JP2004256664A - 無機質充填材配合樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

無機質充填材配合樹脂組成物およびその製造方法 Download PDF

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寿朗 大関
Toru Yamaguchi
徹 山口
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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂の剛性を改良するために無機質充填材を配合するに際し、無機質充填材による耐衝撃性および表面平滑性の悪化を防止する。
【解決手段】(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂および必要によりスチレン系樹脂10〜93重量部、(b)官能基を有するスチレン系熱可塑性エラストマー2〜20重量部および(c)シラン化合物で表面処理された無機質充填剤5〜60重量部とから成る熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】 選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、剛性、耐衝撃性および表面平滑性に優れる無機質充填材で強化されたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリフェニレンエーテル系樹脂は軽量性、易加工性あるいは電気絶縁性等に優れるため自動車分野、家電分野あるいはOA機器分野等に広く用いられている。ポリフェニレンエーテル系樹脂の欠点は金属に較べて剛性が低いことであり、剛性を上げるために無機質充填材を配合する手法が一般に用いられる。ポリフェニレンエーテル系樹脂に無機質充填材を添加した場合、剛性あるいは機械的強度は向上するが、耐衝撃性および表面平滑性の低下が伴う。
【0003】
ポリフェニレンエーテル樹脂にスチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体や該共重合体の水添物のような耐衝撃性改良剤と特定の粒径と表面積を持つクレーを配合することで強靱性を備えた材料を得る技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、かかる技術ではクレーによる強靱性および表面平滑性の低下を十分には回避できない。
ポリフェニレンエーテル樹脂に芳香族燐酸エステル化合物のような可塑剤と特定の粒径を持ち三回以上水洗されたクレーを配合することでクレーの添加による性質の低下を少なく保つ技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、三回以上水洗を行うことで、クレーと重合体母材との間の相互作用を向上させたにもかかわらず、クレーによる耐衝撃性および表面平滑性の低下を十分には抑止できない。
【0004】
【特許文献1】
特表昭57−502063号公報
【特許文献2】
特公昭62−44022号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、自動車分野、家電分野あるいはOA機器分野等に有効に使用できる、剛性、耐衝撃性および表面平滑性に優れる無機質充填材で強化されたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーとよりなる樹脂組成物が本来持つ耐衝撃性や表面平滑性を殆ど損なうことなく剛性を賦与することを目的に鋭意検討を重ねた。その結果、ポリフェニレンエーテル系樹脂に官能基を有するスチレン系熱可塑性エラストマーおよびシラン化合物で表面処理した無機質充填材を配合することで耐衝撃性および剛性が向上し、無機質充填材の添加によって通常生ずる耐衝撃性や表面平滑性の低下が大幅に抑えられることを発見して目的を達成した。
【0007】
即ち本発明は、(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂および必要によりスチレン系樹脂10〜93重量部、(b)官能基を有するスチレン系熱可塑性エラストマー2〜20重量部および(c)シラン化合物で表面処理された無機質充填剤5〜60重量部とからなる剛性、耐衝撃性および表面平滑に優れた無機質充填材配合樹脂組成物を提供するものである。
本発明の(a)成分であるポリフェニレンエーテル系樹脂とは、次に示す一般式(1)、
【0008】
【化1】
Figure 2004256664
【0009】
(式中、R,R,R,R,R,Rは炭素1〜4のアルキル基、アリール基、ハロゲン、水素等の一価の残基であり、R,Rは同時に水素ではない)を繰り返し単位とし、構成単位が一般式(1)の〔a〕及び〔b〕からなる単独重合体、あるいは共重合体が使用できる。
【0010】
ポリフェニレンエーテル系樹脂の単独重合体の代表例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル等のホモポリマーが挙げられる。
【0011】
ポリフェニレンエーテル共重合体は、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体あるいはo−クレゾールとの共重合体あるいは2,3,6−トリメチルフェノール及びo−クレゾールとの共重合体等、ポリフェニレンエーテル構造を主体としてなるポリフェニレンエーテル共重合体を包含する。
また、本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂中には、本発明の主旨に反しない限り、従来ポリフェニレンエーテル樹脂中に存在させてもよいことが提案されている他の種々のフェニレンエーテルユニットを部分構造として含んでいても構わない。少量共存させることが提案されているものの例としては、特願昭63−12698号公報及び特開昭63−301222号公報に記載されている、2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニットや、2−(N−アルキル−N−フェニルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット等が挙げられる。
【0012】
また、ポリフェニレンエーテル樹脂の主鎖中にジフェノキノン等が少量結合したものも含まれる。さらに、例えば特開平2−276823公報、特開昭63−108059公報、特開昭59−59724公報等に記載されている、炭素−炭素二重結合を持つ化合物により変性されたポリフェニレンエーテルも含む。
(a)成分として必要により用いられるスチレン系樹脂とは、スチレン系化合物、スチレン系化合物と共重合可能な化合物をゴム質重合体存在または非存在下に重合して得られる重合体である。
スチレン系化合物とは、一般式〔2〕
【0013】
【化2】
Figure 2004256664
【0014】
(式中、Rは水素、低級アルキルまたはハロゲンを示し、Zはビニル、水素、ハロゲン及び低級アルキルよりなる群から選択され、pは0〜5の整数である。)で表される化合物を意味する。
【0015】
これらの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられる。また、スチレン系化合物と共重合可能な化合物としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル化合物類;無水マレイン酸等の酸無水物等が挙げられ、スチレン系化合物と共に使用される。
また、ゴム質重合体としては共役ジエン系ゴムおよび共役ジエンと芳香族ビニル化合物のコポリマーまたはこれらの水添物あるいはエチレン−プロピレン共重合体系ゴム等が挙げられる。本発明のために特に好適なポリスチレン系樹脂はポリスチレンおよびゴム強化ポリスチレンである。
【0016】
本発明の(b)成分を構成するスチレン系熱可塑性エラストマーとは、ポリスチレンブロックとゴム中間ブロックとを有するブロック共重合体であり、ゴム中間ブロックとしてはポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ(エチレン・ブチレン)、ポリ(エチレン・プロピレン)、ビニル−ポリイソプレン等が挙げられる。ゴム中間ブロックはこれらの組み合わせであっても良い。配列様式はリニアタイプでもラジアルタイプでも良い。またポリスチレンブロックとゴム中間ブロックの関係は二型、三型、四型の何れであっても良い。本発明の目的のために特に好適なのはゴム中間ブロックがポリ(エチレン・ブチレン)で三型のリニアタイプのブロック共重合体であるが、ゴム中間ブロック中に30重量%を超えない範囲でブタジエン単位が含まれたものであっても良い。
【0017】
本発明の(b)成分を構成する熱可塑性エラストマーに付加する官能基はカルボニル基およびアミノ基が好ましい。
カルボニル基は熱可塑性エラストマーを不飽和カルボン酸またはその官能的誘導体で変性することで導入される。不飽和カルボン酸またはその官能的誘導体のとしては、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ハロゲン化マレイン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ〔2,2,1〕−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等や、これらジカルボン酸の無水物、エステル、アミド、イミド等、更にアクリル酸、メタクリル酸等や、これらのモノカルボン酸のエステル、アミド等が挙げられる。中でも特に好適に用いられるのは無水マレイン酸である。
【0018】
アミノ基は熱可塑性エラストマーにイミダゾリジノン化合物を反応させることによって導入される。イミダゾリジノン化合物としては、例えば、1、3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジプロピル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−エチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−プロピル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−ブチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−(2−メトキシエチル)−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−(2−エトキシエチル)−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ−(2−エトキシエチル)−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチルエチレンチオウレア、N,N‘−ジエチルプロピレンウレア、N−メチル−N’−エチルプロピレンウレア、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン等が挙げられ、中でも1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが好ましい。
【0019】
本発明の(c)成分を構成する無機質充填材は熱可塑性樹脂を強化するために一般的に用いられるものである。その具体例としては、ガラスフィラー、シリカ、ワラストナイト、アルミナ、タルク、マイカ、クレー類、酸化チタン、亜鉛華、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。中でも本発明の目的のために好適なのはシリカ、タルク、マイカおよびクレー類等のミネラルフィラー類であり、特に好適なのはクレー類である。
無機質充填材の形状は特に限定されるものではなく、繊維状、鱗片状、針状、粒状のいずれであっても良いが、表面平滑性の観点からは非繊維状のものが好ましい。無機質充填剤は要求する物性バランスを満足するために二種以上を併用することもできる。
【0020】
本発明の(c)成分において無機質充填材を表面処理するに用いられるシラン化合物は通常ガラスフィラーやミネラルフィラー等を表面処理するに用いられるものである。その具体例としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン化合物、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシシラン化合物、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド等の硫黄系シラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン化合物、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ユレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン化合物等が挙げられる。
【0021】
シラン化合物は単独で用いても二種以上を併用しても良い。また異なるシラン化合物で表面処理した無機充填材を混合して用いることもできる。本発明の目的のために特に好適なのはメルカプトシラン化合物または該化合物を主体とするものである。
本発明において、(b)成分がイミダゾリノン化合物で変性されたスチレン系熱可塑性エラストマーであり、(c)成分がメルカプトシラン化合物で表面処理されたクレーである場合に最も優れた物性バランスを持つ熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
【0022】
本発明の(d)成分である芳香族燐酸エステル系難燃剤は特に限定されるものではないが、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジキシレニルフェニルホスフェート、ヒドロキシノンビスフェノール、レゾルシノールビスホスフェート、ビスフェノールAビスホスフェート等のトリフェニル置換タイプの燐酸エステル類が好適に用いられる。これらは単独でも二種以上組み合わせて用いても良い。
【0023】
本発明において、(a)成分中のスチレン系樹脂は成形加工をより容易にするため耐熱温度を下げる目的で主に添加される。従って、その要求がないときには添加する必要がない。
本発明において、(b)成分である官能基を有する熱可塑性エラストマーの添加量は、2〜20重量部の範囲より選ばれる。樹脂組成物の耐衝撃性および表面平滑性の観点から2重量部以上であることが好ましく、樹脂組成物の剛性および機械的強度の観点から20重量部以下であることが好ましい。
【0024】
本発明において、(c)成分のシラン化合物で表面処理された無機質充填剤の添加量は5〜60重量部の範囲より選ばれる。樹脂組成物の剛性および機械的強度の観点から5重量部以上が好ましく、耐衝撃性および表面平滑性の観点から60重量部以下が好ましい。
本発明において、(d)成分である芳香族燐酸エステル系難燃剤の添加量は、(a)成分、(b)成分および(c)成分の合計100重量部に対し、5〜30重量部の範囲より選ばれる。難燃性の観点から5重量部以上が好ましく、耐熱性の観点から30重量部以下が好ましい。
【0025】
本発明の樹脂組成物には必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の安定剤類や可塑剤、耐電防止材、着色剤、離型剤等も添加することができる。本発明の組成物の調整方法は特に限定されるものではないが、組成物を大量に安定して製造するには押出機が好適に用いられ、特に少なくとも2ヶ所の供給口を備えた二軸押出機が好適に用いられる。
少なくとも2ヶ所に供給口を備えた二軸押出機を用いて調整するに際し、(a)成分、(b)成分および(c)成分の一部または全部を該押出機の駆動側供給口から供給し、駆動部側供給口から(a)成分、(b)成分および(c)成分の一部とを供給した場合には、各成分の残りと必要により(d)成分とを該押出機のシリンダーの途中に設けられた供給口から供給して溶融混練することで無機質充填剤配合樹脂組成物を得る方法をとることが好ましい。
【0026】
【発明の実施形態】
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明するが、本発明がこれらの例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の用いる部は重量部であり、%は重量%である。
実施例および比較例に示す各物性は組成物をペレット化して射出成形して得た試験片に付き、以下の測定法により測定したものである。
【0027】
(1) 曲げ弾性率(剛性)
ASTM D790に基づき23℃にて測定。
(2)落錘錘衝撃強さ(耐衝撃性)
50mm×90mm×2.5mm(厚さ)の平板を用い、東洋精機(株)製の落錘グラフィックインパクトテスターにより23℃における破壊時の全吸収エネルギーを測定。
(3)グロス(表面平滑性)
50mm×90mm×2.5mm(厚さ)の平板を用い、(株)村上色彩技術研究所製のグロスメーターGM−26Dにより平板中央のグロスを測定。
【0028】
参考例1 無機質充填材
(F−1)表面処理していない平均粒子径0.2μmのクレー:米国J.M.Huber社製ポリフィルHG90
(F−2)メルカプトシランで表面処理した平均粒子径0.2μmのクレー:米国J.M.Huber社製ニューキャップ290
(F−3)アミノシランで表面処理した平均粒子径0.2μmのクレー:米国J.M.Huber社製ニューロック390
(F−4)3回の水洗濾過を施したポリフィルHG90
【0029】
参考例2 スチレン系熱可塑性エラストマー
(H−1)官能基を有しないスチレン系熱可塑性エラストマー、旭化成(株)製タフテックH1041
(H−2)カルボニル基を有するスチレン系熱可塑性エラストマー、旭化成(株)製タフテックH1041を100部、無水マレイン酸1.0部および日本油脂(株)製パーブチルD0.5部を均一に混合した後、押出機を用いて260℃にて溶融混練することで官能基を有するスチレン系熱可塑性エラストマーを得た。ナトリウムメチラートを用いた滴定法によって求めたH1041に対する無水マレイン酸の付加量は0.4部であった。
【0030】
(H−3)アミノ基を有するスチレン系熱可塑性エラストマー
窒素ガスで置換した攪拌機付きリアクターのシクロヘキサン溶剤中で、n−ブチルリチウムを重合開始剤として用い、数平均分子量が40000、結合スチレン30重量%、ブタジエンの1,2−ビニル結合量が38%のポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンの構造で、ポリマー鎖末端がリビングリチウムイオン構造を示すブロック共重合体を重合した。重合終了後、使用したn−ブチルリチウム量から重合体溶液中に存在するリチウムイオンに対して1.5倍モルの1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを加え95℃にて10分間反応させた後、米国特許第4501857号明細書に記載された方法にて水素添加反応をポリブタジエン部分のエチレン製不飽和結合量が20%未満になるまで定量的に継続して実施し、水素添加率81.6%のポリマーを得た。
この水添反応後のポリマー溶液に熱劣化安定剤として2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールをポリマー100gに対して0.3部添加し、溶剤であるシクロヘキサンを加熱除去し、ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレンの構造を有し、該ポリスチレン鎖末端に2級アミンが付加したスチレン系熱可塑性エラストマーを得た。
【0031】
参考例3 ポリフェニレンエーテル樹脂
(R−1)固有粘度(クロロホルム溶媒で30℃にて測定)が0.43dl/gのポリマー片末端鎖がフェノール性水酸基を有するポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル。
参考例4 押出機
(E−1)独国Werner&Pfleiderer社製ベントポート付きZSK25二軸押出機。
【0032】
【実施例1】
ポリフェニレンエーテル樹脂(R−1)33部、スチレン系熱可塑性エラストマー(H−3)6部、無機質充填材(F−2)25部、A&M(株)製ゴム強化ポリスチレンH9302(HIPS)36部および2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)1部を(E−1)の押出機を用いて、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数250rpmで溶融混練して樹脂組成物を得た。該樹脂組成物の物性試験結果を表1に示す。
【0033】
【実施例2】
無機質充填剤を(F−3)に替えた以外は実施例1を繰り返して樹脂組成物を得た。該樹脂組成物の物性試験結果を表1に示す。
【0034】
【比較例1】
スチレン系熱可塑性エラストマーを(H−1)に替え、無機質充填材を添加せずに実施例1を繰り返して樹脂組成物を得た。該樹脂組成物の物性試験結果を表1に示す。
【0035】
【比較例2】
スチレン系熱可塑性エラストマーを(H−1)に替えた以外は実施例1を繰り返して樹脂組成物を得た。該樹脂組成物の物性試験結果を表1に示す。
【0036】
【比較例3】
無機質充填剤を(F−1)に替えた以外は実施例1を繰り返して樹脂組成物を得た。該樹脂組成物の物性試験結果を表1に示す。
【0037】
【実施例3】
ポリフェニレンエーテル樹脂(R−1)60部、スチレン系熱可塑性エラストマー(H−2)5部、無機質充填材(F−2)20部およびBHT1部を(E−1)の押出機の駆動側の供給口から供給し、ビスフェノールAビスホスフェート15部を押出機の側面の供給口より供給し、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数250rpmで溶融混練して樹脂組成物を得た。該樹脂組成物の物性試験結果を表2に示す。
【0038】
【比較例4】
スチレン系熱可塑性エラストマーを(H−1)に無機質充填材を(F−4)に替えた以外は実施例3を繰り返して樹脂組成物を得た。該樹脂組成物の物性試験結果を表2に示す。
【0039】
【比較例5】
スチレン系熱可塑性エラストマーを(H−2)に替えた以外は比較例4を繰り返して樹脂組成物を得た。該樹脂組成物の物性試験結果を表2に示す。
【0040】
【比較例6】
スチレン系熱可塑性エラストマーを(H−1)に替えた以外は実施例3を繰り返して樹脂組成物を得た。該樹脂組成物の物性試験結果を表2に示す。
【0041】
【表1】
Figure 2004256664
【0042】
【表2】
Figure 2004256664
【0043】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、自動車分野、家電分野あるいはOA機器分野等に有効に使用できる、剛性、耐衝撃性および表面平滑性に優れる無機質充填材で強化されたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物である。

Claims (8)

  1. (a)ポリフェニレンエーテル系樹脂および必要によりスチレン系樹脂10〜93重量部、(b)官能基を有するスチレン系熱可塑性エラストマー2〜20重量部および(c)シラン化合物で表面処理された無機質充填剤5〜60重量部とからなる無機質充填材配合樹脂組成物。
  2. (b)成分が、イミダゾリジノン化合物で変性されたスチレン系熱可塑性エラストマーである請求項1に記載の無機質充填材配合樹脂組成物。
  3. (b)成分が、不飽和カルボン酸またはその官能的誘導体で変性されたスチレン系熱可塑性エラストマーである請求項1に記載の無機質充填材配合樹脂組成物。
  4. (c)成分の無機質充填材が、メルカプトシラン化合物で表面処理されたミネラルフィラーである請求項1、2および3のいずれかに記載の無機質充填材配合樹脂組成物。
  5. (c)成分の無機質充填材が、メルカプトシラン化合物で表面処理されたクレーである請求項1、2および3のいずれかに記載の無機質充填材配合樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物100重量部と(d)芳香族燐酸エステル系難燃剤5〜30重量部から成る無機質充填剤配合樹脂組成物。
  7. 少なくとも2ヶ所に供給口を備えた二軸押出機を用い、(a)成分、(b)成分および(c)成分の一部または全部を該押出機の駆動側供給口から供給し、駆動側供給口から(a)成分、(b)成分および(c)成分の一部を供給した場合には、各成分の残りを該押出機のシリンダーの途中に設けられた供給口から供給し溶融混練して成る請求項1〜5の何れかに記載の無機質充填剤配合樹脂組成物の製造方法。
  8. 少なくとも2ヶ所に供給口を備えた二軸押出機を用い、(a)成分、(b)成分および(c)成分の一部または全部を該押出機の駆動側供給口から供給し、駆動側供給口から(a)成分、(b)成分および(c)成分の一部を供給した場合には、各成分の残りと(d)成分とを該押出機のシリンダーの途中に設けられた供給口から供給し溶融混練して成る請求項6に記載の無機質充填剤配合樹脂組成物の製造方法。
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