JP2004253427A - 炭化珪素半導体素子 - Google Patents

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Kunimasa Takahashi
邦方 高橋
Makoto Kitahata
真 北畠
Osamu Kusumoto
修 楠本
Masao Uchida
正雄 内田
Masaya Yamashita
賢哉 山下
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Abstract

【課題】高い電流密度のドレイン電流を流すことが可能で、かつ高いソース・ドレイン耐圧を有する炭化珪素半導体素子を提供する。
【解決手段】ドリフト層2に接するベース層4、ドリフト層2表層にあるドレイン層3、ドリフト層2と離れてベース層4表層にあるソース層5、ベース層4とドリフト層2上にある表面導電層6、ドリフト層2とソース層5で挟まれたベース層4上にゲート絶縁膜8を介して位置するゲート電極9、ドレイン層3とソース層5に各々接続されたドレイン電極11とソース電極10を備え、ベース層4とドレイン層3間に空乏化形成層7を有する炭化珪素半導体素子。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化珪素半導体素子、特に炭化珪素を用いた横型のMOSFETに関する。
【0002】
【従来の技術】
炭化珪素(シリコンカーバイド、SiC)は珪素(Si)に比べて高硬度で薬品にも犯されにくく、バンドギャップが大きい半導体であることから、次世代のパワーデバイスや高温動作デバイス等へ応用されることが期待される半導体材料である。炭化珪素は、立方晶系の3C−SiCや六方晶系の6H−SiC、4H−SiC等、多くのポリタイプを有する。この中で、実用的な炭化珪素半導体素子を作製するために一般的に使用されているのが6H−SiC及び4H−SiCである。そして、c軸の結晶軸に対し垂直な(0001)面にほぼ一致する面を主面とする基板が広く用いられる。
【0003】
炭化珪素半導体素子(SiC半導体素子)は炭化珪素基板(SiC基板)上に半導体素子の活性領域となるエピタキシャル成長層を形成し、この層に素子の種類に応じて必要な領域を設けることにより形成される。FETの場合には、ソース・ドレイン領域及びゲート領域を設けることになる。特に、MIS(金属/絶縁膜/半導体)型のFETのなかでは、ゲート絶縁膜として熱酸化によって形成される酸化膜を用いたMOS(金属/酸化膜/半導体)型のFETが一般的に広く知られている。
【0004】
図5は一般的な炭化珪素の横型MOSFETの構造を示す断面図である。同図に示すように、一般的な炭化珪素の横型MOSFETは、炭化珪素基板100と、前記炭化珪素基板100の主面上に第1導電型(n型)のドリフト層101が形成されている。前記ドリフト層101の表面に形成された第1導電型(n型)のドレイン層102と、前記ドリフト層101内に形成された第2導電型(p型)のベース層103と、前記ベース層103内に形成された第1導電型(n型)のソース層104と、前記ベース層103の上に形成されたゲート絶縁膜105と、前記ゲート絶縁膜105の上に形成されたゲート電極106と、前記ソース層104の上に形成されたソース電極107と、前記ドレイン層102の上に形成されたドレイン電極108とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−214679号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の炭化珪素半導体素子では、以下のような不具合があった。
【0007】
炭化珪素ではシリコンに加えて炭素が存在することから、酸化膜の界面において固定電荷による電子をトラップする準位が形成されてしまう。このために電流の流れるチャネル層となる反転層において、非常に低い電子のチャネル移動度しか実現せず、炭化珪素の横型MOSFETにおいて大電流を流すことは非常に困難であった。
【0008】
この問題を解決するために、ゲート酸化膜とベース層との間にn型の蓄積型チャネル層をエピタキシャル成長によって形成させることが行われる。しかしながら、ドリフト層にもn型の蓄積型チャネル層が形成されるために、ドリフト層において耐圧をもたせることができなくなる。また、ドリフト層上に形成された蓄積型チャネル層をプラズマエッチングによって除去する場合には、プラズマ中のイオン及び電子の衝撃によってドリフト層表面に大きな損傷を与えてしまう。この結果、ドリフト層の表面に結晶欠陥が発生し、ソース・ドレイン間における耐圧特性が著しく低下してしまうという問題があった。
【0009】
したがって、蓄積型チャネル層をエピタキシャル成長によって形成することによって良好なチャネル層を形成することに加えて、ドリフト層において高いソース・ドレイン耐圧を実現することが可能な横型MOSFETの実現が望まれていた。
【0010】
そこで本発明の目的は、前記従来の問題点に鑑み、高い電流密度のドレイン電流を流すことが可能で、かつ高耐圧を有する炭化珪素半導体素子を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の炭化珪素半導体素子は、第1導電型のドリフト層と、前記ドリフト層に接して形成された第2導電型のベース層と、前記ドリフト層の表層に形成された第1導電型のドレイン層と、前記ドリフト層に対して間隔をおくように前記ベース層の表層に形成された第1導電型のソース層と、前記ベース層及び前記ドリフト層の上に形成された第1導電型の表面導電層と、前記ドリフト層と前記ソース層とで挟まれた前記ベース層の上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、前記ドレイン層及び前記ソース層にそれぞれ電気的に接続されたドレイン電極及びソース電極とを備え、前記ベース層と前記ドレイン層との間に挟まれる位置に、前記表面導電層に接して第2導電型の空乏化形成層を有することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の炭化珪素半導体素子は、第1導電型のドリフト層と、前記ドリフト層に接して形成された第2導電型のベース層と、前記ドリフト層の表層に形成された第1導電型のドレイン層と、前記ドリフト層に対して間隔をおくように前記ベース層の表層に形成された第1導電型のソース層と、前記ベース層及び前記ドリフト層の上に形成された第1導電型の表面導電層と、前記ドリフト層と前記ソース層とで挟まれた前記ベース層の上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、前記ドレイン層及び前記ソース層にそれぞれ電気的に接続されたドレイン電極及びソース電極とを備え、前記ベース層と前記ドレイン層との間に挟まれる位置に、前記表面導電層に接して第2導電型の空乏化形成層を有することを特徴とする。
【0013】
これにより、表面導電層がベース層内のゲート領域では蓄積型チャネル層として作用し、ゲート絶縁膜の界面における電子トラップ準位の影響を受けることなく電流が流れることが可能となることから、高い電流密度のドレイン電流を流すことが可能となる。さらに、ベース層とドレイン層の間のドリフト領域においては、表面導電層とその近傍に形成される空乏化形成層の両層内が共に空乏化して、スーパージャンクション構造となり、基板表面の電界集中を大幅に低減し、より高いソース・ドレイン耐圧を実現することが可能となる。
【0014】
ここで、空乏化形成層がベース層及びドレイン層に接していることが好ましい。これにより、ドリフト領域全域において、表面導電層と空乏化形成層とがスーパージャンクション構造となって、高いソース・ドレイン耐圧を実現することが可能となる。
【0015】
ここで、空乏化形成層が表面導電層の上に形成されていてもよい。この場合でも、表面導電層と空乏化形成層とがスーパージャンクション構造となって、高いソース・ドレイン耐圧を実現することが可能となる。
【0016】
また、ドリフト層が第2導電型の半導体活性層の表層に選択的に形成されていることが好ましい。これにより、同一基板上に複数の半導体素子を集積させる場合に、互いの半導体素子が電気的に絶縁されるために、他の半導体素子の影響を受けずに、それぞれの半導体素子について良好な特性を実現することが可能となる。
【0017】
また、空乏化形成層における第2導電型のキャリア濃度が、表面導電層の第1導電型のキャリア濃度と実質的に等しいことが好ましい。これにより、ドリフト領域において表面導電層と空乏化形成層の両層内が、共により空乏化してスーパージャンクション構造となり、より高いソース・ドレイン耐圧を実現することが可能となる。
【0018】
また、空乏化形成層の厚みが、表面導電層の厚みと実質的に等しいことが好ましい。これにより、ドリフト領域において表面導電層と空乏化形成層の両層内が、共にほぼ完全に空乏化することによって、より良好なスーパージャンクション構造となり、より高いソース・ドレイン耐圧を実現することが可能となる。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0020】
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1である、表面導電層の下に空乏化形成層が形成され、空乏化形成層がベース層及びドレイン層の両方に接した構造の横型MOSFETについて説明する。
【0021】
図1は、本実施の形態における炭化珪素を用いた横型MOSFETの構造を示す断面図である。同図に示すように、本実施の形態における横型MOSFETは、炭化珪素基板1と、前記炭化珪素基板1の主面上にn型のドリフト層2が形成されている。前記ドリフト層2の表層に形成されたn型のドレイン層3と、前記ドリフト層2内に形成されたp型のベース層4と、前記ベース層4内に形成されたn型のソース層5と、前記ベース層4及び前記ドリフト層2の上に形成されたn型の表面導電層6と、前記ベース層4と前記ドレイン層3との間に挟まれるように前記表面導電層6の下に形成され、前記ベース層4及び前記ドレイン層3の両方に接するp型の空乏化形成層7と、前記ベース層4の上に形成されたゲート絶縁膜8と、前記ゲート絶縁膜8の上に形成されたゲート電極9と、前記ソース層5の上に形成されたソース電極10と、前記ドレイン層3の上に形成されたドレイン電極11とを備えている。
【0022】
次に、本実施の形態における横型MOSFETの作製方法について説明する。まず、炭化珪素基板1を準備する。炭化珪素基板1としては、例えば、主面が(0001)から[11−20](112バー0)方向に8度のオフ角度がついた直径50mmの4H−SiC基板を用いる。この基板はn型で、キャリア濃度は1×1018cm−3である。
【0023】
次に、CVD法により炭化珪素基板1上にn型のドリフト層2をエピタキシャル成長させる。これによって、厚みが3μm、キャリア濃度が約5×1015cm−3のドリフト層2が形成される。
【0024】
続いて、横型MOSFETのp型のベース層4を形成するために、ドリフト層2の表面に、例えばアルミニウム(Al)からなる注入マスクを形成する。この注入マスクは、ドリフト層2の一部分を覆い、ベース層4となる領域を開口している。そして、注入マスクの上方から、ドリフト層2内に多段階のAlイオンの注入を行って、活性化アニールを行う。これにより、ドリフト層2の一部が、キャリア濃度が1×1017cm−3であるp型のベース層4となる。
【0025】
次に、前記の注入マスクを除去した後、更に、空乏化形成層7を形成するためにベース層4を覆い、ドリフト層2を開口するようなAlからなる注入マスクを形成する。そして、注入マスクの上方からドリフト層2内に多段階のAlイオンの注入を行って、活性化アニールを行う。これにより、ドリフト層2内にキャリア濃度が2×1017cm−3で厚みが200nmであるp型の空乏化形成層7が形成される。
【0026】
続いて、CVD法によりベース層4及びドリフト層2の表面にn型の表面導電層6をエピタキシャル成長させる。これによって、キャリア濃度が2×1017cm−3で厚みが200nmの表面導電層6が形成される。
【0027】
次に、ソース層5及びドレイン層3を形成するために窒素イオンをそれぞれベース層4の一部分及びドリフト層2の一部分に注入し、活性化アニールを行う。これにより、ベース層4の一部分が、キャリア濃度が1×1018cm−3のn型のソース層5となり、ドリフト層2の一部分が、キャリア濃度が1×1018cm−3のn型のドレイン層3となる。
【0028】
次に、1100℃で熱酸化することで基板表面に厚さ30nmのゲート絶縁膜8を形成し、ベース層4上を残して除去する。その後、電子ビーム(EB)蒸着装置を用いてソース層5及びドレイン層3にNiを蒸着する。続いて、加熱炉を用いて1000℃で加熱することにより、ソース層5上にソース電極10を、ドレイン層3上にドレイン電極11をそれぞれ形成する。
【0029】
最後に、ゲート絶縁膜8上にアルミニウムを蒸着して、ゲート電極9の形成を行う。
【0030】
次に、本実施の形態に係る蓄積型の横型MOSFETの性能を調べるために、電流電圧特性を測定した。その結果について以下に説明する。
【0031】
比較のために、図5に示すような、従来の炭化珪素を用いた横型MOSFETを比較例として準備した。なお、空乏化形成層及び表面導電層以外の構造は全て本実施の形態の横型MOSFETと同一とした。
【0032】
本実施の形態及び比較例の横型MOSFETについて、ゲートに電圧を印加した場合のドレイン電流を測定して比較した。その結果、本実施の形態の横型MOSFETでは、比較例の横型MOSFETにくらべてドレイン電流が2桁以上流れることが判明した。この理由としては、次のことが考えられる。
【0033】
まず、比較例の横型MOSFETでは、酸化膜の界面において固定電荷による電子をトラップする準位が形成されているために、ベース層内のゲート領域(チャネル層)で非常に大きい抵抗成分を有することになる。このために、高い電流密度のドレイン電流を流すことができない。
【0034】
これに対し、本実施の形態の横型MOSFETでは、ベース層上に形成された表面導電層が蓄積型チャネルとして働き、その部分を電流が流れるために、酸化膜の界面における電子のトラップ準位の影響を受けない。このために、高い電流密度のドレイン電流を流すことが可能となる。
【0035】
さらに、ソース・ドレイン耐圧を測定して比較した。その結果、本実施の形態の横型MOSFETでは、比較例の横型MOSFETにくらべてソース・ドレイン耐圧が2倍であることが判明した。この理由としては、次のことが考えられる。
【0036】
まず、比較例の横型MOSFETでは、ドリフト層の表面における電界集中のために、高い耐圧を実現することができない。
【0037】
これに対し、本実施の形態の横型MOSFETでは、ドリフト層上に形成された空乏化形成層及び表面導電層によって、いわゆるスーパージャンクション構造が形成され、ドリフト層の表層部分に空乏層が形成されるので、電界集中が起こらない。このために、高いソース・ドレイン耐圧を実現することが可能となる。
【0038】
以上のことから、ドリフト層上に形成される空乏化形成層がベース層及びドレイン層の両方に接し、表面導電層が空乏化形成層の上に形成することにより、高い電流密度のドレイン電流を流すことが可能で、かつ高いソース・ドレイン耐圧を実現する横型MOSFETを作製することができた。
【0039】
なお、本実施の形態においては、空乏化形成層がベース層及びドレイン層の両方に接していたが、図2に示すように空乏化形成層12がベース層4のみに接していても、前記図1に示す構造の横型MOSFETと同様の効果があることを確認した。ただし、空乏化形成層がベース層及びドレイン層の両方に接している方が、ドリフト層の表層全域にわたって空乏層が形成されるので電界集中がより発生しにくく、より高い耐圧を実現することができる。
【0040】
なお、本実施の形態においては、n型の炭化珪素基板の表層部分にドリフト層が設けられていたが、図3に示すようにp型半導体活性層13の表層部分に選択的にドリフト層14を設けても、前記図1に示す構造の横型MOSFETと同様の効果があることを確認した。
【0041】
なお、本実施の形態においては、表面導電層として一様な濃度分布のn型ドープ層を用いたが、デルタドープ構造のドープ層を用いても本発明の効果があることを確認した。
【0042】
また、本実施の形態においては、4H−SiCを炭化珪素基板として用いたが、4H−SiC以外のポリタイプからなる基板を用いても本発明の効果があることを確認した。
【0043】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2である、表面導電層の上に空乏化形成層が形成された構造の横型MOSFETについて説明する。
【0044】
図4は、本実施の形態における炭化珪素を用いた横型MOSFETの構造を示す断面図である。同図に示すように、本実施の形態における横型MOSFETは、炭化珪素基板21と、前記炭化珪素基板21の主面上にn型のドリフト層22が形成されている。前記ドリフト層22の表面に形成されたn型のドレイン層23と、前記ドリフト層22内に形成されたp型のベース層24と、前記ベース層24内に形成されたn型のソース層25と、前記ベース層24及び前記ドリフト層22の上に形成されたn型の表面導電層26と、前記表面導電層26の上に形成されたp型の空乏化形成層27と、前記ベース層24の上に形成されたゲート絶縁膜28と、前記ゲート絶縁膜28の上に形成されたゲート電極29と、前記ソース層25の上に形成されたソース電極30と、前記ドレイン層23の上に形成されたドレイン電極31とを備えている。
【0045】
次に、本実施の形態における横型MOSFETの作製方法について説明する。まず、炭化珪素基板21を準備する。炭化珪素基板21としては、例えば、主面が(0001)から[11−20](112バー0)方向に8度のオフ角度がついた直径50mmの4H−SiC基板を用いる。この基板はn型で、キャリア濃度は1×1018cm−3である。
【0046】
次に、CVD法により炭化珪素基板21上にn型のドリフト層22をエピタキシャル成長させる。これによって、厚みが3μm、キャリア濃度が約5×1015cm−3のドリフト層22が形成される。
【0047】
続いて、横型MOSFETのp型のベース層24を形成するために、ドリフト層22の表面に、例えばアルミニウム(Al)からなる注入マスクを形成する。この注入マスクは、ドリフト層22の一部分を覆い、ベース層24となる領域を開口している。そして、注入マスクの上方から、ドリフト層22内に多段階のAlイオンの注入を行って、活性化アニールを行う。これにより、ドリフト層22の一部が、キャリア濃度が1×1017cm−3であるp型のベース層24となる。
【0048】
続いて、CVD法によりベース層24及びドリフト層22の表面にn型の表面導電層26をエピタキシャル成長させる。これによって、キャリア濃度が2×1017cm−3で厚みが200nmの表面導電層26が形成される。
【0049】
次に、CVD法により表面導電層26の上に空乏化形成層27をエピタキシャル成長させる。これにより、表面導電層上にキャリア濃度が2×1017cm−3で厚みが200nmであるp型の空乏化形成層27が形成される。
【0050】
次に、ソース層25及びドレイン層23を形成するために窒素イオンをそれぞれベース層24の一部分及びドリフト層22の一部分に注入し、活性化アニールを行う。これにより、ベース層24の一部分が、キャリア濃度が1×1018cm−3のn型のソース層25となり、ドリフト層22の一部分がキャリア濃度が1×1018cm−3のn型のドレイン層23となる。
【0051】
次に、1100℃で熱酸化することで基板表面に厚さ30nmのゲート絶縁膜28を形成し、ベース層24上を残して除去する。その後、電子ビーム(EB)蒸着装置を用いてソース層25及びドレイン層23にNiを蒸着する。続いて、加熱炉を用いて1000℃で加熱することにより、ソース層25上にソース電極30を、ドレイン層23上にドレイン電極31をそれぞれ形成する。
【0052】
最後に、ゲート絶縁膜28上にアルミニウムを蒸着して、ゲート電極29の形成を行う。
【0053】
次に、本実施の形態に係る蓄積型の横型MOSFETの性能を調べるために、電流電圧特性を測定した。その結果について以下に説明する。
【0054】
比較のために、図5に示すような、従来の炭化珪素を用いた横型MOSFETを比較例として準備した。なお、空乏化形成層及び表面導電層以外の構造は全て本実施の形態の横型MOSFETと同一とした。
【0055】
本実施の形態及び比較例の横型MOSFETについて、ゲートに電圧を印加した場合のドレイン電流を測定して比較した。その結果、本実施の形態の横型MOSFETでは、比較例の横型MOSFETにくらべてドレイン電流が2桁以上流れることが判明した。これは、本実施の形態の横型MOSFETでは、ベース層上に形成された表面導電層が蓄積型チャネルとして働き、その部分を電流が流れるために、酸化膜の界面における電子のトラップ準位の影響を受けない。このために、高い電流密度のドレイン電流を流すことが可能となる。
【0056】
さらに、ソース・ドレイン耐圧を測定して比較した。その結果、本実施の形態の横型MOSFETでは、比較例の横型MOSFETにくらべてソース・ドレイン耐圧が2倍であることが判明した。これは、本実施の形態の横型MOSFETでは、空乏化形成層及び表面導電層によってドリフト層の表層部分に空乏層が形成されて、電界集中を低減させるためであると考えられる。
【0057】
以上のことから、表面導電層の上に空乏化形成層を形成することにより、高い電流密度のドレイン電流を流すことが可能で、かつ高いソース・ドレイン耐圧を実現する横型MOSFETを作製することができた。
【0058】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、従来の技術では実現できなかった、高い電流密度のドレイン電流を流すことが可能で、かつ高いソース・ドレイン耐圧を有する炭化珪素半導体素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る炭化珪素を用いた横型MOSFETの構造を示す断面図
【図2】同実施の形態に係る炭化珪素を用いた横型MOSFETにおいて、空乏化形成層がベース層のみに接している横型MOSFETの構造を示す断面図
【図3】同実施の形態に係る炭化珪素を用いた横型MOSFETにおいて、p型半導体活性層の表面に選択的にドリフト層が設けられている横型MOSFETの構造を示す断面図
【図4】本発明の他の実施の形態に係る炭化珪素を用いた横型MOSFETの構造を示す断面図
【図5】従来の炭化珪素を用いた横型MOSFETの構造を示す断面図
【符号の説明】
1,21,100 炭化珪素基板
2,14,22,101 ドリフト層
3,23,102 ドレイン層
4,24,103 ベース層
5,25,104 ソース層
6,26 表面導電層
7,12,27 空乏化形成層
8,28,105 ゲート絶縁膜
9,29,106 ゲート電極
10,30,107 ソース電極
11,31,108 ドレイン電極
13 p型半導体活性層

Claims (6)

  1. 第1導電型のドリフト層と、前記ドリフト層に接して形成された第2導電型のベース層と、前記ドリフト層の表層に形成された第1導電型のドレイン層と、前記ドリフト層に対して間隔をおくように前記ベース層の表層に形成された第1導電型のソース層と、前記ベース層及び前記ドリフト層の上に形成された第1導電型の表面導電層と、前記ドリフト層と前記ソース層とで挟まれた前記ベース層の上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、前記ドレイン層及び前記ソース層にそれぞれ電気的に接続されたドレイン電極及びソース電極とを備え、前記ベース層と前記ドレイン層との間に挟まれる位置に、前記表面導電層に接して第2導電型の空乏化形成層を有することを特徴とする炭化珪素半導体素子。
  2. 空乏化形成層がベース層及びドレイン層に接していることを特徴とする、請求項1記載の炭化珪素半導体素子。
  3. 空乏化形成層が表面導電層の上に形成されていることを特徴とする、請求項2記載の炭化珪素半導体素子。
  4. ドリフト層が第2導電型の半導体活性層の表層に形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体素子。
  5. 空乏化形成層における第2導電型のキャリア濃度が、表面導電層における第1導電型のキャリア濃度と実質的に等しいことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体素子。
  6. 空乏化形成層の厚みが、表面導電層の厚みと実質的に等しいことを特徴とする、請求項5記載の炭化珪素半導体素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012134284A (ja) * 2010-12-21 2012-07-12 Renesas Electronics Corp 半導体装置およびその製造方法
WO2012157025A1 (ja) * 2011-05-17 2012-11-22 トヨタ自動車株式会社 半導体装置
KR20160027290A (ko) * 2014-08-28 2016-03-10 한국전기연구원 절연 또는 반절연 SiC 기판에 구현된 SiC 반도체 소자 및 그 제조 방법

Cited By (4)

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