JP2004256750A - 金属ナノ微粒子を含む導電性塗工液、導電性金属箔 - Google Patents

金属ナノ微粒子を含む導電性塗工液、導電性金属箔 Download PDF

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徹 丸山
Kunio Esumi
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Abstract

【課題】十分で安定した導電性および強度を有する導電性金属箔を、薄膜で汎用的な基体に製造する。
【解決手段】金属ナノコロイドをミクロ相分離させて得られる金属ナノ微粒子を含む導電性塗工液を用いて導電性金属箔を形成する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属ナノ微粒子を含有する導電性塗工液および導電性インキに関し、これらを用いて形成される導電性金属箔および導電回路に関し、これらが形成されたシート類にも関する。
【0002】
【従来の技術】
非接触IC製品のアンテナを初めとするRF−ID(Radio Frequency IDentification)用アンテナ、プリント回路基板の回路、層間接続導電層、ディスプレイ装置の電極など導電回路は、導電性インキを印刷する等の手法で作製される。
【0003】
従来、導電性インキは溶剤を含有しており、また加熱により硬化されるため、溶剤の揮発による不具合が生じる場合があった。また、加熱により硬化するバインダー樹脂として、フェノール樹脂およびポリエステル樹脂などを使用している場合、硬化に長時間の加熱時間を必要とするため、生産性が不足したり、基材が劣化する場合があった。
【0004】
以上の様な不具合を回避するために、例えば、特許文献1及び2に記載されるように、無溶剤型導電性インキ及び光硬化型導電性インキが提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−219829号公報
【特許文献2】
特開2000−319583号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの無溶剤型導電性インキ及び光硬化型導電性インキを用いて導電回路を形成したとしても、以下の様な不具合が生じる場合があった。
【0007】
先ず、従来の導電性インキは、導電性粒子がバインダー樹脂中に分散されたものである。このため、従来の導電性インキにより作製される回路においては、バインダー樹脂が硬化して形成された樹脂製の回路マトリクス中に、導電性粒子が分散された状態で担持されているため、回路の電気抵抗率が不安定な場合があった。
【0008】
また、従来の導電性インキから得られる回路においては、導電性粒子が樹脂製の回路マトリクス中に分散された状態で担持されているため、導電性粒子間のコンタクトが不足し、導電性が不足する場合があった。また、導電性粒子の含有量を増加して導電性を向上しようとすると、多量の導電性粒子を添加する必要があるため、バインダー樹脂の含有量が不足して、印刷特性が低下したり、得られるプリント回路の強度が不足する場合があった。
【0009】
更に、従来の導電回路の場合、耐熱性の低い樹脂や、紙、不織布、布への使用が困難であった。
【0010】
加えて、電磁波シールド等で要求される薄い導電回路の作製が困難な場合もあった。
【0011】
この様な状況に鑑み、本発明においては、十分で安定した導電性および強度を有する薄膜の導電回路を、汎用的な基体に形成することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明によれば、金属ナノコロイドにミクロ相分離を誘発させて得られる金属ナノ微粒子を含む導電性塗工液が提供される。
【0013】
また、この様な導電性塗工液が樹脂ビヒクルを更に含む導電性インキが提供される。
【0014】
これらの導電性塗工液を塗工したり、これらの導電性インキを印刷すれば、導電性金属箔が得られる。
【0015】
本発明においては、金属ナノコロイド微粒子がコロイド状態で分散している金属ナノコロイドにおいてミクロ相分離を誘発することにより、金属ナノコロイド微粒子が凝集し金属ナノ微粒子が生成する。この金属ナノ微粒子を含む塗工液を塗工すると、理由は明らかではないが、特に成膜工程などを行わなくとも金属光沢を有する金属箔膜が形成される。
【0016】
ミクロ相分離とは、巨視的には相分離していないが、数nm〜数十nmのオーダーでは相分離しており、例えば小角X線散乱法などにより確認できる。また、巨視的には曇点および臨界タンパク光現象などが観測されることもある。例えば、平均粒子径が1〜10nmの金属ナノコロイド微粒子がコロイド状態で分散している金属ナノコロイドにおいて、数nm〜数十nmのオーダーのミクロ相分離を誘発すると、ミクロ相分離により金属ナノコロイド微粒子が凝集し、例えば、平均粒子径が10〜50nmの金属ナノ微粒子が生成する。このため、例えば、Auナノコロイド微粒子がコロイド状態で分散している金属ナノコロイドは赤色であるが、この系にミクロ相分離を誘発すると、曇点においてAuナノ微粒子が生成するため、系は青濁色となる。
【0017】
従来の導電性インキにより作製される回路においては、有機物であるバインダー樹脂中に導電性粒子が分散された構造であるため、導電性粒子の周辺には多量の有機物が存在している。一方、本発明の場合、金属ナノ微粒子を含む塗工液を塗工するのみで金属箔膜が形成されるため、最終的に得られる箔膜中の有機物の含有量は低い。しかも、得られる箔膜は金属ナノ微粒子が連結して連続で一様な箔となっているため、ピンホール及び亀裂などの欠陥が少ない。この結果、本発明の金属箔は、十分で安定な導電性を有し、十分な強度を有し、汎用的な基体に電磁波シールド等で要求される十分な薄膜を生産性良好に製造できる。
【0018】
なお、金属ナノコロイド微粒子とは、金属ナノコロイドにコロイド状態で含まれ金属を含んでなる微粒子を言う。また、金属ナノ微粒子とは、直径がナノメートルオーダーで金属を含んでなる微粒子を言う。更に、金属箔とは主に金属を含んでなる箔を言う。
【0019】
以上の様な導電性金属箔は導電回路として好適である。
【0020】
また、この導電回路をシート状およびカード状などの基体に形成することで、偽造防止用および真贋判定用として好適に使用できる。
【0021】
以上の導電回路中では、金属ナノ微粒子が連結され金属箔状で存在しているため、導電回路は高い電気伝導性を有しており、電気抵抗率は安定している。
【0022】
また、金属ナノ微粒子間のコンタクトは十分である。このため、金属ナノ微粒子の含有量を不必要に増加する必要はないため、導電回路の十分な強度を実現できる。
【0023】
以上の結果、本発明においては、十分で安定した導電性および強度を有する導電回路を実現できる。
【0024】
また、得られた金属ナノ微粒子は常温で乾燥(低温乾燥)することができる。このため、従来の導電回路では使用できなかった耐熱性の低い樹脂や、紙、不織布、布への使用が可能となる。
【0025】
更に、導電回路の膜厚をナノ粒子の厚み(蒸着膜並)まで薄くすることができるため、電磁波シールド等への応用が可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0027】
(金属ナノコロイド微粒子)
金属ナノコロイド微粒子は、例えば、電子顕微鏡で観察でき、電子顕微鏡で得られた画像中の金属ナノコロイド微粒子の直径を計測し平均することで、数平均粒子径および標準偏差を算出できる。また、光散乱法などを利用することにより、体積平均粒子径および標準偏差を測定できる。
【0028】
金属ナノコロイド微粒子の平均粒子径は、導電回路の電気伝導性の観点から通常より大きいことが好ましい。具体的には、0.1nm以上が好ましく、0.5nm以上がより好ましく、1nm以上が更に好ましく、一方、200nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましく、50nm以下が更に好ましい。
【0029】
また、金属ナノコロイド微粒子は、導電回路の電気伝導性の観点から、多分散な粒子径分布を有することが好ましく、例えば、粒子径の標準偏差を平均粒子径の1倍以上とすることもある。
【0030】
この様な多分散な粒子径分布を有する金属ナノコロイド微粒子は、2種類、3種類および4種類以上の異なる平均粒子径を有する金属ナノコロイド微粒子を混合し、バイモーダル(bimodal)、トリモーダル(trimodal)及びポリモーダル(polymodal)な粒子径分布を実現して得ることができる。この場合、平均粒子径の大きい金属ナノコロイド微粒子の周辺に平均粒子径の小さい金属ナノコロイド微粒子が配された状態で金属箔が形成されるため、金属箔の欠損がより抑制される。
【0031】
金属ナノコロイド微粒子の構造としては、一種類の金属を含む金属ナノコロイド微粒子、二種類以上の金属を含む金属ナノコロイド微粒子などを使用できる。
【0032】
一種類の金属を含む金属ナノコロイド微粒子としては、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)等の比較的卑な金属よりなるナノコロイド微粒子;金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ルテニウム(Ru)等の比較的貴な金属よりなるナノコロイド微粒子を使用する。
【0033】
一種類の金属を含む金属ナノコロイド微粒子は、例えば、界面活性剤の存在下で金属塩の水溶液を調製し、これに還元剤を添加して、金属イオンを金属に還元する方法により作製できる。界面活性剤は生成する金属ナノコロイド微粒子に吸着し、金属ナノコロイド微粒子の沈降を防止することが本来の働きであるが、金属イオンと反対電荷の界面活性剤を用いた場合、ミセル中に金属イオンが取り込まれるため、得られる金属ナノコロイド微粒子の粒子径を制御できる。
【0034】
一方、二種類以上の金属を含む金属ナノコロイド微粒子として、例えば、二種類の金属を含む金属ナノコロイド微粒子は、二種類の金属イオンを含む水溶液に還元剤を添加して、これらの金属イオンの両者を還元して得られる。この際、より貴な金属がコアとなり、より卑な金属がシェルとなって、コアシェル構造の金属ナノコロイド微粒子が得られる。
【0035】
平均粒子径が小さく単分散なコアシェル構造の金属ナノコロイド微粒子を作製する観点から、コアを形成する、より貴な金属としては、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ルテニウム(Ru)等を使用する。
【0036】
また、シェルを形成する、より卑な金属としては、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)等を使用する。
【0037】
更に、例えば、分散剤の存在下で、より卑な金属のナノコロイド微粒子を水素処理し、これに、より貴な金属のイオンを添加すると、より卑な金属のナノコロイド微粒子の表面で、より貴な金属のイオンが水素還元されて金属となり、より卑な金属がコアで、より貴な金属がシェルである逆コアシェル構造の金属ナノコロイド微粒子が得られる。
【0038】
平均粒子径が小さく単分散な逆コアシェル構造の金属ナノコロイド微粒子を作製する観点から、コアを形成する、より卑な金属としては、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)等を使用する。
【0039】
また、シェルを形成する、より貴な金属としては、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ルテニウム(Ru)等を使用する。
【0040】
二種類以上の金属を含む金属ナノコロイド微粒子を使用する場合、より貴な金属と、より卑な金属とを併用することにより、貴金属の使用量を低減できるため、コストを低減できる。
【0041】
また、より卑な金属成分を含むコア成分と、このコア成分を被覆する、より貴な金属を含むシェルとを有するコアシェル型ナノコロイド微粒子を使用することもできる。
【0042】
この様なコアシェル型ナノコロイド微粒子は、先ず、より卑な金属と配位子との錯イオンに界面活性剤を添加して、プレミセルを形成し;このプレミセルに、より貴な金属のイオンを添加して、より卑な金属のイオンを酸化すると同時に、より貴な金属のイオンを該より貴な金属に還元して製造できる。
【0043】
ここで、プレミセル状態を説明するために、コアを形成する金属(より卑な金属)の濃度と、界面活性剤の濃度と関係を考える。界面活性剤が低濃度の領域では、金属イオンと配位子とからなる錯イオンが溶解している。また、界面活性剤の濃度を上昇すれば、界面活性剤が錯イオンに結合して沈殿を生じる。更に、界面活性剤の濃度を上昇すると、沈殿が再び溶解する。
【0044】
しかしながら、界面活性剤を添加し錯イオン可溶化してミセルを形成する場合、界面活性剤の濃度は、普通、上記の界面活性剤の濃度より高くする。即ち、上記の界面活性剤の濃度は、ミセルを形成するに必要な一般的な濃度より低い。この場合、界面活性剤の濃度が、ミセルを形成するに必要な最低濃度(臨界ミセル濃度)より低いにも関わらず、錯イオンが溶解しており、ミセルを形成する前段階、即ちプレミセルな状態が形成されていると考えられる。
【0045】
より卑な金属としては、安定な錯イオン及びプレミセルを形成し易く、貴金属により表面を被覆する有用性が高い等の理由から、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)等を使用するが、酸化還元電位、毒性、価格などの観点から、中でも、鉄(Fe)、コバルト(Co)、パラジウム(Pd)等が好ましい。
【0046】
また、シェルの形成反応の際の、より卑な金属の錯イオンの濃度は、安定な錯イオン及びプレミセルを形成し、シェルの形成反応が十分に進行する等の観点から、0.01mmol/L以上が好ましく、0.05mmol/L以上がより好ましく、0.1mmol/L以上が更に好ましく、一方、10mmol/L以下が好ましく、5mmol/L以下がより好ましい。
【0047】
より貴な金属としては、シェルの形成が容易である等の理由から、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ルテニウム(Ru)等を使用する。
【0048】
また、シェル形成反応の際の、より貴な金属のイオンの濃度は、プレミセルを破壊することなく、シェルの形成反応が十分に進行する等の観点から、0.01mmol/L以上が好ましく、0.05mmol/L以上がより好ましく、0.1mmol/L以上が更に好ましく、一方、10mmol/L以下が好ましく、5mmol/L以下がより好ましい。
【0049】
より卑な金属と錯イオンを形成させる配位子としては、安定な錯イオン及びプレミセルを形成し易く、シェルの形成を阻害しないものを、カチオン性配位子、アニオン性配位子、両性配位子およびノニオン性配位子の中から注意深く選ぶが、中でも、錯イオン及びプレミセルの安定性および反応効率の観点から、カチオン性配位子が好ましい。
【0050】
カチオン性配位子としては、ピリジン及びその誘導体、2,2’−ビピリジン及びその誘導体、1,10−フェナントロリン及びその誘導体、エチレンジアミン及びその誘導体、プロピレンジアミン及びその誘導体、トリエチレンテトラミン及びその誘導体などを使用するが、中でも、錯イオン及びプレミセルの安定性および反応効率の観点から、1,10−フェナントロリン、2,2’−ビピリジン等が好ましい。
【0051】
また、錯イオン及びプレミセルの安定性および反応効率の観点からすれば、アニオン性配位子も好ましい。
【0052】
中でも、錯イオン及びプレミセルの安定性および反応効率の観点から、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)及びその誘導体、ジメチルグリオキシム及びその誘導体、1,10−フェナントロリンのカルボキシル基置換体、1,10−フェナントロリンのスルホニル基置換体などを使用する。
【0053】
更に、両性配位子としては、グリシン及びその誘導体などを使用する。
【0054】
また、ノニオン性配位子としては、アセチルアセトン及びその誘導体などを使用する。
【0055】
以上で説明してきた金属ナノコロイドにおいて、界面活性剤としては、安定なコロイドを形成し易いものを、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤の中から注意深く選ぶ。
【0056】
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸石けん、N−アシルアミノ酸、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド等のカルボン酸塩類;アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸の塩ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸の塩ホルマリン重縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン塩、ジメチル−5−スルホイソフタレートナトリウム塩などのスルホン酸塩類;硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、第二級高級アルコールエトキシサルフェート、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアマイドの硫酸エステル塩などの硫酸エステル塩類;アルキル硫酸塩などの硫酸塩類;ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、アルキルリン酸塩などのリン酸エステル類;ポリ及びオリゴ(メタ)アクリル酸、スチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの部分加水分解開環物(開環率は30〜80%が好ましい)、スチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの完全加水分解開環物、エチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの部分加水分解開環物(開環率は30〜80%が好ましい)、エチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの完全加水分解開環物、イソブチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの部分加水分解開環物(開環率は30〜80%が好ましい)、イソブチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの完全加水分解開環物、ポリ及びオリゴ酢酸ビニル、ポリ及びオリゴビニルアルコール、ヘキサエチルセルロース由来のオリゴマー、メチルセルロース由来のオリゴマー、カルボキシメチルセルロース由来のオリゴマー等を使用するが、中でも、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)等のアルキル硫酸塩、ドデカンスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、メラミンスルホン酸の塩ホルマリン重縮合物、ポリ酢酸ビニルなどが好ましい。
【0057】
カチオン性界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族四級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼントニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、四級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート共重合体、四級アンモニウム塩基含有マレイミド共重合体、四級アンモニウム塩基含有メタクリルイミド共重合体などを使用するが、中でも、臭化アルキルアンモニウム(アルキル基の炭素数は10〜14)等の脂肪族四級アンモニウム塩、四級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート共重合体などの高分子系四級アンモニウム塩などが好ましい。
【0058】
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、アルキルアミンオキサイド等を使用する。
【0059】
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、単一鎖長ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン二級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のエーテル類;ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩などのエステルエーテル類;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等のエステル類;脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の含窒素化合物などが好ましく、中でもポリオキシエチレンアルキルエーテル等が好ましい。
【0060】
以上に説明した界面活性剤の中でも、水溶性有機溶媒を添加した際に金属ナノコロイド微粒子から脱着し易いものが好ましく、この様な観点から、高分子量の界面活性剤よりも低分子量の界面活性剤の方が好ましく、具体的には分子量が3,000以下が好ましい。
【0061】
なお、必要に応じて2種類以上の界面活性剤を併用することもでき、特に、アニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤の少なくとも何れか一方と、両性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤の少なくとも何れか一方とを併用することが、プレミセルの安定性および反応効率の観点から好ましい。特に、高分子量の両性界面活性剤(両性界面活性剤ポリマー)および高分子量のノニオン性界面活性剤(ノニオン性界面活性剤ポリマー)は、包摂効果によりプレミセルが安定化するため好ましい。
【0062】
以上の様な金属ナノコロイド微粒子の中でも、得られる金属箔が十分な導電性を有すると同時に金属光沢を有し光輝性を有するものが好ましい。導電性金属箔が光輝性を有すれば、偽造防止性および真贋判定性が更に向上し、色彩的な商品価値も向上する。
【0063】
(ミクロ相分離)
ミクロ相分離は、例えば、金属ナノコロイドの温度および塩濃度の少なくとも何れか一方を変化させることで誘発できる。
【0064】
例えば、金属ナノコロイドがノニオン性界面活性剤を含有し安定化されている場合、金属ナノコロイドの温度を上昇することで、ミクロ相分離を誘発できる。
【0065】
具体的には、ノニオン性界面活性剤存在下において10〜40℃で調製された金属ナノコロイドの温度を45〜95℃に上昇することにより、コロイド状態を熱力学的に破壊し、ミクロ相分離を誘発できる。なお、ミクロ相分離を効率よく誘発する観点から、金属ナノコロイドの温度は50℃以上に上昇することがより好ましく、55℃以上に上昇することが更に好ましい。一方、熱劣化を抑制する観点から、85℃以下に上昇することがより好ましい。
【0066】
ミクロ相分離を誘発し得るノニオン性界面活性剤の濃度はCMC以上であり、ミクロ相分離を効率よく誘発する観点から、0.1mmol/L以上が好ましく、0.5mmol/L以上がより好ましく、1.0mmol/L以上が更に好ましい。一方、ミクロ相分離を誘発し得るノニオン性界面活性剤の濃度はHLB以下であり、ミクロ相分離を効率よく誘発する観点から、50mmol/L以下が好ましく、30mmol/L以下がより好ましく、20mmol/L以下が更に好ましい。
【0067】
同様に、ミクロ相分離を誘発し得るノニオン性界面活性剤の濃度はCMC以上であり、ミクロ相分離を効率よく誘発する観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましい。一方、ミクロ相分離を誘発し得るノニオン性界面活性剤の濃度はHLB以下であり、ミクロ相分離を効率よく誘発する観点から、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以下が更に好ましい。
【0068】
また、金属ナノコロイドがイオン性界面活性剤を含有し安定化されている場合、金属ナノコロイドの温度を降下することで、ミクロ相分離を誘発できる。なお、イオン性界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤の何れかであり、これらが併用されていてもよい。
【0069】
具体的には、イオン性界面活性剤存在下において40〜95℃で調製された金属ナノコロイドの温度を5〜40℃に降下することにより、コロイド状態を熱力学的に破壊し、ミクロ相分離を誘発できる。なお、ミクロ相分離を効率よく誘発する観点から、金属ナノコロイドの温度は35℃以下に降下することがより好ましく、30℃以下に降下することが更に好ましい。一方、同様の観点から、10℃以上に降下することがより好ましい。
【0070】
ミクロ相分離を誘発し得るイオン性界面活性剤の濃度はCMC以上であり、ミクロ相分離を効率よく誘発する観点から、0.1mmol/L以上が好ましく、0.5mmol/L以上がより好ましく、1.0mmol/L以上が更に好ましい。一方、ミクロ相分離を誘発し得るイオン性界面活性剤の濃度はHLB以下であり、ミクロ相分離を効率よく誘発する観点から、50mmol/L以下が好ましく、30mmol/L以下がより好ましく、20mmol/L以下が更に好ましい。
【0071】
同様に、ミクロ相分離を誘発し得るイオン性界面活性剤の濃度はCMC以上であり、ミクロ相分離を効率よく誘発する観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましい。一方、ミクロ相分離を誘発し得るイオン性界面活性剤の濃度はHLB以下であり、ミクロ相分離を効率よく誘発する観点から、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以下が更に好ましい。
【0072】
更に、金属ナノコロイドに無機塩を添加することで、ミクロ相分離を誘発できる場合もある。
【0073】
具体的には、金属ナノコロイドに無機塩を添加して無機塩濃度を10mmol/L〜1mol/Lとすることで、コロイド状態をイオン強度的に破壊し、ミクロ相分離を誘発できる。なお、ミクロ相分離を効率よく誘発する観点から、金属ナノコロイドの無機塩濃度を50mmol/L以上に上昇することがより好ましく、多量の無機塩による悪影響を抑制する観点から、500mmol/L以下に上昇することがより好ましい。
【0074】
同様に、ミクロ相分離を効率よく誘発する観点から、無機塩濃度は0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、多量の無機塩による悪影響を抑制する観点から、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい。
【0075】
金属ナノコロイドに添加する無機塩としては、ミクロ相分離を効率よく誘発する観点から、2価以上の金属イオンを含み溶解性の高いものが好ましく、具体的には、MgSO、Fe(SO、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、ポリ塩化アルミニウム(パック)等が好ましい。
【0076】
以上の様にして誘発されたミクロ相分離により生成される金属ナノ微粒子の平均粒子径は、導電回路の電気伝導性の観点から通常より大きいことが好ましい。具体的には、1nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましく、10nm以上が更に好ましく、一方、200nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましく、50nm以下が更に好ましく、30nm以下が好ましい場合もある。
【0077】
なお、金属ナノ微粒子は、例えば、電子顕微鏡で観察でき、電子顕微鏡で得られた画像中の金属ナノ微粒子の直径を計測し平均することで、数平均粒子径および標準偏差を算出できる。また、光散乱法などを利用することにより、体積平均粒子径および標準偏差を測定できる。
【0078】
(導電性インキ)
導電性インキ全体に対する金属ナノ微粒子の占める割合は、導電回路の電気伝導性の観点から、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、一方、導電回路の強度の関係から、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましい。
【0079】
導電性インキに添加する樹脂ビヒクルとして適当なバインダー樹脂を選択すれば、乾燥硬化型インキ及び熱硬化型インキ等を調製でき、バインダー樹脂として、フェノール樹脂およびポリエステル樹脂などを使用する。
【0080】
また、無溶剤型導電性インキ及び光硬化型導電性インキが好ましい。
【0081】
無溶剤型導電性インキ及び光硬化型導電性インキの場合、バインダー樹脂としてはカチオン硬化性樹脂が好ましく、開始剤が併用される。
【0082】
開始剤としては、紫外線、電子線、X線などの放射線および熱の少なくとも何れかによりカチオン活性種を発生するものが好ましく、カチオン硬化性樹脂としては発生したカチオン活性種と反応する官能基を有する反応性樹脂を使用する。
【0083】
この様な開始剤としては、例えば、芳香族スルホニウム塩化合物、芳香族ホスホニウム塩化合物、芳香族ヨードニウム塩化合物、ジアゾニウム塩化合物、および鉄アレーン錯体化合物、又はこれらの組み合わせによるカチオン活性種が好ましい。中でも、塩化合物については、対アニオンが、六フッ化アンチモンアニオン、六フッ化リンアニオン又はテトラキス(ペンタフロロフェニル)ホウ素アニオンであるものが好ましい。
【0084】
一方、カチオン硬化性樹脂としては、例えば、脂環式エポキシ化合物、オキセタン化合物、アルケンオキシド化合物、グリシジルエーテル化合物、ビニルエーテル化合物、プロベニルエーテル化合物などが好ましく、特には低粘度である、リモネンジオキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレートが好ましく、2種以上のカチオン硬化性樹脂を混合して用いてもよい。
【0085】
カチオン硬化性樹脂および開始剤の混合比としては、カチオン硬化性樹脂100質量部に対して、開始剤を0.01質量部以上10質量部以下とすることが好ましい。
【0086】
なお、必要に応じて、2種類以上の開始剤を併用する場合もある。この際、開始剤の含有量とは、それぞれの開始剤の含有量の総和を言い、開始剤の含有量の総和が上記の範囲内であることが好ましい。
【0087】
また、硬化の反応性を制御するために、ヒドロキシ化合物、炭化水素などの水素ドナーとなる反応助剤を添加してもよく、電磁波による反応の場合には、フェノチアジン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、アミノ安息香酸誘導体、アントラセン、フェナントレン、ペリレンなどの多環芳香族化合物、又はこれらの組み合わせなどの光増感剤を添加してよい。これらの添加量は、開始剤に対して0.01質量%以上100質量%以下が好ましい。
【0088】
以上のバインダー樹脂に加え、本発明の導電性インキには、必要に応じて、塗工性・屈曲性改良剤を添加することが好ましい。
【0089】
塗工性・屈曲性改良剤としては、比表面積が大きく見掛け比重と平均粒径が小さい無機物、軟化点またはガラス転移点(Tg)が低い高分子化合物などが挙げられる。
【0090】
具体的には、比表面積が100m/g以上、見掛け比重が50g/L以下、平均1次粒径が30nm以下のシリカが好ましく、例えば、日本アエロジル株式会社製AEROSIL 200CF(商品名)、日本アエロジル株式会社製AEROSIL 300CF(商品名)などが好ましい。
【0091】
また、軟化点100℃以下で数平均分子量1000以上50000以下の飽和ポリエステル樹脂が好ましく、例えば、東洋紡績株式会社製バイロン500(商品名)、東洋紡績株式会社製バイロン130(商品名)などが好ましい。
【0092】
更に、ガラス転移点(Tg)−30℃以下のポリビニルエーテル樹脂が好ましく、例えば、BASF社製ルトナールM40(商品名)、BASF社製ルトナールA25(商品名)などが好ましい。
【0093】
加えて、軟化点100℃以上のフェノキシ樹脂が好ましく、例えば、油化シェルエポキシ株式会社製エピコート1010(商品名)、油化シェルエポキシ株式会社製エピコート4010P(商品名)などが好ましい。なお、フェノキシ樹脂とは、ビスフェノール化合物およびエピクロルヒドリンから誘導されるオリゴマー又はポリマーを言う。
【0094】
上記の塗工性・屈曲性改良剤の作用として、シリカは凝集力および羽毛状の構造による擬似的架橋構造形成により、飽和ポリエステル樹脂およびポリビニルエーテル樹脂は導電性インキ全体の粘度を上げ皮膜のガラス転移点(Tg)を下げることにより、フェノキシ樹脂は末端架橋による実質的な高分子量化により、それぞれ目的とする塗工性および屈曲性の改良に寄与していると考えられ、中でもシリカ及び飽和ポリエステル樹脂が好ましい。
【0095】
以上で説明したカチオン硬化性樹脂および塗工性・屈曲性改良剤の含有量は、得られる導電性インキの導電性、導電安定性、取扱い性、強度などを考慮して、注意深く決定される。
【0096】
例えば、カチオン硬化性樹脂および塗工性・屈曲性改良剤の合計が導電性インキに占める割合は、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、一方、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。
【0097】
また、カチオン硬化性樹脂の含有量は、塗工性・屈曲性改良剤の含有量の1質量倍以上が好ましく、2質量倍以上がより好ましく、99質量倍以下が好ましく、80質量倍以下がより好ましい。
【0098】
なお、必要に応じて、2種類以上のカチオン硬化性樹脂を併用する場合もある。この際、カチオン硬化性樹脂の含有量とは、それぞれのカチオン硬化性樹脂の含有量の総和を言い、カチオン硬化性樹脂の含有量の総和が上記の範囲内であることが好ましい。
【0099】
同様に、必要に応じて、2種類以上の塗工性・屈曲性改良剤を併用する場合もある。この際、塗工性・屈曲性改良剤の含有量とは、それぞれの塗工性・屈曲性改良剤の含有量の総和を言い、塗工性・屈曲性改良剤の含有量の総和が上記の範囲内であることが好ましい。
【0100】
また、導電性粒子との混練性や、得られる導電性インキの印刷特性の観点から、カチオン硬化性樹脂、始開剤および塗工性・屈曲性改良剤の混合物の25℃での粘度は、1mPa・s以上が好ましく、10mPa・s以上がより好ましく、一方、5Pa・s以下が好ましく、3Pa・s以下がより好ましい。
【0101】
以上の様な導電性インキは、スクリーン印刷法、オフセット印刷法およびコーター法などを用いて、入手可能な基材に汎用的に塗工することができる。
【0102】
導電性インキを硬化するためには、熱、光を含む電磁波を用いることができ、これらの方法を混成して行ってもよい。
【0103】
光により硬化を行う場合、処理時間を短縮でき、処理施設を小型化でき、エネルギー効率の向上を図ることができる。
【0104】
光を含む電磁波としては、マイクロ波から、赤外線、可視光、紫外光、真空紫外線、X線に至る、波長にして10−12〜1mの範囲内で任意に用いることができる。赤外から紫外光の波長範囲の一般的な光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極放電ランプ、エキシマランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、各種レーザー、半導体レーザーなどを使用することができるが、300〜500nmの波長域に比較的多くエネルギー強度分布を持つ高圧水銀灯およびメタルハライドランプが特に好ましい。光源ランプ強度は40W/cm以上が好ましく、より好ましくは80W/cm以上である。光硬化に要する積算光量は、好ましくは300〜500nmの波長域で100〜50000mJ/cm、より好ましくは500〜10000mJ/cmである。
【0105】
なお、導電性インキが無溶剤型の場合、環境負荷が小さく、作業環境に優れる製造プロセスを構築できる。
【0106】
以上に説明した導電性インキは、非接触IC製品のアンテナ形成をはじめとするRF−ID(Radio Frequency IDentification)用アンテナ形成、プリント回路基板の回路形成および層間接続導電層形成、ディスプレイ装置の電極形成、ICチップ接続用の半田代替材などで、好適に利用することができる。
【0107】
(基体)
基材としては、セラミック及びガラスをはじめ、無機繊維あるいは有機繊維の織物あるいは不織布、紙、それらと熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂との複合材、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレートなどのポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルアミド、ポリイミドアミド、ポリアセタール、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、アクリロニトリル―ブタジエン―スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、シリコーンゴム、天然ゴム、合成ゴムなどに代表されるプラスチックなどの公知のものを使用することができる。またこれらの基材の表面には、塗布性や定着性を改善するために、カップリング剤処理やプライマー処理などの化学的処理や、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線処理、研磨処理などの物理的処理を施してもよい。
【0108】
また、シート状およびカード状の基材としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの無機または有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙あるいはこれらを組み合わせたもの、あるいはこれらに樹脂ワニスを含浸させて成形した複合基材、ポリアミド系樹脂基材、ポリエステル系樹脂(PET、PENなど)基材、ポリオレフィン系樹脂基材、ポリイミド系樹脂基材、エチレン・ビニルアルコール共重合体基材、ポリビニルアルコール系樹脂基材、ポリ塩化ビニル系樹脂(PVCなど)基材、ポリ塩化ビニリデン系樹脂基材、ポリスチレン系樹脂基材、ポリカーボネート系樹脂(PC)基材、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂基材、ポリエーテルスルホン系樹脂基材などのプラスチック基材、あるいはこれらにマット処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理およびオゾン処理、あるいは各種易接着処理などの表面処理を施したものなどの公知のものから選択して用いることができる。
【0109】
中でも、例えば、紙、不織布、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、非晶質コポリエステル(PET−G)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
【0110】
(用途分野)
本発明においては、ミクロ相分離の誘発により、金属ナノコロイドから金属ナノ微粒子を生成し、金属ナノ微粒子を回収および濃縮でき、金属箔を形成できる。
【0111】
この様にして得られる導電回路はナノメートルオーダーの薄膜であるため、電磁波シールド等への応用が可能である。また、従来の導電回路では使用できなかった耐熱性の低い樹脂や、紙、不織布、布への使用が可能となる。
【0112】
本発明の応用例として、図1及び図2に導電性バーコードを示した。導電性バーコードYは、非導電性基材Z表面に、導電性を有する矩形バーAi(i=1、2、3…)と有さない矩形バーBi(i=1、2、3…)が、所定の間隔dを置いて並列されてなるものであり、導電性を有する矩形バーAiを本発明に従って作製できる。
【0113】
図3には、真贋の判定方法を示した。真贋判定者は、回路中に接続された電源Vと、導通表示手段である判定ランプLと、回路両端部の電極P1、P2から構成される判定器を用いるもので、証書類の用紙(非導電性基材)面の所定部に設けられた導電性バーコードYに、判定器の電極P1、P2の両電極を、同時に接触させながら矩形バーの並列方向に移動させることにより、電極P1、P2が導電性を有する矩形バーAに接触した場合、導電性バーコードYが本物であれば回路が閉構造となり導通するため、判定ランプLは点灯するが、複写物であれば回路は導通せず判定ランプLは点灯しない。よって、真贋判定者は、判定ランプL点灯の有無を視認することで容易に真贋を判定できる。
【0114】
図4には、導電性バーコードを有した証書類の例として、商品券1を示した。非導電性基材はコート紙2であり、該コート紙2表面に、所定の印刷3が施されると共に、導電性バーコードYを有するものである。
【0115】
図5には、導電性バーコードを有した証書類の例として、IDカード11を示した。非導電性基材はプラスチックシート12であり、プラスチックシート12表面に、所定の印刷13が施されると共に、その塗布面上に導電性バーコードyを有するものである。また、従来の磁気記憶帯15も施され、バーコード情報も記憶されている。
【0116】
以上の商品券1及びIDカード11において導電性バーコードYが光輝性を有していれば、真贋判定性が更に向上し、商品価値も高まる。
【0117】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。なお、特に明記しない限り、試薬等は市販の高純度品を使用した。
【0118】
(実施例1−1)導電回路1−1
平均粒子径が2nmの金ナノコロイド微粒子を0.2質量%と、ノニオン性界面活性剤のピアス社製ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(登録商標:Triton X−100)1質量%とを含む金属ナノコロイドを25℃で調製し、70℃に加熱すると、系が赤色から青濁色に変化し、平均粒子径が20nmの金ナノ微粒子が生成した。
【0119】
得られた金ナノ微粒子を含む混合液体を回路形状として、金色の金箔からなる導電回路1−1を得た。導電回路1−1が連続した回路を形成していることを顕微鏡観察により確認し、元素分析により導電回路1−1が有機物を殆ど含有しないことを確認した。また、導電回路1−1が実際に電流を導通することをテスターにより確認した。また、導電回路1−1の膜厚は18nmであった。
【0120】
更に、導電回路1−1は十分で安定な導電性を有し、十分な強度を有しており、汎用的な基体に電磁波シールド等で要求される十分な薄膜を生産性良好に製造できることが分った。また、導電回路1−1は十分な光輝性を有していた。
【0121】
更に、導電回路1−1からバーコードを作製しIDカードとしたところ、高い精度で真贋判定を行うことができ、IDカードの商品価値も高かった。
【0122】
(実施例1−2)導電回路1−2
平均粒子径が2nmの金ナノコロイド微粒子を0.2質量%と、ノニオン性界面活性剤のピアス社製ポリオキシエチレン(9)オクチルフェニルエーテル(商品名:Nonidel P−40)1質量%とを含む金属ナノコロイドを25℃で調製し、80℃に加熱すると、系が赤色から青濁色に変化し、平均粒子径が20nmの金ナノ微粒子が生成した。
【0123】
得られた金ナノ微粒子を含む混合液体を回路形状として、金色の金箔からなる導電回路1−2を得た。導電回路1−2が連続した回路を形成していることを顕微鏡観察により確認し、元素分析により導電回路1−2が有機物を殆ど含有しないことを確認した。また、導電回路1−2が実際に電流を導通することをテスターにより確認した。また、導電回路1−2の膜厚は18nmであった。
【0124】
更に、導電回路1−2は十分で安定な導電性を有し、十分な強度を有しており、汎用的な基体に電磁波シールド等で要求される十分な薄膜を生産性良好に製造できることが分った。また、導電回路1−2は十分な光輝性を有していた。
【0125】
更に、導電回路1−2からバーコードを作製しIDカードとしたところ、高い精度で真贋判定を行うことができ、IDカードの商品価値も高かった。
【0126】
(実施例1−3)導電回路1−3
導電回路1−1で使用した金ナノコロイドと同様で平均粒子径が1nmの金ナノコロイド微粒子を含む金属ナノコロイドと、平均粒子径が3nmの金ナノコロイド微粒子を含む金属ナノコロイドとを、金ナノコロイド微粒子の体積分率が同量となる様に混合した。これを、25℃から70℃に昇温すると、系が赤色から青濁色に変化し、平均粒子径が20nmの金ナノ微粒子が生成した。
【0127】
得られた金ナノ微粒子を含む混合液体を回路形状として、金色の金箔からなる導電回路1−3を得た。導電回路1−3が連続した回路を形成していることを顕微鏡観察により確認し、元素分析により導電回路1−3が有機物を殆ど含有しないことを確認した。また、導電回路1−3が実際に電流を導通することをテスターにより確認した。また、導電回路1−3の膜厚は18nmであった。
【0128】
更に、導電回路1−3は十分で安定な導電性を有し、十分な強度を有しており、汎用的な基体に電磁波シールド等で要求される十分な薄膜を生産性良好に製造できることが分った。また、導電回路1−3は十分な光輝性を有していた。
【0129】
更に、導電回路1−3からバーコードを作製しIDカードとしたところ、高い精度で真贋判定を行うことができ、IDカードの商品価値も高かった。
【0130】
(実施例2−1)導電回路2−1
硝酸銀(還元反応時濃度:0.5mmol/L)と、アニオン性界面活性剤としてドデカンスルホン酸ナトリウム(還元反応時濃度:4.0mmol/L)とを含む水溶液を攪拌し、クエン酸三ナトリウム(還元反応時濃度:1mmol/L)を添加して銀イオンを還元し、平均粒子径が2nmの銀ナノコロイド微粒子を含む80℃の金属ナノコロイドを調製した。その後、得られた金属ナノコロイドを15℃に降温して、平均粒子径20nmの銀ナノ微粒子を生成させた。
【0131】
この銀ナノ微粒子を遠心法により凝集し回収し回路形状として、銀色の銀箔からなる導電回路2−1を得た。導電回路2−1が連続した回路を形成していることを顕微鏡観察により確認し、元素分析により導電回路2−1が有機物を殆ど含有しないことを確認した。また、導電回路2−1が実際に電流を導通することをテスターにより確認した。また、導電回路2−1の膜厚は18nmであった。
【0132】
更に、導電回路2−1は十分で安定な導電性を有し、十分な強度を有しており、汎用的な基体に電磁波シールド等で要求される十分な薄膜を生産性良好に製造できることが分った。また、導電回路2−1は十分な光輝性を有していた。
【0133】
更に、導電回路2−1からバーコードを作製しIDカードとしたところ、高い精度で真贋判定を行うことができ、IDカードの商品価値も高かった。
【0134】
(実施例2−2)導電回路2−2
導電回路2−1で使用した銀ナノ微粒子と同様に調製された平均粒子径が10nmの銀ナノ微粒子を含む混合液と、導電回路2−1で使用した銀ナノ微粒子と同様に調製された平均粒子径が30nmの銀ナノ微粒子を含む混合液とを、銀ナノ微粒子の体積分率が同量となる様に混合した。
【0135】
その後、銀ナノ微粒子を遠心法により凝集し回収し回路形状として、銀色の銀箔からなる導電回路2−2を得た。導電回路2−2が連続した回路を形成していることを顕微鏡観察により確認し、元素分析により導電回路2−2が有機物を殆ど含有しないことを確認した。また、導電回路2−2が実際に電流を導通することをテスターにより確認した。また、導電回路2−2の膜厚は18nmであった。
【0136】
更に、導電回路2−2は十分で安定な導電性を有し、十分な強度を有しており、汎用的な基体に電磁波シールド等で要求される十分な薄膜を生産性良好に製造できることが分った。また、導電回路2−2は十分な光輝性を有していた。
【0137】
更に、導電回路2−2からバーコードを作製しIDカードとしたところ、高い精度で真贋判定を行うことができ、IDカードの商品価値も高かった。
【0138】
(実施例3−1)導電回路3−1
平均粒子径が2nmの金ナノコロイド微粒子を0.2質量%と、ノニオン性界面活性剤のピアス社製ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(登録商標:Triton X−100)1質量%とを含む金属ナノコロイドを25℃で調製した。その後、得られた金属ナノコロイドにMgSOを濃度が0.1質量%となるよう添加すると、系が赤色から青濁色に変化し、平均粒子径が20nmの金ナノ微粒子が生成した。
【0139】
得られた金ナノ微粒子を含む混合液体を回路形状として、金色の金箔からなる導電回路3−1を得た。導電回路3−1が連続した回路を形成していることを顕微鏡観察により確認し、元素分析により導電回路3−1が有機物を殆ど含有しないことを確認した。また、導電回路3−1が実際に電流を導通することをテスターにより確認した。また、導電回路3−1の膜厚は18nmであった。
【0140】
更に、導電回路3−1は十分で安定な導電性を有し、十分な強度を有しており、汎用的な基体に電磁波シールド等で要求される十分な薄膜を生産性良好に製造できることが分った。また、導電回路3−1は十分な光輝性を有していた。
【0141】
更に、導電回路3−1からバーコードを作製しIDカードとしたところ、高い精度で真贋判定を行うことができ、IDカードの商品価値も高かった。
【0142】
(実施例3−2)導電回路3−2
導電回路3−1で使用した金ナノコロイドと同様の平均粒子径が1nmの金ナノコロイド微粒子を含む金属ナノコロイドと、平均粒子径が3nmの金ナノコロイド微粒子を含む金属ナノコロイドとを、金属ナノコロイド微粒子の体積分率が同量となる様に混合した。これに、MgSOを濃度が0.1質量%となるよう添加すると、系が赤色から青濁色に変化し、平均粒子径が20nmの金ナノ微粒子が生成した。
【0143】
得られた金ナノ微粒子を含む混合液体を回路形状として、金色の金箔からなる導電回路3−2を得た。導電回路3−2が連続した回路を形成していることを顕微鏡観察により確認し、元素分析により導電回路3−2が有機物を殆ど含有しないことを確認した。また、導電回路3−2が実際に電流を導通することをテスターにより確認した。また、導電回路3−2の膜厚は18nmであった。
【0144】
更に、導電回路3−2は十分で安定な導電性を有し、十分な強度を有しており、汎用的な基体に電磁波シールド等で要求される十分な薄膜を生産性良好に製造できることが分った。また、導電回路3−2は十分な光輝性を有していた。
【0145】
更に、導電回路3−2からバーコードを作製しIDカードとしたところ、高い精度で真贋判定を行うことができ、IDカードの商品価値も高かった。
【0146】
(実施例4−1)導電回路4−1
カチオン硬化性樹脂としてエルフアトケム社製1−メチル−4−(2−メチルオキシラニル)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン(商品名:リモネンジオキシド)29.14質量部と、塗工性・屈曲性改良剤として比表面積200m/g、見掛け比重は30g/L、平均1次粒径12nmの日本アエロジル株式会社製シリカ(商品名:アエロジル200CF)1質量部および軟化点−5℃、数平均分子量15,000の東洋紡績株式会社製の飽和ポリエステル樹脂(商品名:バイロン500)4.86質量部とを混合し、遮光した室温下で30分以上撹拌し均一化する。
【0147】
次に、カチオン開始剤として旭電化工業株式会社製の芳香族スルホニウム塩化合物(商品名:アデカオプトマーSP−170)0.35質量部および旭電化工業株式会社製の芳香族スルホニウム塩化合物(商品名:アデカオプトンCP−66)0.35質量部を加えて撹拌および均一化する。その後、導電回路1−1を作製する際に使用した金ナノ微粒子を65質量部混合し、得られた混合物を撹拌機混合し、ニーダーで高剪断混練を行うことにより、金属ナノ微粒子インキを得る。
【0148】
なお、カチオン硬化性樹脂、始開剤および塗工性・屈曲性改良剤の混合物の25℃での粘度は2.5Pa・sである。また、金属ナノ微粒子インキ1の25℃での粘度は150Pa・sである。
【0149】
以上で得られた金属ナノ微粒子インキを用いて、180メッシュ乳剤厚15μmのスクリーン版で幅1mm及び長さ1mのパターン基材上に、スクリーン印刷を行い、導電回路4−1を形成する。なお、印刷層の厚みは15μmであり、印刷性は良好である。
【0150】
基材としては紙およびポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を使用する。紙としては、日本製紙株式会社製NPI−55(商品名)を使用する。また、PETとしては、東レ株式会社製ルミラーS(商品名)を使用する。
【0151】
硬化反応は、160W/cmのメタルハライドランプを、1100mW/cm(株式会社トプコン製、UVR−T35により測定)の条件で、7m/minのコンベア式照射装置で5回照射して行う。硬化は十分速く、生産性は良好である。
【0152】
導電回路4−1は十分で安定な導電性を有し、十分な強度を有しており、汎用的な基体に電磁波シールド等で要求される十分な薄膜を生産性良好に製造できる。また、導電回路4−1は十分な光輝性を有している。
【0153】
更に、導電回路4−1からバーコードを作製し商品券としたところ、高い精度で真贋判定を行うことができ、商品券の商品価値も高い。
【0154】
【発明の効果】
金属ナノコロイドをミクロ相分離させて得られる金属ナノ微粒子を含む導電性塗工液を用いて導電性金属箔を形成することにより、十分で安定した導電性および強度を有する導電性金属箔を、薄膜で汎用的な基体に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】導電性バーコードを説明するための模式的平面図である。
【図2】導電性バーコードを説明するための模式的断面図である。
【図3】真贋判定法を説明するための模式的断面図である。
【図4】導電性バーコードを有した証書類の例を説明するための模式図である。
【図5】導電性バーコードを有した証書類の例を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 商品券
2 コート紙
3 印刷
11 IDカード
12 プラスチックシート
13 印刷
15 磁気記憶帯
Ai 矩形バー
Bi 矩形バー
d 間隔
L 判定ランプ
P1 電極
P2 電極
V 電源
Y 導電性バーコード
Z 基材

Claims (8)

  1. 金属ナノコロイドにミクロ相分離を誘発させて得られる金属ナノ微粒子を含む導電性塗工液。
  2. 前記金属ナノコロイドはノニオン性界面活性剤を含有しており、前記金属ナノコロイドの温度を上昇して前記ミクロ相分離を誘発させて得られる前記金属ナノ微粒子を含む請求項1記載の導電性塗工液。
  3. 前記金属ナノコロイドはアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤の何れか一種以上を含有しており、前記金属ナノコロイドの温度を降下して前記ミクロ相分離を誘発させて得られる前記金属ナノ微粒子を含む請求項1記載の導電性塗工液。
  4. 前記金属ナノコロイドに2価以上の金属イオンを含む無機塩を含有させ前記ミクロ相分離を誘発させて得られる前記金属ナノ微粒子を含む請求項1記載の導電性塗工液。
  5. 請求項1乃至4何れか記載の導電性塗工液が樹脂ビヒクルを更に含む導電性インキ。
  6. 請求項1乃至4何れか記載の導電性塗工液を塗工して得られるか、請求項5記載の導電性インキを印刷して得られる導電性金属箔。
  7. 光輝性を有する請求項6記載の導電性金属箔。
  8. 請求項6又は7記載の導電性金属箔からなる導電回路が形成されたシート。
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