JP2004262491A - 包装材料 - Google Patents

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滋 湊
Norihide Endo
典秀 遠藤
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Abstract

【課題】優れた耐磨耗性、耐スクラッチ性を有すると共に、高速の包装速度の包装機において、比較的高い荷重が加わった状態で高速に繰り出されても、カートン供給部での二枚差しや、カートン起函部での飛び出し現象が発生する恐れのない、優れた表面物性、包装適性を有する包装材料を提供する。
【解決手段】基材紙1上に、紫外線硬化型インキによる印刷層2を有し、さらにこの印刷層が形成された基材紙面を実質的に全体にわたり被覆するオーバープリントワニス層3を有する包装材料であって、JIS P8147に準拠して印刷面同志を接触させた摩擦係数試験で、63.5mm×63.5mm当たり3000gの荷重をかけて測定された、オーバープリントワニス層表面の動摩擦係数が0.300〜0.600、静摩擦係数が0.600〜0.900であることを特徴とする包装材料。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装材料に関するものである。詳しく述べると本発明は、紫外線硬化型インキを用いた印刷を施してなるカートンなどの包装材料であって、その表面が適度で安定した滑り性を有し、包装機における繰り出しなどの機械的特性を向上させることのできる包装材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カートンなどの包装材料の印刷には、主に平版印刷(オフセット印刷)、グラビア印刷、フレキソ印刷などの印刷手段が用いられ、絵柄や文字などのカラー印刷を施した後、その上に、下刷りの印刷層を保護し、耐摩擦性や耐スクラッチ性を向上させると共に、適度の滑り性を付与し、また、光沢を付与して意匠性を向上させるために、透明なオーバープリントワニス(以下、「OPワニス」とも称する。)層が印刷またはコーティング手段などにより設けられている。
【0003】
特に、平版印刷においては、近年、印刷インキとして従来の油性インキのほかに、乾燥が瞬時に行え、強度に優れたインキ皮膜を形成できる紫外線硬化型インキが使用されるようになってきている。当初は、そのインキが高価であったため、性能に優れる割にその使用が制約されていたが、徐々にその使用比率も高まっている。
【0004】
このような平版印刷用の紫外線硬化型インキを用いた印刷されたカートンなどの包装材料においても、絵柄等の印刷層の上には、通常は、接着部を除く全面にOPワニスを印刷して、耐摩耗性や耐スクラッチ性を一層向上させると共に、適度の滑り性と光沢とを付与することが行われている。
【0005】
そして、絵柄等の印刷に紫外線硬化型インキを用いた場合には、OPワニスにも紫外線硬化型のOPワニスを用いて絵柄等の印刷とインラインでOPワニスの印刷を行うことが一般的である。
【0006】
このような平版印刷用の紫外線硬化型OPワニスには、平版印刷用の紫外線硬化型インキと同様に、紫外線硬化性を有すると同時に、平版印刷に適するレオロジーが必要であり、そのためには、例えば、紫外線硬化型インキに用いるビヒクルと同様な樹脂組成物を主成分とし、これに、表面の滑り性を向上させて耐摩耗性や耐スクラッチ製を向上させるための低分子量ポリエチレンワックス、高分子ワックスなどのワックス類、またはシリコーンオイルやシリコーン樹脂などの各種シリコーン系化合物などのスリップ剤のほか、光重合開始剤や増感剤、重合禁止剤、そして体質顔料などの添加剤を適宜添加した樹脂組成物が用いられている。
【0007】
また、平版印刷で使用可能な「紫外線硬化型オーバープリントワニス組成物」として、例えば、特許文献1には、1個以上の水酸基を有する(メタ)アクリレートの1種以上の30質量%と、該(メタ)アクリレート以外で1個のエチレン性不飽和基を有する単量体の1種以上の70質量%以下とを、150〜350℃の共重合温度において連続重合して、数平均分子量1,000〜10,000の共重合体(a)を得、次いで、1個以上のエチレン性不飽和基と1個のカルボキシル基を有する単量体を上記共重合体中の水酸基に対してエステル化反応させた反応性樹脂(A)と、紫外線硬化型単量体の1種以上からなる反応性希釈剤(B)と、光開始剤(C)と、を含有することを特徴とする紫外線硬化型オーバープリントワニス組成物が開示されている。
【0008】
そして、この組成物には、上記必須成分の他に、必要に応じて硫酸バリウム、酸化珪素、タルク、クレー及び炭酸カルシウム等の無機充填剤、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、酸化チタン及びカーボンブラック等の染料又は顔料、粘度調節剤、処理剤、UV遮断剤、密着性付与剤及びレベリング剤等の各種添加剤、並びにハイドロキノン等の重合禁止剤を配合することもできる旨が示されている。
【0009】
また、例えば、特許文献2には、同様に平版印刷で使用可能な「エネルギー線硬化型水性樹脂組成物およびオーバープリントワニス」として、分子内に一個以上のエチレン性不飽和基を有する水溶性樹脂(A)と、3級アミン化合物(B)と、アルコールおよび水に溶解可能なポリマー(C)を含有するエネルギー線硬化型水性樹脂組成物と、このような樹脂組成物からなるオーバープリントワニスが開示されている。
【0010】
そして、上記エネルギー線硬化型水性樹脂組成物には、粘度調整などの目的で必要に応じて水を添加することができること、また、可塑剤、安定剤、ワックス、滑剤、分散剤、充填剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、重合禁止剤、帯電防止剤、蛍光染料等の公知の添加剤を添加しても良い旨が、示されている。
【特許文献1】
特開平10−17787号公報
【特許文献2】
特開2000−327709号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような平版印刷用紫外線硬化型OPワニス組成物を、絵柄等の印刷層上に印刷した折り畳みカートンなどの包装材料は、包装時の速度が100〜200個/分程度の通常の包装機で使用する場合には、あまり問題は生じないが、例えば包装時の速度が500〜800個/分といった高速の包装機で使用される場合には、カートン供給部に大量の空カートンを積み上げて、下側から1個ずつ繰り出す必要があり、繰り出されるカートンには、1個当たり例えば3kg〜5kg前後の荷重がかかるため、カートンの繰り出し時に、カートン表面の滑り性、特に動摩擦係数が不安定となり、供給部でのカートンの二枚差しや、カートン起函部での飛び出し現象が発生し、包装機械適性が不良となる問題が生じていた。
【0012】
従って本発明は、前述したようにカートンなどの基材紙上に、紫外線硬化型インキによって絵柄等の印刷層を形成し、さらに、その上部に紫外線硬化型OPワニス組成物によるオーバープリントワニス層を形成してなる包装材料において、優れた耐磨耗性、耐スクラッチ性を有すると共に、例えば、100〜200個/分といった通常の包装速度の包装機は元より、例えば、500〜800個/分といった高速の包装速度の包装機において、比較的高い荷重が加わった状態で高速に繰り出されても、積層された包装材料の表面間で良好な滑り性が発揮され、カートン供給部での二枚差しや、カートン起函部での飛び出し現象が発生する恐れのない、優れた表面物性、包装適性を有する包装材料を提供することを課題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者らは、カートンなどの基材紙上に、紫外線硬化型インキによる印刷層を形成し、さらに、その上部に紫外線硬化型OPワニス組成物によるオーバープリントワニス層を形成してなる包装材料において、特に、オーバープリントワニス層の表面物性、特に、滑り性に着目して、鋭意検討を行った結果、「JIS P8147 紙及び板紙の摩擦係数試験方法」に規定される摩擦係数試験で、63.5mm×63.5mm当たり3000gの荷重をかけるというような比較的大きな荷重下において測定した際、オーバープリントワニス層の表面が、ある所定範囲内の静摩擦係数および動摩擦係数を示すものである場合に、前記したような高速の包装機においても優れた包装機適性を発揮することができる包装材料となることを見出し、本発明に至ったものである。
【0014】
さらに、本発明者らは、このような前記摩擦係数試験において、動摩擦係数の変動をチャートに記録した際に、動摩擦係数の測定初期から所定の期間における動摩擦係数の値の変動が、ある一定のパターンを示す場合、高速の包装機における特に優れた充填特性が発揮されること、加えて、「JIS P8147 紙及び板紙の摩擦係数試験方法」に規定される滑り傾斜角度が所定範囲内のものとすることが、高速の包装機における充填特性をより良好とする上で有効であること、また、包装材料に、上記のごとき、所定範囲内の静摩擦係数および動摩擦係数を付与する上では、例えば、オーバープリントワニス層を形成する紫外線硬化型オーバープリントワニス組成物中における体質顔料の配合量を所定のものとすることが有効であること等を、併せて見出したものである。
【0015】
すなわち、上記課題を解決する本発明は、基材紙上に、紫外線硬化型インキによる印刷層を有し、さらにこの印刷層が形成された基材紙面を実質的に全体にわたり被覆するオーバープリントワニス層を有する包装材料であって、JIS P8147に準拠して印刷面同志を接触させた摩擦係数試験で、63.5mm×63.5mm当たり3000gの荷重をかけて測定された、オーバープリントワニス層表面の動摩擦係数が0.300〜0.600、静摩擦係数が0.600〜0.900であることを特徴とする包装材料である。
【0016】
本発明はまた、前記摩擦係数試験において、測定試料の引張り速度を100mm/分、記録紙の移動速度50mm/分に設定して、動摩擦係数の変動をチャートに記録した際に、動摩擦係数の測定初期から少なくとも30秒間の間において、動摩擦係数の値が経時的に減少する波形を描くことを特徴とする包装材料を示すものである。
【0017】
本発明はさらに、オーバープリントワニス層表面のJIS P8147に準拠する滑り傾斜角度が15〜20°であることを特徴とする包装材料を示すものである。
【0018】
本発明はさらに、前記オーバープリントワニス層が体質顔料を18〜30質量%含有する紫外線硬化型オーバープリントワニス組成物により形成されたものであることを特徴とする包装材料を示すものである。
【0019】
本発明はさらに写真感光材料包装用として用いられるものである包装材料を示すものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、実施の形態に基づき詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の包装材料の構成を模式的に示す断面図である。
【0022】
図1に示すように、本発明に係る包装材料は、基材紙1上に、各種色調の紫外線硬化型インキを用いて形成された、絵柄、文字等の印刷層2を有し、さらにこの印刷層2が形成された基材紙1面上に、実質的に全体にわたり(カートン形成のための接着部4などを除く。)形成されたOPワニス層3を有するものである。
【0023】
そして、本発明の包装材料は、そのOPワニス層3の動摩擦係数が0.300〜0.600、より好ましくは、0.400〜0.600、静摩擦係数が0.600〜0.900、より好ましくは0.600〜0.850であることを特徴とする。
【0024】
なお、本発明において、これらの動摩擦係数および静摩擦係数は、「JIS P8147 紙及び板紙の摩擦係数試験方法」に規定される摩擦係数試験において、63.5mm×63.5mm当たり3000gの荷重をかけて測定された測定されたものである。
【0025】
OPワニス層3の動摩擦係数が0.300未満であると、包装材料表面の滑り性が高くなりすぎて、例えば包装機のカートン起函部での飛び出し現象が発生する虞れが高いものとなり、一方、0.600を超えるものであると、荷重が加わった状態で高速に繰り出された場合に、積層された包装材料の表面間でうまく滑り性が発揮されず、カートン供給部での二枚差し等が発生してしまうため、いずれも好ましくない。また、静摩擦係数が0.600〜0.900の範囲内にないと、カートン供給部での二枚差し等が発生してしまう虞れがたかくなるためである。
【0026】
なお、一般的な低荷重下において動摩擦係数および静摩擦係数を測定した場合、本発明におけるような包装材料の包装適性の良否を判断する上での有意な変動を観察することは困難であり、上記に規定するように、高荷重下において摩擦係数を測定したことによって、はじめてその特徴的物性を捉えることができたものであり、この点については本発明者らによって初めて成し遂げられたものである。
【0027】
本発明の包装材料において、OPワニス層3の表面が、上記したような所期の動摩擦係数および静摩擦係数を発揮するものとするための具体的な要素としては、特に限定されるものではなく、例えば、基材紙の表面粗さ(平滑度)、インキの受理性、浸透性等を調整するによって行うこともできるが、好ましくは、以下に述べるように、OPワニス層3を形成するために使用される紫外線硬化型OPワニス組成物中に配合される体質顔料の配合量を所定の範囲のものとすることで調節することが望ましい。体質顔料は、従来の紫外線硬化型OPワニス組成物中にも少量配合されているものであるが、この配合量を所定範囲まで増やすことによって、形成されたOPワニス層3の表面が、配合された体質顔料によって適度な凹凸を有し、これによって包装材料が積層された際に互いの接触面積が小さくなり、所期の動摩擦係数および静摩擦係数を発揮されるものと考えられる。しかも、このような体質顔料は、例えば、滑剤としてシリコーンオイルなどのような液状スリップ剤を用いた場合とは異なり、経時ないしは温度条件の変動によるブリード等によって、与えられる滑り特性を変動させることもなく、安定した滑り特性を付与することができる。
【0028】
さらに本発明の包装材料においては、前記摩擦係数試験において、測定試料の引張り速度を100mm/分、記録紙の移動速度50mm/分に設定して、動摩擦係数の変動をチャートに記録した際に、動摩擦係数の測定初期から少なくとも30秒間の間において、動摩擦係数の値が経時的に減少する波形を描くものであることが好ましい。このような観測において、動摩擦係数の値が経時的に増大したり、あるいはほぼ平行にシフトするような波形を描く場合には、包装材料が、高速の包装機において高速に繰り出された場合に、安定した送り出しがなされず、例えば、動摩擦係数および静摩擦係数を上記した所定範囲内のものとした場合であっても、カートン供給部での二枚差し等が不具合が発生する可能性が残るものである。
【0029】
なお、前記したように、OPワニス層への体質顔料の添加によって滑り性を付与した場合、上記したような高荷重下における摩擦係数試験において、計測される動摩擦係数の値が測定初期から徐々に低い数値(抵抗が小さくなる方向)へとシフトするという、良好な包装機適正を得る上で、上記したように非常に望ましいもの波形を示すものであることが判明した。
【0030】
従来の油性インキおよび油性OPワニスを用いた包装材料は、紫外線硬化型インキおよび紫外線硬化型OPワニスを用いた包装材料に比べて、一般に滑り易い傾向がある。これは油性印刷の場合、インキ乾燥に時間を要するため、印刷直後における積層でのブロッキングを防止するために、コンスターチ等のパウダーを印刷面に塗布しており、このパウダーが油性印刷の包装材料の滑り性に影響を及ぼし、このパウダーが包装材料表面間において、ちょうどコロのような機能を果たすため、高荷重下における摩擦係数試験において、計測される動摩擦係数が測定初期から徐々に低い数値へとシフトする特徴的な波形を示すが、上記したように、紫外線硬化型OPワニス組成物中に所定量の体質顔料を添加することで滑り性を付与した本発明に係る包装材料においても、油性印刷のものと同様の波形が得られることとなるため、油性印刷の包装材料と同様の良好な滑り特性を、紫外線硬化タイプの印刷において達成することができるものである。
【0031】
さらに、本発明の包装材料においては、前記OPワニス層3の表面のJIS P8147に準拠する滑り傾斜角度が15〜20°であることが、包装材料の高速充填適性を満たす上で望ましい。滑り傾斜角度が、15°未満であると包装材料表面の滑り性が高くなりすぎて、例えば、高速の包装機のカートン起函部での飛び出し現象が発生する虞れが高いものとなり、一方、20°を超えるものであると、荷重が加わった状態で高速に繰り出された場合に、積層された包装材料の表面間でうまく滑り性が発揮されず、カートン供給部での二枚差し等が発生してしまうため、いずれも好ましくない。
【0032】
本発明において、包装材料の基材紙1としては、特に限定されるものではなく、包装材料が使用される用途等に応じて適宜選択が可能であるが、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ等の化学パルプ、GP、RGP、TMP等の機械パルプを原料として用い公知の各種抄紙機等で抄紙される上質紙、中質紙、片艶紙及びクラフト紙等の酸性紙、中質紙、アルカリ性紙等各種の薄紙ないし厚紙が用いられ得る。基材紙中には、紙力増強剤、サイズ剤、填料、歩留向上剤等の抄紙補助剤が適宜含まれ、また必要に応じて、サイズプレス或いはゲートロールコーターなどにより澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリルニトリル等のコート剤が塗布される。
【0033】
また、本発明に係る包装材料が、カートン用ブランクである場合には、特に限定されるわけではないが、例えば、コートボールウラネズ、コートボールウラジロなどと呼別されるコートボール紙、ノーコートボール紙、カード紙、アイボリー紙等の板紙を用いることができ、また、その斤量としては例えば、230〜600g/cm程度のものものが好ましい。
【0034】
さらに、本発明に係る包装材料が適用されるカートンの形状としても、特に限定されるわけではなく、例えば、サックカートン、シールカートン、オートボトム、Doロックカートンなどといった公知の各種の態様のものとすることができる。
【0035】
このような、基材紙1の表面上に、所望の絵柄、文字等の印刷層2を形成するために用いられる紫外線硬化型インキとしては、特に限定されるものではないが、ビヒクルとして、例えば、アクリル系プレポリマーないしオリゴマーと多官能アクリレート系モノマーを主成分として含有し、また着色剤として各種の顔料等を配合されたものである。
【0036】
上記アクリル系プレポリマーないしオリゴマーと多官能アクリレート系モノマーとしては、紫外線硬化型インキまたはOPワニスのビヒクルに使用されている公知のアクリル系プレポリマーないしオリゴマーおよび多官能アクリレート系モノマーのいずれも使用することが可能である。
【0037】
アクリル系プレポリマーないしオリゴマーとしては、例えば、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレートなどのアクリレート類のほか、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレートなどのメタクリレート類を挙げることができる。
【0038】
前記多官能アクリレート系モノマーとしては、例えば2官能アクリレート系モノマーでは、エチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートなどが挙げられ、3官能以上のアクリレート系モノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが挙げられる。
【0039】
上記のほか、以下のようなアクリレートおよびメタクリレート(以下、「(メタ)アクリレート」と記載する。)も、皮膜物性の調整や印刷適性の向上のために適宜混合して使用することができる。
【0040】
このような(メタ)アクリレートとしては、例えば、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリン(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレン(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
【0041】
紫外線硬化型インキに配合される着色剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、カーボンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラックアルカリブルートナー等の黒色着色剤、黄鉛、カドミウムエロー、黄色酸化鉄、チタン黄、クロムエロー、ビスアゾエロー、ナフトールエロー、ハンザエロー、ピグメントエロー、ベンジジンエロー、パーマネントエロー、キノリンエローレーキ、アンスラピリミジンエロー等の黄色着色剤、メチレンブルー、アニリンブルー、コバルトブルー、セルリアンブルー、カルコオイルブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ウルトラマリンブルー、インダンスレンブルー、インジゴ等の青色着色剤、クロムグリーン、コバルトグリーン、ピグメントグリーンB、グリーンゴールド、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレート、ポリクロムブロム銅フタロシアニン等の緑色着色剤、パーマネントオレンジ、モリブデンオレンジ、バルカンファーストオレンジ、ベンジンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジ等の橙色着色剤、酸化鉄、アンバー、パーマネントブラウン等の褐色着色剤、ベンガラ、ローズベンガラ、アンチモン末、パーマネントレッド、ファイヤーレッド、ブリリアントカーミン、ライトファストレッドトーナー、パーマネントカーミン、ピラゾロンレッド、ボルドー、ヘリオボルドー、ローダミンレーキ、デュポンオイルレッド、チオインジゴレッド、チオインジゴマルーン、ウォッチングレッドストロンチウム等の赤色着色剤、コバルト紫、ファーストバイオレット、ジオキサンバイオレット、メチルバイオレットレーキ等の紫色着色剤などの各種顔料(不溶化染料を含む。)、および後述するような体質顔料を例示することができ、これらの着色剤は単独あるいは複数組み合わせて用いることができる。
【0042】
本発明において用いられる紫外線硬化型インキにおけるこれら着色剤の配合量としては、特に限定されるものではないが、例えば、15〜25質量%程度である。
【0043】
本発明において用いられる紫外線硬化型インキには、上述した成分のほか、光重合開始剤の添加が必要であり、その他、必要に応じて、増感剤、重合禁止剤、ワックス類などを配合することができる。
【0044】
光重合開始剤としては、公知のいずれのものを使用することもでき、例えば、アントラキノン、ベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビストリクロロメチルベンゾフェノン、ジブチルフェニルホスフィン、α,α−ジエトキシアセトフェノン、2−エチルアントラキノン、ベンゾインビスフェニル、クロロベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノンチオキサントン、メチルオルトベンゾイル安息香酸、パラジメチルアミノアセトフェノンなどを例示することができるが、これらに限定されるわけではない。
【0045】
増感剤としても、公知のいずれのものを使用することもでき、例えば、パラジメチルアミノ安息香酸エステル、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ヘキサクロロエタンなどを例示することができるが、これらに限定されるわけではない。
【0046】
前記光重合開始剤および増感剤は、それぞれを単独または2種以上組み合わせて使用することができ、その配合割合は、インキの全質量に対して、それぞれ0.5〜10質量%程度が好ましい。
【0047】
また、重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩などをしようすることができ、その配合割合は、インキの全質量に対して、10ppm〜10質量%程度が好ましい。
【0048】
また、ワックス類としては、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、高分子ワックスなどを使用することができるが、その配合割合は、インキの全質量に対して、0〜5質量%程度が好ましい。
【0049】
さらに、上記したような印刷層2が形成された基材紙1の表面上に、OPワニス層3を形成するために用いられる紫外線硬化型OPワニス組成物は、特に限定されるものではないが、ビヒクルとして、上述した紫外線硬化型インキにおいて用いられるものと同様のアクリル系プレポリマーないしオリゴマーと多官能アクリレート系モノマーを少なくとも主成分として含有する。
【0050】
アクリル系プレポリマーないしオリゴマーと多官能アクリレート系モノマーとしては、上述した紫外線硬化型インキの場合と同様に、公知のアクリル系プレポリマー、オリゴマーおよび多官能アクリレート系モノマーのいずれも使用することが可能である。なお、その例としても、上述したものと同様のものが挙げられるので、簡略化のためその説明を省略する。
【0051】
紫外線硬化型OPワニス組成物中には、上記のアクリル系プレポリマーないしオリゴマーと多官能アクリレート系モノマーのほか、上述した紫外線硬化型インキの説明において例示したと同様の(メタ)アクリレートも、皮膜物性の調整や印刷適性の向上のために適宜混合して使用することができる。(メタ)アクリレートとしては、上述したものと同様のものが挙げられるので、簡略化のためその説明を省略する。
【0052】
そして、本発明に用いられる紫外線硬化型OPワニス組成物中には、前述したように、包装材料の表面特性を所望のものとするために、体質顔料が所定量配合されるが、この体質顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、沈降硫酸バリウム、タルク、シリカ粉末などの公知の体質顔料を使用ができる。これらは、一種を単独で使用しても、あるいは二種以上を混合して使用しても良い。
【0053】
これらの中でも、特に炭酸カルシウムは、粒子の形状が、立方形の膠質炭酸カルシウム、紡鐘形、柱状形、球状形の軽微性炭酸カルシウム、不定形の重質炭酸カルシウム、その他、針状形、薄片状形など種類が豊富で安定した形状のものが得られ、かつ安価であるから、特に好ましく使用できる。
【0054】
本発明において、このような炭酸カルシウムなどの体質顔料の粒子形状としては、球形状のものよりも、立方形、紡鐘形、柱状形などのように角張った形状であることが好ましい。
【0055】
本発明の包装材料において、OPワニス層を形成するために使用される紫外線硬化型OPワニス組成物中に配合されるこのような体質顔料の配合量は、OPワニス層が、JIS P8147に準拠して印刷面同志を接触させた摩擦係数試験で63.5mm×63.5mm当たり3000gの荷重をかけて測定された際に、所望の摩擦係数、すなわち、動摩擦係数0.300〜0.600、静摩擦係数0.600〜0.900を得る上で、極めて重要であり、紫外線硬化型OPワニス組成物中における含有量がOPワニス組成物の全質量に対し18〜30質量%の範囲のものであることが好ましい。
【0056】
前記体質顔料の含有量が18質量%未満の場合は、OPワニス層に配合される体質顔料のみによって、前記した所望の摩擦係数を達成することが困難であり、例えば、高速包装機を使用した場合の包装機適性を改善できない虞れがあり、一方、体質顔料の含有量が30質量%を超える場合には、紫外線硬化型OPワニス組成物の平版印刷での印刷特性が損なわれる虞れがあるためである。
【0057】
また、体質顔料の平均粒子径としては、0.1〜5μmの範囲であることが望ましい。体質顔料の平均粒子径が0.1μm未満の場合には、OPワニス層にこのような体質顔料が添加されていても、上記したような所望の表面特性が得られない虞れがあり、一方、体質顔料の平均粒子径が5μmを超える場合には、OPワニス層を形成する際に、平版印刷の印刷適性が損なわれる虞れがあるためである。
【0058】
本発明において用いられる紫外線硬化型OPワニス組成物には、上述した成分のほか、光重合開始剤の添加が必要であり、その他、必要に応じて、増感剤、重合禁止剤、ワックス類などを配合することができる。
【0059】
光重合開始剤としては、公知のいずれのものを使用することもできる。なお、その例としては、上述した紫外線硬化型インキの説明において例示したと同様のものが挙げられるので、簡略化のためその説明を省略する。また、増感剤としても、公知のいずれのものを使用することもでき、その例としては、上述した紫外線硬化型インキの説明において例示したと同様のものが挙げられるので、簡略化のためその説明を省略する。
【0060】
前記光重合開始剤および増感剤は、それぞれを単独または2種以上組み合わせて使用することができ、その配合割合は、OPワニス組成物の全質量に対して、それぞれ0.5〜10質量%程度が好ましい。
【0061】
また、重合禁止剤の例としては、上述した紫外線硬化型インキの説明において例示したと同様のものが挙げられるので、簡略化のためその説明を省略する。その配合割合は、OPワニス組成物の全質量に対して、10ppm〜10質量%程度が好ましい。
【0062】
また、ワックス類としては、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、高分子ワックスなどを使用することができ、その配合割合は、インキの全質量に対して、0〜3質量%程度が好ましい。ワックス類の添加量が極端に多いと、形成されるOPワニス層の滑り特性の経時的ないしは温度的変化が大きくなる虞れがあるため、好ましくない。
【0063】
次に、本発明の包装材料の製造方法について簡単に説明する。
【0064】
本発明の包装材料は、例えば、紫外線照射装置を備えたオフセット印刷機で、シート状の基材上に、まず絵柄や文字などの印刷層を紫外線硬化型インキを用いて印刷した後、その上にインラインにて、紫外線硬化型OPワニス組成物を印刷することによって製造することができる。
【0065】
紫外線硬化型インキおよび紫外線硬化型OPワニス組成物の印刷に使用する版は、湿し水を使用するPS版などでもよく、また、感光性樹脂版などを用いたドライオフセット版であってもよい。OPワニス層の厚みは、特に厚く設定する必要はないが、多少厚めに形成したい場合は、ドライオフセット版を使用することが好ましい。
【0066】
OPワニス層の厚みは、通常、塗布量で1.0〜5.0g/mの範囲が適当であり、また、印刷層の厚みは、通常、塗布量で1.0〜3.0g/mの範囲が適当である。
【0067】
オフセット印刷機に取り付ける紫外線照射装置の光源には、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプなどを使用することができ、例えば、高圧水銀灯を用いる場合、80〜160W/cmの光量を有するランプを印刷ユニット毎または排紙部にまとめて印刷速度に応じて、必要な灯数を設置して、印刷された紫外線硬化型インキおよび/または紫外線硬化型OPワニス組成物を硬化させることができる。
【0068】
さらに、このようにして製造された包装材料を用いて、紙カートンを製造し、包装を行う場合には、例えば、上述のようにして印刷層およびOPワニス層を印刷されたシート状の包装材料を、枚葉打抜機などで所定形状に打ち抜いてカートンブランクを作製し、次いで、製函機等によってサック貼り等して製函する。そして、この例えばサック貼りブランクを折り畳まれた状態のスタックとして、包装機のカートン供給部に充填し、サック貼りブランクを下から順に吸着して引き出し、次いで折り曲げた2辺を叩くように押すことで角筒状に起函させ、該角筒状の胴部の中に商品を収納した後でその両側を閉じることにより包装が完了する。上述したように、本発明に係る包装材料においては、例えば、OPワニス層を形成する紫外線硬化型OPワニス組成物に、18〜30質量%と従来のものよりも多く体質顔料を含有させることで、その表面(OPワニス層)の動摩擦係数が0.300〜0.600、静摩擦係数が0.600〜0.900で、かつ、摩擦係数試験において計測される動摩擦係数が測定初期から徐々に低い数値へとシフトする特徴的な波形を採るといった、表面特性のものとされているため、通常の速度の包装機はもとより、500〜800個/分といった高速の包装機でも、カートン供給部での2枚差しや、カートン起函部での飛び出し現象を発生することなく良好に使用できるという、包装機適性に優れたカートンを提供することができる。
【0069】
本発明に係る包装材料の用途としては、特に限定されるものではなく、各種製品の包装用途に用いることができるが、好適な一例としては、例えば、写真感光材料の包装を挙げることができる。
【0070】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき、より具体的に説明する。
なお、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0071】
実施例1
基材紙としての斤量270g/cmのコート紙(王子製紙製、UFコート(コートボールウラネズタイプ))に、紫外線照射装置を備えたオフセット印刷機を用いて、まず、緑、赤、黄、墨の4色の紫外線硬化型インキ(UVカルトン シリーズ、ザ・インクテック株式会社)にて、硬化後の塗布量がそれぞれ約2g/mとなるようにして、絵柄の印刷層を印刷した。次いで、その上に硬化後の塗布量が約2g/mとなるように、以下に示すような組成の紫外線硬化型OPワニス組成物をベタ印刷して、カートン用の包装材料を作成した。
紫外線硬化型OPワニス組成
(1)アクリル系プレポリマー、オリゴマー 45質量%
(2)多官能アクリレート系モノマー 15質量%
(3)光重合開始剤 8質量%
(4)体質顔料 25質量%
(5)ワックス 2質量%
(6)その他添加剤 5質量%
このように作製した包装材料について、その表面の摩擦係数試験を、「JISP8147 紙及び板紙の摩擦係数試験方法」に規定される摩擦係数試験に準拠し、63.5mm×63.5mm当たり3000g荷重下において測定した。また、その表面の滑り傾斜角度を、「JIS P8147 紙及び板紙の摩擦係数試験方法」に規定される滑り傾斜角度測定法に準拠して測定した。得られた結果を表1に示す。
【0072】
さらに、前記摩擦係数試験において、測定試料の引張り速度を100mm/分、記録紙の移動速度50mm/分に設定して、動摩擦係数の測定初期から一定時間における動摩擦係数の値の変動をチャートに記録した。得られた結果を図2に示す。
【0073】
次いでこのようにして作製した包装材料を、シールカートン形式の打抜き型で打抜いてブランク板を製函機で筒状に胴貼りして、折り畳まれた形態のシールカートンを作成した。
【0074】
そして、このように作製したシールカートンの包装機適性を調べるため、作製したシールカートンを高速の包装機のカートン供給部に充填し、包装速度を650個/分まで上昇して試験を行った。得られた結果を表1に示す。
比較例1
使用する紫外線硬化型OPワニス組成物の組成を以下のものとする以外は、実施例1と同様にして、包装材料を作製し、実施例1と同様に、摩擦係数試験、滑り傾斜角度測定、および包装機適性を調べた。得られた結果を表1に示す。また、実施例1と同様に動摩擦係数の値の変動をチャートに記録した。得られた結果を図2に示す。
紫外線硬化型OPワニス組成
(1)アクリル系プレポリマー、オリゴマー 50質量%
(2)多官能アクリレート系モノマー 33質量%
(3)光重合開始剤 5質量%
(4)体質顔料 7質量%
(5)ワックス 2質量%
(6)その他添加剤 3質量%
【0075】
【表1】
Figure 2004262491
表1に示すように、本発明に係る実施例1の包装材料においては、動摩擦係数の数値範囲が0.483とで比較的低い数値であり、また静摩擦係数も0.768と適度であり、滑り傾斜角度も20°以下の低い値である共に、図2(a)に示すように、動摩擦係数の変動をチャートに記録した際に、動摩擦係数の測定初期から少なくとも30秒間の間において、動摩擦係数の値が経時的に減少する波形を示し、目的とする表面特性が得られ、また、包装機特性も、カートン供給部での二枚差し、およびカートン起函部での飛び出し現象は発生せず、良好なものであった。
【0076】
これに対し、比較例1においては、動摩擦係数の数値範囲が0.685と比較的高い数値であり、また静摩擦係数も1.0を超えるという非常に大きな値であり、図2(b)に示すように、動摩擦係数の変動をチャートに記録した際に、動摩擦係数の測定初期から少なくとも30秒間の間において、動摩擦係数の値が全く安定せずに大きく変動し、しかも経時的にみても上昇するような波形を示した。このため、包装機特性試験において、カートン供給部での二枚差し現象が発生してしまった。
【0077】
実施例2
使用する紫外線硬化型OPワニス組成物の組成を以下のものとする以外は、実施例1と同様にして、包装材料を作製し、実施例1と同様に、摩擦係数試験、滑り傾斜角度測定、動摩擦係数値の変動チャート観測、および包装機適性を調べた。
紫外線硬化型OPワニス組成
(1)アクリル系プレポリマー、オリゴマー 44質量%
(2)多官能アクリレート系モノマー 20質量%
(3)光重合開始剤 8質量%
(4)体質顔料 20質量%
(5)ワックス 3質量%
(6)その他添加剤 5質量%
その結果、実施例2の包装材料においては、動摩擦係数値、静摩擦係数値、滑り傾斜角度として、実施例1とほぼ同様の数値が観測され、また動摩擦係数の変動のチャートは、図2(a)に示すものと同様に、動摩擦係数の測定初期から少なくとも30秒間の間において、動摩擦係数の値が経時的に減少する波形を示した。また、包装機特性も、カートン供給部での二枚差し、およびカートン起函部での飛び出し現象は発生せず、良好なものであった。
【0078】
実施例3
使用する紫外線硬化型OPワニス組成物の組成を以下のものとする以外は、実施例1と同様にして、包装材料を作製し、実施例1と同様に、摩擦係数試験、滑り傾斜角度測定、動摩擦係数値の変動チャート観測、および包装機適性を調べた。
紫外線硬化型OPワニス組成
(1)アクリル系プレポリマー、オリゴマー 41質量%
(2)多官能アクリレート系モノマー 15質量%
(3)光重合開始剤 8質量%
(4)体質顔料 30質量%
(5)ワックス 1質量%
(6)その他添加剤 5質量%
その結果、実施例3の包装材料においても、動摩擦係数値、静摩擦係数値、滑り傾斜角度として、実施例1とほぼ同様の数値が観測され、また動摩擦係数の変動のチャートは、図2(a)に示すものと同様に、動摩擦係数の測定初期から少なくとも30秒間の間において、動摩擦係数の値が経時的に減少する波形を示した。また、包装機特性も、カートン供給部での二枚差し、およびカートン起函部での飛び出し現象は発生せず、良好なものであった。
【0079】
実施例4
実施例1〜3で調製した包装材料を富士写真フイルム株式会社製SUPERIA100用の包装箱として作成したところ、本発明の所期の効果を示すと共に、良好な写真性を示した。
【0080】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、カートンなどの包装材料として、優れた耐摩耗性および耐スクラッチ製を付与できると共に、折り畳みカートンの場合、通常の包装速度(100〜200個/分)の包装機はもとより、高速(500〜800個/分)の包装機で、カートン供給部において1個当たり3〜5kg前後の荷重がかかるような条件で、高速に繰り出されても二枚差しといった不具合を発生せず、また、カートン起函部での飛び出し現象も発生することのない、優れた表面特性、包装機適性を有する包装材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装材料の構造例を模式的に示す断面図である。
【図2】(a)は本発明の実施例に係る包装材料の動摩擦係数の変動を示すチャート、(b)は比較例に係る包装材料の動摩擦係数の変動を示すチャートである。
【符号の説明】
1 基材紙
2 印刷層
3 OPワニス層
4 接着部

Claims (5)

  1. 基材紙上に、紫外線硬化型インキによる印刷層を有し、さらにこの印刷層が形成された基材紙面を実質的に全体にわたり被覆するオーバープリントワニス層を有する包装材料であって、JIS P8147に準拠して印刷面同志を接触させた摩擦係数試験で、63.5mm×63.5mm当たり3000gの荷重をかけて測定された、オーバープリントワニス層表面の動摩擦係数が0.300〜0.600、静摩擦係数が0.600〜0.900であることを特徴とする包装材料。
  2. 前記摩擦係数試験において、測定試料の引張り速度を100mm/分、記録紙の移動速度50mm/分に設定して、動摩擦係数の変動をチャートに記録した際に、動摩擦係数の測定初期から少なくとも30秒間の間において、動摩擦係数の値が経時的に減少する波形を描くことを特徴とする請求項1に記載の包装材料。
  3. オーバープリントワニス層表面のJIS P8147に準拠する滑り傾斜角度が15〜20°であることを特徴とする請求項1または2に記載の包装材料。
  4. オーバープリントワニス層が、体質顔料を18〜30質量%含有する紫外線硬化型オーバープリントワニス組成物により形成されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の包装材料。
  5. 写真感光材料包装用として用いられるものである請求項1〜4のいずれか1つに記載の包装材料。
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