JP2004253586A - 荷電粒子線露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レチクルに異物が付着したことを直ちに検出可能な荷電粒子線露光装置を提供する。
【解決手段】レチクル4の上方空間に、光ビーム15がレチクル4と平行に通過している。よって、装置内で発生した異物17がレチクル4に付着するときに光ビーム15を横切ることになり、異物17によって光が散乱される。この散乱光18を光検出器19で検出すれば、レチクル4に異物が付着したかどうかがわかる。光検出器19の信号からレチクル4に異物17が付着したことが確認されると、露光を中断し、レチクル4を、洗浄装置に搬送し洗浄を行う。
【選択図】 図2
【解決手段】レチクル4の上方空間に、光ビーム15がレチクル4と平行に通過している。よって、装置内で発生した異物17がレチクル4に付着するときに光ビーム15を横切ることになり、異物17によって光が散乱される。この散乱光18を光検出器19で検出すれば、レチクル4に異物が付着したかどうかがわかる。光検出器19の信号からレチクル4に異物17が付着したことが確認されると、露光を中断し、レチクル4を、洗浄装置に搬送し洗浄を行う。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷電粒子線によりレチクルに形成されたパターンを、ウエハ等の感応基板上に露光転写する荷電粒子線露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の集積度が増すに従い、回路パターンが微細化し、従来使用されていた可視光や紫外光を使用した露光装置では、その解像度が足らなくなってきている。周知のように、露光装置の解像度は、転写光学系の開口数(NA)に比例し、露光に使用する光の波長に逆比例する。そのため、解像度を上げる一つの試みとして、可視光や紫外線に代わり、波長の短い荷電粒子線を露光転写に使用する試みがなされている。
【0003】
ここで荷電粒子線露光装置とは、荷電粒子線を使用して、レチクルに形成された回路パターンをウエハ等の感応基板に露光転写する装置である。この中でも、実用化に向けて開発が進んでいるものは、レチクル面をサブフィールドと呼ばれる露光領域に分割し、サブフィールド内のパターンを一括して露光転写し、露光パターンをつなぎ合わせることによりウエハ上に回路パターン全体を露光転写する、分割投影露光方式と呼ばれる方式の電子線露光装置(USP4,376,249、Variable axis electron beam projection system:特許文献1)である。
【0004】
この分割投影露光方式の電子線露光装置のサブフィールド、すなわち一括露光される露光領域の大きさはレチクル上で約1mm角、ウエハ上で約250μm角程度である。
【0005】
図5に、このような半導体装置製造用の、分割露光転写方式の電子線露光装置の光学系の概要を示す。図5において、電子源31を出た電子線32は第1照明レンズ33によって成形開口34を照明する。成形開口34を出た電子線32は第2照明レンズ35、第3照明レンズ36によってレチクル37上に成形開口34の像を等倍結像する。レチクル37上に形成されたパターンを通過した電子線は、第1投影レンズ38、第2投影レンズ39によってウエハ40上にレチクル37上のパターンの像を結像する。なお、散乱アパーチャ41は、レチクル37で散乱された電子線をカットするためのものである。
【0006】
電子線露光用のレチクルとしては、厚さ100nm程度のSiNの膜に重金属で回路パターンを形成したタイプのもの(メンブレンタイプ)や、厚さ数μmのシリコンやダイヤモンドの膜を用いて、回路パターンの形状を抜き取ったタイプのもの(ステンシルタイプ)が用いられる。
【0007】
縮小投影を行う電子線露光装置では、メンブレンタイプのレチクルを用いる場合には、メンブレン上の重金属パターンで電子線を散乱させ、重金属パターンが設けられていないメンブレンの部分を透過した電子線を、結像光学系によりウエハ上に結像させる。一方、ステンシルタイプのレチクルを用いる場合には、レチクルの膜が存在する部分で、電子線を遮ったり散乱させたりし、膜が抜き取られた部分で電子線を通過させ、通過した電子線を結像光学系によりウエハ上に結像させる。
【0008】
そのため、メンブレンタイプのレチクルではメンブレン上に、ステンシルタイプのレチクルでは、レチクルの膜が抜き取られた部分に、電子線を透過しない性質を持つ異物が存在すると、異物によって電子線が遮られ、正しく回路パターンが基板上に転写されなくなるという問題がある。
【0009】
光を用いた縮小投影露光装置では、薄い透明な膜(ペリクル)を用いて、レチクルに異物が付着しないように保護しているが、電子やイオンのビームを用いる荷電粒子線露光装置では、ビームの行程に物体が存在するとビームを遮ることになり、露光することができなくなるため、ペリクルのような保護膜を用いることができないという問題がある。そのため、レチクルに異物が付着しているかどうかの検査を行い、異物が付着している場合にはレチクルの洗浄を行う必要がある。
【0010】
このような異物の検査方法には、大別して2つの方法があった。1つは、露光されたウエハのレジストパターンを検査することによって、レチクルに異物が付着しているかどうかを確認する方法である。他の1つは、定期的にレチクルを取り出して検査を行う方法である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、露光されたウエハのレジストパターンを検査することによって、レチクルに異物が付着しているかどうかを確認する方法は、露光、現像、検査工程を必要とするので、結果が出るまでに時間を要するという問題点があった。そして、異物が付着していた場合には、レチクルを洗浄した後で、また同じような検査を行って、異物が除去されたかどうかを確認しなければならず、さらに時間を要していた。定期的にレチクルを取り出して検査を行う方法では、検査後に異物が付着した場合、次に検査を行うまで異物が付着していることがわからないため、その期間に露光したチップは不良品になってしまうという問題があった。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、レチクルに異物が付着したことを直ちに検出可能な荷電粒子線露光装置を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、荷電粒子線によりレチクルに形成されたパターンを感応基板上に露光転写する荷電粒子線露光装置であって、前記レチクル上面より上方の空間に光を照射する照明装置と、前記空間に存在する異物によって散乱された光を受光する受光装置とを有し、前記受光装置により検出された光が所定の閾値を超えたことにより、前記レチクルに異物が付着したことを検出する異物検出器を有することを特徴とするもの(請求項1)である。
【0014】
レチクルが置かれる荷電粒子線装置の鏡筒内は、高度の真空に保たれているので、微小な異物は空間に漂うことなく重力により落下して、レチクルに付着する。よって、レチクルの上方の空間に異物が存在することを検出すれば、それが、レチクルに付着する可能性は極めて高い。
【0015】
本手段はこのような知見に基づいたものであり、照明装置によりレチクル上面より上方の空間に光を照射する。すると、光が照射された空間に異物が存在する場合は、その異物が光を散乱するので、散乱光を受光装置によって検出し、受光装置の出力が所定の閾値を超えたことで、異物が存在したと判定する。本手段によれば、荷電粒子線露光装置の使用中に異物の存在を確認できるので、異物の存在が確認された場合には、直ちに所定の措置をとることができる。
【0016】
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であって、前記レチクルを洗浄する異物洗浄装置を併せて有することを特徴とするもの(請求項2)である。
【0017】
本手段においては、レチクルを洗浄するレチクル洗浄装置を併せて有するので、異物が検出された場合に、直ちにレチクルの洗浄を行い、異物を取り除くことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の1例である電子線露光装置の構成図である。この電子線露光装置の光学系は、図5に示したものと同じである。図1において、1はレチクル保管庫、2は搬送系、3はレチクル検査装置、4はレチクル、5は洗浄装置、6はレチクルチャンバ、7は電子銃、8は電子線、9は照明光学系、10はレチクルステージ、11は結像光学系、12はウエハ、13はウエハステージ、14は光源、15は光ビーム、16は光学系である。
【0019】
レチクル4は、レチクル保管庫1から搬送系2によってレチクル検査装置3に搬送される。レチクル検査装置3で、レチクル4に異物が付着しているかどうかの検査を行い、異物が付着している場合には洗浄装置5にレチクル4を搬送する。洗浄装置5で洗浄されたレチクル4は再度レチクル検査装置3で検査される。レチクル検査装置3で異物が確認できなかった場合には、レチクル4はレチクルチャンバ6に搬送され、露光に使用される。
【0020】
電子銃7から出射された電子線8を、照明光学系9を通してレチクルステージ10上のレチクル4に照射する。レチクル4のステンシルパターン部分を通過した電子線は、結像光学系11によってウエハステージ13上のウエハ12に照射され、レチクルパターンがウエハ12に転写される。露光中には光源14から出射され、光学系16を通った光ビーム15が、レチクル4の表面の上方をレチクル4の表面に対して平行に照射されている。なお、この光ビーム15は、レチクル4に当たらなければ、必ずしもレチクル4と平行でなくてもよい。
【0021】
図2は、レチクルに付着する異物を検出する方法の概要を示す図である。なお、以下の図においては、本欄における前出の図において示された構成要素には、同じ符号を付してその説明を省略することがある。
【0022】
光ビームが通っている空間を物体が横切れば、光ビームは物体によって散乱される。図1及び図2に示すように、本実施の形態においては、レチクル4の上方空間に、光ビーム15がレチクル4と平行に通過している。よって、装置内で発生した異物17がレチクル4に付着するときに光ビーム15を横切ることになり、異物17によって光が散乱される。この散乱光18を光検出器19で検出すれば、レチクル4に異物が付着したかどうかがわかる。光検出器19の信号からレチクル4に異物17が付着したことが確認されると、露光を中断し、レチクル4を、図1における洗浄装置5に搬送し洗浄を行う。洗浄後、レチクル検査装置3で異物除去の確認を行い、再度レチクルチャンバ6に搬送して露光を再開する。
【0023】
電子線露光装置においては、レチクルチャンバ6の中は真空なので、レチクルチャンバ内では異物に浮力は働かない。そのため、レチクル表面に平行に照射した光を横切る異物は、レチクル面に向かって重力落下してくる物だけであるので、光を散乱した異物はレチクルに付着する可能性が非常に高いと見なしてよい。
【0024】
異物検出に用いる光は電子線には影響を及ぼさないので、電子線をレチクルに照射している際にも光を照射することが可能であり、露光中にレチクルに異物が付着したかどうかを確認することができる。
【0025】
レチクルの全面に異物が付着したかどうかを検査するためには、少なくともレチクル表面のパターン形成領域に対応する広さの空間を覆うだけの広さの光ビームが必要である。このためには、図1に示す光学系16により、シリンドリカルレンズ等を用いて、光を紙面と垂直な方向に、レチクルのパターン形成領域の幅以上に広げて照射する。又、細いビームをレチクル面に対して平行に高速で走査してレチクルのパターン形成領域面上を覆うようにしてもよい。
【0026】
図3は、前者の例を示す概要図である。光源14としてHe−Neレーザーを使用し、それから射出される光ビーム20を、ミラー21で反射させた後、ビームエキスパンダ22で光ビーム20の幅を拡大し、レチクル4のパターン形成領域23を覆うような幅の光ビーム15とする。そして、この光ビーム15が、レチクル4の上面から1mm上方を、レチクル4の面に対して平行に通過するようにする。異物からの散乱光を検出する光検出器19として光電子増倍管を用いる。
【0027】
図4は、後者の例を示す概要図である。光源14としてArレーザーを使用し、レチクル4の上面に平行に照射した光ビーム15を3枚のミラー24、25、26で折り返す。ミラー24を回転又は振動させると、それぞれのミラーにおいて反射角が変化するので、見かけ上レチクル4のパターン形成領域23面上を光ビーム15で覆うことができる。検出装置(図示せず)は、図3と同じである。
【0028】
以上の実施の形態においては、光ビームは1本しか用いていないが、いずれの照射方法においても複数の光ビームを用いてもよい。また、光検出器も複数個用いてもよい。
【0029】
さらに、レチクルの裏面(下側)からの異物がレチクルに付着することが予想される場合には、レチクルの表面だけでなく裏面にも同様の機構を備えてもよい。
【0030】
又、以上の説明においては、ステンシルタイプのレチクルについて説明したが、本発明は、メンブレンタイプのレチクルを用いる荷電粒子線露光装置においても適用できる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、レチクルに異物が付着したことを直ちに検出可能な荷電粒子線露光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例である電子線露光装置の構成図である。
【図2】レチクルに付着する異物を検出する方法の概要を示す図である。
【図3】レチクルのパターン形成領域上面を覆う光ビームの形成方法の1例を示す図である。
【図4】レチクルのパターン形成上面を覆う光ビームの形成方法の他の例を示す図である。
【図5】分割露光転写方式の電子線露光装置の光学系の概要を示す図である。
【符号の説明】
1…レチクル保管庫、2…搬送系、3…レチクル検査装置、4…レチクル、5…洗浄装置、6…レチクルチャンバ、7…電子銃、8…電子線、9…照明光学系、10…レチクルステージ、11…結像光学系、12…ウエハ、13…ウエハステージ、14…光源、15…光ビーム、16…光学系、17…異物、18…散乱光、19…光検出器、20…光ビーム、21…ミラー、22…ビームエキスパンダ、23…パターン形成領域、24,25,26…ミラー
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷電粒子線によりレチクルに形成されたパターンを、ウエハ等の感応基板上に露光転写する荷電粒子線露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の集積度が増すに従い、回路パターンが微細化し、従来使用されていた可視光や紫外光を使用した露光装置では、その解像度が足らなくなってきている。周知のように、露光装置の解像度は、転写光学系の開口数(NA)に比例し、露光に使用する光の波長に逆比例する。そのため、解像度を上げる一つの試みとして、可視光や紫外線に代わり、波長の短い荷電粒子線を露光転写に使用する試みがなされている。
【0003】
ここで荷電粒子線露光装置とは、荷電粒子線を使用して、レチクルに形成された回路パターンをウエハ等の感応基板に露光転写する装置である。この中でも、実用化に向けて開発が進んでいるものは、レチクル面をサブフィールドと呼ばれる露光領域に分割し、サブフィールド内のパターンを一括して露光転写し、露光パターンをつなぎ合わせることによりウエハ上に回路パターン全体を露光転写する、分割投影露光方式と呼ばれる方式の電子線露光装置(USP4,376,249、Variable axis electron beam projection system:特許文献1)である。
【0004】
この分割投影露光方式の電子線露光装置のサブフィールド、すなわち一括露光される露光領域の大きさはレチクル上で約1mm角、ウエハ上で約250μm角程度である。
【0005】
図5に、このような半導体装置製造用の、分割露光転写方式の電子線露光装置の光学系の概要を示す。図5において、電子源31を出た電子線32は第1照明レンズ33によって成形開口34を照明する。成形開口34を出た電子線32は第2照明レンズ35、第3照明レンズ36によってレチクル37上に成形開口34の像を等倍結像する。レチクル37上に形成されたパターンを通過した電子線は、第1投影レンズ38、第2投影レンズ39によってウエハ40上にレチクル37上のパターンの像を結像する。なお、散乱アパーチャ41は、レチクル37で散乱された電子線をカットするためのものである。
【0006】
電子線露光用のレチクルとしては、厚さ100nm程度のSiNの膜に重金属で回路パターンを形成したタイプのもの(メンブレンタイプ)や、厚さ数μmのシリコンやダイヤモンドの膜を用いて、回路パターンの形状を抜き取ったタイプのもの(ステンシルタイプ)が用いられる。
【0007】
縮小投影を行う電子線露光装置では、メンブレンタイプのレチクルを用いる場合には、メンブレン上の重金属パターンで電子線を散乱させ、重金属パターンが設けられていないメンブレンの部分を透過した電子線を、結像光学系によりウエハ上に結像させる。一方、ステンシルタイプのレチクルを用いる場合には、レチクルの膜が存在する部分で、電子線を遮ったり散乱させたりし、膜が抜き取られた部分で電子線を通過させ、通過した電子線を結像光学系によりウエハ上に結像させる。
【0008】
そのため、メンブレンタイプのレチクルではメンブレン上に、ステンシルタイプのレチクルでは、レチクルの膜が抜き取られた部分に、電子線を透過しない性質を持つ異物が存在すると、異物によって電子線が遮られ、正しく回路パターンが基板上に転写されなくなるという問題がある。
【0009】
光を用いた縮小投影露光装置では、薄い透明な膜(ペリクル)を用いて、レチクルに異物が付着しないように保護しているが、電子やイオンのビームを用いる荷電粒子線露光装置では、ビームの行程に物体が存在するとビームを遮ることになり、露光することができなくなるため、ペリクルのような保護膜を用いることができないという問題がある。そのため、レチクルに異物が付着しているかどうかの検査を行い、異物が付着している場合にはレチクルの洗浄を行う必要がある。
【0010】
このような異物の検査方法には、大別して2つの方法があった。1つは、露光されたウエハのレジストパターンを検査することによって、レチクルに異物が付着しているかどうかを確認する方法である。他の1つは、定期的にレチクルを取り出して検査を行う方法である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、露光されたウエハのレジストパターンを検査することによって、レチクルに異物が付着しているかどうかを確認する方法は、露光、現像、検査工程を必要とするので、結果が出るまでに時間を要するという問題点があった。そして、異物が付着していた場合には、レチクルを洗浄した後で、また同じような検査を行って、異物が除去されたかどうかを確認しなければならず、さらに時間を要していた。定期的にレチクルを取り出して検査を行う方法では、検査後に異物が付着した場合、次に検査を行うまで異物が付着していることがわからないため、その期間に露光したチップは不良品になってしまうという問題があった。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、レチクルに異物が付着したことを直ちに検出可能な荷電粒子線露光装置を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、荷電粒子線によりレチクルに形成されたパターンを感応基板上に露光転写する荷電粒子線露光装置であって、前記レチクル上面より上方の空間に光を照射する照明装置と、前記空間に存在する異物によって散乱された光を受光する受光装置とを有し、前記受光装置により検出された光が所定の閾値を超えたことにより、前記レチクルに異物が付着したことを検出する異物検出器を有することを特徴とするもの(請求項1)である。
【0014】
レチクルが置かれる荷電粒子線装置の鏡筒内は、高度の真空に保たれているので、微小な異物は空間に漂うことなく重力により落下して、レチクルに付着する。よって、レチクルの上方の空間に異物が存在することを検出すれば、それが、レチクルに付着する可能性は極めて高い。
【0015】
本手段はこのような知見に基づいたものであり、照明装置によりレチクル上面より上方の空間に光を照射する。すると、光が照射された空間に異物が存在する場合は、その異物が光を散乱するので、散乱光を受光装置によって検出し、受光装置の出力が所定の閾値を超えたことで、異物が存在したと判定する。本手段によれば、荷電粒子線露光装置の使用中に異物の存在を確認できるので、異物の存在が確認された場合には、直ちに所定の措置をとることができる。
【0016】
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であって、前記レチクルを洗浄する異物洗浄装置を併せて有することを特徴とするもの(請求項2)である。
【0017】
本手段においては、レチクルを洗浄するレチクル洗浄装置を併せて有するので、異物が検出された場合に、直ちにレチクルの洗浄を行い、異物を取り除くことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の1例である電子線露光装置の構成図である。この電子線露光装置の光学系は、図5に示したものと同じである。図1において、1はレチクル保管庫、2は搬送系、3はレチクル検査装置、4はレチクル、5は洗浄装置、6はレチクルチャンバ、7は電子銃、8は電子線、9は照明光学系、10はレチクルステージ、11は結像光学系、12はウエハ、13はウエハステージ、14は光源、15は光ビーム、16は光学系である。
【0019】
レチクル4は、レチクル保管庫1から搬送系2によってレチクル検査装置3に搬送される。レチクル検査装置3で、レチクル4に異物が付着しているかどうかの検査を行い、異物が付着している場合には洗浄装置5にレチクル4を搬送する。洗浄装置5で洗浄されたレチクル4は再度レチクル検査装置3で検査される。レチクル検査装置3で異物が確認できなかった場合には、レチクル4はレチクルチャンバ6に搬送され、露光に使用される。
【0020】
電子銃7から出射された電子線8を、照明光学系9を通してレチクルステージ10上のレチクル4に照射する。レチクル4のステンシルパターン部分を通過した電子線は、結像光学系11によってウエハステージ13上のウエハ12に照射され、レチクルパターンがウエハ12に転写される。露光中には光源14から出射され、光学系16を通った光ビーム15が、レチクル4の表面の上方をレチクル4の表面に対して平行に照射されている。なお、この光ビーム15は、レチクル4に当たらなければ、必ずしもレチクル4と平行でなくてもよい。
【0021】
図2は、レチクルに付着する異物を検出する方法の概要を示す図である。なお、以下の図においては、本欄における前出の図において示された構成要素には、同じ符号を付してその説明を省略することがある。
【0022】
光ビームが通っている空間を物体が横切れば、光ビームは物体によって散乱される。図1及び図2に示すように、本実施の形態においては、レチクル4の上方空間に、光ビーム15がレチクル4と平行に通過している。よって、装置内で発生した異物17がレチクル4に付着するときに光ビーム15を横切ることになり、異物17によって光が散乱される。この散乱光18を光検出器19で検出すれば、レチクル4に異物が付着したかどうかがわかる。光検出器19の信号からレチクル4に異物17が付着したことが確認されると、露光を中断し、レチクル4を、図1における洗浄装置5に搬送し洗浄を行う。洗浄後、レチクル検査装置3で異物除去の確認を行い、再度レチクルチャンバ6に搬送して露光を再開する。
【0023】
電子線露光装置においては、レチクルチャンバ6の中は真空なので、レチクルチャンバ内では異物に浮力は働かない。そのため、レチクル表面に平行に照射した光を横切る異物は、レチクル面に向かって重力落下してくる物だけであるので、光を散乱した異物はレチクルに付着する可能性が非常に高いと見なしてよい。
【0024】
異物検出に用いる光は電子線には影響を及ぼさないので、電子線をレチクルに照射している際にも光を照射することが可能であり、露光中にレチクルに異物が付着したかどうかを確認することができる。
【0025】
レチクルの全面に異物が付着したかどうかを検査するためには、少なくともレチクル表面のパターン形成領域に対応する広さの空間を覆うだけの広さの光ビームが必要である。このためには、図1に示す光学系16により、シリンドリカルレンズ等を用いて、光を紙面と垂直な方向に、レチクルのパターン形成領域の幅以上に広げて照射する。又、細いビームをレチクル面に対して平行に高速で走査してレチクルのパターン形成領域面上を覆うようにしてもよい。
【0026】
図3は、前者の例を示す概要図である。光源14としてHe−Neレーザーを使用し、それから射出される光ビーム20を、ミラー21で反射させた後、ビームエキスパンダ22で光ビーム20の幅を拡大し、レチクル4のパターン形成領域23を覆うような幅の光ビーム15とする。そして、この光ビーム15が、レチクル4の上面から1mm上方を、レチクル4の面に対して平行に通過するようにする。異物からの散乱光を検出する光検出器19として光電子増倍管を用いる。
【0027】
図4は、後者の例を示す概要図である。光源14としてArレーザーを使用し、レチクル4の上面に平行に照射した光ビーム15を3枚のミラー24、25、26で折り返す。ミラー24を回転又は振動させると、それぞれのミラーにおいて反射角が変化するので、見かけ上レチクル4のパターン形成領域23面上を光ビーム15で覆うことができる。検出装置(図示せず)は、図3と同じである。
【0028】
以上の実施の形態においては、光ビームは1本しか用いていないが、いずれの照射方法においても複数の光ビームを用いてもよい。また、光検出器も複数個用いてもよい。
【0029】
さらに、レチクルの裏面(下側)からの異物がレチクルに付着することが予想される場合には、レチクルの表面だけでなく裏面にも同様の機構を備えてもよい。
【0030】
又、以上の説明においては、ステンシルタイプのレチクルについて説明したが、本発明は、メンブレンタイプのレチクルを用いる荷電粒子線露光装置においても適用できる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、レチクルに異物が付着したことを直ちに検出可能な荷電粒子線露光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例である電子線露光装置の構成図である。
【図2】レチクルに付着する異物を検出する方法の概要を示す図である。
【図3】レチクルのパターン形成領域上面を覆う光ビームの形成方法の1例を示す図である。
【図4】レチクルのパターン形成上面を覆う光ビームの形成方法の他の例を示す図である。
【図5】分割露光転写方式の電子線露光装置の光学系の概要を示す図である。
【符号の説明】
1…レチクル保管庫、2…搬送系、3…レチクル検査装置、4…レチクル、5…洗浄装置、6…レチクルチャンバ、7…電子銃、8…電子線、9…照明光学系、10…レチクルステージ、11…結像光学系、12…ウエハ、13…ウエハステージ、14…光源、15…光ビーム、16…光学系、17…異物、18…散乱光、19…光検出器、20…光ビーム、21…ミラー、22…ビームエキスパンダ、23…パターン形成領域、24,25,26…ミラー
Claims (2)
- 荷電粒子線によりレチクルに形成されたパターンを感応基板上に露光転写する荷電粒子線露光装置であって、前記レチクル上面より上方の空間に光を照射する照明装置と、前記空間に存在する異物によって散乱された光を受光する受光装置とを有し、前記受光装置により検出された光が所定の閾値を超えたことにより、前記レチクルに異物が付着したことを検出する異物検出器を有することを特徴とする荷電粒子線露光装置。
- 前記レチクルを洗浄するレチクル洗浄装置を併せて有することを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子線露光装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003042015A JP2004253586A (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | 荷電粒子線露光装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003042015A JP2004253586A (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | 荷電粒子線露光装置 |
Publications (1)
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JP2004253586A true JP2004253586A (ja) | 2004-09-09 |
Family
ID=33025406
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003042015A Pending JP2004253586A (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | 荷電粒子線露光装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004253586A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007180549A (ja) * | 2005-12-27 | 2007-07-12 | Asml Netherlands Bv | リソグラフィ装置および方法 |
-
2003
- 2003-02-20 JP JP2003042015A patent/JP2004253586A/ja active Pending
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JP2007180549A (ja) * | 2005-12-27 | 2007-07-12 | Asml Netherlands Bv | リソグラフィ装置および方法 |
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