JP2004259481A - 電線接続部の防水保護構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】シール材の減量による材料費の低減と軽量化による施工性の向上を図りながら、シールの信頼性を高めることができる良好な電線接続部の防水保護構造を提供する。
【解決手段】樹脂ケース10を構成する一対のケース半体10A,10Bにおいて互いに突き合わせられる周壁11A,11Bの合わせ目には、ケース半体10A,10B同士を合わせた時に電線引出孔12を構成する切欠12A,12Bが形成されると共に、周壁11A,11B同士の突き合わせ端面13A,13B及び切欠12A,12Bの内周端面には、これらケース半体10A,10B同士を合わせた時に周壁11A,11Bの全周を巡る連続したシール材充填用空間14を画成する凹溝14A,14Bが形成されている。ケース半体10A,10B同士を合わせることで画成される内部空間に電線接続部25を収容した後、シール材充填用空間14にシール材を充填して硬化させる。
【選択図】 図1
【解決手段】樹脂ケース10を構成する一対のケース半体10A,10Bにおいて互いに突き合わせられる周壁11A,11Bの合わせ目には、ケース半体10A,10B同士を合わせた時に電線引出孔12を構成する切欠12A,12Bが形成されると共に、周壁11A,11B同士の突き合わせ端面13A,13B及び切欠12A,12Bの内周端面には、これらケース半体10A,10B同士を合わせた時に周壁11A,11Bの全周を巡る連続したシール材充填用空間14を画成する凹溝14A,14Bが形成されている。ケース半体10A,10B同士を合わせることで画成される内部空間に電線接続部25を収容した後、シール材充填用空間14にシール材を充填して硬化させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばケーブルの分岐接続部等の電線接続部を防水保護する際に利用される電線接続部の防水保護構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ケーブルの分岐接続部を防水保護する場合、図6に示すように、幹線ケーブル1と分岐ケーブル2を並べて、各ケーブル1,2の導体相互を圧着スリーブ3で接続し、絶縁テープ等により圧着スリーブ3間の絶縁を行った後、電線接続部である分岐接続部5の全体を塩化ビニル等の樹脂6でモールド成形することで、該分岐接続部5を防水保護している。
ところが、このような防水保護構造を得る場合、ケーブル相互の結線工程とモールド成形工程の2工程を分けて行う必要があるため、生産性が悪い。
【0003】
そこで、図7に示したように、半割構造の樹脂ケース7の中に電線接続部5を収容し、樹脂ケース7内部に画成された内部空間にシール材(エポキシ樹脂等)8を充填して硬化させることにより、電線接続部5を防水保護する構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−233247号公報(図1〜図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7に示した防止保護構造では、樹脂ケース7の内部空間の全体に隙間なくシール材8を充填しなければならないので、多量のシール材8が必要となって材料費が嵩むと共に、重量が重くなり施工性が悪くなるという問題があった。
【0006】
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、シール材の減量による材料費の低減と軽量化による施工性の向上を図りながら、シールの信頼性を高めることができる良好な電線接続部の防水保護構造を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、請求項1に記載したように、半割構造の樹脂ケースを構成する一対のケース半体により電線接続部を防水保護する電線接続部の防水保護構造であって、
前記一対のケース半体において互いに突き合わせられる周壁の合わせ目には、ケース半体同士を合わせた時に電線引出孔を構成する切欠が形成されると共に、
前記周壁同士の突き合わせ端面及び前記切欠の内周端面には、これらケース半体同士を合わせた時に周壁の全周を巡る連続したシール材充填用空間を画成する凹溝が形成されており、
前記ケース半体同士を合わせることで画成される内部空間に前記電線接続部を収容した後、前記シール材充填用空間にシール材を充填して硬化させることにより、前記周壁同士の突き合わせ端面間及び前記切欠の内周端面と電線外周面との間が防水されることを特徴とする電線接続部の防水保護構造により達成される。
【0008】
上記構成の電線接続部の防水保護構造によれば、シール材をケース半体同士の合わせ目に沿ったシール材充填用空間にだけ充填すればよく、樹脂ケースの内部空間にまで充填する必要がないので、シール材の使用量を最小限に留めながら樹脂ケースの内部空間を確実に密封することができる。
【0009】
尚、好ましくは請求項2に記載したように、前記周壁の全周を巡る連続したシール材充填用空間の所定の1箇所に、該空間の連続性を保持しつつ連通面積を絞り込んだオリフィス部が設けられると共に、前記オリフィス部の前後に位置させて、外部から前記シール材充填用空間に対してシール材を充填するためのシール材充填用孔と、該シール材充填用孔に外部からシール材を充填する際にシール材充填用空間内の空気を抜くための空気抜き孔とが設けられている。
【0010】
この構造によれば、自然に流れない程度の粘度をもつシール材をシール材充填用孔から注入することによって、シール材充填用空間内の空気を空気抜き孔から押し出しながら、シール材をシール材充填用空間に一方向に流すことができる。
そして、空気抜き孔からシール材が出てきたところで、シール材の充填終了を確認することができる。尚、シール材充填用孔と空気抜き孔の間にはオリフィス部があるので、シール材は逆に流れることがなく、決まった方向に流れてシール材充填用空間内に充満することができる。
従って、簡単且つ確実にシール材をシール材充填用空間に充填することができ、全周シールの信頼性を高めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態を詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の防水保護構造では、平面視略長方形状の上下半割構造の樹脂ケース10が使用されている。
この樹脂ケース10を構成する上下一対のケース半体10A,10Bは、互いの合わせ面にケース内空間(内部空間)を形成するための凹所をそれぞれ有するカップ状のものであり、互いに突き合わせられる周壁11A,11Bの合わせ目には、ケース半体10A,10B同士を合わせた時に円形の電線引出孔12(本実施形態においては、3個)を構成する半円状の切欠12A,12Bを有している。各切欠12A,12Bは、使用するケーブル21の外径に応じた大きさに形成されており、樹脂ケース10の長手方向の両端面に配置されている。
【0012】
また、前記ケース半体10A,10Bの周壁11A,11B同士の突き合わせ端面13A,13B及び前記切欠12A,12Bの内周端面には、図2及び図3に示すように、これらケース半体10A,10B同士を合わせた時に周壁11A,11Bの全周を巡る連続したシール材充填用空間14を画成する断面半円状の凹溝14A,14Bが形成されている。
【0013】
ここで、前記ケース半体10A,10Bの厚さは約2mm程度、凹溝14A,14Bの半径は約2mm程度とされ、シール材充填用空間14は直径約4mm程度のチューブ状の空間とされている。
そして、前記ケース半体10A,10Bを合わせたとき、その周壁11A,11Bの全周を連続して巡るシール材充填用空間14の所定の1箇所には、図4,図5に示すように、該シール材充填用空間14の連続性を保持しつつ連通面積を絞り込んだオリフィス部16が設けられている。
【0014】
更に、そのオリフィス部16の前後に位置させて、外部からシール材充填用空間14に対してシール材を充填するためのシール材充填用孔17と、該シール材充填用孔17に外部からシール材を充填する際にシール材充填用空間14内の空気を抜くための空気抜き孔18とが設けられている。
また、ケース半体10A,10Bには、両者を適正に合わせた状態で互いにロックするロック手段15(例えば、ロック突起とロック孔の組み合わせ)が設けられている。
【0015】
なお、前記オリフィス部16は、例えばシール材充填用空間14の始端と終端を半球面状あるいは円錐面状に形成して、それらの頂点をラップさせることにより形成することができる。このオリフィス部16を介してシール材充填用空間14の連続性を確保することにより、シール材の連続性を確保することができる。つまり、前記電線引出孔12の周縁を含めて、ケース半体10A,10Bの合わせ目の全周シールが可能となる。
【0016】
そこで、本実施形態の電線接続部の防水保護構造を得るには、先ず、電線であるケーブル21同士を所定の組み合わせで接続する。接続には圧着スリーブ3及び絶縁テープ等を用いて従来のように行う。
次に、電線接続部25を挟むように前記ケース半体10A,10B同士を合わせて、ロック手段15で両者をロックすることにより、内部に画成された空間内に電線接続部25を収容する。
【0017】
次いで、シール材充填用空間14に、自然に流れない程度の粘度をもつシール材30(図3に、矢印で充填経路を示す)を充填して硬化させることにより、樹脂ケース10の内部空間が密封された防水保護構造が得られる。
この場合、シール材30は、樹脂ケース10の側部に設けたシール材充填用孔17から注入される。そうすると、シール材30は、図3の矢印で示す方向に流れ、シール材充填用空間14内の空気を空気抜き孔18から押し出し、シール材充填用空間14を全て埋めながら進む。
そして、最終的に空気抜き孔18からシール材30の先端部が出てきたところで、シール材30が全て充填されものとみなして、注入を停止する。
【0018】
ここで、シール材充填用孔17からシール材充填用空間14に注入されたシール材30は、どちらの方向に流れることも可能であるが、実際には片側にはオリフィス部16が隣接しているので、オリフィス部16の流路抵抗の大きさの関係で、シール材30は常にオリフィス部16と反対の決まった方向(図3の矢印方向)に流れて、シール材充填用空間14内に充満することになる。なお、オリフィス部16にもシール材30は充填されるので、結果的に全周にわたって連続したシールが出来上がる。
【0019】
前記シール材30としては、常温で注入可能であり、合わせ目の隙間から漏れ出ない程度の粘度を持ち、且つ、常温で放置することにより硬化が期待できる粘液状の樹脂等(シリコーンやゴム系の樹脂)を使用する。
そして、前記シール材30が硬化すると、前記周壁11A,11B同士の突き合わせ端面13A,13B間及び前記切欠12A,12Bの内周端面とケーブル21の外周面との間が確実に防水される。
【0020】
即ち、本実施形態の電線接続部の防水保護構造では、モールド成形のような手間をくう工程がないので、生産性の向上が図れる。
また、樹脂ケース10の内部全体にシール材30を充填するのではなく、ケース半体10A,10Bの合わせ目に沿ったチューブ状のシール材充填用空間14にだけシール材30を充填すればよいので、シール材30の使用量を最小限に留めながら樹脂ケース10の内部空間を確実に密封することができる。
従って、製品重量を軽くできて、施工性のアップが図れると共に、シール材30の減量による材料費の低減及び軽量化による施工性の向上を図れ、製品コストの低減に寄与することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の電線接続部の防水保護構造によれば、シール材をケース半体同士の合わせ目に沿ったシール材充填用空間にだけ充填すればよく、樹脂ケースの内部空間にまで充填する必要がないので、シール材の使用量を最小限に留めながら樹脂ケースの内部空間を確実に密封することができる。
従って、シール材の減量による材料費の低減と軽量化による施工性の向上を図ることができる。
【0022】
又、本発明の請求項2に記載の電線接続部の防水保護構造によれば、自然に流れない程度の粘度をもつシール材をシール材充填用孔から注入することによって、シール材充填用空間内の空気を空気抜き孔から押し出しながら、シール材をシール材充填用空間に一方向に流すことができる。
そして、空気抜き孔からシール材が出てきたところで、シール材の充填終了を確認することができる。尚、シール材充填用孔と空気抜き孔の間にはオリフィス部があるので、シール材は逆に流れることがなく、決まった方向に流れてシール材充填用空間内に充満することができる。
従って、簡単且つ確実にシール材をシール材充填用空間に充填することができ、全周シールの信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電線接続部の防水保護構造の製作途中の状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図2】図1に示した樹脂ケースの構成を示す図であり、(a)は図1(c)のA−A矢視断面図、(b)は図1(c)のB−B矢視図、(c)は図1(b)のC−C矢視断面図である。
【図3】図1に示した防水保護構造のシール材の充填経路を示す斜視図である。
【図4】図3のD部の拡大正面図である。
【図5】(a)は図4のE−E矢視断面図、(b)は図4のF−F矢視断面図である。
【図6】従来例の電線接続部の防水保護構造を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図7】別の従来例の構成を示す図であり、(a)は正面図、(b)は樹脂ケースの平面図、(c)は樹脂ケースの側面図である。
【符号の説明】
10 樹脂ケース
10A,10B ケース半体
11A,11B 周壁
12 電線引出孔
12A,12B 切欠
14 シール材充填用空間
14A,14B 凹溝
16 オリフィス部
17 シール材充填用孔
18 空気抜き孔
21 ケーブル(電線)
30 シール材
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばケーブルの分岐接続部等の電線接続部を防水保護する際に利用される電線接続部の防水保護構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ケーブルの分岐接続部を防水保護する場合、図6に示すように、幹線ケーブル1と分岐ケーブル2を並べて、各ケーブル1,2の導体相互を圧着スリーブ3で接続し、絶縁テープ等により圧着スリーブ3間の絶縁を行った後、電線接続部である分岐接続部5の全体を塩化ビニル等の樹脂6でモールド成形することで、該分岐接続部5を防水保護している。
ところが、このような防水保護構造を得る場合、ケーブル相互の結線工程とモールド成形工程の2工程を分けて行う必要があるため、生産性が悪い。
【0003】
そこで、図7に示したように、半割構造の樹脂ケース7の中に電線接続部5を収容し、樹脂ケース7内部に画成された内部空間にシール材(エポキシ樹脂等)8を充填して硬化させることにより、電線接続部5を防水保護する構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−233247号公報(図1〜図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7に示した防止保護構造では、樹脂ケース7の内部空間の全体に隙間なくシール材8を充填しなければならないので、多量のシール材8が必要となって材料費が嵩むと共に、重量が重くなり施工性が悪くなるという問題があった。
【0006】
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、シール材の減量による材料費の低減と軽量化による施工性の向上を図りながら、シールの信頼性を高めることができる良好な電線接続部の防水保護構造を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、請求項1に記載したように、半割構造の樹脂ケースを構成する一対のケース半体により電線接続部を防水保護する電線接続部の防水保護構造であって、
前記一対のケース半体において互いに突き合わせられる周壁の合わせ目には、ケース半体同士を合わせた時に電線引出孔を構成する切欠が形成されると共に、
前記周壁同士の突き合わせ端面及び前記切欠の内周端面には、これらケース半体同士を合わせた時に周壁の全周を巡る連続したシール材充填用空間を画成する凹溝が形成されており、
前記ケース半体同士を合わせることで画成される内部空間に前記電線接続部を収容した後、前記シール材充填用空間にシール材を充填して硬化させることにより、前記周壁同士の突き合わせ端面間及び前記切欠の内周端面と電線外周面との間が防水されることを特徴とする電線接続部の防水保護構造により達成される。
【0008】
上記構成の電線接続部の防水保護構造によれば、シール材をケース半体同士の合わせ目に沿ったシール材充填用空間にだけ充填すればよく、樹脂ケースの内部空間にまで充填する必要がないので、シール材の使用量を最小限に留めながら樹脂ケースの内部空間を確実に密封することができる。
【0009】
尚、好ましくは請求項2に記載したように、前記周壁の全周を巡る連続したシール材充填用空間の所定の1箇所に、該空間の連続性を保持しつつ連通面積を絞り込んだオリフィス部が設けられると共に、前記オリフィス部の前後に位置させて、外部から前記シール材充填用空間に対してシール材を充填するためのシール材充填用孔と、該シール材充填用孔に外部からシール材を充填する際にシール材充填用空間内の空気を抜くための空気抜き孔とが設けられている。
【0010】
この構造によれば、自然に流れない程度の粘度をもつシール材をシール材充填用孔から注入することによって、シール材充填用空間内の空気を空気抜き孔から押し出しながら、シール材をシール材充填用空間に一方向に流すことができる。
そして、空気抜き孔からシール材が出てきたところで、シール材の充填終了を確認することができる。尚、シール材充填用孔と空気抜き孔の間にはオリフィス部があるので、シール材は逆に流れることがなく、決まった方向に流れてシール材充填用空間内に充満することができる。
従って、簡単且つ確実にシール材をシール材充填用空間に充填することができ、全周シールの信頼性を高めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態を詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の防水保護構造では、平面視略長方形状の上下半割構造の樹脂ケース10が使用されている。
この樹脂ケース10を構成する上下一対のケース半体10A,10Bは、互いの合わせ面にケース内空間(内部空間)を形成するための凹所をそれぞれ有するカップ状のものであり、互いに突き合わせられる周壁11A,11Bの合わせ目には、ケース半体10A,10B同士を合わせた時に円形の電線引出孔12(本実施形態においては、3個)を構成する半円状の切欠12A,12Bを有している。各切欠12A,12Bは、使用するケーブル21の外径に応じた大きさに形成されており、樹脂ケース10の長手方向の両端面に配置されている。
【0012】
また、前記ケース半体10A,10Bの周壁11A,11B同士の突き合わせ端面13A,13B及び前記切欠12A,12Bの内周端面には、図2及び図3に示すように、これらケース半体10A,10B同士を合わせた時に周壁11A,11Bの全周を巡る連続したシール材充填用空間14を画成する断面半円状の凹溝14A,14Bが形成されている。
【0013】
ここで、前記ケース半体10A,10Bの厚さは約2mm程度、凹溝14A,14Bの半径は約2mm程度とされ、シール材充填用空間14は直径約4mm程度のチューブ状の空間とされている。
そして、前記ケース半体10A,10Bを合わせたとき、その周壁11A,11Bの全周を連続して巡るシール材充填用空間14の所定の1箇所には、図4,図5に示すように、該シール材充填用空間14の連続性を保持しつつ連通面積を絞り込んだオリフィス部16が設けられている。
【0014】
更に、そのオリフィス部16の前後に位置させて、外部からシール材充填用空間14に対してシール材を充填するためのシール材充填用孔17と、該シール材充填用孔17に外部からシール材を充填する際にシール材充填用空間14内の空気を抜くための空気抜き孔18とが設けられている。
また、ケース半体10A,10Bには、両者を適正に合わせた状態で互いにロックするロック手段15(例えば、ロック突起とロック孔の組み合わせ)が設けられている。
【0015】
なお、前記オリフィス部16は、例えばシール材充填用空間14の始端と終端を半球面状あるいは円錐面状に形成して、それらの頂点をラップさせることにより形成することができる。このオリフィス部16を介してシール材充填用空間14の連続性を確保することにより、シール材の連続性を確保することができる。つまり、前記電線引出孔12の周縁を含めて、ケース半体10A,10Bの合わせ目の全周シールが可能となる。
【0016】
そこで、本実施形態の電線接続部の防水保護構造を得るには、先ず、電線であるケーブル21同士を所定の組み合わせで接続する。接続には圧着スリーブ3及び絶縁テープ等を用いて従来のように行う。
次に、電線接続部25を挟むように前記ケース半体10A,10B同士を合わせて、ロック手段15で両者をロックすることにより、内部に画成された空間内に電線接続部25を収容する。
【0017】
次いで、シール材充填用空間14に、自然に流れない程度の粘度をもつシール材30(図3に、矢印で充填経路を示す)を充填して硬化させることにより、樹脂ケース10の内部空間が密封された防水保護構造が得られる。
この場合、シール材30は、樹脂ケース10の側部に設けたシール材充填用孔17から注入される。そうすると、シール材30は、図3の矢印で示す方向に流れ、シール材充填用空間14内の空気を空気抜き孔18から押し出し、シール材充填用空間14を全て埋めながら進む。
そして、最終的に空気抜き孔18からシール材30の先端部が出てきたところで、シール材30が全て充填されものとみなして、注入を停止する。
【0018】
ここで、シール材充填用孔17からシール材充填用空間14に注入されたシール材30は、どちらの方向に流れることも可能であるが、実際には片側にはオリフィス部16が隣接しているので、オリフィス部16の流路抵抗の大きさの関係で、シール材30は常にオリフィス部16と反対の決まった方向(図3の矢印方向)に流れて、シール材充填用空間14内に充満することになる。なお、オリフィス部16にもシール材30は充填されるので、結果的に全周にわたって連続したシールが出来上がる。
【0019】
前記シール材30としては、常温で注入可能であり、合わせ目の隙間から漏れ出ない程度の粘度を持ち、且つ、常温で放置することにより硬化が期待できる粘液状の樹脂等(シリコーンやゴム系の樹脂)を使用する。
そして、前記シール材30が硬化すると、前記周壁11A,11B同士の突き合わせ端面13A,13B間及び前記切欠12A,12Bの内周端面とケーブル21の外周面との間が確実に防水される。
【0020】
即ち、本実施形態の電線接続部の防水保護構造では、モールド成形のような手間をくう工程がないので、生産性の向上が図れる。
また、樹脂ケース10の内部全体にシール材30を充填するのではなく、ケース半体10A,10Bの合わせ目に沿ったチューブ状のシール材充填用空間14にだけシール材30を充填すればよいので、シール材30の使用量を最小限に留めながら樹脂ケース10の内部空間を確実に密封することができる。
従って、製品重量を軽くできて、施工性のアップが図れると共に、シール材30の減量による材料費の低減及び軽量化による施工性の向上を図れ、製品コストの低減に寄与することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の電線接続部の防水保護構造によれば、シール材をケース半体同士の合わせ目に沿ったシール材充填用空間にだけ充填すればよく、樹脂ケースの内部空間にまで充填する必要がないので、シール材の使用量を最小限に留めながら樹脂ケースの内部空間を確実に密封することができる。
従って、シール材の減量による材料費の低減と軽量化による施工性の向上を図ることができる。
【0022】
又、本発明の請求項2に記載の電線接続部の防水保護構造によれば、自然に流れない程度の粘度をもつシール材をシール材充填用孔から注入することによって、シール材充填用空間内の空気を空気抜き孔から押し出しながら、シール材をシール材充填用空間に一方向に流すことができる。
そして、空気抜き孔からシール材が出てきたところで、シール材の充填終了を確認することができる。尚、シール材充填用孔と空気抜き孔の間にはオリフィス部があるので、シール材は逆に流れることがなく、決まった方向に流れてシール材充填用空間内に充満することができる。
従って、簡単且つ確実にシール材をシール材充填用空間に充填することができ、全周シールの信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電線接続部の防水保護構造の製作途中の状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図2】図1に示した樹脂ケースの構成を示す図であり、(a)は図1(c)のA−A矢視断面図、(b)は図1(c)のB−B矢視図、(c)は図1(b)のC−C矢視断面図である。
【図3】図1に示した防水保護構造のシール材の充填経路を示す斜視図である。
【図4】図3のD部の拡大正面図である。
【図5】(a)は図4のE−E矢視断面図、(b)は図4のF−F矢視断面図である。
【図6】従来例の電線接続部の防水保護構造を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図7】別の従来例の構成を示す図であり、(a)は正面図、(b)は樹脂ケースの平面図、(c)は樹脂ケースの側面図である。
【符号の説明】
10 樹脂ケース
10A,10B ケース半体
11A,11B 周壁
12 電線引出孔
12A,12B 切欠
14 シール材充填用空間
14A,14B 凹溝
16 オリフィス部
17 シール材充填用孔
18 空気抜き孔
21 ケーブル(電線)
30 シール材
Claims (2)
- 半割構造の樹脂ケースを構成する一対のケース半体により電線接続部を防水保護する電線接続部の防水保護構造であって、
前記一対のケース半体において互いに突き合わせられる周壁の合わせ目には、ケース半体同士を合わせた時に電線引出孔を構成する切欠が形成されると共に、
前記周壁同士の突き合わせ端面及び前記切欠の内周端面には、これらケース半体同士を合わせた時に周壁の全周を巡る連続したシール材充填用空間を画成する凹溝が形成されており、
前記ケース半体同士を合わせることで画成される内部空間に前記電線接続部を収容した後、前記シール材充填用空間にシール材を充填して硬化させることにより、前記周壁同士の突き合わせ端面間及び前記切欠の内周端面と電線外周面との間が防水されることを特徴とする電線接続部の防水保護構造。 - 前記周壁の全周を巡る連続したシール材充填用空間の所定の1箇所に、該空間の連続性を保持しつつ連通面積を絞り込んだオリフィス部が設けられると共に、前記オリフィス部の前後に位置させて、外部から前記シール材充填用空間に対してシール材を充填するためのシール材充填用孔と、該シール材充填用孔に外部からシール材を充填する際にシール材充填用空間内の空気を抜くための空気抜き孔とが設けられていることを特徴とする請求項1記載の電線接続部の防水保護構造。
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JP2003046163A JP2004259481A (ja) | 2003-02-24 | 2003-02-24 | 電線接続部の防水保護構造 |
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2003
- 2003-02-24 JP JP2003046163A patent/JP2004259481A/ja active Pending
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