JP2004258509A - ズームレンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】一部のレンズを光軸に垂直な方向へ移動させて像を移動可能な高変倍比ズームレンズ。
【解決手段】物体側より正の第1レンズ群G1と負の第2レンズ群G2と正の第3レンズ群G3と正の第4レンズ群G4とを有し、広角端から望遠端までレンズ位置が変化する際、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4の間隔が減少するように、少なくとも第1,4レンズ群G1,G4が物体側へ移動し、第3レンズ群G3は物体側より第1補助レンズ群L31と第2補助レンズ群L32と第3補助レンズ群L33とを有し、第2補助レンズ群L32を光軸に対して略垂直な方向へ移動させることで像を移動可能で、第3レンズ群G3近傍または第3レンズ群G3内部に開口絞りSが配置され、所定の条件式を満足する。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はズームレンズに関し、特にレンズ系を構成する一部のレンズを光軸に対して略垂直な方向へ移動させることによって像を移動させた際に生じる諸収差の変化が少ない高変倍比のズームレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レンズ系を構成する一部のレンズを光軸に対して略垂直な方向へ移動(シフト)させることによって像を移動(シフト)させることが可能な、いわゆる像シフト可能な光学系が知られている。斯かる光学系として、ズームレンズ中に配置されている一部のレンズを光軸に対して略垂直な方向へシフトさせることによって像をシフトさせることを可能としたズームレンズが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
以下、本明細書において、光軸に対して略垂直な方向へシフトさせるレンズをシフトレンズ群という。
【0003】
また近年、写真用レンズとしてズームレンズが一般的に用いられている。写真用レンズとしてズームレンズを用いる場合、被写体に近づいた撮影を行うことが可能となるため、撮影者の意図に合わせた撮影を行うことができるというユーザーメリットがある。このため、写真用レンズとしてのズームレンズの一般化に伴い、被写体により近づいた撮影を可能とする高変倍比のズームレンズが市場に提供されている。
被写体により近づいた撮影が可能な高変倍比のズームレンズとして、正負正正4群タイプのズームレンズが知られている(例えば、特許文献2参照)。
正負正正4群タイプのズームレンズは、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群との4つのレンズ群からなる。そしてこのズームレンズは、広角端状態(焦点距離が最も短い)から望遠端状態(焦点距離が最も長い)までレンズ位置状態が変化する際に、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が増大し、第2レンズ群と第3レンズ群との間隔が減少し、第3レンズ群と第4レンズ群との間隔が減少するように、少なくとも第1レンズ群及び第4レンズ群が物体側へ移動する構成である。
【0004】
また、写真用レンズとしてのズームレンズのさらなる一般化に伴い、携帯性の向上というユーザーニーズに応えるために、小型化や軽量化を図ったズームレンズが提案されている。
一方、特に小型化や軽量化を図ったズームレンズでは、例えば撮影者がレリーズボタンを押す際に生じるカメラのブレのような、撮影の際に生じるカメラの微小なブレによって、露出中に像がブレてしまう。また、カメラのブレ量を一定とした場合、焦点距離の増長に従って像のブレ量が増大するため、カメラの微小なブレによっても画像が著しく劣化してしまう。
そこで、ズームレンズを像シフト可能なズームレンズとして該ズームレンズに駆動系と検出系と制御系とを組み合わせることによって、上述のカメラのブレに起因する画像のブレを補正する方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。斯かるズームレンズにおいてまず検出系は、カメラのブレを検出する。そして制御系は、検出系よって検出されたブレを補正するため、駆動系に駆動量を与えてシフトレンズ群を制御する。そして駆動系は、シフトレンズ群を光軸に対して略垂直な方向へ駆動させ、カメラのブレに起因する画像のブレを補正する。
【0005】
【特許文献1】
特開平2−81020号公報
【特許文献2】
特開平11−142739号公報
【特許文献3】
特開平10−282413号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般にズームレンズでは、ズームレンズ全体として所定の光学性能を得るため、レンズ群毎に諸収差を補正することが必要である。また、各レンズ群に対して求められる収差を補正した状態(収差補正状態)はある程度の範囲を有しており、一般に変倍比が大きくなるほどその範囲は小さくなる。
一方、像シフト可能な光学系では、像をシフトさせた際に発生する諸収差の変動を抑えるため、シフトレンズ群単独に対して求められる収差補正状態がある。従って、変倍比を大きくした際に良好な光学性能を得るためシフトレンズ群に対して求められる収差補正状態と、像をシフトさせた際に発生する諸収差の変動を良好に補正するためシフトレンズ群に対して求められる収差補正状態とには隔たりがある。このため、高変倍比化を図ることと、像シフト可能な光学系を構成することとの両立は非常に困難であるという問題がある。
【0007】
上記特許文献3に開示のズームレンズは、ズームレンズを構成するレンズ群の数が多い。従って、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際の各レンズ群のズーム軌道について選択の自由度が大きい。このため、高い光学性能を得ることができる。しかしながら、レンズ群を移動させるための駆動機構の複雑化を招くことや、製造時にレンズ群同士の相互偏芯が発生する要因が増えることから、安定した光学品質を維持することが困難であるという問題がある。
【0008】
そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、レンズ系を構成する一部のレンズを光軸に対して略垂直な方向へ移動させることによって像を移動させることが可能な高変倍比のズームレンズを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、
物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを有し、
広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が減少し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が減少するように、少なくとも前記第1レンズ群及び前記第4レンズ群が物体側へ移動し、前記第3レンズ群は、第1補助レンズ群と、第2補助レンズ群と、第3補助レンズ群とを有し、前記第2補助レンズ群は前記第1補助レンズ群の像側に空気間隔を隔てて配置されており、前記第3補助レンズ群は前記第2補助レンズ群の像側に空気間隔を隔てて配置されており、
前記第2補助レンズ群を光軸に対して略垂直な方向へ移動させることによって、像を移動させることが可能であり、
前記第3レンズ群近傍または前記第3レンズ群内部に開口絞りが配置されており、
以下の条件式(1),(2)を満足することを特徴とするズームレンズを提供する。
(1)0.05<Ds/fw<0.7
(2)0.1<ft/fA<1.5
但し、
Ds:前記開口絞りから、前記第2補助レンズ群のレンズ面のうちの前記開口絞りに最も近いレンズ面までの光軸に沿った距離,
fw:広角端状態における前記ズームレンズ全体の焦点距離,
fA:望遠端状態における前記第2補助レンズ群よりも物体側に位置する全てのレンズによる焦点距離,
ft:望遠端状態における前記ズームレンズ全体の焦点距離.
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明によるズームレンズは、従来の正負正正4群タイプのズームレンズと同様、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを有する。そして、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が増大し、第2レンズ群と第3レンズ群との間隔が減少し、第3レンズ群と第4レンズ群との間隔が減少するように、少なくとも第1レンズ群及び第4レンズ群が物体側へ移動する。
高変倍比のズームレンズでは、レンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動を良好に補正するため、開口絞りをレンズ系の中心付近に配置することが望ましい。従って、本発明によるズームレンズでは、開口絞りを第3レンズ群近傍または第3レンズ群内部に配置している。ここで、第3レンズ群の近傍とは、開口絞りが第3レンズ群中に配置されることも含む。
【0011】
上記レンズ構成の下、本発明によるズームレンズは以下の条件(A),(B),(C)を満足する構成とすることによって、像シフト時に発生する諸収差の変動を良好に補正することができる。
(A)第3レンズ群を物体側から順に第1補助レンズ群と第2補助レンズ群と第3補助レンズ群との3つの補助レンズ群で構成し、第2補助レンズ群を光軸に対して略垂直な方向へシフトさせることによって像シフトを行う(第2補助レンズ群をシフトレンズ群とする)。
(B)第2補助レンズ群と開口絞りとの距離を適切に設定する。
(C)第2補助レンズ群よりも物体側に位置する全てのレンズによる焦点距離を適切に設定する。
【0012】
条件(A)は、レンズ位置状態の変化に伴う諸収差の変動と像シフト時に発生する諸収差の変動とを良好に補正するための条件である。
本発明によるズームレンズは、第3レンズ群全体がレンズ位置状態の変化に伴う諸収差の変動を良好に補正し、第2補助レンズ群(シフトレンズ群)が像シフト時に発生する諸収差の変動を良好に補正するように、収差補正上の機能を分ける構成としている。これにより、レンズ位置状態の変化に伴う諸収差の変動を良好に補正し、これと同時に像シフト時に発生する諸収差の変動を良好に補正することができる。
【0013】
条件(B)は、像シフト時に発生する軸外収差の変動を良好に補正するための条件である。
一般に、開口絞りの近くに配置されたレンズ群に入射する軸外光束は、該レンズ群の中央付近を通過する。これに対し、開口絞りから離れて配置されたレンズ群に入射する軸外光束は、光軸から離れて該レンズ群を通過する。
また、各レンズのレンズ面の形状は、光軸を回転中心とした円形状である。このため、シフトレンズ群を光軸に対して略垂直な方向へシフトさせると、シフトさせた方向での屈折力と該方向と反対の方向での屈折力とが逆向きに変化する。即ち、シフトレンズ群のレンズ面のうち、シフトさせた方向側のレンズ面に入射した光は光軸に近づくようにより屈折され、シフトさせた方向と反対側のレンズ面に入射した光は光軸から遠ざかるようにより屈折される。このため、軸外収差の変動が起こりやすくなる。
【0014】
条件(C)は、像シフト時に発生する軸上収差の変動を良好に補正するための条件である。
第2補助レンズ群に入射する軸外光束が平行な状態に近い場合、光軸に平行な状態でレンズ系に入射する光束は、第2補助レンズ群のシフトに併せてその像位置がシフトするが、収差の変動は少ない。
また、第2補助レンズ群よりも物体側に位置する全てのレンズによる焦点距離が負となる場合、第2補助レンズ群に軸上光束が広がって入射するため、球面収差の補正を十分に行うことができない。
従って、第2補助レンズ群よりも物体側に位置する全てのレンズが全体として正の屈折力を有し、さらにこの正の屈折力があまり大きくない時に、軸上収差の変動を良好に補正することができる。
【0015】
次に、各条件式について詳細に説明する。
以下の条件式(1)は、上記条件(B)を具体的に数値規定する条件式であり、広角端状態における開口絞りから第3レンズ群中に配置された第2補助レンズ群までの間隔を規定する条件式である。
(1)0.05<Ds/fw<0.7
但し、
Ds:開口絞りから、第2補助レンズ群のレンズ面のうちの開口絞りに最も近いレンズ面までの光軸に沿った距離,
fw:広角端状態におけるズームレンズ全体の焦点距離.
【0016】
条件式(1)の上限値を上回ると、広角端状態においてシフトレンズ群に入射する軸外光束が光軸から大きく離れてしまう。このため、像シフト時に発生する軸外収差の変動を良好に補正することができなくなってしまう。
一方、条件式(1)の下限値を下回ると、シフトレンズ群と開口絞りとの間に十分なスペースを設けることができず、小絞り時(開口を小さく絞った時)に絞り羽根とシフトレンズ群との干渉が起こってしまう。あるいは、各部品の公差によって、製造時にシフトレンズ群が絞り部材に触れてしまうという恐れが生じてしまう。
【0017】
条件式(2)は、上記条件(C)を具体的に数値規定する条件式である。
(2)0.1<ft/fA<1.5
但し、
fA:望遠端状態における第2補助レンズ群よりも物体側に位置する全てのレンズによる焦点距離,
ft:望遠端状態におけるズームレンズ全体の焦点距離.
【0018】
条件式(2)の上限値を上回ると、軸上光束が大きく収斂されて第2補助レンズ群に入射する。このため、像シフト時に発生する軸上収差の変動が非常に大きくなってしまう。
一方、条件式(2)の下限値を下回ると、軸上光束が広がって第2補助レンズ群に入射する。このため、軸上収差の補正を十分に行うことができなくなってしまう。
尚、第2補助レンズ群のレンズ径は、該第2補助レンズ群を光軸に対して略垂直な方向へシフトさせるための駆動系の大きさに直接結び付くものである。従って、第2補助レンズ群のレンズ径を小型化して携帯性の向上を図るためには、条件式(2)の下限値を0.15とすることが望ましい。
【0019】
上記構成の下、本発明によるズームレンズは、第3レンズ群を構成する各補助レンズ群が以下の条件(D),(E),(F)を満足する構成とすることによって、レンズ径の小型化を図ることと像シフト時に発生する諸収差の変動をより良好に補正することができる。
(D)第1補助レンズ群の屈折力を正とし、その焦点距離を適切に設定する。
(E)第2補助レンズ群の屈折力を正とし、その形状を適切に設定する。
(F)第3補助レンズ群の屈折力を負とする。
【0020】
条件(D)は、望遠端状態において、小型化を図り、画面中心部でより良好に収差の補正を行うための条件である。
本発明によるズームレンズは、従来の正負正正4群タイプのズームレンズと同様、第1レンズ群と第2レンズ群との合成屈折力が負である。従って、上記条件(C)を満足するために本発明によるズームレンズは、第2レンズ群と第2補助レンズ群との間に位置する第1補助レンズ群が正の屈折力を有する構成とする。
ここで、小型化を図るためには第1補助レンズ群の屈折力を大きくすることが有効である。しかし、第1補助レンズ群の屈折力を大きくし過ぎると望遠端状態において負の球面収差の補正を十分に行うことができなくなってしまう。
【0021】
従って本発明によるズームレンズは、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3)0.06<fa/ft<0.2
但し、
fa:第1補助レンズ群の焦点距離,
ft:望遠端状態におけるズームレンズ全体の焦点距離.
【0022】
条件式(3)は、第1補助レンズ群の焦点距離を規定する条件式である。
条件式(3)の上限値を上回ると、望遠端状態におけるズームレンズの全長が大型化してしまう。
一方、条件式(3)の下限値を下回ると、望遠端状態において発生する負の球面収差を良好に補正することができなくなってしまう。
【0023】
条件(E)は、像シフト時にシフトレンズ群単独によって画面中心部において発生する偏芯コマ収差の良好な補正を行うための条件である。
一般にシフトレンズ群は、正の屈折力を有していても、負の屈折力を有していても像シフトを行うことが可能である。本発明によるズームレンズでは、広角端状態における画角が大きいため、シフトレンズ群が負の屈折力を有する場合、光束を発散させてしまう。このため、レンズ径の大型化を招いてしてしまうだけでなく、画面周辺部に向かう軸外光束がレンズの周縁部を通過することからコマ収差が多大に発生してしまう。従って本発明によるズームレンズでは、シフトレンズ群である第2補助レンズ群が正の屈折力を有する構成としている。
また、像シフト時にシフトレンズ群単独によって画面中心部において発生する偏芯コマ収差を良好に補正するために、シフトレンズ群の形状を適切に設定することが望ましい。このためにはシフトレンズ群単独で発生する球面収差を良好に補正することに加え、正弦条件を満足する構成とすることが必要である。
【0024】
従って本発明によるズームレンズは、第2補助レンズ群が1枚の正レンズと1枚の負レンズとを少なくとも有し、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4)−0.6<(na/ra)/(nb/rb)<0
但し、
ra:第2補助レンズ群中の最も物体側のレンズ面の曲率半径,
na:第2補助レンズ群中の最も物体側のレンズのd線に対する屈折率,
rb:第2補助レンズ群中の最も像側のレンズ面の曲率半径,
nb:第2補助レンズ群中の最も像側のレンズのd線に対する屈折率.
【0025】
条件式(4)は、第2補助レンズ群の形状を適切に規定する条件式であり、像シフト時にシフトレンズ群単独によって画面中心部において発生する偏芯コマ収差を良好に補正するための条件式である。上述のように、本発明によるズームレンズではシフトレンズ群単独で発生する球面収差を補正すると同時に正弦条件を満足している。
条件式(4)の上限値を上回ると、正弦条件が大きくマイナスとなって像シフト時に画面中心部において内向性のコマ収差が大きく発生してしまう。
一方、条件式(4)の下限値を下回ると、正弦条件が大きくプラスとなって像シフト時に画面中心部において外向性のコマ収差が大きく発生してしまう。
【0026】
本発明によるズームレンズは、各レンズ群の収差補正上の機能を明確にすることによって、焦点距離状態の変化に伴う諸収差の変動を良好に補正している。
本発明によるズームレンズは、広角端状態において、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔をできるだけ小さくし、第2レンズ群と開口絞りとの間隔をある程度大きくする構成としている。これにより、第1レンズ群を通過する軸外光束を光軸に近づけ、第2レンズ群を通過する軸外光束を光軸から離している。
また本発明によるズームレンズは、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔を大きくし、かつ第2レンズ群と開口絞りとの間隔を小さくするように第1レンズ群と第2レンズ群とを移動させる構成としている。これにより、第1レンズ群を通過する軸外光束を光軸から離し、第2レンズ群を通過する軸外光束を光軸に近づけている。
このように本発明によるズームレンズでは、第1レンズ群と第2レンズ群を通過する軸外光束の高さを変化させることによって、レンズ位置状態の変化に伴って発生する軸外収差の変動を良好に補正している。
【0027】
さらに本発明によるズームレンズは、広角端状態において、第3レンズ群と第4レンズ群との間隔を大きくする構成としている。これにより、第4レンズ群を通過する軸外光束を光軸から離している。
また本発明によるズームレンズは、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第3レンズ群と第4レンズ群との間隔を小さくする構成としている。これにより、第4レンズ群を通過する軸外光束が光軸に近づくように変化させ、レンズ位置状態の変化に伴って発生する軸外収差の変動をより良好に補正している。
【0028】
以上のように本発明によるズームレンズは、第1レンズ群が望遠端状態において発生する軸外収差の補正を主に行い、第2レンズ群が広角端状態において発生する軸外収差の補正を主に行い、第4レンズ群も広角端状態において発生する軸外収差の補正を主に行う構成である。尚、第2レンズ群と第4レンズ群は、開口絞りを挟んでそれぞれ物体側と像側に配置されるため収差補正上の役割が異なる。
そして本発明によるズームレンズは、開口絞りは第3レンズ群の近傍に配置されており、軸外光束は該第3レンズ群の光軸付近を通過するため軸外収差の発生が少ない。このため、第3レンズ群は軸上収差の補正を主に行う。
本発明によるズームレンズは、第3レンズ群より射出される軸上光束を平行光に近づける構成としている。これにより、第3レンズ群と第4レンズ群との間隔の変化によって軸上収差は変化せずに軸外収差だけを変化させることが可能となり、レンズ位置状態の変化に伴って発生する像面湾曲の変動を良好に補正している。
【0029】
条件(F)は、第3レンズ群より射出される軸外光束を平行光に近づけるための条件である。
本発明によるズームレンズは、第3レンズ群中の第1補助レンズ群と第2補助レンズが正の屈折力を有し、第3レンズ群から射出される軸外光束を平行光に近づける構成とするために、第3補助レンズ群が負の屈折力を有することが望ましい。
【0030】
特に本発明によるズームレンズは、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
(5)0.5<|fc|/f3<0.9
但し、
fc:第3補助レンズ群の焦点距離,
f3:第3レンズ群の焦点距離.
【0031】
条件式(5)は、本発明によるズームレンズのより高い光学性能を実現するため、第3補助レンズ群の焦点距離を適切に規定する条件式である。
条件式(5)の上限値を上回ると、広角端状態における負の歪曲収差をより良好に補正することができなくなってしまう。
条件式(5)の下限値を下回ると、第3補助レンズ群において発生する正の球面収差をより良好に補正することができなくなってしまう。
【0032】
また本発明によるズームレンズは、第3補助レンズ群が、物体側に凹面を向けた負レンズを最も物体側に有し、以下の条件式(6)を満足することが望ましい。
(6)0.5<|rc|/f3<0.75
但し、
rc:第3補助レンズ群中の最も物体側に配置された負レンズの物体側のレンズ面の曲率半径,
f3:第3レンズ群の焦点距離.
【0033】
条件式(6)は、像シフト時に発生する諸収差の変動のより良好な補正を行うための条件式であり、第3補助レンズ群中の最も物体側に配置された負レンズの物体側のレンズ面の曲率半径を規定する条件式である。
条件式(6)の上限値を上回ると、像シフト時、広角端状態において画面周辺部の性能劣化が大きくなってしまう。
一方、条件式(6)の下限値を下回ると、像シフト時、望遠端状態において画面中心部の性能劣化が大きくなってしまう。
【0034】
本発明によるズームレンズは、非球面レンズを適切に配置することによって、より高い光学性能を実現することが可能である。
レンズ位置状態にかかわらず画面中心部の光学性能の向上を図るためには、第3レンズ群における第1補助レンズ群中の1つのレンズ面を非球面とすることが望ましい。
広角端状態において画角の変化によるコマ収差の変動を極めて良好に補正するためには、第2レンズ群中或いは第4レンズ群中の少なくとも1つのレンズ面を非球面とすることが望ましい。また、第2レンズ群と第4レンズ群の両方に非球面レンズを配置することによってさらなる高性能化を図ることも可能である。
【0035】
尚、本発明によるズームレンズは近距離合焦時に第2レンズ群を光軸方向に移動させる構成とすることが、諸収差の変動を抑えるために適している。
また本発明は、ズームレンズに限られるものでなく、例えば焦点距離状態が連続的に存在しない、いわゆるバリフォーカルズームレンズに適用することもできる。
さらに本発明によるズームレンズは、第4レンズ群の像側に付加的なレンズを配置することによって射出瞳位置を像面位置から遠ざけ、CCD等の光電変換素子を受光素子として用いる光学系に適用することも可能である。これは光電変換素子を受光素子として用いた場合に、素子面の直前にマイクロレンズアレイを配置するために射出瞳位置を像面位置から遠ざける必要があるからである。尚、受光光量が少ない場合ノイズが発生しやすく、短時間での露出を行うことができないという問題を生じるため、マイクロレンズアレイは受光光量を増大させる目的で配置される。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の各実施例に係るズームレンズを添付図面に基づいて説明する。各実施例において、非球面の形状は以下の非球面式で表される。尚、yは光軸からの高さ、xはサグ量、cは基準曲率(近軸曲率)、κは円錐定数、C,C,C,C10は各々4,6,8,10次の非球面係数とする。
【0037】
【数1】
Figure 2004258509
【0038】
図1は、本発明の各実施例に係る可変焦点距離レンズ系(ズームレンズ)の屈折力配分を示す図である。
本発明の各実施例に係るズームレンズは、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とから構成されている。そして、広角端状態(W)から望遠端状態(T)への変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔は減少するように、少なくとも第1レンズ群G1及び第4レンズ群G4が物体側へ移動する。
【0039】
(第1実施例)
図2は、本発明の第1実施例に係るズームレンズのレンズ構成を示す図である。
本実施例に係るズームレンズにおいて第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合レンズL11と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL12とから構成されている。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、像側に凹面を向けた負レンズL21と、物体側に凹面を向けた負レンズL22と、物体側に凸面を向けた正レンズL23と、物体側に凹面を向けた負レンズL24とから構成されている。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸形状の正レンズと物体側に凹面を向けた負レンズとの接合正レンズL31と、両凸形状の正レンズと物体側に凹面を向けた負レンズとの接合正レンズL32と、物体側に凹面を向けた負レンズL33とから構成されている。
第4レンズ群G4は、物体側から順に、像側に凸面を向けた正レンズL41と、両凸形状の正レンズと物体側に凹面を向けた負レンズとの接合レンズL42とから構成されている。
【0040】
本実施例に係るズームレンズにおいて開口絞りSは、第3レンズ群G3の物体側に配置され、レンズ位置状態が変化する際に第3レンズ群G3と共に移動する。
また、第2レンズ群G2中の負レンズL21は、物体側レンズ面に非球面形状の薄いプラスチック樹脂層を備えている。
また、本実施例に係るズームレンズは、第3レンズ群G3中の接合正レンズL31が第1補助レンズ群、接合正レンズL32が第2補助レンズ群、負レンズL33が第3補助レンズ群としてそれぞれ機能する構成である。
【0041】
以下の表1に、本発明の第1実施例に係るズームレンズの諸元の値を掲げる。(全体諸元)において、fは焦点距離、FNOはFナンバー、2ωは画角(単位:度)をそれぞれ示す。
(レンズデータ)において、面は物体側からのレンズ面の順序、間隔はレンズ面の間隔をそれぞれ示す。また、屈折率はd線(λ=587.6nm)に対する値である。さらに、曲率半径0.0000は平面を示し、Bfはバックフォーカスを示す。
【0042】
ここで、以下の全ての諸元値において掲載されている焦点距離f、曲率半径、間隔、その他長さの単位は一般に「mm」が使われる。しかし光学系は、比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるため、これに限られるものではない。
尚、以下の全実施例の諸元値において、本実施例と同様の符号を用いる。
【0043】
【表1】
Figure 2004258509
Figure 2004258509
(非球面係数)
第6レンズ面と第16レンズ面と第25レンズ面とは非球面であり、それぞれの非球面係数を以下に示す。
Figure 2004258509
(可変間隔データ)
レンズ位置状態が変化する際の可変間隔を以下に示す。
Figure 2004258509
(シフトレンズ群のシフト量)
半画角0.3度に相当する量だけ像シフトさせるために必要な第2補助レンズ群のシフト量δbを以下に示す。
Figure 2004258509
【0044】
図3(a),(b),(c)はそれぞれ、本発明の第1実施例に係るズームレンズの広角端状態(f=28.80)、中間焦点距離状態(f=100.00)、望遠端状態(f=291.00)における無限遠合焦時の諸収差図である。
図4(a),(b),(c)はそれぞれ、本発明の第1実施例に係るズームレンズの広角端状態(f=28.80)、中間焦点距離状態(f=100.00)、望遠端状態(f=291.00)における無限遠合焦時に第2補助レンズ群を上記表1に示す量だけシフトさせた際のコマ収差図である。
【0045】
図3及び図4は、d線(λ=587.6nm)の収差を示す収差図である。
図3(a),(b),(c)において、FNOはFナンバー、ωは半画角、Yは像高をそれぞれ示す。球面収差図では最大口径に対応するFナンバーの値を示し、非点収差図及び歪曲収差図では像高の最大値をそれぞれ示す。また、コマ収差図では各半画角と各像高0、10.8、15.12、18.34、21.6の値を示す。さらに、球面収差図において、実線は球面収差、点線はサイン・コンディションをそれぞれ示す。非点収差図において、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面をそれぞれ示す。
図4(a),(b),(c)において、ωは半画角、Yは像高をそれぞれ示す。また図4は、像高Y=−15.0,0.0,+15.0の値を示す。
尚、以下に示す各実施例の諸収差図において、本実施例と同様の符号を用いる。
【0046】
図3(a),(b),(c)より、本実施例に係るズームレンズは、諸収差を良好に補正し、優れた結像性能を有していることがわかる。
図4(a),(b),(c)より、本実施例に係るズームレンズは、像シフト時における諸収差の変動を良好に補正していることがわかる。
【0047】
(第2実施例)
図5は、本発明の第2実施例に係るズームレンズのレンズ構成を示す図である。
本実施例に係るズームレンズにおいて第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合レンズL11と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL12とから構成されている。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、像側に凹面を向けた負レンズL21と、物体側に凹面を向けた負レンズL22と、物体側に凸面を向けた正レンズL23と、物体側に凹面を向けた負レンズL24とから構成されている。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸レンズと物体側に凹面を向けた負レンズとの接合正レンズL31,物体側に凸面を向けた正レンズL32と、両凸形状の正レンズと物体側に凹面を向けた負レンズとの接合正レンズL33と、両凹形状の負レンズと像側に凸面を向けた正レンズとの接合負レンズL34とから構成されている。
第4レンズ群G4は、物体側から順に、像側に凸面を向けた正レンズL41と、両凸形状の正レンズと物体側に凹面を向けた負レンズとの接合レンズL42とから構成されている。
【0048】
本実施例に係るズームレンズにおいて開口絞りSは、第3レンズ群G3中に配置され、レンズ位置状態が変化する際に第3レンズ群G3と共に移動する。
また、第2レンズ群G2中の負レンズL21は、物体側レンズ面に非球面形状の薄いプラスチック樹脂層を備えている。
また本実施例に係るズームレンズは、第3レンズ群G3中の接合正レンズL31と正レンズL32とが第1補助レンズ群、接合正レンズL33が第2補助レンズ群、接合負レンズL34が第3補助レンズ群としてそれぞれ機能する構成である。
以下の表2に、本発明の第2実施例に係るズームレンズの諸元の値を掲げる。
【0049】
【表2】
Figure 2004258509
Figure 2004258509
(非球面係数)
第6レンズ面と第18レンズ面と第28レンズ面とは非球面であり、それぞれの非球面係数を以下に示す。
Figure 2004258509
(可変間隔データ)
レンズ位置状態が変化する際の可変間隔を以下に示す。
Figure 2004258509
(シフトレンズ群のシフト量)
半画角0.3度に相当する量だけ像シフトさせるために必要な第2補助レンズ群のシフト量δbを以下に示す。
Figure 2004258509
【0050】
図6(a),(b),(c)はそれぞれ、本発明の第2実施例に係るズームレンズの広角端状態(f=28.80)、中間焦点距離状態(f=100.00)、望遠端状態(f=290.99)における無限遠合焦時の諸収差図である。
図7(a),(b),(c)はそれぞれ、本発明の第2実施例に係るズームレンズの広角端状態(f=28.80)、中間焦点距離状態(f=100.00)、望遠端状態(f=290.99)における無限遠合焦時に第2補助レンズ群を上記表2に示す量だけシフトさせた際のコマ収差図である。
【0051】
図6(a),(b),(c)より、本実施例に係るズームレンズは、諸収差を良好に補正し、優れた結像性能を有していることがわかる。
図7(a),(b),(c)より、本実施例に係るズームレンズは、像シフト時における諸収差の変動を良好に補正していることがわかる。
【0052】
(第3実施例)
図8は、本発明の第3実施例に係るズームレンズのレンズ構成を示す図である。
本実施例に係るズームレンズにおいて第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合レンズL11と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL12とから構成されている。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、像側に凹面を向けた負レンズL21と、物体側に凹面を向けた負レンズL22と、物体側に凸面を向けた正レンズL23と、物体側に凹面を向けた負レンズL24とから構成されている。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸形状の正レンズと物体側に凹面を向けた負レンズとの接合正レンズL31と、物体側に凸面を向けた正レンズL32と、両凸形状の正レンズと物体側に凹面を向けた負レンズとの接合正レンズL33と、物体側に凹面を向けた負レンズL34とから構成されている。
第4レンズ群G4は、物体側から順に、像側に凸面を向けた正レンズL41と、両凸形状の正レンズと物体側に凹面を向けた負レンズとの接合レンズL42とから構成されている。
【0053】
本実施例に係るズームレンズにおいて開口絞りSは、第3レンズ群G3の物体側に配置され、レンズ位置状態が変化する際に第3レンズ群G3と共に移動する。
また、第2レンズ群G2中の負レンズL21は、物体側レンズ面に非球面形状の薄いプラスチック樹脂層を備えている。
また、本実施例に係るズームレンズは、第3レンズ群G3中の接合正レンズL31と正レンズL32とが第1補助レンズ群、接合正レンズL33が第2補助レンズ群、負レンズL34が第3補助レンズ群として機能する構成である。
以下の表3に、本発明の第3実施例に係るズームレンズの諸元の値を掲げる。
【0054】
【表3】
Figure 2004258509
Figure 2004258509
(非球面係数)
第6レンズ面と第16レンズ面と第28レンズ面とは非球面であり、それぞれの非球面係数を以下に示す。
Figure 2004258509
(可変間隔データ)
レンズ位置状態が変化する際の可変間隔を以下に示す。
Figure 2004258509
(シフトレンズ群のシフト量)
半画角0.3度に相当する量だけ像シフトさせるために必要な第2補助レンズ群のシフト量δbを以下に示す。
Figure 2004258509
【0055】
図9(a),(b),(c)はそれぞれ、本発明の第3実施例に係るズームレンズの広角端状態(f=28.80)、中間焦点距離状態(f=100.00)、望遠端状態(f=291.00)における無限遠合焦時の諸収差図を示す。
図10(a),(b),(c)はそれぞれ、本発明の第3実施例に係るズームレンズの広角端状態(f=28.80)、中間焦点距離状態(f=100.00)、望遠端状態(f=291.00)における無限遠合焦時に第2補助レンズ群を上記表3に示す量だけシフトさせた際のコマ収差図を示す。
【0056】
図9(a),(b),(c)より、本実施例に係るズームレンズは、諸収差を良好に補正し、優れた結像性能を有していることがわかる。
図10(a),(b),(c)より、本実施例に係るズームレンズは、像シフト時における諸収差の変動を良好に補正していることがわかる。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、広角端状態におけるレンズ全長が比較的短く、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際のレンズ全長の変化が少なく、レンズ系を構成する一部のレンズを光軸に対して略垂直な方向へ移動させることによって像を移動させることが可能な高変倍比のズームレンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施例に係る可変焦点距離レンズ系(ズームレンズ)の屈折力配分を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例に係るズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図3】(a),(b),(c)はそれぞれ、本発明の第1実施例に係るズームレンズの広角端状態(f=28.80)、中間焦点距離状態(f=100.00)、望遠端状態(f=291.00)における無限遠合焦時の諸収差図である。
【図4】(a),(b),(c)はそれぞれ、本発明の第1実施例に係るズームレンズの広角端状態(f=28.80)、中間焦点距離状態(f=100.00)、望遠端状態(f=291.00)における無限遠合焦時に第2補助レンズ群をシフトさせた際のコマ収差図である。
【図5】本発明の第2実施例に係るズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図6】(a),(b),(c)はそれぞれ、本発明の第2実施例に係るズームレンズの広角端状態(f=28.80)、中間焦点距離状態(f=100.00)、望遠端状態(f=290.99)における無限遠合焦時の諸収差図である。
【図7】(a),(b),(c)はそれぞれ、本発明の第2実施例に係るズームレンズの広角端状態(f=28.80)、中間焦点距離状態(f=100.00)、望遠端状態(f=290.99)における無限遠合焦時に第2補助レンズ群をシフトさせた際のコマ収差図である。
【図8】本発明の第3実施例に係るズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図9】(a),(b),(c)はそれぞれ、本発明の第3実施例に係るズームレンズの広角端状態(f=28.80)、中間焦点距離状態(f=100.00)、望遠端状態(f=291.00)における無限遠合焦時の諸収差図である。
【図10】(a),(b),(c)はそれぞれ、本発明の第3実施例に係るズームレンズの広角端状態(f=28.80)、中間焦点距離状態(f=100.00)、望遠端状態(f=291.00)における無限遠合焦時に第2補助レンズ群をシフトさせた際のコマ収差図である。
【符号の説明】
G1:第1レンズ群
G2:第2レンズ群
G3:第3レンズ群
G4:第4レンズ群
S :開口絞り
I :像面

Claims (5)

  1. 物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを有し、
    広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が減少し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が減少するように、少なくとも前記第1レンズ群及び前記第4レンズ群が物体側へ移動し、
    前記第3レンズ群は、第1補助レンズ群と、第2補助レンズ群と、第3補助レンズ群とを有し、前記第2補助レンズ群は前記第1補助レンズ群の像側に空気間隔を隔てて配置されており、前記第3補助レンズ群は前記第2補助レンズ群の像側に空気間隔を隔てて配置されており、
    前記第2補助レンズ群を光軸に対して略垂直な方向へ移動させることによって、像を移動させることが可能であり、
    前記第3レンズ群近傍または前記第3レンズ群内部に開口絞りが配置されており、
    以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
    0.05<Ds/fw<0.7
    0.1<ft/fA<1.5
    但し、
    Ds:前記開口絞りから、前記第2補助レンズ群のレンズ面のうちの前記開口絞りに最も近いレンズ面までの光軸に沿った距離,
    fw:広角端状態における前記ズームレンズ全体の焦点距離,
    fA:望遠端状態における前記第2補助レンズ群よりも物体側に位置する全てのレンズによる焦点距離,
    ft:望遠端状態における前記ズームレンズ全体の焦点距離.
  2. 請求項1に記載のズームレンズにおいて、
    前記第1補助レンズ群は、正の屈折力を有するとともに、
    以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
    0.06<fa/ft<0.2
    但し、
    fa:前記第1補助レンズ群の焦点距離.
  3. 請求項1又は請求項2に記載のズームレンズにおいて、
    前記第2補助レンズ群は、1枚の正レンズと1枚の負レンズとを少なくとも有し、正の屈折力を有するとともに、
    以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
    −0.6<(na/ra)/(nb/rb)<0
    但し、
    ra:前記第2補助レンズ群中の最も物体側のレンズ面の曲率半径,
    na:前記第2補助レンズ群中の最も物体側のレンズのd線に対する屈折率,
    rb:前記第2補助レンズ群中の最も像側のレンズ面の曲率半径,
    nb:前記第2補助レンズ群中の最も像側のレンズのd線に対する屈折率.
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のズームレンズにおいて、
    前記第3補助レンズ群は、負の屈折力を有するとともに、
    以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
    0.5<|fc|/f3<0.9
    但し、
    fc:前記第3補助レンズ群の焦点距離,
    f3:前記第3レンズ群の焦点距離.
  5. 請求項4に記載のズームレンズにおいて、
    前記第3補助レンズ群は、物体側に凹面を向けた負レンズを最も物体側に有し、
    以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
    0.5<|rc|/f3<0.75
    但し、
    rc:前記第3補助レンズ群中の最も物体側に配置された前記負レンズの物体側のレンズ面の曲率半径.
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