JP2004257205A - ピット多段式駐車装置およびその制御方法 - Google Patents

ピット多段式駐車装置およびその制御方法 Download PDF

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Yasuhiko Komori
保彦 小森
Tadataka Yoshimoto
忠高 好本
Tsuneo Shindo
経雄 信藤
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Abstract

【課題】長尺車両が駐車可能で、工事費が安価なピット多段式駐車装置を提供する。
【解決手段】ピット多段式駐車装置1はピット9内に格納操作自在な中段パレット3および下段パレット4と、地上に露出する上段パレット2との複数段のパレットを備える。中段パレット3と下段パレット4は普通車両W1用とされ、上段パレット2はピット長さよりも長尺の長尺車両W2が搭載可能とされる。地上乗入部に、中段パレット3や下段パレット4に搭載される普通車両W1の格納寸法オーバーを検知する格納車両用検知手段23、24a、24b、24c、25、26を備えると共に、上段パレット2に搭載される長尺車両W2の許容寸法オーバーを検知する長尺車両用検知手段22、23、25、26を備える。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピット内に格納操作自在とされたパレットと、地上に露出するパレットとの複数段のパレットを備えたピット多段式駐車装置およびその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のピット多段式駐車装置として、地上1段・地下1段の2段式や地上1段・地下2段の3段式で、単列や複数列の各種の駐車装置があった(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0003】
そして、地上1段・地下2段で、2列のピット多段式駐車装置における車両の入庫操作の一例を図8のフローチャートに基づき説明する。
【0004】
先ず、地上乗入部に位置する上段パレットへの入庫かどうかを判断する(ステップS1)。そして、上段パレットへの入庫であれば、ステップS2に移行して、車両乗入側でピットの幅方向に沿って張られている前面の進入禁止用鎖を外した後、上段パレットに車両を入庫する(ステップS3)。
【0005】
その後、前面の前記鎖を元通りに掛ければ入庫操作が終了する(ステップS4)。
【0006】
また、上段パレットでなく、ピット内、即ち地下部の中段パレットもしくは下段パレットの地下部パレットへの入庫であれば(ステップS5)、ステップS6に移行して、運転操作盤の電源キースイッチを「入」に操作する。
【0007】
次に、セレクタスイッチにより操作対象基を選択した後(ステップS7)、上昇釦を押しつづける(ステップS8)。そして、目的パレット(中段パレットあるいは下段パレット)が上昇して地上乗入部で停止すると(ステップS9)、ステップS10に移行して、前面の鎖を外した後、そのパレットに車両を入庫する(ステップS11)。
【0008】
そして、前面の鎖を元通りに掛けた後(ステップS12)、格納釦を押しつづけると(ステップS13)、パレットが下降し、初期の格納位置で停止する(ステップS14)。その後、電源キースイッチを「切」に操作すれば(ステップS15)、車両の入庫操作が終了する。
【0009】
次に、車両の出庫操作の一例を図9のフローチャートに基づき説明すると、先ず、地上乗入部に位置する上段パレットからの出庫かどうかを判断する(ステップS21)。そして、上段パレットからの出庫であれば、ステップS22に移行して、前面の鎖を外した後、上段パレットから車両を出庫し(ステップS23)、その後、前面の鎖を元通りに掛ければ出庫操作が終了する(ステップS24)。
【0010】
また、上段パレットでなく、ピット内、即ち地下部の中段パレットもしくは下段パレットの地下部パレットからの出庫であれば(ステップS25)、ステップS26に移行して、運転操作盤の電源キースイッチを「入」に操作する。
【0011】
次に、セレクタスイッチにより操作対象基を選択した後(ステップS27)、上昇釦を押しつづける(ステップS28)。そして、目的パレット(中段パレットあるいは下段パレット)が上昇して地上乗入部で停止すると(ステップS29)、ステップS30に移行して、前面の鎖を外した後、そのパレットから車両を出庫する(ステップS31)。
【0012】
そして、前面の鎖を元通りに掛けた後(ステップS32)、格納釦を押しつづけると(ステップS33)、パレットが下降し、初期の格納位置で停止する(ステップS34)。その後、電源を「切」に操作すれば(ステップS35)、車両の出庫操作が終了する。
【0013】
【特許文献1】
特開2002−147046号公報
【特許文献2】
特開平10−82197号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のピット多段式駐車装置によれば、ピット長さよりも長尺の長尺車両のパレットに対する搭載を意図しておらず、近年流行の大型バン車等の長尺重量車は、駐車不可扱いとされていた。
【0015】
また、従来方式で長尺重量車等の長尺車両を駐車可能に構成する場合には、ピットの平面面積をより大きくすると共に、ピット深さをより深く掘る必要があり、設備工事費が嵩む欠点がある。
【0016】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、長尺車両が駐車可能で、工事費が安価なピット多段式駐車装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためのピット多段式駐車装置の技術的手段は、ピット内に格納操作自在な格納パレットと、地上に露出する上段パレットとの複数段のパレットを備えたピット多段式駐車装置において、前記格納パレットは普通車搭載用とされ、前記上段パレットはピット長さよりも長尺の長尺車両が搭載可能とされた点にある。
【0018】
また、前記各パレットに対して車両が入出庫される地上乗入部に、前記格納パレットに搭載される車両の格納寸法オーバーを検知する格納車両用検知手段と、前記上段パレットに搭載される前記長尺車両の許容寸法オーバーを検知する長尺車両用検知手段とが備えられた構造としてもよい。
【0019】
さらに、前記格納車両用検知手段の前記地上乗入部における車両乗入側検知器と、前記長尺車両用検知手段の地上乗入部における車両乗入側検知器とを兼用した構造としてもよい。
【0020】
また、前記各パレットの両側部に、搭載される車両の前輪および後輪を案内する凹溝状の車輪案内路がそれぞれ備えられると共に、前記格納パレットの車輪案内路の溝幅に対して、前記上段パレットの車輪案内路の溝幅の方が外側方に向けてより幅広に形成されている構造としてもよい。
【0021】
さらに、上記目的を達成するための制御方法の技術的手段は、ピット内に格納操作自在で、普通車搭載用とされた格納パレットと、地上に露出すると共にピット長さよりも長尺の長尺車両が搭載可能とされた上段パレットとを備え、車両が入出庫される地上乗入部に、前記格納パレットに搭載される車両の格納寸法オーバーを検知する格納車両用検知手段と、前記上段パレットに搭載される長尺車両の許容寸法オーバーを検知する長尺車両用検知手段とを備えたピット多段式駐車装置の制御方法であって、前記上段パレットに車両が搭載される際には、前記長尺車両用検知手段の作動により、搭載された車両を検知した場合に許容寸法オーバーと判断して警報を発し、前記格納パレットが前記地上乗入部に呼び出されてその格納パレットに車両が搭載される際には、前記格納車両用検知手段の作動により、搭載された車両を検知した場合に格納寸法オーバーと判断して警報を発する点にある。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明すると、図1ないし図5はピット多段式駐車装置の一例としての駐車装置1を示しており、地上1段・地下2段の上下方向3段式で、横方向に3列の構造とされている。
【0023】
即ち、上段パレット2、中段パレット3、下段パレット4が上下方向に所定間隔を有して連結支柱5で連結されたパレット群6、7、8をピット9内で横方向に3列並んで配置した構造とされている。
【0024】
各パレット群6、7、8の左右両側部には、各パレット群6、7、8を個別に昇降操作するための油圧シリンダ11がそれぞれ配設されている。即ち、各油圧シリンダ11のシリンダ本体11aの基端がピット9の床面9aに固定され、ピストンロッド11bの先端が上段パレット2の左右両側部を下から支持するように連結されている。
【0025】
そして、油圧シリンダ11の伸縮作動により、各パレット群6、7、8は、上段パレット2が地上乗入部に位置する格納位置、中段パレット3が地上乗入部に位置する中段位置、下段パレット4が地上乗入部に位置する上段位置の3段階に昇降操作される構造とされている。ここに、上段パレット2は地上に常に露出する構造とされ、中段パレット3および下段パレット4はピット9内に格納操作自在な格納パレットとして構成されている。
【0026】
また、ピット9内には、各パレット群6、7、8の昇降をガイドするためのガイド支柱12がそれぞれ立設されると共に、各油圧シリンダ11を作動させるための駆動装置としての油圧ユニット13が、各パレット群6、7、8の昇降に支障がない位置で床面9aに設置されている。
【0027】
そして、特許文献1と同様、1台の油圧ユニット13から切り換え弁等を介して各油圧シリンダ11に作動油が送られる構造とされており、選択的にパレット群6、7、8を昇降操作する構造とされている。また、特許文献1と同様構造のインターロック制御装置も備えられており、複数台のパレット群6、7、8が同時に昇降することができない構造や、必要に応じて各パレット群6、7、8を上段位置に退避させた状態で保持可能な構造とされている。
【0028】
さらに、各パレット群6、7、8における中段パレット3や下段パレット4は、普通車や軽自動車等の低車高で車長の長くないいわゆる普通車両W1が搭載可能とされた普通車搭載用とされ、各パレット群6、7、8における上段パレット2は、ピット長さLよりも長尺の大型バン車等のような長尺車両W2が搭載可能とされた長尺重量車搭載用とされている。
【0029】
そして、各パレット2、3、4の両側部には、搭載される車両W1、W2の前輪15および後輪16を案内する凹溝状の車輪案内路2a、3a、4aがそれぞれ備えられており、図4にも示される如く、中段パレット3および下段パレット4の車輪案内路3a、4aの溝幅A1に対して、上段パレット2の車輪案内路2aの溝幅A2の方が外側方に向けてより幅広に形成されている。従って、中段パレット3および下段パレット4両側の立ち上がり部3b、4bの横幅B1に対して、上段パレット2の立ち上がり部2bの横幅B2の方が幅狭な構造となっている。
【0030】
また、各パレット2、3、4の各車輪案内路2a、3a、4aには、図3に示される如く、車両W1、W2がバックしながら入庫されるいわゆるバック入庫の際、後輪16が当接してバック移動を規制する車止め部17がそれぞれ備えられている。この際、上段パレット2の車止め部17は、中段パレット3や下段パレット4の車止め部17の位置よりも後方位置に設けられており、長尺車両W2が上段パレット2上に搭載された場合に、上段パレット2の後側に長尺車両W2の後部が突出した状態で駐車できる構造とされている。
【0031】
そして、各パレット2、3、4における左右両側の立ち上がり部2b、3b、4bには、車止め部17の近くに位置してそれぞれ投光器と受光器とからなる対の光電式検知器からなる実車検知用の実車検知器19がそれぞれ設けられており、パレット2、3、4上に搭載される車両W1、W2の後輪16の検出・非検出によって車両W1、W2が搭載されたかどうかを検知する方式とされている。なお、本実施形態においては、車輪径の大小や停止位置が多少変化しても確実に検出できるように、図3に示される如く、車両W1、W2の侵入方向に対して傾斜する斜め方向に投光する配置構造とされている。
【0032】
また、本実施形態では、ピット9の開口周縁部にはね出し床としてのデッキ20が張り出し状に備えられており、地上乗入部に位置における各パレット群6、7、8の両側に位置して利用者通路21がそれぞれ備えられている。
【0033】
そして、地上乗入部に位置する上段パレット2に対して長尺車両W2を入庫する際、車両W2の侵入方向前側位置および後側位置を検知する前記同様の光電式検知器からなる車両後端規制用検知器22および車両乗入側検知器としての車両前端規制用検知器23がデッキ20上の両側部間にわたってそれぞれ備えられている。
【0034】
また、地上乗入部に位置する中段パレット3や下段パレット4に対して普通車両W1を入庫する際、車両W1の侵入方向前側位置および後側位置を検知する前記同様の光電式検知器からなる車両後端規制用検知器24a、24b、24cおよび車両前端規制用検知器23がデッキ20上と利用者通路21上の相互間やデッキ20上の両側部間にわたってそれぞれ備えられている。
【0035】
そして、本実施形態においては、上段パレット2の車止め部17をより後方位置に配置することにより、中段パレット3や下段パレット4に搭載された普通車両W1と、上段パレット2に搭載された長尺車両W2との乗入側を揃える方式とし、車両前端規制用検知器23を中段パレット3や下段パレット4に搭載される普通車両W1と上段パレット2に搭載される長尺車両W2の検知に兼用する構造とされている。
【0036】
また、各パレット2、3、4に対して車両W1、W2を入庫する際、車両W1、W2の侵入方向左端位置および右端位置を検出する前記同様の光電式検知器からなる左端規制用検知器25および右端規制用検知器26が各列それぞれ備えられている。
【0037】
ここに、車両後端規制用検知器22、車両前端規制用検知器23、左端規制用検知器25および右端規制用検知器26により、上段パレット2に搭載される長尺車両W2の許容寸法オーバーを検知する長尺車両用検知手段が構成され、車両前端規制用検知器23、車両後端規制用検知器24a、24b、24c、左端規制用検知器25および右端規制用検知器26により、中段パレット3および下段パレット4に搭載される普通車両W1の格納寸法オーバーを検知する格納車両用検知手段が構成されている。
【0038】
また、地上乗入部における一側部には、この駐車装置1を駆動制御するための制御装置28が設けられており、制御装置28には図5に示されるような運転操作盤29が備えられ、電源を入り切りするための電源キースイッチ30、パレット2、3、4を上昇退避させる場合や復旧時に使用するインターロックキースイッチ31、パレット群6、7、8における操作対象基を選択するためのセレクタスイッチ32、パレット群6、7、8を格納操作するための格納用押釦スイッチとしての格納釦33、パレット群6、7、8を上昇操作するための上昇用押釦スイッチとしての上昇釦34、各パレット2、3、4が地上乗入部に位置していない状態を示す警報表示灯35等が備えられている。
【0039】
前記制御装置28は、CPU28aやメモリ28b等を備えてなり、運転操作盤29からの操作信号に応じて、各列のパレット群6、7、8の昇降動作や各検知器19、22、23、24a、24b、24c、25、26の検知監視を行っており、異常時には警報を発するためのブザー等からなる警報器36が備えられている。
【0040】
また、駐車装置1の前面側に位置したデッキ20両側部には、支持ポール37がそれぞれ立設されており、両支持ポール37間にわたって進入禁止用の鎖38が着脱自在に張られている。
【0041】
次に、この駐車装置1に対する車両W1、W2の入庫動作を図6に示されるフローチャートに基づき説明する。なお、各パレット群6、7、8の各パレット2、3、4には図1や図3に示されるように1〜9のパレット番号が割り当てられている。また、駐車装置1の初期状態においては、各パレット群6、7、8の上段パレット2が地上乗入部に位置され、中段パレット3や下段パレット4はピット9内に格納されたパレット格納位置とされている。そして、地上乗入部に位置したパレット2、3、4に応じた各検知器19、22、23、24a、24b、24c、25、26が作動するよう制御されている。また、各パレット群6、7、8の昇降操作は、電源が「入」状態の時のみ可能に制御されている。
【0042】
先ず、地上乗入部に位置する上段パレット2への入庫かどうかを判断する(ステップS51)。そして、上段パレット2への入庫であれば、上段パレット2は地上乗入部に位置しているため、地上乗入部に位置した上段パレット2に対応する長尺車両用検知手段としての各検知器22、23、25、26が作動している(ステップS52)。
【0043】
次に、ステップS53に移行して、車両乗入側でピットPの幅方向に沿って張られている前面の鎖38を外した後、上段パレット2に車両W2を入庫する(ステップS54)。
【0044】
そして、入庫車両W2が各検知器22、23、25、26のいずれかを遮光するかどうかが判断され(ステップS55)、遮光していなければ、前面の鎖38を元通りに掛ければ入庫操作が終了する(ステップS56)。
【0045】
また、ステップS55において、入庫車両W2が各検知器22、23、25、26のいずれかを遮光していれば、制御装置28は警報器36としてのブザーを鳴動させる(ステップS57)。
【0046】
そして、ブザーが鳴動すれば、駐車不可と判断し、車両W2を出庫する(ステップS58)。この車両W2の出庫により、ブザーの鳴動は停止する(ステップS59)。その後、ステップS56に移行して、前面の鎖38を元通りに掛ければよい。
【0047】
また、ステップS51において、上段パレット2への入庫でなく、ピット9内、即ち地下部の中段パレット3もしくは下段パレット4の地下部パレット(格納パレット)への入庫であれば(ステップS60)、ステップS61に移行して、運転操作盤の電源キースイッチ30を「入」に操作する。
【0048】
その後、セレクタスイッチ32により操作対象基を選択した後(ステップS62)、上昇釦34を押しつづける(ステップS63)。そして、目的パレット(中段パレット3あるいは下段パレット4)が上昇して地上乗入部で停止すると(ステップS64)、地上乗入部に位置した中段パレット3もしくは下段パレット4の地下部パレットに対応する格納車両用検知手段としての各検知器23、24a、24b、24c、25、26が作動する(ステップS65)。
【0049】
次に、ステップS66に移行して、前面の鎖38を外した後、その地下部パレット(中段パレット3もしくは下段パレット4)に車両W1を入庫する(ステップS67)。
【0050】
そして、入庫車両W1が各検知器23、24a、24b、24c、25、26のいずれかを遮光するかどうかが判断され(ステップS68)、遮光していなければ、前面の鎖38を元通りに掛ける(ステップS69)。
【0051】
その後、格納釦33を押しつづけると(ステップS70)、そのパレット(中段パレット3もしくは下段パレット4)が下降し、初期のパレット格納位置で停止する(ステップS71)。その後、電源キースイッチ30を「切」に操作すれば(ステップS72)、車両W1の入庫操作が終了する。
【0052】
また、ステップS68において、入庫車両W1が各検知器23、24a、24b、24c、25、26のいずれかを遮光していれば、制御装置28は警報器36としてのブザーを鳴動させる(ステップS73)。
【0053】
そして、ブザーが鳴動すれば、そのパレットの格納動作が不能となり(ステップS74)、駐車不可と判断し、車両W1を出庫する(ステップS75)。この車両W1の出庫により、ブザーの鳴動は停止し、格納動作が可能な状態に戻される(ステップS76)。
【0054】
その後、前記ステップS69に移行して、前面の鎖38を元通りに掛け、格納釦33を押しつづけ(ステップS70)、そのパレットが下降し、初期のパレット格納位置で停止すると(ステップS71)、電源キースイッチ30を「切」に操作すればよい(ステップS72)。
【0055】
また、本実施形態においての車両W1、W2の出庫操作に際しては、前述の従来例と同様、図9のフローチャートに従うように制御されている。
【0056】
本実施形態は以上のように構成されており、ピット9に格納する中段パレット3および下段パレット4には、普通車(軽自動車を含む)のみ格納する普通車搭載用とし、比較的融通の効く地上に露出する上段パレット2には長尺車両W2も搭載可能としているため、設備工事費が嵩むピット9をより浅く、より小平面面積に抑えることが可能となり、ここに、長尺車両W2が駐車可能で、設備工事費が安価なピット多段式駐車装置1を提供できる。
【0057】
また、上段パレット2に搭載される長尺車両W2の許容寸法オーバーを検知する長尺車両用検知手段および、中段パレット3や下段パレット4に搭載される普通車両W1の格納寸法オーバーを検知する格納車両用検知手段をそれぞれ備えており、長尺車両用検知手段や格納車両用検知手段により許容寸法オーバーや格納寸法オーバーを検知した場合には、警報器36によるブザー等で警報を発するため、各パレット2、3、4に対する誤入庫が有効に防止でき、中段パレット3や下段パレット4の格納パレットに対して長尺車両W2が搭載された際にも不用意な格納が有効に防止できる。
【0058】
さらに、上段パレット2の車止め部17は、中段パレット3や下段パレット4の車止め部17の位置よりも後方位置に設けられており、長尺車両W2が上段パレット2上に搭載された場合に、上段パレット2の後側に長尺車両W2の後部が突出した状態で駐車できる構造とされ、普通車両W1や長尺車両W2の車両乗入側を揃える方式としているため、車両乗入側検知器としての車両前端規制用検知器23を中段パレット3や下段パレット4に搭載される普通車両W1と上段パレット2に搭載される長尺車両W2の検知に兼用でき、構造の簡素化やコスト低減が図れると共に、進入禁止用鎖38の設置も容易となる。
【0059】
また、中段パレット3や下段パレット4の車輪案内路3a、4aの溝幅A1に対して、上段パレット2の車輪案内路2aの溝幅A2の方が外側方に向けてより幅広に形成されているため、より車幅の広い長尺車両W2であっても上段パレット2に駐車可能となり、汎用性が向上する。
【0060】
なお、上記実施形態において、各パレット群6、7、8が地上1段・地下2段の上下方向3段式のピット多段式駐車装置1を示しているが、地上1段・地下1段の上下方向2段式であってもよく、さらには上下方向4段以上の地上1段・地下多段であってもよい。
【0061】
また、各パレット群6、7、8を横方向に3列配置した構造のピット多段式駐車装置1を示しているが、3列に限らず、1列のみの単列であってもよく、さらには2列や4列以上の複数列であってもよい。
【0062】
さらに、各パレット群6、7、8の昇降用の駆動装置として1台の油圧ユニット13により各油圧シリンダ11を作動する構造を示しているが、各パレット群6、7、8毎に油圧ユニット13を配置する構造としてもよく、また、油圧駆動式の昇降装置に限らず、チェーン駆動による巻き上げ・巻き下ろし方式等による電動駆動式による昇降装置であってもよい。
【0063】
また、警報器36として、ブザーを用いた構造を示しているが、音声や照明灯等により誤入庫を知らせる構造としてもよい。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、本発明のピット多段式駐車装置によれば、格納パレットは普通車搭載用とされ、地上に露出する上段パレットはピット長さよりも長尺の長尺車両が搭載可能とされたものであり、設備工事費が嵩むピットをより浅く、より小平面面積に抑えることが可能となり、長尺車両が駐車可能で、工事費が安価なピット多段式駐車装置を提供することができる。
【0065】
また、各パレットに対して車両が入出庫される地上乗入部に、格納パレットに搭載される車両の格納寸法オーバーを検知する格納車両用検知手段と、上段パレットに搭載される長尺車両の許容寸法オーバーを検知する長尺車両用検知手段とが備えられた構造とすることによって、各パレットに対する誤入庫が有効に防止できる。
【0066】
さらに、格納車両用検知手段の地上乗入部における車両乗入側検知器と、長尺車両用検知手段の地上乗入部における車両乗入側検知器とを兼用した構造とすれば、構造の簡素化やコスト低減が図れる利点がある。
【0067】
また、各パレットの両側部に、搭載される車両の前輪および後輪を案内する凹溝状の車輪案内路がそれぞれ備えられると共に、格納パレットの車輪案内路の溝幅に対して、上段パレットの車輪案内路の溝幅の方が外側方に向けてより幅広に形成されている構造とすれば、より車幅の広い長尺車両であっても上段パレットに駐車可能となり、汎用性が向上するという利点がある。
【0068】
さらに、本発明のピット多段式駐車装置における制御方法によれば、ピット内に格納操作自在で、普通車搭載用とされた格納パレットと、地上に露出すると共にピット長さよりも長尺の長尺車両が搭載可能とされた上段パレットとを備え、車両が入出庫される地上乗入部に、格納パレットに搭載される車両の格納寸法オーバーを検知する格納車両用検知手段と、上段パレットに搭載される長尺車両の許容寸法オーバーを検知する長尺車両用検知手段とを備えたピット多段式駐車装置の制御方法であって、上段パレットに車両が搭載される際には、長尺車両用検知手段の作動により、搭載された車両を検知した場合に許容寸法オーバーと判断して警報を発し、格納パレットが前記地上乗入部に呼び出されてその格納パレットに車両が搭載される際には、格納車両用検知手段の作動により、搭載された車両を検知した場合に格納寸法オーバーと判断して警報を発する方法であり、各パレットに対する誤入庫が有効に防止できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る概略正面図である。
【図2】同II−II線断面矢視図である。
【図3】図1のIII−III線断面矢視図である。
【図4】パレット群における各パレットの断面説明図である。
【図5】同制御ブロック図である。
【図6】入庫動作のフローチャートである。
【図7】入庫動作のフローチャートである。
【図8】従来の入庫動作のフローチャートである。
【図9】出庫動作のフローチャートである。
【符号の説明】
1 駐車装置
2 上段パレット
2a 車輪案内路
2b 立ち上がり部
3 中段パレット
3a 車輪案内路
3b 立ち上がり部
4 下段パレット
4a 車輪案内路
4b 立ち上がり部
6、7、8 パレット群
9 ピット
15 前輪
16 後輪
22 車両後端規制用検知器
23 車両前端規制用検知器
24a、24b、24c 車両後端規制用検知器
25 左端規制用検知器
26 右端規制用検知器
36 警報器

Claims (5)

  1. ピット内に格納操作自在な格納パレットと、地上に露出する上段パレットとの複数段のパレットを備えたピット多段式駐車装置において、
    前記格納パレットは普通車搭載用とされ、前記上段パレットはピット長さよりも長尺の長尺車両が搭載可能とされたことを特徴とするピット多段式駐車装置。
  2. 前記各パレットに対して車両が入出庫される地上乗入部に、前記格納パレットに搭載される車両の格納寸法オーバーを検知する格納車両用検知手段と、前記上段パレットに搭載される前記長尺車両の許容寸法オーバーを検知する長尺車両用検知手段とが備えられたことを特徴とする請求項1に記載のピット多段式駐車装置。
  3. 前記格納車両用検知手段の前記地上乗入部における車両乗入側検知器と、前記長尺車両用検知手段の地上乗入部における車両乗入側検知器とを兼用したことを特徴とする請求項2に記載のピット多段式駐車装置。
  4. 前記各パレットの両側部に、搭載される車両の前輪および後輪を案内する凹溝状の車輪案内路がそれぞれ備えられると共に、前記格納パレットの車輪案内路の溝幅に対して、前記上段パレットの車輪案内路の溝幅の方が外側方に向けてより幅広に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のピット多段式駐車装置。
  5. ピット内に格納操作自在で、普通車搭載用とされた格納パレットと、地上に露出すると共にピット長さよりも長尺の長尺車両が搭載可能とされた上段パレットとを備え、車両が入出庫される地上乗入部に、前記格納パレットに搭載される車両の格納寸法オーバーを検知する格納車両用検知手段と、前記上段パレットに搭載される長尺車両の許容寸法オーバーを検知する長尺車両用検知手段とを備えたピット多段式駐車装置の制御方法であって、
    前記上段パレットに車両が搭載される際には、前記長尺車両用検知手段の作動により、搭載された車両を検知した場合に許容寸法オーバーと判断して警報を発し、
    前記格納パレットが前記地上乗入部に呼び出されてその格納パレットに車両が搭載される際には、前記格納車両用検知手段の作動により、搭載された車両を検知した場合に格納寸法オーバーと判断して警報を発することを特徴とするピット多段式駐車装置の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009057747A (ja) * 2007-08-31 2009-03-19 Shinmaywa Engineerings Ltd 多段複数列駐車装置の運転装置及び異常警報方法
JP2010043470A (ja) * 2008-08-13 2010-02-25 Ihi Transport Machinery Co Ltd 既設駐車装置の改良方法とこの方法により改良された駐車装置

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