JP2004256766A - 重合禁止剤複合体及びこれを用いた硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】貯蔵安定性と硬化性に優れ、柔軟で強度が高い優れた特性を有する硬化性組成物を提供する。
【解決手段】重合禁止剤化合物、パラフィン系ワックス、ポリオレフィン系ワックス、長鎖脂肪酸またはその誘導体を乾式接触摩擦混合して得られる粒状の重合禁止剤複合体。ジシクロペンタジエニル構造を含むラジカル重合性モノマー、ポリアルキレングリコール、その他のラジカル重合性モノマー、過酸化物及び重合禁止剤複合体を混合する硬化性組成物。ポリアルキレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリプロピレングリコール構造のブロックを含むブロックポリマーである硬化性組成物。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗料、接着剤、注形材などに使用する熱硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジシクロペンタジエニル構造を含有する組成物は風乾性を示し、古くからビニルエステル樹脂やアルキド樹脂等に広く用いられている。例えば、特許3279964号公報ではジシクロペンタジエニルと無水マレイン酸と水の反応物、多価アルコールと多塩基酸を反応させる不飽和ポリエステルの製造法が開示されている。また、最近はこれにエポキシ樹脂を組み合わせることも盛んに行われており、例えば特許3351833号公報にはエポキシ樹脂に不飽和一塩基酸及び不飽和多塩基酸を反応させて得られる不飽和エステルとジシクロペンタジエニル基を含む(メタ)アクリル系モノマーを含有するアスファルト構造の補修材料に関する技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、ジシクロペンタジエンと不飽和カルボン酸やアルコールを反応させて得られる生成物はジシクロペンタジエニル構造が酸素との親和性が強い上、3級炭素、特にアリル位の3級炭素を複数含むことによって酸素と結合し、過酸化物を形成するため、空気硬化性が良好であり、硬度の高い硬化被膜を形成できる優れた硬化性組成物であることが知られている。一方で、ジシクロペンタジエニル構造自体が剛直であり、また反応生成物の分子量が小さいことと重なって、硬化物が脆い欠点がある。これを補うため、比較的分子量の大きなエポキシ樹脂をジシクロペンタジエンまたはその重合体と併用し、不飽和カルボン酸やアルコールを反応させることが行われているが、この場合もエポキシ樹脂自体が剛直であり、またエポキシ樹脂自体には空気硬化性が無いため、空気硬化性を低減させるため、効果が制限される課題がある。これらの問題を改善するため、ジシクロペンタジエンから得られる反応生成物を(メタ)アクリルレートや芳香族ビニル化合物などで溶解・希釈し、硬化物の物性を補うことも広く行われている。この場合にはジシクロペンタジエニル構造が希薄なため、空気硬化性が乏しくなり、他の過酸化物を併用したり、空気酸化による過酸化物生成を促進するドライヤーと呼ばれる触媒の添加など行われているが、希釈・溶解に用いられるモノマーとジシクロペンタジエンから得られる反応物の間の反応性が乏しく、硬化性と柔軟性を両立するのは困難である。また、この場合、ジシクロペンタジエニル構造が希薄になり、特に空気と接触する表面が酸素による重合阻害によって硬化性が劣る欠点がある。また、ドライヤーの添加により貯蔵中に空気と接触する部分で硬化反応が起こり、所謂皮張りと呼ばれる問題が起きやすい。更に、ドライヤーと過酸化物を併用して重合を促進することも行われているが、貯蔵中に硬化が進行する課題がある。これを改善するため、ドライヤーをマイクロカプセルに閉じこめたり、活性炭やセライトなどに吸収させるなどが検討されているが、硬化性と貯蔵安定性の両立が困難であったり、製造法が煩雑で、適応範囲が限定されるなどの課題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はこれらの課題がジシクロペンタジエニル構造が酸素との親和性が高いため、ラジカル重合性モノマーの貯蔵中の重合を抑制する目的で添加される重合禁止剤が酸素によって酸化され、重合禁止剤が減少することが主たる原因であることを見出し、重合禁止剤を酸素と遮断し、必要に応じて放出される方法を考案したものであり、融点が30℃以上の重合禁止剤化合物1質量部に対し、パラフィン系ワックス、ポリオレフィン系ワックス、長鎖脂肪酸またはその誘導体から選ばれた融点が30〜300℃のワックス状有機物1〜1000質量部を乾式接触摩擦混合して得られる平均粒子径が0.01〜500μmの重合禁止剤複合体であり、ジシクロペンタジエニル構造を含むラジカル重合性モノマー5〜90質量%、ポリアルキレングリコール1〜50質量%、その他のラジカル重合性モノマー0〜50質量%を含有する組成物100質量部に対して、過酸化物0.01〜10質量部及び重合禁止剤複合体0.001〜10質量部を混合する硬化性組成物であり、ポリアルキレングリコールが、重量平均分子量が300〜50000であり、ポリプロピレングリコールまたはポリプロピレングリコール構造のブロックを30質量%以上含むブロックポリマーである硬化性組成物である。
【0005】
【発明の実施の形態】
即ち本発明は、溶解が非常に緩やかであるワックス状有機物に重合禁止剤を固体状で複合化してラジカル重合性モノマー組成物中に混合すると、ワックス状物質がゆっくりと溶解し、これに応じて重合禁止剤もゆっくりと組成物中に溶解して放出し、貯蔵中のラジカル重合を抑制するものである。
【0006】
即ち、本発明は(A)融点が30℃以上の重合禁止剤 1質量部に対し、(B)パラフィン系ワックス、ポリオレフィン系ワックス、長鎖脂肪酸またはその誘導体から選ばれた融点が30〜300℃のワックス状有機物1〜1000質量部を乾式接触摩擦混合して得られる平均粒子径が500μm以下の重合禁止剤複合体に関するものである。
【0007】
更に本発明は、(1)ジシクロペンタジエニル構造を含むラジカル重合性モノマー、(2)ポリアルキレングリコール、(3)その他のラジカル重合性モノマーの組成物に、過酸化物と重合禁止剤複合体を混合した硬化性組成物に関するものである。
【0008】
本発明において、重合禁止剤とはラジカル重合を引き起こす活性なラジカル種と反応し、ラジカル重合を引き起こさない不活性なラジカルまたは安定な化合物にする作用を有する化合物である。この様な作用を有する化合物としては、例えばパラベンゾキノン、p−ナフトキノン、2,5−ジフェニル p−ベンゾキノンなどのキノン類、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノンモノエチルエーテル、ハイドロキノンモノブチルエーテル、モノt−ブチルハイドロキノン、ジt−ブチルパラクレゾール、ナフトールなどのフェノール類などがある。この他、使用例は少ないが、トリエチルアミンやジメチルアニリンなどの塩酸塩、酢酸塩、炭酸塩なども用いることができる。
【0009】
本発明において、ワックス状有機物は融点が30〜300℃、好ましくは40〜250℃、特に好ましくは50〜200℃である。ここで融点が低ければ複合体の製造が困難になるばかりでなく、重合禁止剤の放出が早くなり、混合された硬化性組成物の貯蔵安定性が低下する。一方、融点が高ければ重合禁止剤の放出が起こりにくくなり、重合禁止効果が乏しくなる。
【0010】
本発明においてワックス状とは、蝋と類似の変形挙動を表すが、具体的には、融点以下では固体であるが融点以上になると速やかに低粘性液体に変化する熱変化挙動と、固体状でも一定以上の変形力が掛かると流動する塑性変形挙動を示す性質である。ワックス状を示す有機物は多数存在するが、本発明では特にパラフィン系ワックス、ポリオレフィン系ワックス、長鎖脂肪酸またはその誘導体から選ばれた有機物が用いられる。これらの有機物は単独でも複数でも使用可能であり、またこれら以外の有機物を併用することも可能である。
【0011】
本発明において、ワックス状有機物は重合禁止剤1質量部に対して1〜1000質量部、好ましくは2〜500質量部、特に好ましくは3〜100質量使用される。ここでワックス状有機物が少なければ重合禁止剤の複合化効果が乏しくなり、多ければ重合禁止剤放出効果が乏しくなる。
【0012】
本発明において、重合禁止剤とワックス状有機物は乾式接触摩擦混合される。ここで、乾式接触摩擦混合とは粉体状の重合禁止剤とワックス状有機物を、互いに接触し、摩擦するように激しく混合することである。この場合、特に限定されないが、混合は攪拌羽根による内部攪拌または容器を振とうする外部攪拌などの機械的攪拌が用いられる。また、この機械的攪拌を行う時に、粉体以外の液体を加えて湿った状態で行う湿式混合も可能ではあるが、本発明においては粉体を維持したままで行う乾式混合を用いる。また、本発明では乾式混合を原則とするが、粉体以外の液体を添加することを完全に排除するものでは無く、混合時に実質的に乾いた状態になる程度に少量の液体を添加することも含まれる。
【0013】
本発明に懸かる重合禁止剤複合体は、その平均粒子径が500μm以下、好ましくは0.01〜300μm特に好ましくは0.1〜100μmである。重合禁止剤複合体の平均粒子径が大きければ効果が乏しく、小さい場合は重合禁止剤の放出が早くなる。
【0014】
本発明における平均粒子径には重量平均粒子径を用いる。微粒子の平均粒子径は様々な定義があり、また測定方法によっても求められる数値が変化するが、本発明においてはレーザー光散乱法による測定結果を統計処理して得られる重量平均粒子径を用いる。
【0015】
また、本発明は本発明にかかる重合禁止剤複合体を有効に活用するために、特に好ましい硬化性組成物の組み合わせを見出したものである。即ち、本発明にかかる重合禁止剤複合体は、(1)ジシクロペンタジエニル構造を含むラジカル重合性モノマー、(2)ポリアルキレングリコール、(3)その他のラジカル重合性モノマーの組成物に、過酸化物と共に混合されて、硬化性組成物として使用される。
【0016】
本発明において、ジシクロペンタジエニル構造を含むラジカル重合性モノマーとはジシクロペンタジエンにアクリル基、メタクリル基、マレイル基、イタコイル基、アリル基、芳香族ビニル基、ビニルエステル基、ビニルエーテル等のラジカル重合性基が直接または間接に結合した化合物である。直接結合したモノマーとしては、例えば、アクリル酸ジシクロペンタジエニル、メタクリル酸ジシクロペンタジエニル、ビス(アクロイル)ジシクロペンタジエン、ビス(メタクロイル)ジシクロペンタジエン、マレイン酸ジシクロペンタジエニル、マレイン酸 ジ(ジシクロペンタジエニル)、イタコン酸ジシクロペンタジエニル、イタコン酸 ジ(ジシクロペンタジエニル)、ジシクロペンタジエニルアリルエーテル、ジシクロペンタジエニル ビス(オキシアリル)、ジシクロペンタジエニルビニルエーテル、ジシクロペンタジエニル ビス(オキシビニル)、4−ジシクロペンタジエニルスチレンなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0017】
また、間接に結合したものはジシクロペンタジエニル基とラジカル重合性基の間にこれら以外の連結基が挿入された構造の化合物である。この様な連結基としては、特に限定されるものではないが、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、シクロヘキシレンなどのアルキレン基、ポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンなどのポリオキシアルキレン基、フェニレン、ナフチレン、ベンジリデンなどのアリーレン基、ポリ(オキシエチルカルボニルオキシ)、ポリ(オキシプロピルカルボニルオキシ)、ポリ(オキシブチるカルボニルオキシ)などのポリ(オキシアルキレンカルボニルオキシ)等、多種用いることができるが、本発明における連結基としてはラジカル重合反応に実質的な悪影響を与えない限り、使用することができる。
【0018】
また、本発明において、ジシクロペンタジエニル構造を含むラジカル重合性モノマーとしては、ジシクロペンタジエニル構造とラジカル重合性基を共に1つ以上含むことが必要条件であり、片方または両方が複数含まれていても良い。また、これら以外の官能基を含むことも、特にラジカル重合性に実質的な悪影響を与えない限り排除されない。
【0019】
本発明においてポリアルキレングリコールは硬化性を損なうこと無く硬化し、硬化した後に硬化物の柔軟性を向上させる役割を持つ。ポリアルキレングリコールはメチレン、エチレン、ブチレン、シクロヘキシレン等のアルキレン基がエーテル結合によって連結された構造を有しているが、アルキレン基及びエーテル基は共に自由度が高い結合であり、その結合体であるポリアルキレングリコールも非常に柔軟性が高い。また、エーテル結合は空気酸化によって過酸化物を形成することは良く知られているところであるが、本発明においてもこの効果は有効であり、ジシクロペンタジエニル構造に由来する酸素との親和性の影響で硬化物中に溶解した酸素が、エーテル結合と容易に反応し、過酸化物の形成が促進される効果がある。この結果、組成物を硬化させることを目的に、ラジカル重合を引き起こさせる場合には、エーテル結合由来の過酸化物も分解してラジカルを発生させるために、ラジカル重合生成物との間に共有結合を生成する。この共生作用の結果、硬化物は、ジシクロペンタジエニル構造、ポリアルキレングリコール、ラジカル重合性基から生成するポリマーが互いに共有結合を形成される。
【0020】
本発明におけるポリアルキレングリコールとしては、上述の如く多様な材料を使用できるが、特にポリプロピレングリコールまたはポリプロピレングリコール構造のブロックを30質量%以上含むブロックポリマーであることが好ましい。これは、前述の如く、本発明ではポリアルキレングリコールに含まれるエーテル結合による共生作用を活用しており、エーテル結合の比率が高い方が好ましい結果が得られる。従って、ポリアルキレングリコールとしてはアルキレン部分が短い物が好ましいことになる。一方、本発明では上述の如く、ジシクロペンタジエニル構造のもつ酸素との親和性を活用しているが、この効果を活用するにはジシクロペンタジエニル構造とポリアルキレングリコールの親和性も必要である。ジシクロペンタジエニル構造は極性部分を持たないため低極性であり、アルキレン部分が長い、低極性のポリアルキレングリコールが良好な親和性を持つ。これらの相反する理由から本発明では、ポリプロピレングリコールが特に好ましいものとして挙げられる。また、上述の議論はポリアルキレングリコールを1種類に限定したものであるが、複数を併用することも可能である。単純に異種構造のポリアルキレングリコールを共存させて目的を達成することも可能だが、共有結合で結合されているブロックポリマーが好ましい。この場合もポリプロピレングリコール構造は効果的であり、他のポリアルキレングリコールとのブロックポリマーはポリプロピレングリコール単独に近い効果があるが、その中で特にポリプロピレングリコール構造を30質量%以上、特に50質量%以上含む物が好ましい。
【0021】
本発明におけるポリアルキレングリコールは、特に限定されるものではないが、重量平均分子量が300〜50,000、特に好ましくは500〜30,000のものが用いられる。ここで、分子量が小さければ、硬化物中でエーテル結合由来の結合に関与しない分子が多くなりやすい。一方、分子量が大きければ組成物の粘度が高くなるばかりでなく、溶解性が低下してジシクロペンタジエニル構造との親和性が乏しくなる。
【0022】
本発明において、ジシクロペンタジエニル構造を含むラジカル重合性モノマーとポリアルキレングリコールはそれぞれ5〜90質量%、好ましくは10〜85質量%、特に好ましくは30〜80質量部、及び1〜50質量%、好ましくは5〜45質量%、特に好ましくは20〜40質量%含まれる。ここでジシクロペンタジエニル構造を含むラジカル重合性モノマーが少なければ、硬化性が低下し、遊離のポリアルキレングリコールが増え、物性を低下させる。一方、多ければ、硬化性は向上するがポリアルキレングリコールの比率が低下し、硬化物が脆くなる。また、ポリアルキレングリコールが少なければ硬化物が脆くなり、多ければジシクロペンタジエニル構造が希薄になり、硬化性が低下する。特に限定するものではないが、ポリアルキレングリコールの使用量は、ジシクロペンタジエニル構造を含むラジカル重合性モノマーを1質量部に対して、0.1〜2質量部、好ましくは0.2〜1.5質量部、特に好ましくは0.3〜1質量部使用される。
【0023】
本発明ではジシクロペンタジエニル構造を含むラジカル重合性モノマーと共重合可能な他のラジカル重合性モノマーを使用することも可能である。この様なモノマーとしては、例えばアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸フェニルなどの単官能性アクリレート類、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、グリセリンポリアクリレート、ペンタエリスリトールポリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレートなどの多官能性アクリレート類、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸フェニルなどの単官能性メタクリレート類、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、グリセリンポリメタクリレート、ペンタエリスリトールポリメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリレートなどの多官能性メタクリレート類、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸エチル、マレイン酸ジエチル、マレイミドなどのマレイン酸類、イタコン酸メチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸エチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ブチル、イタコン酸ジメチルなどのイタコン酸類、スチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル化合物などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0024】
本発明では、この他にラジカルを発生して硬化を促進するために、過酸化物を使用する。ここで過酸化物としては、組成物の安定性とラジカル重合開始効率から、ある程度分解しにくいものが好ましい。過酸化物の分解しやすさは単独での10時間半減期温度が目安となる。10時間半減期温度とは、温度を変えて過酸化物の分解を測定し、10時間で半分が分解する温度を求めたものである。この場合、温度が高いほど熱分解しにくく、低いほど熱分解しやすいことを示す。本発明において用いられる過酸化物は、10時間半減期温度が30℃以上、特に50℃以上が好ましい。この様な過酸化物としては、例えばp−メンタンハイドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、t−ヘキシルハイドロパーオキシド、t−ブチルハイドロパーオキシドなどの有機パイドロパーオキシド類、ビス(t−ブチルパーオキシ m−イソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキシド、ジt−ブチルパーオキシド、などのジアルキルパーオキシド類、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンなどのパーオキシケタール類、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ 3,3,5−トリメチルヘキサン酸、t−ブチルパーオキシラウリル酸、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ酢酸、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタル酸などのパーオキシエステル類が挙げられる。
【0025】
本発明において、過酸化物と重合禁止剤複合体は、(1)ジシクロペンタジエニル構造を含むラジカル重合性モノマー (2)ポリアルキレングリコール (3)その他のラジカル重合性モノマー の組成物100質量部に対して、それぞれ過酸化物が0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜7質量%、特に好ましくは0.1〜5質量%、及び重合禁止剤複合体が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量部、特に好ましくは0.05〜3質量部使用される。過酸化物と重合禁止剤複合の比率は特に限定されないが、過酸化物1質量部に対して複合体微粒子を好ましくは0.01〜10質量部、特に好ましくは0.05〜5質量部使用する。ここで過酸化物の使用量が少なければ、硬化性が低下し、多ければ過酸化物由来の不純物により、硬化物の物性が低下する。また、重合禁止剤複合体が少なければ、貯蔵安定性が低下し、多ければ硬化性が低下する。
【0026】
本発明では、上述の成分に加え、フィラー、顔料、染料及び耐候性向上や垂れ防止、平滑性向上などの各種添加剤などを必要に応じて用いることができる。これらの材料は特に限定されるものではないが、ラジカル重合性に実質的な悪影響を及ぼさないものが好ましい。使用量は使用する材料とその目的によって変化するが、最も多いフィラーの場合でも90質量%以下、特に80質量%以下が好ましい。ここで使用量が多いと本発明に掛かる硬化性組成物の比率が低下し、硬化性と硬化物の物性が低下する。
【0027】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
【実施例】
(重合禁止剤複合体の製造例)
ハイドロキノン(和光純薬試薬、平均粒子径約200μm以下10gとパルミチン酸(日本油脂NAA−160/粒子径約1mm、融点74℃)100gをフードプロセッサー(松下電器産業MK−K58−Wの餅つきモード)で約1時間乾式攪拌混合した。この処理により、粉体状のハイドロキノンとビーズ状のパルミチン酸は均一に複合化され、ビースが消滅すると共に粉砕されて、粉体の重合禁止剤複合体が得られた。この複合体微粒子を島津製作所粒子径測定器SALD−2000で測定した結果、重量平均粒子径は約80μmであったった。
【0028】
(ジシクロペンタジエニル構造を含むラジカル重合性モノマーの合成例)
攪拌機の付いたSUS製反応器に、ジシクロペンタジエン132部とメタクリル酸2−ヒドロキシエチル130部に、ハイドロキノン0.65部、12−タングストリン酸1.3部を混合し、攪拌しながら85℃で10時間保温し、反応させた。得られた反応混合物をGC分析したところ、原料であるジシクロペンタジエンとメタクリル酸2−ヒドロキシエチルがほぼ完全に消滅し、替わりに1種類の主要生成物(別途、メタクリル酸ジシクロペンタジエニルエチルと同定)ピークとなったので、特に精製せずこのまま使用した。
【0029】
(硬化性組成物の製造例)
表1に示した配合で秤量し、攪拌機で均一に混合した。
組成物配合
上記以外の材料は以下の通り。
PPG−1000:ポリプロピレングリコール(分子量1000/日本乳化剤製)
PPG−700:ポリプロピレングリコール(分子量700/日本乳化剤製)
3M:パーヘキサ3M(1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン 純度95%/日本油脂製)
I:パーヘキシルI(t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート/純度約90%/日本油脂製)
H−80:パークミルH−80(パークミルハイドロパーオキシド/芳香族系炭化水素で希釈。純度80%/日本油脂製)
【0030】
【表1】
Figure 2004256766
【0031】
(硬化塗膜作成)
組成物1〜5を厚さ0.8mmのSPCCテストピース(日本テストパネル社製SPCC−SD)に100・高フドクターブレードで塗布した。これを120℃に加熱してある送風乾燥機に入れ、10分加熱硬化させた。
【0032】
(硬化物作成)
組成物1〜5を内径5cm、深さ1.0cmのSUS製型枠に入れ、100℃で30分加熱硬化させた。室温まで冷却したのち、型枠から外した。
【0033】
(特性評価)
(1)貯蔵安定性:内容積20mlのサンプル瓶に約10g秤量し、密封して40℃の恒温水 槽に静置し、組成物が硬化する日数を測定した。
判定基準:◎10日以上 △3〜10日 ×3日以内
(2)硬化性:硬化被膜及び硬化物を外観及び指触で観察した。
判定基準:○良好 △表面タック有り ×不良
(4)耐溶剤性:硬化物をアセトンに浸析し、室温で24時間静置した。
Figure 2004256766
(5)耐水性:硬化塗膜をイオン交換水に浸析し、50℃で24時間静置した。
Figure 2004256766
(6)密着性:硬化塗膜をJIS K5400 8.5.2(碁盤目テープ法)のすきま間隔 1mm(ます目100)で評価した。
(7)鉛筆硬度:硬化塗膜をJIS K5400 8.4(鉛筆引っかき値)により評価した。
(8)耐衝撃性:硬化塗膜をJIS K5400 8.3.2(耐衝撃性 デュポン式)によ り評価した。
(9)耐屈曲性:硬化塗膜をJIS K5400 8.2(エリクセン値)により破断距離を 求めた。(20℃)
【0034】
結果を表2に示した。
硬化塗膜及び硬化物評価結果
【0035】
【表2】
Figure 2004256766
【0036】
【発明の効果】
実施例で明らかな如く、本発明によれば貯蔵安定性と硬化性に優れた硬化性組成物が製造できる。また、得られる硬化物は、柔軟で強度が高い優れた特性を有する。

Claims (3)

  1. (A)融点が30℃以上の重合禁止剤化合物1質量部に対し、(B)パラフィン系ワックス、ポリオレフィン系ワックス、長鎖脂肪酸またはその誘導体から選ばれた融点が30〜300℃のワックス状有機物1〜1000質量部を乾式接触摩擦混合して得られる平均粒子径が0.01〜500μmの重合禁止剤複合体。
  2. (1)ジシクロペンタジエニル構造を含むラジカル重合性モノマー5〜90質量%(2)ポリアルキレングリコール1〜50質量%、(3)その他のラジカル重合性モノマー0〜50質量%を含有する組成物100質量部に対して、過酸化物0.01〜10質量部及び請求項1記載の重合禁止剤複合体0.001〜10質量部を混合する硬化性組成物。
  3. ポリアルキレングリコールが、重量平均分子量が300〜50000であり、ポリプロピレングリコールまたはポリプロピレングリコール構造のブロックを30質量%以上含むブロックポリマーである請求項2記載の硬化性組成物。
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