JP2004254080A - Ccd用パルスジェネレータ - Google Patents

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幸一 高木
Hiroyuki Yamamoto
裕之 山本
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Abstract

【課題】CCD駆動用信号とCCD出力処理用信号とを正確なタイミングで生成することを可能にする。
【解決手段】CCDを駆動するための転送信号を細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じたCCD駆動用信号とCCD出力処理用信号とを生成するディジタルディレイ方式の信号生成手段と、生成された信号の反転信号および非反転信号を生成する反転・非反転信号生成手段と、生成された信号の反転信号と非反転信号とを選択する選択手段と、生成された信号を一時停止するブランキング手段と、出力イネーブル機能を有し、選択手段により選択された信号を出力する出力手段と、それぞれの手段の動作を決定する複数の条件の設定情報を設定する出力信号条件設定手段113と、を備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、CCDを駆動するためのCCD駆動用信号とCCD出力信号を処理するためのCCD出力処理用信号とを生成するパルスジェネレータに関し、さらに詳しくは、各信号の正確なタイミング制御が可能なパルスジェネレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
画像読み取り装置の心臓部であるCCDの駆動およびその出力信号処理に必要な複数の信号は、良質な画像信号を得るために、それぞれの発生タイミングが非常に重要である。
【0003】
従来は、そのタイミング関係を確保するために、ゲート回路やインバータ回路がもつ遅延特性を応用したり、比較的安価な半導体遅延素子を用いて実現していた。
【0004】
なお、従来、ラインCCDを用いた画像読み取り装置では、高速から低速の読み取り装置に同一のCCD(ラインセンサ)が共通して採用されるために回路構成の大半は変更無いとしても、タイミング設定回路に変更があるために、実際には回路の共通化を行っていなかった。
【0005】
なお、パルスジェネレータとして使用可能なパルス発生回路が、以下の特許文献1に記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−275988号公報(第1頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、近年、画像読み取り装置の高速化や高解像度化が要求され、これに伴ってCCDの駆動速度も高速となってきた。
【0008】
たとえば、CCD出力信号は、CCD駆動に必要な固定期間が存在し、画像信号として、有効な期間が限定される。これは、高速駆動になればなるほど狭くなり、CCD出力信号のサンプリングタイミング調整は容易でなくなってきている。
【0009】
図6はCCD出力信号の波形例を示す波形図である。ここでは、1画素分の波形例を示している。ここで、画像信号としてサンプルホールドが行える期間は図6▲4▼の画像信号安定期間に限定される。たとえば、読み取り周波数(CCD転送信号の周波数)が20MHzとしたときの▲1▼〜▲5▼までの1周期は50nsとなっている。なお、▲1▼のリセット期間とクランプ期間はCCD駆動仕様から最小で約20nsである。▲2▼のフィールドスルー期間は、相関サンプリング時の基準レベルとなるところで、高速駆動時は、画像安定期間を確保するために、転送クロックとリセットパルスのタイミングを調整して0nsとしている。▲3▼の画像信号立ち下がり期間は、転送クロックのtr、tfにも影響されるが、通常は15ns程度は必要である。▲5▼の画像信号立ち上がり期間は、同じく通常は5ns程度は必要である。
【0010】
したがって、残された▲4▼の画像信号期間は、tw▲4▼=50−▲1▼−▲2▼−▲3▼−▲5▼=50−20−0−15−5=10、となる。すなわち、10nsとなってしまう。さらに、この10nsの期間中にも資料のサンプルホールドポイントが存在する。最良のサンプルホールドポイントとは、結果として、最大振幅が得られ、かつ、ノイズ量が最小のポイントである。このポイントは、▲4▼の画像信号安定期間の後端部であるが、▲5▼にあまり近づきすぎるとノイズが増加してしまう。
【0011】
以上のように、CCD出力信号のサンプルホールドタイミング調整はクリティカルな状態におかれており、高速駆動になるほどより一層クリティカルな状態を増すことになる。
【0012】
このため、高速あるいは高解像度な画像読み取り装置では、CCD駆動用信号(CCDリセット信号,CCDクランプ信号,予備信号など)やCCD出力処理用信号(サンプリング信号など)を正確なタイミングで生成するために、高価な高精度の遅延素子を使わざるを得ない状況になってきている。
【0013】
また、装置個々のばらつきにより、設計状態のままでは動作しないという状況も起こりうる。そのため、ジャンパスイッチなどを用いて、高精度の遅延素子の遅延状態を調整するといった装置構成になっているものもあった。
【0014】
また、高速から低速の読み取り装置に同一のCCDが共通して採用されるために回路構成の大半は変更無いとしても、上記タイミング設定回路に変更があるために、実際には回路の共通化が出来ないという不具合があった。
【0015】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、CCD駆動用信号とCCD出力処理用信号とを正確なタイミングで生成することが可能なCCD用パルスジェネレータを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
以上のような問題に鑑みて、本件出願の発明者らは、複数のインバータ回路を組み合わせたディジタルディレイ方式遅延信号発生手段(クロックを細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じたCCDリセット信号を生成するディジタルディレイ方式の信号生成回路)を用いて、CCD駆動信号およびCCD出力処理用信号のタイミングを調整することで、以上の問題点を解決できることを新たに見いだした。
【0017】
具体的には、この転送信号を基準として、CCDを駆動するためのCCD駆動用信号としてのリセット信号とクランプ信号信号とを生成し、また、CCD出力を処理するためのCCD出力処理用信号としてサンプリング信号を生成し、さらに、、その他、予備信号を前記複数のインバータ回路を組み合わせた遅延信号発生手段によりそのタイミングを調整するものであり、それぞれの複数の信号を一つの集積回路にまとめ、さらには、それぞれの複数の信号のタイミング、パルス幅、特性、出力制御を一つのレジスタから構成される出力信号条件設定手段により集中的に制御可能にするものである。
【0018】
すなわち、課題を解決する手段としての本発明は以下に説明するようなものである。
【0019】
(1)請求項1記載の発明は、CCDを駆動するための転送信号を細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じたCCDリセット信号を生成するディジタルディレイ方式のCCDリセット信号生成手段と、前記CCDリセット信号の反転信号および非反転信号を生成する反転・非反転信号生成手段と、前記CCDリセット信号の反転信号と非反転信号とを選択する選択手段と、前記CCDリセット信号を一時停止するブランキング手段と、出力イネーブル機能を有し、前記選択手段により選択された信号を出力する出力手段と、前記それぞれの手段の動作を決定する複数の条件の設定情報を設定する出力信号条件設定手段と、を備えたことを特徴とするCCD用パルスジェネレータである。
【0020】
この発明では、CCDを駆動するための転送信号を細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じたCCDリセット信号を生成し、CCDリセット信号の反転信号と非反転信号とを選択し、必要に応じてCCDリセット信号を一時停止し、出力する。そして、以上の各動作を決定する複数の条件の設定情報を設定する。
【0021】
このため、CCD駆動用信号としてのCCDリセット信号を正確なタイミングで生成することが可能になる。これにより、高速から低速の読み取り装置に同一のCCDが共通して採用されて回路構成の大半に変更が無い場合、タイミング設定回路も共通にすることが可能になって、回路全体の共通化が可能になる。
【0022】
(2)請求項2記載の発明は、CCDを駆動するための転送信号を細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じたCCDクランプ信号を生成するディジタルディレイ方式のCCDクランプ信号生成手段と、前記CCDクランプ信号の反転信号および非反転信号を生成する反転・非反転信号生成手段と、前記CCDクランプ信号の反転信号と非反転信号とを選択する選択手段と、前記CCDクランプ信号を一時停止するブランキング手段と、出力イネーブル機能を有し、前記選択手段により選択された信号を出力する出力手段と、前記それぞれの手段の動作を決定する複数の条件の設定情報を設定する出力信号条件設定手段と、を備えたことを特徴とするCCD用パルスジェネレータである。
【0023】
この発明では、CCDを駆動するための転送信号を細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じたCCDクランプ信号を生成し、CCDクランプ信号の反転信号と非反転信号とを選択し、必要に応じてCCDクランプ信号を一時停止し、出力する。そして、以上の各動作を決定する複数の条件の設定情報を設定する。
【0024】
このため、CCD駆動用信号としてのCCDクランプ信号を正確なタイミングで生成することが可能になる。これにより、高速から低速の読み取り装置に同一のCCDが共通して採用されて回路構成の大半に変更が無い場合、タイミング設定回路も共通にすることが可能になって、回路全体の共通化が可能になる。
【0025】
(3)請求項3記載の発明は、CCDを駆動するための転送信号を細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じたCCD用予備信号を生成するディジタルディレイ方式のCCD用予備信号生成手段と、前記CCD用予備信号の反転信号および非反転信号を生成する反転・非反転信号生成手段と、前記CCD用予備信号の反転信号と非反転信号とを選択する選択手段と、前記CCD用予備信号を一時停止するブランキング手段と、出力イネーブル機能を有し、前記選択手段により選択された信号を出力する出力手段と、前記それぞれの手段の動作を決定する複数の条件の設定情報を設定する出力信号条件設定手段と、を備えたことを特徴とするCCD用パルスジェネレータである。
【0026】
この発明では、CCDを駆動するための転送信号を細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じたCCD用予備信号を生成し、CCD用予備信号の反転信号と非反転信号とを選択し、必要に応じてCCD用予備信号を一時停止し、出力する。そして、以上の各動作を決定する複数の条件の設定情報を設定する。
【0027】
このため、CCD駆動用信号としてのCCD用予備信号を正確なタイミングで生成することが可能になる。これにより、高速から低速の読み取り装置に同一のCCDが共通して採用されて回路構成の大半に変更が無い場合、タイミング設定回路も共通にすることが可能になって、回路全体の共通化が可能になる。
【0028】
(4)請求項4記載の発明は、CCDを駆動するための転送信号を細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じたCCD用予備信号を生成するディジタルディレイ方式のCCD用予備信号生成手段と、前記CCD用予備信号の反転信号および非反転信号を生成する反転・非反転信号生成手段と、前記CCD用予備信号の反転信号と非反転信号とを選択する選択手段と、出力イネーブル機能を有し、前記選択手段により選択された信号を出力する出力手段と、前記それぞれの手段の動作を決定する複数の条件の設定情報を設定する出力信号条件設定手段と、を備えたことを特徴とするCCD用パルスジェネレータである。
【0029】
この発明では、CCDを駆動するための転送信号を細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じたCCD用予備信号を生成し、CCD用予備信号の反転信号と非反転信号とを選択し、出力する。そして、以上の各動作を決定する複数の条件の設定情報を設定する。
【0030】
このため、CCD駆動用信号としてのCCD用予備信号を正確なタイミングで生成することが可能になる。これにより、高速から低速の読み取り装置に同一のCCDが共通して採用されて回路構成の大半に変更が無い場合、タイミング設定回路も共通にすることが可能になって、回路全体の共通化が可能になる。
【0031】
(5)請求項5記載の発明は、CCDを駆動するための転送信号を細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じてCCD出力をサンプリングするためのサンプリング信号を生成するディジタルディレイ方式のサンプリング信号生成手段と、前記サンプリング信号の反転信号および非反転信号を生成する反転・非反転信号生成手段と、前記サンプリング信号の反転信号と非反転信号とを選択する選択手段と、出力イネーブル機能を有し、前記選択手段により選択された信号を出力する出力手段と、前記それぞれの手段の動作を決定する複数の条件の設定情報を設定する出力信号条件設定手段と、を備えたことを特徴とするCCD用パルスジェネレータである。
【0032】
この発明では、CCDを駆動するための転送信号を細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じたCCD用予備信号を生成し、CCD用予備信号の反転信号と非反転信号とを選択し、出力する。そして、以上の各動作を決定する複数の条件の設定情報を設定する。
【0033】
このため、CCD駆動用信号としてのCCD用予備信号を正確なタイミングで生成することが可能になる。これにより、高速から低速の読み取り装置に同一のCCDが共通して採用されて回路構成の大半に変更が無い場合、タイミング設定回路も共通にすることが可能になって、回路全体の共通化が可能になる。
【0034】
(6)請求項6記載の発明は、前記出力信号条件設定手段は、データ,クロック,ロードの3制御信号により制御されるレジスタによって構成される、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のCCD用パルスジェネレータである。
【0035】
この発明では、出力信号条件設定手段は、データ,クロック,ロードの3制御信号により制御されるレジスタによって構成されており、制御部などとシリアル通信によって必要なデータの授受を行うことが可能であり、簡素な構成により信頼性を高めることが可能になる。
【0036】
(7)請求項7記載の発明は、前記出力信号条件設定手段は、データ,クロック,ロードの3制御信号により制御されるレジスタによって構成されており、データ,クロック,ロードの3制御信号により制御されるレジスタによって構成された別機能素子手段とカスケード接続可能である、ことを特徴とする請求項6記載のCCD用パルスジェネレータである。
【0037】
この発明では、出力信号条件設定手段は、データ,クロック,ロードの3制御信号により制御されるレジスタによって構成されており、制御部や同種の別機能素子手段などとシリアル通信によって必要なデータの授受を行うことが可能であり、簡素な構成により信頼性を高めることが可能になる。
【0038】
(8)請求項8記載の発明は、前記のレジスタは、素子動作順選択のための端子を介して制御される、ことを特徴とする請求項6または請求項7のいずれかに記載のCCD用パルスジェネレータである。
【0039】
この発明では、前記のレジスタは、素子動作順選択のための端子を介して制御されるため、CCD用パルスジェネレータ同士が複数接続される場合に、それぞれの動作順を定めることが可能になる。
【0040】
(9)請求項9記載の発明は、前記のレジスタは、素子イネーブル選択のための端子を介して制御される、ことを特徴とする請求項6または請求項7のいずれかに記載のCCD用パルスジェネレータである。
【0041】
この発明では、前記のレジスタは、素子イネーブル選択のための端子を介して制御されるため、CCD用パルスジェネレータ同士が複数接続される場合に、それぞれを有効(イネーブル)にするか無効(ディセーブル)にするかの設定が可能になる。
【0042】
(10)請求項10記載の発明は、前記レジスタは、CPUなどの設定手段により通信を介して制御される、ことを特徴とする請求項6または請求項7のいずれかに記載のCCD用パルスジェネレータである。
【0043】
この発明では、出力信号条件設定手段は、データ,クロック,ロードの3制御信号により制御されるレジスタによって構成されており、制御部やその他の設定手段とシリアル通信によって必要なデータの授受を行うことが可能であり、簡素な構成により信頼性を高めることが可能になる。
【0044】
(11)請求項11記載の発明は、各手段が集積回路の1チップ内で構成されたことを特徴とする請求項6記載のCCD用パルスジェネレータである。
【0045】
この発明では、上記(1)〜(5)の各部と、上記(6)の出力信号条件設定手段とが、半導体集積回路の1チップ内にディジタル回路として構成されており、簡易な構成となり、回路面積を削減することが可能になる。また、同一チップ内であるため、熱条件も等しくなり、高精度を確保することが可能になる。
【0046】
(12)請求項12記載の発明は、請求項1乃至請求項5のパルスジェネレータのうち少なくとも2種類が組み合わされて、複数の出力手段を備えたパルスジェネレータであって、前記出力手段の出力イネーブル機能は、一つの設定で全ての出力イネーブル機能が同時に制御される、ことを特徴とするパルスジェネレータである。
【0047】
この発明では、上記(1)〜(5)のパルスジェネレータのうち少なくとも2種類が組み合わされて、複数の出力を得るものであって、出力イネーブル機能は、一つの設定で全ての出力イネーブル機能が同時に制御されるようになっている。このため、簡易な制御によって信頼性の高い動作を実現することが可能になる。
【0048】
(13)請求項13記載の発明は、前記転送信号を差動入力手段により受けて、前記複数の遅延信号を生成する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のCCD用パルスジェネレータである。
【0049】
この発明では、(1)〜(5)による転送信号を差動入力手段により受けて、複数の遅延信号を生成している。このように差動入力とすることで、ノイズの影響などを受けず、正確なタイミングで転送信号を受けることが可能になる。
【0050】
(14)請求項14記載の発明は、各手段が集積回路の1チップ内で構成されており、前記ブランキング手段は、ブランキング信号を集積回路内で生成する内部ブランキング信号生成手段と、ブランキング信号を集積回路外から入力する外部ブランキング信号入力手段と、前記内部ブランキング信号と前記外部ブランキング信号とを選択するブランキング信号選択手段とを有し、前記プランキング信号選択手段の選択は、前記出力信号条件設定手段により設定される、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のCCD用パルスジェネレータである。
【0051】
この発明では、上記(1)〜(3)の各手段が集積回路の1チップ内で構成されており、さらに、ブランキング手段では、集積回路内で生成するブランキング信号と集積回路外から入力する前記内部ブランキング信号とが、出力信号条件設定手段により設定されて選択される。
【0052】
このため、CCD駆動用信号を正確なタイミングで生成することが可能になるだけでなく、外部からのブランキング信号を用いて制御することも可能になり、多種多様な使用方法が可能になる。
【0053】
(15)請求項15記載の発明では、(1)〜(14)において、ラインCCDを駆動するための信号を発生する、ことを特徴とする。
【0054】
この発明では、以上の(1)〜(14)のそれぞれをラインCCDを駆動するためのパルスジェネレータに適用することで、従来の問題点を解決した良好な結果を得ることが可能になる。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明のCCD用パルスジェネレータの実施の形態例を詳細に説明する。
【0056】
〈画像読み取り装置の全体構成〉
ここで、本発明の一実施の形態例のCCD用パルスジェネレータを適用することが可能な画像読み取り装置の全体構成を説明する。
【0057】
なお、本実施の形態例のCCD用パルスジェネレータは、多色(RGBの3色など)の読み取りを行う画像読み取り装置に適用することも可能であるが、まず、説明を簡単にするためにモノクロの画像読み取り装置100に適用した例を用いて説明する。
【0058】
101は画像読み取り装置100の各部を制御するためのCPUなどで構成された制御部である。110は本実施の形態例の特徴部分であって、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じてCCD駆動用信号とCCD出力処理用信号とを正確なタイミングで生成するディジタルディレイ方式を採用したパルスジェネレータである。
【0059】
120はパルスジェネレータ110からの転送信号とリセット信号とを受けてCCD130を駆動するCCDドライバである。130はCCDドライバ120から駆動されて光電変換を行う撮像手段としてのCCDである。なお、このCCD130はラインセンサであっても2次元センサであってもよい。140はクランプ信号を用いてCCD130からの出力信号に所定の信号処理を施して画像信号を生成する信号処理回路、150はサンプリング信号を用いて画像信号に所定の画像処理を施す画像処理回路である。
【0060】
また、パルスジェネレータ110は以下の111〜118を有して構成されている。111はCCD130の電荷転送に用いられる転送信号を基準クロックとして発生するクロック発生部、113はパルスジェネレータ110内の各手段の動作を決定する複数の条件の設定情報を設定する出力信号条件設定部である。また、114a〜114eはCCDを駆動するための転送信号を細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じた信号を生成するディジタルディレイ方式パルス調整部である。また、115a〜115eは前記ディジタルディレイ方式パルス調整部114a〜114eの出力の反転信号および非反転信号を生成する反転部、116a〜116eは前記反転部115a〜115eの出力(反転信号および非反転信号)を選択する選択部、117a〜117cは前記選択部116a〜116cの選択結果を一時的に遮断(一時停止)するブランキング部、118a〜118eは前記ブランキング部117a〜117cまたは前記選択部116d〜116eの出力を出力イネーブル機能を介して出力する出力部、である。
【0061】
なお、この図1において、クロック発生部111からの転送信号はCCDドライバ120に供給され、出力部118aからのリセット信号はCCDドライバ120に供給され、出力部118bからのクランプ信号は信号処理回路140に供給され、出力部118dからのサンプリング信号は画像処理回路150に供給され、出力部118cからの予備信号#1と出力部118eからの予備信号#2とは予備のために用意されている。
【0062】
また、制御部101からの制御を受けた出力信号条件設定部113は、選択部116a〜116eの選択と、ブランキング部117a〜117cのブランキング制御と、出力部118a〜118eの出力イネーブル機能と、について、これらそれぞれの手段の動作を決定する複数の条件の設定情報を設定する。
【0063】
なお、ディジタルディレイ方式パルス調整部114aは、請求項における「ディジタルディレイ式のリセット信号生成手段」である。また、ディジタルディレイ方式パルス調整部114bは、請求項における「ディジタルディレイ式のクランプ信号生成手段」である。また、ディジタルディレイ方式パルス調整部114cは、請求項における「ディジタルディレイ式のCCD用予備信号生成手段」である。また、ディジタルディレイ方式パルス調整部114dは、請求項における「ディジタルディレイ式のサンプリング信号生成手段」である。また、ディジタルディレイ方式パルス調整部114eは、請求項における「ディジタルディレイ式のCCD用予備信号生成手段」である。
【0064】
また、図2はディジタルディレイ方式パルス調整部114aの内部構成を示しつつ、出力信号条件設定部113と反転部115a〜出力部118aまでの関係を示した構成図である。ディジタルディレイ方式パルス調整部114b〜114eについても、同様な構成であるとする。
【0065】
以下、ディジタルディレイ方式パルス調整部114aの構成と動作とを中心にして、本実施の形態例の特徴について、以下の(A),(B),(C),(D)に分けて、順に説明する。
【0066】
(A)遅延信号生成:
ディレイチェーン部1141は入力信号(クロック発生部111からの基準クロック)を遅延させて位相が少しずつ異なる複数の遅延信号(遅延信号群:図2▲1▼)を得るためのディレイ素子群である。
【0067】
ここで、ディレイチェーン部1141は、位相が少しずつ異なる遅延信号について、基準クロックの2周期分にわたって生成できる段数になるようにチェーン状にディレイ素子が縦続接続されていることが好ましい。
【0068】
(B)同期検出:
同期検出部1142はクロック発生部111からの基準クロックを受け、遅延信号群(図2▲1▼)の中で基準クロックに同期している遅延信号の段数(同期ポイント)を検出する検出手段であり、同期ポイント情報(図2▲2▼)を出力する。ここで、同期検出部1142は、遅延信号群(図2▲1▼)の中で、最初に基準クロックに同期している第1同期ポイント情報SP1と、2番目に基準クロックに同期している第2同期ポイント情報SP2と、を出力できることが好ましい。ディレイチェーン部1141からの複数の遅延信号は、温度変化などの影響によって遅延時間に変動が生じている可能性があるため、このようにして、所定の変動しない時間(基準クロックから次の基準クロックまでの間)に、どれだけの遅延信号が含まれているかを検出しておく。
【0069】
(C)同期切り替え:
同期切り替え部1143は、同期検出部1142からの同期ポイント情報(図2▲2▼)と、出力信号条件設定部113からのタイミング設定信号(図2▲3▼)とに基づいて、同期補正量を求め、遅延信号群(図2▲1▼)の中からどの位相の遅延信号を選択すべきかのセレクト信号(図2▲4▼)を出力するものである。なお、タイミング設定信号は、立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとを設定するための設定信号である。
【0070】
(D)遅延信号選択:
セレクタ1144は同期切り替え部1143からのセレクト信号(図2▲4▼)を受け、遅延信号群(図2▲1▼)の中から対応する位相の遅延信号を選択し、リセット信号(図2▲5▼)として出力するものである。
【0071】
このようにして、所望の立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとを有するリセット信号を生成するようにしている。なお、ここではリセット信号を例にしたが、クランプ信号やサンプリング信号や予備信号についても同様である。
【0072】
なお、図6に示した画像信号の1画素の波形は、クロック発生部111からの転送信号と同期して出力されている。すなわち、転送信号のタイミングを基準として、遅延状態が把握された遅延信号の所望のタイミングに相当する段数目の遅延信号を選択することで、所望のタイミングで立ち上がり・立ち下がりを有するCCD駆動用信号とCCD出力処理用信号を正確に生成することが可能になる。
このため、図6で説明した画像安定期間において、所望のタイミングのパルスを得ることができる。
【0073】
すなわち、高価なアナログ遅延素子を用意しておいてその選択を行うのではなく、位相(ドットクロックのパルスの位置もしくはタイミング)を細かく徐々に変えた遅延信号を所定タイミングで選択することで、所望の立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとを有するリセット信号等を生成するようにしている。
【0074】
なお、この実施の形態例では、ディレイチェーン部1141の遅延素子1段あたりの遅延時間が熱や個体差などで変化したとしても、同期検出部1142が基準クロックを基準にして同期段数を求めているため、個体差や経時変化に影響されることなく、同期段数と所望のタイミングとから何段目の遅延信号を選択すれば良いかが決定され、結果として、所望のタイミングの立ち上がりと立ち下がりとを選択することが可能になっている。
【0075】
なお、以上のディジタルディレイ方式パルス調整部に関しての技術は、本件出願の発明者が、特願平5−12549号として別途出願している信号遅延装置の技術を用いることが可能である。
【0076】
〈本実施の形態例の特徴〉
つぎに、この実施の形態例のCCD用パルスジェネレータ110を採用した画像読み取り装置100の動作の特徴について、以下の(1)〜(15)に列記して説明を行う。
【0077】
(1)この実施の形態例では、CCDを駆動するための転送信号を細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じたCCDリセット信号をディジタルディレイ方式パルス調整部114aで生成する。
【0078】
そして、反転部115aにて生成したCCDリセット信号の反転信号と非反転信号とを出力信号条件設定部113からの設定に応じて選択部116aで選択する。そして出力信号条件設定部113の設定に応じてCCDリセット信号をブランキング部117aで一時停止し、出力信号条件設定部113の制御に応じて出力イネーブル機能を介して出力部118aから出力する。なお、以上の各動作を決定する複数の条件の設定情報を出力信号条件設定部113が設定する。
【0079】
このため、CCD駆動用信号としてのCCDリセット信号を正確なタイミングで生成することが可能になる。これにより、高速から低速の読み取り装置に同一のCCDが共通して採用されて回路構成の大半に変更が無い場合、タイミング設定回路も共通にすることが可能になって、回路全体の共通化が可能になる。
【0080】
(2)この実施の形態例では、CCDを駆動するための転送信号を細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じたCCDクランプ信号をディジタルディレイ方式パルス調整部114aで生成する。
【0081】
そして、反転部115aにて生成したCCDクランプ信号の反転信号と非反転信号とを出力信号条件設定部113からの設定に応じて選択部116aで選択する。そして出力信号条件設定部113の設定に応じてCCDクランプ信号をブランキング部117aで一時停止し、出力信号条件設定部113の制御に応じて出力イネーブル機能を介して出力部118aから出力する。なお、以上の各動作を決定する複数の条件の設定情報を出力信号条件設定部113が設定する。
【0082】
このため、CCD駆動用信号としてのCCDクランプ信号を正確なタイミングで生成することが可能になる。これにより、高速から低速の読み取り装置に同一のCCDが共通して採用されて回路構成の大半に変更が無い場合、タイミング設定回路も共通にすることが可能になって、回路全体の共通化が可能になる。
【0083】
(3)この実施の形態例では、CCDを駆動するための転送信号を細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じたCCD用予備信号をディジタルディレイ方式パルス調整部114aで生成する。
【0084】
そして、反転部115aにて生成したCCD用予備信号の反転信号と非反転信号とを出力信号条件設定部113からの設定に応じて選択部116aで選択する。そして出力信号条件設定部113の設定に応じてCCD用予備信号をブランキング部117aで一時停止し、出力信号条件設定部113の制御に応じて出力イネーブル機能を介して出力部118aから出力する。なお、以上の各動作を決定する複数の条件の設定情報を出力信号条件設定部113が設定する。
【0085】
このため、CCD駆動用信号としてのCCD用予備信号を正確なタイミングで生成することが可能になる。これにより、高速から低速の読み取り装置に同一のCCDが共通して採用されて回路構成の大半に変更が無い場合、タイミング設定回路も共通にすることが可能になって、回路全体の共通化が可能になる。
【0086】
(4)この実施の形態例では、CCDを駆動するための転送信号を細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じたCCD用予備信号をディジタルディレイ方式パルス調整部114aで生成する。
【0087】
そして、反転部115aにて生成したCCD用予備信号の反転信号と非反転信号とを出力信号条件設定部113からの設定に応じて選択部116aで選択する。また、出力信号条件設定部113の制御に応じて出力イネーブル機能を介して出力部118aから出力する。なお、以上の各動作を決定する複数の条件の設定情報を出力信号条件設定部113が設定する。
【0088】
このため、CCD駆動用信号としてのCCD用予備信号を正確なタイミングで生成することが可能になる。これにより、高速から低速の読み取り装置に同一のCCDが共通して採用されて回路構成の大半に変更が無い場合、タイミング設定回路も共通にすることが可能になって、回路全体の共通化が可能になる。
【0089】
(5)この実施の形態例では、CCDを駆動するための転送信号を細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じたCCD用予備信号をディジタルディレイ方式パルス調整部114aで生成する。
【0090】
そして、反転部115aにて生成したCCD用予備信号の反転信号と非反転信号とを出力信号条件設定部113からの設定に応じて選択部116aで選択する。また、出力信号条件設定部113の制御に応じて出力イネーブル機能を介して出力部118aから出力する。なお、以上の各動作を決定する複数の条件の設定情報を出力信号条件設定部113が設定する。
【0091】
このため、CCD駆動用信号としてのCCD用予備信号を正確なタイミングで生成することが可能になる。これにより、高速から低速の読み取り装置に同一のCCDが共通して採用されて回路構成の大半に変更が無い場合、タイミング設定回路も共通にすることが可能になって、回路全体の共通化が可能になる。
【0092】
(6)この実施の形態例では、出力信号条件設定部113は、データ,クロック,ロードの3制御信号により制御されるレジスタによって構成されていることが望ましい。このような構成のため、制御部101などとシリアル通信によって必要なデータの授受を行うことが可能であり、簡素な構成により信頼性を高めることが可能になる。
【0093】
図3はこの接続の様子を模式的に示した説明図であり、制御部101からのデータ(DATAIN,DATAOUT),クロック(CLK),ロード(LOAD)の接続の様子を示している。なお、パルスジェネレータ110内部では、パルスジェネレータ110内部の出力信号条件設定部113が、制御部101とデータ,クロック,ロードの信号を送受している。
【0094】
また、以上のような接続にした場合、図4に示すような複数のパルスジェネレータ110A,110Bを、制御部101に対して縦続接続することも可能である。
【0095】
(7)この実施の形態例では、出力信号条件設定部113は、データ,クロック,ロードの3制御信号により制御されるレジスタによって構成されており、さらに、パルスジェネレータ110が、制御部101や同種の別機能素子手段(図示せず)などとシリアル通信によって必要なデータの授受を行うことが可能であると、簡素な構成により信頼性を高めることが可能になり好ましい。この場合、CCD用パルスジェネレータ同士はカスケード接続できることが望ましい。
【0096】
(8)この実施の形態例では、上記(6)または(7)の出力信号条件設定部113のレジスタは、素子動作順選択のための端子を介して制御されることが望ましい。このような構成にすると、複数のCCD用パルスジェネレータ同士を縦続接続した場合に、親子(マスター/スレーブ)関係や動作順を定めることが可能となり、望ましい。
【0097】
なお、ここで、素子動作順選択のための端子には、HまたはLによって設定を行えることが望ましい。図5の例では、パルスジェネレータ110Aの素子動作順選択の端子CSはHレベルに設定され、かつ、親であると設定されており、一方、パルスジェネレータ110Bの素子動作順選択の端子CSはLレベルに設定されており、子であると設定されている例を示している。なお、この素子動作順選択の端子CSを1本だけでなく、2本以上の信号線として、HとLとの組み合わせによりIDを設定できるようにしてもよい。
【0098】
(9)この実施の形態例では、上記(6)または(7)の出力信号条件設定部113のレジスタは、イネーブル選択のための端子を介して制御されることが望ましい。このような構成にすると、複数のCCD用パルスジェネレータ同士を縦続接続した場合に、それぞれを有効(イネーブル)にするか無効(ディセーブル)にするかの設定が可能となり、望ましい。なお、ここで、イネーブル選択のための端子には、HまたはLによって設定を行えることが望ましい。
【0099】
なお、ここで、素子動作順選択のための端子には、HまたはLによって設定を行えることが望ましい。図5の例では、パルスジェネレータ110Aのイネーブル選択の端子CSはHレベルに設定されており、有効であると設定されており、一方、パルスジェネレータ110Bのイネーブル選択の端子CSはLレベルに設定されており、無効であると設定されている例を示している。
【0100】
(10)この実施の形態例では、出力信号条件設定部113は、データ,クロック,ロードの3制御信号により制御されるレジスタによって構成されており、制御部101やその他の設定手段(図示せず)とシリアル通信によって必要なデータの授受を行うことが可能であり、簡素な構成により信頼性を高めることが可能になる。
【0101】
(11)この実施の形態例では、上記(1)〜(5)の各部と、上記(6)の出力信号条件設定部113とが、半導体集積回路の1チップ内にディジタル回路として構成されていることが望ましい。このように半導体集積回路の1チップとすることで、簡易な構成となり、回路面積を削減することが可能になる。また、同一チップ内であるため、熱条件も等しくなり、高精度を確保することが可能になる。
【0102】
(12)この実施の形態例では、上記(1)〜(5)のパルスジェネレータのうち少なくとも2種類が組み合わされて、複数の出力を得るものであって、出力イネーブル機能は、一つの設定で全ての出力イネーブル機能が同時に制御されるようになっていることが望ましい。図1の例では、(1)〜(5)の全てが組み合わされている様子を示している。このため、簡易な制御によって信頼性の高い動作を実現することが可能になる。
【0103】
(13)この実施の形態例では、クロック発生部111からの転送信号を、ディジタルディレイ方式パルス調整部114a〜114e内のディレイチェーン部で差動入力手段により受けて、複数の遅延信号を生成することが望ましい。このようにすることで、ノイズの影響などを受けず、正確なタイミングで転送信号を受けることが可能になる。
【0104】
(14)この実施の形態例では、上記(1)〜(3)の各手段が集積回路の1チップ内で構成されており、さらに、ブランキング部117a〜117cでは、集積回路内で生成するブランキング信号と、集積回路外から入力する前記内部ブランキング信号とが、出力信号条件設定部113により設定されて選択されることが望ましい。このようにすることで、CCD駆動用信号を正確なタイミングで生成することが可能になるだけでなく、外部からのブランキング信号を用いて制御することも可能になり、多種多様な使用方法が可能になる。
【0105】
(15)請求項15記載の発明では、(1)〜(14)において、ラインCCDを駆動するための信号を発生する、ことを特徴とする。この発明では、以上の(1)〜(14)のパルスジェネレータが、ラインCCDを駆動するための信号を発生するように構成している。
【0106】
このため、高速から低速の読み取り装置に同一のCCD(ラインセンサ)が共通して採用されていて回路構成の大半は変更無いものの、タイミング設定回路に変更があることにより従来は共通化できなかった構成に関しても、本実施の形態例のパルスジェネレータを適用することで、共通化することが可能になる。すなわち、フラットベッドスキャナや複写機やファクシミリ装置などの読み取り装置に用いられるラインセンサ型のCCDなどで、使用する解像度や用いられるモデルによって異なるタイミングが必要となるが、本実施の形態例のパルスジェネレータを適用することで、回路構成を共通化することが可能になる。
【0107】
〈その他の実施の形態例〉
以上の説明では、画像読み取り装置100がモノクロの画像読み取りを行うものであったが、これに限定されるものではない。すなわち、カラーの画像読み取りを行う画像読み取り装置についても、このパルスジェネレータを用いることが可能である。その場合、CCD駆動用信号(CCDリセット信号,CCDクランプ信号,予備信号など)やCCD出力処理用信号(サンプリング信号など)を各色分生成する構成とすればよい。
【0108】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明では、以下のような効果が得られる。
【0109】
(1)請求項1記載の発明では、CCDを駆動するための転送信号を細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じたCCD駆動用信号(CCDリセット信号,CCDクランプ信号,予備信号など)やCCD出力処理用信号(サンプリング信号など)を生成することが可能になる。
【0110】
このため、CCD駆動用信号やCCD出力処理用信号を正確なタイミングで生成することが可能になる。これにより、高速から低速の読み取り装置に同一のCCDが共通して採用されて回路構成の大半に変更が無い場合、タイミング設定回路も共通にすることが可能になって、回路全体の共通化が可能になる。また、高価なアナログ遅延素子を用意する必要がなくなり、そのアナログ遅延素子の選択をジャンパなどで変更することも必要なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態例のCCD用パルスジェネレータの主要部の電気的構成を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態例のCCD用パルスジェネレータを適用するCCD用パルスジェネレータの機械的構成を示す構成図である。
【図3】本発明の一実施の形態例のCCD用パルスジェネレータにおける接続の様子を示す構成図である。
【図4】本発明の一実施の形態例のCCD用パルスジェネレータにおける接続の様子を示す構成図である。
【図5】本発明の一実施の形態例のCCD用パルスジェネレータにおける接続の様子を示す構成図である。
【図6】CCDの出力信号の波形を示す波形図である。
【符号の説明】
100 画像読み取り装置
101 制御部
110 パルスジェネレータ
111 クロック発生部
113 出力信号条件設定部
114(114a〜114e) ディジタルディレイ方式パルス調整部
115(115a〜115e) 反転部
116(116a〜116e) 選択部
117(117a〜117c) ブランキング部
118(118a〜118e) 出力部
120 CCDドライバ
130 CCD
140 信号処理回路
150 画像処理回路

Claims (15)

  1. CCDを駆動するための転送信号を細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じたCCDリセット信号を生成するディジタルディレイ方式のCCDリセット信号生成手段と、
    前記CCDリセット信号の反転信号および非反転信号を生成する反転・非反転信号生成手段と、
    前記CCDリセット信号の反転信号と非反転信号とを選択する選択手段と、
    前記CCDリセット信号を一時停止するブランキング手段と、
    出力イネーブル機能を有し、前記選択手段により選択された信号を出力する出力手段と、
    前記それぞれの手段の動作を決定する複数の条件の設定情報を設定する出力信号条件設定手段と、を備えたことを特徴とするCCD用パルスジェネレータ。
  2. CCDを駆動するための転送信号を細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じたCCDクランプ信号を生成するディジタルディレイ方式のCCDクランプ信号生成手段と、
    前記CCDクランプ信号の反転信号および非反転信号を生成する反転・非反転信号生成手段と、
    前記CCDクランプ信号の反転信号と非反転信号とを選択する選択手段と、
    前記CCDクランプ信号を一時停止するブランキング手段と、
    出力イネーブル機能を有し、前記選択手段により選択された信号を出力する出力手段と、
    前記それぞれの手段の動作を決定する複数の条件の設定情報を設定する出力信号条件設定手段と、を備えたことを特徴とするCCD用パルスジェネレータ。
  3. CCDを駆動するための転送信号を細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じたCCD用予備信号を生成するディジタルディレイ方式のCCD用予備信号生成手段と、
    前記CCD用予備信号の反転信号および非反転信号を生成する反転・非反転信号生成手段と、
    前記CCD用予備信号の反転信号と非反転信号とを選択する選択手段と、
    前記CCD用予備信号を一時停止するブランキング手段と、
    出力イネーブル機能を有し、前記選択手段により選択された信号を出力する出力手段と、
    前記それぞれの手段の動作を決定する複数の条件の設定情報を設定する出力信号条件設定手段と、を備えたことを特徴とするCCD用パルスジェネレータ。
  4. CCDを駆動するための転送信号を細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じたCCD用予備信号を生成するディジタルディレイ方式のCCD用予備信号生成手段と、
    前記CCD用予備信号の反転信号および非反転信号を生成する反転・非反転信号生成手段と、
    前記CCD用予備信号の反転信号と非反転信号とを選択する選択手段と、
    出力イネーブル機能を有し、前記選択手段により選択された信号を出力する出力手段と、
    前記それぞれの手段の動作を決定する複数の条件の設定情報を設定する出力信号条件設定手段と、を備えたことを特徴とするCCD用パルスジェネレータ。
  5. CCDを駆動するための転送信号を細かく遅延させて複数の遅延信号を生成し、該複数の遅延信号の選択を変更することにより、設定された立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングとに応じてCCD出力をサンプリングするためのサンプリング信号を生成するディジタルディレイ方式のサンプリング信号生成手段と、
    前記サンプリング信号の反転信号および非反転信号を生成する反転・非反転信号生成手段と、
    前記サンプリング信号の反転信号と非反転信号とを選択する選択手段と、
    出力イネーブル機能を有し、前記選択手段により選択された信号を出力する出力手段と、
    前記それぞれの手段の動作を決定する複数の条件の設定情報を設定する出力信号条件設定手段と、を備えたことを特徴とするCCD用パルスジェネレータ。
  6. 前記出力信号条件設定手段は、データ,クロック,ロードの3制御信号により制御されるレジスタによって構成される、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のCCD用パルスジェネレータ。
  7. 前記出力信号条件設定手段は、データ,クロック,ロードの3制御信号により制御されるレジスタによって構成されており、
    データ,クロック,ロードの3制御信号により制御されるレジスタによって構成された別機能素子手段とカスケード接続可能である、ことを特徴とする請求項6記載のCCD用パルスジェネレータ。
  8. 前記のレジスタは、素子動作順選択のための端子を介して制御される、ことを特徴とする請求項6または請求項7のいずれかに記載のCCD用パルスジェネレータ。
  9. 前記のレジスタは、素子イネーブル選択のための端子を介して制御される、ことを特徴とする請求項6または請求項7のいずれかに記載のCCD用パルスジェネレータ。
  10. 前記レジスタは、CPUなどの設定手段により通信を介して制御される、ことを特徴とする請求項6または請求項7のいずれかに記載のCCD用パルスジェネレータ。
  11. 各手段が集積回路の1チップ内で構成されたことを特徴とする請求項6記載のCCD用パルスジェネレータ。
  12. 請求項1乃至請求項5のパルスジェネレータのうち少なくとも2種類が組み合わされて、複数の出力手段を備えたパルスジェネレータであって、
    前記出力手段の出力イネーブル機能は、一つの設定で全ての出力イネーブル機能が同時に制御される、ことを特徴とするパルスジェネレータ。
  13. 前記転送信号を差動入力手段により受けて、前記複数の遅延信号を生成する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のCCD用パルスジェネレータ。
  14. 各手段が集積回路の1チップ内で構成されており、
    前記ブランキング手段は、ブランキング信号を集積回路内で生成する内部ブランキング信号生成手段と、ブランキング信号を集積回路外から入力する外部ブランキング信号入力手段と、前記内部ブランキング信号と前記外部ブランキング信号とを選択するブランキング信号選択手段とを有し、
    前記プランキング信号選択手段の選択は、前記出力信号条件設定手段により設定される、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のCCD用パルスジェネレータ。
  15. ラインCCDを駆動するための信号を発生する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれかに記載のCCD用パルスジェネレータ。
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