JP2004262197A - 修正ペン用リフィール - Google Patents
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Abstract
【課題】耐溶媒性及び成形性に優れ、かつ使用時及び経時的に内容物である修正液とその残量が容易に視認可能となる修正ペン用リフィールを提供する。
【解決手段】少なくともメチルシクロへキサンを主溶媒とする修正液を収容してなる修正ペン用リフィール10であって、該修正ペン用リフィールが2層以上の多層構造からなり、かつ、修正液と接する最内層10aの材質がポリアミド樹脂からなることを特徴とする修正ペン用リフィール。
好ましくは、最内層のポリアミド樹脂層が、主鎖中に芳香族環及び/又はナフテン環を有する脂肪族ポリアミド樹脂層であることが望ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくともメチルシクロへキサンを主溶媒とする修正液を収容してなる修正ペン用リフィール10であって、該修正ペン用リフィールが2層以上の多層構造からなり、かつ、修正液と接する最内層10aの材質がポリアミド樹脂からなることを特徴とする修正ペン用リフィール。
好ましくは、最内層のポリアミド樹脂層が、主鎖中に芳香族環及び/又はナフテン環を有する脂肪族ポリアミド樹脂層であることが望ましい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、修正液を収容してなる修正ペン用リフィールに関し、更に詳しくは、耐溶媒性、視認性(クリアドレイン性)及び成形性に優れた修正ペン用リフィールに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題から、修正液を収容する修正液収容部材は、所謂リフィーラブル化が望まれている。修正液収容部材をリフィーラブル化する場合には、修正液の主溶媒であるシクロへキサンは揮発性が高いので、耐溶媒性を有する材質を選択する必要があり、また、修正液の残量の確認ができる透明性を有する材質を選択する必要があるものである。
【0003】
従来において、修正ペン用の修正液収容部材としては、ポリエチレンやポリプロピレンに対して、耐溶媒性が強く、使用する溶媒による膨潤や修正液の透過減量を抑制するために、ナイロン樹脂を押し出し成形、ブロー成形、射出成形によって形成したものや(例えば、特許文献1参照)、ナイロン12から形成したものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−65351号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献2】
特開2002−67585号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【0005】
しかしながら、これらの文献1及び2に記載されるナイロン12などの脂肪族系モノマーよりなるポリアミド樹脂の成形体では、その透明性、耐溶媒性、耐溶媒バリア性が未だ十分でなく、また、塗布により修正液が消費されても修正液が収容部材の内壁面に付着し、下方に行かず、残量の確認が正確に視認できないという課題を有すると共に、充填した修正液を全部使用することは困難であるという課題を未だ有するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、揮発性の高いメチルシクロへキサンを主溶媒とする修正液を収容してなる修正ペン用リフィールにおいて、耐溶媒性に優れると共に、使用時及び経時的に内容物である修正液とその残量が容易に視認可能となる透明性、視認性に優れる修正ペン用リフィールを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、少なくともメチルシクロへキサンを主溶媒とする修正液を収容してなる修正ペン用リフィールを特定物性の樹脂成形体から構成することによって、上記目的の修正ペン用リフィールが得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(8)に存する。
(1) 少なくともメチルシクロへキサンを主溶媒とする修正液を収容してなる修正ペン用リフィールであって、該修正ペン用リフィールが2層以上の多層構造からなり、かつ、修正液と接する最内層の材質がポリアミド樹脂から構成されていることを特徴とする修正ペン用リフィール。
(2) 最内層のポリアミド樹脂層が、主鎖中に芳香族環及び/又はナフテン環を有する脂肪族ポリアミド樹脂層である上記(1)記載の修正ペン用リフィール。
(3) エチレン・ビニルアルコール共重合体の層を少なくとも1層以上含んでいる構造である上記(1)又は(2)記載の修正ペン用リフィール。
(4) エチレン・ビニルアルコール共重合体のエチレンモル比率が10〜60mol%である上記(3)記載の修正ペン用リフィール。
(5) 最外層が水蒸気透過度5g/m2・day/25μm(40℃、90%RH)以下の高分子層からなる上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の修正ペン用リフィール。
(6) 最外層がポリプロピレン又は環状ポリオレフィンである上記(5)記載の修正ペン用リフィール。
(7) 最内層のポリアミド樹脂層の厚さが0.01〜2mmである上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の修正ペン用リフィール。
(8) 上記(1)〜(7)の何れか一つに記載の多層構造からなる修正ペン用リフィールが共押出し法、射出成形法、ブロー成形法の何れかにより製造される修正ペン用リフィール。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の修正ペン用リフィールは、少なくともメチルシクロへキサンを主溶媒とする修正液を収容してなる修正ペン用リフィールであって、該修正ペン用リフィールが2層以上の多層構造からなり、かつ、修正液と接する最内層の材質がポリアミド樹脂から構成されていることを特徴とするものである。
【0009】
図1は、本発明における修正ペン用リフィールの実施形態の一例を示すものである。この修正ペン用リフィール10内には、少なくともメチルシクロへキサンを主溶媒とする修正液30が収容されると共に、該修正液30の後端部に修正液追従体(フォロア)32が接触状態で配置されている。また、修正ペン用リフィール10の先端部には継手(部材)11を介して塗布(筆記)部となるボールペンチップ12が装着されてリフィールユニットとなっている。
図2は、本発明における修正ペン用リフィールの実施形態の他例を示すものであり、図2(a)はその部分縦断面図、(b)はA−A線断面図、(c)はB部の拡大縦断面図である。
この修正ペン用リフィール15は、図2に示すように継手(部材)まで一体に成形したものである。この修正ペン用リフィール15内にも、図示しないが、上述の如く、少なくともメチルシクロへキサンを主溶媒とする修正液が収容されると共に、該修正液の後端部に修正液追従体(フォロア)が接触状態で配置されている。
【0010】
この修正ペン用リフィール10又は15は、2層以上の多層構造からなり、かつ、修正液20と接する最内層10a又は15aの材質がポリアミド樹脂から構成されるものである。なお、図1及び図2の修正ペン用リフィール10又は15の例示は2層(接着層含まない)であるが、本発明では、最内層10a又は15aの材質がポリアミド樹脂から構成されるものであれば、その外層10b又は15bは何層構造であってもよい。
この最内層10a又は15aを構成する材質のポリアミド樹脂としては、ポリアミド系樹脂の範疇に属するものであれば特に限定されないが、ナイロン12などの脂肪族系ポリアミド樹脂よりも更に耐溶媒体及び視認性に優れる点から、主鎖中に芳香族環及び/又はナフテン環を有するポリアミド樹脂を用いることが望ましく、更に成形性の点から、これらの樹脂と上記脂肪族系ポリアミド樹脂とを含むブレンド樹脂を用いることもできる。
【0011】
本発明において、用いることができる脂肪族系ポリアミド樹脂としては、安価なナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などが挙げられる。
また、用いることができる上記主鎖中に芳香族環及び/又はナフテン環を有するポリアミド樹脂は、ナイロン12などよりも更に優れた耐溶媒性、視認性を有する点で修正ペン用リフィール用としては特に好ましいものであるが、成形性、低温下での機械強度の点で若干劣り、単独での使用には使用上の問題が若干ある。そこで、好ましくは、上記優れた特性を有する主鎖中に芳香族環及び/又はナフテン環を有するポリアミド樹脂層を最内層にすると共に、薄層にして上記使用上の問題点を解決し、その外層に他の高分子層を形成した多層構造とすることにより、本発明の効果を更に発揮せしめることができる。
【0012】
用いることができる主鎖中に芳香族環を有するポリアミド樹脂としては、主鎖中に芳香族環を有するものであり、例えば、ポリメタキシリレンアジパミド樹脂、テレフタル酸、イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとの共重合体などが挙げられる。具体的には、市販のノバミッドX21(三菱エンジニアリングプラスチック社製)、ナイロンMXD6(三菱ガス化学社製)、SELAR PA(デュポン社製)、トロガミドT5000(ダイセル・ヒュルス社製)などを用いることができる。
また、ナフテン環を有するモノマーより得られるポリアミド樹脂は、主鎖中にナフテン環を有するものである。具体的には、透明性の高いナフテン環を有するものとして、市販のトロガミドCX7323(ダイセル・ヒュルス社製)を用いることができる。
【0013】
更に、本発明において、二種以上のポリアミド樹脂をブレンドしたものとしては、物性が異なる二種以上のポリアミド樹脂をブレンドしたものであれば良く、好ましくは、経時的なクリアドレン性の向上、成形性の点から主鎖中に芳香族環及びナフテン環を有するポリアミド樹脂とのブレンド、または、これらの主鎖中に芳香族環及び/又はナフテン環を有するポリアミド樹脂と脂肪族系ポリアミド樹脂とをブレンドしたものが望ましく、このブレンド樹脂を用いる場合には、主鎖中に芳香族環及び/又はナフテン環を有するポリアミド樹脂がブレンド樹脂全量に対して、5〜100重量%、更に好ましくは、30〜100重量%とすることが望ましい。
【0014】
この最内層となるポリアミド樹脂層10aの肉厚(厚さ)は、好ましくは、0.01〜2mm、更に好ましくは、0.05〜1mm、特に、0.1〜0.8mmとすることが望ましい。
上記肉厚が0.01mm未満であると、耐溶媒性の点で劣ることとなり、また、2mmを越えると、肉厚が厚くなり、ペン体が太くなってしまう点、コスト高となり、好ましくない。
【0015】
本発明において、上記最内層10a又は15aのポリアミド樹脂層の外側の層10b又は15bとしては、例えば、内層ポリアミドとの接着性を考慮すると、最内層10aに主鎖中に芳香族環及び/又はナフテン環を有するポリアミド樹脂、または、これらを含むポリアミドのブレンド樹脂を用いた場合には、同じポリアミド系で安価なナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド樹脂層が挙げられ、また、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル系高分子や、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、環状ポリオレフィンなどのポリオレフィン系高分子を接着層となる接着性ポリオレフィン等を介して多層化することができる。
【0016】
また、本発明では、メチルシクロヘキサン等の溶媒に対する耐溶媒性に更に優れると共に、酸素や窒素に対するガスバリアー性に優れる樹脂である、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)の層を少なくとも1層以上含むことが好ましく、特に好ましくは、最内層と最外層との間となる中間層として少なくとも1層(層全体として三層以上の構造)として用いることが特に望ましい。
用いるエチレン・ビニルアルコール共重合体としては、更なる耐溶媒性、ガスバリアー性の点から、エチレン・ビニルアルコール共重合体のエチレン共重合比率が10〜60mol%の範囲となるものが望ましい。
このEVOHのエチレン共重合比率が20〜60mol%の範囲にあるものとしては、例えば、EP−FlOl(エチレン共重合比率32mol%、クラレ社製)、EP−H101(エチレン共重合比率38mol%、クラレ社製)、EP−E105(エチレン共重合比率44mol%、クラレ社製)、EP−G156(エチレン共重合比率47mol%、クラレ社製)、EP−G110(エチレン共重合比率47mol%、クラレ社製)、ソアノールD2908(エチレン共重合比率29mol%、日本合成化学社製)、ソアノールD3203(エチレン共重合比率32mol%、日本合成化学社製)、ソアノールD2903(エチレン共重合比率29mol%、日本合成化学社製)、ソアノールD3808(エチレン共重合比率38mol%、日本合成化学社製)、ソアノールET3803(エチレン共重合比率38mol%、日本合成化学社製)、ソアノールA4412(エチレン共重合比率44mol%、日本合成化学社製)、ソアノールAT4403(エチレン共重合比率44mol%、日本合成化学社製)等を挙げることができる。
このEVOH層を用いる場合、その肉厚(厚さ)は、好ましくは、0.01〜1mm、更に好ましくは、0.1〜0.5mmとすることが望ましい。
【0017】
更に、耐吸湿性に優れた修正ペン用リフィールとする点から、最外層は、水蒸気透過度5g/m2・day/25μm(40℃、90%RH)以下、更に好ましくは、水蒸気透過度3g/m2・day/25μm(40℃、90%RH)以下の高分子層から構成することが望ましい。
この特性を有する最外層の材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、環状ポリオレフィン、または、これらの2種以上のブレンド樹脂などが挙げられる。
環状ポリオレフィンとしては、例えば、ポリオレフィン樹脂と非晶性樹脂の性能を融合した環状オレフィンコポリマー、具体的には、APL(アペル)シリーズ(APL6509T、APL6013T、APL6011T、APL6015T、APL8008F、APL8009T、APL5014DP、以上、三井化学社製)、または、ZEONOR1020R(東セロ社製)、並びに、C5留分中のジシクロペンタジエンを主原料にする非晶質ポリオレフィンの一種である環状オレフィン樹脂、具体的には、ゼオネックス、ゼオネア(日本ゼオン社製)などが挙げられる。
なお、上記EVOH層を設けた場合には、該EVOH層は他の高分子よりも耐吸湿性の点で若干劣ることとなるので、EVOHの外層には、上記水蒸気透過度以下の高分子層を形成することが望ましい。
また、上記EVOH層、または、上記水蒸気透過度5g/m2・day/25μm(40℃、90%RH)以下の高分子層は、夫々各好適な接着層を介して多層化し、より優れた効果を発揮せしめるものとしてもよいものである。
【0018】
本発明となる修正ペン用リフィールの製造は、上述の如く、2層以上の多層構造からなり、かつ、修正液と接する最内層の材質としてポリアミド樹脂、好ましくは、主鎖中に芳香族環及び/又はナフテン環を有するポリアミド樹脂、または、これらの樹脂と脂肪族系ポリアミド樹脂とのブレンド樹脂を使用し、また、最外層(中間層を含む)の材質としてナイロン12などの脂肪族ポリアミド樹脂、ポリエステル系高分子、ポリオレフィン系高分子、EVOH、水蒸気透過度が上記特性値以下の高分子及び必要に応じて接着層を構成する接着樹脂を使用し、これらの最内層及び最外層の樹脂を好適に組合わせて、共押出成形法、共ブロー成形、共射出成形等で容易により得られるものである。特に、共押出成形法は、成形と同時に多層化を図ることができるので、好ましい製法である。
本発明となる修正ペン用リフィール10又は15の肉厚(厚さ)は、修正ペンの構造、修正液種、上記最内層となるポリアミド樹脂の厚さ等により、変動するものであるが、全体で、その肉厚(厚さ)は好ましくは、0.5〜3mm、更に好ましくは、1〜2mmとすることが望ましい。
【0019】
本発明において、修正ペン用リフィール10又は15内に収容する修正液30としては、従来より用いられている修正液の組成であれば、特に限定されるものでないが、例えば、二酸化チタン等の隠蔽剤と、少なくともメチルシクロへキサンを主溶媒(溶媒中に50重量%以上)とする有機溶媒、該有機溶媒に可溶な増粘剤、バインダーとしての樹脂類、界面活性剤類、その他の任意成分を適宜溶解もしくは分散させた修正液が使用される。
上記メチルシクロへキサン以外に用いることができる溶媒としては、n−ヘキサン、n−へブタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロへキサン、エチルシクロへキサン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
上記修正液の各成分の含有量としては、例えば、修正液全量(100重量%)に対して、有機溶媒20〜85重量%、隠蔽剤10〜60重量%、樹脂類その他の成分が5〜30重量%程度の組成物とすることが望ましい。
【0020】
また、上記修正液をそのまま使用してもよいが、上記修正液に微粉末シリカ、アルミナ、ジベンジルソルビトール、有機処理ベントナイト、12−ヒドロキシステアリン酸及びその誘導体、硬化ひまし油及びその誘導体、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ジ−n−ブチルアミド、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスなどの粘性付与剤を修正液全量に対して、0.1〜10重量%程度含有せしめてゲル状修正液(粘性体)として使用してもよい。このゲル状修正液インキとすることにより、更に撹拌不要となり、酸化チタンの沈降を抑制し易く、更に、紙等の被塗布体に修正液を塗布した場合、構造粘性を有することにより被塗布体上での「にじみ」が更に抑制できることとなる。
【0021】
本発明において、修正液30の後端部に接触状態で配置する修正液追従体(フォロア)32としては、修正液30と相溶しない難揮発性の液状物であり、上述の修正液の後端部に接触状態で収容配置されるものであり、修正液の消費につれて修正液に追従して移動し可動栓としての作用をなすものである。
この修正液追従体32を形成する難揮発性の液状物としては、修正液と相溶せず、修正液の揮発を防止すること、自己揮発しにくいこと2つの基本性能を有するものであれば、特に限定されず、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アルキレングリコールアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリンのアルキレンオキサイド付加物、ジグリセリンのアルキレンオキサイド付加物、ポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物から選ばれる少なくとも1種(各単独又は2種以上の混合物)が挙げられる。
更に、修正液追従体32としての性能を更に向上させるため、微粉末のシリカ、アルミナ又はこれらの混合物やジベンジリデンソルビトールといった構造粘性付与材を上記液状物に添加しゲル化させた状態として良いものである。
【0022】
塗布(筆記)部としては、修正液の好適な量を吐出できる構造であれば特に限定されないが、例えば、図1に示すように、先端に金属(ステンレス又はセラミック)製のボール及び金属(ステンレス又はセラミック)製のホルダーを有するボールペンチップ12からなり、ボールがチップ先端のボール抱持部の内縁に密接するようにボールの背面にスプリング部材からなる押圧手段により押圧が付与されてなる構造のものが挙げられる。この押圧手段を内蔵したものでは、塗布等の際にはボールが沈み、ボールとボール抱持部との間にクリアランス部ができ、この際にリフィール10又は15内の修正液がクリアランス部を通って適正な流出量で外部に流出して塗布することができるものとなる。塗布作業が終わると(通常の状態では)、押圧手段により、ボールがチップ先端のボール抱持部の内縁に密接して修正液は流出しない構造となるものである。
【0023】
本発明の修正ペン用リフィールは、従来のボールペン形式と同様に、本体部(軸体)に継手(先軸)部材を螺合等により着脱自在とした修正ペン、または、本願出願人による特開平2000−335173号記載の加圧ポンピング機構を備えたノック式のボールペン型修正ペン、更に、図3〜図4に示すような加圧機構を有する本体部に着脱着自在とした加圧型の修正ペンとして使用に供される。
【0024】
この図3及び図4に示す加圧型の流動体塗布具の構成等を簡単に説明すると、先端にボーペンチップ(塗布部の例)12と後方に本発明となる修正ペン用リフィール10を備えたリフィールユニット14が、第1のスプリング16で後方に向けて弾発された状態で軸本体18内に装填されると共に、前記リフィールユニット14のボールペンチップ12を、軸本体18の後端側に設けたノック機構20の押し出し操作及び押し出し解除操作に連動させて先端開口18aから出没可能となる流動体塗布具であって、前記リフィールユニット14の流動体収容管10内の後部10rが開放され、軸本体18内には、該後部10rとノック機構20との間にリフィール10内圧力を増加させる加圧機構22が設けられ、加圧機構22は、シール部24と前端開放の筒部26とシール部24及び筒部26を離隔させる方向に弾発させる第2のスプリング28とを有するものであり、前記ノック機構20の押し出し操作終了後に、軸本体18から突出したボールペンチップ12先端を押圧してリフィールユニット14を後退させた場合に、加圧機構22では前記シール部24が後退して相対的に筒部26が前進して内部加圧室の内部空気を圧縮し、その圧縮された内部空気により逆止弁29を開きシール部24を通してリフィール10内を加圧するようになっている。なお、図示符号30は、修正液であり、32は修正液30に追従するフォロアである。
【0025】
このように構成されると共に、使用に供される本発明の修正ペン用リフィールでは、少なくともメチルシクロへキサンを主溶媒とする修正液を収容してなる修正ペン用リフィールを2層以上の多層構造からなり、かつ、修正液と接する最内層の材質がポリアミド樹脂から構成することにより、耐溶媒性に優れ、かつ使用時及び経時的に内容物である修正液とその残量が容易に視認可能となる。
【0026】
本発明の修正ペン用リフィールは、上述の如く構成されるものであり、リフィールの構成に特徴を有するものであるので、リフィール以外の構造となる修正液、修正液追従体、塗布部(ボールペンチップ等)、修正ペンの構造などは上記各実施形態のものが好ましいが、特に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることができるものである。
【0027】
【実施例】
次に、実施例及び比較例によって、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって何等限定されるものではない。
【0028】
〔実施例1〜8及び比較例1〜2〕
下記記載の樹脂を用いて各方法により各修正ペン用リフィールを作製した。
(実施例1)
ニ種ニ層〔外層:ナイロン6/内層:ノバミッドX21=0.9mm/0.1mm〕チューブを外径8mm、内径6mm、肉厚(厚さ)1mmとなるように、共押し出し成形にて長さ70mmの修正ペン用リフィールを得た。なお、ナイロン6の水蒸気透過度は、47g/m2・day/25μm(40℃、90%RH)であった(実施例2及び3も同様)。
(実施例2)
ニ種ニ層〔外層:ナイロン6/内層:ナイロンMXD6=0.9mm/0.1mm〕チューブを外径8mm、内径6mm、肉厚(厚さ)1mmとなるように、共押し出し成形にて長さ70mmの修正ペン用リフィールを得た。
【0029】
(実施例3)
ニ種ニ層〔外層:ナイロン6/内層:トロガミドT5000=0.9mm/0.1mm〕チューブを外径8mm、内径6mm、肉厚(厚さ)1mmとなるように、共押し出し成形にて長さ70mmの修正ペン用リフィールを得た。
(実施例4)
四種四層〔最外層:ポリプロピレン/接着層:変性PP樹脂/ナイロン6/最内層:ノバミッドX21=0.2mm/0.01mm/0.699mm/0.1mm〕チューブを外径8mm、内径6mm、肉厚(厚さ)1mmとなるように、共押し出し成形にて長さ70mmの修正ペン用リフィールを得た。
なお、上記接着層(変性PP樹脂)は、三菱化学社製のモディック502(以下、同様)を用いた。また、ポリプロピレンの水蒸気透過度は、1.6g/m2・day/25μm(40℃、90%RH)であった(実施例5、7も同様)。
【0030】
(実施例5)
四種四層〔最外層:ポリプロピレン/接着層:変性PP樹脂/中間層:EVOH:EP−H101(クラレ社製、エチレンモル比率38mol%)/最内層:ノバミッドX21=0.2mm/0.01mm/0.699mm/0.1mm〕チューブを外径8mm、内径6mm、肉厚(厚さ)1mmとなるように、共押し出し成形にて長さ70mmの修正ペン用リフィールを得た。
(実施例6)
三種三層〔最外層:EVOH;EP−E105(クラレ社製、エチレンモル比率44mol%)/接着層:変性PP樹脂/最内層:ノバミッドX21=0.89mm/0.01mm/0.1mm〕チューブを外径8mm、内径6mm、肉厚(厚さ)1mmとなるように、共押し出し成形にて長さ70mmの修正ペン用リフィールを得た。なお、EVOHの水蒸気透過度は、38g/m2・day/25μm(40℃、90%RH)であった。
【0031】
(実施例7)
四種五層〔最外層:ポリプロピレン/接着層:変性PP樹脂/EVOH;EP−E105(クラレ社製、エチレンモル比率44mol%)/接着層:変性PP樹脂/最内層:トロガミドT1500=0.68mm/0.01mm/0.2mm/0.01mm/0.1mm〕チューブを外径8mm、内径6mm、肉厚(厚さ)1mmとなるように、共押し出し成形にて長さ70mmの修正ペン用リフィールを得た。
(実施例8)
四種五層〔最外層:環状ポリオレフィン;ZEONOR1020R(東セロ社製)/接着層:変性PP樹脂/EVOH;EP−E105(クラレ社製、エチレンモル比率44mol%)/接着層:変性PP樹脂/最内層:ノバミッドX21=0.68mm/0.01mm/0.2mm/0.01mm/0.1mm〕チューブを外径8mm、内径6mm、肉厚(厚さ)1mmとなるように、共押し出し成形にて長さ70mmの修正ペン用リフィールを得た。
なお、環状ポリオレフィンの水蒸気透過度は、0.5g/m2・day/25μm(40℃、90%RH)であった。
【0032】
(比較例1)
ナイロン12をチューブ状に外径8mm、内径6mm、肉厚(厚さ)1mmとなるように、押し出し成形にて長さ70mmの修正ペン用リフィールを得た。
(比較例2)
ナイロン11をチューブ状に外径8mm、内径6mm、肉厚(厚さ)1mmとなるように、押し出し成形にて長さ70mmの修正ペン用リフィールを得た。
【0033】
上記で得られた各修正ペン用リフィールに、下記に示される配合組成、粘度の修正液を約1.5g注入した。次いで、この修正液の末端部に接触状態で配置されるように下記配合組成及び粘度の追従体0.4gを収容して各修正ペンを得た。
(修正液の配合組成)
・メチルシクロへキサン 40部
・アクリル樹脂 10部
・二酸化チタン 49部
・粉末シリカ 1部
(修正液追従体の配合組成)
・ジグリセリンのエチレンオキサイド13モル付加物 95部
・微粉末シリカ 5部
この修正液の粘度(25℃)を粘度計(東機産業社製)により測定したところ、1rpmで5000mP・sであり、修正液追従体の粘度(25℃)は、1rpmで10,000mP・sであった。
【0034】
得られた各修正ペンについて、下記評価方法により、耐溶媒性及びクリアドレイン性について評価した。
これらの結果を下記表1に示す。
【0035】
(耐溶媒性の評価方法)
上記で得た修正ペンを25℃、65%RHの環境試験室にて、1ケ月間放置した後の耐溶媒性を目視により、下記評価基準で評価した。
評価基準:
〇:リフィールは全く変化なし
△:リフィールにやや変化あり
×:リフィールに変化あり
【0036】
(クリアドレインの評価方法)
上記で得た修正ペンを50℃、65%RHの環境試験室にて、1ケ月間放置した後のクリアドレイン性を目視により、下記評価基準で評価した。
評価基準:
〇:リフィールは全く変化がなく、明瞭であり、容易に残量の確認ができる。
△:リフィールにやや変化があり、また、若干不明瞭となり、残量の確認がやっとできる状態である。
×:リフィールに変化があり、また、不明瞭となり、残量の確認ができない状態である。
【0037】
【表1】
【0038】
上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜8は、本発明の範囲外となる比較例1〜2に較べて、耐溶媒性及びクリアドレイン性に優れていることが判明した。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、耐溶媒性に優れ、かつ使用時及び経時的に内容物である修正液とその残量が容易に視認可能となる修正ペン用リフィールが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の修正ペン用リフィールの実施形態の一例を示すものであり、修正ペン用リフィールにボールペンチップを取り付けた状態(リフィールユニット)を示す縦断面図である。
【図2】本発明における修正ペン用リフィールの実施形態の他例を示すものであり、(a)はその部分縦断面図、(b)はA−A線断面図、(c)はB部の拡大縦断面図である。
【図3】図2に準拠する修正ペン用リフィールを用いた修正ペンの一例を示すものであり、修正ペンの作動時(筆記時)の説明図である。
【図4】図3の修正ペンの非作動時(非筆記時)の説明図である。
【符号の説明】
10 修正ペン用リフィール
12 ボールペンチップ
14 リフィールユニット
16 第1のスプリング
18 軸本体
【発明の属する技術分野】
本発明は、修正液を収容してなる修正ペン用リフィールに関し、更に詳しくは、耐溶媒性、視認性(クリアドレイン性)及び成形性に優れた修正ペン用リフィールに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題から、修正液を収容する修正液収容部材は、所謂リフィーラブル化が望まれている。修正液収容部材をリフィーラブル化する場合には、修正液の主溶媒であるシクロへキサンは揮発性が高いので、耐溶媒性を有する材質を選択する必要があり、また、修正液の残量の確認ができる透明性を有する材質を選択する必要があるものである。
【0003】
従来において、修正ペン用の修正液収容部材としては、ポリエチレンやポリプロピレンに対して、耐溶媒性が強く、使用する溶媒による膨潤や修正液の透過減量を抑制するために、ナイロン樹脂を押し出し成形、ブロー成形、射出成形によって形成したものや(例えば、特許文献1参照)、ナイロン12から形成したものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−65351号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献2】
特開2002−67585号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【0005】
しかしながら、これらの文献1及び2に記載されるナイロン12などの脂肪族系モノマーよりなるポリアミド樹脂の成形体では、その透明性、耐溶媒性、耐溶媒バリア性が未だ十分でなく、また、塗布により修正液が消費されても修正液が収容部材の内壁面に付着し、下方に行かず、残量の確認が正確に視認できないという課題を有すると共に、充填した修正液を全部使用することは困難であるという課題を未だ有するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、揮発性の高いメチルシクロへキサンを主溶媒とする修正液を収容してなる修正ペン用リフィールにおいて、耐溶媒性に優れると共に、使用時及び経時的に内容物である修正液とその残量が容易に視認可能となる透明性、視認性に優れる修正ペン用リフィールを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、少なくともメチルシクロへキサンを主溶媒とする修正液を収容してなる修正ペン用リフィールを特定物性の樹脂成形体から構成することによって、上記目的の修正ペン用リフィールが得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(8)に存する。
(1) 少なくともメチルシクロへキサンを主溶媒とする修正液を収容してなる修正ペン用リフィールであって、該修正ペン用リフィールが2層以上の多層構造からなり、かつ、修正液と接する最内層の材質がポリアミド樹脂から構成されていることを特徴とする修正ペン用リフィール。
(2) 最内層のポリアミド樹脂層が、主鎖中に芳香族環及び/又はナフテン環を有する脂肪族ポリアミド樹脂層である上記(1)記載の修正ペン用リフィール。
(3) エチレン・ビニルアルコール共重合体の層を少なくとも1層以上含んでいる構造である上記(1)又は(2)記載の修正ペン用リフィール。
(4) エチレン・ビニルアルコール共重合体のエチレンモル比率が10〜60mol%である上記(3)記載の修正ペン用リフィール。
(5) 最外層が水蒸気透過度5g/m2・day/25μm(40℃、90%RH)以下の高分子層からなる上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の修正ペン用リフィール。
(6) 最外層がポリプロピレン又は環状ポリオレフィンである上記(5)記載の修正ペン用リフィール。
(7) 最内層のポリアミド樹脂層の厚さが0.01〜2mmである上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の修正ペン用リフィール。
(8) 上記(1)〜(7)の何れか一つに記載の多層構造からなる修正ペン用リフィールが共押出し法、射出成形法、ブロー成形法の何れかにより製造される修正ペン用リフィール。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の修正ペン用リフィールは、少なくともメチルシクロへキサンを主溶媒とする修正液を収容してなる修正ペン用リフィールであって、該修正ペン用リフィールが2層以上の多層構造からなり、かつ、修正液と接する最内層の材質がポリアミド樹脂から構成されていることを特徴とするものである。
【0009】
図1は、本発明における修正ペン用リフィールの実施形態の一例を示すものである。この修正ペン用リフィール10内には、少なくともメチルシクロへキサンを主溶媒とする修正液30が収容されると共に、該修正液30の後端部に修正液追従体(フォロア)32が接触状態で配置されている。また、修正ペン用リフィール10の先端部には継手(部材)11を介して塗布(筆記)部となるボールペンチップ12が装着されてリフィールユニットとなっている。
図2は、本発明における修正ペン用リフィールの実施形態の他例を示すものであり、図2(a)はその部分縦断面図、(b)はA−A線断面図、(c)はB部の拡大縦断面図である。
この修正ペン用リフィール15は、図2に示すように継手(部材)まで一体に成形したものである。この修正ペン用リフィール15内にも、図示しないが、上述の如く、少なくともメチルシクロへキサンを主溶媒とする修正液が収容されると共に、該修正液の後端部に修正液追従体(フォロア)が接触状態で配置されている。
【0010】
この修正ペン用リフィール10又は15は、2層以上の多層構造からなり、かつ、修正液20と接する最内層10a又は15aの材質がポリアミド樹脂から構成されるものである。なお、図1及び図2の修正ペン用リフィール10又は15の例示は2層(接着層含まない)であるが、本発明では、最内層10a又は15aの材質がポリアミド樹脂から構成されるものであれば、その外層10b又は15bは何層構造であってもよい。
この最内層10a又は15aを構成する材質のポリアミド樹脂としては、ポリアミド系樹脂の範疇に属するものであれば特に限定されないが、ナイロン12などの脂肪族系ポリアミド樹脂よりも更に耐溶媒体及び視認性に優れる点から、主鎖中に芳香族環及び/又はナフテン環を有するポリアミド樹脂を用いることが望ましく、更に成形性の点から、これらの樹脂と上記脂肪族系ポリアミド樹脂とを含むブレンド樹脂を用いることもできる。
【0011】
本発明において、用いることができる脂肪族系ポリアミド樹脂としては、安価なナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などが挙げられる。
また、用いることができる上記主鎖中に芳香族環及び/又はナフテン環を有するポリアミド樹脂は、ナイロン12などよりも更に優れた耐溶媒性、視認性を有する点で修正ペン用リフィール用としては特に好ましいものであるが、成形性、低温下での機械強度の点で若干劣り、単独での使用には使用上の問題が若干ある。そこで、好ましくは、上記優れた特性を有する主鎖中に芳香族環及び/又はナフテン環を有するポリアミド樹脂層を最内層にすると共に、薄層にして上記使用上の問題点を解決し、その外層に他の高分子層を形成した多層構造とすることにより、本発明の効果を更に発揮せしめることができる。
【0012】
用いることができる主鎖中に芳香族環を有するポリアミド樹脂としては、主鎖中に芳香族環を有するものであり、例えば、ポリメタキシリレンアジパミド樹脂、テレフタル酸、イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとの共重合体などが挙げられる。具体的には、市販のノバミッドX21(三菱エンジニアリングプラスチック社製)、ナイロンMXD6(三菱ガス化学社製)、SELAR PA(デュポン社製)、トロガミドT5000(ダイセル・ヒュルス社製)などを用いることができる。
また、ナフテン環を有するモノマーより得られるポリアミド樹脂は、主鎖中にナフテン環を有するものである。具体的には、透明性の高いナフテン環を有するものとして、市販のトロガミドCX7323(ダイセル・ヒュルス社製)を用いることができる。
【0013】
更に、本発明において、二種以上のポリアミド樹脂をブレンドしたものとしては、物性が異なる二種以上のポリアミド樹脂をブレンドしたものであれば良く、好ましくは、経時的なクリアドレン性の向上、成形性の点から主鎖中に芳香族環及びナフテン環を有するポリアミド樹脂とのブレンド、または、これらの主鎖中に芳香族環及び/又はナフテン環を有するポリアミド樹脂と脂肪族系ポリアミド樹脂とをブレンドしたものが望ましく、このブレンド樹脂を用いる場合には、主鎖中に芳香族環及び/又はナフテン環を有するポリアミド樹脂がブレンド樹脂全量に対して、5〜100重量%、更に好ましくは、30〜100重量%とすることが望ましい。
【0014】
この最内層となるポリアミド樹脂層10aの肉厚(厚さ)は、好ましくは、0.01〜2mm、更に好ましくは、0.05〜1mm、特に、0.1〜0.8mmとすることが望ましい。
上記肉厚が0.01mm未満であると、耐溶媒性の点で劣ることとなり、また、2mmを越えると、肉厚が厚くなり、ペン体が太くなってしまう点、コスト高となり、好ましくない。
【0015】
本発明において、上記最内層10a又は15aのポリアミド樹脂層の外側の層10b又は15bとしては、例えば、内層ポリアミドとの接着性を考慮すると、最内層10aに主鎖中に芳香族環及び/又はナフテン環を有するポリアミド樹脂、または、これらを含むポリアミドのブレンド樹脂を用いた場合には、同じポリアミド系で安価なナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド樹脂層が挙げられ、また、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル系高分子や、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、環状ポリオレフィンなどのポリオレフィン系高分子を接着層となる接着性ポリオレフィン等を介して多層化することができる。
【0016】
また、本発明では、メチルシクロヘキサン等の溶媒に対する耐溶媒性に更に優れると共に、酸素や窒素に対するガスバリアー性に優れる樹脂である、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)の層を少なくとも1層以上含むことが好ましく、特に好ましくは、最内層と最外層との間となる中間層として少なくとも1層(層全体として三層以上の構造)として用いることが特に望ましい。
用いるエチレン・ビニルアルコール共重合体としては、更なる耐溶媒性、ガスバリアー性の点から、エチレン・ビニルアルコール共重合体のエチレン共重合比率が10〜60mol%の範囲となるものが望ましい。
このEVOHのエチレン共重合比率が20〜60mol%の範囲にあるものとしては、例えば、EP−FlOl(エチレン共重合比率32mol%、クラレ社製)、EP−H101(エチレン共重合比率38mol%、クラレ社製)、EP−E105(エチレン共重合比率44mol%、クラレ社製)、EP−G156(エチレン共重合比率47mol%、クラレ社製)、EP−G110(エチレン共重合比率47mol%、クラレ社製)、ソアノールD2908(エチレン共重合比率29mol%、日本合成化学社製)、ソアノールD3203(エチレン共重合比率32mol%、日本合成化学社製)、ソアノールD2903(エチレン共重合比率29mol%、日本合成化学社製)、ソアノールD3808(エチレン共重合比率38mol%、日本合成化学社製)、ソアノールET3803(エチレン共重合比率38mol%、日本合成化学社製)、ソアノールA4412(エチレン共重合比率44mol%、日本合成化学社製)、ソアノールAT4403(エチレン共重合比率44mol%、日本合成化学社製)等を挙げることができる。
このEVOH層を用いる場合、その肉厚(厚さ)は、好ましくは、0.01〜1mm、更に好ましくは、0.1〜0.5mmとすることが望ましい。
【0017】
更に、耐吸湿性に優れた修正ペン用リフィールとする点から、最外層は、水蒸気透過度5g/m2・day/25μm(40℃、90%RH)以下、更に好ましくは、水蒸気透過度3g/m2・day/25μm(40℃、90%RH)以下の高分子層から構成することが望ましい。
この特性を有する最外層の材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、環状ポリオレフィン、または、これらの2種以上のブレンド樹脂などが挙げられる。
環状ポリオレフィンとしては、例えば、ポリオレフィン樹脂と非晶性樹脂の性能を融合した環状オレフィンコポリマー、具体的には、APL(アペル)シリーズ(APL6509T、APL6013T、APL6011T、APL6015T、APL8008F、APL8009T、APL5014DP、以上、三井化学社製)、または、ZEONOR1020R(東セロ社製)、並びに、C5留分中のジシクロペンタジエンを主原料にする非晶質ポリオレフィンの一種である環状オレフィン樹脂、具体的には、ゼオネックス、ゼオネア(日本ゼオン社製)などが挙げられる。
なお、上記EVOH層を設けた場合には、該EVOH層は他の高分子よりも耐吸湿性の点で若干劣ることとなるので、EVOHの外層には、上記水蒸気透過度以下の高分子層を形成することが望ましい。
また、上記EVOH層、または、上記水蒸気透過度5g/m2・day/25μm(40℃、90%RH)以下の高分子層は、夫々各好適な接着層を介して多層化し、より優れた効果を発揮せしめるものとしてもよいものである。
【0018】
本発明となる修正ペン用リフィールの製造は、上述の如く、2層以上の多層構造からなり、かつ、修正液と接する最内層の材質としてポリアミド樹脂、好ましくは、主鎖中に芳香族環及び/又はナフテン環を有するポリアミド樹脂、または、これらの樹脂と脂肪族系ポリアミド樹脂とのブレンド樹脂を使用し、また、最外層(中間層を含む)の材質としてナイロン12などの脂肪族ポリアミド樹脂、ポリエステル系高分子、ポリオレフィン系高分子、EVOH、水蒸気透過度が上記特性値以下の高分子及び必要に応じて接着層を構成する接着樹脂を使用し、これらの最内層及び最外層の樹脂を好適に組合わせて、共押出成形法、共ブロー成形、共射出成形等で容易により得られるものである。特に、共押出成形法は、成形と同時に多層化を図ることができるので、好ましい製法である。
本発明となる修正ペン用リフィール10又は15の肉厚(厚さ)は、修正ペンの構造、修正液種、上記最内層となるポリアミド樹脂の厚さ等により、変動するものであるが、全体で、その肉厚(厚さ)は好ましくは、0.5〜3mm、更に好ましくは、1〜2mmとすることが望ましい。
【0019】
本発明において、修正ペン用リフィール10又は15内に収容する修正液30としては、従来より用いられている修正液の組成であれば、特に限定されるものでないが、例えば、二酸化チタン等の隠蔽剤と、少なくともメチルシクロへキサンを主溶媒(溶媒中に50重量%以上)とする有機溶媒、該有機溶媒に可溶な増粘剤、バインダーとしての樹脂類、界面活性剤類、その他の任意成分を適宜溶解もしくは分散させた修正液が使用される。
上記メチルシクロへキサン以外に用いることができる溶媒としては、n−ヘキサン、n−へブタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロへキサン、エチルシクロへキサン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
上記修正液の各成分の含有量としては、例えば、修正液全量(100重量%)に対して、有機溶媒20〜85重量%、隠蔽剤10〜60重量%、樹脂類その他の成分が5〜30重量%程度の組成物とすることが望ましい。
【0020】
また、上記修正液をそのまま使用してもよいが、上記修正液に微粉末シリカ、アルミナ、ジベンジルソルビトール、有機処理ベントナイト、12−ヒドロキシステアリン酸及びその誘導体、硬化ひまし油及びその誘導体、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ジ−n−ブチルアミド、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスなどの粘性付与剤を修正液全量に対して、0.1〜10重量%程度含有せしめてゲル状修正液(粘性体)として使用してもよい。このゲル状修正液インキとすることにより、更に撹拌不要となり、酸化チタンの沈降を抑制し易く、更に、紙等の被塗布体に修正液を塗布した場合、構造粘性を有することにより被塗布体上での「にじみ」が更に抑制できることとなる。
【0021】
本発明において、修正液30の後端部に接触状態で配置する修正液追従体(フォロア)32としては、修正液30と相溶しない難揮発性の液状物であり、上述の修正液の後端部に接触状態で収容配置されるものであり、修正液の消費につれて修正液に追従して移動し可動栓としての作用をなすものである。
この修正液追従体32を形成する難揮発性の液状物としては、修正液と相溶せず、修正液の揮発を防止すること、自己揮発しにくいこと2つの基本性能を有するものであれば、特に限定されず、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アルキレングリコールアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリンのアルキレンオキサイド付加物、ジグリセリンのアルキレンオキサイド付加物、ポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物から選ばれる少なくとも1種(各単独又は2種以上の混合物)が挙げられる。
更に、修正液追従体32としての性能を更に向上させるため、微粉末のシリカ、アルミナ又はこれらの混合物やジベンジリデンソルビトールといった構造粘性付与材を上記液状物に添加しゲル化させた状態として良いものである。
【0022】
塗布(筆記)部としては、修正液の好適な量を吐出できる構造であれば特に限定されないが、例えば、図1に示すように、先端に金属(ステンレス又はセラミック)製のボール及び金属(ステンレス又はセラミック)製のホルダーを有するボールペンチップ12からなり、ボールがチップ先端のボール抱持部の内縁に密接するようにボールの背面にスプリング部材からなる押圧手段により押圧が付与されてなる構造のものが挙げられる。この押圧手段を内蔵したものでは、塗布等の際にはボールが沈み、ボールとボール抱持部との間にクリアランス部ができ、この際にリフィール10又は15内の修正液がクリアランス部を通って適正な流出量で外部に流出して塗布することができるものとなる。塗布作業が終わると(通常の状態では)、押圧手段により、ボールがチップ先端のボール抱持部の内縁に密接して修正液は流出しない構造となるものである。
【0023】
本発明の修正ペン用リフィールは、従来のボールペン形式と同様に、本体部(軸体)に継手(先軸)部材を螺合等により着脱自在とした修正ペン、または、本願出願人による特開平2000−335173号記載の加圧ポンピング機構を備えたノック式のボールペン型修正ペン、更に、図3〜図4に示すような加圧機構を有する本体部に着脱着自在とした加圧型の修正ペンとして使用に供される。
【0024】
この図3及び図4に示す加圧型の流動体塗布具の構成等を簡単に説明すると、先端にボーペンチップ(塗布部の例)12と後方に本発明となる修正ペン用リフィール10を備えたリフィールユニット14が、第1のスプリング16で後方に向けて弾発された状態で軸本体18内に装填されると共に、前記リフィールユニット14のボールペンチップ12を、軸本体18の後端側に設けたノック機構20の押し出し操作及び押し出し解除操作に連動させて先端開口18aから出没可能となる流動体塗布具であって、前記リフィールユニット14の流動体収容管10内の後部10rが開放され、軸本体18内には、該後部10rとノック機構20との間にリフィール10内圧力を増加させる加圧機構22が設けられ、加圧機構22は、シール部24と前端開放の筒部26とシール部24及び筒部26を離隔させる方向に弾発させる第2のスプリング28とを有するものであり、前記ノック機構20の押し出し操作終了後に、軸本体18から突出したボールペンチップ12先端を押圧してリフィールユニット14を後退させた場合に、加圧機構22では前記シール部24が後退して相対的に筒部26が前進して内部加圧室の内部空気を圧縮し、その圧縮された内部空気により逆止弁29を開きシール部24を通してリフィール10内を加圧するようになっている。なお、図示符号30は、修正液であり、32は修正液30に追従するフォロアである。
【0025】
このように構成されると共に、使用に供される本発明の修正ペン用リフィールでは、少なくともメチルシクロへキサンを主溶媒とする修正液を収容してなる修正ペン用リフィールを2層以上の多層構造からなり、かつ、修正液と接する最内層の材質がポリアミド樹脂から構成することにより、耐溶媒性に優れ、かつ使用時及び経時的に内容物である修正液とその残量が容易に視認可能となる。
【0026】
本発明の修正ペン用リフィールは、上述の如く構成されるものであり、リフィールの構成に特徴を有するものであるので、リフィール以外の構造となる修正液、修正液追従体、塗布部(ボールペンチップ等)、修正ペンの構造などは上記各実施形態のものが好ましいが、特に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることができるものである。
【0027】
【実施例】
次に、実施例及び比較例によって、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって何等限定されるものではない。
【0028】
〔実施例1〜8及び比較例1〜2〕
下記記載の樹脂を用いて各方法により各修正ペン用リフィールを作製した。
(実施例1)
ニ種ニ層〔外層:ナイロン6/内層:ノバミッドX21=0.9mm/0.1mm〕チューブを外径8mm、内径6mm、肉厚(厚さ)1mmとなるように、共押し出し成形にて長さ70mmの修正ペン用リフィールを得た。なお、ナイロン6の水蒸気透過度は、47g/m2・day/25μm(40℃、90%RH)であった(実施例2及び3も同様)。
(実施例2)
ニ種ニ層〔外層:ナイロン6/内層:ナイロンMXD6=0.9mm/0.1mm〕チューブを外径8mm、内径6mm、肉厚(厚さ)1mmとなるように、共押し出し成形にて長さ70mmの修正ペン用リフィールを得た。
【0029】
(実施例3)
ニ種ニ層〔外層:ナイロン6/内層:トロガミドT5000=0.9mm/0.1mm〕チューブを外径8mm、内径6mm、肉厚(厚さ)1mmとなるように、共押し出し成形にて長さ70mmの修正ペン用リフィールを得た。
(実施例4)
四種四層〔最外層:ポリプロピレン/接着層:変性PP樹脂/ナイロン6/最内層:ノバミッドX21=0.2mm/0.01mm/0.699mm/0.1mm〕チューブを外径8mm、内径6mm、肉厚(厚さ)1mmとなるように、共押し出し成形にて長さ70mmの修正ペン用リフィールを得た。
なお、上記接着層(変性PP樹脂)は、三菱化学社製のモディック502(以下、同様)を用いた。また、ポリプロピレンの水蒸気透過度は、1.6g/m2・day/25μm(40℃、90%RH)であった(実施例5、7も同様)。
【0030】
(実施例5)
四種四層〔最外層:ポリプロピレン/接着層:変性PP樹脂/中間層:EVOH:EP−H101(クラレ社製、エチレンモル比率38mol%)/最内層:ノバミッドX21=0.2mm/0.01mm/0.699mm/0.1mm〕チューブを外径8mm、内径6mm、肉厚(厚さ)1mmとなるように、共押し出し成形にて長さ70mmの修正ペン用リフィールを得た。
(実施例6)
三種三層〔最外層:EVOH;EP−E105(クラレ社製、エチレンモル比率44mol%)/接着層:変性PP樹脂/最内層:ノバミッドX21=0.89mm/0.01mm/0.1mm〕チューブを外径8mm、内径6mm、肉厚(厚さ)1mmとなるように、共押し出し成形にて長さ70mmの修正ペン用リフィールを得た。なお、EVOHの水蒸気透過度は、38g/m2・day/25μm(40℃、90%RH)であった。
【0031】
(実施例7)
四種五層〔最外層:ポリプロピレン/接着層:変性PP樹脂/EVOH;EP−E105(クラレ社製、エチレンモル比率44mol%)/接着層:変性PP樹脂/最内層:トロガミドT1500=0.68mm/0.01mm/0.2mm/0.01mm/0.1mm〕チューブを外径8mm、内径6mm、肉厚(厚さ)1mmとなるように、共押し出し成形にて長さ70mmの修正ペン用リフィールを得た。
(実施例8)
四種五層〔最外層:環状ポリオレフィン;ZEONOR1020R(東セロ社製)/接着層:変性PP樹脂/EVOH;EP−E105(クラレ社製、エチレンモル比率44mol%)/接着層:変性PP樹脂/最内層:ノバミッドX21=0.68mm/0.01mm/0.2mm/0.01mm/0.1mm〕チューブを外径8mm、内径6mm、肉厚(厚さ)1mmとなるように、共押し出し成形にて長さ70mmの修正ペン用リフィールを得た。
なお、環状ポリオレフィンの水蒸気透過度は、0.5g/m2・day/25μm(40℃、90%RH)であった。
【0032】
(比較例1)
ナイロン12をチューブ状に外径8mm、内径6mm、肉厚(厚さ)1mmとなるように、押し出し成形にて長さ70mmの修正ペン用リフィールを得た。
(比較例2)
ナイロン11をチューブ状に外径8mm、内径6mm、肉厚(厚さ)1mmとなるように、押し出し成形にて長さ70mmの修正ペン用リフィールを得た。
【0033】
上記で得られた各修正ペン用リフィールに、下記に示される配合組成、粘度の修正液を約1.5g注入した。次いで、この修正液の末端部に接触状態で配置されるように下記配合組成及び粘度の追従体0.4gを収容して各修正ペンを得た。
(修正液の配合組成)
・メチルシクロへキサン 40部
・アクリル樹脂 10部
・二酸化チタン 49部
・粉末シリカ 1部
(修正液追従体の配合組成)
・ジグリセリンのエチレンオキサイド13モル付加物 95部
・微粉末シリカ 5部
この修正液の粘度(25℃)を粘度計(東機産業社製)により測定したところ、1rpmで5000mP・sであり、修正液追従体の粘度(25℃)は、1rpmで10,000mP・sであった。
【0034】
得られた各修正ペンについて、下記評価方法により、耐溶媒性及びクリアドレイン性について評価した。
これらの結果を下記表1に示す。
【0035】
(耐溶媒性の評価方法)
上記で得た修正ペンを25℃、65%RHの環境試験室にて、1ケ月間放置した後の耐溶媒性を目視により、下記評価基準で評価した。
評価基準:
〇:リフィールは全く変化なし
△:リフィールにやや変化あり
×:リフィールに変化あり
【0036】
(クリアドレインの評価方法)
上記で得た修正ペンを50℃、65%RHの環境試験室にて、1ケ月間放置した後のクリアドレイン性を目視により、下記評価基準で評価した。
評価基準:
〇:リフィールは全く変化がなく、明瞭であり、容易に残量の確認ができる。
△:リフィールにやや変化があり、また、若干不明瞭となり、残量の確認がやっとできる状態である。
×:リフィールに変化があり、また、不明瞭となり、残量の確認ができない状態である。
【0037】
【表1】
【0038】
上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜8は、本発明の範囲外となる比較例1〜2に較べて、耐溶媒性及びクリアドレイン性に優れていることが判明した。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、耐溶媒性に優れ、かつ使用時及び経時的に内容物である修正液とその残量が容易に視認可能となる修正ペン用リフィールが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の修正ペン用リフィールの実施形態の一例を示すものであり、修正ペン用リフィールにボールペンチップを取り付けた状態(リフィールユニット)を示す縦断面図である。
【図2】本発明における修正ペン用リフィールの実施形態の他例を示すものであり、(a)はその部分縦断面図、(b)はA−A線断面図、(c)はB部の拡大縦断面図である。
【図3】図2に準拠する修正ペン用リフィールを用いた修正ペンの一例を示すものであり、修正ペンの作動時(筆記時)の説明図である。
【図4】図3の修正ペンの非作動時(非筆記時)の説明図である。
【符号の説明】
10 修正ペン用リフィール
12 ボールペンチップ
14 リフィールユニット
16 第1のスプリング
18 軸本体
Claims (8)
- 少なくともメチルシクロへキサンを主溶媒とする修正液を収容してなる修正ペン用リフィールであって、該修正ペン用リフィールが2層以上の多層構造からなり、かつ、修正液と接する最内層の材質がポリアミド樹脂から構成されていることを特徴とする修正ペン用リフィール。
- 最内層のポリアミド樹脂層が、主鎖中に芳香族環及び/又はナフテン環を有する脂肪族ポリアミド樹脂層である請求項1記載の修正ペン用リフィール。
- エチレン・ビニルアルコール共重合体の層を少なくとも1層以上含んでいる構造である請求項1又は2記載の修正ペン用リフィール。
- エチレン・ビニルアルコール共重合体のエチレンモル比率が10〜60mol%である請求項3記載の修正ペン用リフィール。
- 最外層が水蒸気透過度5g/m2・day/25μm(40℃、90%RH)以下の高分子層からなる請求項1〜4の何れか一つに記載の修正ペン用リフィール。
- 最外層がポリプロピレン又は環状ポリオレフィンである請求項5記載の修正ペン用リフィール。
- 最内層のポリアミド樹脂層の厚さが0.01〜2mmである請求項1〜6の何れか一つに記載の修正ペン用リフィール。
- 請求項1〜7の何れか一つに記載の多層構造からなる修正ペン用リフィールが共押出し法、射出成形法、ブロー成形法の何れかにより製造される修正ペン用リフィール。
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