA−GEIGY社製)25重量部、さらに[D]フラーレンとして、C60を0.5重量部とを混合し、固形分濃度が35重量%になるようにジエチレングリコールジメチルエーテルに溶解させた後、孔径0.2μmのミリポアフィルタで濾過して感放射線性樹脂組成物の溶液(S−1)を調製した。
【0096】
実施例2
実施例1において、フラーレンの代わりに、[D]フラーレン誘導体として(D−(A−1))を3.0重量部混合し、固形分濃度が35重量%になるようにジエチレングリコールジメチルエーテルに溶解させた後、孔径0.2μmのミリポアフィルタで濾過して感放射線性樹脂組成物の溶液(S−2)を調製した。
【0097】
実施例3
実施例1において、フラーレンの代わりに、[D]フラーレン誘導体として(D−(B−1))を5.0重量部合し、固形分濃度が35重量%になるようにジエチレングリコールジメチルエーテルに溶解させた後、孔径0.2μmのミリポアフィルタで濾過して感放射線性樹脂組成物の溶液(S−3)を調製した。
【0098】
実施例4
実施例1において、フラーレンの代わりに、[D]フラーレン誘導体として(D−(B−2))を5.0重量部混合し、固形分濃度が35重量%になるようにジエチレングリコールジメチルエーテルに溶解させた後、孔径0.2μmのミリポアフィルタで濾過して感放射線性樹脂組成物の溶液(S−4)を調製した。
【0099】
実施例5
実施例1において、フラーレンの代わりに、[D]フラーレン誘導体として(D−(B−3))を5.0重量部混合し、固形分濃度が35重量%になるようにジエチレングリコールジメチルエーテルに溶解させた後、孔径0.2μmのミリポアフィルタで濾過して感放射線性樹脂組成物の溶液(S−5)を調製した。
【0100】
実施例6
実施例1において、フラーレンの代わりに、[D]フラーレン誘導体として(D−(B−4))を5.0重量部混合し、固形分濃度が35重量%になるようにジエチレングリコールジメチルエーテルに溶解させた後、孔径0.2μmのミリポアフィルタで濾過して感放射線性樹脂組成物の溶液(S−5)を調製した。
【0101】
(I)スペーサーパターンの形成
ガラス基板上にスピンナーを用いて、感放射線性樹脂組成物の溶液を塗布した後、80℃で3分間ホットプレート上でプレベークして塗膜を形成した。
【0102】
上記で得られた塗膜に所定パターンマスクを用いて、365nmでの強度が10mW/cmである紫外線を30秒間照射した。この際の紫外線照射は酸素雰囲気下(空気中)で行った。次いでテトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.14重量%水溶液で25℃で1分間現像した後、純水で1分間リンスした。これらの操作により、不要な部分を除去し、10μm×10μmのスペーサーパターン(残し)を解像することができた。
【0103】
上記で形成されたスペーサーパターンをオーブン中で220℃で60分間加熱し硬化させ高さ5μmのスペーサーパターンを得た。
【0104】
(II)スペーサー強度の評価
上記(I)で得られたスペーサーパターンの強度を微小圧縮試験機(MCTM−200、島津製作所製)を用いて評価した。直径50μmの平面圧子により、一定速度でスペーサーに荷重を加え(0.27gf/sec.)、スペーサーに割れ、破壊が生じたときの荷重(破壊荷重)、歪み(破壊歪み:破壊時の圧縮変位をスペーサー高(径)で割った値を%で表したもの)を測定した(測定温度:20℃)。結果を表1に示す。
【0105】
(III)スペーサー断面形状の評価
上記(I)で形成したスペーサーパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡で観察した。断面形状の評価基準を図1に示す。形状がAやBのように長方形あるいは台形の場合は良好(○)とし、CのようにAやBの形状とは異なることが認められたときは不良(×)とした。
【0106】
(IV)耐熱変形の評価
上記(I)で形成したスペーサーパターンをオーブン中、220℃で60分加熱した。パターン高の寸法変化率が加熱前後で、3%以内で断面形状に変化がない時を◎、5%以内で断面形状に変化がない時を○、寸法変化率が5%を超える時、あるいは、パターンの断面形状が上記(III)においてA,B以外に変形したときを×とした。
【0107】
(V)配向性、電圧保持率、ラビング耐性の評価
▲1▼感放射線性樹脂組成物の溶液をITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面にスピンコート法により塗布し、80℃で3分間ホットプレート上でプレベークして塗膜を形成した。
【0108】
上記で得られた塗膜に所定パターンマスクを用いて、365nmでの強度が10mW/cmである紫外線を30秒間照射した。この際の紫外線照射は酸素雰囲気下(空気中)で行った。次いでテトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.14重量%水溶液で25℃で1分間現像した後、純水で1分間リンスし、圧縮窒素で乾燥させた。これらの操作により、不要な部分を除去し、10μm×10μmのスペーサーパターンを格子状に300μm間隔で形成した。上記で得られたスペーサーパターンを、オーブン中で220℃で60分間加熱し、高さ5μmのスペーサーパターンを得た。
【0109】
次に、液晶配向剤としてAL3046(ジェイエスアール(株)製)を、液晶配向膜塗布用印刷機を用いて、上記、スペーサー形成基板に塗布し、180℃で1時間乾燥し、乾燥膜厚0.05μmの塗膜を形成した。
【0110】
このスペーサー付き塗膜に、ナイロン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンにより、ロールの回転数500rpm、ステージの移動速度1cm/秒でラビング処理を行った。この時、スペーサーパターンが基板から剥がれたり、スペーサーが削られスペーサー高が低くなった場合を不良(×)、スペーサーに剥がれや、削れがなかった場合を良好(○)としてラビング耐性の評価を行った。
【0111】
▲2▼液晶配向剤としてAL3046(ジェイエスアール(株)製)を、液晶配向膜塗布用印刷機を用いて、ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面に塗布し、180℃で1時間乾燥し、乾燥膜厚0.05μmの塗膜を形成した。
【0112】
次に、上記で塗膜形成した液晶配向膜上に、感放射線性樹脂組成物の溶液をスピンコート法により塗布し、80℃で3分間ホットプレート上でプレベークして塗膜を形成した。得られた塗膜に所定パターンマスクを用いて、365nmでの強度が10mW/cmである紫外線を30秒間照射した。この際の紫外線照射は酸素雰囲気下(空気中)で行った。次いでテトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.14重量%水溶液で25℃で1分間現像した後、純水で1分間リンスし、圧縮窒素で乾燥させた。これらの操作により、不要な部分を除去し、10μm×10μmのスペーサーパターンを格子状に300μm間隔で形成した。上記で得られたスペーサーパターンを、オーブン中で220℃で60分間加熱し、高さ5μmのスペーサーパターンを得た。
【0113】
このスペーサー付き塗膜に、ナイロン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンにより、ロールの回転数500rpm、ステージの移動速度1cm/秒でラビング処理を行った。この時、スペーサーパターンが基板から剥がれたり、スペーサーが削られスペーサー高が低くなった場合を不良(×)、スペーサーに剥がれや、削れがなかった場合を良好(○)としてラビング耐性の評価を行った。
【0114】
▲3▼液晶配向剤としてAL3046(ジェイエスアール(株)製)を、液晶配向膜塗布用印刷機を用いて、ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面に塗布し、180℃で1時間乾燥し、乾燥膜厚0.05μmの塗膜を形成した。
【0115】
この塗膜に、ナイロン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンにより、ロールの回転数500rpm、ステージの移動速度1cm/秒でラビング処理を行った。
【0116】
次に、感放射線性樹脂組成物の溶液を上記液晶配向膜上にスピンコート法により塗布し80℃で3分間ホットプレート上でプレベークして塗膜を形成した。
【0117】
上記で得られた塗膜に所定パターンマスクを用いて、365nmでの強度が10mW/cmである紫外線を30秒間照射した。この際の紫外線照射は酸素雰囲気下(空気中)で行った。次いでテトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.14重量%水溶液で25℃で1分間現像した後、純水で1分間リンスし、圧縮窒素で乾燥させた。これらの操作により、不要な部分を除去し、10μm×10μmのスペーサーパターンを格子状に300μm間隔で形成した。上記で得られたスペーサーパターンを、オーブン中で220℃で60分間加熱し、高さ5μmのスペーサーパターンを得た。
【0118】
上記▲1▼、▲2▼、▲3▼で得られたスペーサー付き基板の液晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径5μmのガラスファイバー入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷塗布した後、一対の基板を液晶配向膜面が相対するように、しかもラビング方向が直交するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させた。
【0119】
次いで、液晶注入口より一対の基板間に、ネマティック型液晶(メルク社製、ZLI−4792)を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止し、基板の外側の両面に偏光板を、偏光板の偏向方向がそれぞれの基板の液晶配向膜のラビング方向と一致するように張り合わせ、液晶表示素子を作成した。▲1▼、▲2▼、▲3▼で得られたスペーサー付き基板より得られたそれぞれの液晶表示素子の電圧保持率、配向性を評価した。液晶表示素子の電圧保持率は、液晶表示素子に5Vの電圧を印加した後、回路をオープンし、16.7msec.後の保持電圧を測定することにより評価した。また、液晶表示素子の配向性評価は、電圧をオン・オフさせた時の液晶セル中の異常ドメインの有無を、偏光顕微鏡で観察し、異常ドメインの認められない場合を良好(○)、異常ドメインの認められた場合を不良(×)と判断した。
【0120】
【表1】
Figure 2004264384
【0121】
【発明の効果】
本発明によれば、フラーレンまたはフラーレン誘導体を含む感放射線性樹脂組成物溶液から形成される表示パネル用スペーサーが提供される。これは、要求される強度、耐熱寸法安定性を満たすと共に、ラビング耐性に優れ、液晶の電圧保持率、配向性能を低下させない表示パネルスペーサーとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】スペーサーの断面形状を示した説明図である。

Claims (4)

  1. [A](a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、
    (a2)エポキシ基含有不飽和化合物、および
    (a3)前記(a1)および(a2)以外のオレフィン系不飽和化合物、
    の共重合体、
    [B]エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、
    [C]感放射線重合開始剤 ならびに
    [D]フラーレンおよび/またはフラーレン誘導体
    を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
  2. [D]フラーレン誘導体が、下記式(1)
    Figure 2004264384
    式中、
    Figure 2004264384
    はフラーレン骨格の2個の炭素原子からの結合手を意味し、Xは、(A)光ラジカル発生能を有する部位または(B)エチレン性不飽和結合を有する重合性部位を示しそしてnは1〜6の整数を示す、
    で示される、フラーレンとアジド化合物が反応して得られるフラーレン誘導体である請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
  3. 上記式(1)のXの定義において、(A)光ラジカル発生能を有する部位を有するフラーレン誘導体が、下記式(2)で表され、そして(B)エチレン性不飽和結合を有する重合性部位を有するフラーレン誘導体が、下記式(3)で表される請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2004264384
    Figure 2004264384
    式中、R
    Figure 2004264384
    を示し、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基でありそしてn、mおよびlはそれぞれ独立に1〜5の整数を示す。
  4. 請求項1記載の感放射線性樹脂組成物から形成されたスペーサーを備えた液晶表示素子。
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