JP2004256592A - 複合粒子、複合部材、複合皮膜およびそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】摩擦係数が低く、耐摩耗性、機械的強度に優れ、かつ相手部材の損傷を抑制することが可能な複合部材の提供。
【解決手段】フッ素系樹脂、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリイミド系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種からなる樹脂材料を母材とする複合部材であって、前記母材中にフラーレン、カーボンナノホーン、カーボンナノチューブ、ダイヤモンドライクナノ粒子、中空オニオンライクカーボンおよび金属内包オニオンライクカーボンの中から選ばれる1種以上の炭素材料が含有され、かつ前記母材および炭素材料の合計体積における前記炭素材料の体積含有率が1〜30%であるもの。
【選択図】 なし
【解決手段】フッ素系樹脂、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリイミド系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種からなる樹脂材料を母材とする複合部材であって、前記母材中にフラーレン、カーボンナノホーン、カーボンナノチューブ、ダイヤモンドライクナノ粒子、中空オニオンライクカーボンおよび金属内包オニオンライクカーボンの中から選ばれる1種以上の炭素材料が含有され、かつ前記母材および炭素材料の合計体積における前記炭素材料の体積含有率が1〜30%であるもの。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複合粒子、複合部材、複合皮膜およびそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、工業技術の発展に伴って、単体材料では実現不可能な複数機能を兼備した材料、例えば、機械的性質と摩擦・摩耗特性を兼備した複合部材の要求が高まっている。このような機械的性質、耐摩耗性に優れた複合部材を得るため、例えば母材となるべき樹脂材料に高強度、高弾性率または耐摩耗性に優れた繊維状または粒子状の強化成分を充填することが行われている(例えば、特許文献1〜2参照。)。
【0003】
しかしながら、単にガラス繊維、炭素繊維等のセラミックス繊維または粒子等の強化成分を母材に充填すると、耐摩耗性は顕著に向上するが、摩擦係数が著しく上昇し、摺動する相手部材を激しく損傷させることがある。また、母材と強化成分の界面結合状態によっては、引張強度等が低下することもある。
【0004】
例えば、四フッ化エチレン樹脂母材に20%ガラス繊維を充填させると純四フッ化エチレン樹脂に比較して、摩耗減量が1/1000と著しく減少するが、静摩擦係数が0.05〜0.08から0.10〜0.13へと上昇し、引張強度が約30MPaから約20MPaへと低下する(例えば、非特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−278997号公報
【特許文献2】
特開2002−60631号公報
【非特許文献1】
「テフロン(登録商標)実用ハンドブーク」 三井・デュポンフロロケミカル社発行、1989年
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の複合部材およびその製造方法では、機械的性質および摩擦・摩耗特性を兼備することが非常に困難である。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、複合部材を製造する複合粒子、この複合粒子を用いた複合部材および複合皮膜ならびにそれらの製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の複合粒子は、樹脂材料からなる平均粒径1〜50μmの第1粒子と無機材料からなる平均粒径1〜100nmの第2粒子とを含み、前記第1粒子および第2粒子の合計体積における前記第2粒子の体積含有率が1〜30%であることを特徴とする。
【0009】
前記第1粒子は高潤滑性樹脂からなり、前記第2粒子がナノサイズ炭素材料からなることが好ましい。また、前記第2粒子は前記第1粒子の表面上に付着していることが好ましい。
【0010】
本発明の複合粒子の製造方法は、分散媒に樹脂材料からなる平均粒径1〜50μmの第1粒子を分散させて第1分散液を得る工程と、前記第1分散液に、無機材料からなる平均粒径1〜100nmの第2粒子を分散させて第2分散液を得る工程と、前記第2分散液より、前記分散媒を除去する工程とを具備することを特徴とする。
【0011】
前記第1粒子は高潤滑性樹脂からなり、前記第2粒子はナノサイズ炭素材料からなることが好ましい。前記第1粒子はその表面に有機バインダーを含む層が形成されていることが好ましい。
【0012】
さらに、前記第2粒子を分散させる工程において、さらに前記第1粒子の表面に前記第2粒子を機械的混合により付着させることが好ましい。
【0013】
本発明の複合部材は、高潤滑性樹脂を母材とする複合部材であって、前記母材中にナノサイズ炭素材料が含有され、かつ前記母材およびナノサイズ炭素材料の合計体積における前記ナノサイズ炭素材料の体積含有率が1〜30%であることを特徴とする。
【0014】
本発明の複合皮膜は、高潤滑性樹脂を母材とする複合皮膜であって、前記母材中にナノサイズ炭素材料が含有され、かつ前記母材およびナノサイズ炭素材料の合計体積における前記ナノサイズ炭素材料の体積含有率が1〜30%であることを特徴とする。
【0015】
本発明の複合部材の製造方法は、前記複合粒子を前記第1粒子の融点以上の温度でプレス成形、射出成形、圧延成形または押出成形することを特徴とする。また本発明の複合部材の他の製造方法は、冷間でプレス成形、射出成形、圧延成形または押出成形により成形体を作製する工程と、前記成形体を前記第1粒子の融点以上の温度で焼成する工程とを具備することを特徴とする。
【0016】
本発明の複合皮膜の製造方法は、前記複合粒子を分散媒に分散させ分散溶液を得る工程と、前記分散溶液を基体に塗布した後、前記分散溶液より前記分散媒を除去する工程と、前記基体を前記第1粒子の融点以上の温度で焼成する工程とを具備することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について説明する。
【0018】
本発明の複合粒子は、樹脂材料からなる平均粒径1〜50μmの第1粒子と無機材料からなる平均粒径1〜100nmの第2粒子とを含み、前記第1粒子および第2粒子の合計体積における前記第2粒子の体積含有率が1〜30%であることを特徴とする。
【0019】
第1粒子の平均粒径を1〜50μmとしたのは、このような平均粒径をもつものは比較的入手が容易であり、またこのようなものを使用すれば第2粒子を適切に分散させることが可能となるためである。また、第1粒子の平均粒径が1〜10μmであれば、さらに高密度に第2粒子が分散した複合粒子を得ることができる。
【0020】
第2粒子の平均粒径を1〜100nmとしたのは、平均粒径が1nm未満の場合、複合部材としたときに耐摩耗性を向上させることが困難となり、平均粒径が100nmを超える場合、複合部材としたときに耐摩耗性は顕著に向上するが、摩擦係数が著しく上昇し、摺動する相手部材を激しく損傷させるためである。第2粒子の平均粒径は、1〜10nmであればなお好ましい。
【0021】
第1粒子および第2粒子の合計体積における第2粒子の体積含有率を1〜30%としたのは、体積含有率が1%未満の場合、複合部材等を作製したときに機械的強度や耐摩耗性を向上させることが困難となるためであり、体積含有率が30%を超える場合、複合部材を作製したときに機械的強度や耐摩耗性は顕著に向上するが、摩擦係数が著しく上昇し、摺動する相手部材を激しく損傷させるためである。第2粒子の体積含有率は、5%以上であれば好ましく、10%以上であればなお好ましい。
【0022】
第1粒子は樹脂材料からなるものであればよいが、高潤滑性樹脂であればより好ましい。高潤滑性樹脂としては、フッ素系樹脂、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリイミド系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種からなるものが挙げられる。これらの中でも、摩擦係数が低く、耐摩耗特性に優れるフッ素系樹脂を用いることが好ましい。
【0023】
フッ素系樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、四フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂等を用いることができる。
【0024】
フッ素系樹脂としては市販されているものを用いることができ、例えばテフロンTFE、FEP、PFA等を用いることができる。また、ポリイミド系樹脂としては、例えば芳香族ポリイミドを用いることができる。
【0025】
第2粒子は所定の平均粒径を有する無機材料であればよいが、例えばナノサイズ炭素材料であれば好ましい。ナノサイズ炭素材料としては、例えばフラーレン、カーボンナノホーン、カーボンナノチューブ、ダイヤモンドライクナノ粒子、中空オニオンライクカーボンおよび金属内包オニオンライクカーボンの中から選ばれる少なくとも1種からなるものが挙げられる。なお、第2粒子が繊維状等の場合、上記平均粒径は平均直径を指すものとし、平均直径が1〜100nmであれば、その長さは必ずしもこの範囲でなくともよい。
【0026】
本発明の複合粒子では、第1粒子と第2粒子とを含むものであればその状態は特に制限されるものではないが、平均粒径の大きい第1粒子の表面上に平均粒径の小さい第2粒子が付着した状態であればより好ましい。このような状態とすることで、例えば複合部材を作製した際に母材中に均一に第2粒子を分散させることができ、特性の安定した複合部材を得ることができる。
【0027】
次に、本発明の複合粒子の製造方法について説明する。
【0028】
本発明の複合粒子の製造方法では、例えば湿式分散・混合法や乾式分散・混合法を用いることができる。また、本発明の複合部材や複合皮膜のように超微細な第2粒子を母材中に均一に分散させる場合、比較的表面積が大きい第1粒子の表面に機械または化学的に超微細な第2粒子を付着させた複合粒子を用いることが極めて有効である。そのため、有機バインダーの添加やメカニカルアロイング法のような機械的混合法を用いることが好ましい。
【0029】
以下、本発明の複合粒子の製造方法の一例について説明する。まず、分散媒に樹脂材料からなる平均粒径1〜50μmの第1粒子を分散させて第1分散液を得る。分散媒としては、水性溶媒、有機溶媒を用いることができる。
【0030】
有機溶媒としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン、1,4−ジオキサン等を用いることができる。
【0031】
第1粒子は樹脂材料からなるものであればよいが、高潤滑性樹脂であればより好ましい。高潤滑性樹脂としては、フッ素系樹脂、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリイミド系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種からなるものが挙げられる。これらの中でも、摩擦係数が低く、耐摩耗特性に優れるフッ素系樹脂を用いることが好ましい。
【0032】
フッ素系樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、四フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂等を用いることができる。
【0033】
フッ素系樹脂としては市販されているものを用いることができ、例えばテフロンTFE、FEP、PFA等を用いることができる。また、ポリイミド系樹脂としては、例えば芳香族ポリイミドを用いることができる。
【0034】
第1粒子の表面には、分散媒への分散前または分散中に有機バインダーを含む層を形成しておくことが好ましい。第1粒子の表面にこのような有機バインダーを含む層を形成しておくことで、次工程で加えられる第2粒子を第1粒子の表面に付着させやすくなる。有機バインダーとしては、水溶性、非水溶性のものを用いることができ、製造条件に合わせて適宜選択して用いることができる。
【0035】
水溶性有機バインダーとしては、例えばアクリル系樹脂および側鎖にエステル基またはポリエーテルを含有するアクリル樹脂等を用いることができる。この他、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、デンプン、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩等も用いることができる。
【0036】
非水溶性有機バインダーとしては、例えばノボラック型フェノール、レゾール型フェノール、ロジン変性フェノール、アルキル変性フェノール等のフェノール樹脂、水添加ロジンおよびそのポリエチレングリコールエステル、多価アルコールエステル、ロジングリセリンエステル等のロジン樹脂等を用いることができる。
【0037】
次に、このようにして得られた第1分散液に無機材料からなる平均粒径1〜100nmの第2粒子を分散させて第2分散液を得る。この際、第1粒子および第2粒子の合計体積における第2粒子の体積含有率が1〜30%となるように、第2粒子を添加することが好ましい。第2粒子の体積含有率が5%以上であればより好ましく、10%以上であればさらに好ましい。
【0038】
第2粒子は、上記したように所定の平均粒径を有する無機材料であればよいが、ナノサイズ炭素材料であれば好ましい。ナノサイズ炭素材料としては、例えばフラーレン、カーボンナノホーン、カーボンナノチューブ、ダイヤモンドライクナノ粒子、中空オニオンライクカーボンおよび金属内包オニオンライクカーボンの中から選ばれる少なくとも1種からなるものが挙げられる。
【0039】
第1粒子と第2粒子との混合は、例えばゾール・ゲール法により行うことが好ましい。この際、第2粒子を第1粒子の表面に均一に付着させるために、十分な混合を行うことが好ましい。
【0040】
さらに、このようにして得られた第2分散液を乾燥させ分散媒を除去することにより、第1粒子と第2粒子とを含む複合粒子を得ることができる。分散媒の除去は、例えば熱処理を行うことにより達成することができる。この場合、第1粒子が溶融しないように、融点より数十度低い温度で熱処理を行うことが好ましい。
【0041】
次に、本発明の複合部材および複合皮膜について説明する。
【0042】
本発明の複合部材および複合皮膜は、高潤滑性樹脂を母材とするものであり、前記母材中にナノサイズ炭素材料が含有され、かつ前記母材およびナノサイズ炭素材料の合計体積における前記ナノサイズ炭素材料の体積含有率が1〜30%であることを特徴とするものである。
【0043】
本発明の複合部材および複合皮膜では、母材として高潤滑性樹脂を用いることで、摩擦係数が低く、耐摩耗性に優れた複合部材および複合皮膜を得ることができる。
【0044】
また本発明の複合部材および複合皮膜では、上記母材中にナノサイズ炭素材料を分散させることにより、分散強化メカニズムによって複合部材および複合皮膜と摺動する相手部材の摩耗も抑制することができる。
【0045】
さらに、本発明の複合部材および複合皮膜では、これらを構成する母材およびナノサイズ炭素材料の合計体積におけるナノサイズ炭素材料の体積含有率を1〜30%とすることで、複合部材および複合皮膜の機械的強度を確保しつつ、複合部材および複合皮膜と摺動する相手部材の摩耗も抑制することができる。
【0046】
すなわち、ナノサイズ炭素材料の体積含有率が1%未満の場合、複合部材および複合皮膜と摺動する相手部材の摩耗を抑制することが可能となるが、複合部材および複合皮膜の機械的強度の確保が困難となる。
【0047】
また、ナノサイズ炭素材料の体積含有率が30%を超える場合、複合部材および複合皮膜の機械的強度を確保することはできるが、複合部材および複合皮膜と摺動する相手部材の摩耗を抑制することは困難となる。ナノサイズ炭素材料の体積含有率は、5%以上であれば好ましく、10%以上であればなお好ましい。
【0048】
母材は高潤滑性樹脂からなるものであればよいが、フッ素系樹脂、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリイミド系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種からなるものであれば好ましい。これらの中でも、摩擦係数が低く、耐摩耗特性に優れるフッ素系樹脂を用いることが好ましい。
【0049】
フッ素系樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、四フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂等を用いることができる。
【0050】
フッ素系樹脂としては市販されているものを用いることができ、例えばテフロンTFE、FEP、PFA等を用いることができる。また、ポリイミド系樹脂としては、例えば芳香族ポリイミドを用いることができる。
【0051】
ナノサイズ炭素材料としては、例えばフラーレン、カーボンナノホーン、カーボンナノチューブ、ダイヤモンドライクナノ粒子、中空オニオンライクカーボンおよび金属内包オニオンライクカーボンの中から選ばれる少なくとも1種からなるものが挙げられる。
【0052】
ナノサイズ炭素材料の平均粒径は1〜100nmであることが好ましい。平均粒径が1nm未満の場合、耐摩耗性を向上させることが困難となり、平均粒径が100nmを超える場合、耐摩耗性は顕著に向上するが、摩擦係数が著しく上昇し、摺動する相手部材を激しく損傷させるためである。第2粒子の平均粒径は、1〜10nmであればなお好ましい。なお、ナノサイズ炭素材料が繊維状等の場合、上記平均粒径は平均直径を指すものとし、平均直径が1〜100nmであれば、その長さは必ずしもこの範囲でなくともよい。
【0053】
次に、本発明の複合部材および複合皮膜の製造方法について説明する。本発明の複合部材および複合皮膜は、上記したような本発明の複合粒子を用いて製造されるものである。
【0054】
本発明の複合部材は、例えば熱間成形、冷間成形あるいは光造形等により製造することができる。これらの中でも、生産性の観点から、冷間で成形した後、焼成して固化させる製造方法が実用上極めて有効である。
【0055】
複合部材を熱間で製造する場合、複合粒子を第1粒子の融点以上の温度でプレス成形、射出成形、圧延成形または押出成形することにより製造することができる。
【0056】
また、複合部材を冷間で製造する場合、複合粒子を一旦冷間でプレス成形、射出成形、圧延成形または押出成形して成形体を得た後、この成形体を第1粒子の融点以上の温度で焼成することにより得られる。
【0057】
上記したような熱間成形時の温度、冷間成形後の焼成温度としては、複合粒子を構成する材料の種類や割合によっても異なるが、例えばテフロンTFEを用いた場合は327℃以上、テフロンFEPを用いた場合は260℃以上、テフロンPFAを用いた場合は305℃以上、ポリエーテルエーテルケトンを用いた場合は334℃以上、ポリイミド系樹脂を用いた場合は450℃以上とすることが好ましい。
【0058】
このようにして得られた複合部材は、例えばタービン発電機の軸受を初めとする各種の摺動部材として用いることができる。
【0059】
また、複合皮膜を製造する場合、例えば複合粒子を分散媒に分散させ分散溶液を作製した後、この分散溶液を複合皮膜を形成しようとする基体上に塗布し、これを所定の温度で乾燥させ分散溶液より分散媒を除去し、さらにこの基体を複合粒子に含まれる第1粒子の融点以上で焼成することにより製造することができる。焼成温度は上記複合部材の製造と同様の温度で行えばよい。
【0060】
複合皮膜を形成する基体としては、タービン発電機の軸受等の摺動部品が挙げられる。このような摺動部品の摺動部位に適当な厚さの皮膜を形成することにより機械的性質および摩擦・摩耗特性を兼備した摺動部品とすることができる。複合皮膜の厚さは特に制限されるものではなく、複合皮膜が形成される摺動部位、求められる特性等を考慮して適宜変更することができる。
【0061】
【実施例】
以下、実施例および比較例を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【0062】
(実施例1)
四フッ化エチレン樹脂からなる平均粒径20μmの第1粒子と、平均直径10nm、平均長さ1μmのカーボンナノチューブからなる第2粒子とを攪拌・混合容器内に挿入し、30分間混合して複合粒子を作製した。なお、第2粒子の体積含有率は、第1粒子と第2粒子との合計体積の5、10、15、20、25および30%となるように調整した。
【0063】
この複合粒子を金型内に挿入し、圧力50MPaでプレス成形し、直径300mm、高さ15mmの成形体を得た。さらに、この成形体を温度375℃で1時間、焼成処理を行い複合部材を作製した。
【0064】
次いで、複合部材を切出し、引張試験片、圧縮試験片および摩擦・摩耗試験片を作製した。引張試験は、インストロン試験機を用い、引張速度0.10mm/sで行なった。圧縮弾性率は、圧縮荷重20MPaをかけた試験片の荷重と変位曲線から算出した。摩擦・摩耗試験は、リング・オン・ディスク摩耗試験法を用いた。面圧8MPaの荷重をかけ、油中で相手部材S45Cと摺動させ、静摩擦係数、動摩擦係数および摩耗減量を測定した。
【0065】
(比較例1)
実施例1と同様の四フッ化エチレン樹脂からなる平均粒径20μmの第1粒子と、平均直径5μm、平均長さ100μmのガラス繊維からなる第2粒子を攪拌・混合容器内に挿入し、30分間混合して複合粒子を作製した。なお、第2粒子の体積含有率は、第1粒子と第2粒子との合計体積の5、10、15、20、25および30%となるように調整した。
【0066】
この複合粒子を金型内に挿入し、圧力50MPaでプレス成形し、直径300mm、高さ15mmの成形体を得た。さらに、この成形体を温度375℃で1時間、焼成処理を行い複合部材を作製した。
【0067】
次いで、複合部材を切出し、引張試験片、圧縮試験片および摩擦・摩耗試験片を作製した。引張試験は、インストロン試験機を用い、引張速度0.10mm/sで行なった。圧縮弾性率は、圧縮荷重20MPaをかけた試験片の荷重と変位曲線から算出した。摩擦・摩耗試験は、リング・オン・ディスク摩耗試験法を用いた。面圧8MPaの荷重をかけ、油中で相手部材S45Cと摺動させ、静摩擦係数、動摩擦係数および摩耗減量を測定した。また、実施例1と同様の四フッ化エチレン樹脂のみからなる純四フッ化エチレン部材を作製し、同様の試験を行った。
【0068】
測定結果を図1〜6に示す。図1は引張強度の測定結果を示したものである。
実施例1の複合部材の引張強度は、第2粒子の体積含有率が10〜30%の範囲で約45MPaとなった。第2粒子の体積含有率が同じときの比較例1の複合部材の引張強度が30MPa未満であることと比較して、著しく向上していることが認められた。また、比較例1の複合部材の引張強度は、純四フッ化エチレン部材の引張強度31MPaと比較しても、低下していることが認められた。
【0069】
図2は圧縮弾性率の測定結果を示したものである。実施例1の複合部材の圧縮弾性率は、第2粒子の体積含有率が5%のとき750MPa、10%のとき1400MPa、15%のとき1700MPa、20〜30%のとき1800MPaであった。第2粒子の体積含有率が同じ場合の比較例1の複合部材と比べて、著しく向上していることが認められた。
【0070】
図3は静摩擦係数の測定結果を示したものである。実施例1の複合部材の静摩擦係数はいずれも0.08以下であり、第2粒子の体積含有率が同じ場合の比較例1の複合部材と比べて半分程度の大きさとなっていることが認められた。
【0071】
図4は動摩擦係数の測定結果を示したものである。実施例1の複合部材の動摩擦係数はいずれも0.12以下であり、第2粒子の体積含有率が同じ場合の比較例1の複合部材と比べて半分以下の大きさとなっていることが認められた。
【0072】
図5は摩耗減量の測定結果を示したものである。実施例1の複合部材では、第2粒子の体積含有率が5%のとき100μm、10%のとき45μm、15〜30%のとき20μm以下となっており、第2粒子の体積含有率が同じ場合の比較例1の複合部材の1/2〜1/3程度となっていることが認められた。
【0073】
図6は相手部材の摩耗減量の測定結果を示したものである。実施例1の複合部材を用いた場合、相手部材の摩耗減量はいずれも5μm以下となっており、第2粒子の体積含有率が同じ場合の比較例1の複合部材を用いた場合の1/2〜1/5程度となっていることが認められた。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば優れた機械的特性および摩擦・摩耗特性を兼備した複合部材、複合皮膜を提供することが可能となる。また、本発明の複合粒子を用いることにより、このような優れた特性を有する複合部材、複合皮膜を容易に作製することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による複合部材と従来の複合部材との引張強度を比較した図。
【図2】本発明の一実施形態による複合部材と従来の複合部材との圧縮弾性率を比較した図。
【図3】本発明の一実施形態による複合部材と従来の複合部材との静摩擦係数を比較した図。
【図4】本発明の一実施形態による複合部材と従来の複合部材との動摩擦係数を比較した図。
【図5】本発明の一実施形態による複合部材と従来の複合部材との摩耗減量を比較した図。
【図6】本発明の一実施形態による複合部材と従来の複合部材とを用いたときの摺動相手部材の摩耗減量を比較した図。
【発明の属する技術分野】
本発明は複合粒子、複合部材、複合皮膜およびそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、工業技術の発展に伴って、単体材料では実現不可能な複数機能を兼備した材料、例えば、機械的性質と摩擦・摩耗特性を兼備した複合部材の要求が高まっている。このような機械的性質、耐摩耗性に優れた複合部材を得るため、例えば母材となるべき樹脂材料に高強度、高弾性率または耐摩耗性に優れた繊維状または粒子状の強化成分を充填することが行われている(例えば、特許文献1〜2参照。)。
【0003】
しかしながら、単にガラス繊維、炭素繊維等のセラミックス繊維または粒子等の強化成分を母材に充填すると、耐摩耗性は顕著に向上するが、摩擦係数が著しく上昇し、摺動する相手部材を激しく損傷させることがある。また、母材と強化成分の界面結合状態によっては、引張強度等が低下することもある。
【0004】
例えば、四フッ化エチレン樹脂母材に20%ガラス繊維を充填させると純四フッ化エチレン樹脂に比較して、摩耗減量が1/1000と著しく減少するが、静摩擦係数が0.05〜0.08から0.10〜0.13へと上昇し、引張強度が約30MPaから約20MPaへと低下する(例えば、非特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−278997号公報
【特許文献2】
特開2002−60631号公報
【非特許文献1】
「テフロン(登録商標)実用ハンドブーク」 三井・デュポンフロロケミカル社発行、1989年
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の複合部材およびその製造方法では、機械的性質および摩擦・摩耗特性を兼備することが非常に困難である。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、複合部材を製造する複合粒子、この複合粒子を用いた複合部材および複合皮膜ならびにそれらの製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の複合粒子は、樹脂材料からなる平均粒径1〜50μmの第1粒子と無機材料からなる平均粒径1〜100nmの第2粒子とを含み、前記第1粒子および第2粒子の合計体積における前記第2粒子の体積含有率が1〜30%であることを特徴とする。
【0009】
前記第1粒子は高潤滑性樹脂からなり、前記第2粒子がナノサイズ炭素材料からなることが好ましい。また、前記第2粒子は前記第1粒子の表面上に付着していることが好ましい。
【0010】
本発明の複合粒子の製造方法は、分散媒に樹脂材料からなる平均粒径1〜50μmの第1粒子を分散させて第1分散液を得る工程と、前記第1分散液に、無機材料からなる平均粒径1〜100nmの第2粒子を分散させて第2分散液を得る工程と、前記第2分散液より、前記分散媒を除去する工程とを具備することを特徴とする。
【0011】
前記第1粒子は高潤滑性樹脂からなり、前記第2粒子はナノサイズ炭素材料からなることが好ましい。前記第1粒子はその表面に有機バインダーを含む層が形成されていることが好ましい。
【0012】
さらに、前記第2粒子を分散させる工程において、さらに前記第1粒子の表面に前記第2粒子を機械的混合により付着させることが好ましい。
【0013】
本発明の複合部材は、高潤滑性樹脂を母材とする複合部材であって、前記母材中にナノサイズ炭素材料が含有され、かつ前記母材およびナノサイズ炭素材料の合計体積における前記ナノサイズ炭素材料の体積含有率が1〜30%であることを特徴とする。
【0014】
本発明の複合皮膜は、高潤滑性樹脂を母材とする複合皮膜であって、前記母材中にナノサイズ炭素材料が含有され、かつ前記母材およびナノサイズ炭素材料の合計体積における前記ナノサイズ炭素材料の体積含有率が1〜30%であることを特徴とする。
【0015】
本発明の複合部材の製造方法は、前記複合粒子を前記第1粒子の融点以上の温度でプレス成形、射出成形、圧延成形または押出成形することを特徴とする。また本発明の複合部材の他の製造方法は、冷間でプレス成形、射出成形、圧延成形または押出成形により成形体を作製する工程と、前記成形体を前記第1粒子の融点以上の温度で焼成する工程とを具備することを特徴とする。
【0016】
本発明の複合皮膜の製造方法は、前記複合粒子を分散媒に分散させ分散溶液を得る工程と、前記分散溶液を基体に塗布した後、前記分散溶液より前記分散媒を除去する工程と、前記基体を前記第1粒子の融点以上の温度で焼成する工程とを具備することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について説明する。
【0018】
本発明の複合粒子は、樹脂材料からなる平均粒径1〜50μmの第1粒子と無機材料からなる平均粒径1〜100nmの第2粒子とを含み、前記第1粒子および第2粒子の合計体積における前記第2粒子の体積含有率が1〜30%であることを特徴とする。
【0019】
第1粒子の平均粒径を1〜50μmとしたのは、このような平均粒径をもつものは比較的入手が容易であり、またこのようなものを使用すれば第2粒子を適切に分散させることが可能となるためである。また、第1粒子の平均粒径が1〜10μmであれば、さらに高密度に第2粒子が分散した複合粒子を得ることができる。
【0020】
第2粒子の平均粒径を1〜100nmとしたのは、平均粒径が1nm未満の場合、複合部材としたときに耐摩耗性を向上させることが困難となり、平均粒径が100nmを超える場合、複合部材としたときに耐摩耗性は顕著に向上するが、摩擦係数が著しく上昇し、摺動する相手部材を激しく損傷させるためである。第2粒子の平均粒径は、1〜10nmであればなお好ましい。
【0021】
第1粒子および第2粒子の合計体積における第2粒子の体積含有率を1〜30%としたのは、体積含有率が1%未満の場合、複合部材等を作製したときに機械的強度や耐摩耗性を向上させることが困難となるためであり、体積含有率が30%を超える場合、複合部材を作製したときに機械的強度や耐摩耗性は顕著に向上するが、摩擦係数が著しく上昇し、摺動する相手部材を激しく損傷させるためである。第2粒子の体積含有率は、5%以上であれば好ましく、10%以上であればなお好ましい。
【0022】
第1粒子は樹脂材料からなるものであればよいが、高潤滑性樹脂であればより好ましい。高潤滑性樹脂としては、フッ素系樹脂、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリイミド系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種からなるものが挙げられる。これらの中でも、摩擦係数が低く、耐摩耗特性に優れるフッ素系樹脂を用いることが好ましい。
【0023】
フッ素系樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、四フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂等を用いることができる。
【0024】
フッ素系樹脂としては市販されているものを用いることができ、例えばテフロンTFE、FEP、PFA等を用いることができる。また、ポリイミド系樹脂としては、例えば芳香族ポリイミドを用いることができる。
【0025】
第2粒子は所定の平均粒径を有する無機材料であればよいが、例えばナノサイズ炭素材料であれば好ましい。ナノサイズ炭素材料としては、例えばフラーレン、カーボンナノホーン、カーボンナノチューブ、ダイヤモンドライクナノ粒子、中空オニオンライクカーボンおよび金属内包オニオンライクカーボンの中から選ばれる少なくとも1種からなるものが挙げられる。なお、第2粒子が繊維状等の場合、上記平均粒径は平均直径を指すものとし、平均直径が1〜100nmであれば、その長さは必ずしもこの範囲でなくともよい。
【0026】
本発明の複合粒子では、第1粒子と第2粒子とを含むものであればその状態は特に制限されるものではないが、平均粒径の大きい第1粒子の表面上に平均粒径の小さい第2粒子が付着した状態であればより好ましい。このような状態とすることで、例えば複合部材を作製した際に母材中に均一に第2粒子を分散させることができ、特性の安定した複合部材を得ることができる。
【0027】
次に、本発明の複合粒子の製造方法について説明する。
【0028】
本発明の複合粒子の製造方法では、例えば湿式分散・混合法や乾式分散・混合法を用いることができる。また、本発明の複合部材や複合皮膜のように超微細な第2粒子を母材中に均一に分散させる場合、比較的表面積が大きい第1粒子の表面に機械または化学的に超微細な第2粒子を付着させた複合粒子を用いることが極めて有効である。そのため、有機バインダーの添加やメカニカルアロイング法のような機械的混合法を用いることが好ましい。
【0029】
以下、本発明の複合粒子の製造方法の一例について説明する。まず、分散媒に樹脂材料からなる平均粒径1〜50μmの第1粒子を分散させて第1分散液を得る。分散媒としては、水性溶媒、有機溶媒を用いることができる。
【0030】
有機溶媒としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン、1,4−ジオキサン等を用いることができる。
【0031】
第1粒子は樹脂材料からなるものであればよいが、高潤滑性樹脂であればより好ましい。高潤滑性樹脂としては、フッ素系樹脂、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリイミド系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種からなるものが挙げられる。これらの中でも、摩擦係数が低く、耐摩耗特性に優れるフッ素系樹脂を用いることが好ましい。
【0032】
フッ素系樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、四フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂等を用いることができる。
【0033】
フッ素系樹脂としては市販されているものを用いることができ、例えばテフロンTFE、FEP、PFA等を用いることができる。また、ポリイミド系樹脂としては、例えば芳香族ポリイミドを用いることができる。
【0034】
第1粒子の表面には、分散媒への分散前または分散中に有機バインダーを含む層を形成しておくことが好ましい。第1粒子の表面にこのような有機バインダーを含む層を形成しておくことで、次工程で加えられる第2粒子を第1粒子の表面に付着させやすくなる。有機バインダーとしては、水溶性、非水溶性のものを用いることができ、製造条件に合わせて適宜選択して用いることができる。
【0035】
水溶性有機バインダーとしては、例えばアクリル系樹脂および側鎖にエステル基またはポリエーテルを含有するアクリル樹脂等を用いることができる。この他、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、デンプン、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩等も用いることができる。
【0036】
非水溶性有機バインダーとしては、例えばノボラック型フェノール、レゾール型フェノール、ロジン変性フェノール、アルキル変性フェノール等のフェノール樹脂、水添加ロジンおよびそのポリエチレングリコールエステル、多価アルコールエステル、ロジングリセリンエステル等のロジン樹脂等を用いることができる。
【0037】
次に、このようにして得られた第1分散液に無機材料からなる平均粒径1〜100nmの第2粒子を分散させて第2分散液を得る。この際、第1粒子および第2粒子の合計体積における第2粒子の体積含有率が1〜30%となるように、第2粒子を添加することが好ましい。第2粒子の体積含有率が5%以上であればより好ましく、10%以上であればさらに好ましい。
【0038】
第2粒子は、上記したように所定の平均粒径を有する無機材料であればよいが、ナノサイズ炭素材料であれば好ましい。ナノサイズ炭素材料としては、例えばフラーレン、カーボンナノホーン、カーボンナノチューブ、ダイヤモンドライクナノ粒子、中空オニオンライクカーボンおよび金属内包オニオンライクカーボンの中から選ばれる少なくとも1種からなるものが挙げられる。
【0039】
第1粒子と第2粒子との混合は、例えばゾール・ゲール法により行うことが好ましい。この際、第2粒子を第1粒子の表面に均一に付着させるために、十分な混合を行うことが好ましい。
【0040】
さらに、このようにして得られた第2分散液を乾燥させ分散媒を除去することにより、第1粒子と第2粒子とを含む複合粒子を得ることができる。分散媒の除去は、例えば熱処理を行うことにより達成することができる。この場合、第1粒子が溶融しないように、融点より数十度低い温度で熱処理を行うことが好ましい。
【0041】
次に、本発明の複合部材および複合皮膜について説明する。
【0042】
本発明の複合部材および複合皮膜は、高潤滑性樹脂を母材とするものであり、前記母材中にナノサイズ炭素材料が含有され、かつ前記母材およびナノサイズ炭素材料の合計体積における前記ナノサイズ炭素材料の体積含有率が1〜30%であることを特徴とするものである。
【0043】
本発明の複合部材および複合皮膜では、母材として高潤滑性樹脂を用いることで、摩擦係数が低く、耐摩耗性に優れた複合部材および複合皮膜を得ることができる。
【0044】
また本発明の複合部材および複合皮膜では、上記母材中にナノサイズ炭素材料を分散させることにより、分散強化メカニズムによって複合部材および複合皮膜と摺動する相手部材の摩耗も抑制することができる。
【0045】
さらに、本発明の複合部材および複合皮膜では、これらを構成する母材およびナノサイズ炭素材料の合計体積におけるナノサイズ炭素材料の体積含有率を1〜30%とすることで、複合部材および複合皮膜の機械的強度を確保しつつ、複合部材および複合皮膜と摺動する相手部材の摩耗も抑制することができる。
【0046】
すなわち、ナノサイズ炭素材料の体積含有率が1%未満の場合、複合部材および複合皮膜と摺動する相手部材の摩耗を抑制することが可能となるが、複合部材および複合皮膜の機械的強度の確保が困難となる。
【0047】
また、ナノサイズ炭素材料の体積含有率が30%を超える場合、複合部材および複合皮膜の機械的強度を確保することはできるが、複合部材および複合皮膜と摺動する相手部材の摩耗を抑制することは困難となる。ナノサイズ炭素材料の体積含有率は、5%以上であれば好ましく、10%以上であればなお好ましい。
【0048】
母材は高潤滑性樹脂からなるものであればよいが、フッ素系樹脂、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリイミド系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種からなるものであれば好ましい。これらの中でも、摩擦係数が低く、耐摩耗特性に優れるフッ素系樹脂を用いることが好ましい。
【0049】
フッ素系樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、四フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂等を用いることができる。
【0050】
フッ素系樹脂としては市販されているものを用いることができ、例えばテフロンTFE、FEP、PFA等を用いることができる。また、ポリイミド系樹脂としては、例えば芳香族ポリイミドを用いることができる。
【0051】
ナノサイズ炭素材料としては、例えばフラーレン、カーボンナノホーン、カーボンナノチューブ、ダイヤモンドライクナノ粒子、中空オニオンライクカーボンおよび金属内包オニオンライクカーボンの中から選ばれる少なくとも1種からなるものが挙げられる。
【0052】
ナノサイズ炭素材料の平均粒径は1〜100nmであることが好ましい。平均粒径が1nm未満の場合、耐摩耗性を向上させることが困難となり、平均粒径が100nmを超える場合、耐摩耗性は顕著に向上するが、摩擦係数が著しく上昇し、摺動する相手部材を激しく損傷させるためである。第2粒子の平均粒径は、1〜10nmであればなお好ましい。なお、ナノサイズ炭素材料が繊維状等の場合、上記平均粒径は平均直径を指すものとし、平均直径が1〜100nmであれば、その長さは必ずしもこの範囲でなくともよい。
【0053】
次に、本発明の複合部材および複合皮膜の製造方法について説明する。本発明の複合部材および複合皮膜は、上記したような本発明の複合粒子を用いて製造されるものである。
【0054】
本発明の複合部材は、例えば熱間成形、冷間成形あるいは光造形等により製造することができる。これらの中でも、生産性の観点から、冷間で成形した後、焼成して固化させる製造方法が実用上極めて有効である。
【0055】
複合部材を熱間で製造する場合、複合粒子を第1粒子の融点以上の温度でプレス成形、射出成形、圧延成形または押出成形することにより製造することができる。
【0056】
また、複合部材を冷間で製造する場合、複合粒子を一旦冷間でプレス成形、射出成形、圧延成形または押出成形して成形体を得た後、この成形体を第1粒子の融点以上の温度で焼成することにより得られる。
【0057】
上記したような熱間成形時の温度、冷間成形後の焼成温度としては、複合粒子を構成する材料の種類や割合によっても異なるが、例えばテフロンTFEを用いた場合は327℃以上、テフロンFEPを用いた場合は260℃以上、テフロンPFAを用いた場合は305℃以上、ポリエーテルエーテルケトンを用いた場合は334℃以上、ポリイミド系樹脂を用いた場合は450℃以上とすることが好ましい。
【0058】
このようにして得られた複合部材は、例えばタービン発電機の軸受を初めとする各種の摺動部材として用いることができる。
【0059】
また、複合皮膜を製造する場合、例えば複合粒子を分散媒に分散させ分散溶液を作製した後、この分散溶液を複合皮膜を形成しようとする基体上に塗布し、これを所定の温度で乾燥させ分散溶液より分散媒を除去し、さらにこの基体を複合粒子に含まれる第1粒子の融点以上で焼成することにより製造することができる。焼成温度は上記複合部材の製造と同様の温度で行えばよい。
【0060】
複合皮膜を形成する基体としては、タービン発電機の軸受等の摺動部品が挙げられる。このような摺動部品の摺動部位に適当な厚さの皮膜を形成することにより機械的性質および摩擦・摩耗特性を兼備した摺動部品とすることができる。複合皮膜の厚さは特に制限されるものではなく、複合皮膜が形成される摺動部位、求められる特性等を考慮して適宜変更することができる。
【0061】
【実施例】
以下、実施例および比較例を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【0062】
(実施例1)
四フッ化エチレン樹脂からなる平均粒径20μmの第1粒子と、平均直径10nm、平均長さ1μmのカーボンナノチューブからなる第2粒子とを攪拌・混合容器内に挿入し、30分間混合して複合粒子を作製した。なお、第2粒子の体積含有率は、第1粒子と第2粒子との合計体積の5、10、15、20、25および30%となるように調整した。
【0063】
この複合粒子を金型内に挿入し、圧力50MPaでプレス成形し、直径300mm、高さ15mmの成形体を得た。さらに、この成形体を温度375℃で1時間、焼成処理を行い複合部材を作製した。
【0064】
次いで、複合部材を切出し、引張試験片、圧縮試験片および摩擦・摩耗試験片を作製した。引張試験は、インストロン試験機を用い、引張速度0.10mm/sで行なった。圧縮弾性率は、圧縮荷重20MPaをかけた試験片の荷重と変位曲線から算出した。摩擦・摩耗試験は、リング・オン・ディスク摩耗試験法を用いた。面圧8MPaの荷重をかけ、油中で相手部材S45Cと摺動させ、静摩擦係数、動摩擦係数および摩耗減量を測定した。
【0065】
(比較例1)
実施例1と同様の四フッ化エチレン樹脂からなる平均粒径20μmの第1粒子と、平均直径5μm、平均長さ100μmのガラス繊維からなる第2粒子を攪拌・混合容器内に挿入し、30分間混合して複合粒子を作製した。なお、第2粒子の体積含有率は、第1粒子と第2粒子との合計体積の5、10、15、20、25および30%となるように調整した。
【0066】
この複合粒子を金型内に挿入し、圧力50MPaでプレス成形し、直径300mm、高さ15mmの成形体を得た。さらに、この成形体を温度375℃で1時間、焼成処理を行い複合部材を作製した。
【0067】
次いで、複合部材を切出し、引張試験片、圧縮試験片および摩擦・摩耗試験片を作製した。引張試験は、インストロン試験機を用い、引張速度0.10mm/sで行なった。圧縮弾性率は、圧縮荷重20MPaをかけた試験片の荷重と変位曲線から算出した。摩擦・摩耗試験は、リング・オン・ディスク摩耗試験法を用いた。面圧8MPaの荷重をかけ、油中で相手部材S45Cと摺動させ、静摩擦係数、動摩擦係数および摩耗減量を測定した。また、実施例1と同様の四フッ化エチレン樹脂のみからなる純四フッ化エチレン部材を作製し、同様の試験を行った。
【0068】
測定結果を図1〜6に示す。図1は引張強度の測定結果を示したものである。
実施例1の複合部材の引張強度は、第2粒子の体積含有率が10〜30%の範囲で約45MPaとなった。第2粒子の体積含有率が同じときの比較例1の複合部材の引張強度が30MPa未満であることと比較して、著しく向上していることが認められた。また、比較例1の複合部材の引張強度は、純四フッ化エチレン部材の引張強度31MPaと比較しても、低下していることが認められた。
【0069】
図2は圧縮弾性率の測定結果を示したものである。実施例1の複合部材の圧縮弾性率は、第2粒子の体積含有率が5%のとき750MPa、10%のとき1400MPa、15%のとき1700MPa、20〜30%のとき1800MPaであった。第2粒子の体積含有率が同じ場合の比較例1の複合部材と比べて、著しく向上していることが認められた。
【0070】
図3は静摩擦係数の測定結果を示したものである。実施例1の複合部材の静摩擦係数はいずれも0.08以下であり、第2粒子の体積含有率が同じ場合の比較例1の複合部材と比べて半分程度の大きさとなっていることが認められた。
【0071】
図4は動摩擦係数の測定結果を示したものである。実施例1の複合部材の動摩擦係数はいずれも0.12以下であり、第2粒子の体積含有率が同じ場合の比較例1の複合部材と比べて半分以下の大きさとなっていることが認められた。
【0072】
図5は摩耗減量の測定結果を示したものである。実施例1の複合部材では、第2粒子の体積含有率が5%のとき100μm、10%のとき45μm、15〜30%のとき20μm以下となっており、第2粒子の体積含有率が同じ場合の比較例1の複合部材の1/2〜1/3程度となっていることが認められた。
【0073】
図6は相手部材の摩耗減量の測定結果を示したものである。実施例1の複合部材を用いた場合、相手部材の摩耗減量はいずれも5μm以下となっており、第2粒子の体積含有率が同じ場合の比較例1の複合部材を用いた場合の1/2〜1/5程度となっていることが認められた。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば優れた機械的特性および摩擦・摩耗特性を兼備した複合部材、複合皮膜を提供することが可能となる。また、本発明の複合粒子を用いることにより、このような優れた特性を有する複合部材、複合皮膜を容易に作製することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による複合部材と従来の複合部材との引張強度を比較した図。
【図2】本発明の一実施形態による複合部材と従来の複合部材との圧縮弾性率を比較した図。
【図3】本発明の一実施形態による複合部材と従来の複合部材との静摩擦係数を比較した図。
【図4】本発明の一実施形態による複合部材と従来の複合部材との動摩擦係数を比較した図。
【図5】本発明の一実施形態による複合部材と従来の複合部材との摩耗減量を比較した図。
【図6】本発明の一実施形態による複合部材と従来の複合部材とを用いたときの摺動相手部材の摩耗減量を比較した図。
Claims (12)
- 樹脂材料からなる平均粒径1〜50μmの第1粒子と無機材料からなる平均粒径1〜100nmの第2粒子とを含み、前記第1粒子および第2粒子の合計体積における前記第2粒子の体積含有率が1〜30%であることを特徴とする複合粒子。
- 前記第1粒子が高潤滑性樹脂からなり、前記第2粒子がナノサイズ炭素材料からなることを特徴とする請求項1記載の複合粒子。
- 前記第2粒子は前記第1粒子の表面上に付着していることを特徴とする請求項1または2記載の複合粒子。
- 分散媒に樹脂材料からなる平均粒径1〜50μmの第1粒子を分散させて第1分散液を得る工程と、
前記第1分散液に、無機材料からなる平均粒径1〜100nmの第2粒子を分散させて第2分散液を得る工程と、
前記第2分散液より、前記分散媒を除去する工程とを具備することを特徴とする複合粒子の製造方法。 - 前記第1粒子が高潤滑性樹脂からなり、前記第2粒子がナノサイズ炭素材料からなることを特徴とする請求項4記載の複合粒子の製造方法。
- 前記第1粒子はその表面に有機バインダーを含む層が形成されていることを特徴とする請求項4または5記載の複合粒子の製造方法。
- 前記第2粒子を分散させる工程において、さらに前記第1粒子の表面に前記第2粒子を機械的混合により付着させることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項記載の複合粒子の製造方法。
- 高潤滑性樹脂を母材とする複合部材であって、
前記母材中にナノサイズ炭素材料が含有され、かつ前記母材およびナノサイズ炭素材料の合計体積における前記ナノサイズ炭素材料の体積含有率が1〜30%であることを特徴とする複合部材。 - 高潤滑性樹脂を母材とする複合皮膜であって、
前記母材中にナノサイズ炭素材料が含有され、かつ前記母材およびナノサイズ炭素材料の合計体積における前記ナノサイズ炭素材料の体積含有率が1〜30%であることを特徴とする複合皮膜。 - 請求項1乃至3のいずれか1項記載の複合粒子を、前記第1粒子の融点以上の温度でプレス成形、射出成形、圧延成形または押出成形することを特徴とする複合部材の製造方法。
- 請求項1乃至3のいずれか1項記載の複合粒子を、冷間でプレス成形、射出成形、圧延成形または押出成形により成形体を作製する工程と、
前記成形体を前記第1粒子の融点以上の温度で焼成する工程とを具備することを特徴とする複合部材の製造方法。 - 請求項1乃至3のいずれか1項記載の複合粒子を分散媒に分散させ分散溶液を得る工程と、
前記分散溶液を基体に塗布した後、前記分散溶液より前記分散媒を除去する工程と、
前記基体を前記第1粒子の融点以上の温度で焼成する工程とを具備することを特徴とする複合皮膜の製造方法。
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