JP2004258852A - 電源制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】各種電気機器に使用されるメインマイコンの電源を、省電力のために、より少ない部品で、そのメインマイコン自身が切り替える方式のポータブルタイプ電子機器の実現を目的とする。
【解決手段】スイッチを切り替えるメインマイコンからの制御信号を、抵抗を使ってあらかじめGNDに接続することにより、制御信号がLOW側で、シリーズレギュレータの出力がメインマイコンの電源へ供給されるようにし、メインバッテリ装着時のメインマイコン用電源を供給する。メインマイコンの電源立ち上げ後は、その同じ制御信号をHIにして、そのメインマイコン自身の電源を、スイッチングレギュレータ側からの供給に切り換えるよう構成することにより、より電力ロスの少ないポータブルタイプ電子機器のメインマイコン用電源供給回路が得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】スイッチを切り替えるメインマイコンからの制御信号を、抵抗を使ってあらかじめGNDに接続することにより、制御信号がLOW側で、シリーズレギュレータの出力がメインマイコンの電源へ供給されるようにし、メインバッテリ装着時のメインマイコン用電源を供給する。メインマイコンの電源立ち上げ後は、その同じ制御信号をHIにして、そのメインマイコン自身の電源を、スイッチングレギュレータ側からの供給に切り換えるよう構成することにより、より電力ロスの少ないポータブルタイプ電子機器のメインマイコン用電源供給回路が得られる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メインバッテリ駆動によるポータブルタイプの電子機器に利用して有効な電源制御装置のメインマイコン用電源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ポータブルタイプの電子機器はますます小型化され、使用するメインバッテリも小さく、容量の少ないものが使用される傾向である。そのためポータブルタイプの電子機器には、一層の省電力化が求められている。
【0003】
以下に従来のメインバッテリ駆動による電源制御装置のメインマイコン用電源について説明する。
【0004】
従来、メインバッテリ駆動によるポータブルタイプ電子機器の電源切替装置は特開平11―41825号公報に記載されたものが知られている。そのメインバッテリ駆動によるポータブルタイプ電子機器の電源切替装置を図5に示す。
【0005】
図5は従来のメインバッテリ駆動によるポータブルタイプ電子機器の電源切替装置でメインマイコン用電源の切り替えを行う構成図を示すものである。
【0006】
図5において、1はメインバッテリである。このポータブルタイプ電子機器のすべての回路の電源は、このメインバッテリ1の電力をそのままの電圧または適当な電圧に変換して使っている。
【0007】
2はシリーズレギュレータである。このシリーズレギュレータ2により、ポータブルタイプの電子機器本体のメインの電源回路であるスイッチングレギュレータ3がOFFの時も、制御部25を動作させるための電力を賄う。
【0008】
3はスイッチングレギュレータである。このスイッチングレギュレータは、電源スイッチ26がONされて本体電源がON状態の時、メインバッテリ1からの電力を、規定の電圧に変換してポータブルタイプ電子機器のすべての回路(記録再生回路やサーボ回路など)に供給するための回路である。スイッチングレギュレータ3には複数の出力端子30が接続されており、電源を供給する回路に良好に電源供給ができるよう、一定の周期でスイッチングしながら出力している。
【0009】
24はスイッチで、制御部25からのスイッチ制御信号12に基づき、シリーズレギュレータ2かスイッチングレギュレータ3かを選択して切り替える。制御部25からのレギュレータ制御信号14は、スイッチングレギュレータ3のON/OFFを行う。
【0010】
6はマイコン用シリーズレギュレータである。マイコン用シリーズレギュレータ6は、スイッチ24からの電圧が、本体電源のON/OFF状態や、モータの動作などによる負荷変動等によって電圧が変わっても、常に一定の電圧を作り出し、メインマイコン7に安定した電圧を供給する役目をはたす。つまり、マイコン用シリーズレギュレータ6は、供給する電源の電圧変動のためにメインマイコン7が誤動作しないように、メインマイコン7の動作状況に応じて、安定した電源電圧で電力を供給するために必要である。
【0011】
7はこのポータブルタイプ電子機器のすべての回路の動作を制御するメインマイコンである。
【0012】
30はメインマイコン7以外の回路へスイッチングレギュレータ3からの電圧を出力する出力端子で、例えばビデオカメラの場合、サーボ回路や記録再生回路など様々な回路が内蔵されているが、それらの回路に電源を供給するものである。なお、出力端子30に接続されている他回路は、本装置の動作待機モードの時は動作しない回路である。
【0013】
以上のように構成された従来のポータブルタイプの電子機器のメインマイコン用電源について、以下その動作について説明する。
【0014】
まず、シリーズレギュレータ2とスイッチングレギュレータ3の違いや特徴について詳述する。
【0015】
シリーズレギュレータ2は、構成が単純で、小容量の電源供給には最適である。制御部25は、動作待機モード時には、本体の電源スイッチ26の状態を読み込む処理のみを定期的に行っている。この動作待機モード時、制御部25の消費電力は、通常動作モード時のメインマイコン7の消費電流にくらべると消費電力は少ない。また、メインマイコン7もデータのバックアップやレジスタの保持等で、多少電力を消費しているが、通常動作モード時に比べると、3桁程度少ない電力である。そのため、シリーズレギュレータ2の電源供給のままでもそれほど大きなロスは装置全体として発生しない。
【0016】
しかしながら、電源スイッチ26がONになり、装置全体が動き出し、通常動作しているときの通常動作モードでのメインマイコン7の消費電流は大きく、この通常動作モードでの大容量の電流供給にも、シリーズレギュレータ2からの電力を供給するのは、得策ではない。それは、シリーズレギュレータ2が、その仕組みとして、電源電圧の入出力電圧差をジュール熱として放出する構成であるからであり、電圧変換を行う時、大容量の電流供給を行うと、入出力電圧差(ボルト)×供給電流(アンペア)に相当する電力(ワット)のジュール熱でのロスが多く、効率がよくないためである。つまり、メインマイコン7が動作しているときの大容量の電流供給を、メインバッテリ1の高い電圧からメインマイコン用の低い電圧に変換して作り出す時には、シリーズレギュレータ2からの供給では、ロスが多く効率がよくないためである。
【0017】
一方、本体電源がONの時に、装置全体の電源を供給するスイッチングレギュレータ3の特徴は、その反対である。スイッチングレギュレータ3は変換効率が高く、変換によるロスも少ない。原理的には、スイッチングレギュレータ3は、トランジスタ等のスイッチング素子でスイッチした電力をコイル等に貯め、コンデンサ等で平滑して電圧変換を行う。つまり、シリーズレギュレータ2のように、電圧差をジュール熱に変えて変換するわけではないので、大容量の電力供給を行っても、熱の発生が少なく、変換効率が高く、ロスも少なく、各回路が必要とする多くの種類の電圧を一度に作り出すことができる。図5のスイッチングレギュレータ3から出ている複数の出力端子30は、他の回路に行く別の系統の電源を表している。たとえば、映像信号処理回路や、モータドライブ回路などの装置本体が、動作モード時に動く回路が必要とする様々な電圧や電流の電源系統を、すべて同期したスイッチング動作で作りだし、それぞれの回路へ供給するわけである。
【0018】
しかしながら、スイッチングレギュレータ回路は複雑で、通常は、スイッチング制御専用のICを必要とし、スイッチング回路自身が消費する電力も多少発生する。また、回路基板面積も広く必要で、コストも多くかかってしまう。
【0019】
従来のポータブルタイプ電子機器のメインマイコン用電源は、電源供給回路を本体の動作状況に応じて切り替えて使っている。つまり、装置全体の電源がONかOFFか、言い換えると、たくさんの回路が動き、多くの電力が必要なONのモード(通常動作モード)なのか、または、他の回路はすべてOFFして制御部25のみが動き、単一の電源が少しだけ必要なOFFのモード(動作待機モード)かによって、電源を切り替えて使っているわけである。そのメインマイコン用電源の切り替えは、スイッチ24で、スイッチングレギュレータ3からの電力を、制御部25からのスイッチ制御信号12のHIまたはLOW信号によって、制御部25が切り替える。
【0020】
まず、メインマイコン7用の電源回路として、ロスを減らし、効率をアップさせるためには、本体の電源スイッチがONの時に使用するスイッチングレギュレータ3の出力電圧を、マイコン用シリーズレギュレータ6が動作する最低限の電圧に設定し、マイコン用シリーズレギュレータ6の入出力電圧差を最小にすることが必要である。すなわち、効率の良いスイッチングレギュレータ3からの電圧を、マイコン用シリーズレギュレータ6が動作する最低限の電圧に落として供給すれば、マイコン用シリーズレギュレータ6が、電圧変換するために、その「入出力電圧差(ボルト)×供給電流(アンペア)」に相当する電力(ワット)をジュール熱に変えて放出するロス分が最小となり、装置全体として、もっとも効率的に、マイコン用の電圧を供給することができる。
【0021】
装置全体の電源、つまり電源スイッチ26がONのメインマイコン通常動作時は、スイッチ24を、スイッチングレギュレータ3側(b側)に切り替える。その結果、マイコン用シリーズレギュレータ6が動作する最低限の電圧に設定したスイッチングレギュレータ3の出力電圧を、マイコン用シリーズレギュレータ6の入力電圧として使うことができ、全体としてより電力ロスの少ないポータブルタイプの電子機器のメインマイコン用電源供給回路が得られる。
【0022】
一方、シリーズレギュレータ2の電圧は多少高めに設定している。これは、ボタン電池等の2次電池の充電電流を賄う目的のこともあるし、また、あまり最低限の電圧に設定すると、メインマイコン7が、動作待機モードから通常動作モードへ移行するときの電力変動を吸収しきれず、電圧が下がりすぎる可能性があるためである。
【0023】
制御部25からのレギュレータ制御信号14は、スイッチングレギュレータ3のON/OFFを行う制御信号である。装置本体の電源スイッチ26がOFFのとき、スイッチングレギュレータ3の動作を止めて、装置全体の電力を極小に抑えるための制御を行う。
【0024】
一方、スイッチングレギュレータ3側がONしている通常動作モードの時も、シリーズレギュレータ2の回路は、制御部25の電源を供給するために、動作している。
【0025】
以上の構成に加えて、スイッチ24の出力が結線されたところの対GND間にコンデンサ13を配置している。これは、スイッチ24が切り替わるとき、一瞬、シリーズレギュレータ2側からも、スイッチングレギュレータ3側からも、電流が供給されない期間が発生し、マイコン用シリーズレギュレータ6の入力がなくなり、そのためマイコン用シリーズレギュレータ6の出力が出ず、メインマイコン7に電力が供給されない期間が発生するという問題を回避するために付けている。つまり、スイッチ24の出力が結線されたところの対GND間にコンデンサ13を追加することにより、スイッチ24が切り替わるとき、両方の電源回路からの電源供給が途切れるわずかな期間には、コンデンサ13からの電流を供給し、切り替え時に発生する電圧不連続期間の電圧落ち込みを最小限に抑えるわけである。
【0026】
ここで、図4を使って、本装置の動作を順番に説明する。
【0027】
まず最初に、メインバッテリ1が本装置に装着される前は、全ての回路はOFF状態となっており、スイッチ24はa側に接続されている。
【0028】
メインバッテリ1がポータブルタイプ電子機器に装着されると(タイミングA)、スイッチ24がa側に接続されているためシリーズレギュレータ2が動作し、その電源出力で、制御部25が動作をスタートする(タイミングB)。
【0029】
制御部25は、まず最初に、電源スイッチ26のON/OFFを確認する。電源スイッチ26の確認の結果、OFFであれば動作待機状態を継続するが、ONであればメインバッテリ1が装着され既に動作をスタートしているシリーズレギュレータ2から、マイコン用シリーズレギュレータ6を介してメインマイコン7用の電源を供給し、メインマイコン7が動作をスタートする。
【0030】
その後、制御部25は装置全体の電源を供給するため、レギュレータ制御信号14を使ってスイッチングレギュレータ3の動作をONさせ(タイミングC)、その後にスイッチ24をスイッチングレギュレータ3側(b側)に切り替える(タイミングD)。スイッチングレギュレータ3は、映像信号処理回路やモータドライブ回路(図示せず)などの、装置本体のすべての回路が、動作モード時に必要とする様々な電圧や電流の電源系統を、それぞれの回路へ供給する。
【0031】
その後、メインマイコン7はあらかじめ組み込まれた、プログラムを実行し、それぞれの回路やICに初期設定を行い、装置全体を動作状態に立ち上げ、録画待機状態にセットアップする。この状態の待機中で録画開始ボタンが押された時には、即座に録画状態へ移行することができる。このときメインマイコン7は通常動作モードで処理を継続しており、メインマイコン7が動作時に必要な通常の電力を継続して消費している。
【0032】
一方、制御部25は、通常動作中にも本体の電源スイッチ26の状態を定期的に読み込み、電源スイッチ26がOFFされた時(タイミングH)には、電源OFFの処理に移る。すなわち、メインマイコン7に電源スイッチ26がOFFされたことを伝達する。メインマイコン7は、装置全体の回路を通常動作モードから、待機モードへ設定を変更し、必要な情報をバックアップした後、制御部25へ電源をOFFする準備が整ったことを伝達する。制御部25はその情報を受けて、スイッチ24をシリーズレギュレータ2側(a側)に切り替え(タイミングE)、その後、スイッチングレギュレータ3の動作をOFF(タイミングF)し、装置全体の電源OFF処理は完了する。
【0033】
その後、制御部25は本体の電源スイッチ26の状態を読み込む処理のみを定期的に行う状態を継続する。この状態で、電源スイッチ26がONされた時には、制御部25は再び上記一連の電源ONの処理に移る。
【0034】
一方、メインバッテリ1がポータブルタイプ電子機器に装着された時、シリーズレギュレータ2が動作し、制御部25が動作をスタートして、電源スイッチ26のON/OFFを確認した時、電源スイッチ26がOFFで有れば、制御部25は、そのまま電源スイッチ26の状態を読み込む処理のみを定期的に行う状態に移行し、その状態を継続する。すなわち、制御部25は装置本体の電源がONかOFFかに関わらず、メインバッテリ1が装着されている間中、シリーズレギュレータ2の電力を受けて動き続ける。
【0035】
通常、制御部25としては、「電源管理マイコン」等の呼び名で、比較的小規模のマイコンを当てるか、ほかの機能として、充電管理マイコン、表示マイコン等の本来別の機能のマイコンに、電源管理も同時に行わせる等の実施形態をとることが多い。いずれにしても、装置本体がONになり動作状態の時に使用するメインマイコン7とは別に、電源のON/OFFを管理する、もう一つのマイコン等の手段を用意することが必要である。
【0036】
以上の説明のように、シリーズレギュレータ2とスイッチングレギュレータ3からの電力を、装置の状態に応じて、スイッチ24で切り替えて、メインマイコン用の電源を供給する本従来例の様な構成にすれば、メインマイコンの動作状況に応じて、スイッチング電源をONして、メインマイコン動作時における最適な電力供給が行え、実際の使用状況でのメインバッテリ1の有効利用が実現でき、装置全体としての消費電力の低減が実現できる。
【0037】
【特許文献1】
特開平11−41825号公報
【0038】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来の構成では、装置全体の電源を立ち上げるときに、まず、スイッチ24をa側で立ち上げ、メインマイコン7用の電源を供給し、その後、スイッチングレギュレータ3をレギュレータ制御信号14でONし、その後スイッチ24をb側に切り替え、本体メインマイコン7用の電源をスイッチングレギュレータ3側に切り替え、それと同時に、装置全体の電源も立ち上げるという、それぞれのモード、またはタイミングに合った切り替えを行う仕組みを、本体メインマイコン7とは別に、制御部25として用意する必要があるという問題点を有していた。
【0039】
すなわち、制御部25として、もう1つの電源制御を行う専用のマイコンを用意するか、またはそれに近い機能を持った別の制御部を用意する必要があった。そのため、本体の電源がONまたはOFFの状態に関わらず、常に制御部25に、シリーズレギュレータ2から電源を供給し続けなければならず、その分の消費電流が増加するという問題点を有していた。また、装置全体を制御するメインマイコン7とは別のマイコンを、電源制御のために用意するという必要性から、コストアップの問題点も有していた。
【0040】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、装置全体を制御するメインマイコン7の電源を切り替え制御するスイッチ制御信号も、そのメインマイコン自身より出力する構成とし、別な制御部を必要としない、より簡単な構成のポータブルタイプ電子機器のメインマイコン用電源供給回路を提供することを目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の電源制御装置は、電池と、前記電池からの出力電圧を第1の電圧に変換する第1の電源供給手段と、前記電池からの出力電圧を第2の電圧に変換する第2の電源供給手段と、前記第1の電源供給手段の出力と前記第2の電源供給手段の出力とを切り替える選択手段と、前記選択手段からの電圧で動作し本装置の動作制御を行うマイコンとを備え、前記選択手段の切替制御を前記マイコンからの制御により行うものである。
【0042】
この構成により、装置全体を制御する本体メインマイコン7の電源を切り替え制御する信号も、その本体メインマイコン7自身より出力し、別な制御部25を必要としない、より簡単な構成のポータブルタイプ電子機器のメインマイコン用電源供給回路を提供することを目的とする。
【0043】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1〜4に記載の発明は、電池と、前記電池からの出力電圧を第1の電圧に変換する第1の電源供給手段と、前記電池からの出力電圧を第2の電圧に変換する第2の電源供給手段と、前記第1の電源供給手段の出力と前記第2の電源供給手段の出力とを切り替える選択手段と、前記選択手段からの電圧で動作し本装置の動作制御を行うマイコンとを備え、前記選択手段の切替制御を前記マイコンからの制御により行うものであり、この構成によって、装置全体を制御する本体メインマイコンの電源を制御する信号も、その本体メインマイコン自身より出力することができ、本体メインマイコンとは別な制御部を必要としない、従来よりもより簡単な構成のポータブルタイプ電子機器のメインマイコン用電源供給回路を提供できるという優れた作用を有する。
【0044】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図3を用いて説明する。
【0045】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における電源制御装置の構成を示すブロック図、図3は本実施の形態の動作を示すタイミングチャートである。
【0046】
図1において、1はメインバッテリである。このポータブルタイプ電子機器のすべての回路の電源は、このメインバッテリ1の電力をそのままの電圧または適当な電圧に変換して使っている。
【0047】
2は第1の電源供給手段であるシリーズレギュレータである。このシリーズレギュレータ2により、ポータブルタイプの電子機器本体のメインの電源回路であるスイッチングレギュレータ3がOFFの時も、制御部25を動作させるための電力を賄う。
【0048】
3は第2の電源供給手段であるスイッチングレギュレータである。このスイッチングレギュレータ3は、電源スイッチ26がONされて本体電源がON状態の時、メインバッテリ1からの電力を、規定の電圧に変換してポータブルタイプ電子機器のすべての回路(記録再生回路やサーボ回路など)に供給するための回路である。スイッチングレギュレータ3には複数の出力端子30が接続されており、電源を供給する回路に良好に電源供給ができるよう、一定の周期でスイッチングしながら出力している。
【0049】
24は選択手段であるスイッチで、メインマイコン7からのスイッチ制御信号12に基づき、シリーズレギュレータ2かスイッチングレギュレータ3かを選択して切り替える。メインマイコン7からのレギュレータ制御信号14は、スイッチングレギュレータ3のON/OFFを行う。
【0050】
6は第3の電源供給手段であるマイコン用シリーズレギュレータである。マイコン用シリーズレギュレータ6は、スイッチ24からの電圧が、本体電源のON/OFF状態や、モータの動作などによる負荷変動等によって電圧が変わっても、常に一定の電圧を作り出し、メインマイコン6に安定した電圧を供給する役目をはたす。つまり、マイコン用シリーズレギュレータ6は、供給する電源の電圧変動のためにメインマイコン7が誤動作しないように、メインマイコン7の動作状況に応じて、安定した電源電圧で電力を供給するために必要である。
【0051】
7はこのポータブルタイプ電子機器のすべての回路の動作を制御するメインマイコンである。メインマイコン7からは、スイッチ24の切り換え制御を行うスイッチ制御信号22と、スイッチングレギュレータ3のON/OFF制御を行うレギュレータ制御信号24とが出力されている。
【0052】
30はメインマイコン7以外の回路へスイッチングレギュレータ3からの電圧を出力する出力端子で、例えばビデオカメラの場合、サーボマイコンや記録再生マイコンなど様々な回路が内蔵されているが、それらの回路に電源を供給するものである。なお、出力端子30に接続されている他回路は、本装置の待機モードの時は動作しない回路である。
【0053】
26はビデオカメラなどの電子機器の本体電源をON/OFF切り換え可能な電源スイッチであり、通常ビデオカメラの本体外部に設けられており、使用者が操作するものである。電源スイッチ26のON/OFF状態はメインマイコン7によって監視されている。
【0054】
32はメインマイコンから出力されるHIまたはLOWの信号で、2つの電源の出力を切り替えるスイッチ24を制御するスイッチ制御信号、34はメインマイコン7から出力し、スイッチングレギュレータ3をON/OFFするスイッチングレギュレータ制御信号、10はスイッチ制御信号32をGNDに接続する抵抗器である。
【0055】
以上のように構成された本実施の形態の電源制御装置について、図1と図3を用いてその動作を説明する。
【0056】
以下の説明では、電子機器としてビデオカメラ(以下、装置本体と記す)を一例として説明する。
【0057】
図1に示すように、2つの電源回路(シリーズレギュレータ2及びスイッチングレギュレータ3)の出力を、電源スイッチ26のON/OFFに応じて、メインマイコン7からのスイッチ制御信号32で切り替えるわけだが、最初に装置本体にメインバッテリ1が装着されたときには、メインマイコン7はまだ動作していない。そこで、メインマイコン7が動作開始する前に、スイッチ制御信号32をLOWにして、自動的にスイッチ24をa側のシリーズレギュレータ2側に切り替え、メインバッテリ1装着後常時動作しているシリーズレギュレータ2の出力をマイコン用シリーズレギュレータ6に接続し、メインマイコン7に電源供給をスタートするような仕組みが必要である。
【0058】
その仕組みは、抵抗器10により、スイッチ制御信号32をGNDにプルダウンすることにより実現できる。この抵抗器10により、メインマイコン7の動作開始前の期間には、強制的にスイッチ制御信号32をLOWにして、スイッチ24をa側であるシリーズレギュレータ2側に倒す。シリーズレギュレータ2は図3にも示す通り(詳細動作は後述)、メインバッテリ1装着後は常時ONしており、スイッチ24がa側であるシリーズレギュレータ2側になれば、即マイコン用シリーズレギュレータ6の入力に電力を接続でき、メインマイコン7に電源を供給することができる。また、メインマイコン7動作後には、今度はメインマイコン7からの制御で、同じそのスイッチ制御信号32をHIにすることにより、スイッチ24をb側に倒し、シリーズレギュレータ2側からの電源供給から、スイッチングレギュレータ3側からの電源供給へ切り替えることができる。
【0059】
ただし、図3に示すタイミングのように、メインマイコン7の動作後で、かつスイッチ24がb側のスイッチングレギュレータ3側に切り替わる前に、あらかじめ、メインマイコン7から出力するレギュレータ制御信号34を使って、スイッチングレギュレータ3は、ONさせておく必要がある。
【0060】
ここで使用する抵抗器10の具体的な値について述べる。抵抗器10は、その役目が、メインマイコン7の動作開始前には、スイッチ24をLOWに引っ張るだけの電流を流すことである。またそれに加えて、メインマイコン7の動作開始後は、メインマイコンポートの出力電流により容易にHIにできる抵抗値に選ぶ必要がある。
【0061】
次に図3を使って具体動作を説明する。
【0062】
まず、メインバッテリ1が装置本体に装着されると(タイミングA)、最初にシリーズレギュレータ2が動作し(タイミングB)、スイッチ24はシリーズレギュレータ2側に接続されているので、マイコン用シリーズレギュレータ6に電源を供給し、マイコン用シリーズレギュレータ6が、メインマイコン7に電源を供給するのでメインマイコン7が動作をスタートする。
【0063】
メインマイコン7は、動作開始後、まず本体の電源スイッチ26の状態を読み込み、電源スイッチ26がOFFの時は動作待機モードを継続するが、電源スイッチ26がONになると(タイミングH)、装置全体の電源を供給するため、スイッチングレギュレータ3をレギュレータ制御信号34を使って、ONさせる(タイミングC)。
【0064】
次にメインマイコン7は、スイッチ制御信号32を使って、スイッチ24をb側に切り換え(タイミングD)、スイッチングレギュレータ3の出力をマイコン用シリーズレギュレータ6の入力に接続する。すなわち、メインマイコン7は自らの制御信号で、動作待機モード時に使用するシリーズレギュレータ2から、装置本体動作時に動作している、より効率のよいスイッチングレギュレータ3へ切り替え、通常動作モードへ移るわけである。
【0065】
なお切り替え時、電源供給の不連続期間が多少発生することがあるので、コンデンサ13により不連続期間の電圧の落ち込みを最小限に抑えている。
【0066】
次にメインマイコン7は、装置全体を動作状態に立ち上げ、録画待機状態にセットアップする。この録画待機状態において録画開始ボタン(図示せず)が押された時には、即座に録画状態へ移行する。このときメインマイコン7は通常動作モードで処理を継続しており、動作時に必要な電力を継続して消費している。
【0067】
次に、装置本体の電源スイッチ26がONからOFFへ切り替えられた時(タイミングI)、メインマイコン7は、先ほどの手順とは逆に装置全体の動作状態を動作待機モードに設定し、スイッチ制御信号32をLOWにして、スイッチ24をa側であるシリーズレギュレータ2側に接続する(タイミングE)。すなわち、自分の制御信号で、装置本体動作時に動いている装置全体の電力をまかなっているスイッチングレギュレータ3から、動作待機モード時にメインマイコン7の非常に少ない待機電力のみを賄うシリーズレギュレータ2へ自分の電源供給を切り替えるわけである。
【0068】
その後、メインマイコン7はスイッチングレギュレータの動作を、レギュレータ制御信号34を使って停止し(タイミングF)、動作待機モードに移行する。以降、メインマイコン7は電源スイッチ26が押されるのを監視する。通常は、この状態でメインバッテリ1の交換等を行う(タイミングG)。
【0069】
一方、最初にメインバッテリ1が本体に装着され、メインマイコン7が本体の電源スイッチ26の状態を読み込み、電源スイッチ26がOFFの時は、スイッチングレギュレータ3を動作させないで、シリーズレギュレータ2の電源供給のままメインマイコン7の処理を継続し、装置本体の電源スイッチ26の状態を読み込む処理のみを定期的に行う。このモードは、動作待機モードである。この場合、シリーズレギュレータ2の電源供給のままであるが、メインマイコン7の消費電力は通常動作モードにくらべて非常に消費電力の少ないモードのため、シリーズレギュレータ2の電源供給のままでも、それほど大きなロスは発生しない。むしろ、この少ない電力では、スイッチングレギュレータを、メインマイコン7の電力を供給するためだけに動かすと、出力電流に関わりなく一定のスイッチングレギュレータ3自身の自己消費電力の比率が大きくなり、トータルとして装置全体のロスが増える。
【0070】
以上のように本実施の形態によれば、スイッチ24をシリーズレギュレータ2側またはスイッチングレギュレータ3側への切り換え、及びスイッチングレギュレータ3のON/OFF切り換えを、メインマイコン7から出力されるスイッチ制御信号32及びレギュレータ制御信号34により制御することにより、従来技術の制御部のようなものを特に設ける必要はなく、回路構成を簡素化できるとともにコストダウンを実現することができる。
【0071】
また、マイコン7からのスイッチ制御信号32と接地との間に抵抗器10を設け、メインマイコン7の動作開始前の期間には、強制的にスイッチ制御信号32をLOWにして、スイッチ24をa側であるシリーズレギュレータ2側に接続することで、メインマイコン7の動作開始前にスイッチ24の不安定(a側及びb側に短周期で連続的に切り替わる動作)な切換動作を防ぐことができる。
【0072】
また、本実施の形態では、スイッチ制御信号32をプルダウンさせるための抵抗器10を設けたので、メインマイコン7の動作開始前の期間に、強制的にスイッチ制御信号32をLOWにして、スイッチ24をa側であるシリーズレギュレータ2側に倒す構成としたので、メインマイコン7の動作開始前に稀に起こりうるスイッチ24の不安定動作(a側及びb側に短周期で連続的に切り替わる動作)を防止することができる。
【0073】
さらに、スイッチ24の切り替え時、電源供給の不連続期間が多少発生することがあるので、コンデンサ13を設けたことにより、不連続期間の電圧の落ち込みを最小限に抑えることができ、連続的な電源供給を行うことができる。
【0074】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
【0075】
本実施の形態は、前述の実施の形態1に示すスイッチ24を、FETトランジスタ8、PNPトランジスタ9、NPNトランジスタ11で構成する。FETトランジスタ8はシリーズレギュレータ2側の出力を繋ぐか、繋がないかをスイッチし、PNPトランジスタ9は、スイッチングレギュレータ3側の出力を繋ぐか、繋がないかをスイッチする。NPNトランジスタ11は、PNPトランジスタ9のベースをLOWに引くか、引かないかをスイッチする。
【0076】
また、NPNトランジスタ11のベースと、FETトランジスタ8のゲートは両方ともスイッチ制御信号32に接続され、メインマイコン7からのHIまたはLOWのスイッチ制御信号32で制御される。つまり、スイッチ制御信号32は、FETトランジスタのゲートとNPNトランジスタのベースを1本でHIまたはLOWに制御するメインマイコン7からの制御信号である。
【0077】
このスイッチ制御信号32はまた、FETトランジスタ8のゲートとNPNトランジスタ11のベースの両方をGNDに接続する抵抗器10と接続されいている。実施の形態1で説明したように、この抵抗器は、メインマイコン7が動作する前の期間に、メインマイコンポートのHI/LOWが不定になり、本実施の形態の電源スイッチ回路が誤動作することを防ぐため、スイッチ制御信号32をGNDにプルダウンして、LOWに固定する働きをする。
【0078】
以下その動作について詳しく説明する。
【0079】
本実施の形態で使用のFETトランジスタ8は、P−CH−MOS−FETランジスタであり、ゲートをLOWにすると、ソースとドレイン間が導通するタイプである。メインマイコン7の動作開始前の期間には、抵抗器10により、スイッチ制御信号32がGNDにプルダウンされていてLOWになっていると、FETトランジスタ8のゲートがLOWであるため、ソースとドレイン間が導通し、シリーズレギュレータ2側からの電力がマイコン用シリーズレギュレータ6に接続される。同様に、スイッチングレギュレータ3側回路においては、スイッチ制御信号32が、抵抗器10により、GNDにプルダウンされてLOWに固定されているため、NPNトランジスタ11はONにならず、従って、PNPトランジスタ9もONにならない。その結果、PNPトランジスタ9のエミッタとコレクタ間は導通せず、スイッチングレギュレータ3側からの電力は、マイコン用シリーズレギュレータ6に接続されない。
【0080】
またメインマイコン7の動作開始後は、その同じ1本のスイッチ制御信号32をメインマイコンポートの出力でHIにして、FETトランジスタ8のゲートをHIにすることにより、シリーズレギュレータ2側の接続を切る。また、同時に、その同じ1本のスイッチ制御信号32をメインマイコンポートの出力でHIにすることによって、スイッチングレギュレータ3側のPNPトランジスタ9をONして、スイッチングレギュレータ3の出力を使用する。詳しくは、NPNトランジスタ11がONになって、PNPトランジスタ9のベースをLOWに引くことにより、PNPトランジスタ9がONになり、エミッタとコレクタ間が導通し、スイッチングレギュレータ3側をマイコン用シリーズレギュレータ6に接続する。ここで、NPNトランジスタ11は、FETトランジスタ8と、PNPトランジスタ9が同時にONになることがないように、PNPトランジスタ9側の制御信号を反転するインバータ素子の役目を果たしているわけである。
【0081】
また図3に示すように、装置を使用する使用者により、装置本体の電源がOFFにされた時、メインマイコン7は、スイッチ制御信号32をメインマイコンポートの出力でLOWにして、FETトランジスタ8スイッチをONにして、シリーズレギュレータ2の出力をマイコン用シリーズレギュレータ6に接続し、メインマイコン用の電源を、シリーズレギュレータ2からマイコン用シリーズレギュレータ6経由で、メインマイコン7に供給する。また同時に、同じスイッチ制御信号32によって、NPNトランジスタ11がOFFになり、PNPトランジスタ9のベースをLOWに引くことを止め、PNPトランジスタ9がOFFになり、PNPトランジスタ9のエミッタとコレクタ間が導通しなくなり、スイッチングレギュレータ3側をマイコン用シリーズレギュレータ6から切り離す。その後、レギュレータ制御信号34を使ってスイッチングレギュレータ3をOFFにする。
【0082】
一方、使用者により、再び装置本体の電源がONにされた時には、メインマイコンはONになり、次に、レギュレータ制御信号34を使ってスイッチングレギュレータ3を動作させる。その後、スイッチ制御信号32をメインマイコンポートの出力でHIにして、FETトランジスタ8を使ったスイッチをOFFにし、代わりにPNPトランジスタ9をONにすることにより、スイッチングレギュレータ3からの電圧をマイコン用シリーズレギュレータ6の入力に接続し、その電源をマイコン用シリーズレギュレータ6経由で、メインマイコン7に供給する。
【0083】
つまり、メインマイコン7はNPNトランジスタ11のベースと、FETトランジスタ8のゲートの両方を同じスイッチ制御信号321本で制御する構成により、両方の電源回路のONまたはOFFを、同時に制御し、メインマイコン7への電源供給を途切れさせることなく、切り替えることができる。しかも、この構成により、メインマイコン7の制御出力ポートも1本ですみ、制御タイミングを作るソフトウェアも少ないステップですむ。
【0084】
しかしながら、スイッチを構成しているPNPトランジスタ9、NPNトランジスタ11、FETトランジスタ8のスイッチング速度はバラツキがあり、シリーズレギュレータ2側のスイッチがOFFからONになり、同時にスイッチングレギュレータ3側のスイッチがONからOFFになる時間に差が出ることがある。また同様に、シリーズレギュレータ側のスイッチがONからOFFし、同時にスイッチングレギュレータ側のスイッチがOFFからONする時間に差がでることもある。
【0085】
まず、両方の電源回路が同時にONした期間について考察する。両方の電源回路が同時にONした期間があっても、電圧の高いシリーズレギュレータ2側から電力が供給され、マイコン用シリーズレギュレータ6を経由してメインマイコン7に電力が供給され続ける。また、電圧の高いシリーズレギュレータ2側からの電圧が、電圧の低いスイッチングレギュレータ3側の出力に印可されても、回路構成上、スイッチングレギュレータ3がダメージを受けたり、誤動作することはない。
【0086】
次に、両方の電源回路が同時にOFFした期間について考察する。両方の電源回路が同時にOFFしたときには、シリーズレギュレータ2側からも、スイッチングレギュレータ3側からも、電力が供給されないため、マイコン用シリーズレギュレータ6の入力に電流が供給されず、従ってマイコン用シリーズレギュレータ6の出力も出ず、メインマイコン7に電力が供給されない期間が発生するという問題が起こる。そこで、前記2つの電源のスイッチ素子の出力が結線されたところの対GND間にコンデンサ13を追加し、切り替え時に発生する電圧不連続期間の電圧落ち込みを最小限に抑える。この期間の長さは、スイッチを構成しているPNPトランジスタ9、NPNトランジスタ11、FETトランジスタ8のスイッチング速度のバラツキで決まるが、電圧不連続期間を保証するのに十分大きな容量のコンデンサ入れておけば、容量が多すぎても、特に問題はない。通常は0.1μF程度で十分である。
【0087】
また、このスイッチ制御信号32は抵抗器10によりGNDに接続されている。この抵抗器10は、実施の形態1で説明したように、装置本体の動作の初期、1のメインバッテリ装着時において、メインマイコン7が動作する前の期間に、スイッチ制御信号32のHI/LOWが不定になり、誤動作することを防ぐための部品であり、FETトランジスタ8のゲートをLOWにできればよく、通常、数10キロオーム以上の高抵抗が使われる。メインマイコン7が動作する前には、メインマイコンポートからの出力はなく、スイッチ制御信号32は、この抵抗器10により必ずLOWに固定されるため、装置本体にメインバッテリ1が装着されたときは、必ずFETトランジスタ8のゲートがLOWに引かれ、FETトランジスタ8がONし、シリーズレギュレータ2からマイコン用シリーズレギュレータ6を経由してメインマイコン7に電力が供給される。これにより、メインマイコン7は必ず動作を開始することができる。
【0088】
以上の説明の中で、NPNトランジスタ11を省いて、その代わり、PNPトランジスタ9のベースと、FETトランジスタ8のゲートとを別々のメインマイコンポートの制御信号で、制御することもできる。ただし、この2本の制御信号の制御タイミングは、メインマイコン制御の場合、実行ステップの時間差が発生しやすく、スイッチ切り替え時に発生する電圧不連続期間が長くなりやすい欠点がある。もちろん、長くなった電圧不連続期間を、保証するのに十分大きな容量のコンデンサを入れておけば、この使い方でも特に問題はない。
【0089】
以上のように本実施の形態2によれば、シリーズレギュレータ2の出力と、スイッチングレギュレータ3の出力を、それぞれFETトランジスタ8、PNPトランジスタ9を使って、メインマイコン7からのスイッチ制御信号32に従い、各モードに応じて切り替えて、マイコン用シリーズレギュレータ6に供給することにより、スイッチングレギュレータ3から供給するマイコン用シリーズレギュレータ6の入力電圧と、シリーズレギュレータ2が動作する最低限の電圧まで落とすことができ、装置本体の通常動作モード時の消費電力のロスを最小にすることができ、トータルとして装置全体の消費電力のロスを最小にすることができる。
【0090】
なお、シリーズレギュレータ2の出力側に、FETトランジスタを使ったスイッチを使用する理由は、FETトランジスタをONさせるときのゲート電流がほとんど必要ないため、トランジスタスイッチをONさせる時のロスが発生しないためである。FETトランジスタをスイッチに使うことにより、シリーズレギュレータ2側の電源を使う待機モード時の、元々少ない装置全体の消費電流を、極限まで減らすことができるためである。
【0091】
一方、スイッチングレギュレータの出力側に、PNPトランジスタを使ったスイッチを使用するのは、通常動作時は多少ベース電流を流してでも、PNPトランジスタがONしたときのエミッタとコレクタ間に発生する電圧(Vce(sat))を最小にして、スイッチングレギュレータの電圧を最低限まで下げた方が、全体としての消費電力を抑えることができるためである。また、コストの面でも、FETトランジスタより、PNPトランジスタの方が安く、より好ましい。
【0092】
【発明の効果】
以上のように本発明は、より電力ロスの少ないポータブルタイプ電子機器のメインマイコン用電源供給回路が、少ない部品点数と、簡単な回路構成で実現できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるの電源制御装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態2におけるの電源制御装置のブロック図
【図3】同実施の形態1および2における電源制御装置の動作説明のための動作モードと各部のタイミングチャート
【図4】従来の電源制御装置における電源制御装置の動作説明のための動作モードと各部のタイミングチャート
【図5】従来の電源制御装置のブロック図
【符号の説明】
1 メインバッテリ
2 シリーズレギュレータ
3 スイッチングレギュレータ
7 メインマイコン
8 FETトランジスタ
9 PNPトランジスタ
10 抵抗器
11 NPNトランジスタ
24 スイッチ
26 電源スイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、メインバッテリ駆動によるポータブルタイプの電子機器に利用して有効な電源制御装置のメインマイコン用電源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ポータブルタイプの電子機器はますます小型化され、使用するメインバッテリも小さく、容量の少ないものが使用される傾向である。そのためポータブルタイプの電子機器には、一層の省電力化が求められている。
【0003】
以下に従来のメインバッテリ駆動による電源制御装置のメインマイコン用電源について説明する。
【0004】
従来、メインバッテリ駆動によるポータブルタイプ電子機器の電源切替装置は特開平11―41825号公報に記載されたものが知られている。そのメインバッテリ駆動によるポータブルタイプ電子機器の電源切替装置を図5に示す。
【0005】
図5は従来のメインバッテリ駆動によるポータブルタイプ電子機器の電源切替装置でメインマイコン用電源の切り替えを行う構成図を示すものである。
【0006】
図5において、1はメインバッテリである。このポータブルタイプ電子機器のすべての回路の電源は、このメインバッテリ1の電力をそのままの電圧または適当な電圧に変換して使っている。
【0007】
2はシリーズレギュレータである。このシリーズレギュレータ2により、ポータブルタイプの電子機器本体のメインの電源回路であるスイッチングレギュレータ3がOFFの時も、制御部25を動作させるための電力を賄う。
【0008】
3はスイッチングレギュレータである。このスイッチングレギュレータは、電源スイッチ26がONされて本体電源がON状態の時、メインバッテリ1からの電力を、規定の電圧に変換してポータブルタイプ電子機器のすべての回路(記録再生回路やサーボ回路など)に供給するための回路である。スイッチングレギュレータ3には複数の出力端子30が接続されており、電源を供給する回路に良好に電源供給ができるよう、一定の周期でスイッチングしながら出力している。
【0009】
24はスイッチで、制御部25からのスイッチ制御信号12に基づき、シリーズレギュレータ2かスイッチングレギュレータ3かを選択して切り替える。制御部25からのレギュレータ制御信号14は、スイッチングレギュレータ3のON/OFFを行う。
【0010】
6はマイコン用シリーズレギュレータである。マイコン用シリーズレギュレータ6は、スイッチ24からの電圧が、本体電源のON/OFF状態や、モータの動作などによる負荷変動等によって電圧が変わっても、常に一定の電圧を作り出し、メインマイコン7に安定した電圧を供給する役目をはたす。つまり、マイコン用シリーズレギュレータ6は、供給する電源の電圧変動のためにメインマイコン7が誤動作しないように、メインマイコン7の動作状況に応じて、安定した電源電圧で電力を供給するために必要である。
【0011】
7はこのポータブルタイプ電子機器のすべての回路の動作を制御するメインマイコンである。
【0012】
30はメインマイコン7以外の回路へスイッチングレギュレータ3からの電圧を出力する出力端子で、例えばビデオカメラの場合、サーボ回路や記録再生回路など様々な回路が内蔵されているが、それらの回路に電源を供給するものである。なお、出力端子30に接続されている他回路は、本装置の動作待機モードの時は動作しない回路である。
【0013】
以上のように構成された従来のポータブルタイプの電子機器のメインマイコン用電源について、以下その動作について説明する。
【0014】
まず、シリーズレギュレータ2とスイッチングレギュレータ3の違いや特徴について詳述する。
【0015】
シリーズレギュレータ2は、構成が単純で、小容量の電源供給には最適である。制御部25は、動作待機モード時には、本体の電源スイッチ26の状態を読み込む処理のみを定期的に行っている。この動作待機モード時、制御部25の消費電力は、通常動作モード時のメインマイコン7の消費電流にくらべると消費電力は少ない。また、メインマイコン7もデータのバックアップやレジスタの保持等で、多少電力を消費しているが、通常動作モード時に比べると、3桁程度少ない電力である。そのため、シリーズレギュレータ2の電源供給のままでもそれほど大きなロスは装置全体として発生しない。
【0016】
しかしながら、電源スイッチ26がONになり、装置全体が動き出し、通常動作しているときの通常動作モードでのメインマイコン7の消費電流は大きく、この通常動作モードでの大容量の電流供給にも、シリーズレギュレータ2からの電力を供給するのは、得策ではない。それは、シリーズレギュレータ2が、その仕組みとして、電源電圧の入出力電圧差をジュール熱として放出する構成であるからであり、電圧変換を行う時、大容量の電流供給を行うと、入出力電圧差(ボルト)×供給電流(アンペア)に相当する電力(ワット)のジュール熱でのロスが多く、効率がよくないためである。つまり、メインマイコン7が動作しているときの大容量の電流供給を、メインバッテリ1の高い電圧からメインマイコン用の低い電圧に変換して作り出す時には、シリーズレギュレータ2からの供給では、ロスが多く効率がよくないためである。
【0017】
一方、本体電源がONの時に、装置全体の電源を供給するスイッチングレギュレータ3の特徴は、その反対である。スイッチングレギュレータ3は変換効率が高く、変換によるロスも少ない。原理的には、スイッチングレギュレータ3は、トランジスタ等のスイッチング素子でスイッチした電力をコイル等に貯め、コンデンサ等で平滑して電圧変換を行う。つまり、シリーズレギュレータ2のように、電圧差をジュール熱に変えて変換するわけではないので、大容量の電力供給を行っても、熱の発生が少なく、変換効率が高く、ロスも少なく、各回路が必要とする多くの種類の電圧を一度に作り出すことができる。図5のスイッチングレギュレータ3から出ている複数の出力端子30は、他の回路に行く別の系統の電源を表している。たとえば、映像信号処理回路や、モータドライブ回路などの装置本体が、動作モード時に動く回路が必要とする様々な電圧や電流の電源系統を、すべて同期したスイッチング動作で作りだし、それぞれの回路へ供給するわけである。
【0018】
しかしながら、スイッチングレギュレータ回路は複雑で、通常は、スイッチング制御専用のICを必要とし、スイッチング回路自身が消費する電力も多少発生する。また、回路基板面積も広く必要で、コストも多くかかってしまう。
【0019】
従来のポータブルタイプ電子機器のメインマイコン用電源は、電源供給回路を本体の動作状況に応じて切り替えて使っている。つまり、装置全体の電源がONかOFFか、言い換えると、たくさんの回路が動き、多くの電力が必要なONのモード(通常動作モード)なのか、または、他の回路はすべてOFFして制御部25のみが動き、単一の電源が少しだけ必要なOFFのモード(動作待機モード)かによって、電源を切り替えて使っているわけである。そのメインマイコン用電源の切り替えは、スイッチ24で、スイッチングレギュレータ3からの電力を、制御部25からのスイッチ制御信号12のHIまたはLOW信号によって、制御部25が切り替える。
【0020】
まず、メインマイコン7用の電源回路として、ロスを減らし、効率をアップさせるためには、本体の電源スイッチがONの時に使用するスイッチングレギュレータ3の出力電圧を、マイコン用シリーズレギュレータ6が動作する最低限の電圧に設定し、マイコン用シリーズレギュレータ6の入出力電圧差を最小にすることが必要である。すなわち、効率の良いスイッチングレギュレータ3からの電圧を、マイコン用シリーズレギュレータ6が動作する最低限の電圧に落として供給すれば、マイコン用シリーズレギュレータ6が、電圧変換するために、その「入出力電圧差(ボルト)×供給電流(アンペア)」に相当する電力(ワット)をジュール熱に変えて放出するロス分が最小となり、装置全体として、もっとも効率的に、マイコン用の電圧を供給することができる。
【0021】
装置全体の電源、つまり電源スイッチ26がONのメインマイコン通常動作時は、スイッチ24を、スイッチングレギュレータ3側(b側)に切り替える。その結果、マイコン用シリーズレギュレータ6が動作する最低限の電圧に設定したスイッチングレギュレータ3の出力電圧を、マイコン用シリーズレギュレータ6の入力電圧として使うことができ、全体としてより電力ロスの少ないポータブルタイプの電子機器のメインマイコン用電源供給回路が得られる。
【0022】
一方、シリーズレギュレータ2の電圧は多少高めに設定している。これは、ボタン電池等の2次電池の充電電流を賄う目的のこともあるし、また、あまり最低限の電圧に設定すると、メインマイコン7が、動作待機モードから通常動作モードへ移行するときの電力変動を吸収しきれず、電圧が下がりすぎる可能性があるためである。
【0023】
制御部25からのレギュレータ制御信号14は、スイッチングレギュレータ3のON/OFFを行う制御信号である。装置本体の電源スイッチ26がOFFのとき、スイッチングレギュレータ3の動作を止めて、装置全体の電力を極小に抑えるための制御を行う。
【0024】
一方、スイッチングレギュレータ3側がONしている通常動作モードの時も、シリーズレギュレータ2の回路は、制御部25の電源を供給するために、動作している。
【0025】
以上の構成に加えて、スイッチ24の出力が結線されたところの対GND間にコンデンサ13を配置している。これは、スイッチ24が切り替わるとき、一瞬、シリーズレギュレータ2側からも、スイッチングレギュレータ3側からも、電流が供給されない期間が発生し、マイコン用シリーズレギュレータ6の入力がなくなり、そのためマイコン用シリーズレギュレータ6の出力が出ず、メインマイコン7に電力が供給されない期間が発生するという問題を回避するために付けている。つまり、スイッチ24の出力が結線されたところの対GND間にコンデンサ13を追加することにより、スイッチ24が切り替わるとき、両方の電源回路からの電源供給が途切れるわずかな期間には、コンデンサ13からの電流を供給し、切り替え時に発生する電圧不連続期間の電圧落ち込みを最小限に抑えるわけである。
【0026】
ここで、図4を使って、本装置の動作を順番に説明する。
【0027】
まず最初に、メインバッテリ1が本装置に装着される前は、全ての回路はOFF状態となっており、スイッチ24はa側に接続されている。
【0028】
メインバッテリ1がポータブルタイプ電子機器に装着されると(タイミングA)、スイッチ24がa側に接続されているためシリーズレギュレータ2が動作し、その電源出力で、制御部25が動作をスタートする(タイミングB)。
【0029】
制御部25は、まず最初に、電源スイッチ26のON/OFFを確認する。電源スイッチ26の確認の結果、OFFであれば動作待機状態を継続するが、ONであればメインバッテリ1が装着され既に動作をスタートしているシリーズレギュレータ2から、マイコン用シリーズレギュレータ6を介してメインマイコン7用の電源を供給し、メインマイコン7が動作をスタートする。
【0030】
その後、制御部25は装置全体の電源を供給するため、レギュレータ制御信号14を使ってスイッチングレギュレータ3の動作をONさせ(タイミングC)、その後にスイッチ24をスイッチングレギュレータ3側(b側)に切り替える(タイミングD)。スイッチングレギュレータ3は、映像信号処理回路やモータドライブ回路(図示せず)などの、装置本体のすべての回路が、動作モード時に必要とする様々な電圧や電流の電源系統を、それぞれの回路へ供給する。
【0031】
その後、メインマイコン7はあらかじめ組み込まれた、プログラムを実行し、それぞれの回路やICに初期設定を行い、装置全体を動作状態に立ち上げ、録画待機状態にセットアップする。この状態の待機中で録画開始ボタンが押された時には、即座に録画状態へ移行することができる。このときメインマイコン7は通常動作モードで処理を継続しており、メインマイコン7が動作時に必要な通常の電力を継続して消費している。
【0032】
一方、制御部25は、通常動作中にも本体の電源スイッチ26の状態を定期的に読み込み、電源スイッチ26がOFFされた時(タイミングH)には、電源OFFの処理に移る。すなわち、メインマイコン7に電源スイッチ26がOFFされたことを伝達する。メインマイコン7は、装置全体の回路を通常動作モードから、待機モードへ設定を変更し、必要な情報をバックアップした後、制御部25へ電源をOFFする準備が整ったことを伝達する。制御部25はその情報を受けて、スイッチ24をシリーズレギュレータ2側(a側)に切り替え(タイミングE)、その後、スイッチングレギュレータ3の動作をOFF(タイミングF)し、装置全体の電源OFF処理は完了する。
【0033】
その後、制御部25は本体の電源スイッチ26の状態を読み込む処理のみを定期的に行う状態を継続する。この状態で、電源スイッチ26がONされた時には、制御部25は再び上記一連の電源ONの処理に移る。
【0034】
一方、メインバッテリ1がポータブルタイプ電子機器に装着された時、シリーズレギュレータ2が動作し、制御部25が動作をスタートして、電源スイッチ26のON/OFFを確認した時、電源スイッチ26がOFFで有れば、制御部25は、そのまま電源スイッチ26の状態を読み込む処理のみを定期的に行う状態に移行し、その状態を継続する。すなわち、制御部25は装置本体の電源がONかOFFかに関わらず、メインバッテリ1が装着されている間中、シリーズレギュレータ2の電力を受けて動き続ける。
【0035】
通常、制御部25としては、「電源管理マイコン」等の呼び名で、比較的小規模のマイコンを当てるか、ほかの機能として、充電管理マイコン、表示マイコン等の本来別の機能のマイコンに、電源管理も同時に行わせる等の実施形態をとることが多い。いずれにしても、装置本体がONになり動作状態の時に使用するメインマイコン7とは別に、電源のON/OFFを管理する、もう一つのマイコン等の手段を用意することが必要である。
【0036】
以上の説明のように、シリーズレギュレータ2とスイッチングレギュレータ3からの電力を、装置の状態に応じて、スイッチ24で切り替えて、メインマイコン用の電源を供給する本従来例の様な構成にすれば、メインマイコンの動作状況に応じて、スイッチング電源をONして、メインマイコン動作時における最適な電力供給が行え、実際の使用状況でのメインバッテリ1の有効利用が実現でき、装置全体としての消費電力の低減が実現できる。
【0037】
【特許文献1】
特開平11−41825号公報
【0038】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来の構成では、装置全体の電源を立ち上げるときに、まず、スイッチ24をa側で立ち上げ、メインマイコン7用の電源を供給し、その後、スイッチングレギュレータ3をレギュレータ制御信号14でONし、その後スイッチ24をb側に切り替え、本体メインマイコン7用の電源をスイッチングレギュレータ3側に切り替え、それと同時に、装置全体の電源も立ち上げるという、それぞれのモード、またはタイミングに合った切り替えを行う仕組みを、本体メインマイコン7とは別に、制御部25として用意する必要があるという問題点を有していた。
【0039】
すなわち、制御部25として、もう1つの電源制御を行う専用のマイコンを用意するか、またはそれに近い機能を持った別の制御部を用意する必要があった。そのため、本体の電源がONまたはOFFの状態に関わらず、常に制御部25に、シリーズレギュレータ2から電源を供給し続けなければならず、その分の消費電流が増加するという問題点を有していた。また、装置全体を制御するメインマイコン7とは別のマイコンを、電源制御のために用意するという必要性から、コストアップの問題点も有していた。
【0040】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、装置全体を制御するメインマイコン7の電源を切り替え制御するスイッチ制御信号も、そのメインマイコン自身より出力する構成とし、別な制御部を必要としない、より簡単な構成のポータブルタイプ電子機器のメインマイコン用電源供給回路を提供することを目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の電源制御装置は、電池と、前記電池からの出力電圧を第1の電圧に変換する第1の電源供給手段と、前記電池からの出力電圧を第2の電圧に変換する第2の電源供給手段と、前記第1の電源供給手段の出力と前記第2の電源供給手段の出力とを切り替える選択手段と、前記選択手段からの電圧で動作し本装置の動作制御を行うマイコンとを備え、前記選択手段の切替制御を前記マイコンからの制御により行うものである。
【0042】
この構成により、装置全体を制御する本体メインマイコン7の電源を切り替え制御する信号も、その本体メインマイコン7自身より出力し、別な制御部25を必要としない、より簡単な構成のポータブルタイプ電子機器のメインマイコン用電源供給回路を提供することを目的とする。
【0043】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1〜4に記載の発明は、電池と、前記電池からの出力電圧を第1の電圧に変換する第1の電源供給手段と、前記電池からの出力電圧を第2の電圧に変換する第2の電源供給手段と、前記第1の電源供給手段の出力と前記第2の電源供給手段の出力とを切り替える選択手段と、前記選択手段からの電圧で動作し本装置の動作制御を行うマイコンとを備え、前記選択手段の切替制御を前記マイコンからの制御により行うものであり、この構成によって、装置全体を制御する本体メインマイコンの電源を制御する信号も、その本体メインマイコン自身より出力することができ、本体メインマイコンとは別な制御部を必要としない、従来よりもより簡単な構成のポータブルタイプ電子機器のメインマイコン用電源供給回路を提供できるという優れた作用を有する。
【0044】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図3を用いて説明する。
【0045】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における電源制御装置の構成を示すブロック図、図3は本実施の形態の動作を示すタイミングチャートである。
【0046】
図1において、1はメインバッテリである。このポータブルタイプ電子機器のすべての回路の電源は、このメインバッテリ1の電力をそのままの電圧または適当な電圧に変換して使っている。
【0047】
2は第1の電源供給手段であるシリーズレギュレータである。このシリーズレギュレータ2により、ポータブルタイプの電子機器本体のメインの電源回路であるスイッチングレギュレータ3がOFFの時も、制御部25を動作させるための電力を賄う。
【0048】
3は第2の電源供給手段であるスイッチングレギュレータである。このスイッチングレギュレータ3は、電源スイッチ26がONされて本体電源がON状態の時、メインバッテリ1からの電力を、規定の電圧に変換してポータブルタイプ電子機器のすべての回路(記録再生回路やサーボ回路など)に供給するための回路である。スイッチングレギュレータ3には複数の出力端子30が接続されており、電源を供給する回路に良好に電源供給ができるよう、一定の周期でスイッチングしながら出力している。
【0049】
24は選択手段であるスイッチで、メインマイコン7からのスイッチ制御信号12に基づき、シリーズレギュレータ2かスイッチングレギュレータ3かを選択して切り替える。メインマイコン7からのレギュレータ制御信号14は、スイッチングレギュレータ3のON/OFFを行う。
【0050】
6は第3の電源供給手段であるマイコン用シリーズレギュレータである。マイコン用シリーズレギュレータ6は、スイッチ24からの電圧が、本体電源のON/OFF状態や、モータの動作などによる負荷変動等によって電圧が変わっても、常に一定の電圧を作り出し、メインマイコン6に安定した電圧を供給する役目をはたす。つまり、マイコン用シリーズレギュレータ6は、供給する電源の電圧変動のためにメインマイコン7が誤動作しないように、メインマイコン7の動作状況に応じて、安定した電源電圧で電力を供給するために必要である。
【0051】
7はこのポータブルタイプ電子機器のすべての回路の動作を制御するメインマイコンである。メインマイコン7からは、スイッチ24の切り換え制御を行うスイッチ制御信号22と、スイッチングレギュレータ3のON/OFF制御を行うレギュレータ制御信号24とが出力されている。
【0052】
30はメインマイコン7以外の回路へスイッチングレギュレータ3からの電圧を出力する出力端子で、例えばビデオカメラの場合、サーボマイコンや記録再生マイコンなど様々な回路が内蔵されているが、それらの回路に電源を供給するものである。なお、出力端子30に接続されている他回路は、本装置の待機モードの時は動作しない回路である。
【0053】
26はビデオカメラなどの電子機器の本体電源をON/OFF切り換え可能な電源スイッチであり、通常ビデオカメラの本体外部に設けられており、使用者が操作するものである。電源スイッチ26のON/OFF状態はメインマイコン7によって監視されている。
【0054】
32はメインマイコンから出力されるHIまたはLOWの信号で、2つの電源の出力を切り替えるスイッチ24を制御するスイッチ制御信号、34はメインマイコン7から出力し、スイッチングレギュレータ3をON/OFFするスイッチングレギュレータ制御信号、10はスイッチ制御信号32をGNDに接続する抵抗器である。
【0055】
以上のように構成された本実施の形態の電源制御装置について、図1と図3を用いてその動作を説明する。
【0056】
以下の説明では、電子機器としてビデオカメラ(以下、装置本体と記す)を一例として説明する。
【0057】
図1に示すように、2つの電源回路(シリーズレギュレータ2及びスイッチングレギュレータ3)の出力を、電源スイッチ26のON/OFFに応じて、メインマイコン7からのスイッチ制御信号32で切り替えるわけだが、最初に装置本体にメインバッテリ1が装着されたときには、メインマイコン7はまだ動作していない。そこで、メインマイコン7が動作開始する前に、スイッチ制御信号32をLOWにして、自動的にスイッチ24をa側のシリーズレギュレータ2側に切り替え、メインバッテリ1装着後常時動作しているシリーズレギュレータ2の出力をマイコン用シリーズレギュレータ6に接続し、メインマイコン7に電源供給をスタートするような仕組みが必要である。
【0058】
その仕組みは、抵抗器10により、スイッチ制御信号32をGNDにプルダウンすることにより実現できる。この抵抗器10により、メインマイコン7の動作開始前の期間には、強制的にスイッチ制御信号32をLOWにして、スイッチ24をa側であるシリーズレギュレータ2側に倒す。シリーズレギュレータ2は図3にも示す通り(詳細動作は後述)、メインバッテリ1装着後は常時ONしており、スイッチ24がa側であるシリーズレギュレータ2側になれば、即マイコン用シリーズレギュレータ6の入力に電力を接続でき、メインマイコン7に電源を供給することができる。また、メインマイコン7動作後には、今度はメインマイコン7からの制御で、同じそのスイッチ制御信号32をHIにすることにより、スイッチ24をb側に倒し、シリーズレギュレータ2側からの電源供給から、スイッチングレギュレータ3側からの電源供給へ切り替えることができる。
【0059】
ただし、図3に示すタイミングのように、メインマイコン7の動作後で、かつスイッチ24がb側のスイッチングレギュレータ3側に切り替わる前に、あらかじめ、メインマイコン7から出力するレギュレータ制御信号34を使って、スイッチングレギュレータ3は、ONさせておく必要がある。
【0060】
ここで使用する抵抗器10の具体的な値について述べる。抵抗器10は、その役目が、メインマイコン7の動作開始前には、スイッチ24をLOWに引っ張るだけの電流を流すことである。またそれに加えて、メインマイコン7の動作開始後は、メインマイコンポートの出力電流により容易にHIにできる抵抗値に選ぶ必要がある。
【0061】
次に図3を使って具体動作を説明する。
【0062】
まず、メインバッテリ1が装置本体に装着されると(タイミングA)、最初にシリーズレギュレータ2が動作し(タイミングB)、スイッチ24はシリーズレギュレータ2側に接続されているので、マイコン用シリーズレギュレータ6に電源を供給し、マイコン用シリーズレギュレータ6が、メインマイコン7に電源を供給するのでメインマイコン7が動作をスタートする。
【0063】
メインマイコン7は、動作開始後、まず本体の電源スイッチ26の状態を読み込み、電源スイッチ26がOFFの時は動作待機モードを継続するが、電源スイッチ26がONになると(タイミングH)、装置全体の電源を供給するため、スイッチングレギュレータ3をレギュレータ制御信号34を使って、ONさせる(タイミングC)。
【0064】
次にメインマイコン7は、スイッチ制御信号32を使って、スイッチ24をb側に切り換え(タイミングD)、スイッチングレギュレータ3の出力をマイコン用シリーズレギュレータ6の入力に接続する。すなわち、メインマイコン7は自らの制御信号で、動作待機モード時に使用するシリーズレギュレータ2から、装置本体動作時に動作している、より効率のよいスイッチングレギュレータ3へ切り替え、通常動作モードへ移るわけである。
【0065】
なお切り替え時、電源供給の不連続期間が多少発生することがあるので、コンデンサ13により不連続期間の電圧の落ち込みを最小限に抑えている。
【0066】
次にメインマイコン7は、装置全体を動作状態に立ち上げ、録画待機状態にセットアップする。この録画待機状態において録画開始ボタン(図示せず)が押された時には、即座に録画状態へ移行する。このときメインマイコン7は通常動作モードで処理を継続しており、動作時に必要な電力を継続して消費している。
【0067】
次に、装置本体の電源スイッチ26がONからOFFへ切り替えられた時(タイミングI)、メインマイコン7は、先ほどの手順とは逆に装置全体の動作状態を動作待機モードに設定し、スイッチ制御信号32をLOWにして、スイッチ24をa側であるシリーズレギュレータ2側に接続する(タイミングE)。すなわち、自分の制御信号で、装置本体動作時に動いている装置全体の電力をまかなっているスイッチングレギュレータ3から、動作待機モード時にメインマイコン7の非常に少ない待機電力のみを賄うシリーズレギュレータ2へ自分の電源供給を切り替えるわけである。
【0068】
その後、メインマイコン7はスイッチングレギュレータの動作を、レギュレータ制御信号34を使って停止し(タイミングF)、動作待機モードに移行する。以降、メインマイコン7は電源スイッチ26が押されるのを監視する。通常は、この状態でメインバッテリ1の交換等を行う(タイミングG)。
【0069】
一方、最初にメインバッテリ1が本体に装着され、メインマイコン7が本体の電源スイッチ26の状態を読み込み、電源スイッチ26がOFFの時は、スイッチングレギュレータ3を動作させないで、シリーズレギュレータ2の電源供給のままメインマイコン7の処理を継続し、装置本体の電源スイッチ26の状態を読み込む処理のみを定期的に行う。このモードは、動作待機モードである。この場合、シリーズレギュレータ2の電源供給のままであるが、メインマイコン7の消費電力は通常動作モードにくらべて非常に消費電力の少ないモードのため、シリーズレギュレータ2の電源供給のままでも、それほど大きなロスは発生しない。むしろ、この少ない電力では、スイッチングレギュレータを、メインマイコン7の電力を供給するためだけに動かすと、出力電流に関わりなく一定のスイッチングレギュレータ3自身の自己消費電力の比率が大きくなり、トータルとして装置全体のロスが増える。
【0070】
以上のように本実施の形態によれば、スイッチ24をシリーズレギュレータ2側またはスイッチングレギュレータ3側への切り換え、及びスイッチングレギュレータ3のON/OFF切り換えを、メインマイコン7から出力されるスイッチ制御信号32及びレギュレータ制御信号34により制御することにより、従来技術の制御部のようなものを特に設ける必要はなく、回路構成を簡素化できるとともにコストダウンを実現することができる。
【0071】
また、マイコン7からのスイッチ制御信号32と接地との間に抵抗器10を設け、メインマイコン7の動作開始前の期間には、強制的にスイッチ制御信号32をLOWにして、スイッチ24をa側であるシリーズレギュレータ2側に接続することで、メインマイコン7の動作開始前にスイッチ24の不安定(a側及びb側に短周期で連続的に切り替わる動作)な切換動作を防ぐことができる。
【0072】
また、本実施の形態では、スイッチ制御信号32をプルダウンさせるための抵抗器10を設けたので、メインマイコン7の動作開始前の期間に、強制的にスイッチ制御信号32をLOWにして、スイッチ24をa側であるシリーズレギュレータ2側に倒す構成としたので、メインマイコン7の動作開始前に稀に起こりうるスイッチ24の不安定動作(a側及びb側に短周期で連続的に切り替わる動作)を防止することができる。
【0073】
さらに、スイッチ24の切り替え時、電源供給の不連続期間が多少発生することがあるので、コンデンサ13を設けたことにより、不連続期間の電圧の落ち込みを最小限に抑えることができ、連続的な電源供給を行うことができる。
【0074】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
【0075】
本実施の形態は、前述の実施の形態1に示すスイッチ24を、FETトランジスタ8、PNPトランジスタ9、NPNトランジスタ11で構成する。FETトランジスタ8はシリーズレギュレータ2側の出力を繋ぐか、繋がないかをスイッチし、PNPトランジスタ9は、スイッチングレギュレータ3側の出力を繋ぐか、繋がないかをスイッチする。NPNトランジスタ11は、PNPトランジスタ9のベースをLOWに引くか、引かないかをスイッチする。
【0076】
また、NPNトランジスタ11のベースと、FETトランジスタ8のゲートは両方ともスイッチ制御信号32に接続され、メインマイコン7からのHIまたはLOWのスイッチ制御信号32で制御される。つまり、スイッチ制御信号32は、FETトランジスタのゲートとNPNトランジスタのベースを1本でHIまたはLOWに制御するメインマイコン7からの制御信号である。
【0077】
このスイッチ制御信号32はまた、FETトランジスタ8のゲートとNPNトランジスタ11のベースの両方をGNDに接続する抵抗器10と接続されいている。実施の形態1で説明したように、この抵抗器は、メインマイコン7が動作する前の期間に、メインマイコンポートのHI/LOWが不定になり、本実施の形態の電源スイッチ回路が誤動作することを防ぐため、スイッチ制御信号32をGNDにプルダウンして、LOWに固定する働きをする。
【0078】
以下その動作について詳しく説明する。
【0079】
本実施の形態で使用のFETトランジスタ8は、P−CH−MOS−FETランジスタであり、ゲートをLOWにすると、ソースとドレイン間が導通するタイプである。メインマイコン7の動作開始前の期間には、抵抗器10により、スイッチ制御信号32がGNDにプルダウンされていてLOWになっていると、FETトランジスタ8のゲートがLOWであるため、ソースとドレイン間が導通し、シリーズレギュレータ2側からの電力がマイコン用シリーズレギュレータ6に接続される。同様に、スイッチングレギュレータ3側回路においては、スイッチ制御信号32が、抵抗器10により、GNDにプルダウンされてLOWに固定されているため、NPNトランジスタ11はONにならず、従って、PNPトランジスタ9もONにならない。その結果、PNPトランジスタ9のエミッタとコレクタ間は導通せず、スイッチングレギュレータ3側からの電力は、マイコン用シリーズレギュレータ6に接続されない。
【0080】
またメインマイコン7の動作開始後は、その同じ1本のスイッチ制御信号32をメインマイコンポートの出力でHIにして、FETトランジスタ8のゲートをHIにすることにより、シリーズレギュレータ2側の接続を切る。また、同時に、その同じ1本のスイッチ制御信号32をメインマイコンポートの出力でHIにすることによって、スイッチングレギュレータ3側のPNPトランジスタ9をONして、スイッチングレギュレータ3の出力を使用する。詳しくは、NPNトランジスタ11がONになって、PNPトランジスタ9のベースをLOWに引くことにより、PNPトランジスタ9がONになり、エミッタとコレクタ間が導通し、スイッチングレギュレータ3側をマイコン用シリーズレギュレータ6に接続する。ここで、NPNトランジスタ11は、FETトランジスタ8と、PNPトランジスタ9が同時にONになることがないように、PNPトランジスタ9側の制御信号を反転するインバータ素子の役目を果たしているわけである。
【0081】
また図3に示すように、装置を使用する使用者により、装置本体の電源がOFFにされた時、メインマイコン7は、スイッチ制御信号32をメインマイコンポートの出力でLOWにして、FETトランジスタ8スイッチをONにして、シリーズレギュレータ2の出力をマイコン用シリーズレギュレータ6に接続し、メインマイコン用の電源を、シリーズレギュレータ2からマイコン用シリーズレギュレータ6経由で、メインマイコン7に供給する。また同時に、同じスイッチ制御信号32によって、NPNトランジスタ11がOFFになり、PNPトランジスタ9のベースをLOWに引くことを止め、PNPトランジスタ9がOFFになり、PNPトランジスタ9のエミッタとコレクタ間が導通しなくなり、スイッチングレギュレータ3側をマイコン用シリーズレギュレータ6から切り離す。その後、レギュレータ制御信号34を使ってスイッチングレギュレータ3をOFFにする。
【0082】
一方、使用者により、再び装置本体の電源がONにされた時には、メインマイコンはONになり、次に、レギュレータ制御信号34を使ってスイッチングレギュレータ3を動作させる。その後、スイッチ制御信号32をメインマイコンポートの出力でHIにして、FETトランジスタ8を使ったスイッチをOFFにし、代わりにPNPトランジスタ9をONにすることにより、スイッチングレギュレータ3からの電圧をマイコン用シリーズレギュレータ6の入力に接続し、その電源をマイコン用シリーズレギュレータ6経由で、メインマイコン7に供給する。
【0083】
つまり、メインマイコン7はNPNトランジスタ11のベースと、FETトランジスタ8のゲートの両方を同じスイッチ制御信号321本で制御する構成により、両方の電源回路のONまたはOFFを、同時に制御し、メインマイコン7への電源供給を途切れさせることなく、切り替えることができる。しかも、この構成により、メインマイコン7の制御出力ポートも1本ですみ、制御タイミングを作るソフトウェアも少ないステップですむ。
【0084】
しかしながら、スイッチを構成しているPNPトランジスタ9、NPNトランジスタ11、FETトランジスタ8のスイッチング速度はバラツキがあり、シリーズレギュレータ2側のスイッチがOFFからONになり、同時にスイッチングレギュレータ3側のスイッチがONからOFFになる時間に差が出ることがある。また同様に、シリーズレギュレータ側のスイッチがONからOFFし、同時にスイッチングレギュレータ側のスイッチがOFFからONする時間に差がでることもある。
【0085】
まず、両方の電源回路が同時にONした期間について考察する。両方の電源回路が同時にONした期間があっても、電圧の高いシリーズレギュレータ2側から電力が供給され、マイコン用シリーズレギュレータ6を経由してメインマイコン7に電力が供給され続ける。また、電圧の高いシリーズレギュレータ2側からの電圧が、電圧の低いスイッチングレギュレータ3側の出力に印可されても、回路構成上、スイッチングレギュレータ3がダメージを受けたり、誤動作することはない。
【0086】
次に、両方の電源回路が同時にOFFした期間について考察する。両方の電源回路が同時にOFFしたときには、シリーズレギュレータ2側からも、スイッチングレギュレータ3側からも、電力が供給されないため、マイコン用シリーズレギュレータ6の入力に電流が供給されず、従ってマイコン用シリーズレギュレータ6の出力も出ず、メインマイコン7に電力が供給されない期間が発生するという問題が起こる。そこで、前記2つの電源のスイッチ素子の出力が結線されたところの対GND間にコンデンサ13を追加し、切り替え時に発生する電圧不連続期間の電圧落ち込みを最小限に抑える。この期間の長さは、スイッチを構成しているPNPトランジスタ9、NPNトランジスタ11、FETトランジスタ8のスイッチング速度のバラツキで決まるが、電圧不連続期間を保証するのに十分大きな容量のコンデンサ入れておけば、容量が多すぎても、特に問題はない。通常は0.1μF程度で十分である。
【0087】
また、このスイッチ制御信号32は抵抗器10によりGNDに接続されている。この抵抗器10は、実施の形態1で説明したように、装置本体の動作の初期、1のメインバッテリ装着時において、メインマイコン7が動作する前の期間に、スイッチ制御信号32のHI/LOWが不定になり、誤動作することを防ぐための部品であり、FETトランジスタ8のゲートをLOWにできればよく、通常、数10キロオーム以上の高抵抗が使われる。メインマイコン7が動作する前には、メインマイコンポートからの出力はなく、スイッチ制御信号32は、この抵抗器10により必ずLOWに固定されるため、装置本体にメインバッテリ1が装着されたときは、必ずFETトランジスタ8のゲートがLOWに引かれ、FETトランジスタ8がONし、シリーズレギュレータ2からマイコン用シリーズレギュレータ6を経由してメインマイコン7に電力が供給される。これにより、メインマイコン7は必ず動作を開始することができる。
【0088】
以上の説明の中で、NPNトランジスタ11を省いて、その代わり、PNPトランジスタ9のベースと、FETトランジスタ8のゲートとを別々のメインマイコンポートの制御信号で、制御することもできる。ただし、この2本の制御信号の制御タイミングは、メインマイコン制御の場合、実行ステップの時間差が発生しやすく、スイッチ切り替え時に発生する電圧不連続期間が長くなりやすい欠点がある。もちろん、長くなった電圧不連続期間を、保証するのに十分大きな容量のコンデンサを入れておけば、この使い方でも特に問題はない。
【0089】
以上のように本実施の形態2によれば、シリーズレギュレータ2の出力と、スイッチングレギュレータ3の出力を、それぞれFETトランジスタ8、PNPトランジスタ9を使って、メインマイコン7からのスイッチ制御信号32に従い、各モードに応じて切り替えて、マイコン用シリーズレギュレータ6に供給することにより、スイッチングレギュレータ3から供給するマイコン用シリーズレギュレータ6の入力電圧と、シリーズレギュレータ2が動作する最低限の電圧まで落とすことができ、装置本体の通常動作モード時の消費電力のロスを最小にすることができ、トータルとして装置全体の消費電力のロスを最小にすることができる。
【0090】
なお、シリーズレギュレータ2の出力側に、FETトランジスタを使ったスイッチを使用する理由は、FETトランジスタをONさせるときのゲート電流がほとんど必要ないため、トランジスタスイッチをONさせる時のロスが発生しないためである。FETトランジスタをスイッチに使うことにより、シリーズレギュレータ2側の電源を使う待機モード時の、元々少ない装置全体の消費電流を、極限まで減らすことができるためである。
【0091】
一方、スイッチングレギュレータの出力側に、PNPトランジスタを使ったスイッチを使用するのは、通常動作時は多少ベース電流を流してでも、PNPトランジスタがONしたときのエミッタとコレクタ間に発生する電圧(Vce(sat))を最小にして、スイッチングレギュレータの電圧を最低限まで下げた方が、全体としての消費電力を抑えることができるためである。また、コストの面でも、FETトランジスタより、PNPトランジスタの方が安く、より好ましい。
【0092】
【発明の効果】
以上のように本発明は、より電力ロスの少ないポータブルタイプ電子機器のメインマイコン用電源供給回路が、少ない部品点数と、簡単な回路構成で実現できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるの電源制御装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態2におけるの電源制御装置のブロック図
【図3】同実施の形態1および2における電源制御装置の動作説明のための動作モードと各部のタイミングチャート
【図4】従来の電源制御装置における電源制御装置の動作説明のための動作モードと各部のタイミングチャート
【図5】従来の電源制御装置のブロック図
【符号の説明】
1 メインバッテリ
2 シリーズレギュレータ
3 スイッチングレギュレータ
7 メインマイコン
8 FETトランジスタ
9 PNPトランジスタ
10 抵抗器
11 NPNトランジスタ
24 スイッチ
26 電源スイッチ
Claims (4)
- 電池と、前記電池からの出力電圧を第1の電圧に変換する第1の電源供給手段と、前記電池からの出力電圧を第2の電圧に変換する第2の電源供給手段と、前記第1の電源供給手段の出力と前記第2の電源供給手段の出力とを切り替える選択手段と、前記選択手段からの電圧で動作し本装置の動作制御を行うマイコンとを備え、前記選択手段の切替制御を前記マイコンからの制御により行うことを特徴とする電源制御装置。
- マイコンから選択手段への制御信号を、抵抗器を介して接地したことを特徴とする請求項1記載の電源制御装置。
- メインバッテリと、前記メインバッテリからの出力電圧を変換するシリーズレギュレータ回路と、前記メインバッテリからの出力電圧を変換するスイッチングレギュレータ回路と、前記シリーズレギュレータ回路と前記スイッチングレギュレータ回路の出力を切り替えるスイッチと、前記スイッチ出力を受けてメインマイコン用電圧に変換するマイコン用シリーズレギュレータと、前記マイコン用シリーズレギュレータからの電力で動作するメインマイコンと、前記メインマイコンに入力する電源スイッチと、前記スイッチングレギュレータ回路をHIまたはLOW信号でONまたはOFFする前記メインマイコンからのレギュレータ制御信号と、前記スイッチをHIまたはLOW信号で切り替える前記メインマイコンからのスイッチ制御信号と、前記スイッチ制御信号をGNDに接続する抵抗器と、前記2つの電源の切り替え時に発生する電圧不連続期間の電圧落ち込みを最小限に抑えるコンデンサとを備えたことを特徴とする電源制御装置。
- スイッチは、シリーズレギュレータの出力を接続または遮断するFETトランジスタと、スイッチングレギュレータ回路の出力を接続または遮断するPNPトランジスタと、前記PNPトランジスタのベースをGNDに接続または遮断するNPNトランジスタとからなり、前記FETトランジスタのゲートと前記NPNトランジスタのベースの両方を1本で同時にHIまたはLOWに切り替えるメインマイコンからのスイッチ制御信号により動作することを特徴とする請求項3記載の電源制御装置。
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JP2015220859A (ja) * | 2014-05-16 | 2015-12-07 | 富士通株式会社 | 電源装置および情報処理装置 |
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-
2003
- 2003-02-25 JP JP2003047303A patent/JP2004258852A/ja active Pending
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