JP2004252384A - 反射シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フィルム上に、フィルムと同成分のバインダー樹脂と微粒子とを用い、好ましくは共押し出し法にて凹凸層を形成し、上記凹凸層上に反射層として好ましくは下地層、銀を主体とする金属層、透明酸化物層を順に積層する。得られた反射シートは、反りも反射ヘイズの変化も殆ど示さない。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射率及び耐久性に優れる反射シート、及びそれを利用した液晶表示装置などに適用されるサイドライト型の面光源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在広く使用されている液晶ディスプレイは、光源にバックライトを用いる透過型液晶ディスプレイである。この液晶ディスプレイにおける表示の見やすさは、液晶自身の性能もさることながら、バックライトの性能によるところも大きくなっている。バックライトの方式は近年の液晶ディスプレイのさらなる軽量、薄型化が必須事項となっていることや、輝度の均一性や、光源からの熱が液晶パネルに伝達しにくいなどの理由より、光源の前方に反射板を置く直下型ではなく、導光板を用い、その一端に配置された光源からの光を多重反射させることで面光源化するサイドライト式バックライトが多く用いられており、特開平11−64613号公報(特許文献1)、特開2000−52473号公報(特許文献2)、特開2000−131511号公報(特許文献3)等の報告がある。
【0003】
最近になり、導光板の下には、バックライトの輝度を向上させるため、表面を粗面化したフィルムに金属を蒸着したシートが開発されたが、表面の粗面化に際し、ポリエステルやアクリル系の樹脂に有機粒子や無機フィラーなどを塗工により分散させることにより行った場合、バックライト装置などに用いるとシート自体の反りや、拡散反射率の経時的変化などが発生する問題があった。
【0004】
【特許文献1】特開平11−64613号公報
【特許文献2】特開2000−52473号公報
【特許文献3】特開2000−131511号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の反りや、反射ヘイズ値の変化を抑制した反射シートを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、驚くべきことに、下記のような構成の反射シートを使うことで上記の課題を解決出来ることを見いだした。
【0007】
すなわち本発明は、
(1)少なくとも高分子フィルム(A)と高分子フィルム(A)と、
同成分のバインダー樹脂(B1)を主成分とする樹脂からなる凹凸層(B)と、反射層(F)とがA/B/Fの順に配置された反射シートであって、
80℃、2時間の加熱後、室温冷却した時に、シートの四隅の反りがシート一辺の長さの1%以下である反射シートであり、
(2)100℃、2時間の加熱後、室温冷却した時の、波長550nmにおける全反射率に対する拡散反射率の割合(反射ヘイズ値)と、加熱処理前との反射ヘイズ値との差が加熱前の反射ヘイズの20%以下であることを特徴反射シート、
(3)凹凸層(B)がバインダー樹脂(B1)と微粒子(B2)とからなり、微粒子(B2)の径が0.1〜50μmであることを特徴とする反射シートであり、
(4)高分子フィルム(A)と凹凸層(B)とが一体成形された反射シートであり、
(5)反射層(F)側から測定した、波長550nmにおける反射ヘイズ値が1〜50%であることを特徴とする反射シートに関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の反射シートは高分子フィルム(A)と好ましくは(A)と同成分のバインダー樹脂を主成分とする樹脂からなる凹凸層(B)と反射層(F)とからなる。ここで凹凸層(B)は、バインダー樹脂(B1)と微粒子とから形成されることが好ましい。また好ましくはその反射層(F)が、下地層、銀を主体とする金属層、透明酸化物層の3種類以上の層からなる構造を有する。尚、本発明における樹脂とは樹脂組成物の意味を含有することがある。
【0009】
本発明の反射シートの一例を図1に示した。すなわち、高分子フィルム30上に凹凸層20が形成され、凹凸層20上に反射層10が形成された構成を有している。
【0010】
該反射シートにおいて使用される高分子フィルム(A)は、例えばポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ビスフェノールA系ポリカーボネートなどのポリカーボネート類、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、セルローストリアセテートなどのセルロース誘導体類、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリイミド類、ポリアミド類、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、フッ素系樹脂などの各種プラスチックからなるフィルムが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではなく、ガラス転移点および/または融点が、室温以上、好ましくは使用する温度付近以上、具体的には80℃以上、更には100℃以上のものが好ましく用いられる。なかでもポリエチレンテレフタラートが好ましい。
【0011】
使用される高分子フィルム(A)の厚みは、ある程度シートにコシがあれば、特に限定されるものではないが、通常は10〜200μm程度である。また、高分子フィルム(A)の色に特に制限は無いが、なかでも白色のものが好ましい。
【0012】
本発明の微粒子(B2)としては、例えば、アクリル、ポリスチレン、ビニルベンゼン、ポリメタクリル酸メチル、スチレンメタクリレート、スチレンアクリレート、スチレンブタジエン等の高分子(有機)粒子をはじめ、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化鉛(鉛白)、酸化亜鉛(亜鉛華)、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、チタン酸カリウム、ケイ酸ソーダなどからなる無機微粒子や、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモンなどの導電性透明微粒子なども用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。これらは後述するバインダー樹脂(B1)樹脂との密着性、分散性、相溶性を考慮して適宜選択される。使用する粒子の大きさは、通常、0.1〜50μm、好ましくは0.1μm以上、15μm以下、更に好ましくは0.1μm以上、3μm以下が望ましく、また径分布は粒径の標準偏差の平均粒径に対する割合は50%以下が好ましい。
【0013】
本発明のバインダー樹脂(B1)は、高分子フィルム(A)と同成分の樹脂を用いることが肝要である。本発明において同成分とは、分子量や、一次構造が必ずしも同一である必要はないが、樹脂の構成単位が実質的に同一であることを指す。好ましくは一次構造が同類であり、具体的には直鎖構造もしくは分岐構造であることが好ましい。架橋構造だと、樹脂の溶融粘度が高過ぎて、後述する一体成形が困難になることがある。
【0014】
上記の高分子フィルム(A)やバインダー樹脂(B1)には、公知の酸化防止剤や耐熱安定剤、ハロゲン化物吸収剤、紫外線吸収剤などの光安定剤等が含有されていても良い。また、後述する成形を行う際に、これらを併せて用いることもできる。その含有量は0.01質量%〜5質量%の範囲である。
【0015】
バインダー樹脂(B1)と微粒子(B2)とから凹凸層(B)を形成する方法としては、公知の方法により形成することができるが、バインダー樹脂(B1)と微粒子(B2)とを、少なくとも「混合する」、「バインダー樹脂が溶融状態となる」プロセスを経て、高分子フィルム(A)上に形成する。高分子フィルム(A)と凹凸層(B)とは、公知の粘着材や接着剤で形成されていても良いが、溶着などの方法で、高分子フィルム(A)と直接接合していることが好ましい。特には、高分子フィルム(A)と凹凸層(B)とを同時に成形して一体化する方法、具体的には共押し出し法で形成することが好ましい。
【0016】
通常これら、微粒子(B2)とバインダー樹脂(B1)とを「混合」および「バインダー樹脂の溶融化」するためには二軸混錬機を用いることが好ましい。バインダー樹脂(B1)と、微粒子(B2)との混錬時の温度は、使用するバインダー樹脂によって異なるが、バインダー樹脂のガラス転移温度および/または融点付近もしくはそれ以上の温度で、バインダー樹脂分解や、フィラー微粒子の変形、分解が起こらない温度であれば問題無い。また、バインダー樹脂(B1)と微粒子(B2)の使用量は、それらの種類と所望の拡散反射率によって異なるが、混錬中や製膜中に粒子の凝集が発生しない様に設定される。一般的にはバインダー樹脂(B1)100質量部に対して、微粒子(B2)が0.01質量部以上、10質量部以下、好ましくは0.01質量部以上、3質量部以下であることが好ましい。また、必要に応じてぬれ剤や増粘剤、分散剤、消泡剤などの添加剤も加えられることもある。
【0017】
上記の粒子混錬樹脂を凹凸層(B)に成形する方法としては、複数のダイスを持つ共押し出し一軸、或いは、二軸成形機で粒子混練樹脂と高分子フィルム(A)の原料樹脂の共押し出しフィルムを製造する方法が挙げられる。必要に応じて、一軸延伸装置や二軸延伸装置を用いて延伸処理を行っても良いが特に限定はされない。なかでも、加熱時の収縮率に差が出にくい共押し出し成形機と二軸延伸装置を組み合わせた共押し出し二軸延伸機による成形が好ましい。
【0018】
他に凹凸層(B)を形成する方法としては、微粒子(B2)を使用しない方法もあり、公知のTダイ成形機で製造したフィルムやシートの片面に、凹凸付きローラーなどでエンボス加工を施し、必要に応じて延伸処理を行う方法を挙げることもできる。この場合、本発明では高分子フィルム(A)が、バインダー樹脂(B1)の役割も果たしていると見なす。
【0019】
本発明の反射シートは、例えば上記の様な方法により作製した凹凸層(B)上に反射層(F)を形成することにより得られる。反射層(F)は銀を主体とする金属層が好ましいが、凹凸層(B)との密着性や、銀が凝集したり、酸素、塩素、硫黄などで変性して反射率が低下することを考慮し、銀を主体とする金属層の両側に、下地層と透明酸化物層が存在する構成であることが好ましい。この際、下地層は凹凸層(B)上に形成される。
【0020】
上記の下地層には、金、銅、ニッケル、鉄、コバルト、タングステン、モリブデン、タンタル、クロム、インジウム、マンガン、チタン、パラジウムなどの金属単体、または、酸化アルミニウムが0〜5重量%ドープされた酸化亜鉛もしくはインジウムとスズの酸化物(ITO)などの透明酸化物が好ましく用いられる。これらの物質は2種以上用いても良いし、2層以上形成しても良い。
【0021】
上記の銀を主体とする金属層には、基本的には銀単体であることが望ましいが、その性能に害を及ぼさない程度の金、銅、ニッケル、鉄、コバルト、タングステン、モリブデン、タンタル、クロム、インジウム、マンガン、チタン、パラジウム、ネオジウムなどの金属不純物が含まれても良い。これらの物質は2種以上用いても良いし、2層以上形成しても良い。
【0022】
上記の透明酸化物層には、公知の透明酸化物を用いることが出来、特に酸化アルミニウムが0〜5重量%ドープされた酸化亜鉛もしくはインジウムとスズの酸化物(ITO)、二酸化珪素などの透明酸化物が好ましく用いられる。これらの物質は2種以上用いても良いし、2層以上形成しても良い。
【0023】
上記の金属(酸化物)薄膜層の形成法は、湿式法及び乾式法がある。湿式法とはメッキ法の総称であり、溶液から金属を析出させ膜を形成する方法である。具体例をあげるとすれば、銀鏡反応などがある。一方、乾式法とは、真空成膜法の総称であり、具体的に例示するとすれば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などがある。とりわけ、本発明には連続的に成膜するロール・ツー・ロール方式が可能な真空成膜法が好ましく用いられる。
【0024】
真空蒸着法では、金属の原材料を電子ビーム、抵抗加熱、誘導加熱などで溶融させ、蒸気圧を上昇させ、好ましくは13.3mPa(0.1mTorr)以下で基材表面に蒸発させる。この際に、アルゴンなどのガスを13.3mPa以上導入させ、高周波もしくは直流のグロー放電を起こしても良い。
【0025】
スパッタ法には、DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法、ECRスパッタ法、コンベンショナルRFスパッタ法、コンベンショナルDCスパッタ法などを使用しうる。
【0026】
スパッタ法においては、原材料は金属の板状のターゲットを用いればよく、スパッタガスにはヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなどを使用しうるが、好ましくはアルゴンが用いられる。ガスの純度は99%以上が好ましいが、より好ましくは99.5%以上である。また、透明酸化膜の形成には、真空成膜法が好ましく用いられる。主に、スパッタ法が使用され、スパッタガスには、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなどを使用し、場合においては酸素ガスを用いて行うこともある。
【0027】
凹凸層(B)上に成形する反射層(F)の厚さは、反射シートとした際に光線透過率が1%未満になるように考慮して決められる。
【0028】
上記の下地層において、金属層を用いた場合、その厚みは、5〜50nmが好ましく、より好ましくは5〜30nmである。該層の厚みが5nmより薄い場合は、所望のバリヤー効果が得られず、上記の銀を主体とする金属層に凝集を発生させる。また、50nmより厚くしてもその効果に変化が無い。また、透明酸化物を用いた場合、該層の厚みは、1〜20nmが好ましく、さらに好ましくは、5〜10nmである。かかる層の厚みが1nmより薄い場合は、所望のバリヤー効果が得られず、当該銀を主体とする金属層に凝集を発生させることがあったり、銀を主体とする金属層が凹凸層(B)から剥がれ易くなることがある。また、10nmより厚くしてもその効果に変化が無い。
【0029】
上記の銀を主体とする金属層の厚みは、70〜400nmが好ましく、より好ましくは100〜300nm、さらに好ましくは100〜250nmである。かかる層の厚みが70nmより薄い場合は、十分な金属層の形成が出来ていないため、所望の反射率を得ることが出来ない。また、400nmより厚くしてもその効果に変化はない。
【0030】
上記の透明酸化物層において、該層の厚みは、1〜20nmが好ましく、さらに好ましくは、5〜10nmである。かかる層の厚みが1nmより薄い場合は、所望のバリヤー効果が得られず、銀を主体とする金属層に凝集が起きたり、酸素、塩素、硫黄などによる腐食が起きることがある。また、20nmより厚くしてもその効果に変化はない。
【0031】
本発明の反射シートにおける反射層は、本来の目的を損なわない範囲で他の層が形成されていても良い。例えば、ハードコート層、防錆層や、銀を主体とする金属層と凹凸層(B)との密着強度を高める等の目的で用いられる他の金属薄膜層が挙げられる。その層数は製造コストとの関連から5層以下が好ましいが、特に限定はされない。
【0032】
前記各層の膜厚の測定方法としては、触針粗さ計、繰り返し反射干渉計、マイクロバランス、水晶振動子法などを用いる方法があり、特に水晶振動子法では成膜中に膜厚が測定可能であるため所望の膜厚を得るのに適している。また、前もって成膜の条件を定めておき、試料基材上に成膜を行い、成膜時間と膜厚の関係を調べた上で、成膜時間により膜厚を制御する方法もある。
【0033】
上記のように形成した反射シートを、透明酸化物層側から反射率を測定すると、波長550nmにおいて、通常85〜99%である。より好ましくは90〜99%である。ここでは、反射率の上限を99%としたが、反射率は高いほど好ましく、さらに高屈折率と低屈折率の薄膜を交互に積層して増反射膜を形成するなどして99%を超える反射率を実現することはコストとの兼ね合いもあるが性能的には非常に好ましいといえる。
【0034】
本発明の反射シートの突起数は、1mm2当たり2個以上、5000個以下、好ましくは2500個以下、より好ましくは、1000個以下、特に好ましくは800個以下である。
【0035】
本発明の反射シートは、加熱冷却後にシートの反りがシート一辺の長さの1%以下である。その測定は以下のようにして行われる。
【0036】
上記の反射シートを10cm角の大きさに切り出し、80℃雰囲気で、2時間保持し、室温にて好ましくは1時間以上放冷し、四隅の反りを測定する。その反りの値は、反射シート一辺の長さの1%以下であり、好ましくは0.5%以下である。
【0037】
反射シートは、熱による変形で、拡散反射率が変化することがあるが、本発明の反射シートは、100℃の雰囲気下で2時間保持した後に測定した反射ヘイズ値と、加熱前の反射ヘイズ値との差が、加熱前の反射ヘイズ値の20%以下、好ましくは15%以下、特に好ましくは10%以下である。
【0038】
本発明の反射シートは、高い温度で使用しても反射ヘイズ値の変化が少ないため、例えば、液晶表示装置に使用した場合、経時的な画面の明るさや輝度ムラの変化が少なく、長期にわたって美しい画像を提供することが出来る。
【0039】
本発明の反射シートは、好ましくは反射ヘイズ値が1〜50%である。好ましくは1〜25%、より好ましくは1〜20%、特に好ましくは1〜15%である。本発明の反射シートは上記の様に反射ヘイズ値が比較的低いことが好ましく、例えば液晶表示装置に使用した場合、高い輝度で視野角の広い画像を提供することが出来る。
【0040】
本発明の反射シートは、サイドライト型バックライト装置に用いることが出来る。具体的には、上記のように作製した反射シートを導光板の下面に配置し、金属薄膜層側を上面として設置することを特徴とする。バックライト装置としては、サイドライト型として一般的に用いられている構成を上記以外は特に制限無く使用する事が出来る。
【0041】
特に上記の導光板として、その表面にプリズム形状やドット形状の凹凸を有するものが好ましい。上記の形状の密度は一様である必要はなく光源付近が密であったり、周辺部が密であることが好ましい場合がある。また上記の凹凸はランダムに配置されていても規則的に整列していても良い。上記の様な導光板と本発明の反射シートを組み合わせて用いたサイドライト型バックライト装置は、その視野角が広くなる効果を発現することがあるので好ましく用いられる。
【0042】
上記のサイドライト型バックライト装置は、本発明の反射シートを使用することで、反射面に歪みが生じた場合でも、輝度ムラが発生し難く、また、高い輝度を長期間実現することができる。
【0043】
本発明の反射シートは、液晶表示装置に用いることもできる。この液晶表示装置は、上記のサイドライト型バックライト装置を用いたものであることが好ましい。
【0044】
本発明の反射シートは、他にLEDバックライト、プロジェクションテレビ、フロントライトの他、PDAや携帯電話等の直下型表示装置のランプリフレクターにも適用できる。また、反射率が高いことから、太陽電池の集光体材料として利用することもできる。他には、軽量、耐衝撃性を求められるストロボ、信号表示、自動車のライト、蛍光灯、懐中電灯や高品位を求められるシャンデリア照明用リフレクターの他、カーブミラーやバックミラーとして用いることもできる。
【0045】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
平均粒子径1.8μmのアクリル粒子とバインダーのPET樹脂とを、粒子の割合が1%になるように混合した樹脂組成物と粒子の入っていないPET樹脂とを用いて、2つのダイスを持つ共押出機と二軸延伸機によってPETフィルム上に上記樹脂組成物によって形成された凹凸層を有するフィルムを作成した。総厚50μmであった。
【0046】
次に、このフィルムの凹凸層上にDCマグネトロンスパッタ法で、2%のAl2O3がドープされた酸化亜鉛(純度99.9%)をターゲットとし、純度99.5%のアルゴンをスパッタガスとして、酸化亜鉛を膜厚5nmになるように形成した。続いて、このフィルムをスパッタ装置から取り出すことなく、同様にDCマグネトロンスパッタ法で、純度99.9%の銀をターゲットととし、純度99.5%のアルゴンをスパッタガスとして銀を膜厚200nmになるように成形した。続いて、このフィルムをスパッタ装置からと取り出すことなく、DCマグネトロンスパッタ法で、2%のAl2O3がドープされた酸化亜鉛(純度99.9%)をターゲットとし、純度99.5%のアルゴンをスパッタガスとして、酸化亜鉛を膜厚5nmになるように形成し、図1に示すような所望の反射シートを得た。この反射シートを日立自記分光光度計(型式U―3010)に150φの積分球を設置し、550nmにおける反射層側から測定した全反射率、拡散反射率は、反射率97.7%、拡散反射率4.6%であり、反射ヘイズは4.7%であった。測定後の反射シートを、10cm角に切りだし、80℃のオーブンに入れ2時間放置した。2時間経過後、シートを取り出して室温(23℃)にて3時間静置し、シートの四隅の浮き量を測定した所、シートの反りによる浮きは観測されず、平坦なシートのままであった。観察した結果を表1に示す。
実施例2
平均粒子径1.8μmのアクリル粒子とバインダーのPET樹脂とを混合樹脂中でで、粒子の割合が10%になるようにした以外は実施例1と同様にして総厚50μmのPETフィルム上に凹凸層を得た。次に、実施例1に準じて反射層の作成を行い、出来た反射シートの反射率の測定を行ったところ、全反射率は97.2%、拡散反射率は13.8%であり、反射ヘイズは14.2%であった。次に、実施例1と同様の条件でオーブンに2時間放置後、シートを取り出して室温(23℃)にて3時間静置し、シートの四隅の浮き量を測定した所、シートの反りによる浮きは観測されず、平坦なシートのままであった。また概シートを100℃のオーブンに入れ2時間放置した。2時間経過後、シートを取り出して室温にて24時間静置後、反射率を測定した結果、全反射率は97.1%、拡散反射率は13.5%であり、反射ヘイズは13.9%で試験前とほとんど変化が無かった。結果を表1に示す。
比較例1
平均粒子径が5μmであるアクリル粒子を、バインダーとしてアクリル系樹脂を用い、バインダーに対しアクリル粒子の配合量を0.05wt%とし、固形分比が35%になるようにトルエンとエチルメチルケトンからなる溶剤を用いて溶液を調合した後、50μmのPETフィルム上に塗布を行い凹凸層を得た。凹凸層上に実施例1と同様にして反射層を作成し、反射シートを得た。反射率を測定したところ、全反射率として、94.3%、拡散反射率として4.4%、反射ヘイズとして4.7%を得た。実施例1と同様の条件でオーブンに2時間放置後、シートを取り出して室温(23℃)にて3時間静置し、シートの四隅の浮き量を測定した所、平均で4.6mmのシートの反りによる浮きが発生した。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】
本発明の反射シートは、高反射率を示すとともに、熱耐久性に優れ、従来の反射シートに比べ熱による寸法安定性、反射率の変化に優れることから、本発明の工業的意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に於ける反射シートの一例を示す断面図
【符号の説明】
10 反射層
20 凹凸層
30 高分子フィルム
Claims (5)
- 少なくとも高分子フィルム(A)と、
高分子フィルム(A)と同成分のバインダー樹脂(B1)を主成分とする樹脂からなる凹凸層(B)と、
反射層(F)とがA/B/Fの順に配置された反射シートであって、
10cm角のサンプルにおいて80℃、2時間の加熱後、室温冷却した時に、シートの四隅の反りがシート一辺の長さの1%以下である反射シート。 - 100℃、2時間の加熱後、室温冷却した時の波長550nmにおける全反射率に対する拡散反射率の割合(反射ヘイズ値)と、加熱処理前との反射ヘイズ値との差が加熱前の反射ヘイズの20%以下であることを特徴とする請求項1に記載の反射シート。
- 凹凸層(B)が、バインダー樹脂(B1)と微粒子(B2)とからなり、微粒子(B2)の径が0.1〜50μmであることを特徴とする請求項1に記載の反射シート。
- 高分子フィルム(A)と凹凸層(B)とが一体成形された請求項1に記載の反射シート。
- 反射層(F)側から測定した、波長550nmにおける反射ヘイズ値が1〜50%であることを特徴とする請求項1に記載の反射シート。
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