JP2004259548A - 照明器具 - Google Patents

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Tomoaki Shikakura
智明 鹿倉
Masayuki Inoue
正行 井上
Katsu Yasuhara
克 安原
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Abstract

【課題】制光プレートを備えた制光体の各部の明るさを均一化できる照明器具を提供することにある。
【解決手段】互いに平行なバルブ部分(発光部)25b、25dを有した片口金形蛍光ランプ25を器具本体11に取付け、この本体11にランプ25を覆って制光体28を配置する。制光体28は、ランプ25の長手方向に沿って延びる2枚の制光プレート36,37を有する。これら2枚の制光プレート36,37を互いに逆向きに傾けて、これら2枚の制光プレート36,37のランプ25に近い側の上縁fu相互の間隔Aを、ランプ25から遠い側の下縁fd相互の間隔Bより短くする。これにより、両制光プレート36,37の互いの対向側面36a、37aだけではなく、非対向側面36b、37bにも一対の発光部25b、25dからの直射光が入射されるようにしたことを特徴としている。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばシステム天井等に配置される照明器具に係り、特に、発光手段をなすランプの長手方向に沿って延びる少なくとも2枚の制光プレートを有した制光体を備える照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、器具本体に取付けられた直管形蛍光ランプを覆って配置された制光体が、ランプの長手方向に沿って延びる複数の制光プレートを備えているものがある(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
この特許文献1の照明器具が備えた制光体の各制光プレートは、互いのプレートの並設間隔を変化させて、これら間隔が異なる各制光プレートの区画変化によりグラデーション模様を制光体に与えるように設けられている。しかし、いずれの制光プレートも垂直な状態で互いに平行に並設されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−45320号公報(段落0009−0013、図1−図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特許文献1の照明器具で、直管形蛍光ランプの直射光は、このランプに最も近い位置でかつランプの長手方向に沿って延びるように配置された互いに平行な2枚の垂直な制光プレートに対して以下のように及ぶ。これら2枚の制光プレートの相対向する一側面の夫々には蛍光ランプの直射光が射し込むので、これらの対向側面は明るい。これに対して、前記2枚の制光プレートの非対向となっている他側面には蛍光ランプの直射光が射し込まないので、これらの非対向側面は暗くなる。このため、制光体の各部の明るさが不均一となる。この現象は、制光体を蛍光ランプにより近づけて器具の薄型化を図るほど顕著に表れる。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、制光プレートを備えた制光体の各部の明るさを均一化できる照明器具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、請求項1の発明は、器具本体と、互いに平行な発光部を複数有して前記器具本体に取付けられた発光手段と、前記発光部の長手方向に沿って延びる制光プレートを少なくとも2枚有して前記発光手段を覆って前記器具本体に取付けられ、前記発光部に最も近い位置で互いに隣接した2枚の前記制光プレートが、互いの対向側面及び非対向側面の夫々に前記発光部の直射光が入射されるように互いに逆向きに傾けられている制光体と、を具備したことを特徴としている。
【0008】
この請求項1の発明で、発光手段には、片口金形蛍光ランプを好適に使用できるが、これに代えて直管形蛍光ランプを用いることができる。片口金形蛍光ランプを用いる場合には、その口金からU字形バルブの折返し端までの夫々の部分が互いに平行な発光部として機能するものである。直管形蛍光ランプを用いる場合には、互いに平行に並設された複数本例えば2本の直管形蛍光ランプを発光手段として用い、これら一方及び他方の直管形蛍光ランプが夫々発光部として機能するものである。又、請求項1の発明で、発光部の長手方向とは、発光手段が片口金形蛍光ランプの場合には、口金とU字形バルブの折返し端とを結ぶ方向を指し、発光手段が直管形蛍光ランプの場合には、直管形バルブの軸方向を指している。又、請求項1の発明で、発光部の長手方向に延びる制光プレートは2枚のみであってもよく、更に、制光体は、発光部の長手方向に延びる制光プレートと交差する他の制光プレートを備えていてもよい。
【0009】
請求項1の発明では、発光手段が有する複数の発光部に最も近い位置で互いに隣接して発光部の長手方向に沿って延びている2枚の制光プレートは、互いに逆向きに傾けられている。このため、これら2枚の制光プレートの相対向する面の夫々には、この面に対して斜め上方向位置の発光部からの直射光が差し込み、前記2枚の制光プレートの非対向側面の夫々には、これら制光プレートのほぼ真上に位置する発光部からの直射光が差し込む。これにより、前記2枚の制光プレートの両側面を共に明るくできる。
【0010】
請求項2の発明は、器具本体と、この器具本体に取付けられた片口金形ランプと、このランプの長手方向に沿って延びる制光プレートを少なくとも2枚有して前記ランプを覆って前記器具本体に取付けられ、前記ランプに最も近い位置で互いに隣接した2枚の前記制光プレートが、互いに逆向きに傾けられていて、これら2枚の制光プレートの前記ランプに近い側の縁相互の間隔が、前記制光プレートの前記ランプから遠い側の縁相互の間隔より短くなっている制光体と、を具備したことを特徴としている。
【0011】
この請求項2の発明でも、片口金形傾向ランプが有する互いに平行な発光部に最も近い位置で互いに隣接してランプの長手方向に沿って延びている2枚の制光プレートは、互いに逆向きに傾けられている。このため、これら2枚の制光プレートの相対向する面の夫々には、この面に対して斜め上方向位置の発光部からの直射光が差し込み、前記2枚の制光プレートの非対向側面の夫々には、これら制光プレートのほぼ真上に位置する発光部からの直射光が差し込む。これにより、前記2枚の制光プレートの両側面を共に明るくできる。
【0012】
請求項3の発明は、前記2枚の制光プレートの傾きに沿う延長線上に前記発光手段又は前記ランプが有するバルブ中心が略位置するように前記2枚の制光プレートが傾けられていることを特徴としている。
【0013】
この発明では、発光部の長手方向と直交する方向の器具の断面において、発光部に最も近い位置で互いに隣接して発光部の長手方向に沿って延びている2枚の制光プレートを、略ハの字に配置できる。このため、これら2枚の制光プレートの両側面に夫々異なる発光部からの直射光を差し込ませることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図4を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
【0015】
図1(A)中符号1で示すシステム天井は、格子状に組まれた周り縁2、3と、これら周り縁2、3で区画された方形スペースにこのスペースを塞ぐように取付けられた複数の照明器具4(一つのみ図示)と、同じく他の方形スペースにこのスペースを塞いで取付けられた天井パネル5とを備えている。回り縁2、3にはTバーと通称されている縁材が使用されている。このTバーは、図3に例示した周り縁2で代表するように断面形状において上下に延びる主部6と、この主部6の下端から両側に夫々張り出した一対の受け部7とを有している。Tバーの主部6に、天井裏に設置されて図3に2点鎖線で一つのみ代表して示すハンガー8が連結されることによって、Tバーは天井に吊持されている。
【0016】
以下、照明器具4について説明する。この照明器具4は、図1(A)(B)及び図2(A)(B)に示すように前記方形スペースに対応する大きさの器具本体11に、一対の照明部12と、これら照明部12間に設けられた設備設置部13とを備えている。
【0017】
器具本体11は、前記方形スペースの一辺の長さに応じた長さを有する一対の本体フレーム14と、これらフレーム14に長手方向両端を連結して両本体フレーム14にわたって配置された一対の照明部フレーム15とを有している。図2(A)(B)等に示すように両本体フレーム14の長手方向両端部には、夫々段状の引掛け部16が形成されているとともに、両本体フレーム14の長手方向中央部には引掛け金具17が夫々取付けられている。
【0018】
図2(A)(B)及び図3に示すように器具本体11は、その引掛け部16及び引掛け金具17を、周り縁(Tバー)2、3の主部6に上方から引掛けるように載せるとともに、本体フレーム14の長手方向両端部下縁14aを周り縁2の受け部7上に載せることによって、前記方形スペース内に取付けられている。
【0019】
図2(A)に示すように両照明部フレーム15は、互いに平行で、かつ、本体フレーム14の長手方向に離間して左右対称に設けられている。これらの照明部フレーム15は、図3で代表して示すように天井壁15aと、これから折り曲げられた仕切り壁として機能する一側壁15bと、この一側壁15bと対向して天井壁15aから折り曲げられて例えば空調気流ガイド壁として機能する他側壁15cとを有している。
【0020】
両照明部フレーム15は、その一側壁15bを互いに対向させて両本体フレーム14と組合わされていて、これら一側壁15b間に器具本体11の幅方向中央部に位置する設備設置部13を区画している。両一側壁15bの下端部には、図3に代表して示すようにプレート受け部18と、この受け部18より上方に位置して制光体係止孔19とが夫々設けられている。プレート受け部18は、照明部12の下端開口の縁部をなして、設備設置部13の下端開口の幅を狭める方向に略水平に折り曲げられている。制光体係止孔19は照明部12の下端開口部に臨む位置に複数開口されている。
【0021】
設備設置部13にはその下端開口を閉じて設備プレート20が配置されている。このプレート20は、その幅方向両側縁をプレート受け部18に夫々載せて支持されている。この設備プレート20には、施工の仕様に応じて必要とされる図示しない設備機器、例えば、スピーカー、ダウンライト、スプリンクラー、煙センサ、温度過昇を検知する熱センサ等の内から選択された設備機器が取付けられるようになっている。
【0022】
図3等に示すように両照明部フレーム15の他側壁15cは、周り縁2と干渉しないように本体フレーム14の長手方向両端に対して中央部方向に寄せて形成されている。この他側壁15cと周り縁2とは、相互間に空調気流を天井裏に吸い込むための風路21を照明部12に隣接して形成している。この風路21の下端は室内に開口されている。なお、本発明において風路21は省略することができる。両照明部フレーム15の他側壁15cの下端部には、図3に代表して示すように照明部12の下端開口の縁部22をなす部分と、縁部22より上方に位置して制光体係止孔23が複数設けられている。制光体係止孔23は照明部12の下端開口部に臨む位置に開口されている。
【0023】
各照明部12の夫々は、ランプ25と、ランプソケット26と、反射板27と、制光体28とを備えている。発光手段であるランプ25には好ましい例として片口金型の蛍光ランプが使用されている。ランプ25は、口金25aと、この口金25aに両端が取付けられたU字形バルブとを有している。U字形バルブの口金25aから折返し端までの夫々のバルブ部分25b、25cは、互いに接近しかつ平行に設けられている。これらの部分25b、25cは夫々発光部として機能する。
【0024】
ランプソケット26はランプ25の口金25aを着脱可能に支持するものであって、例えば一方の本体フレーム14の内側面にねじ止めされている。図2(B)及び図3中符号31は、他方の本体フレーム14に寄せて天井壁15aに取付けられたランプホルダを示している。ランプ25は、その一端の口金25aがランプソケット26に着脱可能に支持されるとともに、U字状に折り返された他端部がランプホルダ26に着脱可能に支持されて、一対の本体フレーム14間に渡るように略水平な姿勢で照明部12に取付けられている。
【0025】
反射板27は、下方に開放するように断面略円弧状に曲げられているとともに、その長手方向の端部にランプソケット26の逃げ部(図示しない)を有している。図2(B)及び図3に示すように反射板27は、この反射板27の幅方向中央部を通って上向きに螺合された化粧ねじ33により、天井壁21aの下面に固定された複数のブラケット32の夫々に取付けられている。
【0026】
制光体28は反射板27の下方にランプ25を覆って照明部12に取外し可能に配置されている。この制光体28はルーバ形のものである。詳しくは、制光体28は、図3に示すように照明部12の下面開口部より一回り小さな枠体35と、この枠体35内に配置された複数例えば2枚の制光プレート36、37と、これら制光プレート36、37と直交して格子状に組合わされた他の多数の制光プレート38(図1及び図2(B)参照)とを備えている。各制光プレート36〜38の両端はいずれも枠体35に接続されている。
【0027】
図3に示すように制光体28が照明部12の下面開口部に配置された際に、前記一側壁15bに接近して対向する枠体35の一側枠部35aの複数個所には、フック状をなす固定金具41が外向きに突設されている。同様に、制光体28が照明部12の下面開口部に配置された際に、前記他側壁15cに接近して対向する枠体35の他側枠部35bの複数個所には可動金具42が取付けられている。可動金具42は、他側枠部35bに固定された金具支え43に支持された回動軸44に固定されている。回動軸44は他側枠部35bの下側(室内側)からねじ回しで回動操作され、その回動に伴って可動金具42が他側枠部35bの外方に突没できるようになっている。
【0028】
照明部12への制光体28の取付けは以下の手順で実施される。始めに、複数の固定金具41を夫々制光体係止孔19に挿通させて引掛ける。この後、制光体係止孔19を中心に制光体28を上向きに移動させてこの制光体28を照明部12の下面開口部に嵌め込む。最後に、この嵌め込み状態で可動金具42を他側枠部35bから突出させて、夫々制光体係止孔23に挿通させて引掛ける。以上の手順で制光体28が照明部12に取付けられた状態は図3に示されている。この逆の手順で照明部12から制光体28を取外すことができる。
【0029】
又、図3中符号45は枠体35を一回りして設けたモヘヤなどの光漏れ防止部材、符号46は端子台、符号47は点灯装置を夫々示している。
【0030】
以上の取付けにより制光プレート36、37は、ランプ25に最も近い位置で互いに隣接して、以下のように配置される。
【0031】
詳しくは、制光プレート36、37は図1(B)に示すようにランプ25の長手方向に沿って延びて設けられていて、図3に示すように互いに逆向きに同じ角度θ1傾けられている。この傾きにより、制光プレート36、37の上端縁(ランプ25に近い側の縁)fu相互間の間隔Aは、制光プレート36、37の下端縁(ランプ25から遠い側の縁)fd相互間の間隔Bより短くなっている。この場合、制光プレート36、37の傾き角θ1は、前記両縁fu、fdを結ぶ方向、言い換えれば、傾き方向の延長線上にバルブ部分25b又は25cの中心(バルブ部中心)Cが略位置されるように設定されている。したがって、ランプ25のバルブ部分25b、25cの並び方向に一側面を対向して設けられた2枚の制光プレート36、37は、前記並び方向に沿う断面においてハの字状に配置されている。
【0032】
しかも、制光プレート36、37の上端縁fuは、バルブ部分25a、25bの最大離間幅D内に位置されている。なお、制光プレート36、37の下端縁fdは、本実施形態の場合には前記最大離間幅Dから外れて位置されているが、これは最大離間幅D内に位置されるようにしてもよい。又、図2(B)及び図3に示すように各制光プレート36〜38は、いずれも30°±1°の遮光角θ2を形成して設けられている。この遮光角θ2は、室内に設置された機器のディスプレイへのランプ25の映り込みを抑制するのに有効である。
【0033】
以上のように構成された照明器具4を点灯させた場合、ランプ25の直下に配置された2枚の制光プレート36、37の両面は、共にランプ25のバルブ部分25b、25cの少なくとも一方からの直射光を受けるので、明るさに極端なさが出ることがない。以下、詳しく説明する。
【0034】
まず、制光プレート36、37相互の対向側面36a、37aへの光の射し込みを説明する。図3に示すようにランプ25の一方のバルブ部分25bは、一方の制光プレート36の真上に位置しているとともに、他方の制光プレート37に対しては左斜め上方向に対向して位置している。同様に、ランプ25の他方のバルブ部分25cは、他方の制光プレート37の真上に位置しているとともに、一方の制光プレート36に対しては右斜め上方向に対向して位置している。
【0035】
こうした位置関係により、一方のバルブ部分25bから放射されて前記上端縁fu間を通る直射光は、一方の制光プレート36の対向側面36aには射し込みにくいが、斜め下位置の他方の制光プレート37の対向側面37aには射し込む。同様に、他方のバルブ部分25cから放射されて前記上端縁fu間を通る直射光は、斜め下位置の一方の制光プレート36の対向側面36aには射し込むが、他方の制光プレート37の対向側面37aには射し込みにくい。このように2枚の制光プレート36、37の互いに向い合った対向側面36a、37aの夫々には、ランプ25からの直射光が射し込む。
【0036】
次に、制光プレート36、37相互の非対向側面36b、37bへの光の射し込みを説明する。ランプ25のバルブ部分25b、25cに対する2枚の制光プレート36、37の既述の位置関係により、一方のバルブ部分25bから放射されて前記上端縁fu間を通る直射光は、他方の制光プレート37で遮られて、このプレート37の非対向側面37bには射し込まない。しかし、制光プレート36、37はその上端縁fuが互いに近づくように傾けられていて、図3に示すように他方の制光プレート37の非対向側面37bが、その真上に接近しているバルブ部分25cに対向しているので、非対向側面37bにはバルブ部分25cから下方に向かう直射光の一部が射し込む。同様に、他方のバルブ部分25cから放射されて前記上端縁fu間を通る直射光は、一方の制光プレート36で遮られて、このプレート36の非対向側面36bには射し込まない。しかし、制光プレート36、37はその上端縁fuが互いに近づくように傾けられていて、図3に示すように一方の制光プレート36の非対向側面36bが、その真上に接近しているバルブ部分25bに対向しているので、非対向側面36bにはバルブ部分25bから下方に向かう直射光の一部が射し込む。このように2枚の制光プレート36、37の互いに向い合わない非対向側面36b、37bの夫々にも、ランプ25からの直射光が射し込む。
【0037】
以上のようにランプ25のバルブ部分25b、25cに最も近い2枚の制光プレート36、37の両面に、夫々ランプ25からの直射光が夫々射し込むので、これら両面の明るさに極端な差が出ることがなくなって、制光体28の明るさが不均一になることを抑制できる。したがって、照明器具4の体裁を向上できる。
【0038】
更に、既述のようにバルブ部分25b、25cに最も近い2枚の制光プレート36、37の上端縁fu間の間隔Aが下端縁fd間の間隔Bより短くなるように両制光プレート36、37をハ字状に傾斜させたことにより、光を効率よく可能に出すことができる。即ち、図3中バルブ部分25cと、この直下の制光プレート37との関係で代表して説明する。
【0039】
バルブ部分25cから下方に放射された直射光は、制光体28が備える枠体35の壁部35bと制光プレート37との間を通過して室内を照明する。この場合、壁部35bによって光が規制されることは従来と同じであるが、制光プレート37が傾斜されていることにより、このプレート37の上端縁fuではなく下端縁fdによって光が規制される。このため、壁部35bと制光プレート37との間を通る直射光の角度θ3を例えば48°と大きくできる。なお、制光プレート36、37をその下端縁fdから垂直に立てた以外は同じ条件である従来の照明器具における前記角度θ3は46°であった。これにより、図4の配光特性図に示すように、特にランプ25の長手方向と直交する方向への配光が広げられて、より広いエリヤを照明できる。ちなみに、図4中実線が本発明の配光曲線であり、点線が制光プレート36、37をその下端縁fdから垂直に立てた以外は同じ条件である従来の照明器具の配光曲線である。
【0040】
図5は本発明の第2実施形態を示している。この実施形態は基本的には第1実施形態と同じ構成であるので、同じ部分には第1実施形態と同じ符号を付して、その構成及び作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。
【0041】
第2実施形態では、互いに逆向きに傾斜してハ字状に配置された2枚の制光プレート36、37の上端縁fuが、互いに平行な発光部である一対のバルブ部分25a、25bの最大離間幅Dから外れた位置、好ましくは図示のように前記幅Dの寸法引出し線を挟む位置に設けられている。このために、本実施形態では、制光プレート36、37の高さhを短くしてあるが、これには制約されない。
【0042】
以上説明した点以外の構成は、図5に示されない部分を含めて第1実施形態と同じである。このため、この第2実施形態においても、第1実施形態と同じ作用を得て、本発明の課題を解決でき、初期の効果を得ることができる。
【0043】
その上、図示のように制光プレート36、37の高さhを短くした構成においては、遮光角θ2は小さくなるが、より効率よく光を下方に出すことができる。即ち、図5中バルブ部分25bから制光プレート37と枠体35の壁部35bとの空間Sに放射された直射光の関係で代表して説明する。制光プレート37が短い分、バルブ部分25cの下方に大きく隔たっていて、前記空間Sに対する制光プレート37の遮光が抑制される。このため、バルブ部分25bの直射光を、図5中θ4で示す角度範囲で前記空間Sを通して室内に射し込ませて、室内に射し込む直射光を増加できる。なお、比較のために述べれば、第1実施形態の場合には、バルブ部分25cから前記空間Sに入射した光は枠体35の壁部35bで反射されてしまい、室内への直射光とはならない。
【0044】
なお、本発明は前記両実施形態には制約されない。例えば、本発明はシステム天井用の照明器具以外の天井埋め込み型照明器具、天井直付け形照明器具等にも適用可能である。又、一対の発光部間に他の発光部を配置することは妨げない。更に、照明器具の照明部が、前記実施形態のように複数ある場合、設備プレートをなくして、照明部を互いに隣接して設けてもよい。更に、本発明は照明部が単一の照明器具にも適用できる。
【0045】
【発明の効果】請求項1から3の発明によれば、制光体のランプに最も近い位置で互いに隣接した2枚の制光プレートを、それらの対向側面だけではなく非対向側面にもランプの直射光が入射されるように互いに逆向きに傾けたので、制光プレートの両面の明るさの差が明確になることが抑制され、制光体の各部の明るさを均一化することが可能な照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第1実施形態に係るシステム天井用照明器具を下から見上げた状態で示す斜視図。(B)は図1(A)の照明器具を示す正面図。
【図2】(A)は図1の照明器具を一部切り欠いて示す側面図。(B)は図2(A)中F2−F2線に沿う断面図。
【図3】図1の照明器具の照明部を拡大して示す断面図。
【図4】図1の照明器具の配光特性と従来の照明器具の配光特性とを比較して示す配光特性図。
【図5】本発明の第2実施形態に係るシステム天井用照明器具の照明部を拡大して示す断面図。
【符号の説明】
4…照明器具、11…器具本体、12…器具本体の照明部、25…ランプ(発光手段)、25a…口金、25b、25c…バルブ部分(発光部)、26…ランプソケット、28…制光体、35…制光体の枠体、36、37…制光プレート、36a、37a…制光プレートの対向側面、36b、37b…制光プレートの非対向側面、fu…制光プレートの上端縁(発光部に近い側の縁)、fd…制光プレートの下端縁(発光部から遠い側の縁)、A…縁fu相互間の間隔、B…縁fd相互間の間隔、C…バルブ中心、D…バルブ部分25b、25cの最大離間間隔

Claims (3)

  1. 器具本体と、
    互いに平行な発光部を複数有して前記器具本体に取付けられた発光手段と、
    前記発光部の長手方向に沿って延びる制光プレートを少なくとも2枚有して前記発光手段を覆って前記器具本体に取付けられ、前記発光部に最も近い位置で互いに隣接した2枚の前記制光プレートが、互いの対向側面及び非対向側面の夫々に前記発光部の直射光が入射されるように互いに逆向きに傾けられている制光体と、
    を具備したことを特徴とする照明器具。
  2. 器具本体と、
    この器具本体に取付けられた片口金形蛍光ランプと、
    このランプの長手方向に沿って延びる制光プレートを少なくとも2枚有して前記ランプを覆って前記器具本体に取付けられ、前記ランプに最も近い位置で互いに隣接した2枚の前記制光プレートが、互いに逆向きに傾けられていて、これら2枚の制光プレートの前記ランプに近い側の縁相互の間隔が、前記制光プレートの前記ランプから遠い側の縁相互の間隔より短くなっている制光体と、
    を具備したことを特徴とする照明器具。
  3. 前記2枚の制光プレートの傾きに沿う延長線上に前記発光手段又は前記ランプが有するバルブ中心が略位置するように前記2枚の制光プレートが傾けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明器具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007317504A (ja) * 2006-05-25 2007-12-06 Miyagawa Kasei Ind Co Ltd フィルタ

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