JP2004261176A - ヨーグルト種菌およびそれを用いた発酵飲食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来にない食感、呈味性および優れた生理作用を有する全く新規なヨーグルトを供することができるヨーグルト種菌およびそれを用いた発酵飲食品を提供する。
【解決手段】ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)と酢酸菌との共棲体からなるヨーグルト種菌とする。そして、上記ヨーグルト種菌を用い、牛乳由来の乳糖含有中で発酵させてなる発酵飲食品とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ヨーグルト種菌およびそれを用いた発酵飲食品に関するものである。
ヨーグルトは、その特有の爽やかな呈味性はもとより、栄養学的に優れ、しかも、整腸作用等の優れた生理作用も有することから、重要な発酵食品の一つとなっている。また、ヨーグルトは、牛乳由来の乳糖が乳酸菌により発酵されることにより得られる発酵食品であり、半固形タイプのものや飲料タイプのものが一般的である。そして、市販のヨーグルトには、通常、ストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシーズ・サーモフィラス(Streptococcus salivarius subsp. thermophilus)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidphilus)、ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus) 等の乳酸菌が用いられている。
そのようななか、従来のヨーグルトにはない食感、呈味性および優れた生理作用を有する全く新規なヨーグルトが、予てから求められていた。また、このような新規なヨーグルトは、その栄養価や生理活性機能等の特異性により、健康食品(飲料)等への応用も期待される。そして、このような新規なヨーグルトが得られるよう、その生産能を有する微生物の特定(特定生息域での微生物の採取や、いわゆるスクリーニングによる選別作業等による特定)等も各種行われているが、成功した例は極めて少なく、現在市販されているもの以上のものは未だ得られていないのが現状である。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、従来にない食感、呈味性および優れた生理作用を有する全く新規なヨーグルトを供することができるヨーグルト種菌およびそれを用いた発酵飲食品の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)と酢酸菌との共棲体からなるヨーグルト種菌を第1の要旨とし、上記ヨーグルト種菌を用い、牛乳由来の乳糖含有中で発酵させてなる発酵飲食品を第2の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。そして、本発明者らは、その研究の過程において、乳酸菌の一種であるラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)と、所定の酢酸菌とを、牛乳等の原料中に共棲させた状態にし、これらを培養して発酵を行わせることを想起した。その結果、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス単独の場合には決して得ることのできなかった特異な粘性食感、酸味の抑えられた優れた呈味性、および、優れた生理作用を有する、全く新規なヨーグルトが得られるようになることを突き止め、本発明に到達した。
以上のように、本発明のヨーグルト種菌は、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)と酢酸菌との共棲体からなるものである。そのため、これを牛乳中で培養することにより、特異な粘性食感、酸味の抑えられた優れた呈味性、および、優れた生理作用を有する、全く新規なヨーグルトを得ることができる。また、本発明のヨーグルト種菌は、常温培養することができる。
特に、上記ヨーグルト種菌が、本発明者らが寄託した特殊な菌株であると、特有の粘性や優れた風味を有し、かつ免疫賦活活性や整腸作用があるといわれる多糖類を多く含むヨーグルトを生産する能力に、より特化している。
また、上記ヨーグルト種菌における各菌の菌数比が特定の割合であると、共棲による特殊な相乗効果(それぞれの菌の単独培養では得ることのできない効果)がより得られるようになる。
さらに、上記ヨーグルト種菌が、凍結乾燥により粉末状となっていると、衛生面,品質保持性,取り扱い性等の点で、より優れている。
そして、上記ヨーグルト種菌を用い、牛乳由来の乳糖含有中で発酵させてなる発酵飲食品は、整腸作用等に優れた効果が得られるとともに、栄養価の向上や免疫賦活活性も充分期待でき、健康維持等に優れた効果を発揮する。
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のヨーグルト種菌は、先に述べたように、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)と酢酸菌との共棲体である。このような共棲状態とすることにより、それぞれの菌の単独培養では得ることのできない特殊なヨーグルトを生産する能力が得られるようになる。
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)と酢酸菌との共棲体は、室温(摂氏15〜30℃)条件下で培養することができ、その際に発酵を行うといった特性を有する。したがって、ヨーグルトの生産に一般的に用いられる乳酸菌の発酵温度(摂氏45〜50℃)よりも、かなり低く、このことにより、培養の際の温度条件等の管理が不要である。また、上記のように共棲状態とし発酵を行わせると、共棲による特殊な相乗効果(それぞれの菌の単独培養では得ることのできない効果)が得られ、いままでのヨーグルトにはない食感(特有の粘性)や、優れた生理作用(整腸作用等)を有するヨーグルトを得ることができる。
上記共棲体における酢酸菌としては、例えば、アセトバクター(Acetobacter) 属,グルコノバクター(Gluconobacter) 属,グルコンアセトバクター(Gluconacetobacter) 属等に属する酢酸菌があげられ、これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。そして、上記アセトバクター属に属する酢酸菌としては、例えば、アセトバクター・オリエンタリス (Acetobacter orientalis) 、アセトバクター・アセチ (Acetobacter aceti)、アセトバクター・オルレアネンシス (Acetobacter orleanensis)等があげられる。
そして、上記共棲体が、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)の一種とアセトバクター・オリエンタリス (Acetobacter orientalis) の一種との共棲体であるカスピアン シー ヨーグルト LA73 (Caspian Sea yogurt LA73 ,FERM P-19206)であると、特有の粘性や優れた風味を有し、かつ免疫賦活活性や整腸作用があるといわれる多糖類を多く含むヨーグルトを生産する能力に、より特化しているため、好ましい。ここで、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの一種とアセトバクター・オリエンタリスの一種との共棲体であるカスピアン シー ヨーグルト LA73 (Caspian Sea yogurt LA73 ,FERM P-19206)とは、本発明者らが、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託した特殊な菌株であり、摂氏25〜30℃を至的温度としている。
また、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスと酢酸菌との生菌数の割合は、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス:酢酸菌=1:1000〜100億:1の菌数比で共棲していると好ましく、より好ましくは1:1〜10万:1の範囲である。すなわち、このような菌数比で共棲していると、先に述べたような共棲による特殊な相乗効果が効果的に得られるよう、発酵が行われるようになるからである。なお、上記生菌数の割合は、初期の割合を示すものである。
なお、上記ヨーグルト種菌は、通常のヨーグルトのような活性状態にある菌であっても、凍結乾燥した菌であってもよい。特に、上記ヨーグルト種菌が、凍結乾燥により粉末状となっているものは、衛生面,品質保持性,取り扱い性等の点で好ましい。なお、この粉末中には、脱脂粉乳等の培地成分が残ったまま含まれていてもよい。また、上記ヨーグルト種菌粉末1g中のラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの生菌数は1×107 以上であると好ましく、酢酸菌の生菌数は1×103 以上であると好ましい。この生菌数の測定は、例えば、(I) BCP加プレートカウントアガール(日水製薬社製)を用いたコロニーカウントや、(II)ペプトン0.5%,酵母エキス0.5%,グルコース0.5%,硫酸マグネシウム7水和物0.1%,寒天1.5%を含む培地を用いたコロニーカウントにより行われる。
そして、上記ヨーグルト種菌を用いたヨーグルト(発酵飲食品)は、例えば、つぎのようにして製造することができる。
すなわち、まず、本発明のヨーグルト種菌(凍結乾燥され粉末状となったもの。1g程度)を準備する。そして、殺菌された種菌培養ビンを準備し、この中に上記ヨーグルト種菌を入れる。さらに、殺菌済みの新鮮な牛乳を準備し、上記種菌培養ビンの中に、これを所定量(30〜40ml)加える。なお、上記牛乳としては、「種類別:牛乳」の表示のあるものが、凝固性において適している。牛乳に代えて低脂肪乳を用いると、凝固はするが、ホエー(乳清)が多く出る場合がある。また、種菌培養ビンの中へは、先に牛乳を入れてからヨーグルト種菌を加えてもよい。そして、これらの入った種菌培養ビンに蓋をして閉め、よく振とうし、その後、室温環境下で3時間以上、好ましくは8〜24時間、放置する。このようにして上記ヨーグルト種菌を活性化させる。そして、殺菌済みの容器に入った牛乳(500ml)(「種類別:牛乳」の表示のあるもの)を別途準備し、この中に、先ほどの活性化させたヨーグルト種菌(培養液)を加え、さらに、上記容器に、雑菌を遮断するための蓋をし(通気性は得られるよう蓋をする)、室温で放置(3〜24時間程度)することにより、目的とするヨーグルトを得ることができる。なお、上記容器内に、全容量の1/3以上の空間があれば、上記容器を密封した状態であっても、発酵を促すことができる。
また、上記製法においては、原料として牛乳が用いられているが、本発明の発酵飲食品は、牛乳由来の乳糖含有中で発酵させてなるものであればよいため、牛乳そのものを原料として用いることを要しない。さらに、上記製法において用いられる原料以外にも、必要に応じ、ショ糖,果糖,転化糖,ブドウ糖等の糖類、水、果肉、果汁、香料、酸味料等を適宜加えても良い。
そして、本発明のヨーグルト種菌を用いた発酵飲食品は、上記のようなヨーグルト(ハードヨーグルト、ソフトヨーグルト、ドリンクヨーグルト、フローズンヨーグルト、殺菌ヨーグルト、プレーンヨーグルト、加糖ヨーグルトを含む)に限定されるものではなく、これを各種加工し、各種飲食品に関与させた形態としたものであってもよい。上記飲食品としては、例えば、乳酸飲料、アイスキャンデー等の冷菓、プリン,ゼリー,シュークリーム,ケーキ等の生菓子、ラムネ,アメ,チョコレート,ビスケット等の菓子、チーズ,バター,パン,シチュー,ドレッシングやその他の飲食品あるいは健康食品があげられる。
つぎに、実施例について、比較例および従来例と併せて説明する。
〔ヨーグルト種菌の調製〕
脱脂粉乳等の培地を含む所定のヨーグルト種菌を、凍結乾燥により粉末状にすることにより、粉末状のヨーグルト種菌を得た。この粉末には、下記の2種類の菌を含んでいた。
ヨーグルト種菌粉末(1g)中:
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(NBRC 3427) 1×108 〔生菌数(概数)〕
アセトバクター・オリエンタリス(NBRC 16606) 1×105 〔生菌数(概数)〕
〔ヨーグルトの作製〕
殺菌された種菌培養ビンを準備し、上記ヨーグルト種菌粉末1gをこの中に入れ、さらに、殺菌済みの新鮮な牛乳(乳脂肪分3.5%以上のもの)を準備し、上記種菌培養ビンの中に、上記牛乳35mlを入れた。そして、これらの入った種菌培養ビンに蓋をして閉め、よく振とうし、その後、室温(25℃)環境下で12時間程、全体が固まるまで放置した。このようにして上記ヨーグルト種菌を活性化させた。そして、殺菌済みの容器に入った牛乳(500ml)(乳脂肪分3.5%以上のもの)を別途準備し、この中に、先ほど活性化させたヨーグルト種菌(培養液)を加え、熱湯消毒したスプーンで良くかき混ぜた。その後、この容器の開口に、空気が出入りできるように、ゆるく蓋(ねじ締結式)をし、そのまま室温(25℃)で、固まるまで発酵させた(3〜24時間程度)。そして、固まった後は、しっかり蓋を閉めて、冷蔵庫で保管することにより、目的とするヨーグルトを得た。
脱脂粉乳等の培地を含む所定のヨーグルト種菌を、凍結乾燥により粉末状にすることにより、粉末状のヨーグルト種菌を得た。この粉末には、下記の2種類の菌を含んでいた。なお、下記のラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの一種とは、前記寄託のカスピアン シー ヨーグルト LA73から抽出された菌である。
ヨーグルト種菌粉末(1g)中:
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの一種 1×108 〔生菌数(概数)〕
アセトバクター・オリエンタリス(NBRC 16606) 1×105 〔生菌数(概数)〕
そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記ヨーグルト種菌粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、ヨーグルトを作製した。
脱脂粉乳等の培地を含む所定のヨーグルト種菌を、凍結乾燥により粉末状にすることにより、粉末状のヨーグルト種菌を得た。この粉末には、下記の2種類の菌を含んでいた。なお、下記のアセトバクター・オリエンタリスの一種とは、前記寄託のカスピアン シー ヨーグルト LA73から抽出された菌である。
ヨーグルト種菌粉末(1g)中:
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(NBRC 3427) 1×108 〔生菌数(概数)〕
アセトバクター・オリエンタリスの一種 1×105 〔生菌数(概数)〕
そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記ヨーグルト種菌粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、ヨーグルトを作製した。
脱脂粉乳等の培地を含む所定のヨーグルト種菌(前記寄託のカスピアン シー ヨーグルト LA73)を、凍結乾燥により粉末状にすることにより、粉末状のヨーグルト種菌を得た。この粉末には、下記の2種類の菌を含んでいた。
ヨーグルト種菌粉末(1g)中:
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの一種 1×108 〔生菌数(概数)〕
アセトバクター・オリエンタリスの一種 1×105 〔生菌数(概数)〕
そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記ヨーグルト種菌粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、ヨーグルトを作製した。
脱脂粉乳等の培地を含む所定のヨーグルト種菌を、凍結乾燥により粉末状にすることにより、粉末状のヨーグルト種菌を得た。ここで、上記所定のヨーグルト種菌とは、前記寄託のカスピアン シー ヨーグルト LA73から抽出された下記の2種類の菌であって、下記に示す割合で存在するものである。
ヨーグルト種菌粉末(1g)中:
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの一種 1×105 〔生菌数(概数)〕
アセトバクター・オリエンタリスの一種 1×108 〔生菌数(概数)〕
そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記ヨーグルト種菌粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、ヨーグルトを作製した。
脱脂粉乳等の培地を含む所定のヨーグルト種菌を、凍結乾燥により粉末状にすることにより、粉末状のヨーグルト種菌を得た。ここで、上記所定のヨーグルト種菌とは、前記寄託のカスピアン シー ヨーグルト LA73から抽出された下記の2種類の菌であって、下記に示す割合で存在するものである。
ヨーグルト種菌粉末(1g)中:
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの一種 1×108 〔生菌数(概数)〕
アセトバクター・オリエンタリスの一種 1×108 〔生菌数(概数)〕
そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記ヨーグルト種菌粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、ヨーグルトを作製した。
脱脂粉乳等の培地を含む所定のヨーグルト種菌を、凍結乾燥により粉末状にすることにより、粉末状のヨーグルト種菌を得た。ここで、上記所定のヨーグルト種菌とは、前記寄託のカスピアン シー ヨーグルト LA73から抽出された下記の2種類の菌であって、下記に示す割合で存在するものである。
ヨーグルト種菌粉末(1g)中:
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの一種 1×109 〔生菌数(概数)〕
アセトバクター・オリエンタリスの一種 1×105 〔生菌数(概数)〕
そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記ヨーグルト種菌粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、ヨーグルトを作製した。
脱脂粉乳等の培地を含む所定のヨーグルト種菌を、凍結乾燥により粉末状にすることにより、粉末状のヨーグルト種菌を得た。ここで、上記所定のヨーグルト種菌とは、前記寄託のカスピアン シー ヨーグルト LA73から抽出された下記の2種類の菌であって、下記に示す割合で存在するものである。
ヨーグルト種菌粉末(1g)中:
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの一種 1×109 〔生菌数(概数)〕
アセトバクター・オリエンタリスの一種 1×101 〔生菌数(概数)〕
そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記ヨーグルト種菌粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、ヨーグルトを作製した。
〔比較例1〕
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(NBRC 3427) のみが含まれる菌体粉末〔粉末1g中の生菌数は、1×108 (概数)〕を準備した。そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記菌体粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、ヨーグルトを作製した。
〔比較例2〕
アセトバクター・オリエンタリス(NBRC 16606)のみが含まれる菌体粉末〔粉末1g中の生菌数は、1×107 (概数)〕を準備した。そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記菌体粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、ヨーグルトを作製した。
〔比較例3〕
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスのみが含まれる菌体粉末〔粉末1g中の生菌数は、1×108 (概数)〕を準備した。なお、上記ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスは、前記寄託のカスピアン シー ヨーグルト LA73から抽出された菌である。そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記菌体粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、ヨーグルトを作製した。
〔比較例4〕
アセトバクター・オリエンタリスのみが含まれる菌体粉末〔粉末1g中の生菌数は、1×107 (概数)〕を準備した。なお、上記アセトバクター・オリエンタリスは、前記寄託のカスピアン シー ヨーグルト LA73から抽出された菌である。そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記菌体粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、ヨーグルトを作製した。
〔従来例〕
下記の2種類の菌を含む、一般的なヨーグルト種菌粉末を準備した。
ヨーグルト種菌粉末(1g)中:
ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus) 1×108 〔生菌数(概数)〕
ストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシーズ・サーモフィラス(Streptococcus salivarius subsp. thermophilus) 1×107 〔生菌数(概数)〕
そして、実施例1のヨーグルト種菌粉末に代えて、上記ヨーグルト種菌粉末を用いた。そのこと以外は、実施例1と同様にして、ヨーグルトを作製した。
このようにして得られた実施例、比較例および従来例のヨーグルトを用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。そして、これらの結果を後記の表1〜表3に併せて示した。
〔酸度〕
0.1規定水酸化ナトリウムを用いた中和滴定法により測定した。
〔粘性〕
得られた各ヨーグルトを、スプーンを用いてすくい上げ、その際のスプーンにかかる負荷により、各ヨーグルトの粘性を−〜++++の5段階で評価した。上記評価は、専門パネラー10名による官能試験結果の平均をとった評価であって、比較例1のヨーグルトの粘性を+とし、これを基準に評価したものである。すなわち、−は粘性が全くない、+は粘性があまりない、++は粘性が少しある、+++は粘性がかなりある、++++は粘性が非常にある、としたものである。
〔糸引き性〕
得られた各ヨーグルトを、スプーンを用いてすくい上げ、その際のヨーグルトの状態(糸の引き具合)を目視により評価し、各ヨーグルトの糸引き性を−〜++++の5段階で評価した。上記評価は、専門パネラー10名による官能試験結果の平均をとった評価であって、比較例1のヨーグルトの糸引き性を+とし、これを基準に評価したものである。すなわち、−は全く糸を引かない、+はあまり糸を引かない、++は少し糸を引く、+++はかなり糸を引く、++++は非常に糸を引く、としたものである。
〔整腸作用〕
便秘傾向(週に4回未満の便通)のパネラー(各実施例・比較例等に対し、それぞれ5名が担当するようにしている)による各ヨーグルトの整腸作用の評価を行う試験をした。詳しくは、上記パネラーに、それぞれが担当するヨーグルトを1日100g与え、これを14日間継続することにより、便秘の改善がどの程度なされるかの試験を行った。そして、1週間あたりの、各担当パネラー5名の平均的便通回数が、6回以上に増えたものを◎、4回以上6回未満に増えたものを○、4回未満のままであったものを△として評価した。なお、比較例2,4においては、ヨーグルト様にならなかったため、この試験は行わなかった。
上記結果からも明らかなように、全実施例において得られるヨーグルトの酸度が、比較的低いことから、全実施例において、マイルドで食べやすいヨーグルトが得られていることがわかる。また、全実施例において得られるヨーグルトは、粘性や糸引き性において優れた評価が得られていることから、通常のヨーグルトとは明らかに異なる、特有の食感が得られることがわかる。さらに、整腸作用においても、全実施例において得られるヨーグルトは、高い評価が得られていることがわかる。
これに対し、比較例1,3において得られるヨーグルトは、粘性や糸引き性において実施例品に劣ることがわかる。また、比較例2,4において得られるものは、発酵による効果が認められないことから、実施例品のようなヨーグルトとは全く異なるものであったことがわかる。そして、従来例品は、一般的なヨーグルトであるが、実施例品のような糸引き性や粘性はほとんどないことから、本発明の実施例品が、従来にない特異な性質を有することがわかる。さらに、その特有の糸引き性等が、従来にない整腸作用等の生理活性効果に密接に関与しているものと考えることから、本発明品の有用性が期待される。

Claims (6)

  1. ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)と酢酸菌との共棲体からなることを特徴とするヨーグルト種菌。
  2. 上記共棲体における酢酸菌が、アセトバクター(Acetobacter) 属,グルコノバクター(Gluconobacter) 属およびグルコンアセトバクター(Gluconacetobacter) 属からなる群より選ばれた少なくとも一に属する酢酸菌である請求項1記載のヨーグルト種菌。
  3. 上記共棲体が、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)の一種とアセトバクター・オリエンタリス (Acetobacter orientalis) の一種との共棲体であるカスピアン シー ヨーグルト LA73 (Caspian Sea yogurt LA73 ,FERM P-19206)である請求項1または2記載のヨーグルト種菌。
  4. ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)と酢酸菌との生菌数の割合が、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス:酢酸菌=1:1000〜100億:1の菌数比で共棲している請求項1〜3のいずれか一項に記載のヨーグルト種菌。
  5. 上記ヨーグルト種菌が、凍結乾燥により粉末状となっている請求項1〜4のいずれか一項に記載のヨーグルト種菌。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のヨーグルト種菌を用い、牛乳由来の乳糖含有中で発酵させてなることを特徴とする発酵飲食品。
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