JP2004260618A - プリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】スキャナユニット2をプリンタユニット1の上側に搭載する、いわゆる多機能プリンタでは、装置の上平面に排気口を設けることができないために、熱が装置内部にこもりやすい。
【解決手段】プリンタユニット1内に熱隔壁19を設けて、各モータ11及び21等の熱がプリントヘッド側に回り込まないようにする。各モータ11及び21により温められた空気は、多数開けられた通気孔20を通って上昇し、排気スリット30から排出される。
【選択図】 図2
【解決手段】プリンタユニット1内に熱隔壁19を設けて、各モータ11及び21等の熱がプリントヘッド側に回り込まないようにする。各モータ11及び21により温められた空気は、多数開けられた通気孔20を通って上昇し、排気スリット30から排出される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタの発熱対策技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近のインクジェットプリンタでは印刷速度を向上させるため、動力機構部の動作もプリントヘッドの動作も非常に高速に行われる。すなわち、プリントヘッドを搭載するキャリッジを走査させるためのモータや、インクジェットヘッドを駆動させるためのトランジスタ等の機器が非常に高速で駆動され、そのためにこれらの機器が発する熱によってプリンタ筐体内の空気が温められ、温度の上昇を招いている。ことに、スキャナユニットをプリンタユニットの上部に搭載する構成の多機能プリンタでは、装置の上部平面に排気口を設けることができないために内部に熱がこもりやすい。
【0003】
図4は、このような多機能プリンタにおける部品の配置を表す図である。プリンタユニット1の上部空間はスキャナユニット2(図4において仮想線で表される)によって水平方向に遮蔽されている。このため、発熱を伴う装置であるキャリッジモータ11、紙送りモータ21、及びプリンタ本体基板31によって温められた各装置の雰囲気は、逃げ場を失ってプリンタユニット1の内部に留まってしまう。このようにして温められた空気がキャリッジ16に搭載されるプリントヘッド周りに達すると、インク温度上昇によって印刷画面が乱れる等の不具合が発生する。さらには、ヘッド駆動用素子の熱破壊を招くという事態が発生する場合もある。
【0004】
プリンタユニットの内部に溜まった熱を効率的に排出させて、上記のような障害の発生を未然に防止するために、プリンタユニットとスキャナユニットとの境界(接合面)に各々吸排気口を設け、且つスキャナユニットの上部平面に排気口を設けることにより効率的な排熱を図った技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−66973号公報
なお、プリンタユニット内の熱気を排出するために、プリンタユニット1の筐体側面に複数のスリット(図視明瞭化のために図4には記載していない)を開けることも従来から行われている。また、プリンタ内に送風用のファンを設けて効率的な排気を図ることも考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1記載の技術は、スキャナユニットの稼働時において最も効果的に熱気を排出させるが、スキャナ非稼働時における排熱効果は完全であるとはいえない。また、筐体側面にスリットを設ける場合であっても、安全上の配慮から例えば子供の指もしくは金属クリップが入るような大きな隙間は開けることができない。さらに、外観デザインの点からいっても、プリンタ正面や側面にスリットがたくさん設けられていることも好ましくない。
【0007】
プリンタ内にファンを設ける場合にあっても、インクジェットプリンタでは余りに強く風を起こすと、噴霧となって吐出される小径のインク粒が風に流されて着弾位置の不正確を招くことにもなりかねない。さらにインクジェットプリンタの場合、万が一のインク漏れに配慮して筐体底面に穴を開けることができないことも排熱を困難にする一因となっている。
【0008】
上記課題に鑑み、本発明ではプリンタ、ことにスキャナユニットと一体になったインクジェット多機能プリンタの印刷品質に影響を与えることなく、熱気を効率的に装置外部に排出させるための技術を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のプリンタでは熱隔壁を設ける。この熱隔壁は、プリンタのモータや制御用基板と、キャリッジが走査される空間とを縦に分離する。すなわち、本発明のプリンタは、プリンタ筐体内に配置されるプリントヘッド周りの空気と、プリントヘッド以外の発熱を伴う装置の周りの空気とを遮断するための隔壁を備えることを特徴とする。これにより、プリントヘッドが他の装置の発する熱の影響を受けることを防止できる。
【0010】
上記構成のプリンタにおいて、発熱を伴う装置は、前記プリントヘッドの走査を行わせるための動力駆動装置(例えば主走査を行わせるキャリッジモータ11や副走査を行わせる紙送りモータ21)、あるいは印刷動作を統轄制御するためのプリンタ本体基板、又はその双方である。これにより、発熱を伴う装置のなかでも、ことに高温となるキャリッジモータ等の熱がプリントヘッドに伝わらない。
【0011】
また、本発明はプリンタ筐体内に配置される各装置の上部空間を水平方向に遮蔽する構造物を有するプリンタ(例えば据え置き型プリンタで天板上に物を置けるような構造の物であっても)に適用される。すなわち、遮蔽物をプリンタ上部に搭載するプリンタの、プリントヘッド周りの空気は、プリントヘッドの走査を行わせるための動力駆動装置周りの空気、あるいは印刷動作を統轄制御するためのプリンタ本体基板の周りの空気、又はその双方と隔壁によって遮断されるよう構成されている。隔壁は、前記構造物の下底面に対して垂直方向に当接して設けられる。これにより、プリンタ筐体内において温められて上昇する空気は、隔壁に妨げられて移動することができなくなる。
【0012】
上記構成のプリンタにおいて、前記構造物がスキャナユニットであるとき、スキャナ、プリンタ、及びコピー機の各機能が一体となった、いわゆる多機能プリンタにおいて、モータの熱がプリントヘッドに影響を与えることがなくなる。
【0013】
上記何れかの構成のプリンタにおいて、プリンタ筐体の背面上部であって、前記構造物の下側に排気口が設けられている場合、モータ等により温められて上昇した空気が、排気口から効率的に排出される。
【0014】
上記構成のプリンタにおいて、排気口がスキャナユニットとプリンタユニットとの接合部に開口したスリットである場合において、前記スリットから物体を挿入してしまうことを防止するための留め具を備えるときには、誤ってスリットに手挿し用紙等を挿入してしまうようなことがない。
【0015】
プリンタオペレータがプリンタ筐体内部に手を入れて操作する際に、動力伝達機構部に手を触れないようにするための板状部材(例えば後述の保護板17)を有する上記何れかのプリンタにおいて、隔壁は、板状部材の下底面に対して垂直方向に当接して設けられる部分と、板状部材と前記構造物との間を垂直方向に遮蔽する部分とが連通して構成される。これにより板状部材の上側を熱気が回り込むことが防止される。また、板状部材の前記隔壁より背面側には、通気孔が設けられてあれば、熱気が通気孔を抜けて上昇し、さらに排気口から排出されるという一連の空気の流れが形成される。
【0016】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態における一例として、スキャナユニットとプリンタとが一体になった、いわゆる多機能型プリンタを表している。従来の多機能型プリンタ内部の装置レイアウトについての説明に用いた図1との対比から明らかなように、本実施例においてプリンタユニット1には、内部空間を縦に遮断する隔壁19が設けられている。図1に表す例では、隔壁19は印刷用紙40の通路(ペーパーパス)を避けるように逆L字型の板で構成されている。
【0018】
隔壁19は、キャリッジ16に搭載されるプリントヘッド側の雰囲気と、キャリッジモータ11、紙送りモータ21、及びプリンタ本体基板31等のプリントヘッド以外の発熱を伴う装置側の雰囲気とを遮断する。なお、プリントヘッド以外の発熱を伴う装置の例としては、他に電源装置等が挙げられる。図1に表される例では図示していないが、例えば図面向かって右手奥側に電源装置が配置されていればよい。
【0019】
キャリッジモータ11は、プリントヘッドを主走査させるための動力駆動装置である。キャリッジモータ11の駆動軸は隔壁19を貫通して設けられている。プーリ13及び14間に懸架されるタイミングベルト15の一部(図1の例ではタイミングベルト15の下側部分)を把持するキャリッジ16は、このキャリッジモータ11によって非常に高速駆動される。印刷速度の向上に伴って、現在ではこのキャリッジモータ11の温度は、90度Cにも及ぶことが知られており、最も発熱の激しい装置といえる。隔壁19が存在することにより、キャリッジモータ11の雰囲気は、キャリッジ16側に流れることがない。
【0020】
副走査に用いられる紙送りモータ21の駆動軸には紙送りローラ(図4における符号22参照)が設けられてある。それととともに、タイミングベルト23を介して排紙ローラ24をも駆動し、印刷終了後は用紙40を排紙口25に導く。図1に表す例では、隔壁19はタイミングベルト23を通すための小窓が僅かに開口している外は、プリンタユニット1の下底面から上平面までを完全に遮蔽している。しかし、隔壁19は必ずしも完全に下底面から上平面まで存在しなければならない訳ではない。すなわち、発熱を伴う各装置によって温められた空気は膨張して上昇気流となるため、下側に向かっては移動しにくいからである。しかし、プリンタユニット1の上側に対しては当接して設けられている必要がある。スキャナユニット2はプリンタのオペレータが手動で跳ね上げることができるように、図示しないヒンジでプリンタユニット1に対して接続されている。プリンタユニット1の上平面は、オペレータがプリンタ筐体内部に手を入れて操作する際に、動力伝達機構部に手を触れないようにするための板状部材である保護板17が設けられている。オペレータは、キャリッジ16が図に表された位置(インク交換位置)にあるときに、切り欠き窓18からインクカートリッジの交換操作等を行う。隔壁19は保護板17の下底面に当接して設けられてある。また、図1に表す例では、プリンタユニット1の上部空間を水平方向に遮蔽するようにスキャナユニット2が搭載されている。従って、隔壁19はこのスキャナユニット2の下底面に対して垂直方向に当接して設けられているものでもある。
【0021】
保護板17における隔壁19より背面側には、多数の通気孔20が設けられてある。この通気孔20は、キャリッジモータ11やプリンタ本体基板31によって温められた熱気を上部に逃がすための孔である。なお、図1の例では丸形の孔が描かれているが、これは通気口としてのスリットであっても、また網状部材であっても構わない。
【0022】
図2は、上述の通気口20によって上部に逃がされる熱気を、装置外部に効率的に排出させるための構成例について説明するための図である。本例では、多機能プリンタ筐体の背面上部であって、スキャナユニット2の下側に、排気口としてのスリット30が設けられている。また隔壁19は、保護板17の下底面に対して垂直方向に当接して設けられる部分と、保護板17とスキャナユニット2との間を垂直方向に遮蔽する部分とが連通して構成されている。
【0023】
図3は、実施形態の多機能プリンタを背面側から見た図である。図3に表す例では、スリット30の側面部分を側板26で塞いでいる。これによりスリットが背面側だけに開口することとなり、通常、プリンタオペレータには直接目に触れることがなくなる。また、スリット30から印刷用紙その他の物体を挿入してしまうことを防止するための留め具28が適宜間隔で設けられている。用紙挿入口27には通常であれば用紙スタッカが取り付けられていて、そこに印刷用紙の束が置かれているが、手挿しの用紙を挿入するとき等に誤ってスリット30に用紙を入れてしまうことのないように、この留め具28は設けられている。
【0024】
本発明のプリンタにあっては、熱隔壁がプリンタのモータや制御用基板と、キャリッジが走査される空間とを縦に分離するので、プリンタ筐体内のモータ等により熱せられた空気がプリントヘッド側に回り込まなくなった。
【0025】
なお、実施例についての効果ではあるが、本発明における隔壁をプリンタの下底面から上平面に亘って設けるときには、プリントヘッド側において万が一のインク漏れが発生した場合においても、漏れたインクはモータや本体基板が存在する背面側にまで流れてくることがない。従って、プリンタ筐体の背面側については、その底面に吸気口を開けることも可能となる。それにより、空気の流れがよりスムースになって効率的に熱気を排出することができるようになる。
【0026】
さらに、隔壁があることにより、その背面側で空気が流れていても、噴霧状のインク粒の動きに影響を与えないようになった。そのため、ファンを使った強制空冷を行うことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の多機能プリンタの構成例を表す斜視図。
【図2】実施形態の多機能プリンタの他の構成例を表す斜視図。
【図3】図2に表される例に、さらに背面側に構成を加えた例を表す斜視図。
【図4】従来の多機能プリンタの構成例を表す斜視図。
【符号の説明】
1 プリンタユニット、 2 スキャナユニット、 11 キャリッジモータ、 21 紙送りモータ、 31 プリンタ本体基板、 16 キャリッジ、 17 保護板(板状部材)、 19 隔壁、 20 通気孔、 30 スリット(排気口)
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタの発熱対策技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近のインクジェットプリンタでは印刷速度を向上させるため、動力機構部の動作もプリントヘッドの動作も非常に高速に行われる。すなわち、プリントヘッドを搭載するキャリッジを走査させるためのモータや、インクジェットヘッドを駆動させるためのトランジスタ等の機器が非常に高速で駆動され、そのためにこれらの機器が発する熱によってプリンタ筐体内の空気が温められ、温度の上昇を招いている。ことに、スキャナユニットをプリンタユニットの上部に搭載する構成の多機能プリンタでは、装置の上部平面に排気口を設けることができないために内部に熱がこもりやすい。
【0003】
図4は、このような多機能プリンタにおける部品の配置を表す図である。プリンタユニット1の上部空間はスキャナユニット2(図4において仮想線で表される)によって水平方向に遮蔽されている。このため、発熱を伴う装置であるキャリッジモータ11、紙送りモータ21、及びプリンタ本体基板31によって温められた各装置の雰囲気は、逃げ場を失ってプリンタユニット1の内部に留まってしまう。このようにして温められた空気がキャリッジ16に搭載されるプリントヘッド周りに達すると、インク温度上昇によって印刷画面が乱れる等の不具合が発生する。さらには、ヘッド駆動用素子の熱破壊を招くという事態が発生する場合もある。
【0004】
プリンタユニットの内部に溜まった熱を効率的に排出させて、上記のような障害の発生を未然に防止するために、プリンタユニットとスキャナユニットとの境界(接合面)に各々吸排気口を設け、且つスキャナユニットの上部平面に排気口を設けることにより効率的な排熱を図った技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−66973号公報
なお、プリンタユニット内の熱気を排出するために、プリンタユニット1の筐体側面に複数のスリット(図視明瞭化のために図4には記載していない)を開けることも従来から行われている。また、プリンタ内に送風用のファンを設けて効率的な排気を図ることも考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1記載の技術は、スキャナユニットの稼働時において最も効果的に熱気を排出させるが、スキャナ非稼働時における排熱効果は完全であるとはいえない。また、筐体側面にスリットを設ける場合であっても、安全上の配慮から例えば子供の指もしくは金属クリップが入るような大きな隙間は開けることができない。さらに、外観デザインの点からいっても、プリンタ正面や側面にスリットがたくさん設けられていることも好ましくない。
【0007】
プリンタ内にファンを設ける場合にあっても、インクジェットプリンタでは余りに強く風を起こすと、噴霧となって吐出される小径のインク粒が風に流されて着弾位置の不正確を招くことにもなりかねない。さらにインクジェットプリンタの場合、万が一のインク漏れに配慮して筐体底面に穴を開けることができないことも排熱を困難にする一因となっている。
【0008】
上記課題に鑑み、本発明ではプリンタ、ことにスキャナユニットと一体になったインクジェット多機能プリンタの印刷品質に影響を与えることなく、熱気を効率的に装置外部に排出させるための技術を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のプリンタでは熱隔壁を設ける。この熱隔壁は、プリンタのモータや制御用基板と、キャリッジが走査される空間とを縦に分離する。すなわち、本発明のプリンタは、プリンタ筐体内に配置されるプリントヘッド周りの空気と、プリントヘッド以外の発熱を伴う装置の周りの空気とを遮断するための隔壁を備えることを特徴とする。これにより、プリントヘッドが他の装置の発する熱の影響を受けることを防止できる。
【0010】
上記構成のプリンタにおいて、発熱を伴う装置は、前記プリントヘッドの走査を行わせるための動力駆動装置(例えば主走査を行わせるキャリッジモータ11や副走査を行わせる紙送りモータ21)、あるいは印刷動作を統轄制御するためのプリンタ本体基板、又はその双方である。これにより、発熱を伴う装置のなかでも、ことに高温となるキャリッジモータ等の熱がプリントヘッドに伝わらない。
【0011】
また、本発明はプリンタ筐体内に配置される各装置の上部空間を水平方向に遮蔽する構造物を有するプリンタ(例えば据え置き型プリンタで天板上に物を置けるような構造の物であっても)に適用される。すなわち、遮蔽物をプリンタ上部に搭載するプリンタの、プリントヘッド周りの空気は、プリントヘッドの走査を行わせるための動力駆動装置周りの空気、あるいは印刷動作を統轄制御するためのプリンタ本体基板の周りの空気、又はその双方と隔壁によって遮断されるよう構成されている。隔壁は、前記構造物の下底面に対して垂直方向に当接して設けられる。これにより、プリンタ筐体内において温められて上昇する空気は、隔壁に妨げられて移動することができなくなる。
【0012】
上記構成のプリンタにおいて、前記構造物がスキャナユニットであるとき、スキャナ、プリンタ、及びコピー機の各機能が一体となった、いわゆる多機能プリンタにおいて、モータの熱がプリントヘッドに影響を与えることがなくなる。
【0013】
上記何れかの構成のプリンタにおいて、プリンタ筐体の背面上部であって、前記構造物の下側に排気口が設けられている場合、モータ等により温められて上昇した空気が、排気口から効率的に排出される。
【0014】
上記構成のプリンタにおいて、排気口がスキャナユニットとプリンタユニットとの接合部に開口したスリットである場合において、前記スリットから物体を挿入してしまうことを防止するための留め具を備えるときには、誤ってスリットに手挿し用紙等を挿入してしまうようなことがない。
【0015】
プリンタオペレータがプリンタ筐体内部に手を入れて操作する際に、動力伝達機構部に手を触れないようにするための板状部材(例えば後述の保護板17)を有する上記何れかのプリンタにおいて、隔壁は、板状部材の下底面に対して垂直方向に当接して設けられる部分と、板状部材と前記構造物との間を垂直方向に遮蔽する部分とが連通して構成される。これにより板状部材の上側を熱気が回り込むことが防止される。また、板状部材の前記隔壁より背面側には、通気孔が設けられてあれば、熱気が通気孔を抜けて上昇し、さらに排気口から排出されるという一連の空気の流れが形成される。
【0016】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態における一例として、スキャナユニットとプリンタとが一体になった、いわゆる多機能型プリンタを表している。従来の多機能型プリンタ内部の装置レイアウトについての説明に用いた図1との対比から明らかなように、本実施例においてプリンタユニット1には、内部空間を縦に遮断する隔壁19が設けられている。図1に表す例では、隔壁19は印刷用紙40の通路(ペーパーパス)を避けるように逆L字型の板で構成されている。
【0018】
隔壁19は、キャリッジ16に搭載されるプリントヘッド側の雰囲気と、キャリッジモータ11、紙送りモータ21、及びプリンタ本体基板31等のプリントヘッド以外の発熱を伴う装置側の雰囲気とを遮断する。なお、プリントヘッド以外の発熱を伴う装置の例としては、他に電源装置等が挙げられる。図1に表される例では図示していないが、例えば図面向かって右手奥側に電源装置が配置されていればよい。
【0019】
キャリッジモータ11は、プリントヘッドを主走査させるための動力駆動装置である。キャリッジモータ11の駆動軸は隔壁19を貫通して設けられている。プーリ13及び14間に懸架されるタイミングベルト15の一部(図1の例ではタイミングベルト15の下側部分)を把持するキャリッジ16は、このキャリッジモータ11によって非常に高速駆動される。印刷速度の向上に伴って、現在ではこのキャリッジモータ11の温度は、90度Cにも及ぶことが知られており、最も発熱の激しい装置といえる。隔壁19が存在することにより、キャリッジモータ11の雰囲気は、キャリッジ16側に流れることがない。
【0020】
副走査に用いられる紙送りモータ21の駆動軸には紙送りローラ(図4における符号22参照)が設けられてある。それととともに、タイミングベルト23を介して排紙ローラ24をも駆動し、印刷終了後は用紙40を排紙口25に導く。図1に表す例では、隔壁19はタイミングベルト23を通すための小窓が僅かに開口している外は、プリンタユニット1の下底面から上平面までを完全に遮蔽している。しかし、隔壁19は必ずしも完全に下底面から上平面まで存在しなければならない訳ではない。すなわち、発熱を伴う各装置によって温められた空気は膨張して上昇気流となるため、下側に向かっては移動しにくいからである。しかし、プリンタユニット1の上側に対しては当接して設けられている必要がある。スキャナユニット2はプリンタのオペレータが手動で跳ね上げることができるように、図示しないヒンジでプリンタユニット1に対して接続されている。プリンタユニット1の上平面は、オペレータがプリンタ筐体内部に手を入れて操作する際に、動力伝達機構部に手を触れないようにするための板状部材である保護板17が設けられている。オペレータは、キャリッジ16が図に表された位置(インク交換位置)にあるときに、切り欠き窓18からインクカートリッジの交換操作等を行う。隔壁19は保護板17の下底面に当接して設けられてある。また、図1に表す例では、プリンタユニット1の上部空間を水平方向に遮蔽するようにスキャナユニット2が搭載されている。従って、隔壁19はこのスキャナユニット2の下底面に対して垂直方向に当接して設けられているものでもある。
【0021】
保護板17における隔壁19より背面側には、多数の通気孔20が設けられてある。この通気孔20は、キャリッジモータ11やプリンタ本体基板31によって温められた熱気を上部に逃がすための孔である。なお、図1の例では丸形の孔が描かれているが、これは通気口としてのスリットであっても、また網状部材であっても構わない。
【0022】
図2は、上述の通気口20によって上部に逃がされる熱気を、装置外部に効率的に排出させるための構成例について説明するための図である。本例では、多機能プリンタ筐体の背面上部であって、スキャナユニット2の下側に、排気口としてのスリット30が設けられている。また隔壁19は、保護板17の下底面に対して垂直方向に当接して設けられる部分と、保護板17とスキャナユニット2との間を垂直方向に遮蔽する部分とが連通して構成されている。
【0023】
図3は、実施形態の多機能プリンタを背面側から見た図である。図3に表す例では、スリット30の側面部分を側板26で塞いでいる。これによりスリットが背面側だけに開口することとなり、通常、プリンタオペレータには直接目に触れることがなくなる。また、スリット30から印刷用紙その他の物体を挿入してしまうことを防止するための留め具28が適宜間隔で設けられている。用紙挿入口27には通常であれば用紙スタッカが取り付けられていて、そこに印刷用紙の束が置かれているが、手挿しの用紙を挿入するとき等に誤ってスリット30に用紙を入れてしまうことのないように、この留め具28は設けられている。
【0024】
本発明のプリンタにあっては、熱隔壁がプリンタのモータや制御用基板と、キャリッジが走査される空間とを縦に分離するので、プリンタ筐体内のモータ等により熱せられた空気がプリントヘッド側に回り込まなくなった。
【0025】
なお、実施例についての効果ではあるが、本発明における隔壁をプリンタの下底面から上平面に亘って設けるときには、プリントヘッド側において万が一のインク漏れが発生した場合においても、漏れたインクはモータや本体基板が存在する背面側にまで流れてくることがない。従って、プリンタ筐体の背面側については、その底面に吸気口を開けることも可能となる。それにより、空気の流れがよりスムースになって効率的に熱気を排出することができるようになる。
【0026】
さらに、隔壁があることにより、その背面側で空気が流れていても、噴霧状のインク粒の動きに影響を与えないようになった。そのため、ファンを使った強制空冷を行うことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の多機能プリンタの構成例を表す斜視図。
【図2】実施形態の多機能プリンタの他の構成例を表す斜視図。
【図3】図2に表される例に、さらに背面側に構成を加えた例を表す斜視図。
【図4】従来の多機能プリンタの構成例を表す斜視図。
【符号の説明】
1 プリンタユニット、 2 スキャナユニット、 11 キャリッジモータ、 21 紙送りモータ、 31 プリンタ本体基板、 16 キャリッジ、 17 保護板(板状部材)、 19 隔壁、 20 通気孔、 30 スリット(排気口)
Claims (6)
- プリンタ筐体内に配置される、プリントヘッドと、当該プリントヘッド以外の発熱を伴う装置との、
各々の雰囲気を遮断するための隔壁を備えることを特徴とするプリンタ。 - 請求項1記載のプリンタにおいて、
前記発熱を伴う装置は、前記プリントヘッドの走査を行わせるための動力駆動装置、及び、又は、印刷動作を統轄制御するためのプリンタ本体基板であることを特徴とするプリンタ。 - プリンタ筐体内に配置される各装置の上部空間を水平方向に遮蔽する構造物を有するプリンタにおいて、
プリンタ筐体内に配置される、プリントヘッドと、当該プリントヘッドの走査を行わせるための動力駆動装置、及び、又は、印刷動作を統轄制御するためのプリンタ本体基板との、
各々の雰囲気を遮断するための隔壁を備え、
該隔壁は、前記構造物の下底面に対して垂直方向に当接して設けられるものであることを特徴とするプリンタ。 - 請求項3記載のプリンタにおいて、
前記構造物はスキャナユニットであることを特徴とするプリンタ。 - 請求項3、又は請求項4記載のプリンタにおいて、
プリンタ筐体の背面上部であって、前記構造物の下側に、排気口を設けたことを特徴とするプリンタ。 - プリンタオペレータがプリンタ筐体内部に手を入れて操作する際に、動力伝達機構部に手を触れないようにするための板状部材を有する請求項3、乃至請求項5記載のプリンタにおいて、
前記隔壁は、
前記板状部材の下底面に対して垂直方向に当接して設けられる部分と、
前記板状部材と前記構造物との間を垂直方向に遮蔽する部分とが連通して成り、
前記板状部材の前記隔壁より背面側には、通気孔が設けられてあることを特徴とするプリンタ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003050014A JP2004260618A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | プリンタ |
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JP2003050014A JP2004260618A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | プリンタ |
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JP2003050014A Pending JP2004260618A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | プリンタ |
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JP2006231656A (ja) * | 2005-02-24 | 2006-09-07 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
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