JP2004256582A - プレコート金属板用水系塗料、プレコート塗装金属板およびその製造方法 - Google Patents

プレコート金属板用水系塗料、プレコート塗装金属板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐候性に優れる水系塗装金属板用塗料とそれを処理した塗装金属板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】重合性紫外線安定性単量体、シクロアルキル基含有重合性単量体の少なくとも一方と、酸基含有重合性単量体とを含む重合性単量体成分を重合して得られた水分散樹脂組成物に、架橋剤としてアミノプラスト樹脂及び/又はポリイソシアネート化合物を含有することを特徴とする水系塗料、また、この水系塗料を塗布・焼き付けしてなる塗膜を片面または両面に有することを特徴とする塗装金属板およびその製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家電、建材、自動車等に用いられるプレコート金属板用水系塗料、プレコート塗装金属板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼板は、多くの場合、塗装して使用される。この塗装の目的は、素地の鋼板を保護し、さらに長期の耐久性と意匠性を付与することにある。塗装された鋼板は、建築物、船舶、橋梁等の大きな物品から各種機械、自動車、家具、電気製品等の小物や生活用品にまで使用されるが、一般に、これらの鋼板の塗装は、ポストコートと呼ばれる加工、組み立て後の塗装により行われる。
【0003】
近年、建材、家電分野では、予め塗装された、いわゆるプレコートされた塗装鋼板を加工し、組み立てる方式に移行しつつある。プレコート塗装鋼板に使用される塗料は、一般に溶剤型のアクリル系樹脂やポリエステル系樹脂であるが、溶剤型の塗料に対しては溶剤の揮発による環境面での問題が指摘されている。
【0004】
これに対して、溶剤の使用量の少ない水系の塗料が近年使用されるようになっている。しかし、通常の水系樹脂であるアクリル系エマルションやポリエステル系エマルションには、溶剤の揮発による上記問題点は無いものの、屋外での太陽光等に対する耐性、いわゆる耐候性が悪く、長期間の使用には適していない。例えば、特開平7−188608号公報では、耐食性塗料組成物としてアクリル樹脂変性エポキシ系樹脂の水系塗料が示されている。確かに、この塗料で耐食性は改善されても、いわゆる耐候性に劣るため、長期間の屋外での使用には適していない。
【0005】
塗装鋼板には、着色した塗装を使用する場合と、透明な塗装を使用するクリヤー塗装とがある。クリヤー塗装金属板は、その下地金属板の意匠を活かして、屋外建材分野や大型冷蔵庫等の家電分野、さらにはキッチン周り等に使用されてきた。一般に、このような金属板上に塗装を施す際には、クロメート処理(例えば、特開平11−86353号公報)やリン酸塩処理(例えば、特開平7−85511号公報)と呼ばれる化成処理が施され、その上にクリヤー塗料が施されていた。化成処理の主たる目的は、塗料密着性と耐食性の向上である。化成処理を施さないと長期間の使用でクリヤー塗装が剥離し、美観はもちろんのこと、耐食性の面でも問題が起こるため、化成処理は、クリヤー塗装金属板において、不可欠とされてきた。
【0006】
例えば、屋外で使用する場合、長期の耐久性が必要であるため、金属板の耐久性に加え、クリヤー塗膜の耐候性が必要とされている。しかし、耐候性に優れるふっ素系クリヤー塗膜は、化成処理を施していない金属板との密着性が悪く、長期間の屋外使用で剥離が生じてしまう。また、一般的に使用されているシリコン変性ポリエステル系塗膜は、密着性と同時に耐候性が劣っており、長期間の使用には適さない。
【0007】
クリヤー塗装金属板の化成処理として主に用いられるクロメート処理は、有色(茶褐色)であるため、着色顔料を含まないクリヤー塗装を施した場合、クロメート処理の色が透けて、下地の金属板がやや黄色みがかって見える問題点があった。また、クロメート処理は可能であれば、使用しないことが望まれていた。
【0008】
リン酸塩処理の適用は、クロメート処理に比べると少ないが、クロメート処理と同じく下地金属板がくすんでしまう外観上の問題点があった。
【0009】
また、従来のクリヤー塗料は、溶剤型塗料であり、クリヤー塗料塗装後の加熱乾燥時や取扱い時に溶剤の揮発があり、環境負荷の問題が指摘されていた。
【0010】
これらクリヤー塗装金属板の課題を解決する方法として、前処理としてクロメート処理やリン酸塩処理の代わりに無色のシランカップリング処理を使用することも可能であるが、シランカップリング処理は高価であるため、必ずしも最適な方法とは言えない。
【0011】
【特許文献1】
特開平7−85511号公報
【特許文献2】
特開平11−86353号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決するものであり、具体的には耐候性に優れたプレコート金属板用水系塗料、プレコート塗装金属板及びその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決する手段を鋭意検討した結果、重合性紫外線安定性単量体、シクロアルキル基含有重合性単量体の少なくとも一方と、水酸基含有重合性単量体とを含む重合性単量体成分を重合して得られた水分散樹脂組成物に、架橋剤としてアミノプラスト樹脂及び/又はポリイソシアネート化合物を配合した水系塗料が、耐候性に優れていることを見出し、さらに、基材模様の意匠性を活かしたクリヤー塗装の場合には、該水系塗料がクロメート処理等の化成処理を施さなくとも、金属板に良好に密着することを見いだし、本発明に至った。
【0014】
本発明の趣旨とするところは以下のとおりである。
(1) 重合性紫外線安定性単量体、シクロアルキル基含有重合性単量体の少なくとも一方と、水酸基含有重合性単量体とを含む重合性単量体成分を重合して得られた水分散樹脂組成物に、架橋剤としてアミノプラスト樹脂及び/又はポリイソシアネート化合物を含有してなることを特徴とするプレコート金属板用水系塗料。
(2) 前記重合性紫外線安定性単量体が一般式(式1)
【0015】
【化3】
Figure 2004256582
【0016】
[但し、Rは水素原子又はシアノ基、R、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基、Xはイミノ基又は酸素原子、Yは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基又は−CO−CR=CHRを示す(式中R、Rは前記と同じ)]で現される(1)に記載のプレコート金属板用水系塗料。
(3) 前記シクロアルキル基含有重合性単量体が、一般式(式2)
【0017】
【化4】
Figure 2004256582
【0018】
[但し、Rは水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基、Zは置換基を有する又は有さないシクロアルキル基を示す]で表される(1)に記載のプレコート金属板用水系塗料。
(4) 金属板の少なくとも片面に、化成処理層、プライマー塗膜層、及び、硬化膜厚が1〜40μmとなるように(1)〜(3)のいずれかに記載の水系塗料を塗布、乾燥・硬化させてなる塗膜を順次積層してなるプレコート塗装金属板。
(5) 金属板の少なくとも片面に、化成処理層、及び、硬化塗膜が1〜40μmとなるように(1)〜(3)のいずれかに記載の水系塗料を塗布、乾燥・硬化させてなる塗膜を順次積層してなるプレコート塗装金属板。
(6) 金属板の少なくとも片面に、硬化膜厚が1〜40μmとなるように(1)〜(3)のいずれかに記載の水系塗料を塗布、乾燥・硬化させてなる塗膜を積層してなるプレコート塗装金属板。
(7) 金属板の少なくとも片面に、硬化膜厚が1〜40μmとなるように(1)〜(3)のいずれかに記載の水系塗料を塗布、乾燥・硬化させてなる塗膜を少なくとも積層したプレコート塗装金属板。
(8) 前記金属板がステンレス鋼板である(4)〜(7)のいずれかに記載のプレコート塗装金属板。
(9) 前記金属板がめっき鋼板である(4)〜(7)のいずれかに記載のプレコート塗装金属板。
(10) 前記金属板がアルミニウム板又はアルミニウム合金板である(4)〜(7)のいずれかに記載のプレコート塗装金属板。
(11) 金属板の少なくとも片面に、少なくとも(1)〜(3)に記載の水系塗料を硬化膜厚が1〜40μmとなるように塗布、乾燥・硬化することを特徴とするプレコート塗装金属板の製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳しく説明する。
【0020】
本発明に使用される水性塗装用塗料は、重合性紫外線安定性単量体、シクロアルキル基含有重合性単量体の少なくとも一方と、水酸基含有重合性単量体とを含む重合性単量体成分を重合して得られる水分散樹脂組成物と、架橋剤としてアミノプラスト樹脂及び/又はポリイソシアネート化合物とを含んで構成されている。
【0021】
まず、水分散樹脂組成物を形成する重合性単量体(以下、単に単量体成分と称する)について説明する。上記単量体成分に用いる重合性紫外線安定性単量体は、本来、紫外線に対して安定化させる能力を付与するものであるが、共重合樹脂組成物と組み合わせることにより、優れた金属板への密着性をも発現することを見いだした。
【0022】
このような性能を発揮する重合性紫外線安定性単量体は、例えば、立体障害を受けているアミノ基を分子内に少なくとも1つ有し、かつ、重合性不飽和結合を分子内に少なくとも1つ有するヒンダードアミン系化合物である。上記の立体障害を受けているアミノ基はその窒素原子が少なくとも2つの4級炭素と結合していることが望ましい。
【0023】
上記重合性紫外線安定性単量体としては、分子内に、立体障害を受けているピペリジニル基と、重合性不飽和基とをそれぞれ少なくとも1つ有する重合性紫外線安定性単量体が特に好適に使用されるが、中でも前記一般式(式1)で示される化合物が最も代表的に使用される。なお、一般式(式1)のRは水素原子又はシアノ基、RとRはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基、Xはイミノ基又は酸素原子、Yは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基又は−CO−CR=CHRを示す(式中RとRは前記と同じ)。
【0024】
具体的に化合物名を挙げて説明する。重合性紫外線安定性単量体としては、例えば、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイルアミノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等を挙げることができ、これらの1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0025】
次に、シクロアルキル基含有重合性単量体について説明する。シクロアルキル基含有重合性単量体は、水分散樹脂組成物の金属板に対する密着性向上に必要なシクロアルキル基を分子内に少なくとも1つ含有し、かつ、重合性不飽和結合を分子内に少なくとも1つ含有する化合物であればよい。
【0026】
上記シクロアルキル基含有重合性単量体としては、前記一般式(式2)で表されるシクロアルキル基含有重合性単量体が、最も好適に使用される。前記一般式(式2)で表されるシクロアルキル基含有重合性単量体は、式中Rで示される置換基が水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基で構成され、Zで示される置換基が、置換基を有する又は有さないシクロアルキル基で構成される化合物である。
【0027】
具体的に化合物名を挙げて説明する。シクロアルキル基含有重合性単量体としては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、特に限定されるものではない。シクロアルキル基含有重合性単量体は1種類のみを用いてもよく、また、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0028】
次に、水酸基含有重合性単量体について説明する。水酸基含有重合性単量体は、分子内に、水酸基と重合性不飽和結合とをそれぞれ少なくとも1つ有する化合物であればよいが、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルが好適である。水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート等が挙げられるが、特に限定されるものではない。水酸基含有重合性単量体は1種類のみを用いてもよく、また、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0029】
単量体成分は、必要に応じて、上記各単量体(つまり、重合性紫外線安定性単量体、シクロアルキル基含有重合性単量体、及び水酸基含有重合性単量体)以外に、重合性の単量体を含んでも良い。このような単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、2−(メタ)アクリロイルエチルアシッドホスフェート等の酸基含有不飽和単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ターシャリブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有不飽和単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N’−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の含窒素不飽和単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族不飽和単量体;酢酸ビニル等のビニルエステル;ビニルエーテル;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和シアン化合物等;ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロプロピルメトキシシラン等の含珪素不飽和単量体;2−(2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等の重合性紫外線吸収性単量体が挙げられるが、特に限定されるものではない。その他の単量体は、必要に応じて1種類のみを用いてもよく、また、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0030】
上記の重合性単量体の共重合については、特に規定するものではないが、各単量体の含有率は、重合性紫外線安定性単量体0.1〜10.0質量%、シクロアルキル基含有重合性単量体5.0〜98.0質量%、水酸基含有重合性単量体2.0〜35.0質量%、その他の重合性単量体0〜97.9質量%の範囲内において、共重合アクリルポリオール100質量%を構成することが好ましい。特に好ましくは、重合性紫外線安定性単量体0.2〜5質量%、シクロアルキル基含有重合性単量体15〜70質量%、水酸基含有重合性単量体5〜30質量%、その他の重合性単量体0〜94.8質量%の範囲内において、共重合アクリルポリオール100質量%を構成することが好ましい。
【0031】
本発明に用いる水分散樹脂組成物は、水系媒体に完全溶解せずに微粒子状に存在している、いわゆる不均一系水性樹脂組成物であることを意味し、公知の方法である乳化重合法、懸濁重合や溶液重合後に水分散する後乳化法等により本発明の樹脂組成物を得ることが出来る。特に本発明においては、乳化重合により得られる樹脂組成物が、耐候性、耐蝕性、耐水性等のバランスが良好であり、より好ましい。また、乳化重合に用いる水系媒体には、通常、水が好ましく用いられるが、特に限定されるわけではなく、必要に応じて低級アルコールやケトン類の親水性溶剤も好ましく併用される。また、乳化重合法としては、多段重合によるコアシェル構造や粒子径制御技術による微粒子化や反応性乳化剤使用によるソープフリーエマルション化や粒子内架橋基導入による粒子内架橋エマルション化等の技術を更に行うことが望ましい。
【0032】
本発明に用いる乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤、反応性界面活性剤等がある。これらは、1種のみ用いても良く、また2種類以上を併用しても良い。
【0033】
前記乳化剤の使用量は、特に限定されるものではなく、具体的には重合性不飽和単量体の総質量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.3〜6質量%である。0.1質量%よりも小さい場合は、重合体の分散安定性の低下が見られるので好ましくなく、20質量%を超える場合は、耐水性等の低下が見られるために好ましくない。
【0034】
前記乳化重合で用いるラジカル重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、具体的には、2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤類、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、過酸化水素、過酢酸、ベインゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物系開始剤類を好ましく挙げることが出来る。また、この還元剤として亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸、ロンガリット、メタ重亜硫酸ナトリウム等を用いてレドックス系開始剤とすることも好ましい。
【0035】
また、重合促進剤として、特に限定されるわけではないが、種々の遷移金属イオン、具体的には、硫酸第二鉄、硫酸第二銅、塩化第二鉄、塩化第二銅等を好ましく挙げることができる。
【0036】
前記ラジカル重合開始剤は、重合性不飽和単量体の総質量に対して0.01〜20質量%となるように使用するのが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%である。このような使用範囲にした場合、収率、経済性、物性に関して優れている。
【0037】
前記乳化重合時の反応温度は、10〜100℃であることが望ましく、40〜90℃であることがより好ましい。
【0038】
前記モノマー成分を重合させる際、必要に応じて、分子量を調整する目的で、連鎖移動剤や調整剤等を用いることが出来る。前記連鎖移動剤や調整剤としては、特に限定されるものではないが、具体的には、ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、アルコール類、ケトン類、アルデヒド類、α−メチルスチレン等を好ましく用いることが出来る。
【0039】
前記乳化重合体は、その数平均分子量が1,000〜30,000,000であることが好ましく、より好ましくは5,000〜20,000,000である。
【0040】
前記乳化重合体は、そのガラス転移温度(Tg)が−30℃〜130℃であることが好ましく、より好ましくは0℃〜100℃である。また、2段重合等による多段重合法により粒子内部と粒子外部とTg差を用いる場合は、高Tg部が50℃以上、低Tg部が30℃以下であることが好ましく、より好ましくは高Tg部が70℃以上、低Tg部が20℃以下である。更に、高Tg部と低Tg部のTg差として、20℃以上であることが好ましく、50℃以上Tg差があることがより好ましい。
【0041】
前記乳化重合体は、一般的特徴としては、外観は乳白色で、重合体粒子の分子量は比較的大きく、塗装時の固形分含有量が高いということ等を好ましく列挙することが出来る。平均粒子径が10nm〜1μmであることが好ましく、より好ましくは30〜500nm、更に好ましくは50〜200nmである。
【0042】
本発明の水性塗装金属板用塗料の架橋剤としては、アミノプラスト樹脂又はポリイソシアネート化合物を用いる。一般的には、水溶性又は水分散系の形態の水系硬化剤を用いる。
【0043】
本発明の水分散樹脂組成物は、pHの値が1.5〜11であることが好ましく、より好ましくは4〜10、更に好ましくは6〜9.5である。pH値が前記範囲を外れることは、物性、作業性を低下させる恐れがあるので好ましくはない。
【0044】
架橋剤の水性アミノプラスト樹脂とは、メラミンやグアナミン等のアミノ基を有する化合物とホルムアルデヒドとの付加縮合物であり、アミノ樹脂とも呼ばれている。アミノプラスト樹脂としては、例えば、メチルエーテル化メラミン樹脂、ブチルエーテル化メラミン樹脂等のメラミン樹脂;ブチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂、ブチルエーテル化シクロヘキシルベンゾグアナミン樹脂等のグアナミン樹脂が挙げられる。アミノプラスト樹脂と前記アクリルポリオールエマルションとの固形分配合比は、質量比で10:90〜50:50とすることが好ましい。これら例示の化合物は、1種類のみを用いてもよく、また、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0045】
架橋剤の水性ポリイソシアネート化合物としては、分子内に2個以上のイソシアネート基を含んでいればよく、例えば、トリメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシネート、及びこれらジイソシアネートの誘導体であるトリメチロールプロパンアダクト体、ビューレット体、イソシアヌレート体等のアダクトポリイソシアネート化合物を挙げることができ、さらに、イソシアネート化合物のイソシアネート基をε−カプロラクタム、フェノール、クレゾール、オキシム、アルコール等の化合物でブロックしたブロックポリイソシアネート化合物等を挙げることができる。また、水性化する技術としては、例えば、特開昭52−59657号公報では、ブロックイソシアネートに加え、界面活性剤を使用している。特開昭56−151753号公報では、炭素数7〜26の高級脂肪酸を含むポリエチレンオキサイドを使用し、かつポリイソシアネートのイソシアネート基を重亜硫酸ソーダで封鎖することにより、ブロックイソシアネートの水性化を可能にしている。その他として、ポリオキシエチレン基やヒドロキシカルボン酸をポリイソシアネートの一部に付加させる技術が、特開昭62−151419号公報、特開平2−3465号公報に開示されている。以上のような技術を用いた水分散又は水溶性の水性ポリイソシアネートを用いると良い。ポリイソシアネート化合物と前記アクリルポリオールとの配合は、アクリルポリオール中のOH基1モルに対してイソシアネート基が0.3〜2.0モルとすることがよく、より好ましくは0.9〜1.7モルである。
【0046】
また、水性アミノプラスト樹脂と水性ポリイソシアネート樹脂を必要に応じて、混合して使用しても良い。
【0047】
そして、水系塗料には硬化を促進させるための硬化触媒を含んでもよい。硬化触媒としては、ジブチレンジラウリレート、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジラウリル酸ジ−n−ブチルスズ等の有機スズ化合物、第3級アミン等が挙げられ、これらを1種のみでもよく、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。水系塗料には、さらに添加剤として、レベリング効果剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、安定剤、可塑剤、ワックス、シランカップリング剤、シリカゾル、添加型紫外線安定剤等を混合させて塗料化してもよい。また、必要に応じて、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等を含んでもよい。これら添加剤は1種のみを用いてもよく、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。ワックスとしては、酸化ポリエチレンが安定性と外観の面から優れている。
【0048】
本発明に係るプレコート塗装鋼板用水系塗料は、更に着色顔料、光輝性顔料、体質顔料等の顔料や艶消し剤を含んでいて良い。
【0049】
着色顔料としては、二酸化チタン(チタンホワイト)、鉛白、硫化亜鉛、グラファイト、カーボンブラック、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、亜鉛化、モリブデン酸鉛、クロム酸鉛、クロムグリーン、酸化クロム、紺青等の無機系着色顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン、インダンスロン、イソインドリノン、ペリレン、アンスラピリミジン、ベンズイミダゾロン等の有機系着色顔料が挙げられる。
【0050】
光輝性顔料としては、マイカ、金属箔状顔料等を用いることが出来る。金属箔状顔料としては、アルミニウム箔、ブロンズ箔、金箔、銅箔、金属チタン箔、ステンレススチール箔、ニッケル箔、クロム箔、硫化コバルト箔、硫化マンガン箔、硫化チタニウム箔、及び上記例示の金属の合金箔等の金属箔、これら金属箔をプラスチックで被覆してなる被服箔、箔状フタロシアニンブルーの箔状有機顔料等が挙げられる。上記体質顔料としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、珪酸、珪酸塩、アルミニウム水和物、硫酸カルシウム等の無機物が挙げられる。なお、顔料の粒度や使用量は、特に限定されるものではない。また、顔料を分散させる為の顔料分散剤等の添加剤を含んでも良い。
【0051】
艶消し剤としては、シリカ系の無機系艶消し剤やアクリルビーズ系の有機系艶消し剤等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種類以上を併用しても良い。
【0052】
また、水系クリヤー塗料として使用する場合は、透明性が損なわれない範囲で、パール、マイカ、金属粉、着色顔料や染料を添加してもよい。
【0053】
本発明の水系塗料は少なくとも金属板の片面に少なくとも積層する。金属板への塗装の際には、クロメート処理、リン酸亜鉛処理、シランカップリング系処理、タンニン酸系処理、チタニア系処理、ジルコニア系処理等の一般的に使用されている化成処理を施しても良い。これら化成処理層の上に本発明の塗料を直接塗装してもよいし、化成処理層と本発明の塗装の間に防錆顔料を有するプライマー塗装を設けてもよい。防錆顔料としては公知の防錆顔料を適用でき、例えば、リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウム、亜リン酸亜鉛、等のリン酸系防錆顔料、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸バリウム、等のモリブデン酸系防錆顔料、酸化バナジウム等のバナジウム系防錆顔料、カルシウムシリケート等のシリケート系防錆顔料、ストロンチウムクロメート、ジンククロメート、カルシウムクロメート、カリウムクロメート、バリウムクロメート等のクロメート系防錆顔料、水分散性シリカ、ヒュームドシリカ、等の微粒シリカ、フェロシリコン等のフェロアロイ、等を用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
【0054】
プライマー塗装の塗料に用いる樹脂としては、用途に応じて一般に公知の樹脂を適用することができる。すなわち、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シリコンポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂、ブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂等である。これらの混合物や共重合物も使用できる。また、これらにイソシアネート樹脂、アミノ樹脂、シランカップリング剤あるいはチタンカップリング剤等を補助成分として併用することができる。本発明の水系塗料をプライマー塗料に用いてもよい。
【0055】
本発明の塗料は、化成処理層を設けなくても金属板に良好に密着するので、金属板に直接本発明の塗料を塗装してもよい。クリヤー塗装として下地金属の外観を活かす場合には、クロメート処理等の一般的に使用されている化成処理を施すことなく、金属板に直接塗装することにより、下地金属の外観が化成処理層の影響を受けず美麗になる。
【0056】
本発明のクリヤー塗料を、着色したエナメルベースコートの上に塗装してトップクリヤー型の塗装として使用することもできる。本発明に使用されるエナメルベースコートは特に限定されものではなく、一般に使用されているエナメルベースコートやプレコート塗装鋼板をそのまま適用することができる。エナメルベースコートとしては、ポリエステル樹脂系ベースコート、アクリル樹脂系ベースコート、シリコンポリエステル樹脂系ベースコート、PET樹脂系ベースコート、ウレタン樹脂系ベースコート、ポリ塩化ビニル樹脂系ベースコート、ふっ素樹脂系ベースコート等を挙げることができる。さらに優れた耐候性を必要とするときには、本発明の水系塗料に使用されているものと同じ樹脂をベースコート塗料に適用することでなし得る。
【0057】
本発明の塗膜の膜厚は1〜40μmである。1μm未満では完全に金属表面を被覆することが困難で耐食性の面で問題があり,40μm超では厳しい加工時に塗膜が剥離する。より好ましい膜厚は2〜30μmである。
【0058】
本発明に使用される金属板は、ステンレス鋼板、めっき鋼板、アルミニウム板及びアルミニウム合金板である。ステンレス鋼板としては、フェライト系ステンレス鋼板、マルテンサイト系ステンレス鋼板、オーステナイト系ステンレス鋼板等が挙げられる。めっき鋼板としては、亜鉛めっき鋼板、亜鉛−鉄合金めっき鋼板、亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板、亜鉛−クロム合金めっき鋼板、亜鉛−アルミ合金めっき鋼板、アルミめっき鋼板、亜鉛−アルミ−マグネシウム合金めっき鋼板、亜鉛−アルミ−マグネシウム−シリコン合金めっき鋼板、亜鉛めっきステンレス鋼板、アルミめっきステンレス鋼板等が挙げられる。アルミニウム板、アルミニウム合金板としては、JIS1000番系(純Al系)、JIS2000番系(Al−Cu系)、JIS3000番系(Al−Mn系)、JIS4000番系(Al−Si系)、JIS5000番系(Al−Mg系)、JIS6000番系(Al−Mg−Si系)、JIS7000番系(Al−Zn系)等が挙げられる。
【0059】
金属板の塗装前処理としては、水洗、湯洗、酸洗、アルカリ脱脂、研削、研磨等があり、必要に応じてこれらを単独又は組み合わせて行うとよい。塗装前処理の条件は適宜選択すればよい。
【0060】
本発明の塗料は、はけ、ロールコータ、カーテンフローコータ、ローラーカーテンコータ、静電塗装機、ブレードコータ、ダイコータ等を用いて、金属板の少なくとも片面に少なくとも積層する。本発明の塗料を塗布した後は、焼き付けによって硬化・乾燥させる。塗料を焼き付けるには熱風炉、誘導加熱炉、近赤外線炉、遠赤外線炉、エネルギー線硬化炉を用いて加熱すればよい。塗料の焼き付け温度は60℃以上320℃未満であることが望ましい。焼き付け温度が60℃未満であると、塗料の硬化不足により良好な塗膜を形成できないおそれがあるので好ましくない。一方、塗料の焼き付け温度が320℃以上であると、塗料中の樹脂成分の熱劣化が起こり、外観及び加工性の面で問題が発生するため好ましくない。
【0061】
従来は、塗装前処理(水洗、湯洗、酸洗、アルカリ脱脂、研削、研磨等)→化成処理(クロメート処理等)→塗装、という工程で塗装を行ったが、本発明の水系塗料を塗装する場合には、化成処理をなくすこともできるため、塗装前処理→塗装、という工程を取ることもできる。
【0062】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例の「部」は「質量部」を示し、「%」は「質量%」を示す。
[樹脂特性数値測定方法]
(粘度測定)
(株)東京計器製BM型粘度計(30min−1、25℃)を用いて、適宜ローターを選定して、粘度を測定した。
【0063】
(不揮発分)
試料約1gを秤量、熱風乾燥機で105℃×1時間乾燥後、乾燥残量を不揮発分として、乾燥前質量に対する比率を質量%で表示した。
【0064】
(体積平均粒子径)
動的光散乱法による粒子径測定装置(HIAC/ROYCO INSTRUMENTS DIVISION社製、NICOMP MODEL 370)を用いて測定した。
【0065】
(MFT:最低成膜温度)
熱勾配試験機の上に置いたガラス板上に0.2mmのアプリケーターで試料を塗工、乾燥し、ガラス板上の塗膜にクラックの生じた温度(℃)をMFTとした。
【0066】
(実施例1)
(A) クリヤー塗料A製造例
攪拌機、温度計、冷却器、窒素ガス導入管のついた4つ口フラスコに、窒素ガス気流下、脱イオン水82部を仕込み、75℃に昇温した。次いで、4つ口フラスコに以下のものを仕込んだ。すなわち、ノニポール200(三洋化成(株)製:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)1.5部、ハイテノールN−08(第一工業製薬(株)製:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルフォン酸アンモニウム)1.5部、脱イオン水34部を加えた水溶液に、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)50部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部、ターシャリー−ブチルメタクリレート18部、2−エチルヘキシルアクリレート19部、アクリル酸1部、4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン2部を加えて、充分に撹拌し、プレエマルション混合物を作成した。続いて、プレエマルション混合物の10質量%分をセパラブルフラスコに投入し、3%過硫酸カリウム水溶液10部を添加したのち、15分かけて内温を80℃に昇温した。その後、プレエマルション混合物の残り90質量%を3時間かけて滴下し、更に同温度で1時間保持した。冷却後、25質量%アンモニア水0.7部を添加して中和を行い、理論ガラス転移温度(Tg)25℃、計算水酸基価43mgKOH/樹脂固形分、不揮発分45.2%、pH8.3、粘度350mPa・s、体積平均粒子径130nm、最低成膜温度(MFT)55℃の水分散樹脂組成物(a)を得た。
【0067】
この水分散樹脂組成物(a)に、水分散系のポリイソシアネート化合物としてヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体のオキシムブロック体(商品名「タケネートWB−720」、三井武田ケミカル(株)製)をOH/NCO=1:1等量で混合し、硬化触媒としてジブチルチンジラウレート水分散体を対樹脂固形分比で250ppm混合し、本発明のクリヤー塗料Aとした。
(B) クリヤー塗料B〜D製造例
クリヤー塗料Aと同様にして、表1に示した組成により、水分散樹脂組成物B〜Dを得た。その後の硬化剤等との配合等は、クリヤー塗料A製造例と同様に行ない、本発明のクリヤー塗料B〜Dを得た。
【0068】
【表1】
Figure 2004256582
【0069】
(C) クリヤー塗料E製造例
攪拌機、温度計、冷却器、窒素ガス導入管のついた4つ口フラスコに、窒素ガス気流下、脱イオン水76.8部、アクリル酸0.6部を仕込んだ。滴下ロートに、アクアロンHS−10(第一工業製薬(株)製)の25%水溶液6.0部とアクアロンRN−20(第一工業製薬(株)製)の25%水溶液6.0部、脱イオン水5.8部、シクロヘキシルメタクリレート26部、メチルメタクリレート8部、アクリル酸0.4部からなる1段目のプレエマルションを調整し、そのうち11.8部をフラスコに投入し、緩やかに窒素ガス存在下、撹拌を行いながら75℃まで昇温した。昇温後、5%の過硫酸カリウム水溶液を6部添加し、重合を開始した。その後、反応温度を80℃まで昇温し10分間保持した。ここまでを初期重合とした。
【0070】
初期重合終了後、反応系内を80℃に保持したまま、調整した1段目用のプレエマルションの残部を50分かけて均一滴下した。滴下後、脱イオン水5部で滴下ロートを洗浄し、洗浄液をフラスコに滴下した。その後も同温度で30分間維持し、1段目の重合を終了した。
【0071】
次に、25%アンモニア水を0.45部添加し、同温度で10分間撹拌した。引き続いて、アクアロンHS−10の25%水溶液2部、アクアロンRN−20の25%水溶液2部、脱イオン水23.2部、n−ブチルアクリレート23部、シクロヘキシルアクリレート24部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート5部、n−ブチルメタクリレート10部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1部、4−メタアクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン2部からなる2段目のプレエマルションを130分間で滴下した。滴下後、脱イオン水5部で滴下ロートを洗浄し、洗浄液をフラスコに投入した。その後、同温度で30分間維持し、2段目の重合を終了した。次に、25%アンモニア水を0.45部添加し、同温度で30分間保持した。得られた水分散樹脂溶液を室温まで冷却後、100メッシュ(0.25mm)の金網でろ過して、水分散樹脂組成物を得た。
【0072】
理論ガラス転移温度(Tg)が1段目90℃、2段目が10℃のコアシェル構造を取る平均Tg35℃、計算水酸基価22mgKOH/樹脂固形分、不揮発分43.2%、pH8.3、粘度670mPa・s、体積平均粒子径80nm、最低成膜温度(MFT)55℃の水分散樹脂組成物を得た。
【0073】
この水分散樹脂組成物に、水分散系のポリイソシアネート化合物としてヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体のオキシムブロック体(商品名「タケネートWB−720」、三井武田ケミカル(株)製)をOH/NCO=1:1等量で混合し、硬化触媒としてジブチルチンジラウレート水分散体を対樹脂固形分比で250ppm混合し、本発明のクリヤー塗料Eとした。
(D) 比較クリヤー塗料
比較のクリヤー塗料としては、溶剤型の高分子ポリエステル樹脂塗料(商品名「NSC100」、日本ペイント(株)製)を使用した。
【0074】
金属板としては、溶融亜鉛めっき鋼板(両面めっき付着量約180g/m)、溶融55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(両面めっき付着量約150g/m)、ステンレス鋼板(SUS304、SUS430)、アルミニウム合金板(JIS A 3005(Al−Mn系))を使用した。何れも板厚は0.8mmである。
【0075】
これら金属板試料に対して、アルカリ脱脂処理(商品名「サーフクリーナー155」、日本ペイント(株)製)を施した後、本発明の塗料と比較の塗料を塗布し、熱風加熱炉で、焼き付け温度(PMT)230℃の条件で加熱硬化させた。また、塗布型クロメート処理(商品名「ZM1300」、日本パーカライジング(株)製)を全Cr量で約50mg/mの厚さで施したものも比較として作製した。クリヤー塗装を施さないステンレス鋼板(SUS304、SUS430)も評価した。作製した供試材の耐水密着性と耐食性を下記条件で評価した。なお、塗装を施さないステンレス鋼板の評価は耐食性のみとした。
1) 耐水密着性
上記の方法で作製したクリヤー塗装金属板を沸騰水に30分間浸漬した。その後、JIS K 5400に記載されている碁盤目試験法に準拠して碁盤目を付けて、さらに7mmのエリクセン加工をした。その加工部に粘着テープ(セロテープ(登録商標)、ニチバン(株)製)を貼り付け、速やかに斜め45°の方向に引っ張って剥離させて100個の碁盤目の内で剥離した碁盤目の数を数えた。剥離の程度により表2に示す5段階で評価し、評点4以上を合格とした。
【0076】
【表2】
Figure 2004256582
【0077】
2) 耐食性試験
沖縄県具志頭村の海から約100mの地点で屋外暴露試験を行った。試験片は150mm×60mmのサイズに切断し、切断端面はそのままとして、シール塗装は行わなかった。屋外暴露試験は1年間行い、ステンレス鋼板の場合は平面部の赤錆の発生の程度で5段階の評価を行い、めっき鋼板の場合は切断端面部からの膨れ幅の程度で5段階の評価を行った(表3参照)。評点3以上を合格とした。
【0078】
【表3】
Figure 2004256582
【0079】
表4〜8に示すように、本発明の水系塗装を施した金属板は、良好な密着性と耐食性を示した。また,クロメート処理等の化成処理を行わなくとも、良好な密着性と耐食性を有するものであった。また、裸耐食性では、SUS304よりSUS430の方が劣るが、本発明のクリヤー塗装をSUS430に施すことにより、未塗装のSUS304よりも優れた耐食性を示すようになった。
【0080】
【表4】
Figure 2004256582
【0081】
【表5】
Figure 2004256582
【0082】
【表6】
Figure 2004256582
【0083】
【表7】
Figure 2004256582
【0084】
【表8】
Figure 2004256582
【0085】
(実施例2)
(E) エナメル塗料A(白色塗料A)製造例
実施例1で作製したクリヤー塗料A146.7部に対し、75%ブチルセロソルブ水溶液12部、脱イオン水64.6部、デモールEP((株)花王)2部、酸化チタン(ルチル型;石原産業(株)製タイペークCR−95)60部、ノプコ8034((株)サンノプコ製)0.3部、アデカノールUH−420((株)旭電化製)1部を配合し、合計286.6部になる白色塗料Aを作製した。
(F) プレコート鋼板Gの製造方法
上記水性クリヤー塗料Aを1μmの厚さで塗装した板厚0.8mmの溶融亜鉛めっき鋼板(両面めっき付着量約80g/m)に、プライマーとしてエポキシ系プライマー塗料P655(日本ペイント(株)製)を4μm塗装し、PMT200℃の条件で加熱硬化し、プライマー層を形成した。その上に、白色塗料Aを塗膜の厚みが12μmになるようにロールコーターにて塗装し、PMT230℃の条件で加熱硬化し、プレコート塗装鋼板Gを得た。
(G) プレコート鋼板Hの製造方法
板厚0.8mmの溶融亜鉛めっき鋼板(両面めっき付着量約80g/m)に塗布型クロメート処理ZM1300(日本パーカライジング(株)製)を全Cr量で50mg/mの厚さで処理し、その上に、前記プレコート鋼板Gと同様に、塗装を施した。すなわち、エポキシ系プライマー塗料P655(日本ペイント(株)製)を4μmの厚さで塗装し、さらにその上に白色塗料Aを12μmの厚さで塗装し、プレコート鋼板Hを得た。
(H) 比較プレコート鋼板の製造方法
比較のプレコート鋼板としては、板厚0.8mmの溶融亜鉛めっき鋼板(めっき付着量約80g/m)に、プレコート鋼板Hと同様に、クロメート処理とプライマー塗装を施した上に、溶剤型のポリエステル系トップ塗料FLC100HQ(白色、日本ペイント(株)製)を12μmの厚さで塗装したものを使用した。
【0086】
得られたプレコート塗装鋼板G、H及び比較プレコート鋼板について、下記の条件で密着性と耐候性を評価した。
3) 密着性試験
JIS K 5400に記載されている碁盤目試験法に準拠して碁盤目を付けて、さらに6mmのエリクセン加工をした。その加工部に粘着テープ(セロテープ(登録商標)、ニチバン(株)製)を貼り付け、速やかに斜め45°の方向に引っ張って剥離させて、100個の碁盤目の内で剥離した碁盤目の数を数えた。前記1)の密着性の評点の表に従い、剥離の程度により5段階で評価し、評点4以上を合格とした。
4) 耐候性試験
JIS B 7755/JIS K 5400に記載されているサンシャインウェザーメーター試験を1000時間行い、試験前後の60°光沢値を測定し光沢保持率を算出して評価した。
【0087】
密着性試験の結果、本発明のプレコート鋼板G、H及び比較プレコート鋼板の何れもが評点5で、合格の水準であった。一方、光沢保持率では、比較プレコート鋼板が40%であったのに対して、本発明のプレコート鋼板G、Hは90%であり、本発明のプレコート鋼板の方が優れた耐候性を示していた。
【0088】
本発明のプレコート塗装鋼板の密着性は、比較の溶剤型ポリエステル系プレコート鋼板と同等で、耐候性は、溶剤型ポリエステル系プレコート鋼板より優れた結果であった。
【0089】
【発明の効果】
本発明によると、プレコート金属板用塗料として水系塗料を使用するため、溶剤の揮発等がなくなるので、環境に優しく、更に耐候性に優れるので、屋外用途にも好適なプレコート塗装金属板を提供することが可能となる。
【0090】
また、クリヤー塗装用途の面では、クリヤー塗装金属板の化成処理が不要となるため、例えば、クロメート処理による黄味が無くなり、外観が向上するようになる。その結果、ステンレス鋼板の金属外観や溶融55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(ガルバリウム鋼板)のスパングル模様を美しく保持することが可能となる。さらに、6価のCrを使用することもないので、環境面からも優れたクリヤー塗装金属板を提供することが可能となる。

Claims (11)

  1. 重合性紫外線安定性単量体、シクロアルキル基含有重合性単量体の少なくとも一方と、水酸基含有重合性単量体とを含む重合性単量体成分を重合して得られた水分散樹脂組成物に、架橋剤としてアミノプラスト樹脂及び/又はポリイソシアネート化合物を含有してなることを特徴とするプレコート金属板用水系塗料。
  2. 前記重合性紫外線安定性単量体が一般式(1)
    Figure 2004256582
    [但し、Rは水素原子又はシアノ基、R、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基、Xはイミノ基又は酸素原子、Yは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基又は−CO−CR=CHRを示す(式中R、Rは前記と同じ)]で表される請求項1に記載のプレコート金属板用水系塗料。
  3. 前記シクロアルキル基含有重合性単量体が、一般式(2)
    Figure 2004256582
    [但し、Rは水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基、Zは置換基を有する又は有さないシクロアルキル基を示す]で表される請求項1に記載のプレコート金属板用水系塗料。
  4. 金属板の少なくとも片面に、化成処理層、プライマー塗膜層、及び、硬化膜厚が1〜40μmとなるように請求項1〜3のいずれかに記載の水系塗料を塗布、乾燥・硬化させてなる塗膜を順次積層してなるプレコート塗装金属板。
  5. 金属板の少なくとも片面に、化成処理層、及び、硬化塗膜が1〜40μmとなるように請求項1〜3のいずれかに記載の水系塗料を塗布、乾燥・硬化させてなる塗膜を順次積層してなるプレコート塗装金属板。
  6. 金属板の少なくとも片面に、硬化膜厚が1〜40μmとなるように請求項1〜3のいずれかに記載の水系塗料を塗布、乾燥・硬化させてなる塗膜を積層してなるプレコート塗装金属板。
  7. 金属板の少なくとも片面に、硬化膜厚が1〜40μmとなるように請求項1〜3のいずれかに記載の水系塗料を塗布、乾燥・硬化させてなる塗膜を少なくとも積層したプレコート塗装金属板。
  8. 前記金属板がステンレス鋼板である請求項4〜7のいずれかに記載のプレコート塗装金属板。
  9. 前記金属板がめっき鋼板である請求項4〜7のいずれかに記載のプレコート塗装金属板。
  10. 前記基材金属板がアルミニウム板又はアルミニウム合金板である請求項4〜7のいずれかに記載のプレコート塗装金属板。
  11. 金属板の少なくとも片面に、少なくとも請求項1〜3に記載の水系塗料を硬化膜厚が1〜40μmとなるように塗布、乾燥・硬化することを特徴とするプレコート塗装金属板の製造方法。
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