JP2004255791A - フィルタ製造用金型装置、フィルタ製造用金型装置の製造方法およびフィルタ - Google Patents
フィルタ製造用金型装置、フィルタ製造用金型装置の製造方法およびフィルタ Download PDFInfo
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Abstract
【課題】射出成形によって、目が細かいフィルタを製造する。
【解決手段】一対の型体20,30を有し、これら型体20,30同士が互いに当接する型閉時に、型体20,30間にフィルタFを成形するためのキャビティCが形成される金型装置10を、キャビティCを構成する各型体20,30の成形面23A,33Aに、凸条23a,33aと凹溝23b,33bとが交互に並び連続して設けられており、各型体20,30が、それぞれに設けられた凸条23a,33aおよび凹溝23b,33bの方向が交差するように対向して配置され、型閉時には各型体20,30に設けられた凸条23a,33a同士が交差して接する構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】一対の型体20,30を有し、これら型体20,30同士が互いに当接する型閉時に、型体20,30間にフィルタFを成形するためのキャビティCが形成される金型装置10を、キャビティCを構成する各型体20,30の成形面23A,33Aに、凸条23a,33aと凹溝23b,33bとが交互に並び連続して設けられており、各型体20,30が、それぞれに設けられた凸条23a,33aおよび凹溝23b,33bの方向が交差するように対向して配置され、型閉時には各型体20,30に設けられた凸条23a,33a同士が交差して接する構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば0.1mmピッチの樹脂製フィルタを成形するためのフィルタ製造用金型装置、フィルタ製造用金型装置の製造方法およびフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、換気扇や洗濯機、エアコン、自動車、流体の処理装置等、各種装置に備えられたフィルタとしては、不織布等の繊維や金網等からなるフィルタ本体を、枠部材に固定したものが多く用いられている。
【0003】
フィルタ本体を枠部材に固定するには、所定の形状に切断したフィルタ本体を、成形機の金型間に挿入して樹脂を射出するインサート成形や、シート状のフィルタ本体を、別途製造した枠部材に溶着させるなどの技術が採用されている(たとえば特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、インサート成形では、フィルタ本体を別途製造する工程に加えて、このフィルタ本体を金型間に配置して射出成形するという手間のかかる工程を行わなければならない。また、フィルタ本体と枠部材とを組み合わせて溶着するにも、予め両部材を別々に製造し、溶着装置に取り付けるなどの煩雑な工程を行う必要がある。
【0005】
このような問題に対して、より容易にフィルタを製造する技術として、フィルタ本体を樹脂射出成形により製造する技術が検討されている。たとえば、特許文献2には、射出成形機の固定型に設けた複数の突起を可動型に設けた差込み孔に隙間なく挿入する構成を採用することにより、フィルタを射出成形する技術が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−24438号公報
【特許文献2】
特開平07−117083号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献2に記載の金型装置では、目が細かいフィルタを成形するには、この突起および差込み孔を微小かつ大量に設けなければならない。一方、これら突起および差込み孔が正確に挿脱されないと、成形されるフィルタの目が潰れたり、バリが生じたりするだけでなく、固定型と可動型とが衝突して破損するおそれもあるため、対応する各突起および差込み孔を所定の直径で正確に形成し、さらにその芯を確実に一致させる必要がある。
【0008】
つまり、目が細かいフィルタを成形するための突起および差込み孔を微小かつ大量に設けた上、正確に挿脱可能とした金型装置の製造は極めて困難であり、目が細かいフィルタを射出成形することは困難であった。
【0009】
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたもので、射出成形によって、目が細かいフィルタを製造することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係るフィルタ製造用金型装置は、一対の型体を有し、これら型体同士が互いに当接する型閉時に、型体間にフィルタを成形するためのキャビティが形成される金型装置において、キャビティを構成する各型体の成形面に、凸条と凹溝とが交互に並び連続して設けられており、各型体が、それぞれに設けられた凸条および凹溝の方向が交差するように対向して配置され、型閉時には各型体に設けられた凸条同士が交差して接することを特徴としている。
【0011】
この発明によれば、互いに交差する各型体の凹溝内に溶融樹脂(成形材料)が充てんされることによって、複数の線状体が交差した成形体が得られ、凸条同士が当接した部分に目が形成されたフィルタを成形することができる。したがって、この型体同士が当接する部分の大きさを変えることによって、フィルタの目の大きさをコントロールすることができる。
また、たとえば0.1mmピッチで凸条を形成すれば、0.1mmピッチのフィルタを成形することができる。つまり、凹溝および凸条を細くすればより微細なフィルタを成形することが可能となる。
【0012】
請求項2の発明に係るフィルタ製造用金型装置は、請求項1のフィルタ製造用金型装置において、一方の型体に設けられた凸条と他方の型体に設けられた凸条とに、各凸条の稜線に他の部分よりも凹んでいる当接平面が複数箇所設けられ、型閉時には双方の当接平面同士が当接されることを特徴としている。
【0013】
この発明によれば、凸条同士を稜線よりも凹んだ部分で当接させることにより、互いに交差する凹溝同士が深く交差するので、互いに交差する線状体が確実に一体となり、強度の高いフィルタを製造することができる。また、稜線よりも凹んだ当接平面同士が当接することにより、この部分への成形材料の流入を確実に抑制することができるので、目潰れが少ないフィルタの成形が実現できる。
【0014】
請求項3の発明に係るフィルタ製造用金型装置は、請求項2のフィルタ製造用金型装置の製造方法であって、各型体の成形面にそれぞれ複数の凸条を設け、一方の型体の成形面に設けられた凸条と、他方の型体の成形面に設けられた凸条とを、その方向が交差するように対向させて互いに押圧することにより、当接平面を形成することを特徴としている。
【0015】
この発明によれば、各型体の成形面に設けた凸条同士を押圧させるだけで、フィルタの目を抜くための当接平面を容易に設けることができる。そして、このように製造することにより、型閉時の各凸条同士が互いに食い込むように交差させることができるので、より確実にフィルタの目潰れを防止できる金型装置を極めて容易に製造することができる。
【0016】
請求項4の発明に係るフィルタは、略平行に並ぶ複数本の第1線状体と、これら第1線状体に交差し略平行に並ぶ複数本の第2線状体とが、その交差部分において厚さ方向に重なっていることを特徴としている。
【0017】
この発明によれば、第1および第2の線状体が厚さ方向に重なって交差していることにより、互いに交差する各線状体同士が一体となり強固に固定されるので、強度の高いフィルタを得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図1〜図4を参照して説明する。
図1は本実施形態の金型装置10の概要を示す断面図であって、固定型(型体)20と、固定型20に対して移動し離接する可動型(型体)30とを備え、両型同士が互いに当接する型閉時に、相互間にキャビティCが形成される構成となっている。
【0019】
固定型20は、固定側受け板21に固定側型板22が固定され、この固定側型板22に設けられた入子穴22a内に固定側入子型23が保持された構造となっている。
可動型30は、可動側受け板31に可動側型板32が固定され、この可動側型板32に設けられた入子穴32a内に可動側入子型33が保持された構造となっている。
キャビティCは、入子穴22a,32aの内面、固定側入子型23の成形面23Aおよび可動側入子型33の成形面33Aに囲まれた空間として形成される。
【0020】
図2に示すように、固定型20の成形面23Aには、複数の凸条23aと凹溝23bとが交互に並び連続して設けられている。また可動型30の成形面33Aにも、複数の凸条33aと凹溝33bとが交互に並び連続して設けられている。これら固定型20の凸条23aおよび凹溝23bと、可動型30の凸条33aおよび凹溝23bとは、互いに交差するように対向している。そして、型閉時には各型20,30に設けられた凸条23a,33a同士が、その稜線23c,33cで交差して接するようになっている。
【0021】
このような形状のキャビティCに対して、成形材料を導入するための材料通路Rは、図1に示すように、型合わせ面Lに沿って各入子型23,33の外周を囲むように設けられている。成形材料は、この材料通路Rから各凹溝23b,33b内へと流れ込む。なお、この材料通路Rは、フィルタFと分離させずにフィルタFの枠とすることができる。
【0022】
このキャビティC内で成形されたフィルタFの形状は、凸条23a,33a同士の接触部分が目となった網目状であり、各凸条23a,33a同士の接触面積が小さいほど目が細かく形成される。
【0023】
ここで、各入子型23,33の製造方法について説明する。
まず、固定側入子型23の表面を平滑にしておき、ここに精密な凹溝23bを多数平行に形成する。これにより、各凹溝23b間に平行な凸条23aを形成することができる。同様に、可動側入子型33の表面を平滑にしておき、ここに精密な凹溝33bを多数平行に形成すれば、各凹溝33b間に平行な凸条33aを形成することができる。
【0024】
具体的には、たとえば図3に示すように、精密旋盤等によって多数の円形溝100,100,…を形成した板状部材101を分割することにより、多数の円弧溝が形成された部材102,103を得ることができるので、これを各入子型23,33とすることができる。この場合、各凹溝23b,33bが円弧状に形成されるので、それぞれの凹溝23b,33bが互いに交差するように、各入子型23,33を対向させて配置すればよい。つまり、各凹溝23b,33bおよび凸条23a,33aは、直線でなくても曲線状でもよく、それぞれが交差することにより凸条同士が点々と接することができればよい。
【0025】
なお、このときの固定側入子型23の裏面(固定側受け板21に接する面)から凸条23aの稜線23cまでの厚さと、可動側入子型33の裏面(可動側受け板31に接する面)から凸条33aの稜線33cまでの厚さとの和は、型閉時の各受け板21,31の表面(各入子型23,33の裏面)間の距離よりも若干大きくなるようにしておく。
【0026】
このようにして凸条23a,33a(凹溝23b,33b)が形成された各入子型23,33を、図4に示すように成形時と同じ位置関係で互いの成形面23A,33A同士を対向させて配置し、各凸条23a,33a同士を強く当接させることにより、その稜線23c,33c同士を食い込ませる(図5)。この工程は、たとえば、射出成形を行う金型装置10に各入子型23,33を成形時と同様に固定し、成形材料を射出せずに高速高圧で型閉じすればよい。
【0027】
これにより、各凸条23aおよび各凸条33aには、それぞれ交差した部分に当接平面23d,33dが形成される(図6)。そして、各凹溝23b,33b同士が、型閉時に型開閉方向に重なるので、ここに流れ込んだ成形材料により成形されるフィルタFは、固定型20側で成形された略平行に並ぶ複数本の第1線状体faと、可動型30側で成形された略平行に並ぶ複数本の第2線状体fbとが交差し、その交差部分において厚さ方向(型開閉方向)に重なっている構造となる。
【0028】
上述のように両型20,30の凸条23a,33a同士が重なった部分がフィルタFの目となり、凹溝23b,33bのピッチ(すなわち凸条23a,33aのピッチ)がフィルタFの目のピッチとなる。したがって、目が小さいフィルタFを形成するためには、凸条23a,33a同士が重なった部分、つまり各当接平面23d,33dを小さくすればよく、そのピッチは各凹溝23b,33b(凸条23a,33a)のピッチに対応する。すなわち、各凹溝23bおよび各凹溝33bの間隔を小さくしておく、つまり各凸条23aおよび各凸条33aを幅狭く形成しておく、あるいは各凸条23aおよび各凸条33aの稜線23c,33cが鋭角に尖るように形成することが好ましい。
【0029】
なお、以上の実施形態において示した各構成部材、その諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求に基づき種々変更可能である。たとえば、上記実施形態では各凹溝23b,33bを三角形の断面を有する形状としたが、底が円弧状となるような円形の断面を有する形状としてもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1の発明に係るフィルタ製造用金型装置によれば、互いに交差する各型体の凹溝内に溶融樹脂(成形材料)が充てんされることによって、複数の線状体が交差した成形体が得られ、凸条同士が当接した部分に目が形成されたフィルタを成形することができる。したがって、たとえば0.1mmピッチで凸条を形成すれば、0.1mmピッチのフィルタを成形することができる。つまり、凹溝および凸条を細くすればより微細なフィルタを成形することが可能となり、樹脂射出成形によって一体に目の細かいフィルタを成形することができる。
【0031】
請求項2の発明に係るフィルタ製造用金型装置によれば、凸条同士を稜線よりも凹んだ部分で当接させることにより、互いに交差する凹溝同士が深く交差するので、互いに交差する線状体が確実に一体となり、強度の高いフィルタを製造することができる。また、稜線よりも凹んだ当接平面同士が当接することにより、この部分への成形材料の流入を確実に抑制することができるので、目潰れが少ないフィルタの成形が実現できる。
【0032】
請求項3の発明に係るフィルタ製造用金型装置によれば、各型体の成形面に設けた凸条同士を押圧させるだけで、フィルタの目を抜くための当接平面を容易に設けることができる。そして、このように製造することにより、型閉時の各凸条同士が互いに食い込むように交差させることができるので、より確実にフィルタの目潰れを防止できる金型装置を極めて容易に製造することができる。
【0033】
請求項4の発明に係るフィルタによれば、第1および第2の線状体が重なって交差しているので、各線状体同士が強固に固定され、強度の高いフィルタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る金型装置の概要を示す断面図である。
【図2】図1の金型装置を用いた成形時の型体および成形体を模式的に示す斜視図である。
【図3】凹溝を製造する方法の一例を示す図である。
【図4】多数の凹溝および凸条が形成された各型体が対向配置された状態を示す斜視図である。
【図5】図4に示す型体の凸条同士が食い込んだ状態を示す斜視図である。
【図6】凸条に形成された当接平面を示す斜視図である。
【図7】成形されたフィルタの構造を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
10 金型装置
20 固定型(型体)
23A 成形面
23a 凸条
23b 凹溝
23c 稜線
23d 当接平面
30 可動型(型体)
33A 成形面
33a 凸条
33b 凹溝
33c 稜線
33d 当接平面
fa 第1線状体
fb 第2線状体
C キャビティ
F フィルタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば0.1mmピッチの樹脂製フィルタを成形するためのフィルタ製造用金型装置、フィルタ製造用金型装置の製造方法およびフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、換気扇や洗濯機、エアコン、自動車、流体の処理装置等、各種装置に備えられたフィルタとしては、不織布等の繊維や金網等からなるフィルタ本体を、枠部材に固定したものが多く用いられている。
【0003】
フィルタ本体を枠部材に固定するには、所定の形状に切断したフィルタ本体を、成形機の金型間に挿入して樹脂を射出するインサート成形や、シート状のフィルタ本体を、別途製造した枠部材に溶着させるなどの技術が採用されている(たとえば特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、インサート成形では、フィルタ本体を別途製造する工程に加えて、このフィルタ本体を金型間に配置して射出成形するという手間のかかる工程を行わなければならない。また、フィルタ本体と枠部材とを組み合わせて溶着するにも、予め両部材を別々に製造し、溶着装置に取り付けるなどの煩雑な工程を行う必要がある。
【0005】
このような問題に対して、より容易にフィルタを製造する技術として、フィルタ本体を樹脂射出成形により製造する技術が検討されている。たとえば、特許文献2には、射出成形機の固定型に設けた複数の突起を可動型に設けた差込み孔に隙間なく挿入する構成を採用することにより、フィルタを射出成形する技術が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−24438号公報
【特許文献2】
特開平07−117083号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献2に記載の金型装置では、目が細かいフィルタを成形するには、この突起および差込み孔を微小かつ大量に設けなければならない。一方、これら突起および差込み孔が正確に挿脱されないと、成形されるフィルタの目が潰れたり、バリが生じたりするだけでなく、固定型と可動型とが衝突して破損するおそれもあるため、対応する各突起および差込み孔を所定の直径で正確に形成し、さらにその芯を確実に一致させる必要がある。
【0008】
つまり、目が細かいフィルタを成形するための突起および差込み孔を微小かつ大量に設けた上、正確に挿脱可能とした金型装置の製造は極めて困難であり、目が細かいフィルタを射出成形することは困難であった。
【0009】
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたもので、射出成形によって、目が細かいフィルタを製造することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係るフィルタ製造用金型装置は、一対の型体を有し、これら型体同士が互いに当接する型閉時に、型体間にフィルタを成形するためのキャビティが形成される金型装置において、キャビティを構成する各型体の成形面に、凸条と凹溝とが交互に並び連続して設けられており、各型体が、それぞれに設けられた凸条および凹溝の方向が交差するように対向して配置され、型閉時には各型体に設けられた凸条同士が交差して接することを特徴としている。
【0011】
この発明によれば、互いに交差する各型体の凹溝内に溶融樹脂(成形材料)が充てんされることによって、複数の線状体が交差した成形体が得られ、凸条同士が当接した部分に目が形成されたフィルタを成形することができる。したがって、この型体同士が当接する部分の大きさを変えることによって、フィルタの目の大きさをコントロールすることができる。
また、たとえば0.1mmピッチで凸条を形成すれば、0.1mmピッチのフィルタを成形することができる。つまり、凹溝および凸条を細くすればより微細なフィルタを成形することが可能となる。
【0012】
請求項2の発明に係るフィルタ製造用金型装置は、請求項1のフィルタ製造用金型装置において、一方の型体に設けられた凸条と他方の型体に設けられた凸条とに、各凸条の稜線に他の部分よりも凹んでいる当接平面が複数箇所設けられ、型閉時には双方の当接平面同士が当接されることを特徴としている。
【0013】
この発明によれば、凸条同士を稜線よりも凹んだ部分で当接させることにより、互いに交差する凹溝同士が深く交差するので、互いに交差する線状体が確実に一体となり、強度の高いフィルタを製造することができる。また、稜線よりも凹んだ当接平面同士が当接することにより、この部分への成形材料の流入を確実に抑制することができるので、目潰れが少ないフィルタの成形が実現できる。
【0014】
請求項3の発明に係るフィルタ製造用金型装置は、請求項2のフィルタ製造用金型装置の製造方法であって、各型体の成形面にそれぞれ複数の凸条を設け、一方の型体の成形面に設けられた凸条と、他方の型体の成形面に設けられた凸条とを、その方向が交差するように対向させて互いに押圧することにより、当接平面を形成することを特徴としている。
【0015】
この発明によれば、各型体の成形面に設けた凸条同士を押圧させるだけで、フィルタの目を抜くための当接平面を容易に設けることができる。そして、このように製造することにより、型閉時の各凸条同士が互いに食い込むように交差させることができるので、より確実にフィルタの目潰れを防止できる金型装置を極めて容易に製造することができる。
【0016】
請求項4の発明に係るフィルタは、略平行に並ぶ複数本の第1線状体と、これら第1線状体に交差し略平行に並ぶ複数本の第2線状体とが、その交差部分において厚さ方向に重なっていることを特徴としている。
【0017】
この発明によれば、第1および第2の線状体が厚さ方向に重なって交差していることにより、互いに交差する各線状体同士が一体となり強固に固定されるので、強度の高いフィルタを得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図1〜図4を参照して説明する。
図1は本実施形態の金型装置10の概要を示す断面図であって、固定型(型体)20と、固定型20に対して移動し離接する可動型(型体)30とを備え、両型同士が互いに当接する型閉時に、相互間にキャビティCが形成される構成となっている。
【0019】
固定型20は、固定側受け板21に固定側型板22が固定され、この固定側型板22に設けられた入子穴22a内に固定側入子型23が保持された構造となっている。
可動型30は、可動側受け板31に可動側型板32が固定され、この可動側型板32に設けられた入子穴32a内に可動側入子型33が保持された構造となっている。
キャビティCは、入子穴22a,32aの内面、固定側入子型23の成形面23Aおよび可動側入子型33の成形面33Aに囲まれた空間として形成される。
【0020】
図2に示すように、固定型20の成形面23Aには、複数の凸条23aと凹溝23bとが交互に並び連続して設けられている。また可動型30の成形面33Aにも、複数の凸条33aと凹溝33bとが交互に並び連続して設けられている。これら固定型20の凸条23aおよび凹溝23bと、可動型30の凸条33aおよび凹溝23bとは、互いに交差するように対向している。そして、型閉時には各型20,30に設けられた凸条23a,33a同士が、その稜線23c,33cで交差して接するようになっている。
【0021】
このような形状のキャビティCに対して、成形材料を導入するための材料通路Rは、図1に示すように、型合わせ面Lに沿って各入子型23,33の外周を囲むように設けられている。成形材料は、この材料通路Rから各凹溝23b,33b内へと流れ込む。なお、この材料通路Rは、フィルタFと分離させずにフィルタFの枠とすることができる。
【0022】
このキャビティC内で成形されたフィルタFの形状は、凸条23a,33a同士の接触部分が目となった網目状であり、各凸条23a,33a同士の接触面積が小さいほど目が細かく形成される。
【0023】
ここで、各入子型23,33の製造方法について説明する。
まず、固定側入子型23の表面を平滑にしておき、ここに精密な凹溝23bを多数平行に形成する。これにより、各凹溝23b間に平行な凸条23aを形成することができる。同様に、可動側入子型33の表面を平滑にしておき、ここに精密な凹溝33bを多数平行に形成すれば、各凹溝33b間に平行な凸条33aを形成することができる。
【0024】
具体的には、たとえば図3に示すように、精密旋盤等によって多数の円形溝100,100,…を形成した板状部材101を分割することにより、多数の円弧溝が形成された部材102,103を得ることができるので、これを各入子型23,33とすることができる。この場合、各凹溝23b,33bが円弧状に形成されるので、それぞれの凹溝23b,33bが互いに交差するように、各入子型23,33を対向させて配置すればよい。つまり、各凹溝23b,33bおよび凸条23a,33aは、直線でなくても曲線状でもよく、それぞれが交差することにより凸条同士が点々と接することができればよい。
【0025】
なお、このときの固定側入子型23の裏面(固定側受け板21に接する面)から凸条23aの稜線23cまでの厚さと、可動側入子型33の裏面(可動側受け板31に接する面)から凸条33aの稜線33cまでの厚さとの和は、型閉時の各受け板21,31の表面(各入子型23,33の裏面)間の距離よりも若干大きくなるようにしておく。
【0026】
このようにして凸条23a,33a(凹溝23b,33b)が形成された各入子型23,33を、図4に示すように成形時と同じ位置関係で互いの成形面23A,33A同士を対向させて配置し、各凸条23a,33a同士を強く当接させることにより、その稜線23c,33c同士を食い込ませる(図5)。この工程は、たとえば、射出成形を行う金型装置10に各入子型23,33を成形時と同様に固定し、成形材料を射出せずに高速高圧で型閉じすればよい。
【0027】
これにより、各凸条23aおよび各凸条33aには、それぞれ交差した部分に当接平面23d,33dが形成される(図6)。そして、各凹溝23b,33b同士が、型閉時に型開閉方向に重なるので、ここに流れ込んだ成形材料により成形されるフィルタFは、固定型20側で成形された略平行に並ぶ複数本の第1線状体faと、可動型30側で成形された略平行に並ぶ複数本の第2線状体fbとが交差し、その交差部分において厚さ方向(型開閉方向)に重なっている構造となる。
【0028】
上述のように両型20,30の凸条23a,33a同士が重なった部分がフィルタFの目となり、凹溝23b,33bのピッチ(すなわち凸条23a,33aのピッチ)がフィルタFの目のピッチとなる。したがって、目が小さいフィルタFを形成するためには、凸条23a,33a同士が重なった部分、つまり各当接平面23d,33dを小さくすればよく、そのピッチは各凹溝23b,33b(凸条23a,33a)のピッチに対応する。すなわち、各凹溝23bおよび各凹溝33bの間隔を小さくしておく、つまり各凸条23aおよび各凸条33aを幅狭く形成しておく、あるいは各凸条23aおよび各凸条33aの稜線23c,33cが鋭角に尖るように形成することが好ましい。
【0029】
なお、以上の実施形態において示した各構成部材、その諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求に基づき種々変更可能である。たとえば、上記実施形態では各凹溝23b,33bを三角形の断面を有する形状としたが、底が円弧状となるような円形の断面を有する形状としてもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1の発明に係るフィルタ製造用金型装置によれば、互いに交差する各型体の凹溝内に溶融樹脂(成形材料)が充てんされることによって、複数の線状体が交差した成形体が得られ、凸条同士が当接した部分に目が形成されたフィルタを成形することができる。したがって、たとえば0.1mmピッチで凸条を形成すれば、0.1mmピッチのフィルタを成形することができる。つまり、凹溝および凸条を細くすればより微細なフィルタを成形することが可能となり、樹脂射出成形によって一体に目の細かいフィルタを成形することができる。
【0031】
請求項2の発明に係るフィルタ製造用金型装置によれば、凸条同士を稜線よりも凹んだ部分で当接させることにより、互いに交差する凹溝同士が深く交差するので、互いに交差する線状体が確実に一体となり、強度の高いフィルタを製造することができる。また、稜線よりも凹んだ当接平面同士が当接することにより、この部分への成形材料の流入を確実に抑制することができるので、目潰れが少ないフィルタの成形が実現できる。
【0032】
請求項3の発明に係るフィルタ製造用金型装置によれば、各型体の成形面に設けた凸条同士を押圧させるだけで、フィルタの目を抜くための当接平面を容易に設けることができる。そして、このように製造することにより、型閉時の各凸条同士が互いに食い込むように交差させることができるので、より確実にフィルタの目潰れを防止できる金型装置を極めて容易に製造することができる。
【0033】
請求項4の発明に係るフィルタによれば、第1および第2の線状体が重なって交差しているので、各線状体同士が強固に固定され、強度の高いフィルタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る金型装置の概要を示す断面図である。
【図2】図1の金型装置を用いた成形時の型体および成形体を模式的に示す斜視図である。
【図3】凹溝を製造する方法の一例を示す図である。
【図4】多数の凹溝および凸条が形成された各型体が対向配置された状態を示す斜視図である。
【図5】図4に示す型体の凸条同士が食い込んだ状態を示す斜視図である。
【図6】凸条に形成された当接平面を示す斜視図である。
【図7】成形されたフィルタの構造を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
10 金型装置
20 固定型(型体)
23A 成形面
23a 凸条
23b 凹溝
23c 稜線
23d 当接平面
30 可動型(型体)
33A 成形面
33a 凸条
33b 凹溝
33c 稜線
33d 当接平面
fa 第1線状体
fb 第2線状体
C キャビティ
F フィルタ
Claims (4)
- 一対の型体を有し、これら型体同士が互いに当接する型閉時に、該型体間にフィルタを成形するためのキャビティが形成される金型装置において、
前記キャビティを構成する前記各型体の成形面に、凸条と凹溝とが交互に並び連続して設けられており、
前記各型体が、それぞれに設けられた前記凸条および凹溝の方向が交差するように対向して配置され、型閉時には前記各型体に設けられた前記凸条同士が交差して接することを特徴とするフィルタ製造用金型装置。 - 前記凸条の稜線に、他の部分よりも凹んでいる当接平面が複数箇所設けられ、型閉時には両型体に設けられた前記凸条の各当接平面同士が当接されることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ製造用金型装置。
- 請求項2に記載のフィルタ製造用金型装置の製造方法であって、各型体の成形面にそれぞれ複数の凸条を設け、一方の型体の成形面に設けられた前記凸条と、他方の型体の成形面に設けられた前記凸条とを、その方向が交差するように対向させて互いに押圧することにより、前記当接平面を形成することを特徴とするフィルタ製造用金型装置の製造方法。
- 略平行に並ぶ複数本の第1線状体と、これら第1線状体に交差し略平行に並ぶ複数本の第2線状体とが、その交差部分において厚さ方向に重なっていることを特徴とするフィルタ。
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