JP2004257654A - サービス質定量化システム - Google Patents

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Noriyuki Kawai
詔之 河合
Satoru Hashimoto
哲 橋本
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Abstract

【課題】設備機器が提供するサービスの質を定量化するサービス質定量化システムを提供する。
【解決手段】空気調和装置3が提供する省エネルギー制御サービスの質を定量化する。運転状況センサ11b、環境検知センサ11a、及び定量化部33を備える。運転状況センサ11bは、サービスの量に関連するデータである空気調和装置3の消費電力を取得する。環境検知センサ11aは、サービスに関係する環境に関するデータであり且つ消費電力に影響を与えるデータである室内温度などを取得する。定量化部33は、消費電力と室内温度などに基づいてサービスの質の定量値であるPMVを算出する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サービス質定量化システム、特に設備機器が提供するサービスの質を定量化するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
建物などに設けられる設備機器(空気調和装置、照明、給湯器など)により提供されるサービスに基づいて課金を行うことが従来から行われている。サービスに基づく課金を行う場合には、サービスの量を定量化した定量値を導出し、この定量値の量に基づいて課金を行うことが多い。また、導出された定量値の表示を行うことにより、現時点においてサービスが実際に提供されていることを主張することも行われている。
【0003】
サービスとしては、設備機器が提供するサービスの量を抑制することにより、設備機器が消費するエネルギー消費量を抑制するいわゆる省エネルギー制御を行うことによりエネルギーにかかる費用を抑えることがよく行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−344412号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
省エネルギー制御などサービスの量だけを抑制するサービスでは、設備機器によるサービスの質が悪化するような場合にもサービスの量を抑えるような制御を行うおそれがある。このため、設備機器が提供するサービスの質を適切に評価し、評価結果に基づいて設備機器の制御を行うことにより、量と質とを併せ持ったサービスを提供することが求められる。
【0006】
しかし、サービスの質を定量的に評価することは、まだ不十分にしか行われていない。このため、設備機器が提供するサービスは、十分な質のサービスが提供されているのか不明である。
本発明の課題は、設備機器が提供するサービスの質を定量化するサービス質定量化システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のサービス質定量化システムは、設備機器が提供するサービスの質を定量化するサービス質定量化システムであって、対象データ取得手段、環境データ取得手段、及びサービス質指標値算出手段を備える。対象データ取得手段は、サービスの量に関連するデータである対象データを取得する。環境データ取得手段は、サービスに関係する環境に関するデータであり且つ対象データに影響を与えるデータである環境データを取得する。サービス質指標値算出手段は、対象データと環境データに基づいてサービスの質の定量値であるサービス質指標値を算出する。
【0008】
対象データは、設備機器が提供するサービスに関係するデータであり、サービスが提供されるとサービスの量に関連して変化する。例として、設備機器が省エネルギーサービスを行う場合には、設備機器の消費電力が対象データとなり、設備機器が室内のVOC(Volatile Organic Compounds、揮発性有機化合物)濃度を減少させるサービスを行う場合には、室内VOC濃度が対象データとなる。
【0009】
環境データは、設備機器が提供するサービスに関係する環境のデータであり、上記の対象データに影響する。設備機器のサービス対象が例えば室内環境を変更することである場合には、環境データとして室内の温度・湿度・風向・窓やドアの開閉状態などが挙げられる。
ここでは、対象データと環境データとに基づいて、設備機器が提供するサービスの質を定量値であるサービス質指標値を算出する。サービスの質は、サービスを提供する環境に対して、単位時間当たりにおけるサービスの効果を指すものとする。提供されたサービスの量に関係する値を対象データにより取得し、さらに提供されたサービスの寄与を環境データにより取得している。この2種類のデータからサービスの質に関する定量値であるサービス質指標値が算出される。これにより、サービスの質の定量値であるサービス質指標値によりサービスを評価することが可能となる。
【0010】
請求項2に記載のサービス質定量化システムは、請求項1に記載のサービス質定量化システムであって、サービス質指標値又はサービス質指標値から導出される値を出力可能である出力手段をさらに備える。
ここでは、設備機器が提供しているサービスの質の状態の定量値であるサービス質指標値を、出力手段により出力することができる。これにより、設備機器の利用者などに対してサービスの質の状態を確認させることができる。
【0011】
なお、出力手段としては、例えば液晶やCRTなどによる表示手段、スピーカーなどから発せられる音声による発声手段、スピーカーなどから発せられる状態音による音響手段、などが挙げられる。
請求項3に記載のサービス質定量化システムは、請求項1または2に記載のサービス質定量化システムであって、出力手段が表示手段である。
【0012】
ここでは、算出されたサービス質指標値を表示手段により表示する。これにより、例えば設備機器の利用者に対してサービスの質の状態を確認させることができる。また、例えばサービス質指標値算出手段がサービス質指標値をリアルタイムに処理する場合には、表示手段において現在のサービス質指標値を表示することにより、設備機器の利用者に対してサービスの質の状況をリアルタイムに示すことが可能となる。
【0013】
請求項4に記載のサービス質定量化システムは、請求項1から3のいずれかに記載のサービス質定量化システムであって、少なくともサービス質指標値に基づいてサービスに対する対価であるサービス対価を算出する課金算出手段をさらに備える。
ここでは、設備機器が提供するサービスの質の定量値であるサービス質指標値に基づいて、課金算出手段がサービス対価を算出する。これにより、設備機器が提供するサービスに対して支払いを行う場合に、サービスの質に対して対価を支払うようにすることができる。例えば、質が優れたサービスに対して支払いを多くし、質が劣ったサービスに対して支払いを少なくすることができる。
【0014】
請求項5に記載のサービス質定量化システムは、請求項4に記載のサービス質定量化システムであって、出力手段がサービス対価をさらに出力可能である。
ここでは、課金算出手段により算出されたサービス対価を出力手段で出力することにより、設備機器の利用者に対してサービスの質の状態と共に課金状況について確認させることができる。
【0015】
請求項6に記載のサービス質定量化システムは、請求項4または5に記載のサービス質定量化システムであって、設定手段、サービス量指標値算出手段、及び単価算出手段をさらに備える。単価算出手段は、単位時間当たりのサービス対価であるサービス単価をサービス量指標値及びサービス質指標値から算出する。設定手段は、設備機器の利用者が希望するサービスの量である設定サービス量を設定可能である。サービス量指標値算出手段は、サービスの量の定量値であるサービス量指標値を算出する。さらに、課金算出手段は、単価算出手段を用いて、サービス量指標値及びサービス質指標値からサービス対価を算出する。
【0016】
設定手段は、設備機器が環境に対して提供するサービスの量である設定サービス量を設定する。設定手段は、設定サービス量として予め決められた量を設定する場合、設備機器の利用者が入力することにより設定する場合、などに対処する。
サービス量指標値算出手段は、設備機器が実際に提供しているサービスの量を定量化した値であるサービス量指標値を算出する。
【0017】
単価算出手段は、単位時間当たりのサービス対価であるサービス単価を算出する。単価算出手段は、設備機器が提供するサービスの量であるサービス量指標値に対して、サービス質指標値が様々な数値を示す場合におけるサービス単価を算出する。単価算出手段は、例えば、サービス量指標値とサービス質指標値とのそれぞれの値により段階分けされた算出テーブルからサービス単価を算出する、サービス量指標値とサービス量指標値とに所定の係数を積算することによりサービス単価を算出する、などの手段を行う。
【0018】
ここでは、課金算出手段が、単価算出手段で算出されたサービス単価を用いて、設備機器により提供されるサービスの量及び質の定量値であるサービス量指標値及びサービス質指標値からサービス対価を算出する。これにより、設備機器が提供するサービスの量及び質に応じてサービス対価を適切に算出することが可能となる。この際に、例えば単価算出手段が設定サービス量の設定に応じて、同一のサービス量指標値及びサービス質指標値において単価設定を変更することも可能である。
【0019】
請求項7に記載のサービス質定量化システムは、請求項6に記載のサービス質定量化システムであって、設定手段がサービスの質の下限となるサービス質下限値を設定可能である。また、単価算出手段は、サービス質指標値がサービス質下限値よりも低品質側の値である場合に、サービス単価を減額する。
サービス質下限値は、設備機器が提供する最低限度のサービスを示すサービス質指標値である。
【0020】
ここでは、設備機器が提供するサービスの質がサービス質下限値よりも低い場合には、サービスに対する対価を減額している。これにより、設備機器によるサービスを十分に維持できていない場合に、対価を減額することによるペナルティを行うことができる。
請求項8に記載のサービス質定量化システムは、請求項6または7に記載のサービス質定量化システムであって、単価算出手段が設定サービス量に関係せずサービス単価を算出する。
【0021】
ここでは、単価算出手段がサービス単価を算出する際に、設定サービス量に関係しない。すなわち、設備機器が提供するサービスの量によりサービス単価が変化しない。つまり、サービス単価は、設備機器が提供するサービスの質だけに依存する。これにより、サービスの質の定量値であるサービス質指標値だけによるサービス対価の算出を行うことができる。
【0022】
請求項9に記載のサービス質定量化システムは、請求項1から8のいずれかに記載のサービス質定量化システムであって、対象データ推測手段をさらに備える。対象データ推測手段は、設備機器が提供するサービスが提供されなかった場合における対象データの推測値である対象データ推測値を推測する。サービス量指標値算出手段は、対象データと対象データ推測値とからサービス量指標値を算出する。
【0023】
設備機器が提供するサービスの量は、設備機器が稼動することにより提供されるものである。このため、設備機器が稼動しないためにサービスが提供されない場合における推測状況と、実際に設備機器が稼動しておりサービスが提供されている現実の状況とから、設備機器が提供するサービスの量を算出することになる。
【0024】
ここでは、設備機器が提供するサービスが提供されなかった場合における対象データである対象データ推測値を対象データ推測手段により推測する。対象データ推測手段は、例えば環境データと設備機器の運転に関する運転データとから対象データ推測値を推測する。この対象データ推測値と、設備機器によりサービスが提供されている実際の対象データとから、サービスの量の定量値であるサービス量指標値を算出する。これにより、サービス量を定量することが可能となる。
【0025】
請求項10に記載のサービス質定量化システムは、請求項1から9のいずれかに記載のサービス質定量化システムであって、サービスが設備機器に対する省エネルギー制御である。
ここでは、省エネルギー制御がサービスであるとしている。例えば、設備機器が空気調和装置である場合、サービスの量が省エネルギー制御による空気調和装置の消費電力の抑制量であり、サービスの質が空気調和装置による室内環境の良好度の維持に対応する。このサービス質定量化システムでは、省エネルギー制御によるサービス質指標値を得ることができる。これにより、サービス質指標値に基づいて省エネルギー制御のサービスを評価することが可能となる。また、例えばサービス質指標値に基づく設備機器の制御をさらに行うことが可能となる。
【0026】
請求項11に記載のサービス質定量化システムは、請求項1から9のいずれかに記載のサービス質定量化システムであって、サービスが環境品質維持制御である。
ここでは、環境品質維持制御がサービスであるとしている。例えば、設備機器が空気調和装置である場合、サービスの量が空気環境の品質維持の度合い(VOC濃度、花粉濃度、塵埃濃度など好ましくない気中物質濃度の排出量など)であり、サービスの質が空気環境の品質維持(各気中物質を常時低濃度で維持することなど)に対応する。このサービス質定量化システムでは、環境品質維持制御によるサービス質指標値を得ることができる。これにより、サービス質指標値に基づいて環境品質維持制御のサービスを評価することが可能となる。また、例えばサービス質指標値に基づく設備機器の制御をさらに行うことが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
〈第1実施形態〉
本発明のサービス質定量化システムにかかる空気調和装置の省エネルギー管理システム1を図1に示す。省エネルギー管理システム1は、物件2の内部を空気調和する複数の空気調和装置3を制御装置4で制御すると共に、遠隔監視センタ5に設置される管理装置6で空気調和装置3を遠隔監視するシステムである。省エネルギー管理システム1の主な目的は、空気調和装置3の利用者に対して、空気調和装置3で空気調和を行うことにより環境を快適に保ちながら、空気調和装置3による消費電力量を削減するサービスを提供することにある。
【0028】
なお、省エネルギー管理システム1による制御及び管理の対象は、空気調和装置3に限られず、物件2に設けられる給湯装置や照明など他の設備機器を含んでいても良い。
<全体の構成>
省エネルギー管理システム1は、主として空気調和装置3、制御装置4、及び管理装置6から構成される。
【0029】
空気調和装置3は、ビルや工場などの物件2に複数配置されており、物件2の部屋を空気調和する。また、空気調和装置3は、空気調和を行う対象となる部屋の環境の状況や空気調和装置3の運転状況を検知する複数のセンサ11を有している。部屋の環境状況を検知する環境検知センサ11aは、室内温度、室外温度、室内の輻射温度、室内湿度、室外湿度、風量、部屋の窓やドアの開閉状況、などの検知を行う。運転状況を検知する運転状況センサ11bは、空気調和装置3の消費電力、吹出口から吹き出される空気の温度及び風速、吸込口から吸い込まれる空気の温度、圧縮機の回転数、などの検知を行う。空気調和装置3には、それぞれに室内環境の設定を行う図示しないリモコンが設けられており、空気調和装置3の利用者が設定入力を行うことができる。
【0030】
制御装置4は、物件2に配置される複数の空気調和装置3と通信線により接続されており、それぞれの空気調和装置3に対して集中制御を行う。また、制御装置4は、通信線を介して空気調和装置3が有するセンサ11の検知結果やリモコンでの制御内容を受信する。制御装置4は、空気調和装置3が配置される物件2の管理室などに配置される。制御装置4は、通信網7を回して管理装置6に接続されており、空気調和装置3のセンサ11の検知結果から求められる運転状況、空気調和装置3の消費電力、部屋の環境の状況などについて管理装置6へ送信する。
【0031】
また、制御装置4は、それぞれの空気調和装置3が提供するサービスの量及び質に関する定量値を算出し、表示を行う。省エネルギー管理システム1において空気調和装置3が提供するサービスは、空気調和装置3が消費する消費電力量を削減する量的側面と、空気調和装置3が空気調和を行う対象の部屋の環境を快適に保つ質的側面とを有する。すなわち、サービスの量に関する定量値とは、省エネルギーの度合いに関する値であり、サービスの質に関する定量値とは、室内の快適度に関する値である。制御装置4は、これらの値を算出し、表示を行う。
【0032】
さらに制御装置4は、空気調和装置3が部屋に提供するサービスの定量値に基づいて、サービスの対価を算出し、表示を行う。
なお、制御装置4の詳細構成については後記する。
管理装置6は、複数の物件2に設置されている制御装置4に接続された複数の空気調和装置3の管理を行う装置であり、空気調和装置3が配置された物件2から離れた遠隔監視センタ5内に配置される。
【0033】
管理装置6は、それぞれの物件2の空気調和装置3に対して省エネ自動制御を行うと共に、空気調和装置3の管理として報告書自動作成、異常診断などを行う。省エネ自動制御は、所定期間で一定量の消費電力量が削減されるように、所定期間に空気調和装置3の省エネルギー制御を自動的に行うという管理内容である。報告書自動作成とは省エネルギー制御の運用効果などをまとめた報告書を自動的に作成し定期的に物件2の所有者や管理者等に送るという管理内容である。異常監視は、制御装置4から送られる空気調和装置3の運転データから空気調和装置3に異常が発生しているか否かを判断し、異常が発生している場合には物件2の管理者等に通知するという管理内容である。
【0034】
<制御装置の構成>
制御装置4は、通信部21、送受信部22、表示受付部23、記憶部24、及び処理部25を含む。
通信部21は、通信線により物件2に設置される複数の空気調和装置3と通信を行う。
【0035】
送受信部22は、通信網7を介して遠隔監視センタ5の管理装置6と通信を行う。
表示受付部23は、制御装置4自身の状況、物件に設置される複数の空気調和装置3の状況、物件2に設置される複数の空気調和装置3に対する管理状況、などを表示可能である。例えば、空気調和装置3が部屋に提供するサービスの量及び質に関する定量値、サービスの対価、などの表示を行う。ここで、サービスの量に関する定量値とは、省エネルギーの度合いに関する値であり、サービスの質に関する定量値とは、室内の快適度に関する値である。サービスの量及び質に関する定量値、及びサービス対価を表示受付部23に表示する手法として、それぞれの値の現在値を表示したり、時間経過に伴う変化が分かるようにグラフ表示などを行ったりする。
【0036】
また、表示受付部23は、タッチパネルになっており、表示受付部23から空気調和装置3に対する制御設定などを受け付けることができる。また、表示受付部23は、空気調和装置3の利用者が希望するサービスの量及び質に関する設定入力値の受付が可能である。
記憶部24は、物件2に設置される複数の空気調和装置3の機種番号、制御方法、各種定格値などを記憶する。また、記憶部24は、それぞれの空気調和装置3が部屋に提供したサービスの量及び質の定量値からサービスの対価を導出する導出テーブルを記憶する。
【0037】
処理部25は、制御装置4の各種処理を行う。処理部25は、表示受付部23から入力された制御設定に基づいて物件2に設置される複数の空気制御装置3に対する制御指令を決定する。また、処理部25は、それぞれの空気調和装置3のセンサ11の検知結果に基づいてサービスの量及び質の定量値を算出し、この定量値からサービスの対価を算出する。ここで、サービスの量に関する定量値とは、省エネルギーの度合いに関する値であり、サービスの質に関する定量値とは、室内の快適度に関する値である。
【0038】
処理部25は、制御部31、推測部32、定量化部33、単価算出部34、及び課金算出部35を有する。
制御部31は、表示受付部23から入力された制御設定に基づいて物件2に設置される複数の空気制御装置3に対する制御指令を決定する。制御部31は、通信部21を介して制御指令を空気調和装置3へ送信する。このとき、制御指令の内容は、空気調和装置3の省エネルギー制御を行い、且つ空気調和装置3が提供するサービスの質を落とさない内容とする。
【0039】
推測部32は、定量化部33においてサービスの量に関する定量値を導出するための推測値を推測する。この推測部32では、空気調和装置3の環境検知センサ11aの検知結果と運転状況センサ11bの検知結果から、空気調和装置3がサービスを行っていない、すなわち省エネルギー制御が行われていない場合における空気調和装置3の消費電力である推測消費電力を推測する。空気調和装置3の消費電力は、空気調和装置3の運転状況センサ11bで検知可能である。
【0040】
定量化部33は、空気調和装置3が提供するサービスの量及び質の定量値を算出する。ここで、サービスの量に関する定量値とは、省エネルギーの度合いに関する値であり、サービスの質に関する定量値とは、室内の快適度に関する値である。本実施形態の省エネルギー管理システム1における、省エネルギーの度合いに関する値は、空気調和装置3の消費電力削減量とする。また、本実施形態の省エネルギー管理システム1における室内の快適度に関する値は、PMV(Predicted mean vote、予測平均応答)とする。PMVの絶対値が小さいと、多くの人が快適と感じる環境が実現されている。なお、サービスの質に関する定量値としては、PMVに限られない。 定量化部33は、消費電力削減量を運転状況センサ11bで検知される実際の消費電力と、推測部32で推測された推測消費電力とから、サービスの量に関する定量値である消費電力削減量を算出する。
【0041】
また、定量化部33は、空気調和装置3の環境検知センサ11a及び運転状況センサ11bにより取得される室内の温度、湿度、風量、輻射温度の値からサービスの質に関する定量値であるPMVを算出する。このときに、PMVの算出に必要な作業強度や着衣量などは、記憶部24に予め記憶されている値を用いる。算出された消費電力削減量及びPMVは、表示受付部23に送られて表示される。
【0042】
単価算出部34は、空気調和装置3により提供されるサービスの単位時間当たりの対価であるサービス単価を算出する。単位時間は、例えば1時間、1日、又は1ヶ月である。単価算出部34は、記憶部24に記憶される導出テーブルから、消費電力削減量及びPMVが与えられたときのサービス単価を算出することができる。また、単価算出部34は、表示受付部23で利用者から設定入力されたサービスの量及び質の設定入力値に基づいて、サービス単価を変更することができる。
【0043】
導出テーブルの例を図2に示す。なお、導出テーブルの内容はこれに限られるものではない。
図2(a)に記載の導出テーブル41では、1時間当たりの電力削減量が5kWh(仮に電力料金の単価が10円/kWhとすると、5kW×8時間×30日で1ヶ月当たり約1.2万円の電力料金削減に相当)である場合、及びPMVの絶対値が0.5及び1である場合を基準として、電力削減量及びPMVの値に応じた1ヶ月当たりのサービス単価を定めている。
【0044】
図2(b)に記載の導出テーブル42では、表示受付部23で利用者から設定入力されたサービスの量及び質の設定入力値に基づいて、基本となるサービス基本料金を決定し、さらに設定入力値を維持できなかった場合に減額するサービス単価を定めている。すなわち、1時間当たりの電力削減量が5kWhである場合を基準とし、さらに設定入力値としてPMVの絶対値が1未満となるように設定された場合において基本料金を設定する。加えて、PMVの絶対値が1以上になった場合には、サービス対価を減額するよう1時間当たりのサービス単価(負の額)を定めている。
【0045】
図2(c)に記載の導出テーブル43では、サービスの量である消費電力削減量に関係なく、サービスの質であるPMVの絶対値のみによりサービスの単価を定めている。すなわち、PMVの絶対値が0.5及び1である場合を基準として、PMVの値に応じた1時間当たりのサービス単価を定めている。ここでは、1ヶ月当たりの基本料金を設定し、さらにPMVの値に応じて1時間当たりのサービス単価(正の額)を定めている。
【0046】
なお、導出テーブル41、42、43の値は、空気調和装置3又は物件2の利用者との契約に依るため、上記の記載に限定されるものではない。
課金算出部35は、空気調和装置3により提供されるサービス対価を算出する。課金算出部35は、単価算出部34を用いて、定量化部33で算出された消費電力削減量及びPMVからサービス対価を算出する。算出されたサービス対価は、表示受付部23に送られて消費電力削減量及びPMVと共に表示される。
【0047】
ある所定時期の1ヶ月におけるサービス対価を課金算出部35が算出する場合を説明する。ここで、所定時期における1時間当たりの電力削減量が5kWh以上で且つPMVの絶対値が0.5未満であり、所定期間のうち2日、つまり48時間のPMVの絶対値が0.5以上1未満であり、さらに所定期間のうち1日、つまり24時間のPMVの絶対値が1以上であったとする。
【0048】
単価算出部34が導出テーブル41(図2(a)参照)を用いる場合には、所定期間において空気調和装置3により最も提供された時間が長いサービスのサービス単価をもって1ヶ月のサービス対価とする。これにより、課金算出部35は、所定期間のサービス対価として10万円を算出する。
単価算出部34が導出テーブル42(図2(b)参照)を用いる場合には、まず基本料金10万円が算出される。さらに、PMVの絶対値が1以上の期間が24時間であるため、24時間×1000円、つまり2万4000円が減額される。これにより、課金算出部35は、所定期間のサービス対価として7万6000円を算出する。
【0049】
単価算出部34が導出テーブル43(図2(c)参照)を用いる場合には、まず基本料金1万円が算出される。さらに、PMVの絶対値が0.5未満の期間が27日(1ヶ月が30日とした場合)、すなわち648時間であり、PMVの絶対値が0.5以上1未満の期間が48時間である。このため、648時間×1000円+48時間×500円、つまり67万2000円が増額される。これにより、課金算出部35は、所定期間のサービス対価として68万2000円を算出する。
【0050】
<動作>
省エネルギー管理システム1の制御装置4の処理部25が行う省エネルギー制御及びサービス対価算出の手順について説明する。
まず、サービス単価の算出について図3で説明する。
ステップS1において、表示受付部23でサービス単価の設定を受け付ける。ここでは、上記した導出テーブル41、42、43のうちの何れを用いるか選択を受け付ける。また、導出テーブル42を用いる場合には、PMVの絶対値の上限について入力を受け付ける。なお、導出テーブル41、42、43における消費電力削減量及びPMVの単価の境界値を設定可能であっても良い。
【0051】
ステップS2において、ステップS1で選択された導出テーブル41、42、43に基づいて、単価算出部34が単価の算出手段を決定する。
次に、省エネルギー制御について図4に従って説明する。
ステップS11では、空気調和装置3の環境設定を確認する。環境設定は、表示受付部23、管理装置6、又は空気調和装置3のリモコンで設定される。なお、ステップS1で受け付けたサービス単価の設定に含まれる設定の内容をステップS11で受け付ける環境設定であるとしても良い。
【0052】
ステップS12では、環境設定が変更されているか否かを判定する。環境設定が変更されていない場合には、ステップS14へ移行する。環境設定は変更されている場合には、ステップS13へ移行する。
ステップS13では、変更された環境設定に従って、空気調和装置3への制御指令を制御部31が決定する。その後にステップS14へ移行する。
【0053】
ステップS14では、制御部31が制御指令を空気調和装置3へ送信し、制御を行わせる。この後にステップS11へ復帰する。
続いて、サービス対価の算出手順について図5に従って説明する
ステップS21で空気調和装置3の現在のセンサ11の検知結果を受け付ける。
【0054】
続いて、ステップS22では、空気調和装置3によるサービスが提供されない場合における空気調和装置3の消費電力量である推測消費電力を推測部32がセンサ11の検知結果に基づいて推測する。
ステップS23では、ステップS21で受け付けた運転状況センサ11bの検知結果とステップS22で推測された推測消費電力とを受けて、空気調和装置3の現在の削減消費電力量を定量化部33が算出する。
【0055】
また、ステップS24では、ステップS21で受けた現在のセンサ11の検知結果に基づいて現在のPMVを算出する。
ステップS25では、ステップS23及びS24で算出された現在の削減消費電力量と現在のPMVとを表示受付部23にリアルタイム表示させる。
ステップS26では、ステップS23及びS24で算出された現在の削減消費電力量と現在のPMVとに基づいて課金算出手段が現時点におけるサービス対価を算出する。
【0056】
ステップS27では、ステップS26で算出された現時点におけるサービス対価を表示受付部にリアルタイム表示させる。この後に、再びステップS21に復帰する。
<特徴>
(1)
第1実施形態に係る省エネルギー管理システム1では、空気調和装置3が提供するサービスの量及び質に関する定量値である消費電力削減量及びPMVを算出する。算出された現在の消費電力削減量及びPMVを表示受付部23に表示することができる。
【0057】
これにより、空気調和装置3の利用者に対して、空気調和装置3が提供するサービスが実際に行われていることを示すことができ、そしてサービスの現在の提供状況を明示することができる。よって、利用者が空気調和装置3により提供されるサービスの状況を把握することができるため、利用者に安心感を与えることができる。また、利用者に対して、空気調和装置3が提供するサービスに対する課金の支払いに対する抵抗を和らげることができる。
【0058】
(2)
第1実施形態に係る省エネルギー管理システム1では、定量化されたサービスの量及び質に基づいて、サービス対価を算出する。また、算出された現時点のサービス対価を表示受付部23に表示することができる。
サービスの量だけでなく質に関してサービス対価を求めるため、高質のサービスを提供する場合にはサービス対価を上げることが可能となる。また、高額のサービス対価を支払う場合に質の高いサービスが保証されるため、サービスの質に対する利用者の安心感を向上させることができる。
【0059】
さらに、サービスの質が低下した場合にサービス対価を減額することが可能となるため、低質なサービスを提供した場合におけるサービス対価に対する利用者の不満を抑えることができる。
サービスの対価をサービスの質のみに基づいて算出することも可能である。この場合には、サービスの質を重んじている利用者に対して質保証に関する安心感を与えることができる。また、高額のサービス対価を支払う場合に質の高いサービスが保証されるため、サービスの質に対する利用者の安心感を向上させることができる。
【0060】
<第1実施形態の他の実施例>
(a)
第1実施形態に係る省エネルギー管理システム1では、環境検知センサ11aが空気調和装置3に設けられている。しかし、環境検知センサ11aは、空気調和装置3が空気調和する対象となる部屋の環境を取得するセンサである。このため、空気調和装置3から独立して外部に設けられる単独の部材であり、通信線を介して空気調和装置3又は制御装置4と通信するようにしても良い。
【0061】
(b)
第1実施形態に係る省エネルギー管理システム1では、制御装置4の処理部25が、空気調和装置3が提供するサービスの量及び質の定量化を行い、消費電力削減量及びPMVを算出している。しかし、それぞれの空気調和装置3においてその空気調和装置3が提供するサービスの量及び質の定量化を行うようにしても良い。
【0062】
〈第2実施形態〉
本発明のサービス質定量化システムにかかる室内環境維持システム51を図6に示す。室内環境維持システム51は、物件52の内部を空気調和する複数の空気調和装置53を制御装置54で制御するシステムである。室内環境維持システム51の主な目的は、物件52の内部に存在するVOC(Volatile Organic Compounds、揮発性有機化合物)濃度を減少させることである。このため、室内環境維持システム51の空気調和装置53は、換気機能を有している。
【0063】
なお、室内環境維持システム51は、第1実施形態に記載の省エネルギー管理システム1と同様に、遠隔監視センタの管理装置で空気調和装置53を遠隔監視するようになっていても良い。
<全体の構成>
室内環境維持システム51は、主として空気調和装置53と制御装置54とから構成される。
【0064】
空気調和装置53は、ビルや工場などの物件52に複数配置されており、物件52の部屋を空気調和する。また、空気調和装置53は、空気調和を行う対象となる部屋の環境の状況や空気調和装置53の運転状況を検知する複数のセンサ61を有している。部屋の環境状況を検知する環境検知センサ61aは、室内温度、室外温度、室内の輻射温度、室内湿度、室外湿度、風量、部屋の窓やドアの開閉状況、などの検知を行う。運転状況を検知する運転状況センサ61bは、空気調和装置53の消費電力、吹出口から吹き出される空気の温度及び風速、圧縮機の回転数、などの検知を行う。また、運転状況センサ61bは、空気調和装置53の換気運転に伴って減少する室内VOC濃度、及び排出されたVOCの量の検知も行う。空気調和装置53には、それぞれに室内環境の設定を行う図示しないリモコンが設けられており、空気調和装置53の利用者が設定入力を行うことができる。
【0065】
図7に、空気調和装置53の換気運転による室内VOC濃度の変化例を示す。この例では、換気運転により指標値で0.3/時間減少している。
制御装置54は、物件52に配置される複数の空気調和装置53と通信線により接続されており、それぞれの空気調和装置53に対して集中制御を行う。また、制御装置54は、通信線を介して空気調和装置53が有するセンサ61の検知結果やリモコンでの制御内容を受信する。制御装置54は、空気調和装置53が配置される物件52の管理室などに配置される。
【0066】
また、制御装置54は、それぞれの空気調和装置53が提供するサービスの量及び質に関する定量値を算出し、表示を行う。室内環境維持システム51において空気調和装置53が提供するサービスは、空気調和装置53が削減する室内のVOCの排出量としての量的側面と、空気調和装置53により室内のVOC濃度の維持濃度を低く維持することにより室内環境を快適に保つ質的側面とを有する。すなわち、サービスの量に関する定量値とは、VOCの排出量に関する値であり、サービスの質に関する定量値とは、室内の快適度に関する値である。制御装置54は、これらの値を算出し、表示を行う。
【0067】
さらに制御装置54は、空気調和装置53が部屋に提供するサービスの定量値に基づいて、サービスの対価を算出し、表示を行う。
制御装置54は、通信部71、表示受付部73、記憶部74、及び処理部75を含む。
通信部71は、通信線により物件52に設置される複数の空気調和装置53と通信を行う。
【0068】
表示受付部73は、制御装置54自身の状況、物件に設置される複数の空気調和装置53の状況、物件52に設置される複数の空気調和装置53に対する管理状況、などを表示可能である。例えば、空気調和装置53が部屋に提供するサービスの量及び質に関する定量値、サービスの対価、などの表示を行う。ここで、サービスの量に関する定量値とは、VOCの排出量に関する値であり、サービスの質に関する定量値とは、室内の快適度に関する値である。サービスの量及び質に関する定量値、及びサービス対価を表示受付部73に表示する手法として、それぞれの値の現在値を表示したり、時間経過に伴う変化が分かるようにグラフ表示などを行ったりする。
【0069】
また、表示受付部73は、タッチパネルになっており、表示受付部73から空気調和装置53に対する制御設定などを受け付けることができる。また、表示受付部73は、空気調和装置53の利用者が希望するサービスの量及び質に関する設定入力値の受付が可能である。
記憶部74は、物件52に設置される複数の空気調和装置53の機種番号、制御方法、各種定格値などを記憶する。また、記憶部74は、それぞれの空気調和装置53が部屋に提供したサービスの量及び質の定量値からサービスの対価を導出する導出テーブルを記憶する。
【0070】
処理部75は、制御装置54の各種処理を行う。処理部75は、表示受付部73から入力された制御設定に基づいて物件52に設置される複数の空気制御装置53に対する制御指令を決定する。また、処理部75は、それぞれの空気調和装置53のセンサ61の検知結果に基づいてサービスの量及び質の定量値を算出し、この定量値からサービスの対価を算出する。ここで、サービスの量に関する定量値とは、VOCの排出量に関する値であり、サービスの質に関する定量値とは、室内の快適度に関する値であり、ここでは室内のVOC濃度に関する値である。
【0071】
処理部75は、制御部81、推測部82、定量化部83、単価算出部84、及び課金算出部85を有する。
制御部81は、表示受付部73から入力された制御設定に基づいて物件52に設置される複数の空気制御装置53に対する制御指令を決定する。制御部81は、通信部71を介して制御指令を空気調和装置53へ送信する。このとき、制御指令の内容は、空気調和装置53により室内VOC濃度の排出を行い、且つ空気調和装置53が提供するサービスの質を落とさない内容とする。
【0072】
推測部82は、定量化部83においてサービスの量に関する定量値を導出するための推測値を推測する。この推測部82では、空気調和装置53の環境検知センサ61aの検知結果と運転状況センサ61bの検知結果から、空気調和装置53がサービスを行っていない、すなわち室内からVOCの排出を行わない場合の室内VOC濃度である推定室内VOC濃度を推測する。推定室内VOC濃度は、例えば空気調和装置53が実際に排出したVOCの量に関係するように変化する、或いは空気調和装置53がVOCの排出を行う間は変化しない、などと推測される。 定量化部83は、空気調和装置53が提供するサービスの量及び質の定量値を算出する。ここで、サービスの量に関する定量値とは、VOCの排出量に関する値であり、サービスの質に関する定量値とは、室内のVOC濃度に関する値である。本実施形態の室内環境維持システム51においてVOCの排出量に関する値は、空気調和装置53がサービスを提供する部屋におけるVOC排出量そのものとする。また、本実施形態の室内環境維持システム51における室内の快適度に関する値は、室内VOC濃度そのものとする。
【0073】
定量化部83は、運転状況センサ61bで検知される室内VOC濃度と、推測部82で推測された推定室内VOC濃度とから、サービスの量に関する定量値であるVOC排出量を算出する。
また、定量化部33は、空気調和装置53の環境検知センサ61a及び運転状況センサ61bからサービスの質に関する定量値である室内VOC濃度を算出する。
【0074】
算出されたVOC排出量及び室内VOC濃度は、表示受付部73に送られて表示される。
単価算出部84は、空気調和装置53により提供されるサービスの単位時間当たりの対価であるサービス単価を算出する。単位時間は、例えば1時間、1日、又は1ヶ月である。単価算出部84は、記憶部74に記憶される導出テーブルから、VOC排出量及び室内VOC濃度が与えられたときのサービス単価を算出することができる。また、単価算出部84は、表示受付部73で利用者から設定入力されたサービスの量及び質の設定入力値に基づいて、サービス単価を変更することができる。
【0075】
導出テーブルの例を図8に示す。なお、導出テーブルの内容はこれに限られるものではない。
図8(a)に記載の導出テーブル91では、1時間当たりのVOC排出量が指標値で約0.3/時間である場合、及び室内VOC濃度が指標値で2及び4である場合を基準として、VOC排出量及び室内VOC濃度の値に応じた1ヶ月当たりのサービス単価を定めている。この数値は、図7に示される室内VOC濃度の変化を基準としている。
【0076】
図8(b)に記載の導出テーブル92では、表示受付部73で利用者から設定入力されたサービスの量及び質の設定入力値に基づいて、基本となるサービス基本料金を決定し、さらに設定入力値を維持できなかった場合に減額するサービス単価を定めている。すなわち、1時間当たりのVOC排出量が約0.3/時間である場合を基準とし、さらに設定入力値として室内VOC濃度が4未満となるように設定された場合において基本料金を設定する。加えて、室内VOC濃度が4以上になった場合には、サービス対価を減額するよう1時間当たりのサービス単価(負の額)を定めている。
【0077】
図8(c)に記載の導出テーブル93では、サービスの量であるVOC排出量に関係なく、サービスの質である室内VOC濃度のみによりサービスの単価を定めている。すなわち、室内VOC濃度が2及び4である場合を基準として、室内VOC濃度の値に応じた1時間当たりのサービス単価を定めている。ここでは、1ヶ月当たりの基本料金を設定し、さらに室内VOC濃度の値に応じて1時間当たりのサービス単価(正の額)を定めている。
【0078】
なお、導出テーブル91、92、93の値は、空気調和装置53又は物件52の利用者との契約に依るため、上記の記載に限定されるものではない。
課金算出部85は、空気調和装置53により提供されるサービス対価を算出する。課金算出部85は、単価算出部84を用いて、定量化部83で算出されたVOC排出量及び室内VOC濃度からサービス対価を算出する。算出されたサービス対価は、表示受付部23に送られてVOC排出量及び室内VOC濃度と共に表示される。
【0079】
ある所定時期の1ヶ月におけるサービス対価を課金算出部35が算出する場合を説明する。ここで、所定時期における1時間当たりのVOC排出量が約0.3/時間以上で且つ室内VOC濃度が2未満であり、所定期間のうち2日、つまり48時間の室内VOC濃度が2以上4未満であり、さらに所定期間のうち1日、つまり24時間の室内VOC濃度が4以上であったとする。
【0080】
導出テーブル91(図8(a)参照)を用いる場合には、所定期間において空気調和装置53により最も提供された時間が長いサービスのサービス単価をもって1ヶ月のサービス対価とする。これにより、課金算出部85は、所定期間のサービス対価として10万円を算出する。
導出テーブル92(図8(b)参照)を用いる場合には、まず基本料金10万円が算出される。さらに、室内VOC濃度が4以上の期間が24時間であるため、24時間×1000円、つまり2万4000円が減額される。これにより、課金算出部85は、所定期間のサービス対価として7万6000円を算出する。
【0081】
導出テーブル93(図8(c)参照)を用いる場合には、まず基本料金1万円が算出される。さらに、室内VOC濃度が2未満の期間が27日(1ヶ月が30日とした場合)、すなわち648時間であり、室内VOC濃度が2以上4未満の期間が48時間である。このため、648時間×1000円+48時間×500円、つまり67万2000円が増額される。これにより、課金算出部85は、所定期間のサービス対価として68万2000円を算出する。
【0082】
<動作>
室内環境維持システム51の制御装置4の処理部25が行う室内環境維持制御及びサービス対価算出の手順について説明する。
まず、サービス単価の算出について図9で説明する。
ステップS31において、表示受付部73でサービス単価の設定を受け付ける。ここでは、上記した導出テーブル91、92、93のうちの何れを用いるか選択を受け付ける。また、導出テーブル92を用いる場合には、室内VOC濃度の上限について入力を受け付ける。なお、導出テーブル91、92、93におけるVOC排出量及び室内VOC濃度の単価の境界値を設定可能であっても良い。
【0083】
ステップS32において、ステップS31で選択された導出テーブル91、92、93に基づいて、単価算出部84が単価の算出手段を決定する。
次に、室内環境維持制御について図10に従って説明する。
ステップS41では、空気調和装置53の環境設定を確認する。環境設定は、表示受付部73、又は空気調和装置53のリモコンで設定される。なお、ステップS31で受け付けたサービス単価の設定に含まれる設定の内容をステップS41で受け付ける環境設定であるとしても良い。
【0084】
ステップS42では、環境設定が変更されているか否かを判定する。環境設定が変更されていない場合には、ステップS44へ移行する。環境設定は変更されている場合には、ステップS43へ移行する。
ステップS43では、変更された環境設定に従って、空気調和装置53への制御指令を制御部81が決定する。その後にステップS44へ移行する。
【0085】
ステップS44では、制御部81が制御指令を空気調和装置53へ送信し、制御を行わせる。この後にステップS41へ復帰する。
続いて、サービス対価の算出手順について図11に従って説明する
ステップS51で空気調和装置53の現在のセンサ61の検知結果を受け付ける。
【0086】
続いて、ステップS52では、空気調和装置53によるサービスが提供されない場合における空気調和装置53による推定室内VOC濃度を推測部32がセンサ61の検知結果に基づいて推測する。
ステップS53では、ステップS51で受け付けた運転状況センサ61bの検知結果とステップS52で推測された推定室内VOC濃度とを受けて、空気調和装置53により排出される現在のVOC排出量を定量化部83が算出する。
【0087】
また、ステップS54では、ステップS51で受けた現在のセンサ11の検知結果に基づいて現在の室内VOC濃度を算出する。
ステップS55では、ステップS53及びS54で算出された現在のVOC排出量と現在の室内VOC濃度とを表示受付部73にリアルタイム表示させる。
ステップS56では、ステップS53及びS54で算出された現在のVOC排出量と現在の室内VOC濃度とに基づいて課金算出手段が現時点におけるサービス対価を算出する。
【0088】
ステップS57では、ステップS56で算出された現時点におけるサービス対価を表示受付部にリアルタイム表示させる。この後に、再びステップS51に復帰する。
<特徴>
(1)
第2実施形態に係る室内環境維持システム51では、空気調和装置53が提供するサービスの量及び質に関する定量値であるVOC排出量及び室内VOC濃度を算出する。算出された現在のVOC排出量及び室内VOC濃度を表示受付部73に表示することができる。
【0089】
これにより、空気調和装置53の利用者に対して、空気調和装置53が提供するサービスが実際に行われていることを示すことができ、そしてサービスの現在の提供状況を明示することができる。よって、利用者が空気調和装置53により提供されるサービスの状況を把握することができるため、利用者に安心感を与えることができる。また、利用者に対して、空気調和装置53が提供するサービスに対する課金の支払いに対する抵抗を和らげることができる。
【0090】
(2)
第2実施形態に係る室内環境維持システム51では、定量化されたサービスの量及び質に基づいて、サービス対価を算出する。また、算出された現時点のサービス対価を表示受付部73に表示することができる。
サービスの量だけでなく質に関してサービス対価を求めるため、高質のサービスを提供する場合にはサービス対価を上げることが可能となる。また、高額のサービス対価を支払う場合に質の高いサービスが保証されるため、サービスの質に対する利用者の安心感を向上させることができる。
【0091】
さらに、サービスの質が低下した場合にサービス対価を減額することが可能となるため、低質なサービスを提供した場合におけるサービス対価に対する利用者の不満を抑えることができる。
サービスの対価をサービスの質のみに基づいて算出することも可能である。この場合には、サービスの質を重んじている利用者に対して質保証に関する安心感を与えることができる。また、高額のサービス対価を支払う場合に質の高いサービスが保証されるため、サービスの質に対する利用者の安心感を向上させることができる。
【0092】
<第2実施形態の他の実施例>
第1実施形態に係る室内環境維持システム51では、制御装置54の処理部75が、空気調和装置53が提供するサービスの量及び質の定量化を行い、VOC排出量及び室内VOC濃度を算出している。しかし、それぞれの空気調和装置53においてその空気調和装置53が提供するサービスの量及び質の定量化を行うようにしても良い。
【0093】
また、VOC排出量及び室内VOC濃度を対象としてサービスの量及び質の定量化を行っているが、評価対象として、タバコ、ホコリ、花粉などの排出量及び濃度を対象としてサービスの量及び質の定量化を行っても良い。
【0094】
【発明の効果】
請求項1に記載のサービス質定量化システムでは、サービスの質の定量値であるサービス質指標値により評価することが可能となる。
請求項2に記載のサービス質定量化システムでは、設備機器の利用者などに対してサービスの質の状態を確認させることができる。
【0095】
請求項3に記載のサービス質定量化システムでは、設備機器の利用者に対してサービスの質の状況をリアルタイムに示すことが可能となる。
請求項4に記載のサービス質定量化システムでは、例えば、質が優れたサービスに対して支払いを多くし、質が劣ったサービスに対して支払いを少なくすることができる。
【0096】
請求項5に記載のサービス質定量化システムでは、設備機器の利用者に対してサービスの質の状態と共に課金状況について確認させることができる。
請求項6に記載のサービス質定量化システムでは、設備機器が提供するサービスの量及び質に応じてサービス対価を適切に算出することが可能となる。
請求項7に記載のサービス質定量化システムでは、設備機器によるサービスを十分に維持できていない場合に、対価を減額することによるペナルティを行うことができる。
【0097】
請求項8に記載のサービス質定量化システムでは、サービスの質の定量値であるサービス質指標値だけによるサービス対価の算出を行うことができる。
請求項9に記載のサービス質定量化システムでは、サービス量を定量することが可能となる。
請求項10に記載のサービス質定量化システムでは、サービス質指標値に基づいて省エネルギー制御のサービスを評価することが可能となる。
【0098】
請求項11に記載のサービス質定量化システムでは、サービス質指標値に基づいて環境品質維持制御のサービスを評価することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】サービス質定量化システムに係る省エネルギー管理システムのブロック図。
【図2】サービス単価を導出する導出テーブルの例。
【図3】サービス単価の算出に関するフローチャート。
【図4】省エネルギー制御に関するフローチャート。
【図5】サービス対価の算出手段に関するフローチャート。
【図6】サービス質定量化システムに係る室内環境維持システムのブロック図。
【図7】空気調和装置の換気運転による室内VOC濃度の変化例。
【図8】サービス単価を導出する導出テーブルの例。
【図9】サービス単価の算出に関するフローチャート。
【図10】室内環境維持制御に関するフローチャート。
【図11】サービス対価の算出手段に関するフローチャート。
【符号の説明】
1 省エネルギー管理システム
51 室内環境維持システム
3、53 空気調和装置
4、54 制御装置
11、61 センサ
11a、61a 環境検知センサ
11b、61b 運転状況センサ
21、71 通信部
23、73 表示受付部
25、75 処理部
31、81 制御部
32、82 推測部
33、83 定量化部
34、84 単価算出部
35、85 課金算出部
41、42、43、91、92、93 導出テーブル

Claims (11)

  1. 設備機器(3、53)が提供するサービスの質を定量化するサービス質定量化システムであって、
    前記サービスの量に関連するデータである対象データを取得する対象データ取得手段(11b、61b)と、
    前記サービスに関係する環境に関するデータであり且つ前記対象データに影響を与えるデータである環境データを取得する環境データ取得手段(11a、61a)と、
    前記対象データと前記環境データに基づいて前記サービスの質の定量値であるサービス質指標値を算出するサービス質指標値算出手段(33、83)と、
    を備えるサービス質定量化システム。
  2. 前記サービス質指標値又は前記サービス質指標値から導出される値を出力可能である出力手段(23、73)をさらに備える、
    請求項1に記載のサービス質定量化システム。
  3. 前記出力手段(23、73)は、表示手段(23、73)である、
    請求項1または2に記載のサービス質定量化システム。
  4. 少なくとも前記サービス質指標値に基づいて、前記サービスに対する対価であるサービス対価を算出する課金算出手段(35、85)をさらに備える、
    請求項1から3のいずれかに記載のサービス質定量化システム。
  5. 前記出力手段(23、73)は、前記サービス対価をさらに出力可能である、請求項4に記載のサービス質定量化システム。
  6. 前記設備機器(3、53)の利用者が希望する前記サービスの量である設定サービス量を設定可能である設定手段(23、73)と、
    前記サービスの量の定量値であるサービス量指標値を算出するサービス量指標値算出手段(33、83)と、
    単位時間当たりの前記サービス対価であるサービス単価を前記サービス量指標値及び前記サービス質指標値から算出する単価算出手段(34、84)と、
    をさらに備え、
    前記課金算出手段(35、85)は、前記単価算出手段(34、84)を用いて、前記サービス量指標値及び前記サービス質指標値から前記サービス対価を算出する、
    請求項4または5に記載のサービス質定量化システム。
  7. 前記設定手段(23、73)は、前記サービスの質の下限となるサービス質下限値を設定可能であり、
    前記単価算出手段(34、84)は、前記サービス質指標値が前記サービス質下限値よりも低品質側の値である場合に、前記サービス単価を減額する、
    請求項6に記載のサービス質定量化システム。
  8. 前記単価算出手段(34、84)は、前記設定サービス量に関係せず前記サービス単価を算出する、
    請求項6または7に記載のサービス質定量化システム。
  9. 前記設備機器(3、53)が提供する前記サービスが提供されなかった場合における前記対象データの推測値である対象データ推測値を推測する対象データ推測手段(32、82)をさらに備え、
    前記サービス量指標値算出手段(33、83)は、前記対象データと前記対象データ推測値とから前記サービス量指標値を算出する、
    請求項1から8のいずれかに記載のサービス質定量化システム。
  10. 前記サービスは、前記設備機器(3、53)に対する省エネルギー制御である、
    請求項1から9のいずれかに記載のサービス質定量化システム。
  11. 前記サービスは、環境品質維持制御である、
    請求項1から9のいずれかに記載のサービス質定量化システム。
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