JP2004226645A - 可変焦点距離レンズ系 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】物体側より順に、正の第1レンズ群G1と、負の第2レンズ群G2と、正の第3レンズ群G3と、正の第4レンズ群G4とを有し、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が増大するように、少なくとも第1レンズ群G1は物体側へ移動し、第2レンズ群G2は一旦像側へ移動した後に物体側へ移動し、第3レンズ群G3は物体側へ移動し、第3レンズ群G3の近傍には開口絞りSが配置されており、開口絞りSはレンズ位置状態が変化する際に第3レンズ群G3とともに移動し、所定の条件式を満足する。
【選択図】図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変焦点距離レンズ系に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カメラにおいて被写体像を記録する方法として、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の光電変換素子を利用した撮像素子を用いる方法が知られている。この方法による被写体像の記録は、ズームレンズ等の光学系を介して撮像素子面上に被写体像を形成し、該被写体像の光量を光電変換素子によって電気出力に変換して記憶媒体に記録することで行われる。
【0003】
近年の微細加工技術の進歩に伴い、中央演算処理装置(CPU)の高速化や記憶媒体の高集積化が図られている。これにより、これまで取り扱えなかった大容量の画像データを高速に処理できるようになってきている。また、撮像素子においても高集積化や小型化が図られている。この撮像素子の高集積化によってより高い空間周波数の記録が可能となり、撮像素子の小型化によってカメラ全体の小型化を図ることが可能となる。
【0004】
しかしながら、撮像素子の高集積化と小型化により、撮像素子における個々の光電変換素子の受光面積が小さくなる。このため、電気出力が低下し、この低下に伴ってノイズの影響が大きくなってしまう。これを防ぐため、光学系の大口径比化を図ることによって、撮像素子へ到達する光の光量を増大させることが行われている。また、個々の光電変換素子の直前に微小なレンズ素子、いわゆるマイクロレンズアレイを配置することも行われている。
【0005】
光電変換素子の直前に配置されたマイクロレンズアレイは、隣り合う光電変換素子どうしの間へ入射する光束を光電変換素子へ導くことができる。しかしここで、光学系の射出瞳位置が撮像素子に近づく場合、即ち撮像素子に入射する主光線と光軸とのなす角が大きくなる場合、画面周辺部へ向かう軸外光束は光軸に対して大きな角をなし撮像素子へ入射せず、光量不足を招くことになってしまう。したがって、光電変換素子の直前にマイクロレンズアレイを配置することで、上述のように隣り合う光電変換素子どうしの間へ入射する光束を光電変換素子へ導く代わりに、光学系の射出瞳位置に制約を与えることとなってしまう。
【0006】
光電変換素子を利用した撮像素子を用いて被写体像を記録するカメラ、いわゆるデジタルスチルカメラは、現像作業が不要であるため撮影結果を容易に確認できる等、データの取扱いが容易である。しかしこの反面、画質に関して銀塩カメラに劣っていたり、データの処理を行うためのパーソナルコンピュータ等の機器との接続が必要となる。このため、デジタルスチルカメラの普及率は向上していなかった。しかし近年の画質の向上や機器の普及により、デジタルスチルカメラはより一般的に使われるようになってきている。
【0007】
デジタルカメラは、その一般化に伴い、使用される場面も広がってきている。このため、デジタルカメラの携帯性の向上、具体的には小型化および軽量化が図られている。また、これに加えてデジタルカメラの変倍比を高めることは、撮影者の撮影の自由度を高め、例えば被写体により近づいた撮影が可能となることや、室内等のように被写体の位置が近い場合においても広範囲の撮影が可能となること等の利点がある。
【0008】
光電変換素子を利用した撮像素子を用いて被写体像を記録するカメラに好適なズームレンズとして、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを備えたズームレンズ、いわゆる正負正正4群タイプのズームレンズであって、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第1レンズ群と第3レンズ群が物体側へ移動し、第2レンズ群が像側へ移動し、第4レンズ群が一旦物体側へ移動してから像側へ移動する構成のものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、正負正正4群タイプのズームレンズであって、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第1レンズ群と第4レンズ群が固定であり、第2レンズ群と第3レンズ群が移動する構成のものも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
また、一眼レフカメラ用の交換レンズとして、正負正正4群タイプのズームレンズであって、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第1レンズ群と第3レンズ群が物体側へ移動し、第2レンズ群が一旦像側へ移動してから物体側へ移動し、第4レンズ群が一旦物体側へ移動してから像側へ移動する構成のものが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開平7−5361号公報
【特許文献2】
特開2001−242379号公報
【特許文献3】
特開昭57−5012号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光学系の高変倍比化を図る場合、光学系の大型化を引き起こし易く、光学系の高変倍比化を図ることは光学系の小型化を図ることと相反する面が多いという問題がある。特に、光学系の高変倍比化や小型化を図る場合、光学系を構成するレンズ群の屈折力を大きくする傾向にある。このため、レンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動や画角の変化に伴う軸外収差の変動が起こり易く、光学系の高性能化を図ることが困難であるという問題がある。
【0012】
従来の正負正正4群タイプのズームレンズを用いて高変倍比化や小型化を図る場合、上記特許文献2に開示のズームレンズは、可動レンズ群が2つのみであるため、高い変倍比を実現するためには各レンズ群の移動量を大きくしなければならない。このため、ズームレンズが大型化して携帯性の向上に不向きであるという問題がある。
また、上記特許文献1に開示のズームレンズは、開口絞りが他のレンズ群と独立に移動する。このため、レンズ群の移動機構とは別に開口絞りのための移動機構が必要であり、軽量化や小型化に不向きであるという問題がある。
また、上記特許文献3に開示のズームレンズは、広角端状態において第3レンズ群と第4レンズ群とが近づき過ぎる。このため、射出瞳位置を適切な位置に設定することに適していないという問題がある。
【0013】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、小型化と高変倍比化とを図った可変焦点距離レンズ系を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、
物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを有し、
広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が減少し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が増大するように、少なくとも前記第1レンズ群は物体側へ移動し、前記第2レンズ群は一旦像側へ移動した後に物体側へ移動し、前記第3レンズ群は物体側へ移動し、
前記第3レンズ群の近傍には開口絞りが配置されており、当該開口絞りはレンズ位置状態が変化する際に前記第3レンズ群とともに移動し、
以下の条件式(1),(2)を満足することを特徴とする可変焦点距離レンズ系を提供する。
(1)0.15<Δ1/{Z・(fw・ft)1/2}<0.5
(2)0.6<D34W/fw<1.7
但し、
Δ1:広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際の前記第1レンズ群の移動量,
fw:広角端状態における前記可変焦点距離レンズ系全体の焦点距離,
ft:望遠端状態における前記可変焦点距離レンズ系全体の焦点距離,
Z :ズーム比(ft/fw),
D34W:広角端状態における前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との光軸上間隔.
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の可変焦点距離レンズ系は、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群との4つのレンズ群で構成されており、第3レンズ群近傍には開口絞りが配置されている。そして、レンズ系全体の焦点距離が最も短くなる広角端状態から最も長くなる望遠端状態へ向かってレンズ位置状態が変化する際に、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が増大し、第2レンズ群と第3レンズ群との間隔が減少し、第3レンズ群と第4レンズ群との間隔が増大するように、少なくとも第1レンズ群と第3レンズ群がそれぞれ物体側へ移動するように構成されている。
【0016】
一般に多群ズームレンズでは、レンズ位置状態の変化に伴って移動するレンズ群の数が増えるため、レンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動を良好に補正することが可能となる。これにより、望遠端状態における焦点距離を広角端状態における焦点距離で割った値である変倍比を高めることが可能となる。
特に、レンズ位置状態の変化に伴って発生する軸外収差の変動を良好に補正するためには、各レンズ群を積極的に移動させることが肝要である。このため、各レンズ群の移動量を増やすことによって各レンズ群を通過する軸外光束の高さを積極的に変化させ、軸外収差の変動を良好に補正することが可能となる。さらに、開口絞りの物体側および像側のそれぞれに少なくとも1つの可動レンズ群を配置することにより、主光線よりも上方の光線収差および主光線よりも下方の光線収差を良好に補正することが可能となる。
【0017】
特に、本発明の可変焦点距離レンズ系は、以下の条件A,B,Cを満たすように構成されている。
条件A:レンズ位置状態の変化に伴う第1レンズ群の移動量を適切に設定する。
条件B:レンズ位置状態が変化する際に、第2レンズ群が一旦像側へ移動してから物体側へ移動する。
条件C:広角端状態における第3レンズ群と第4レンズ群との間隔を適切に設定する。
【0018】
本発明の可変焦点距離レンズ系は、広角端状態から望遠端状態へ向かってレンズ位置状態が変化する際に、第1レンズ群が物体側へ移動することによって、広角端状態において第1レンズ群を通過する軸外光束が光軸から離れないようにし、さらに望遠端状態において第1レンズ群を通過する軸上光束が強く収斂されるようにしている。このような構成にすることによって、第1レンズ群のレンズ径を小さくすることができ、さらに望遠端状態におけるレンズ系の全長を短縮することができる。しかし、第1レンズ群の移動量を増やすほど、第1レンズ群を通過する軸外光束が光軸から離れ、レンズ径の大型化を引き起こすこととなる。このため、本発明の可変焦点距離レンズ系において、条件Aが肝要である。
【0019】
また、本発明の可変焦点距離レンズ系は、広角端状態において第1レンズ群と第2レンズ群とを隣接させて、第1レンズ群を通過する軸外光束が光軸から離れ過ぎないようにしている。これにより、第1レンズ群での軸外収差の発生を抑えるとともに、第2レンズ群で軸外収差の補正を行うことができる。
また、本発明の可変焦点距離レンズ系は、レンズ位置状態の変化に伴って発生する軸外収差の変動を良好に抑えるため、広角端状態から望遠端状態へ向ってレンズ位置状態が変化する際に、第1レンズ群が物体側へ移動するのに対し、第2レンズ群が一旦像側へ移動する。これにより、第1レンズ群を通過する軸外光束が光軸から離れ、軸外収差の補正を行うことができる。
また、本発明の可変焦点距離レンズ系において、レンズ位置状態が変化して望遠端状態へ近づいた際に、第1レンズ群と第2レンズ群とが離れ過ぎると軸外光束が光軸から離れ過ぎることとなってしまう。このため、本発明の可変焦点距離レンズ系は、広角端状態から望遠端状態へのレンズ位置状態の変化に伴い像側へ移動した第2レンズ群は、望遠端状態に近づくと物体側へ移動するように構成されている。したがって、本発明の可変焦点距離レンズ系において、条件Bが肝要である。
【0020】
また、上述のように、撮像素子を用いて被写体像を記録するカメラにおいて、光学系の射出瞳位置には制約がある。このため、本発明の可変焦点距離レンズ系は、特に、レンズ系への入射角度が大きくなる広角端状態では、射出瞳位置を撮像素子面から遠ざけるために、第3レンズ群と第4レンズ群との間隔を大きくしている。このため、本発明の可変焦点距離レンズ系において、条件Cが肝要である。
【0021】
以上の構成により、本発明の可変焦点距離レンズ系は、光学性能の向上、小型化、および高変倍比化を実現することができる。したがって、カメラの携帯性の向上と撮像素子の高集積化に伴い可変焦点距離レンズ系に対して求められる小型化と光学性能の向上に対応することができる。
【0022】
以下、本発明の可変焦点距離レンズ系についての条件式を説明する。
上記条件式(1)は、第1レンズ群の移動量を規定する条件式であり、上述の条件Aを具体的に数値限定するものである。
条件式(1)の上限値を上回ると、望遠端状態において第1レンズ群を通過する軸外光束が光軸から大きく離れる。このため、レンズ径の小型化を十分に図ることができなくなってしまう。一方、条件式(1)の下限値を下回ると、広角端状態におけるレンズ全長が大きくなる。これにより、広角端状態において第1レンズ群と第2レンズ群を通過する軸外光束が光軸から離れ、レンズ径の小型化を十分に図ることができなくなってしまう。尚、望遠端状態におけるレンズ全長が短くなると、第1レンズ群による収斂作用を強めなければならず、望遠端状態において発生する負の球面収差を良好に補正することができなくなってしまう。
【0023】
上記条件式(2)は、第3レンズ群と第4レンズ群との広角端状態における光軸上間隔を規定する条件式である。
条件式(2)の上限値を上回ると、レンズ系全体が長くなり、レンズ系の小型化を十分に図ることができなくなってしまう。一方、条件式(2)の下限値を下回ると、広角端状態における射出瞳位置が撮像素子に近づき過ぎることとなってしまう。
また、本発明の可変焦点距離レンズ系では、条件式(2)が小さくなると、第3レンズ群を構成する各レンズ群の屈折力が大きくなり易い。このため、量産時に安定した光学品質を維持するためには、条件式(2)の下限値を0.7とすることが望ましい。
【0024】
本発明の可変焦点距離レンズ系は、レンズ位置状態の変化に伴い発生する諸収差の変動をより良好に補正するために、上記条件A,B,Cを満足し、さらに以下の条件D,Eを満足するように構成することが望ましい。
条件D:広角端状態における第2レンズ群と第3レンズ群との間隔を適切に設定する。
条件E:レンズ位置状態の変化に伴う第3レンズ群の移動量を適切に設定する。
【0025】
本発明の可変焦点距離レンズ系は、広角端状態において第1レンズ群と第2レンズ群とが全体で負の屈折力を有し、発散された光束を第3レンズ群によって収斂する。このため、第2レンズ群と第3レンズ群との間隔を広げすぎると、第3レンズ群に入射する軸上光束が広がり、負の球面収差が大きく発生してしまう。逆に、広角端状態において第2レンズ群と第3レンズ群とを近づけると、第2レンズ群を通過する軸外が光軸に近づき、画角の変化による軸外収差の変動を良好に補正することができなくなってしまう。このため、本発明の可変焦点距離レンズ系において、広角端状態における軸外収差をより良好に補正するために、条件Dが肝要である。
【0026】
また本発明の可変焦点距離レンズ系では、第2レンズ群と第3レンズ群との間隔を広げると同時に、第3レンズ群の移動量を適切に設定している。
第3レンズ群は、第2レンズ群によって発散された光束を収斂させるために、大きな正の屈折力を有する。これにより、第3レンズ群の移動量が大きくなると、レンズ位置状態が変化する際の第3レンズ群の使用倍率が大きく変化するようになる。このため、レンズ位置状態の変化に伴い発生する負の球面収差を良好に補正することが困難となってしまう。したがって、本発明の可変焦点距離レンズ系において、レンズ位置状態に関わらず画面中心部において高い光学性能を実現するために、条件Eが肝要である。
【0027】
本発明の可変焦点距離レンズ系は、上記条件D,Eをバランス良く満足するため、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3)0.7<D23W/Δ3<2.5
但し、
D23W:広角端状態における第2レンズ群と第3レンズ群との光軸上間隔,
Δ3:広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際の第3レンズ群の移動量.
【0028】
条件式(3)は、広角端状態における第2レンズ群と第3レンズ群との間隔と、レンズ位置状態の変化に伴う第3レンズ群の移動量との比を規定する条件式であり、レンズ位置状態が変化する際の第2レンズ群の使用倍率の変化と第3レンズ群の使用倍率の変化との割合を規定する条件式である。
条件式(3)の上限値を上回ると、レンズ位置状態が変化する際に、第2レンズ群の使用倍率の変化が大きくなる。
本発明の可変焦点距離レンズ系において、第2レンズ群は唯一の負レンズ群でありその屈折力は大きく、レンズ位置状態が変化する際に第2レンズ群を通過する軸外光束は大きく変化する。これにより、第2レンズ群の使用倍率が大きく変化すると、レンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動が大きくなるため、高性能化を十分に図ることができなくなってしまう。
【0029】
一方、条件式(3)の下限値を下回ると、レンズ位置状態が変化する際に、第3レンズ群の使用倍率の変化が大きくなる。上述のように、第3レンズ群の使用倍率が大きく変化すると、使用倍率の変化に伴い発生する負の球面収差の変動が大きくなるため、高性能化を十分に図ることができなくなってしまう。
【0030】
本発明の可変焦点距離レンズ系は、小型化と高性能化とのバランスを図るため、開口絞りが第3レンズ群の物体側近傍に配置されており、当該開口絞りはレンズ位置状態が変化する際に第3レンズ群と一体的に移動し、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4)0.7<Σ3/fw<1.5
但し、
Σ3:開口絞りから第3レンズ群の最も像側のレンズ面までの光軸上距離.
【0031】
レンズ位置状態の変化に伴い発生する軸外収差の変動を良好に補正するために、レンズ系の中央付近に開口絞りを配置することが望ましい。このため、本発明の可変焦点距離レンズ系では、上述のように開口絞りが第2レンズ群と第3レンズ群との間に配置されて第3レンズ群と一体的に移動する。これにより、第1レンズ群、第2レンズ群、および第4レンズ群を通過する軸外光束の高さがレンズ位置状態の変化によって積極的に変化する。またこれと同時に、大きな正の屈折力を有する第3レンズ群を通過する軸外光束の高さがあまり変化しない。これにより、本発明の可変焦点距離レンズ系は、球面収差の補正を十分に行うことができる。
【0032】
条件式(4)は、第3レンズ群のレンズ厚を規定する条件式である。
条件式(4)の上限値を上回ると、携帯性の向上を損ねることとなってしまう。携帯性の向上を図ったカメラには、携行時にカメラ本体内にレンズを格納し、カメラ使用時にレンズを繰り出す鏡筒、いわゆる珍胴方式の鏡筒が多く用いられる。この場合、カメラの小型化を図るためには各レンズ群の薄肉化が肝要である。しかし、条件式(4)の上限値を越えて第3レンズ群が大きくなると、携行時のレンズ厚が大きくなり、小型化を十分に図ることができなくなってしまう。
一方、条件式(4)の下限値を下回ると、広角端状態において画角の変化によって発生するコマ収差の変動を良好に補正することができなくなってしまう。
【0033】
本発明の可変焦点距離レンズ系は、さらなる小型化と高性能化を図るため、第2レンズ群が、最も物体側に配置された負レンズ成分と、当該負レンズ成分よりも像側に配置された少なくとも1つの正レンズ成分とを有し、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
(5)0.8<Σ2/fw<1.8
但し、
Σ2:第2レンズ群中の最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上距離.
【0034】
本発明の可変焦点距離レンズ系は、レンズ径の小型化を図るために、第2レンズ群の最も物体側に負レンズ成分を有することが望ましい。また、本発明の可変焦点距離レンズ系は、第2レンズ群の主点位置をできるだけ物体側へ移動させ、広角端状態において十分なバックフォーカスを確保するために、前記負レンズ成分の像側に少なくとも1つの正レンズ成分を有することが望ましい。さらに、本発明の可変焦点距離レンズ系は、条件式(5)を満足するように第2レンズ群の最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの軸上間隔を適切に設定することが望ましい。
条件式(5)の上限値を上回ると、広角端状態において、第1レンズ群を通過する軸外光束が光軸から大きく離れる。このため、レンズ径の小型化を十分に図ることができなくなってしまう。一方、条件式(5)の下限値を下回ると、第2レンズ群を通過する軸外光束と軸上光束との高さの差が小さくなる。このため、画角の変化によるコマ収差の変動を良好に補正することができなくなってしまう。
【0035】
本発明の可変焦点距離レンズ系は、極力少ない枚数のレンズで、レンズ位置状態に関わらずより高い光学性能を実現し、これと同時にレンズ系の小型化を実現するため、第2レンズ群、第3レンズ群がそれぞれ以下のように構成されることが望ましい。
まず、第2レンズ群は、物体側より順に、像側に凹面を向けた第1負レンズ成分と、像側に凹面を向けた第2負レンズ成分と、物体側に凸面を向けた正レンズ成分との3つのレンズ成分からなり、当該3つのレンズ成分は、互いに空気間隔を隔てて配置して構成されることが望ましい。この構成により第2レンズ群は、第1負レンズ成分が主に広角端状態で発生する軸外収差の補正を行い、第2負レンズ成分と正レンズ成分とが主に軸上収差の補正を行うことがそれぞれ可能となる。これにより、本発明の可変焦点距離レンズ系は、第2レンズ群において収差補正機能をレンズ毎に分離してレンズ系の簡易構成化を図ることができる。
【0036】
また、本発明の可変焦点距離レンズ系は、上記構成の第2レンズ群が条件式(6)を満足することが望ましい。
(6)1<f2P/|f2|<2
但し、
f2P:第2レンズ群における正レンズ成分の焦点距離,
f2 :第2レンズ群の焦点距離.
【0037】
条件式(6)は、第2レンズ群中の正レンズ成分の焦点距離を規定する条件式である。
条件式(6)の上限値を上回ると、第2レンズ群を構成する各レンズ成分の屈折力が小さくなる。これにより、第2レンズ群を通過する軸外光束が光軸から離れるため、さらなるレンズ径の小型化を図ることができなくなってしまう。一方、条件式(6)の下限値を下回ると、第2レンズ群を構成する各レンズ成分の屈折力が大きくなる。このため、レンズ位置状態の変化に伴って発生するコマ収差の変動をより良く補正することが困難となってしまう。
【0038】
次に、第3レンズ群は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた正レンズ成分と、物体側に凹面を向けた負レンズ成分とを配置して構成されることが望ましい。本発明の可変焦点距離レンズ系は、像面近くに負レンズ成分が存在しないため、負の歪曲収差が発生し易い。このため、第3レンズ群における正レンズ成分の像側に負レンズ成分を配置することによって、レンズ系全体の屈折力配置を対称型に近づけている。これにより、負の歪曲収差をより良好に補正することができる。
【0039】
また、本発明の可変焦点距離レンズ系は、上記構成の第3レンズ群が条件式(7)を満足することが望ましい。
(7)0.6<|f3N|/f3<1.4
但し、
f3N:第3レンズ群における負レンズ成分の焦点距離,
f3 :第3レンズ群の焦点距離.
【0040】
条件式(7)は、第3レンズ群における負レンズ成分の焦点距離を規定する条件式である。
条件式(7)の上限値を上回ると、広角端状態において発生する負の歪曲収差をより良く補正することができなくなってしまう。一方、条件式(7)の下限値を下回ると、第3レンズ群中の各レンズ成分の屈折力が大きくなる。このため、微小の偏心によっても性能が大きく劣化し、製造時に安定した光学品質を維持することができなくなってしまう。
【0041】
本発明の可変焦点距離レンズ系は、非球面レンズを用いることによって、より高い光学性能を実現することができる。
特に、第2レンズ群の最も像側に配置された負レンズ成分の少なくとも一方の面を非球面とすることによって、広角端状態において発生する軸外収差をより良く補正することが可能である。また、負レンズ成分の両側の面を非球面とすることによって、より高い光学性能を実現することも可能である。
また特に、第3レンズ群中の少なくとも一つの面を非球面とすることによって、広角端状態において画面周縁部で発生するコマ収差を良好に補正することが可能である。さらに、好ましくは複数の非球面を1つの光学系に用いることによって、より高い光学性能を実現することができる。
【0042】
また、本発明の可変焦点距離レンズ系は、小型化を達成するためにレンズ枚数を極力少なくしている。しかし、例えば第3レンズ群を構成する3つのレンズ成分のうちの少なくとも1つのレンズ成分を接合レンズとすることによって、より高い光学性能を実現することができる。また、第2レンズ群を構成するレンズ成分のうちの少なくとも1つのレンズ成分を接合レンズとすることによって、より高い光学性能を実現することができる。
【0043】
また、本発明の可変焦点距離レンズ系は、該レンズ系を構成するレンズ群のうちの1つのレンズ群全体、またはレンズ群中の一部のレンズを光軸に対してほぼ垂直な方向にシフトさせることによって、像をシフトさせることが可能である。これにより、本発明の可変焦点距離レンズ系は、カメラのブレを検出するためのブレ検出系と、上記1つのレンズ群全体、またはレンズ群中の一部のレンズをシフトさせるための駆動系と、ブレ検出系で検出されたブレを補正するように駆動系を制御するための制御系と組み合わせることで、防振光学系として機能させることができる。
【0044】
また、本発明の可変焦点距離レンズ系は、近距離合焦時に第2レンズ群乃至第4レンズ群を光軸方向に移動させることが、諸収差の変動を抑えることに適している。特に、以下の実施例において第4レンズ群は、1枚の正レンズで構成されているが、近距離合焦時に発生する軸外収差の変動をより良く補正するために、接合レンズで構成することも可能である。
また、本発明の可変焦点距離レンズ系は、該レンズ系の像側にモアレ縞の発生を防ぐため、ローパスフィルタを配置することや、受光素子の周波数特性に応じて赤外カットフィルタを配置することも可能である。
さらに、本発明の可変焦点距離レンズ系(変倍光学系)は、焦点距離状態が連続的に存在しない、いわゆるバリフォーカルズームレンズに適用することもできる。
【0045】
【実施例】
以下、本発明の各実施例に係るズームレンズを添付図面に基づいて説明する。
各実施例において、非球面の形状は以下の非球面式で表される。尚、yは光軸からの高さ、xはサグ量、cは基準曲率(近軸曲率)、κは円錐定数、C4,C6,C8,C10は各々4,6,8,10次の非球面係数とする。
【0046】
【数1】
x=cy2/{1+(1−κc2y2)1/2}+C4y4+C6y6+C8y8+C10y10
【0047】
図1は、本発明の各実施例に係る可変焦点距離レンズ系の屈折力配分を示す図であり、Wは広角端状態、Tは望遠端状態を示す。
本発明の各実施例に係る可変焦点距離レンズ系は、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とから構成されている。そして、広角端状態から望遠端状態への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔が増大するように、第1レンズ群G1と第3レンズ群G3とが物体側へ移動する。このとき第2レンズ群は、一旦像側へ移動した後に物体側へ移動する。また第4レンズ群は、一旦物体側へ移動した後に像側へ移動する。
【0048】
(第1実施例)
図2は、本発明の第1実施例に係る可変焦点距離レンズ系のレンズ構成を示す図である。
本実施例に係る可変焦点距離レンズ系において第1レンズ群G1は、物体側より順に、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL11と物体側に凸面を向けた正レンズL12との接合レンズで構成されている。
第2レンズ群G2は、物体側より順に、像側に凹面を向けた負レンズL21と、像側に凹面を向けた負レンズL22と、物体側に凸面を向けた正レンズL23とから構成されている。
第3レンズ群G3は、物体側より順に、両凸形状の正レンズL31と、像側に凹面を向けた負レンズL32と、像側に凸面を向けた正レンズL33とから構成されている。
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向けた正レンズL41で構成されている。
本実施例に係る可変焦点距離レンズ系において開口絞りSは、第3レンズ群G3の物体側に配置されており、レンズ位置状態が変化する際に第3レンズ群G3と共に移動する。
【0049】
以下の表1に、本発明の第1実施例に係る可変焦点距離レンズ系の諸元の値を掲げる。
(全体諸元)において、fは焦点距離、FNOはFナンバー、2ωは画角の最大値(単位:度)をそれぞれ示す。
(レンズデータ)において、面は物体側からのレンズ面の順序、間隔はレンズ面の間隔をそれぞれ示す。また、屈折率はd線(λ=587.6nm)に対する値である。さらに、曲率半径0.0000は平面を示し、Bfはバックフォーカスを示す。
【0050】
ここで、以下の全ての諸元値において掲載されている焦点距離f、曲率半径、間隔、その他長さの単位は一般に「mm」が使われる。しかし光学系は、比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるため、これに限られるものではない。
尚、以下の全実施例の諸元値において、本実施例と同様の符号を用いる。
【0051】
【表1】
【0052】
図3(a),(b),(c)はそれぞれ、本発明の第1実施例に係る可変焦点距離レンズ系の広角端状態(f=6.39)、中間焦点距離状態(f=14.40)、望遠端状態(f=27.16)における無限遠合焦時の諸収差図を示す。
【0053】
各収差図において、FNOはFナンバー、Aは半画角をそれぞれ示す。また、Yは像高を示し、非点収差図及び歪曲収差図においてはその最大値を示す。
球面収差図において、FNOは最大口径に対応するFナンバーの値を示し、実線は球面収差、点線はサイン・コンディションをそれぞれ示す。
非点収差図において、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面をそれぞれ示す。
コマ収差図は、像高Y=0.0,2.35,3.29,3.995,4.7でのコマ収差をそれぞれ表している。
尚、以下に示す各実施例の諸収差図において、本実施例と同様の符号を用いる。
【0054】
各諸収差図より本実施例に係る可変焦点距離レンズ系は、諸収差を良好に補正し、優れた結像性能を有することがわかる。
【0055】
(第2実施例)
図4は、本発明の第2実施例に係る可変焦点距離レンズ系のレンズ構成を示す図である。
本実施例に係る可変焦点距離レンズ系において第1レンズ群G1は、物体側より順に、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL11と物体側に凸面を向けた正レンズL12との接合レンズで構成されている。
第2レンズ群G2は、物体側より順に、像側に凹面を向けた負レンズL21と、像側に凹面を向けた負レンズL22と、物体側に凸面を向けた正レンズL23とから構成されている。
第3レンズ群G3は、物体側より順に、両凸形状の正レンズL31と、像側に凹面を向けた負レンズL32と、像側に凸面を向けた正レンズL33とから構成されている。
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向けた正レンズL41で構成されている。
本実施例に係る可変焦点距離レンズ系において開口絞りSは、第3レンズ群G3の物体側に配置されており、レンズ位置状態が変化する際に第3レンズ群G3と共に移動する。
以下の表2に、本発明の第2実施例に係る可変焦点距離レンズ系の諸元の値を掲げる。
【0056】
【表2】
【0057】
図5(a),(b),(c)はそれぞれ、本発明の第2実施例に係る可変焦点距離レンズ系の広角端状態(f=6.70)、中間焦点距離状態(f=14.60)、望遠端状態(f=27.13)における無限遠合焦時の諸収差図を示す。
各諸収差図より本実施例に係る可変焦点距離レンズ系は、諸収差を良好に補正し、優れた結像性能を有することがわかる。
【0058】
(第3実施例)
図6は、本発明の第3実施例に係る可変焦点距離レンズ系のレンズ構成を示す図である。
本実施例に係る可変焦点距離レンズ系において第1レンズ群G1は、物体側より順に、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL11と物体側に凸面を向けた正レンズL12との接合レンズで構成されている。
第2レンズ群G2は、物体側より順に、像側に凹面を向けた負レンズL21と、像側に凹面を向けた負レンズL22と、物体側に凸面を向けた正レンズL23とから構成されている。
第3レンズ群G3は、物体側より順に、両凸形状の正レンズL31と、像側に凹面を向けた負レンズL32と、像側に凸面を向けた正レンズL33とから構成されている。
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向けた正レンズL41で構成されている。
本実施例に係る可変焦点距離レンズ系において開口絞りSは、第3レンズ群G3の物体側に配置されており、レンズ位置状態が変化する際に第3レンズ群G3と共に移動する。
以下の表3に、本発明の第3実施例に係る可変焦点距離レンズ系の諸元の値を掲げる。
【0059】
【表3】
【0060】
図7(a),(b),(c)はそれぞれ、本発明の第3実施例に係る可変焦点距離レンズ系の広角端状態(f=7.20)、中間焦点距離状態(f=15.00)、望遠端状態(f=27.13)における無限遠合焦時の諸収差図を示す。各諸収差図より本実施例に係る可変焦点距離レンズ系は、諸収差を良好に補正し、優れた結像性能を有することがわかる。
【0061】
(第4実施例)
図8は、本発明の第4実施例に係る可変焦点距離レンズ系のレンズ構成を示す図である。
本実施例に係る可変焦点距離レンズ系において第1レンズ群G1は、物体側より順に、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL11と物体側に凸面を向けた正レンズL12との接合レンズで構成されている。
第2レンズ群G2は、物体側より順に、像側に凹面を向けた負レンズL21と、像側に凹面を向けた負レンズL22と、物体側に凸面を向けた正レンズ23とから構成されている。
第3レンズ群G3は、物体側より順に、両凸形状の正レンズL31と、像側に凹面を向けた負レンズL32と、像側に凸面を向けた正レンズL33とから構成されている。
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向けた正レンズL41で構成されている。
本実施例に係る可変焦点距離レンズ系において、ガラスブロックBが第4レンズ群G4と像面Iとの間に配置されており、このガラスブロックBは像面Iに配設された固体撮像素子の限界解像以上の空間周波数をカットするためのフィルタ、即ちローパスフィルタと、固体撮像素子を保護するカバー硝子の機能を有する。また、開口絞りSは、第3レンズ群G3の物体側に配置されており、レンズ位置状態が変化する際に第3レンズ群G3と共に移動する。
以下の表4に、本発明の第4実施例に係る可変焦点距離レンズ系の諸元の値を掲げる。
【0062】
【表4】
【0063】
図9(a),(b),(c)はそれぞれ、本発明の第4実施例に係る可変焦点距離レンズ系の広角端状態(f=6.50)、中間焦点距離状態(f=15.00)、望遠端状態(f=24.30)における無限遠合焦時の諸収差図を示す。
各諸収差図より本実施例に係る可変焦点距離レンズ系は、諸収差を良好に補正し、優れた結像性能を有することがわかる。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、小型化と高変倍比化とを図った可変焦点距離レンズ系を提供することができる。また、広角端状態におけるレンズ全長が比較的短く、レンズ全長の変化が少ない可変焦点距離レンズ系を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施例に係る可変焦点距離レンズ系の屈折力配分を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る可変焦点距離レンズ系のレンズ構成を示す図である。
【図3】(a),(b),(c)はそれぞれ、本発明の第1実施例に係る可変焦点距離レンズ系の広角端状態(f=6.39)、中間焦点距離状態(f=14.40)、望遠端状態(f=27.16)における無限遠合焦時の諸収差図を示す。
【図4】本発明の第2実施例に係る可変焦点距離レンズ系のレンズ構成を示す図である。
【図5】(a),(b),(c)はそれぞれ、本発明の第2実施例に係る可変焦点距離レンズ系の広角端状態(f=6.70)、中間焦点距離状態(f=14.60)、望遠端状態(f=27.13)における無限遠合焦時の諸収差図を示す。
【図6】本発明の第3実施例に係る可変焦点距離レンズ系のレンズ構成を示す図である。
【図7】(a),(b),(c)はそれぞれ、本発明の第3実施例に係る可変焦点距離レンズ系の広角端状態(f=7.20)、中間焦点距離状態(f=15.00)、望遠端状態(f=27.13)における無限遠合焦時の諸収差図を示す。
【図8】本発明の第4実施例に係る可変焦点距離レンズ系のレンズ構成を示す図である。
【図9】(a),(b),(c)はそれぞれ、本発明の第4実施例に係る可変焦点距離レンズ系の広角端状態(f=6.50)、中間焦点距離状態(f=15.00)、望遠端状態(f=24.30)における無限遠合焦時の諸収差図を示す。
【符号の説明】
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
S 開口絞り
I 像面
Claims (6)
- 物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを有し、
広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が減少し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が増大するように、少なくとも前記第1レンズ群は物体側へ移動し、前記第2レンズ群は一旦像側へ移動した後に物体側へ移動し、前記第3レンズ群は物体側へ移動し、
前記第3レンズ群の近傍には開口絞りが配置されており、当該開口絞りはレンズ位置状態が変化する際に前記第3レンズ群とともに移動し、
以下の条件式を満足することを特徴とする可変焦点距離レンズ系。
0.15<Δ1/{Z・(fw・ft)1/2}<0.5
0.6<D34W/fw<1.7
但し、
Δ1:広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際の前記第1レンズ群の移動量,
fw:広角端状態における前記可変焦点距離レンズ系全体の焦点距離,
ft:望遠端状態における前記可変焦点距離レンズ系全体の焦点距離,
Z :ズーム比(ft/fw),
D34W:広角端状態における前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との光軸上間隔. - 請求項1に記載の可変焦点距離レンズ系において、
以下の条件式を満足することを特徴とする可変焦点距離レンズ系。
0.7<D23W/Δ3<2.5
但し、
D23W:広角端状態における前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との光軸上間隔,
Δ3:広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際の前記第3レンズ群の移動量. - 請求項1または請求項2に記載の可変焦点距離レンズ系において、
前記開口絞りは、前記第3レンズ群の物体側近傍に配置されおり、
以下の条件式を満足することを特徴とする可変焦点距離レンズ系。
0.7<Σ3/fw<1.5
但し、
Σ3:前記開口絞りから前記第3レンズ群の最も像側のレンズ面までの光軸上距離. - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の可変焦点距離レンズ系において、
前記第2レンズ群は、最も物体側に配置された負レンズ成分と、当該負レンズ成分よりも像側に配置された少なくとも1つの正レンズ成分とを有し、
以下の条件式を満足することを特徴とする可変焦点距離レンズ系。
0.8<Σ2/fw<1.8
但し、
Σ2:前記第2レンズ群中の最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上距離. - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の可変焦点距離レンズ系において、
前記第2レンズ群は、物体側より順に、像側に凹面を向けた負レンズ成分と、像側に凹面を向けた負レンズ成分と、物体側に凸面を向けた正レンズ成分との3つのレンズ成分からなり、
当該3つのレンズ成分は、互いに空気間隔を隔てて配置されており、
以下の条件式を満足することを特徴とする可変焦点距離レンズ系。
1<f2P/|f2|<2
但し、
f2P:前記第2レンズ群における前記正レンズ成分の焦点距離,
f2 :前記第2レンズ群の焦点距離. - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の可変焦点距離レンズ系において、
前記第3レンズ群は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた正レンズ成分と、物体側に凹面を向けた負レンズ成分とを有し、
以下の条件式を満足することを特徴とする可変焦点距離レンズ系。
0.6<|f3N|/f3<1.4
但し、
f3N:前記第3レンズ群における前記負レンズ成分の焦点距離,
f3 :前記第3レンズ群の焦点距離.
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