JP2004254357A - 中空ステッピングモータ及びこれを備えた電子カメラモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】外形寸法の小型化を図る。
【解決手段】本発明は、S極とN極とが周方向に交互に着磁された環状のロータ磁石3を備える中空ロータ2と、ステータ4とからなる中空ステッピングモータ1において、前記ステータ4は、前記ロータ磁石3の軸から放射線状に拡がる所定角度領域であって、一部がロータ磁石3の外周面よりも内方領域に入り込むように配置されてなることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、S極とN極とが周方向に交互に着磁された環状のロータ磁石3を備える中空ロータ2と、ステータ4とからなる中空ステッピングモータ1において、前記ステータ4は、前記ロータ磁石3の軸から放射線状に拡がる所定角度領域であって、一部がロータ磁石3の外周面よりも内方領域に入り込むように配置されてなることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空ステッピングモータ、特にレンズの駆動装置に適用できる中空ステッピングモータに関するものであり、また、この中空ステッピングモータを用いた電子カメラモジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ステッピングモータを用いてカメラのレンズを駆動する手段としては、ステッピングモータのロータからギア列等の連結部材を介してレンズ保持部材、例えばヘリコイド筒又はカム環を回転させる構造が一般的であった。
【0003】
ところが、従来の手段では、連結部材を必要とするため、コストアップとなり、また、ステッピングモータには大きな負担がかかるため、高い電圧を必要としていた。
【0004】
この点、例えば、特許文献1に記載されたステッピングモータ(中空ステッピングモータ)は、ボビンにステータコイルを同心状に巻回し、ボビンを2個のステータヨークで軸方向から挟持固定し、且つステータヨークにボビンの内周面の円周方向にステータ歯を配置し、ケースにステータ歯と一体のステータヨークを固定してステータを構成するものであり、上記問題の解決を図っている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−5071号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載された中空ステッピングモータにあっては、中空ロータの外側に、ケース、ボビン、ステータコイル、ステータヨーク等が同心状に配置されているために外形寸法が大きくなってしまう欠点がある。
【0007】
特に、近年は、携帯情報端末(携帯電話端末)に小型の電子カメラを搭載するようにしたり、デジタルカメラの小型化が図られるようになっており、中空ステッピングモータのさらなる小型化が望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る中空ステッピングモータは、上記要請に鑑みてなされたもので、S極とN極とがステータと対向した面の周方向に交互に着磁された環状のロータ磁石を備える中空ロータと、前記ステータとからなる中空ステッピングモータにおいて、前記ステータは、前記ロータ磁石の軸から放射線状に拡がる所定角度領域であって、一部がロータ磁石の外周面よりも内方領域に入り込むように配置されてなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る中空ステッピングモータは、請求項2記載の如く、前記ステータは、直交4箇所位置にそれぞれ配置されると共に、前記ロータ磁石の着磁極数は、2の倍数であって4の倍数ではない値に設定される構成を採用することができる。
【0010】
そして、請求項2記載の中空ステッピングモータにあっては、請求項3記載の如く、前記ステータのステータコイルは、前記ロータ磁石の軸と直交する面に沿って巻回される構成であるのがより好ましい。
【0011】
また、本発明に係る中空ステッピングモータは、請求項4記載の如く、前記ステータは、前記ロータ磁石の軸を挟んで互いに対向する位置に一対配置され、且つそれぞれがロータ磁石の軸から放射線状に拡がる約90゜領域で該ロータ磁石の周方向に沿って形成される構成を採用することができる。
【0012】
そして、本発明に係る電子カメラモジュールは、上記何れかの中空ステッピングモータにおける中空ロータにレンズが装着される一方、該レンズの光軸位置に撮像素子が配置されることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0014】
(実施形態1)図1及び図2は、実施形態1による中空ステッピングモータを示した図であり、図1は、電子カメラモジュールの一部として組み込まれた状態の半断面斜視図、図2は、概略構成の平面図である。
【0015】
図1及び図2に示す如く、中空ステッピングモータ1は、中空ロータとしての第1レンズ保持筒2と、異極(N極とS極)がステータ4と対向した面の周方向に交互に着磁され、第1レンズ保持筒2に同軸に取り付けられた環状のロータ磁石3と、供給された電流によって励磁されるステータ4とを基本構成とする。
【0016】
ステータ4は、円柱状のコア部と、該コア部の一端に配置され、周縁の所定位置からコア部の軸方向に突出する片を備えた円板状のヨーク部とからなるステータコア5、そして、該ステータコア5のコア部に巻回されるステータコイル6によって構成されている。従って、ステータコイル6に通電されると、コア部のヨーク部とは反対側の端が第1極5aとなり、ヨーク部の片が第2極5bとなる。
【0017】
また、ステータ4は、そのコア部をロータ磁石3の軸と平行にした状態で、第1極5aをロータ磁石3と軸方向で対向させることにより、一部(具体的には、ステータ4の約半分)がロータ磁石3の外周面よりも内方領域に入り込むように配置された格好となる。
【0018】
さらに、ステータ4は、直交4箇所位置に配置され、それぞれが二つの第2極5bを備えている。この一対の第2極5b,5bの間隔は、ロータ磁石3の一つ極を挟んだ二つの同極の中心間隔と一致し、且つこの一対の第2極5b,5bの中間位置に第1極5aが位置するようにすることで、励磁されたステータ4は、ロータ磁石3の連続する三つの極を引き付けることが可能となる。
【0019】
一方、ロータ磁石3は、その着磁極数が2の倍数であって4の倍数ではない値に設定されるものであり、実施形態1では、18個の極が形成されている。従って、ロータ磁石3の軸を挟んで対向する一対のステータ4,4は、もう一対のステータ4,4とは、ロータ磁石3の周方向に半相ずれた配置となる。
【0020】
そして、ロータ磁石3の軸を挟んで対向する一対のステータ4,4は、それぞれのステータコイル6,6が電気的に接続されており、且つ巻き方向が反対となっているため、一方側の第1極5aがN極、第2極5b,5bがS極に励磁されると、他方側の第1極5aがS極、第2極5b,5bがN極に励磁されることとなり、よって、ロータ磁石3の極数との関係から、ステッピングモータ1が構成される。
【0021】
電子カメラモジュールは、このステッピングモータ1を組み込んだものであり、レンズ8を有し、第1レンズ保持筒2に内挿される第2レンズ保持筒7と、レンズ10を有し、第2レンズ保持筒7と共にヘリコイド筒を構成する第1レンズ保持筒2の回転によって軸方向に移動する可動体9と、該レンズ10の光軸位置に配置されるCCD撮像素子11とを備えている。
【0022】
即ち、ステッピングモータ1が駆動することにより、CCD撮像素子の受像面に対するレンズ10の位置が変えられ、ピント調整が行われるのである。
【0023】
CCD撮像素子11は、一般的には方形状であり、また、これを取り付ける回路基板(プリント基板)12も、一般的には方形状である。そこで、実施形態1では、CCD撮像素子11及び回路基板12の中心に光軸(ロータ磁石3の軸)が通るよう、これらを配置することとする。
【0024】
ところで、図2を見れば、明らかなように、ロータ磁石3は円形である。これに対し、回路基板12は方形である。すると、必然的に回路基板12の四隅位置はデッドスペースとなる。そこで、実施形態1では、ロータ磁石3を内接する正方形領域内にほぼ収まるよう、四つのステータ4,…の大きさ(特にヨーク部)、配置を決定している。これにより、電子カメラモジュールの外形寸法が大きくなるのを防ぐことができるのである。
【0025】
しかも、ステータ4は、ステータコイル6がロータ磁石3の軸と直交する面に沿って巻回されているため、ロータ磁石3の軸方向におけるステータ4の寸法を小さくすることができ、これにより、電子カメラモジュールの長さ寸法が大きくなるのを防ぐことができるのである。
【0026】
(実施形態2)図3は、実施形態2による中空ステッピングモータを示した図である。基本的には、実施形態1と同一構成であり、また、図示はしないが、同様の電子カメラモジュールが構成される。
【0027】
異なる点は、実施形態1においては、四つのステータ4,…が(回路基板12の)四隅に配置されるようになっているのに対し、実施形態2においては、一対のステータ14,14がロータ磁石13の軸を挟んで互いに対向し且つそれぞれがロータ磁石13の周方向に沿った形状に形成されていることである。
【0028】
ステータ14は、ロータ磁石13の軸から放射線状に拡がる約90゜領域の長さとなっている。そして、そのステータコア15の中間部にステータコイル16が巻回されることにより、長いステータコア15の両端が第1極15a,第2極15bとなる。
【0029】
両極15a,15bの間隔は、ロータ磁石13の連続する四つの極を挟んだ二つの異極の中心間隔と一致することで、励磁されたステータ14は、ロータ磁石13の極を引き付けることが可能となる。
【0030】
また、一方のステータ14は、他方のステータ14とは、ロータ磁石13の周方向に半相ずれた配置となる。よって、ロータ磁石13の極数との関係から、ステッピングモータが構成される。
【0031】
図4は、このステッピングモータを駆動するための出力パルス状態を示す。まず、1位相の時は、一方のステータコイル16に+方向の電流が流れ、一方のステータ14の第1極15aがN極、第2極15bがS極に励磁される。それと同時に、他方のステータコイル16に+方向の電流が流れ、他方のステータ14の第1極15aがN極、第2極15bがS極に励磁される。すると、ロータ磁石13のN極(斜線部分)と一方のステータ14の第2極15bとが引き合い、且つロータ磁石13のS極(斜線でない部分)と一方のステータ14の第1極15aとが引き合い、且つロータ磁石13のN極と他方のステータ14の第2極15bとが引き合い、且つロータ磁石13のS極と他方のステータ14の第1極15aとが引き合う位置にロータ磁石13(中空ロータ)は回転する。
【0032】
次に、2位相の時は、一方のステータコイル16の通電方向を変えて−方向の電流を流すと、一方のステータ14の第1極15aがS極、第2極15bがN極に励磁される。そして、他方のステータ14は変化しない。すると、ロータ磁石13のS極と一方のステータ14の第2極15bとが引き合い、且つロータ磁石13のN極と一方のステータ14の第1極15aとが引き合い、且つロータ磁石13のN極と他方のステータ14の第2極15bとが引き合い、且つロータ磁石13のS極と他方のステータ14の第1極15aとが引き合う結果として、ロータ磁石13(中空ロータ)は一方向(時計回り)に半相だけ回転する。
【0033】
次に、3位相の時は、他方のステータコイル16の通電方向を変えて−方向の電流を流す。さらに、4位相の時は、一方のステータコイル16の通電方向を変えて+方向の電流を流す。このような出力パルス状態を繰り返すことにより、回転は連続する。また、位相順を逆にすることにより、逆回転も可能である。
【0034】
(実施形態3)図5は、実施形態3による中空ステッピングモータを示した図である。基本的には、実施形態2と同一構成である。但し、相違点は、実施形態2では、ステータ14の第1極15a、第2極15bがロータ磁石13径方向で対向する形態であるのに対し、実施形態3では、第1極15a、第2極15bがロータ磁石13と軸方向で対向する形態であることである。
【0035】
但し、何れにしても、一対のステータ14,14が略平行関係となって配置され、平面視にて方形状を呈することとなり、これが回路基板12と略一致するようになっており、この点、回路基板12のデッドスペースを有効活用して、電子カメラモジュールの外形寸法の小型化を図る配置となっている。
【0036】
加えて、ステータコイル16は、ロータ磁石13の軸方向において偏平化された巻回態様となっており、電子カメラモジュールの長さ寸法の小型化を図る配置となっている。
【0037】
以上のように、上記何れの実施形態に係る中空ステッピングモータにあっても、従来の中空ステッピングモータのように外形寸法が大きくなるといった問題はなく、従って、これを用いた電子カメラユニットを携帯電話端末やデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等に組み込む設計負担は軽減されるのである。
【0038】
尚、本発明に係る中空ステッピングモータ及び電子カメラモジュールは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0039】
そして、将来的には、撮像素子を取り付けた回路基板にステータの機能を構成するようにすれば、さらなる小型化に寄与するであろう。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、ロータ磁石の軸から放射線状に拡がる所定角度領域であって、一部がロータ磁石の外周面よりも内方領域に入り込むようにステータを配置するようにしたため、外形寸法が大きくなるようなことはなく、中空ステッピングモータの小型化、あるいはこれを組み込んだ電子カメラモジュールの小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態1の中空ステッピングモータを用いた電子カメラモジュールの半断面斜視図
【図2】同実施形態1の中空ステッピングモータの概略構成平面図
【図3】本発明に係る実施形態2の中空ステッピングモータの概略構成平面図
【図4】同実施形態2の中空ステッピングモータを駆動するための出力パルス状態図
【図5】本発明に係る実施形態3の中空ステッピングモータの概略構成平面図
【符号の説明】
1 中空ステッピングモータ
2 第1レンズ保持筒(中空ロータ)
3,13 ロータ磁石
4,14 ステータ
5,15 ステータコア
5a,15a 第1極
5b,15b 第2極
6,16 ステータコイル
10 レンズ
11 CCD撮像素子
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空ステッピングモータ、特にレンズの駆動装置に適用できる中空ステッピングモータに関するものであり、また、この中空ステッピングモータを用いた電子カメラモジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ステッピングモータを用いてカメラのレンズを駆動する手段としては、ステッピングモータのロータからギア列等の連結部材を介してレンズ保持部材、例えばヘリコイド筒又はカム環を回転させる構造が一般的であった。
【0003】
ところが、従来の手段では、連結部材を必要とするため、コストアップとなり、また、ステッピングモータには大きな負担がかかるため、高い電圧を必要としていた。
【0004】
この点、例えば、特許文献1に記載されたステッピングモータ(中空ステッピングモータ)は、ボビンにステータコイルを同心状に巻回し、ボビンを2個のステータヨークで軸方向から挟持固定し、且つステータヨークにボビンの内周面の円周方向にステータ歯を配置し、ケースにステータ歯と一体のステータヨークを固定してステータを構成するものであり、上記問題の解決を図っている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−5071号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載された中空ステッピングモータにあっては、中空ロータの外側に、ケース、ボビン、ステータコイル、ステータヨーク等が同心状に配置されているために外形寸法が大きくなってしまう欠点がある。
【0007】
特に、近年は、携帯情報端末(携帯電話端末)に小型の電子カメラを搭載するようにしたり、デジタルカメラの小型化が図られるようになっており、中空ステッピングモータのさらなる小型化が望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る中空ステッピングモータは、上記要請に鑑みてなされたもので、S極とN極とがステータと対向した面の周方向に交互に着磁された環状のロータ磁石を備える中空ロータと、前記ステータとからなる中空ステッピングモータにおいて、前記ステータは、前記ロータ磁石の軸から放射線状に拡がる所定角度領域であって、一部がロータ磁石の外周面よりも内方領域に入り込むように配置されてなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る中空ステッピングモータは、請求項2記載の如く、前記ステータは、直交4箇所位置にそれぞれ配置されると共に、前記ロータ磁石の着磁極数は、2の倍数であって4の倍数ではない値に設定される構成を採用することができる。
【0010】
そして、請求項2記載の中空ステッピングモータにあっては、請求項3記載の如く、前記ステータのステータコイルは、前記ロータ磁石の軸と直交する面に沿って巻回される構成であるのがより好ましい。
【0011】
また、本発明に係る中空ステッピングモータは、請求項4記載の如く、前記ステータは、前記ロータ磁石の軸を挟んで互いに対向する位置に一対配置され、且つそれぞれがロータ磁石の軸から放射線状に拡がる約90゜領域で該ロータ磁石の周方向に沿って形成される構成を採用することができる。
【0012】
そして、本発明に係る電子カメラモジュールは、上記何れかの中空ステッピングモータにおける中空ロータにレンズが装着される一方、該レンズの光軸位置に撮像素子が配置されることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0014】
(実施形態1)図1及び図2は、実施形態1による中空ステッピングモータを示した図であり、図1は、電子カメラモジュールの一部として組み込まれた状態の半断面斜視図、図2は、概略構成の平面図である。
【0015】
図1及び図2に示す如く、中空ステッピングモータ1は、中空ロータとしての第1レンズ保持筒2と、異極(N極とS極)がステータ4と対向した面の周方向に交互に着磁され、第1レンズ保持筒2に同軸に取り付けられた環状のロータ磁石3と、供給された電流によって励磁されるステータ4とを基本構成とする。
【0016】
ステータ4は、円柱状のコア部と、該コア部の一端に配置され、周縁の所定位置からコア部の軸方向に突出する片を備えた円板状のヨーク部とからなるステータコア5、そして、該ステータコア5のコア部に巻回されるステータコイル6によって構成されている。従って、ステータコイル6に通電されると、コア部のヨーク部とは反対側の端が第1極5aとなり、ヨーク部の片が第2極5bとなる。
【0017】
また、ステータ4は、そのコア部をロータ磁石3の軸と平行にした状態で、第1極5aをロータ磁石3と軸方向で対向させることにより、一部(具体的には、ステータ4の約半分)がロータ磁石3の外周面よりも内方領域に入り込むように配置された格好となる。
【0018】
さらに、ステータ4は、直交4箇所位置に配置され、それぞれが二つの第2極5bを備えている。この一対の第2極5b,5bの間隔は、ロータ磁石3の一つ極を挟んだ二つの同極の中心間隔と一致し、且つこの一対の第2極5b,5bの中間位置に第1極5aが位置するようにすることで、励磁されたステータ4は、ロータ磁石3の連続する三つの極を引き付けることが可能となる。
【0019】
一方、ロータ磁石3は、その着磁極数が2の倍数であって4の倍数ではない値に設定されるものであり、実施形態1では、18個の極が形成されている。従って、ロータ磁石3の軸を挟んで対向する一対のステータ4,4は、もう一対のステータ4,4とは、ロータ磁石3の周方向に半相ずれた配置となる。
【0020】
そして、ロータ磁石3の軸を挟んで対向する一対のステータ4,4は、それぞれのステータコイル6,6が電気的に接続されており、且つ巻き方向が反対となっているため、一方側の第1極5aがN極、第2極5b,5bがS極に励磁されると、他方側の第1極5aがS極、第2極5b,5bがN極に励磁されることとなり、よって、ロータ磁石3の極数との関係から、ステッピングモータ1が構成される。
【0021】
電子カメラモジュールは、このステッピングモータ1を組み込んだものであり、レンズ8を有し、第1レンズ保持筒2に内挿される第2レンズ保持筒7と、レンズ10を有し、第2レンズ保持筒7と共にヘリコイド筒を構成する第1レンズ保持筒2の回転によって軸方向に移動する可動体9と、該レンズ10の光軸位置に配置されるCCD撮像素子11とを備えている。
【0022】
即ち、ステッピングモータ1が駆動することにより、CCD撮像素子の受像面に対するレンズ10の位置が変えられ、ピント調整が行われるのである。
【0023】
CCD撮像素子11は、一般的には方形状であり、また、これを取り付ける回路基板(プリント基板)12も、一般的には方形状である。そこで、実施形態1では、CCD撮像素子11及び回路基板12の中心に光軸(ロータ磁石3の軸)が通るよう、これらを配置することとする。
【0024】
ところで、図2を見れば、明らかなように、ロータ磁石3は円形である。これに対し、回路基板12は方形である。すると、必然的に回路基板12の四隅位置はデッドスペースとなる。そこで、実施形態1では、ロータ磁石3を内接する正方形領域内にほぼ収まるよう、四つのステータ4,…の大きさ(特にヨーク部)、配置を決定している。これにより、電子カメラモジュールの外形寸法が大きくなるのを防ぐことができるのである。
【0025】
しかも、ステータ4は、ステータコイル6がロータ磁石3の軸と直交する面に沿って巻回されているため、ロータ磁石3の軸方向におけるステータ4の寸法を小さくすることができ、これにより、電子カメラモジュールの長さ寸法が大きくなるのを防ぐことができるのである。
【0026】
(実施形態2)図3は、実施形態2による中空ステッピングモータを示した図である。基本的には、実施形態1と同一構成であり、また、図示はしないが、同様の電子カメラモジュールが構成される。
【0027】
異なる点は、実施形態1においては、四つのステータ4,…が(回路基板12の)四隅に配置されるようになっているのに対し、実施形態2においては、一対のステータ14,14がロータ磁石13の軸を挟んで互いに対向し且つそれぞれがロータ磁石13の周方向に沿った形状に形成されていることである。
【0028】
ステータ14は、ロータ磁石13の軸から放射線状に拡がる約90゜領域の長さとなっている。そして、そのステータコア15の中間部にステータコイル16が巻回されることにより、長いステータコア15の両端が第1極15a,第2極15bとなる。
【0029】
両極15a,15bの間隔は、ロータ磁石13の連続する四つの極を挟んだ二つの異極の中心間隔と一致することで、励磁されたステータ14は、ロータ磁石13の極を引き付けることが可能となる。
【0030】
また、一方のステータ14は、他方のステータ14とは、ロータ磁石13の周方向に半相ずれた配置となる。よって、ロータ磁石13の極数との関係から、ステッピングモータが構成される。
【0031】
図4は、このステッピングモータを駆動するための出力パルス状態を示す。まず、1位相の時は、一方のステータコイル16に+方向の電流が流れ、一方のステータ14の第1極15aがN極、第2極15bがS極に励磁される。それと同時に、他方のステータコイル16に+方向の電流が流れ、他方のステータ14の第1極15aがN極、第2極15bがS極に励磁される。すると、ロータ磁石13のN極(斜線部分)と一方のステータ14の第2極15bとが引き合い、且つロータ磁石13のS極(斜線でない部分)と一方のステータ14の第1極15aとが引き合い、且つロータ磁石13のN極と他方のステータ14の第2極15bとが引き合い、且つロータ磁石13のS極と他方のステータ14の第1極15aとが引き合う位置にロータ磁石13(中空ロータ)は回転する。
【0032】
次に、2位相の時は、一方のステータコイル16の通電方向を変えて−方向の電流を流すと、一方のステータ14の第1極15aがS極、第2極15bがN極に励磁される。そして、他方のステータ14は変化しない。すると、ロータ磁石13のS極と一方のステータ14の第2極15bとが引き合い、且つロータ磁石13のN極と一方のステータ14の第1極15aとが引き合い、且つロータ磁石13のN極と他方のステータ14の第2極15bとが引き合い、且つロータ磁石13のS極と他方のステータ14の第1極15aとが引き合う結果として、ロータ磁石13(中空ロータ)は一方向(時計回り)に半相だけ回転する。
【0033】
次に、3位相の時は、他方のステータコイル16の通電方向を変えて−方向の電流を流す。さらに、4位相の時は、一方のステータコイル16の通電方向を変えて+方向の電流を流す。このような出力パルス状態を繰り返すことにより、回転は連続する。また、位相順を逆にすることにより、逆回転も可能である。
【0034】
(実施形態3)図5は、実施形態3による中空ステッピングモータを示した図である。基本的には、実施形態2と同一構成である。但し、相違点は、実施形態2では、ステータ14の第1極15a、第2極15bがロータ磁石13径方向で対向する形態であるのに対し、実施形態3では、第1極15a、第2極15bがロータ磁石13と軸方向で対向する形態であることである。
【0035】
但し、何れにしても、一対のステータ14,14が略平行関係となって配置され、平面視にて方形状を呈することとなり、これが回路基板12と略一致するようになっており、この点、回路基板12のデッドスペースを有効活用して、電子カメラモジュールの外形寸法の小型化を図る配置となっている。
【0036】
加えて、ステータコイル16は、ロータ磁石13の軸方向において偏平化された巻回態様となっており、電子カメラモジュールの長さ寸法の小型化を図る配置となっている。
【0037】
以上のように、上記何れの実施形態に係る中空ステッピングモータにあっても、従来の中空ステッピングモータのように外形寸法が大きくなるといった問題はなく、従って、これを用いた電子カメラユニットを携帯電話端末やデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等に組み込む設計負担は軽減されるのである。
【0038】
尚、本発明に係る中空ステッピングモータ及び電子カメラモジュールは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0039】
そして、将来的には、撮像素子を取り付けた回路基板にステータの機能を構成するようにすれば、さらなる小型化に寄与するであろう。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、ロータ磁石の軸から放射線状に拡がる所定角度領域であって、一部がロータ磁石の外周面よりも内方領域に入り込むようにステータを配置するようにしたため、外形寸法が大きくなるようなことはなく、中空ステッピングモータの小型化、あるいはこれを組み込んだ電子カメラモジュールの小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態1の中空ステッピングモータを用いた電子カメラモジュールの半断面斜視図
【図2】同実施形態1の中空ステッピングモータの概略構成平面図
【図3】本発明に係る実施形態2の中空ステッピングモータの概略構成平面図
【図4】同実施形態2の中空ステッピングモータを駆動するための出力パルス状態図
【図5】本発明に係る実施形態3の中空ステッピングモータの概略構成平面図
【符号の説明】
1 中空ステッピングモータ
2 第1レンズ保持筒(中空ロータ)
3,13 ロータ磁石
4,14 ステータ
5,15 ステータコア
5a,15a 第1極
5b,15b 第2極
6,16 ステータコイル
10 レンズ
11 CCD撮像素子
Claims (5)
- S極とN極とがステータと対向した面の周方向に交互に着磁された環状のロータ磁石を備える中空ロータと、前記ステータとからなる中空ステッピングモータにおいて、前記ステータは、前記ロータ磁石の軸から放射線状に拡がる所定角度領域であって、一部がロータ磁石の外周面よりも内方領域に入り込むように配置されてなることを特徴とする中空ステッピングモータ。
- 前記ステータは、直交4箇所位置にそれぞれ配置されると共に、前記ロータ磁石の着磁極数は、2の倍数であって4の倍数ではない値に設定される請求項1記載の中空ステッピングモータ。
- 前記ステータのステータコイルは、前記ロータ磁石の軸と直交する面に沿って巻回される請求項2記載の中空ステッピングモータ。
- 前記ステータは、前記ロータ磁石の軸を挟んで互いに対向する位置に一対配置され、且つそれぞれがロータ磁石の軸から放射線状に拡がる約90゜領域で該ロータ磁石の周方向に沿って形成される請求項1記載の中空ステッピングモータ。
- 請求項1乃至4の何れかに記載の中空ステッピングモータにおける中空ロータにレンズが装着される一方、該レンズの光軸位置に撮像素子が配置されることを特徴とする電子カメラモジュール。
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Publications (1)
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-
2003
- 2003-02-18 JP JP2003039336A patent/JP2004254357A/ja active Pending
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