JP2004261174A - 豆乳発酵物およびそれを用いた飲食品 - Google Patents

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世高 愛宕
Toshiya Toda
登志也 戸田
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武則 奥平
Kaoru Akatani
薫 赤谷
Yukio Iemori
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Abstract

【課題】豆臭くなく、呈味性に優れ、かつ特有の食感および優れた生理作用を有する豆乳発酵物およびそれを用いた飲食品を提供する。
【解決手段】豆乳中に、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)と酢酸菌との共棲体が含有され、発酵させてなる豆乳発酵物とする。そして、上記豆乳発酵物を用いてなる飲食品とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、豆乳発酵物およびそれを用いた飲食品に関するものである。
大豆は、良質のタンパク質に富み、ノンコレステロールで、ミネラルも豊富に含んでいる。また、心臓病予防にも効果があり(米FDAが認めた大豆効果)、さらに、骨粗鬆症,更年期障害,ガン予防の効果が期待されるイソフラボンや、抗酸化性の強いサポニンが豊富に含まれていることから、通常の食材としてはもとより、健康食品としての用途も期待される。そして、上記大豆を原料とする豆乳においても、この優れた大豆の効果は充分期待できる。しかしながら、豆乳は、豆臭さが強く、決して呈味性に優れているとはいえないことから、その改善を図るため、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidphilus)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei) 、ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus) 、ストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシーズ・サーモフィラス(Streptococcus salivarius subsp. thermophilus)等の市販のヨーグルトに一般的に用いられている乳酸菌や、酵母を用い、発酵させることにより、ヨーグルト様の飲食品とする技術が既に提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
特開平10−201416号公報 特開2000−217510公報 特開平10−229841号公報 特開平5−184320号公報 特開平10−201415号公報
豆乳を用いた発酵物は、豆乳を主原料とすることから、発酵を行う微生物はある程度限られるものの、上記のように既にいくつか報告されている。しかしながら、これらの発酵物は、豆乳由来の豆臭さはある程度改善されているのであるが、その生理作用や食感等においては、豆乳由来の優れた栄養価を除いては、特に際立って優れた特性を見いだすことができないのが現状である。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、豆臭くないだけでなく、呈味性に優れ、かつ特有の食感および優れた生理作用を有する豆乳発酵物およびそれを用いた飲食品の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、豆乳中に、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)と酢酸菌とが含有され、発酵させてなる豆乳発酵物であって、上記豆乳発酵物中のラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスと酢酸菌との生菌数の割合が、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス:酢酸菌=1:1000〜100億:1の菌数比で共棲している豆乳発酵物を第1の要旨とし、上記豆乳発酵物を用いてなる飲食品を第2の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、豆乳中に、乳酸菌の一種であるラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)と、所定の酢酸菌とを共棲させ、これにより豆乳を発酵させて上記2種の微生物が特定の菌数比となるようにすることにより、豆臭さが解消され、しかも従来にない優れた呈味性、特有の粘性の強い食感および優れた生理作用が得られることを見いだし、さらに、その豆乳発酵物を用いてなる飲食品においても、従来にない機能性・健康食品(飲料)となりうることを突き止め、本発明に到達した。
以上のように、本発明の豆乳発酵物は、豆乳中に、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)と酢酸菌との共棲体を含有し、この共棲体により発酵を行うと得られるものである。そのため、豆臭くなく、しかも、特異な粘性食感を有し、呈味性に優れ、さらに、整腸作用等に優れた効果が得られるとともに、栄養価の向上や免疫賦活活性も充分期待でき、健康維持等に優れた効果を発揮する。また、豆乳発酵物中の各菌の菌数比が特定の割合であることから、上記共棲による効果が充分に得られ、所望の食感、呈味性および優れた生理作用が有効に得られるようになる。
特に、上記共棲体が、本発明者らが寄託した特殊な菌株であると、得られる豆乳発酵物において、粘性や風味や生理作用がさらに良くなり、健康維持等への貢献度がさらに高まる。
さらに、原料中に牛乳を混ぜたり、糖類を混ぜたりすると、独特の粘性が強まり、風味もより良好となるといった効果が得られるようになる。そして、牛乳および糖類の双方を加えることにより、この効果はより顕著となる。
そして、上記豆乳発酵物を用いてなる飲食品においても、豆乳発酵物と同様に、優れた食感、風味、生理作用等を有することから、豆乳の健康成分を摂取する上で障害となる、嗜好性の面での問題を改善する効果を発揮し、さらに、健康維持の点でも優れている。
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の豆乳発酵物は、豆乳中に、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)と酢酸菌とを共棲状態にし、これによって豆乳を発酵させることにより、得られるものである。このように共棲状態で発酵していることから、上記豆乳発酵物は、従来にない特有の粘性食感および優れた生理作用(整腸作用等)を有する。
上記豆乳としては、特に限定されるものではなく、その原料として、例えば、油脂を含有した丸大豆、脱皮大豆、フレーク大豆等を用い、それらを従来公知の方法により加工することにより得られたものがあげられる。
上記共棲体における酢酸菌としては、例えば、アセトバクター(Acetobacter) 属,グルコノバクター(Gluconobacter) 属,グルコンアセトバクター(Gluconacetobacter) 属等に属する酢酸菌があげられ、これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。そして、上記アセトバクター属に属する酢酸菌としては、例えば、アセトバクター・オリエンタリス (Acetobacter orientalis) 、アセトバクター・アセチ (Acetobacter aceti)、アセトバクター・オルレアネンシス (Acetobacter orleanensis)等があげられる。
そして、上記豆乳発酵物の発酵に用いられる微生物が、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)の一種とアセトバクター・オリエンタリス (Acetobacter orientalis) の一種との共棲体であるカスピアン シー ヨーグルト LA73 (Caspian Sea yogurt LA73 ,FERM P-19206)であると、特有の粘性や優れた風味がさらに特化し、かつ免疫賦活活性や整腸作用があるといわれる多糖類をより多く含む豆乳発酵物とすることができるため、好ましい。ここで、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの一種とアセトバクター・オリエンタリスの一種との共棲体であるカスピアン シー ヨーグルト LA73 (Caspian Sea yogurt LA73 ,FERM P-19206)とは、本発明者らが、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託した特殊な菌株であり、摂氏25〜30℃を至的温度としている。
そして、上記豆乳発酵物は、例えば、つぎのようにして製造することができる。
すなわち、まず、特定のヨーグルト種菌(凍結乾燥され粉末状となったものを1g程度。上記粉末1g中に、生菌数が1×107 以上のラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスと、生菌数が1×103 以上の酢酸菌とを含む)を準備し、これを、殺菌された種菌培養ビンの中に入れ、さらに、殺菌済みの牛乳を準備し、上記種菌培養ビンの中に、これを所定量(30〜40ml)加える。なお、上記ヨーグルト種菌は、粉末状のものに限定されるものではなく、また、種菌培養ビンの中へは、先に牛乳を入れてからヨーグルト種菌を加えてもよい。そして、これらの入った種菌培養ビンに蓋をして閉め、よく振とうし、その後、室温(摂氏15〜30℃)環境下で3時間以上、好ましくは8〜24時間、放置する。このようにして上記ヨーグルト種菌を活性化させる。そして、殺菌済みの容器に入った豆乳(500ml)を別途準備し、この中に、先ほどの活性化させたヨーグルト種菌(培養液)を加え、さらに、上記容器に、雑菌を遮断するための蓋をし(通気性は得られるよう蓋をする)、室温で放置(3〜24時間程度)することにより、目的とするヨーグルト様の豆乳発酵物を得ることができる。なお、上記容器内に、全容量の1/3以上の空間があれば、上記容器を密封した状態であっても、発酵を促すことができる。
上記製法において、その原料として用いられている豆乳とともに、牛乳を併用すると、独特の粘性が強まり、風味もより良好となるといった効果が得られるため、好ましい。上記のように牛乳を併用する場合、その配合割合は特に限定されないが、通常、上記製法にて使用する豆乳の5〜60重量%程度に、牛乳が用いられる。
また、上記製法において、その原料中に、ブドウ糖,乳糖,果糖等の糖類を加えると、独特の粘性が強まり、風味もより良好となるといった効果が得られるため、好ましい。なお、これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。そして、上記のように糖類を加える場合、その配合割合は特に限定されないが、通常、豆乳100重量部(以下、「部」と略す)に対し、0.1〜10部の割合で配合される。
なお、本発明の豆乳発酵物の材料として、これ以外にも、水、果汁、香料、酸味料等を適宜加えても良い。
このようにして得られた豆乳発酵物中のラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスと酢酸菌との生菌数の割合は、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス:酢酸菌=1:1000〜100億:1の菌数比で共棲している好ましくは1:1〜10万:1の範囲である。すなわち、このような菌数比で共棲していると、共棲による効果が充分に得られることから、所望の食感、呈味性および優れた生理作用が得られるようになるからである。なお、この生菌数の測定は、例えば、(I) BCP加プレートカウントアガール(日水製薬社製)を用いたコロニーカウントや、(II)ペプトン0.5%,酵母エキス0.5%,グルコース0.5%,硫酸マグネシウム7水和物0.1%,寒天1.5%を含む培地を用いたコロニーカウントにより行われる。
そして、本発明の豆乳発酵物を用いた飲食品は、上記のようなヨーグルト様のものをそのまま用いたものであっても、これを各種加工し、各種飲食品に関与させた形態としたものであってもよい。上記飲食品としては、例えば、はっ酵豆乳飲料,調整豆乳,豆乳飲料,乳酸菌飲料,酸乳飲料およびその他の飲料、アイスキャンデー等の冷菓、プリン,ゼリー,シュークリーム,ケーキ等の生菓子、ラムネ,アメ,チョコレート,ビスケット等の菓子、チーズ,バター,パン,シチュー,ドレッシングやその他の飲食品あるいは健康食品、豆乳発酵物の乾燥物を用いた粉末状食品やタブレット等があげられる。
つぎに、実施例について、比較例および従来例と併せて説明する。
まず、前記寄託のカスピアン シー ヨーグルト LA73を、凍結乾燥により粉末状にしてなるヨーグルト種菌粉末を準備した。この粉末には、下記の2種類の菌が含まれていた。
ヨーグルト種菌粉末(1g)中:
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの一種 1×108 〔生菌数(概数)〕
アセトバクター・オリエンタリスの一種 1×105 〔生菌数(概数)〕
つづいて、殺菌された種菌培養ビンを準備し、上記ヨーグルト種菌粉末1gをこの中に入れ、さらに、殺菌済みの牛乳を準備し、上記種菌培養ビンの中に、上記牛乳35mlを入れた。そして、これらの入った種菌培養ビンに蓋をして閉め、よく振とうし、その後、室温(25℃)環境下で12時間程、全体が固まるまで放置した。このようにして上記ヨーグルト種菌を活性化させた。そして、殺菌済みの容器に入った豆乳(500ml)(丸大豆を原料とし、従来公知の方法により加工し得られたもの。固形分12%)を別途準備し、この中に、先ほど活性化させたヨーグルト種菌(培養液)を加え、熱湯消毒したスプーンで良くかき混ぜた。その後、この容器の開口に、空気が出入りできるように、ゆるく蓋(ねじ締結式)をし、そのまま室温(25℃)で、固まるまで発酵させた(3〜24時間程度)。そして、固まった後は、しっかり蓋を閉めて、冷蔵庫で保管することにより、目的とする豆乳発酵物を得た。
所定のヨーグルト種菌粉末を準備した。この粉末には、下記の2種類の菌が含まれていた。なお、下記のラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの一種とは、前記寄託のカスピアン シー ヨーグルト LA73から抽出された菌である。
ヨーグルト種菌粉末(1g)中:
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの一種 1×108 〔生菌数(概数)〕
アセトバクター・オリエンタリス(NBRC 16606) 1×105 〔生菌数(概数)〕
そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記ヨーグルト種菌粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、豆乳発酵物を作製した。
所定のヨーグルト種菌粉末を準備した。この粉末には、下記の2種類の菌が含まれていた。なお、下記のアセトバクター・オリエンタリスの一種とは、前記寄託のカスピアン シー ヨーグルト LA73から抽出された菌である。
ヨーグルト種菌粉末(1g)中:
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(NBRC 3427) 1×108 〔生菌数(概数)〕
アセトバクター・オリエンタリスの一種 1×105 〔生菌数(概数)〕
そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記ヨーグルト種菌粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、豆乳発酵物を作製した。
所定のヨーグルト種菌粉末を準備した。この粉末には、下記の2種類の菌が含まれていた。
ヨーグルト種菌粉末(1g)中:
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(NBRC 3427) 1×108 〔生菌数(概数)〕
アセトバクター・オリエンタリス(NBRC 16606) 1×105 〔生菌数(概数)〕
そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記ヨーグルト種菌粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、豆乳発酵物を作製した。
実施例1において用いられる豆乳に代えて、豆乳70重量%,牛乳30重量%の割合で混ぜた混合乳を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、豆乳発酵物を作製した。
実施例1において用いられる豆乳100部に対し、ブドウ糖5部を添加した。そのこと以外は、実施例1と同様にして、豆乳発酵物を作製した。
実施例5において用いられる混合乳100部に対し、ブドウ糖5部を添加した。そのこと以外は、実施例1と同様にして、豆乳発酵物を作製した。
所定のヨーグルト種菌粉末を準備した。この粉末には、下記の2種類の菌が含まれていた。なお、下記のラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの一種とは、前記寄託のカスピアン シー ヨーグルト LA73から抽出された菌である。また、下記のアセトバクター・オリエンタリスの一種も、前記寄託のカスピアン シー ヨーグルト LA73から抽出された菌である。そして、上記粉末中に、この2種類の菌が、下記に示す割合で存在していた。
ヨーグルト種菌粉末(1g)中:
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの一種 1×105 〔生菌数(概数)〕
アセトバクター・オリエンタリスの一種 1×108 〔生菌数(概数)〕
そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記ヨーグルト種菌粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、豆乳発酵物を作製した。
所定のヨーグルト種菌粉末を準備した。この粉末には、下記の2種類の菌が含まれていた。なお、下記のラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの一種とは、前記寄託のカスピアン シー ヨーグルト LA73から抽出された菌である。また、下記のアセトバクター・オリエンタリスの一種も、前記寄託のカスピアン シー ヨーグルト LA73から抽出された菌である。そして、上記粉末中に、この2種類の菌が、下記に示す割合で存在していた。
ヨーグルト種菌粉末(1g)中:
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの一種 1×108 〔生菌数(概数)〕
アセトバクター・オリエンタリスの一種 1×108 〔生菌数(概数)〕
そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記ヨーグルト種菌粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、豆乳発酵物を作製した。
所定のヨーグルト種菌粉末を準備した。この粉末には、下記の2種類の菌が含まれていた。なお、下記のラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの一種とは、前記寄託のカスピアン シー ヨーグルト LA73から抽出された菌である。また、下記のアセトバクター・オリエンタリスの一種も、前記寄託のカスピアン シー ヨーグルト LA73から抽出された菌である。そして、上記粉末中に、この2種類の菌が、下記に示す割合で存在していた。
ヨーグルト種菌粉末(1g)中:
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの一種 1×109 〔生菌数(概数)〕
アセトバクター・オリエンタリスの一種 1×105 〔生菌数(概数)〕
そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記ヨーグルト種菌粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、豆乳発酵物を作製した。
所定のヨーグルト種菌粉末を準備した。この粉末には、下記の2種類の菌が含まれていた。なお、下記のラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの一種とは、前記寄託のカスピアン シー ヨーグルト LA73から抽出された菌である。また、下記のアセトバクター・オリエンタリスの一種も、前記寄託のカスピアン シー ヨーグルト LA73から抽出された菌である。そして、上記粉末中に、この2種類の菌が、下記に示す割合で存在していた。
ヨーグルト種菌粉末(1g)中:
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの一種 1×109 〔生菌数(概数)〕
アセトバクター・オリエンタリスの一種 1×101 〔生菌数(概数)〕
そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記ヨーグルト種菌粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、豆乳発酵物を作製した。
〔比較例1〕
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(NBRC 3427) のみが含まれる菌体粉末〔粉末1g中の生菌数は、1×108 (概数)〕を準備した。そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記菌体粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、豆乳発酵物を作製した。
〔比較例2〕
アセトバクター・オリエンタリス(NBRC 16606)のみが含まれる菌体粉末〔粉末1g中の生菌数は、1×107 (概数)〕を準備した。そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記菌体粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、豆乳発酵物を作製した。
〔比較例3〕
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスのみが含まれる菌体粉末〔粉末1g中の生菌数は、1×108 (概数)〕を準備した。なお、上記ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスは、前記寄託のカスピアン シー ヨーグルト LA73から抽出された菌である。そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記菌体粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、豆乳発酵物を作製した。
〔比較例4〕
アセトバクター・オリエンタリスのみが含まれる菌体粉末〔粉末1g中の生菌数は、1×107 (概数)〕を準備した。なお、上記アセトバクター・オリエンタリスは、前記寄託のカスピアン シー ヨーグルト LA73から抽出された菌である。そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記菌体粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、豆乳発酵物を作製した。
〔従来例〕
下記の2種類の菌を含む、一般的なヨーグルト種菌粉末を準備した。
ヨーグルト種菌粉末(1g)中:
ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus) 1×108 〔生菌数(概数)〕
ストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシーズ・サーモフィラス(Streptococcus salivarius subsp. thermophilus) 1×107 〔生菌数(概数)〕
そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記ヨーグルト種菌粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、豆乳発酵物を作製した。
このようにして得られた実施例、比較例および従来例の豆乳発酵物を用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。そして、これらの結果を後記の表1〜表3に併せて示した。
〔酸度〕
0.1規定水酸化ナトリウムを用いた中和滴定法により測定した。
〔粘性〕
得られた各豆乳発酵物を、スプーンを用いてすくい上げ、その際のスプーンにかかる負荷により、各豆乳発酵物の粘性を−〜++++の5段階で評価した。上記評価は、専門パネラー10名による官能試験結果の平均をとった評価であって、比較例1の豆乳発酵物の粘性を+とし、これを基準に評価したものである。すなわち、−は粘性が全くない、+は粘性があまりない、++は粘性が少しある、+++は粘性がかなりある、++++は粘性が非常にある、としたものである。
〔糸引き性〕
得られた各豆乳発酵物を、スプーンを用いてすくい上げ、その際のヨーグルトの状態(糸の引き具合)を目視により評価し、各豆乳発酵物の糸引き性を−〜++++の5段階で評価した。上記評価は、専門パネラー10名による官能試験結果の平均をとった評価であって、比較例1の豆乳発酵物の糸引き性を+とし、これを基準に評価したものである。すなわち、−は全く糸を引かない、+はあまり糸を引かない、++は少し糸を引く、+++はかなり糸を引く、++++は非常に糸を引く、としたものである。
〔豆臭〕
得られた各豆乳発酵物の豆臭を、パネラーの臭覚により評価した。すなわち、発酵前のものと比較し、殆ど豆臭の改善がなされてなかったものを×、やや豆臭が残るが、一応の改善がみられたものを△、豆臭があまりしなかったものを○、豆臭が殆どしなかったものを◎として評価した。なお、上記評価は、専門パネラー10名による評価の平均をとったものである。
〔風味〕
得られた各豆乳発酵物の風味を、パネラーの味覚により評価した。すなわち、えぐ味などの不快な風味が殆ど改善されてなかったものを×、ややえぐ味が残るが、一応の風味の改善がみられたものを△、えぐ味は殆どなく、良好な風味であったものを○、えぐ味は全くなく、非常に良好な風味であったものを◎として評価した。なお、上記評価は、専門パネラー10名による評価の平均をとったものである。
〔整腸作用〕
便秘傾向(週に4回未満の便通)のパネラー(各実施例・比較例等に対し、それぞれ5名が担当するようにしている)による各豆乳発酵物の整腸作用の評価を行う試験をした。詳しくは、上記パネラーに、それぞれが担当する豆乳発酵物を1日100g与え、これを14日間継続することにより、便秘の改善がどの程度なされるかの試験を行った。そして、1週間あたりの、各担当パネラー5名の平均的便通回数が、6回以上に増えたものを◎、4回以上6回未満に増えたものを○、4回未満のままであったものを△として評価した。なお、比較例2,4においては、ヨーグルト様にならなかったため、この試験は行わなかった。
上記の結果からも明らかなように、全実施例品の酸度が適度で食べ易いものとなっていることがわかる。また、全実施例品は、粘性や糸引き性において優れた評価が得られていることから、通常のヨーグルト種菌を用いてなる豆乳発酵物とは明らかに異なる、特有の食感が得られることがわかる。さらに、全実施例品は、豆臭くなく、風味も優れており、整腸作用においても高い評価が得られていることがわかる。
これに対し、比較例1,3品は、粘性や糸引き性において実施例品に劣り、風味等も実施例品にやや劣ることがわかる。また、比較例2,4品は、発酵による効果が認められないことから、実施例品のような豆乳発酵物とは全く異なるものであったことがわかる。そして、従来例品は、一般的なヨーグルト種菌を用いてなる豆乳発酵物であるが、実施例品のような糸引き性や粘性はほとんどないことから、本発明の実施例品が、従来にない特異な性質を有することがわかる。さらに、その特有の糸引き性等が、従来にない整腸作用等の生理活性効果に密接に関与しているものと考えることから、本発明品の有用性が期待される。

Claims (7)

  1. 豆乳中に、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)と酢酸菌との共棲体が含有され、発酵させてなることを特徴とする豆乳発酵物。
  2. 上記共棲体における酢酸菌が、アセトバクター(Acetobacter) 属,グルコノバクター(Gluconobacter) 属およびグルコンアセトバクター(Gluconacetobacter) 属からなる群より選ばれた少なくとも一に属する酢酸菌である請求項1記載の豆乳発酵物。
  3. 上記共棲体が、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)の一種とアセトバクター・オリエンタリス (Acetobacter orientalis) との共棲体であるカスピアン シー ヨーグルト LA73 (Caspian Sea yogurt LA73 ,FERM P-19206)である請求項1または2記載の豆乳発酵物。
  4. 豆乳発酵物中のラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)と酢酸菌との生菌数の割合が、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス:酢酸菌=1:1000〜100億:1の菌数比で共棲している請求項1〜3のいずれか一項に記載の豆乳発酵物。
  5. 上記豆乳中に牛乳が含有されてなる請求項1〜4のいずれか一項に記載の豆乳発酵物。
  6. 上記豆乳中に糖類が含有されてなる請求項1〜5のいずれか一項に記載の豆乳発酵物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の豆乳発酵物を用いてなることを特徴とする飲食品。
JP2004021395A 2003-02-13 2004-01-29 豆乳発酵物およびそれを用いた飲食品 Pending JP2004261174A (ja)

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