JP2004252273A - 表示装置およびそれに用いられる回路装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フレーム画像の各画素が複数のサブフレームに亘って構成されるときに色再現性の高い表示が可能な表示装置およびそれに用いられる回路装置を提供する。
【解決手段】原画像のデータから複数のサブフレーム画像のデータを生成する回路を備え、複数のサブフレーム画像を時分割で表示することによってフレーム画像を合成する表示装置である。フレーム画像を構成する複数の画素のそれぞれは、それぞれが複数のサブフレーム画像のいずれかに属し、相互に空間的に分離された複数のサブ画素から構成されており、各画素を構成する複数のサブ画素は、互いに異なるサブフレーム画像に属する2つのサブ画素を少なくとも含んでいる。上記回路は、原画像のデータから所定の座標毎に参照データを取得し、各画素を構成する前記複数のサブ画素に対して同一座標の参照データを参照して表示データを生成することによって、前記複数のサブフレーム画像のデータを生成する。
【選択図】 図1
【解決手段】原画像のデータから複数のサブフレーム画像のデータを生成する回路を備え、複数のサブフレーム画像を時分割で表示することによってフレーム画像を合成する表示装置である。フレーム画像を構成する複数の画素のそれぞれは、それぞれが複数のサブフレーム画像のいずれかに属し、相互に空間的に分離された複数のサブ画素から構成されており、各画素を構成する複数のサブ画素は、互いに異なるサブフレーム画像に属する2つのサブ画素を少なくとも含んでいる。上記回路は、原画像のデータから所定の座標毎に参照データを取得し、各画素を構成する前記複数のサブ画素に対して同一座標の参照データを参照して表示データを生成することによって、前記複数のサブフレーム画像のデータを生成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示装置およびそれに用いられる回路装置に関し、特に、フレーム画像が複数のサブフレーム画像から合成される表示装置およびそれに用いられる回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像表示装置の画素数を増加させずに解像度を向上させるため、画素ずらし(ウォブリング)を行いながら表示を行う液晶プロジェクター(投影型画像表示装置)が検討されている。このような画像表示装置によれば、偶数サブフレームの画像と奇数サブフレームの画像とが同一の表示パネル上に交互に表示され、一方のサブフレーム画像の位置が光軸振動手段(画像シフト素子)によって他のサブフレーム画像の位置よりも画面垂直方向や水平方向あるいは斜め方向に僅かにシフトさせられる。これにより、実際の画素数の2倍の画素数を備えた画像表示装置の解像度と実効的に同等の解像度を持つ表示が可能になる。
【0003】
このような画像表示装置は、例えば特許文献1に開示されている。
【0004】
この技術では、3原色(R、G、B)に対応した表示画素の位置を、垂直方向、水平方向または斜め方向に光学的にずらし、これに同期してずらした位置に対応した画像を表示するので、観測者にはあたかも、その光学的にずれた位置に画素があるかのように画像が観察される。
【0005】
例えば、図21(a)に示すように、垂直方向の画素ピッチがPv、水平方向の同色画素ピッチがPhで配列された画素を、図21(b)に示すように、垂直方向にPv/2だけ光学的にずらし(シフトさせ)、このシフトに同期して表示するサブフレーム画像を切り替えることによって、図21(c)に示すように、2倍の画素数のフレーム画像を形成することができる。そのため、2倍の画素数を有する表示装置と、ほぼ同等の解像度の画像が得られる。
【0006】
図21(a)に示した画素配列には、表示すべき画像において各画素が占める位置に対応した画素情報からなる画像情報VAが供給される。また、図21(b)に示した画素配列にも同様に、表示すべき画像において各画素が占める位置に対応した画素情報からなる画像情報VBが供給される。画像情報VAと画像情報VBとは、表示すべき画像において互いに垂直方向にPv/2だけずれた位置の画素情報をそれぞれ含むものである。
【0007】
特許文献1には、元の画像情報がインターレース方式のテレビジョン信号である場合、奇数サブフレームの信号と偶数サブフレームの信号とがもともと垂直方向にPv/2だけずれた位置の画素情報となっているので、奇数サブフレームの信号を画像情報VA、偶数サブフレームの信号を画像情報VBとして用いることができ、表示装置に供給する信号は従来のものと同様でよいと記載されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−324320号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、画像のシフト方向やシフト量あるいはシフト位置の数(サブフレーム画像の数)は上記した例に限られず、様々なものを採用することができるので、インターレース方式のテレビジョン信号をそのまま用いることができないことがある。例えば、各フレーム画像を構成するサブフレーム画像の数が3つ以上の場合や、画像を水平方向、斜め方向にシフトさせる場合、インターレース方式のテレビジョン信号をそのまま用いることはできない。
【0010】
このように、表示すべき画像のデータから複数のサブフレーム画像のデータを形成する方法は必ずしも単純ではない。特に、フレーム画像の各画素を構成する複数のサブ画素(R画素、G画素およびB画素)の一部が他とは異なるサブフレーム画像に属するように、すなわち、各画素が複数のサブフレームに亘って構成されるように画像をシフトさせる場合については、サブフレーム画像の形成方法は複雑であり、これまで詳細な検討は行われてこなかった。
【0011】
このような画像のシフト方法の例を図22(a)〜(c)に示す。
【0012】
図22(a)に示した画素配列を、図22(b)に示すように、垂直方向にPv/2、水平方向にPh/2だけ光学的にシフトさせることによって、図22(c)に示すような画素配列が合成される。このようなシフトを行うと、フレーム画像を構成する各画素は、複数のサブフレームに亘って構成される。例えば、図22(c)中の左上の画素Pに着目すると、画素Pは、図22(a)に示した画素配列におけるG画素およびB画素と、図22(b)に示した画素配列におけるR画素とから構成されている。つまり、この画素Pは、相互に空間的に分離されたR画素、G画素、B画素から構成されているものの、R画素は、G画素およびB画素とは異なるサブフレーム画像に属している。
【0013】
本願発明者は、各画素が複数のサブフレームに亘って構成される場合について鋭意研究を重ねた結果、サブフレーム画像のデータの形成方法に依っては色再現性が低下してしまうことがあることを見出した。
【0014】
図22(a)〜(c)に示したように画像のシフトを行う場合、ある画素を構成する複数のサブ画素(R画素、G画素およびB画素)に対して、それぞれの位置(座標)に対応した原画像の位置(座標)のデータを個別に参照して表示データを生成する方法が考えられる。
【0015】
しかしながら、そのような方法を用いると、サブ画素間の座標の違いに起因して、色ずれが発生することがある。この理由は、フレーム画像のある画素に対応した原画像の領域内に輝度や色の異なる領域が存在すると、その画素を構成する複数のサブ画素のうちの一部のサブ画素に対して他のサブ画素とは輝度や色が異なる領域のデータを参照することになってしまうからである。
【0016】
また、ある画素を構成する複数のサブ画素に対して、それぞれの座標に対応した原画像の座標のデータを個別に参照して表示データを生成する場合、サブ画素の座標に対応した原画像の座標に参照するべきデータが存在しないときがある。
【0017】
このときには、周辺の座標に対する表示データからそのサブ画素に与える表示データを演算によって求める方法が考えられる。例えば、参照するべきデータの存在しないサブ画素が、参照するべきデータの存在する2つのサブ画素の中間に位置している場合には、これら2つのサブ画素に対する表示データの平均値をそのサブ画素に対して与えるという方法である。
【0018】
しかしながら、一般的に、表示データとして与えられるビデオ信号の強度と表示輝度とは、図23に示すように下に凸な曲線で表される関係を有しているので、強度S1およびS3の信号が与えられる2つのサブ画素の中間に位置するサブ画素に対して、単にS1およびS3の平均値S2の信号を与えても、表示輝度はS1およびS3に対応した輝度L1およびL3の平均輝度L2´ではなく、それよりも低い輝度L2となってしまう。そのため、ある画素を構成する複数のサブ画素の一部にこのようにして表示データを与えると、色ずれが発生してしまう。
【0019】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、フレーム画像の各画素が複数のサブフレームに亘って構成されるときに色再現性の高い表示が可能な表示装置およびそれに用いられる回路装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明による表示装置は、原画像のデータから複数のサブフレーム画像のデータを生成する回路を備え、前記複数のサブフレーム画像を時分割で表示することによってフレーム画像を合成する表示装置であって、前記フレーム画像を構成する複数の画素のそれぞれは、それぞれが前記複数のサブフレーム画像のいずれかに属し、相互に空間的に分離された複数のサブ画素から構成されており、各画素を構成する前記複数のサブ画素は、互いに異なるサブフレーム画像に属する2つのサブ画素を少なくとも含み、前記回路は、原画像のデータから所定の座標毎に参照データを取得し、各画素を構成する前記複数のサブ画素に対して同一座標の参照データを参照して表示データを生成することによって、前記複数のサブフレーム画像のデータを生成し、そのことによって上記目的が達成される。
【0021】
各画素を構成する前記複数のサブ画素に対して前記回路によって参照される前記同一座標の参照データは、前記複数のサブ画素のうちの1つのサブ画素の座標の参照データであってもよい。
【0022】
各画素を構成する前記複数のサブ画素に対して前記回路によって参照される前記同一座標の参照データは、前記複数のサブ画素から構成される画素の重心の座標の参照データであってもよい。
【0023】
あるいは、本発明による表示装置は、原画像のデータから複数のサブフレーム画像のデータを生成する回路を備え、前記複数のサブフレーム画像を時分割で表示させることによってフレーム画像を合成する表示装置であって、前記フレーム画像を構成する複数の画素のそれぞれは、それぞれが前記複数のサブフレーム画像のいずれかに属し、相互に空間的に分離された複数のサブ画素から構成されており、各画素を構成する前記複数のサブ画素は、互いに異なるサブフレーム画像に属する2つのサブ画素を少なくとも含み、前記回路は、原画像のデータから所定の座標毎に参照データを取得し、各画素を構成する前記複数のサブ画素に対してそれぞれの座標の参照データを参照して表示データを生成することによって前記複数のサブフレーム画像のデータを生成する回路であって、前記回路は、さらに、参照すべき参照データが存在しないサブ画素に対して、そのサブ画素とその周辺のサブ画素との相対配置関係と、前記周辺のサブ画素に対して参照される参照データとに基づいて演算を行うことによって表示データを生成し、前記演算は、表示データとして与えられる信号の強度と表示輝度との非線形の関係を線形の関係に補正してから行われ、そのことによって上記目的が達成される。
【0024】
前記フレーム画像を合成する前記複数のサブフレーム画像のうちの選択されたサブフレーム画像に属するサブ画素を、その他のサブフレーム画像に属するサブ画素に重ならないように光学的にシフトさせる光学シフト素子をさらに備えてもよい。
【0025】
本発明による回路装置は、複数のサブフレーム画像を時分割で表示することによってフレーム画像を合成し、前記フレーム画像を構成する複数の画素のそれぞれは、それぞれが前記複数のサブフレーム画像のいずれかに属し、相互に空間的に分離された複数のサブ画素から構成されており、各画素を構成する前記複数のサブ画素は、互いに異なるサブフレーム画像に属する2つのサブ画素を少なくとも含む、表示装置に用いられ、原画像のデータから前記複数のサブフレーム画像のデータを生成する回路装置であって、原画像のデータから所定の座標毎に参照データを取得し、各画素を構成する前記複数のサブ画素に対して同一座標の参照データを参照して表示データを生成することによって、前記複数のサブフレーム画像のデータを生成し、そのことによって上記目的が達成される。
【0026】
あるいは、本発明による回路装置は、複数のサブフレーム画像を時分割で表示することによってフレーム画像を合成し、前記フレーム画像を構成する複数の画素のそれぞれは、それぞれが前記複数のサブフレーム画像のいずれかに属し、相互に空間的に分離された複数のサブ画素から構成されており、各画素を構成する前記複数のサブ画素は、互いに異なるサブフレーム画像に属する2つのサブ画素を少なくとも含む、表示装置に用いられ、原画像のデータから前記複数のサブフレーム画像のデータを生成する回路装置であって、原画像のデータから所定の座標毎に参照データを取得し、各画素を構成する前記複数のサブ画素に対してそれぞれの座標の参照データを参照して表示データを生成することによって前記複数のサブフレーム画像のデータを生成し、さらに、参照すべき参照データが存在しないサブ画素に対して、そのサブ画素とその周辺のサブ画素との相対配置関係と、前記周辺のサブ画素に対して参照される参照データとに基づいて演算を行うことによって表示データを生成し、前記演算は、表示データとして与えられる信号の強度と表示輝度との非線形の関係を線形の関係に補正してから行われ、そのことによって上記目的が達成される。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明による表示装置では、表示すべき画像(原画像)のデータから複数のサブフレーム画像のデータを生成し、複数のサブフレーム画像を時分割で表示することによってフレーム画像を合成(形成)する。
【0028】
典型的には、これらのサブフレーム画像をそれぞれに属する画素(「サブ画素」と称する)が互いに重ならないように、表示の切り替えに同期してシフトさせることによって、見かけ上の画素数を多くして解像度を向上させる。サブフレーム画像のシフトは、光学シフト素子によって行われる。光学シフト素子は、サブフレーム画像を表示する素子(例えば画像表示パネル)の前面側に配置され、その素子によって変調された光の光路を周期的・規則的に変化させる。
【0029】
フレーム画像を構成する各「画素」は、相互に空間的に分離された複数の「サブ画素」から構成されるが、これら複数のサブ画素は、人間の視覚による空間的分解能よりも小さな領域内に配列されているので、相互に空間的に分離されているにもかかわらず、人間の目には1つの画素が構成されるように認識される。
【0030】
また、1つの画素を構成する複数のサブ画素のうちの一部のサブ画素は、その他のサブ画素とは異なるサブフレーム画像に属しており、異なるタイミングで表示されるが、複数のサブフレーム画像は人間の視覚の時間分解能以下の短い時間単位で時分割表示されるため、これらの複数のサブ画素は、残像によって人間の目には1つの画素として認識される。
【0031】
本発明による表示装置は、原画像のデータから複数のサブフレーム画像のデータを生成する回路(回路装置)を備えている。この回路は、原画像のデータから所定の座標毎に参照データを取得し、各画素を構成する複数のサブ画素に対して同一座標の参照データに基づいた表示データを生成することによって、複数のサブフレーム画像のデータを生成する。ある画素を構成する複数のサブ画素に対して参照される参照データは、例えば、その画素を構成するサブ画素のうちの1つのサブ画素の座標の参照データや、あるいは、その画素の重心の座標の参照データである。なお、本願明細書においては、原画像内での位置を示す「座標」も、フレーム画像内での位置を示す「座標」も、特にことわらない限り単に「座標」と表記する。
【0032】
このように、本発明による表示装置では、各画素を構成する複数のサブ画素に対して、同一座標の参照データに基づいた表示データが生成されるので、サブ画素間の位置(座標)の違いに起因した色ずれが発生しない。そのため、色再現性の高い表示が実現される。
【0033】
あるいは、本発明による表示装置が備える回路は、原画像のデータから所定の座標毎に参照データを取得し、各画素を構成する複数のサブ画素に対してそれぞれの座標の参照データを参照して表示データを生成することによって複数のサブフレーム画像のデータを生成する回路である。この回路は、参照すべき参照データが存在しないサブ画素に対して、そのサブ画素とその周辺のサブ画素との相対配置関係と、周辺のサブ画素に対して参照される参照データとに基づいて演算を行うことによって表示データを生成する。さらに、この演算は、表示データとして与えられる信号の強度と表示輝度との非線形の関係を線形の関係に補正してから行われるので、参照すべき参照データが存在しないサブ画素に対しても、信号強度と表示輝度との非線形の関係に起因した輝度ずれのない表示データを生成することができ、色再現性の高い表示が実現される。
【0034】
以下、投影型の画像表示装置を例にとり、本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、本発明の適用範囲は投影型画像表示装置に限定されず、ビュワーやヘッド・マウント・ディスプレイなどの直視型画像表示装置にも好適に適用される。また、以下では画像をシフトさせる光学シフト素子を備えた表示装置を例に説明するが、光学シフト素子を備えていない表示装置にも本発明を用いることができる。
【0035】
(実施形態1)
まず、図1を参照しながら、本発明による表示装置の第1の実施形態を説明する。図1は、本実施形態における表示装置100を模式的に示している。
【0036】
表示装置100は、図1に示すように、光源1と、液晶表示パネル8と、光源1からの光を波長域に応じて液晶表示パネル8の対応する画素領域に集光させる光制御手段と、液晶表示パネル8によって変調された光を被投影面上に投射する投影光学系とを備えている。
【0037】
表示装置100は、さらに、光源1から後方に出た光(白色光)を前方に反射する球面鏡2と、光源1および球面鏡2からの光を平行光束にするコンデンサーレンズ3と、この光束を波長域に応じて複数の光束に分離するダイクロイックミラー4〜6を備えている。ダイクロイックミラー4〜6によって反射された光は、波長域に応じて異なる角度でマイクロレンズアレイ7に入射する。マイクロレンズアレイ7は液晶表示パネル8の光源側基板に取りつけられており、異なる角度でマイクロレンズ7に入射した光は、それぞれ異なる位置の対応する画素領域に集められる。
【0038】
表示装置100の投影光学系は、フィールドレンズ9および投影レンズ11を備えており、液晶表示パネル8を透過した光束12をスクリーン(被投影面)13に投射する。本実施形態では、フィールドレンズ9と投影レンズ11との間に、光学シフト素子10が配置されている。図1には、光学シフト素子10によって被投影面に平行な方向にシフトされた光束12a、12bが示されている。光束のシフトを行うには、光学シフト素子10は液晶表示パネル8とスクリーン13との間の何れかの位置に挿入されていればよく、投影レンズ11とスクリーン13との間に配置されていても良い。
【0039】
次に、表示装置100の各構成要素を順番に説明する。
【0040】
本実施形態においては、光源1として、光出力150W、アーク長5mm、アーク径2.2mmのメタルハライドランプを用い、このランプをアーク長方向が図面の紙面と平行となるように配置している。光源1としては、メタルハライドランプ以外に、ハロゲンランプ、超高圧水銀ランプ、またはキセノンランプ等を用いても良い。本実施形態で使用する光源1は三原色に対応する3つの波長域の光を含む白色光を放射する。
【0041】
光源1の背面には球面鏡2が配置され、光源1の前面には口径80mmφ、焦点距離60mmのコンデンサーレンズ3が配置されている。球面鏡2は、その中心が光源1の発光部の中心と一致するように配置されており、コンデンサーレンズ3は、その焦点が光源1の中心と一致するように配置されている。
【0042】
このような配置構成により、光源1から出射された光は、コンデンサーレンズ3によって平行化され、液晶表示パネル8を照らすことになる。コンデンサーレンズ3を通過した光の平行度は、例えばアーク長方向(図1の紙面に平行な方向)に約2.2°、アーク径方向に約1°となる。
【0043】
本実施形態で使用する液晶表示パネル8は、光源側の透明基板上にマイクロレンズアレイ7が配置された透過型液晶表示素子である。液晶の種類や動作モードは任意であるが、高速動作し得るものであることが好ましい。本実施形態ではTN(ツイステッド・ネマティック)モードで動作する。液晶表示パネル8には、光を変調するための複数の画素領域が設けられているが、本願明細書における「画素領域」とは、画像表示パネルにおいて空間的に分離された個々の光変調部を意味する。液晶表示パネル8の場合は、個々の画素領域に対応する画素電極によって液晶層の対応部分に電圧が印加され、その部分の光学特性が変化することによって光の変調が行われる。
【0044】
この液晶表示パネル8では、例えば768(H)×768(V)の走査線がノンインターレースで駆動される。液晶表示パネル8の画素領域は透明基板上に二次元的に配列されており、本実施形態の場合、画素領域のピッチは水平方向に沿って測定した値は21μm、垂直方向に沿って計測した値は15.75μmである。そして、本実施形態の場合、R用、G用、B用画素領域は、それぞれ画面の水平方向に沿ってストライプ状に配列され、各マイクロレンズが3つの画素領域(R用、G用、B用画素領域)からなるセットに割り当てられている。
【0045】
液晶表示パネル8を照射するR、G、およびB光は、図1に示すように光源1から放射された白色光をダイクロイックミラー4、5および6によって分離したものであり、液晶表示パネル8上のマイクロレンズアレイ7へ異なる角度で入射する。R、G、およびB光の入射角度を適切に設定することにより、図2に示すように、マイクロレンズ7によって各波長域に対応する画素領域へ適切に振り分けられる。本実施形態ではマイクロレンズ7の焦点距離を255μmとし、各光束がなす角度が5.8°になるように設計している。より詳細には、R光は液晶表示パネル8に対して垂直に入射し、B光およびG光は、それぞれ、R光に対して5.8°の角度で入射する。
【0046】
ダイクロイックミラー4、5、および6は、図3に示すような分光特性を有しており、それぞれ緑色(G)、赤色(R)、および青色(B)の光を選択的に反射する。G光の波長域は520〜580nm、R光の波長域は600〜650nm、B光の波長域は420〜480nmである。
【0047】
本実施形態では、3原色の光を対応する画素領域に集めるためにダイクロイックミラー4〜6およびマイクロレンズアレイ7を用いているが、他の光学的な手段(例えば、光の回折・分光機能を付与された透過型ホログラム)を用いても良い。
【0048】
液晶表示パネル8はノンインターレースで駆動されるため、1秒間に60フレームの画像が表示され、各フレームに割り当てられる時間(フレーム期間)Tは1/60秒、すなわち、T=1/60(秒)≒16.6(ミリ秒)となる。
【0049】
なお、インターレースで駆動される場合は、画面内の走査線を偶数ラインと奇数ラインに分け、交互に表示していくため、T=1/30(秒)≒33.3(ミリ秒)となる。また、各フレームを構成する偶数サブフレームおよび奇数サブフレームの各々に割り当てられた時間(1サブフレーム期間)は、1/60≒16.6(ミリ秒)となる。また、インターレース駆動の場合は、あるフィールドの画像が本願明細書における「フレーム画像」と同様に取り扱われ得る。
【0050】
本実施形態の表示装置100は、表示すべき画像(原画像)の情報(データ)を受け取り、その情報を逐次メモリに蓄え、そのメモリから選択的に読み出した情報に基づいて複数のサブフレーム画像を形成するサブフレーム画像生成回路14を備えている。サブフレーム画像生成回路14は、サブフレーム画像を液晶表示パネル8に時分割で表示させる機能も有する。サブフレーム画像生成回路14におけるサブフレーム画像の形成方法は、後述することとする。
【0051】
本発明の実施形態における表示装置100では、1枚の表示パネルにR、G、およびB用画素領域が別々の位置に設けられている。そして、R、G、およびB用データの各々に基づいてR、G、およびB用画素領域で光の変調が行われ、被投影面上にカラー画像が形成されることになる。
【0052】
次に、光学シフト素子10およびサブフレーム画像のシフト方法を説明する。
【0053】
図4および図5は、光学シフト素子10に用いられる光学シフト部10´を模式的に示している。光学シフト部10´は、入射した光の偏光方向を変調する第1の素子g1と、光の偏光方向によって屈折率の異なる第2の素子g2とを有している。本実施形態における第1の素子g1は、液晶層および液晶層に電圧を印加する一対の電極を含む液晶セルから形成された液晶素子であり、光の偏光方向を直交する2つの方向の間で切り替える。また、本実施形態における第2の素子g2は、水晶板である。
【0054】
図4および図5に示されている例では、液晶素子g1に入射する光は垂直方向(紙面に平行な方向)に偏光しているとする。液晶素子g1の液晶層に電圧を印加しない場合には、図4に示すように、液晶素子g1に入射する光は、液晶層によってその偏光方向を90°回転させられる。これに対し、液晶素子g1の液晶層に適切なレベル電圧(例えば5ボルト)を印加している場合は、図5に示すように、光の偏光方向は、光が液晶素子g1を透過する過程で回転しない。なお、ここでは、回転角度が90°である場合を例示しているが、液晶層の設計によっては、回転角度を任意に設定することが可能である。
【0055】
水晶板g2は、単軸結晶であり、複屈折性を持つため、入射光の偏光方向によって異なる屈折率を示す。水晶板g2の光学軸k2は、図4および図5では、水平な面内に含まれているが、水晶板g2の光入射面からは傾斜している。このため、図4に示すように、偏光方向の水平な光が水晶板g2に入射すると、光は光学軸k2を含む面内で屈折し、光は水平方向にΔDだけシフトする。このとき、光の進行方向と水晶板g2の光学軸k2とを含む平面(「主断面」と称される。)が入射光の偏光方向と平行な関係にある。このように偏光方向が主断面に平行な入射光は、水晶板g2にとって「異常光」である。
【0056】
一方、図5に示すように、偏光方向の垂直な光が水晶板g2に入射すると、偏光方向が水晶板g2の光学軸k2(または主断面)と直交するため、光は屈折せず、光のシフトも生じない。この場合、水晶板g2に入射する光は、水晶板g2にとって「常光」である。
【0057】
このように、液晶素子g1の液晶層に電圧を印加するか否かによって、水晶板g2に入射する光の偏光方向を制御し、また、偏光方向の異なる光を水晶板g2に入射させることにより、水晶板g2から出射する光のシフトを調節することができる。
【0058】
光のシフト量ΔDは、水晶板g2の厚さに比例するので、水晶板g2の厚さを調節することによって光のシフト量ΔDを任意の値に設定することができる。なお、第2の素子g2に用いられる材料は、水晶に限定されず、複屈折性を有する一軸結晶であれば如何なるものであってもよい。例えば、ニオブ酸リチウム、方解石、雲母、ルチル(TiO2)、チリ硝石(NaNO3)などの材料を用いることができる。ただし、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)のように表示装置の総重量を小さくする必要がある場合、屈折率異方性(Δn)が相対的に大きなニオブ酸リチウムやルチルを用いることが好ましい。Δnが大きい材料であれば、必要なシフト量を得るために必要な第2の素子の厚さを薄くできるため、小型化および軽量化に適している。
【0059】
上述したように、光学シフト部10´は、図4に示した状態、または、図5に示した状態をとることによって、画像をΔDだけシフトさせることができる。つまり、2つの異なる位置を選択することができる。
【0060】
本実施形態における光学シフト素子10は、図6に示すように、光学シフト部10´を2つ含んでおり、この2つの光学シフト部10´を光路上に直列的に配置することにより、最大で4つの異なる位置を選択できるよう画像をシフトさせることができる。なお、図6では、出射側の光学シフト部10´の第2の素子g2は、光学軸k2の向きが互いに異なる2枚の水晶板g2aおよびg2bを重ね合わせて形成されている。
【0061】
4つの位置の選択は、入射側の液晶素子g1に対する電圧印加状態(ON/OFF)と出射側の液晶素子g1に対する電圧印加状態(ON/OFF)との組み合わせによって行われる。また、4つの位置の間隔、すなわちシフト量は、第2の素子g2の厚さや光学軸k2の設定などによって決定される。
【0062】
入射側の光学シフト部10´の水晶板g2(厚さがa)によるシフト量をΔaとし、出射側の光学シフト部10´の水晶板g2a、g2b(それぞれの厚さがx、y)によるシフト量をΔx、Δyとしたとき、水晶板g2および水晶板g2aの光学軸k2を水平な面内に含まれるように、水晶板g2bの光学軸k2を垂直な面内に含まれるように配置すると、図7に示すように、平行四辺形の頂点に対応する4つの異なる位置A、B、C、Dへのシフトを実現することができる。
【0063】
図7に示した位置A、B、C、Dへのシフトに対応して画素配列がシフトされる様子を図8(a)〜(d)に示す。なお、図8(b)〜(d)には、図8(a)において左上に位置するR画素の位置を基準位置として示している。画素配列を図8(a)〜(d)に示したように互いに重ならないようにシフトさせることによって、観測者には、図8(e)に示すように合成された画素配列(合成画素配列)が観測されることになる。従って、図8(a)〜8(d)に示したシフトに同期してサブフレーム画像を切り替えて表示することによって、図8(e)に示した合成画素配列でフレーム画像を表示することができる。
【0064】
図8(a)〜(d)に示した各々のシフト位置において、サブフレーム画像はR画素、G画素およびB画素によって構成される。サブフレーム画像を構成するこれらR画素、G画素およびB画素は、サブフレーム画像に属する「サブ画素」と称される。また、図8(e)に示した合成画素配列で表示されるフレーム画像においては、相互に空間的に分離された複数のサブ画素(R画素、G画素およびB画素)から構成される「画素」が白を表示する最小の単位として機能する。さらに、本実施形態では、各画素を構成する複数のサブ画素は、他とは異なるサブフレーム画像に属するサブ画素を含んでいる。例えば、図8(e)に示した画素Pに着目すると、この画素Pは、図8(a)に示したシフト位置におけるB画素と、図8(b)に示したシフト位置におけるR画素と、図8(c)に示したシフト位置におけるG画素とから構成されている。
【0065】
本実施形態では、図8(a)に示すように同色画素の水平方向に沿ったピッチをPh、垂直方向に沿ったピッチをPvとしたときに、図7中に示したシフト量Δa、Δx、ΔyがそれぞれPh/2、Ph/6、Pv/2となるように光学シフト素子10が設計されている。従って、図8(b)に示した画素配列は、図8(a)に示した画素配列に比べて水平方向にPh/2だけずれた位置にシフトされ、図8(c)に示した画素配列は、図8(a)に示した画素配列に比べて水平方向にPh/3、垂直方向にPv/2だけずれた位置にシフトされる。また、図8(d)に示した画素配列は、図8(a)に示した画素配列に比べて水平方向にPh/6、垂直方向にPv/2だけずれた位置にシフトされる。
【0066】
光学シフト素子10が有する第2の素子g2の厚さや光学軸K2の傾きなどは、上記のシフト量を実現できるように設定される。例えば、図8(e)に示した合成画素配列において、水平方向に沿った画素ピッチを21μm、垂直方向に沿った画素ピッチを15.75μmとしたとき、図8(a)に示した画素配列から図8(b)に示した画素配列にシフトさせる際の水平方向へのシフト量(図7におけるΔaに相当)は31.5μmとなる。従って、第2の素子g2として、常光屈折率が1.544、異常光屈折率が1.553、光学軸k2の傾斜角度が45°の水晶板を用いた場合、水晶板に必要とされる厚さは、公知の関係式を用いて5.4mmと求められる。
【0067】
次に、表示装置100におけるサブフレーム画像の形成方法を説明する。
【0068】
表示装置100では、表示すべき画像(原画像)のデータから、サブフレーム画像生成回路14によって複数のサブフレーム画像のデータが生成される。表示装置100に入力される原画像のデータは、原画像を構成する画素ごとのデータを含んでいる。原画像のデータは、例えば、R、G、Bに分離された信号(RGB信号)、輝度信号Yと色差信号B−YおよびR−Yに分離された信号(Y−C信号)、色搬送波を色差信号で変調した色信号Cと輝度信号Yを周波数多重化した複合映像信号(コンポジット信号)などを含んでいる。
【0069】
図9に、原画像を構成する画素の配列を模式的に示す。なお、図9では、各画素に座標を付して示している。図9に示したように、原画像を構成する複数の画素は、マトリクス状に配列されており、それぞれの画素は正方形状である。また、本実施形態では、原画像の画素数は1024(H)×768(V)である。
【0070】
一方、フレーム画像を構成する画素の配列を図10に模式的に示す。図10に示したように、フレーム画像の画素は3つのサブ画素(R画素、G画素およびB画素)から構成されており、かぎ状(L字状)の形状を有している。また、本実施形態ではフレーム画像の画素数は1024(H)×768(V)である。
【0071】
サブフレーム画像生成回路14は、原画像のデータに基づいて各サブ画素に対する表示データ(R信号、G信号、B信号)を生成し、そのことによって複数のサブフレーム画像のデータを生成する。本実施形態では、原画像の画素数とフレーム画像の画素数とが同じなので、サブフレーム画像生成回路14は、原画像の画素とフレーム画像の画素とを一対一で対応付け、フレーム画像の各画素を構成する複数のサブ画素に対して、その画素に対応付けられた原画像の画素のデータを参照して表示データを生成する。
【0072】
図11(a)および(b)に、原画像の画素とフレーム画像の画素との対応関係を示す。図11(a)は原画像を構成する複数の画素を示し、図11(b)はフレーム画像を構成する複数の画素を示している。図11(a)および(b)では、対応した画素同士に同じ座標を付して示しており、例えば、原画像の画素(1,1)のデータを参照してフレーム画像の画素(1,1)を構成するサブ画素(R画素、G画素およびB画素)に対して表示データが生成される。
【0073】
このように、サブフレーム画像生成回路14は、原画像のデータから所定の座標ごと(ここでは原画像の画素を単位とする座標ごと)に参照データを取得し、フレーム画像の各画素を構成する複数のサブ画素に対して同一の座標の参照データを参照して表示データを生成する。
【0074】
ある画素を構成するサブ画素群に対してどの座標の参照データを参照するか、すなわち、サブ画素群に対する参照データの選択は、例えば、サブ画素群のうちの1つのサブ画素の座標に基づいて行われる。つまり、ある画素を構成するサブ画素のうちのR画素の座標の参照データを参照して、その画素のR画素、G画素およびB画素に対して表示データが生成される。参照データの選択に用いられる画素中のある一点(ここではR画素)を、以下では「参照点」と呼ぶ。
【0075】
上述したようにして各画素を構成するサブ画素群に対して表示データを生成することにより、複数のサブフレーム画像(ここでは4枚のサブフレーム画像)が生成される。これら複数のサブフレーム画像を時分割で表示することにより、フレーム画像を合成することができる。
【0076】
このように、本発明による表示装置100では、フレーム画像の各画素を構成する複数のサブ画素に対して同一座標の参照データを参照して表示データが生成される。従って、各画素においてサブ画素の位置の違いに起因した色ずれが発生することがなく、色再現性の高い表示が可能になる。
【0077】
なお、ここでは、平行四辺形の頂点に対応する4つの異なる位置に画像をシフトさせる場合を示したが、シフト方向や選択する位置の数はこれに限定されない。シフト方向は水平方向のみあるいは垂直方向のみであってもよい。また、位置の数も必要に応じて設定すればよい。さらに、本発明は、画像のシフトを行わない場合にも適用できる。
【0078】
(実施形態2)
本発明による表示装置の第2の実施形態を説明する。以下では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0079】
本実施形態における光学シフト素子10は、図12に示すように、光学シフト部10´を1つ有しており、2つの異なる位置を選択できるよう画像をシフトさせることができる。光学シフト部10´の第2の素子g2は、2枚の水晶板g2aおよびg2bを重ね合わせて形成されている。
【0080】
光学シフト部10´の入射側の水晶板g2a(厚さがx)によるシフト量をΔx、また、出射側の水晶板g2b(厚さがy)によるシフト量をΔyとし、水晶板g2aの光学軸k2が水平な面内に含まれるように、水晶板g2bの光学軸k2が垂直な面内に含まれるように配置すると、図13に示すように、2つの異なる位置A、B間での斜め方向へのシフトを実現することができる。
【0081】
図13に示した位置A、Bへのシフトに対応して画素配列がシフトされる様子を図14(a)および(b)に示す。図14(b)には、図14(a)において左上に位置するR画素の位置を基準位置として示している。画素配列を図14(a)および(b)に示したように互いに重ならないようにシフトさせることによって、観測者には、図14(c)に示すように合成された画素配列(合成画素配列)が観測されることになる。従って、図14(a)および(b)に示したシフトに同期してサブフレーム画像を切り替えて表示することによって、図14(e)に示した合成画素配列でフレーム画像を表示することができる。なお、本実施形態では、図14(b)に示した画素配列は、図14(a)に示した画素配列に比べて水平方向にPh/2、垂直方向にPv/2だけずれた位置にシフトされる。
【0082】
また、本実施形態における液晶表示パネル8の画素領域の数は1024(H)×768(V)であり、画素領域の水平方向に沿ったピッチおよび垂直方向に沿ったピッチはいずれも21μmである。
【0083】
次に、本実施形態におけるサブフレーム画像の形成方法を説明する。
【0084】
本実施形態における原画像の画素配列は、図9に示したものと同じであり、原画像の画素数は1024(H)×768(V)である。
【0085】
これに対して、図14(c)に示した合成画素配列によって表示されるフレーム画像の画素数は、図15に示すように、682(H)×768(V)である。なお、図15では、各サブ画素に座標を付しているが、この座標は、図9中の各画素の座標には対応していない。本実施形態では、サブ画素を(1,1)→(1,2)、(2,1)→(2,2)、・・・と斜め方向にシフトさせるので、3つのサブ画素から構成される1つの画素はT字状であり、3つのサブ画素の重心同士を結ぶとほぼ正三角形状となる。
【0086】
本実施形態では、原画像の画素数とフレーム画像の画素数とが異なっているので、原画像の画素とフレーム画像の画素とを一対一で対応付けることはできない。そこで、本実施形態におけるサブフレーム画像生成回路14は、原画像のデータから、フレーム画像の各画素の重心(図15中に黒丸で示している)の座標ごとに参照データを取得する。具体的には、原画像のデータに含まれる1024(H)×768(V)個のデータをサンプリングしなおすことによって、フレーム画像の画素の重心の座標に対応した684(H)×768(V)個の参照データを生成する。そして、フレーム画像の各画素を構成する複数のサブ画素に対してその画素の重心の座標の参照データを参照して表示データを生成する。
【0087】
なお、各画素の重心ではなく、各画素を構成するサブ画素群のうちの1つのサブ画素(例えばR画素)の座標の参照データを参照してもよい。
【0088】
このように、フレーム画像の各画素を構成する複数のサブ画素に対して同一座標の参照データに基づいて表示データが生成されるので、本実施形態においても、サブ画素の位置の違いに起因した色ずれが発生することがなく、色再現性の高い表示が可能になる。
【0089】
なお、ここでは2つの位置間で斜め方向にシフトさせる場合を例示したが、シフトの方向や選択する位置の数はこれに限定されない。シフト方向は水平方向のみあるいは垂直方向のみであってもよい。また、位置の数も必要に応じて設定すればよい。さらに、画像のシフトを行わなくてもよい。
【0090】
また、上記の例では、フレーム画像の各画素が3つのサブ画素(R画素、G画素およびB画素が1つずつ)から構成され、サブ画素の重心同士を結ぶ線分が三角形を形成する場合を示したが、必ずしもそうである必要はない。各画素がR画素、G画素およびB画素を2つずつ以上含んでいてもよいし、サブ画素の重心同士を結ぶ線分が例えば横長や縦長の長方形を形成してもよい。
【0091】
(実施形態3)
本発明による表示装置の第3の実施形態を説明する。以下では、第1および第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0092】
本実施形態における光学シフト素子10は、図16に示すように、光学シフト部10´を1つ有しており、2つの異なる位置を選択できるよう画像をシフトさせることができる。光学シフト部10´が有する第2の素子g2(厚さがa)によるシフト量をΔaとすると、第2の素子g2の光学軸k2が水平な面内に含まれるように配置することによって、図17に示すように、2つの異なる位置A、B間での水平方向のシフトを実現することができる。
【0093】
図17に示した位置A、Bへのシフトに対応して画素配列がシフトされる様子を図18(a)および(b)に示す。図18(b)には、図18(a)において左上に位置するR画素の位置を基準位置として示している。画素配列を図18(a)および(b)に示したように互いに重ならないようにシフトさせることによって、観測者には、図18(c)に示すように合成された画素配列(合成画素配列)が観測されることになる。従って、図18(a)および(b)に示したシフトに同期してサブフレーム画像を切り替えて表示することによって、図18(c)に示した合成画素配列でフレーム画像を表示することができる。本実施形態では、図18(b)に示した画素配列は、図18(a)に示した画素配列に比べて水平方向にPh/2だけずれた位置にシフトされる。
【0094】
また、本実施形態における液晶表示パネル8の画素領域の数は1024(H)×768(V)であり、画素領域の水平方向に沿ったピッチおよび垂直方向に沿ったピッチはいずれも21μmである。
【0095】
次に、本実施形態におけるサブフレーム画像の形成方法を説明する。
【0096】
原画像の画素配列は、図9に示したものと同じであり、原画像の画素数は1024(H)×768(V)である。
【0097】
本実施形態では、サブフレーム画像生成回路14は、フレーム画像の各画素を構成する複数のサブ画素に対して、それぞれの座標の参照データを参照して表示データを生成する。つまり、参照点が画素ごとではなくサブ画素ごとに規定される。
【0098】
図18(c)に示した合成画素配列におけるサブ画素の数は、図19に示すように、2048(H)×768(V)である。なお、図19では、各サブ画素に座標を付しているが、この座標は図9中の各画素の座標には対応していない。また、図19では、わかりやすさのために(1,1)に位置するサブ画素と(1,2)に位置するサブ画素とが上下にずれて示されているが、実際には、(1,1)と(1,2)間、(2,1)と(2,2)間で水平方向にシフトを行う。
【0099】
原画像の画素数と、フレーム画像におけるサブ画素数とは異なっているので、原画像の各画素とフレーム画像における各サブ画素とを一対一で対応付けることはできない。従って、原画像のデータを参照できないサブ画素が存在してしまう。例えば、図19中、(1,2)、(2,2)、(1,4)などに位置するサブ画素は原画像のデータを参照できない。
【0100】
そこで、本実施形態におけるサブフレーム画像生成回路14は、参照すべき参照データが存在しないサブ画素に対して、そのサブ画素とその周辺のサブ画素との相対配置関係と、周辺のサブ画素に対して参照される参照データとに基づいて演算を行うことによって表示データを生成する。
【0101】
例えば、図19中、(2,2)に位置しているサブ画素は原画像のデータを参照できないが、このサブ画素は(3,1)に位置するサブ画素と(4,1)に位置するサブ画素の中間に位置しているので、これらのサブ画素に対して参照される参照データを平均化したものを(2,2)に位置するサブ画素に対して参照し、そのことによって表示データを生成する。
【0102】
本実施形態では、さらに、上記の演算は、表示データとして与えられる信号の強度と表示輝度との非線形の関係(典型的には図23に示したような下に凸な曲線で表される関係)を線形の関係に補正してから行われる。
【0103】
この補正を、参照データの存在しないサブ画素が参照データの存在する2つのサブ画素の中間に位置している場合を例として図20を参照しながら説明する。周辺の2つのサブ画素に対して参照される参照データに基づく信号強度をS1およびS3、表示輝度をL1およびL3としたとき、単にS1およびS3の中間値S2の信号を与えても、表示輝度はL1およびL3の中間値L2´ではなくそれよりも低い輝度L2となってしまう。本実施形態では、信号の強度と表示輝度との非線形の関係を図20中に破線で示すような線形の関係に補正してから演算を行うので、L1およびL3の中間値L2´の表示輝度を与える信号強度S2´が、参照データの存在しないサブ画素に表示データとして与えられる。
【0104】
このように、本実施形態では、参照すべきデータが存在しない座標のサブ画素に対しては、その周辺の座標のサブ画素に対して参照される参照データに基づいて演算を行うことによって表示データを生成する。また、本実施形態では、この演算を、信号強度と表示輝度との非線形の関係を線形の関係に補正してから行うので、信号強度と表示輝度との非線形の関係に起因した色ずれの発生が抑制され、色再現性の高い表示が実現される。
【0105】
なお、表示データの演算方法は例示したものに限定されない。例えば、図14に示したように斜め方向にシフトを行う場合には、参照データの存在しないサブ画素が参照データの存在する4つのサブ画素に取り囲まれているので、これらの4つのサブ画素に対して参照される参照データに基づいて演算を行えばよい。
【0106】
また、ここでは、2つの位置間で水平方向にシフトさせる場合を例示したが、シフトの方向や選択する位置の数はこれに限定されない。シフト方向が垂直方向または斜め方向である場合や、選択する位置の数が3つ以上である場合にも、上述のようにして色再現性の高い表示を実現できる。また、画像のシフトを行わない場合も同様である。
【0107】
【発明の効果】
本発明によると、フレーム画像の各画素が複数のサブフレームに亘って構成されるときに色再現性の高い表示が可能な表示装置およびそれに用いられる回路装置が提供される。
【0108】
本発明は、特に、光学シフト素子を備えた表示装置に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による表示装置を模式的に示す図である。
【図2】図1に示す表示装置の液晶表示パネル付近を拡大して模式的に示す断面図である。
【図3】図1に示す表示装置が備えるダイクロイックミラーの分光特性を示すグラフである。
【図4】光学シフト素子の光学シフト部の構成および動作を説明する模式図である。
【図5】光学シフト素子の光学シフト部の構成および動作を説明する他の模式図である。
【図6】光学シフト素子の構成および動作を説明する模式図である。
【図7】光学シフト素子による光学的なシフトを模式的に示す図である。
【図8】(a)〜(d)は、画素配列のシフトを模式的に示す図であり、(e)は、合成された画素配列を模式的に示す図である。
【図9】原画像を構成する画素の配列を模式的に示す図である。
【図10】フレーム画像を構成する画素の配列を模式的に示す図である。
【図11】(a)および(b)は、原画像の画素とフレーム画像の画素との対応関係を模式的に示す図である。
【図12】光学シフト素子の構成および動作を説明する模式図である。
【図13】光学シフト素子による光学的なシフトを模式的に示す図である。
【図14】(a)および(b)は、画素配列のシフトを模式的に示す図であり、(c)は、合成された画素配列を模式的に示す図である。
【図15】合成された画素配列を模式的に示す図である。
【図16】光学シフト素子の構成および動作を説明する模式図である。
【図17】光学シフト素子による光学的なシフトを模式的に示す図である。
【図18】(a)および(b)は、画素配列のシフトを模式的に示す図であり、(c)は、合成された画素配列を模式的に示す図である。
【図19】合成された画素配列を模式的に示す図である。
【図20】信号強度と表示輝度との関係を示すグラフである。
【図21】(a)および(b)は、画素配列のシフトを模式的に示す図であり、(c)は、合成された画素配列を模式的に示す図である。
【図22】(a)および(b)は、画素配列のシフトを模式的に示す図であり、(c)は、合成された画素配列を模式的に示す図である。
【図23】信号強度と表示輝度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 光源
2 球面鏡
3 コンデンサーレンズ
4、5、6 ダイクロイックミラー
7 マイクロレンズアレイ
8 液晶表示パネル(画像表示パネル)
9 フィールドレンズ
10 光学シフト素子
10´ 光学シフト部
11 投影レンズ
12、12a、12b 光束
13 被投影面
14 サブフレーム画像生成回路
100 表示装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示装置およびそれに用いられる回路装置に関し、特に、フレーム画像が複数のサブフレーム画像から合成される表示装置およびそれに用いられる回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像表示装置の画素数を増加させずに解像度を向上させるため、画素ずらし(ウォブリング)を行いながら表示を行う液晶プロジェクター(投影型画像表示装置)が検討されている。このような画像表示装置によれば、偶数サブフレームの画像と奇数サブフレームの画像とが同一の表示パネル上に交互に表示され、一方のサブフレーム画像の位置が光軸振動手段(画像シフト素子)によって他のサブフレーム画像の位置よりも画面垂直方向や水平方向あるいは斜め方向に僅かにシフトさせられる。これにより、実際の画素数の2倍の画素数を備えた画像表示装置の解像度と実効的に同等の解像度を持つ表示が可能になる。
【0003】
このような画像表示装置は、例えば特許文献1に開示されている。
【0004】
この技術では、3原色(R、G、B)に対応した表示画素の位置を、垂直方向、水平方向または斜め方向に光学的にずらし、これに同期してずらした位置に対応した画像を表示するので、観測者にはあたかも、その光学的にずれた位置に画素があるかのように画像が観察される。
【0005】
例えば、図21(a)に示すように、垂直方向の画素ピッチがPv、水平方向の同色画素ピッチがPhで配列された画素を、図21(b)に示すように、垂直方向にPv/2だけ光学的にずらし(シフトさせ)、このシフトに同期して表示するサブフレーム画像を切り替えることによって、図21(c)に示すように、2倍の画素数のフレーム画像を形成することができる。そのため、2倍の画素数を有する表示装置と、ほぼ同等の解像度の画像が得られる。
【0006】
図21(a)に示した画素配列には、表示すべき画像において各画素が占める位置に対応した画素情報からなる画像情報VAが供給される。また、図21(b)に示した画素配列にも同様に、表示すべき画像において各画素が占める位置に対応した画素情報からなる画像情報VBが供給される。画像情報VAと画像情報VBとは、表示すべき画像において互いに垂直方向にPv/2だけずれた位置の画素情報をそれぞれ含むものである。
【0007】
特許文献1には、元の画像情報がインターレース方式のテレビジョン信号である場合、奇数サブフレームの信号と偶数サブフレームの信号とがもともと垂直方向にPv/2だけずれた位置の画素情報となっているので、奇数サブフレームの信号を画像情報VA、偶数サブフレームの信号を画像情報VBとして用いることができ、表示装置に供給する信号は従来のものと同様でよいと記載されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−324320号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、画像のシフト方向やシフト量あるいはシフト位置の数(サブフレーム画像の数)は上記した例に限られず、様々なものを採用することができるので、インターレース方式のテレビジョン信号をそのまま用いることができないことがある。例えば、各フレーム画像を構成するサブフレーム画像の数が3つ以上の場合や、画像を水平方向、斜め方向にシフトさせる場合、インターレース方式のテレビジョン信号をそのまま用いることはできない。
【0010】
このように、表示すべき画像のデータから複数のサブフレーム画像のデータを形成する方法は必ずしも単純ではない。特に、フレーム画像の各画素を構成する複数のサブ画素(R画素、G画素およびB画素)の一部が他とは異なるサブフレーム画像に属するように、すなわち、各画素が複数のサブフレームに亘って構成されるように画像をシフトさせる場合については、サブフレーム画像の形成方法は複雑であり、これまで詳細な検討は行われてこなかった。
【0011】
このような画像のシフト方法の例を図22(a)〜(c)に示す。
【0012】
図22(a)に示した画素配列を、図22(b)に示すように、垂直方向にPv/2、水平方向にPh/2だけ光学的にシフトさせることによって、図22(c)に示すような画素配列が合成される。このようなシフトを行うと、フレーム画像を構成する各画素は、複数のサブフレームに亘って構成される。例えば、図22(c)中の左上の画素Pに着目すると、画素Pは、図22(a)に示した画素配列におけるG画素およびB画素と、図22(b)に示した画素配列におけるR画素とから構成されている。つまり、この画素Pは、相互に空間的に分離されたR画素、G画素、B画素から構成されているものの、R画素は、G画素およびB画素とは異なるサブフレーム画像に属している。
【0013】
本願発明者は、各画素が複数のサブフレームに亘って構成される場合について鋭意研究を重ねた結果、サブフレーム画像のデータの形成方法に依っては色再現性が低下してしまうことがあることを見出した。
【0014】
図22(a)〜(c)に示したように画像のシフトを行う場合、ある画素を構成する複数のサブ画素(R画素、G画素およびB画素)に対して、それぞれの位置(座標)に対応した原画像の位置(座標)のデータを個別に参照して表示データを生成する方法が考えられる。
【0015】
しかしながら、そのような方法を用いると、サブ画素間の座標の違いに起因して、色ずれが発生することがある。この理由は、フレーム画像のある画素に対応した原画像の領域内に輝度や色の異なる領域が存在すると、その画素を構成する複数のサブ画素のうちの一部のサブ画素に対して他のサブ画素とは輝度や色が異なる領域のデータを参照することになってしまうからである。
【0016】
また、ある画素を構成する複数のサブ画素に対して、それぞれの座標に対応した原画像の座標のデータを個別に参照して表示データを生成する場合、サブ画素の座標に対応した原画像の座標に参照するべきデータが存在しないときがある。
【0017】
このときには、周辺の座標に対する表示データからそのサブ画素に与える表示データを演算によって求める方法が考えられる。例えば、参照するべきデータの存在しないサブ画素が、参照するべきデータの存在する2つのサブ画素の中間に位置している場合には、これら2つのサブ画素に対する表示データの平均値をそのサブ画素に対して与えるという方法である。
【0018】
しかしながら、一般的に、表示データとして与えられるビデオ信号の強度と表示輝度とは、図23に示すように下に凸な曲線で表される関係を有しているので、強度S1およびS3の信号が与えられる2つのサブ画素の中間に位置するサブ画素に対して、単にS1およびS3の平均値S2の信号を与えても、表示輝度はS1およびS3に対応した輝度L1およびL3の平均輝度L2´ではなく、それよりも低い輝度L2となってしまう。そのため、ある画素を構成する複数のサブ画素の一部にこのようにして表示データを与えると、色ずれが発生してしまう。
【0019】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、フレーム画像の各画素が複数のサブフレームに亘って構成されるときに色再現性の高い表示が可能な表示装置およびそれに用いられる回路装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明による表示装置は、原画像のデータから複数のサブフレーム画像のデータを生成する回路を備え、前記複数のサブフレーム画像を時分割で表示することによってフレーム画像を合成する表示装置であって、前記フレーム画像を構成する複数の画素のそれぞれは、それぞれが前記複数のサブフレーム画像のいずれかに属し、相互に空間的に分離された複数のサブ画素から構成されており、各画素を構成する前記複数のサブ画素は、互いに異なるサブフレーム画像に属する2つのサブ画素を少なくとも含み、前記回路は、原画像のデータから所定の座標毎に参照データを取得し、各画素を構成する前記複数のサブ画素に対して同一座標の参照データを参照して表示データを生成することによって、前記複数のサブフレーム画像のデータを生成し、そのことによって上記目的が達成される。
【0021】
各画素を構成する前記複数のサブ画素に対して前記回路によって参照される前記同一座標の参照データは、前記複数のサブ画素のうちの1つのサブ画素の座標の参照データであってもよい。
【0022】
各画素を構成する前記複数のサブ画素に対して前記回路によって参照される前記同一座標の参照データは、前記複数のサブ画素から構成される画素の重心の座標の参照データであってもよい。
【0023】
あるいは、本発明による表示装置は、原画像のデータから複数のサブフレーム画像のデータを生成する回路を備え、前記複数のサブフレーム画像を時分割で表示させることによってフレーム画像を合成する表示装置であって、前記フレーム画像を構成する複数の画素のそれぞれは、それぞれが前記複数のサブフレーム画像のいずれかに属し、相互に空間的に分離された複数のサブ画素から構成されており、各画素を構成する前記複数のサブ画素は、互いに異なるサブフレーム画像に属する2つのサブ画素を少なくとも含み、前記回路は、原画像のデータから所定の座標毎に参照データを取得し、各画素を構成する前記複数のサブ画素に対してそれぞれの座標の参照データを参照して表示データを生成することによって前記複数のサブフレーム画像のデータを生成する回路であって、前記回路は、さらに、参照すべき参照データが存在しないサブ画素に対して、そのサブ画素とその周辺のサブ画素との相対配置関係と、前記周辺のサブ画素に対して参照される参照データとに基づいて演算を行うことによって表示データを生成し、前記演算は、表示データとして与えられる信号の強度と表示輝度との非線形の関係を線形の関係に補正してから行われ、そのことによって上記目的が達成される。
【0024】
前記フレーム画像を合成する前記複数のサブフレーム画像のうちの選択されたサブフレーム画像に属するサブ画素を、その他のサブフレーム画像に属するサブ画素に重ならないように光学的にシフトさせる光学シフト素子をさらに備えてもよい。
【0025】
本発明による回路装置は、複数のサブフレーム画像を時分割で表示することによってフレーム画像を合成し、前記フレーム画像を構成する複数の画素のそれぞれは、それぞれが前記複数のサブフレーム画像のいずれかに属し、相互に空間的に分離された複数のサブ画素から構成されており、各画素を構成する前記複数のサブ画素は、互いに異なるサブフレーム画像に属する2つのサブ画素を少なくとも含む、表示装置に用いられ、原画像のデータから前記複数のサブフレーム画像のデータを生成する回路装置であって、原画像のデータから所定の座標毎に参照データを取得し、各画素を構成する前記複数のサブ画素に対して同一座標の参照データを参照して表示データを生成することによって、前記複数のサブフレーム画像のデータを生成し、そのことによって上記目的が達成される。
【0026】
あるいは、本発明による回路装置は、複数のサブフレーム画像を時分割で表示することによってフレーム画像を合成し、前記フレーム画像を構成する複数の画素のそれぞれは、それぞれが前記複数のサブフレーム画像のいずれかに属し、相互に空間的に分離された複数のサブ画素から構成されており、各画素を構成する前記複数のサブ画素は、互いに異なるサブフレーム画像に属する2つのサブ画素を少なくとも含む、表示装置に用いられ、原画像のデータから前記複数のサブフレーム画像のデータを生成する回路装置であって、原画像のデータから所定の座標毎に参照データを取得し、各画素を構成する前記複数のサブ画素に対してそれぞれの座標の参照データを参照して表示データを生成することによって前記複数のサブフレーム画像のデータを生成し、さらに、参照すべき参照データが存在しないサブ画素に対して、そのサブ画素とその周辺のサブ画素との相対配置関係と、前記周辺のサブ画素に対して参照される参照データとに基づいて演算を行うことによって表示データを生成し、前記演算は、表示データとして与えられる信号の強度と表示輝度との非線形の関係を線形の関係に補正してから行われ、そのことによって上記目的が達成される。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明による表示装置では、表示すべき画像(原画像)のデータから複数のサブフレーム画像のデータを生成し、複数のサブフレーム画像を時分割で表示することによってフレーム画像を合成(形成)する。
【0028】
典型的には、これらのサブフレーム画像をそれぞれに属する画素(「サブ画素」と称する)が互いに重ならないように、表示の切り替えに同期してシフトさせることによって、見かけ上の画素数を多くして解像度を向上させる。サブフレーム画像のシフトは、光学シフト素子によって行われる。光学シフト素子は、サブフレーム画像を表示する素子(例えば画像表示パネル)の前面側に配置され、その素子によって変調された光の光路を周期的・規則的に変化させる。
【0029】
フレーム画像を構成する各「画素」は、相互に空間的に分離された複数の「サブ画素」から構成されるが、これら複数のサブ画素は、人間の視覚による空間的分解能よりも小さな領域内に配列されているので、相互に空間的に分離されているにもかかわらず、人間の目には1つの画素が構成されるように認識される。
【0030】
また、1つの画素を構成する複数のサブ画素のうちの一部のサブ画素は、その他のサブ画素とは異なるサブフレーム画像に属しており、異なるタイミングで表示されるが、複数のサブフレーム画像は人間の視覚の時間分解能以下の短い時間単位で時分割表示されるため、これらの複数のサブ画素は、残像によって人間の目には1つの画素として認識される。
【0031】
本発明による表示装置は、原画像のデータから複数のサブフレーム画像のデータを生成する回路(回路装置)を備えている。この回路は、原画像のデータから所定の座標毎に参照データを取得し、各画素を構成する複数のサブ画素に対して同一座標の参照データに基づいた表示データを生成することによって、複数のサブフレーム画像のデータを生成する。ある画素を構成する複数のサブ画素に対して参照される参照データは、例えば、その画素を構成するサブ画素のうちの1つのサブ画素の座標の参照データや、あるいは、その画素の重心の座標の参照データである。なお、本願明細書においては、原画像内での位置を示す「座標」も、フレーム画像内での位置を示す「座標」も、特にことわらない限り単に「座標」と表記する。
【0032】
このように、本発明による表示装置では、各画素を構成する複数のサブ画素に対して、同一座標の参照データに基づいた表示データが生成されるので、サブ画素間の位置(座標)の違いに起因した色ずれが発生しない。そのため、色再現性の高い表示が実現される。
【0033】
あるいは、本発明による表示装置が備える回路は、原画像のデータから所定の座標毎に参照データを取得し、各画素を構成する複数のサブ画素に対してそれぞれの座標の参照データを参照して表示データを生成することによって複数のサブフレーム画像のデータを生成する回路である。この回路は、参照すべき参照データが存在しないサブ画素に対して、そのサブ画素とその周辺のサブ画素との相対配置関係と、周辺のサブ画素に対して参照される参照データとに基づいて演算を行うことによって表示データを生成する。さらに、この演算は、表示データとして与えられる信号の強度と表示輝度との非線形の関係を線形の関係に補正してから行われるので、参照すべき参照データが存在しないサブ画素に対しても、信号強度と表示輝度との非線形の関係に起因した輝度ずれのない表示データを生成することができ、色再現性の高い表示が実現される。
【0034】
以下、投影型の画像表示装置を例にとり、本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、本発明の適用範囲は投影型画像表示装置に限定されず、ビュワーやヘッド・マウント・ディスプレイなどの直視型画像表示装置にも好適に適用される。また、以下では画像をシフトさせる光学シフト素子を備えた表示装置を例に説明するが、光学シフト素子を備えていない表示装置にも本発明を用いることができる。
【0035】
(実施形態1)
まず、図1を参照しながら、本発明による表示装置の第1の実施形態を説明する。図1は、本実施形態における表示装置100を模式的に示している。
【0036】
表示装置100は、図1に示すように、光源1と、液晶表示パネル8と、光源1からの光を波長域に応じて液晶表示パネル8の対応する画素領域に集光させる光制御手段と、液晶表示パネル8によって変調された光を被投影面上に投射する投影光学系とを備えている。
【0037】
表示装置100は、さらに、光源1から後方に出た光(白色光)を前方に反射する球面鏡2と、光源1および球面鏡2からの光を平行光束にするコンデンサーレンズ3と、この光束を波長域に応じて複数の光束に分離するダイクロイックミラー4〜6を備えている。ダイクロイックミラー4〜6によって反射された光は、波長域に応じて異なる角度でマイクロレンズアレイ7に入射する。マイクロレンズアレイ7は液晶表示パネル8の光源側基板に取りつけられており、異なる角度でマイクロレンズ7に入射した光は、それぞれ異なる位置の対応する画素領域に集められる。
【0038】
表示装置100の投影光学系は、フィールドレンズ9および投影レンズ11を備えており、液晶表示パネル8を透過した光束12をスクリーン(被投影面)13に投射する。本実施形態では、フィールドレンズ9と投影レンズ11との間に、光学シフト素子10が配置されている。図1には、光学シフト素子10によって被投影面に平行な方向にシフトされた光束12a、12bが示されている。光束のシフトを行うには、光学シフト素子10は液晶表示パネル8とスクリーン13との間の何れかの位置に挿入されていればよく、投影レンズ11とスクリーン13との間に配置されていても良い。
【0039】
次に、表示装置100の各構成要素を順番に説明する。
【0040】
本実施形態においては、光源1として、光出力150W、アーク長5mm、アーク径2.2mmのメタルハライドランプを用い、このランプをアーク長方向が図面の紙面と平行となるように配置している。光源1としては、メタルハライドランプ以外に、ハロゲンランプ、超高圧水銀ランプ、またはキセノンランプ等を用いても良い。本実施形態で使用する光源1は三原色に対応する3つの波長域の光を含む白色光を放射する。
【0041】
光源1の背面には球面鏡2が配置され、光源1の前面には口径80mmφ、焦点距離60mmのコンデンサーレンズ3が配置されている。球面鏡2は、その中心が光源1の発光部の中心と一致するように配置されており、コンデンサーレンズ3は、その焦点が光源1の中心と一致するように配置されている。
【0042】
このような配置構成により、光源1から出射された光は、コンデンサーレンズ3によって平行化され、液晶表示パネル8を照らすことになる。コンデンサーレンズ3を通過した光の平行度は、例えばアーク長方向(図1の紙面に平行な方向)に約2.2°、アーク径方向に約1°となる。
【0043】
本実施形態で使用する液晶表示パネル8は、光源側の透明基板上にマイクロレンズアレイ7が配置された透過型液晶表示素子である。液晶の種類や動作モードは任意であるが、高速動作し得るものであることが好ましい。本実施形態ではTN(ツイステッド・ネマティック)モードで動作する。液晶表示パネル8には、光を変調するための複数の画素領域が設けられているが、本願明細書における「画素領域」とは、画像表示パネルにおいて空間的に分離された個々の光変調部を意味する。液晶表示パネル8の場合は、個々の画素領域に対応する画素電極によって液晶層の対応部分に電圧が印加され、その部分の光学特性が変化することによって光の変調が行われる。
【0044】
この液晶表示パネル8では、例えば768(H)×768(V)の走査線がノンインターレースで駆動される。液晶表示パネル8の画素領域は透明基板上に二次元的に配列されており、本実施形態の場合、画素領域のピッチは水平方向に沿って測定した値は21μm、垂直方向に沿って計測した値は15.75μmである。そして、本実施形態の場合、R用、G用、B用画素領域は、それぞれ画面の水平方向に沿ってストライプ状に配列され、各マイクロレンズが3つの画素領域(R用、G用、B用画素領域)からなるセットに割り当てられている。
【0045】
液晶表示パネル8を照射するR、G、およびB光は、図1に示すように光源1から放射された白色光をダイクロイックミラー4、5および6によって分離したものであり、液晶表示パネル8上のマイクロレンズアレイ7へ異なる角度で入射する。R、G、およびB光の入射角度を適切に設定することにより、図2に示すように、マイクロレンズ7によって各波長域に対応する画素領域へ適切に振り分けられる。本実施形態ではマイクロレンズ7の焦点距離を255μmとし、各光束がなす角度が5.8°になるように設計している。より詳細には、R光は液晶表示パネル8に対して垂直に入射し、B光およびG光は、それぞれ、R光に対して5.8°の角度で入射する。
【0046】
ダイクロイックミラー4、5、および6は、図3に示すような分光特性を有しており、それぞれ緑色(G)、赤色(R)、および青色(B)の光を選択的に反射する。G光の波長域は520〜580nm、R光の波長域は600〜650nm、B光の波長域は420〜480nmである。
【0047】
本実施形態では、3原色の光を対応する画素領域に集めるためにダイクロイックミラー4〜6およびマイクロレンズアレイ7を用いているが、他の光学的な手段(例えば、光の回折・分光機能を付与された透過型ホログラム)を用いても良い。
【0048】
液晶表示パネル8はノンインターレースで駆動されるため、1秒間に60フレームの画像が表示され、各フレームに割り当てられる時間(フレーム期間)Tは1/60秒、すなわち、T=1/60(秒)≒16.6(ミリ秒)となる。
【0049】
なお、インターレースで駆動される場合は、画面内の走査線を偶数ラインと奇数ラインに分け、交互に表示していくため、T=1/30(秒)≒33.3(ミリ秒)となる。また、各フレームを構成する偶数サブフレームおよび奇数サブフレームの各々に割り当てられた時間(1サブフレーム期間)は、1/60≒16.6(ミリ秒)となる。また、インターレース駆動の場合は、あるフィールドの画像が本願明細書における「フレーム画像」と同様に取り扱われ得る。
【0050】
本実施形態の表示装置100は、表示すべき画像(原画像)の情報(データ)を受け取り、その情報を逐次メモリに蓄え、そのメモリから選択的に読み出した情報に基づいて複数のサブフレーム画像を形成するサブフレーム画像生成回路14を備えている。サブフレーム画像生成回路14は、サブフレーム画像を液晶表示パネル8に時分割で表示させる機能も有する。サブフレーム画像生成回路14におけるサブフレーム画像の形成方法は、後述することとする。
【0051】
本発明の実施形態における表示装置100では、1枚の表示パネルにR、G、およびB用画素領域が別々の位置に設けられている。そして、R、G、およびB用データの各々に基づいてR、G、およびB用画素領域で光の変調が行われ、被投影面上にカラー画像が形成されることになる。
【0052】
次に、光学シフト素子10およびサブフレーム画像のシフト方法を説明する。
【0053】
図4および図5は、光学シフト素子10に用いられる光学シフト部10´を模式的に示している。光学シフト部10´は、入射した光の偏光方向を変調する第1の素子g1と、光の偏光方向によって屈折率の異なる第2の素子g2とを有している。本実施形態における第1の素子g1は、液晶層および液晶層に電圧を印加する一対の電極を含む液晶セルから形成された液晶素子であり、光の偏光方向を直交する2つの方向の間で切り替える。また、本実施形態における第2の素子g2は、水晶板である。
【0054】
図4および図5に示されている例では、液晶素子g1に入射する光は垂直方向(紙面に平行な方向)に偏光しているとする。液晶素子g1の液晶層に電圧を印加しない場合には、図4に示すように、液晶素子g1に入射する光は、液晶層によってその偏光方向を90°回転させられる。これに対し、液晶素子g1の液晶層に適切なレベル電圧(例えば5ボルト)を印加している場合は、図5に示すように、光の偏光方向は、光が液晶素子g1を透過する過程で回転しない。なお、ここでは、回転角度が90°である場合を例示しているが、液晶層の設計によっては、回転角度を任意に設定することが可能である。
【0055】
水晶板g2は、単軸結晶であり、複屈折性を持つため、入射光の偏光方向によって異なる屈折率を示す。水晶板g2の光学軸k2は、図4および図5では、水平な面内に含まれているが、水晶板g2の光入射面からは傾斜している。このため、図4に示すように、偏光方向の水平な光が水晶板g2に入射すると、光は光学軸k2を含む面内で屈折し、光は水平方向にΔDだけシフトする。このとき、光の進行方向と水晶板g2の光学軸k2とを含む平面(「主断面」と称される。)が入射光の偏光方向と平行な関係にある。このように偏光方向が主断面に平行な入射光は、水晶板g2にとって「異常光」である。
【0056】
一方、図5に示すように、偏光方向の垂直な光が水晶板g2に入射すると、偏光方向が水晶板g2の光学軸k2(または主断面)と直交するため、光は屈折せず、光のシフトも生じない。この場合、水晶板g2に入射する光は、水晶板g2にとって「常光」である。
【0057】
このように、液晶素子g1の液晶層に電圧を印加するか否かによって、水晶板g2に入射する光の偏光方向を制御し、また、偏光方向の異なる光を水晶板g2に入射させることにより、水晶板g2から出射する光のシフトを調節することができる。
【0058】
光のシフト量ΔDは、水晶板g2の厚さに比例するので、水晶板g2の厚さを調節することによって光のシフト量ΔDを任意の値に設定することができる。なお、第2の素子g2に用いられる材料は、水晶に限定されず、複屈折性を有する一軸結晶であれば如何なるものであってもよい。例えば、ニオブ酸リチウム、方解石、雲母、ルチル(TiO2)、チリ硝石(NaNO3)などの材料を用いることができる。ただし、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)のように表示装置の総重量を小さくする必要がある場合、屈折率異方性(Δn)が相対的に大きなニオブ酸リチウムやルチルを用いることが好ましい。Δnが大きい材料であれば、必要なシフト量を得るために必要な第2の素子の厚さを薄くできるため、小型化および軽量化に適している。
【0059】
上述したように、光学シフト部10´は、図4に示した状態、または、図5に示した状態をとることによって、画像をΔDだけシフトさせることができる。つまり、2つの異なる位置を選択することができる。
【0060】
本実施形態における光学シフト素子10は、図6に示すように、光学シフト部10´を2つ含んでおり、この2つの光学シフト部10´を光路上に直列的に配置することにより、最大で4つの異なる位置を選択できるよう画像をシフトさせることができる。なお、図6では、出射側の光学シフト部10´の第2の素子g2は、光学軸k2の向きが互いに異なる2枚の水晶板g2aおよびg2bを重ね合わせて形成されている。
【0061】
4つの位置の選択は、入射側の液晶素子g1に対する電圧印加状態(ON/OFF)と出射側の液晶素子g1に対する電圧印加状態(ON/OFF)との組み合わせによって行われる。また、4つの位置の間隔、すなわちシフト量は、第2の素子g2の厚さや光学軸k2の設定などによって決定される。
【0062】
入射側の光学シフト部10´の水晶板g2(厚さがa)によるシフト量をΔaとし、出射側の光学シフト部10´の水晶板g2a、g2b(それぞれの厚さがx、y)によるシフト量をΔx、Δyとしたとき、水晶板g2および水晶板g2aの光学軸k2を水平な面内に含まれるように、水晶板g2bの光学軸k2を垂直な面内に含まれるように配置すると、図7に示すように、平行四辺形の頂点に対応する4つの異なる位置A、B、C、Dへのシフトを実現することができる。
【0063】
図7に示した位置A、B、C、Dへのシフトに対応して画素配列がシフトされる様子を図8(a)〜(d)に示す。なお、図8(b)〜(d)には、図8(a)において左上に位置するR画素の位置を基準位置として示している。画素配列を図8(a)〜(d)に示したように互いに重ならないようにシフトさせることによって、観測者には、図8(e)に示すように合成された画素配列(合成画素配列)が観測されることになる。従って、図8(a)〜8(d)に示したシフトに同期してサブフレーム画像を切り替えて表示することによって、図8(e)に示した合成画素配列でフレーム画像を表示することができる。
【0064】
図8(a)〜(d)に示した各々のシフト位置において、サブフレーム画像はR画素、G画素およびB画素によって構成される。サブフレーム画像を構成するこれらR画素、G画素およびB画素は、サブフレーム画像に属する「サブ画素」と称される。また、図8(e)に示した合成画素配列で表示されるフレーム画像においては、相互に空間的に分離された複数のサブ画素(R画素、G画素およびB画素)から構成される「画素」が白を表示する最小の単位として機能する。さらに、本実施形態では、各画素を構成する複数のサブ画素は、他とは異なるサブフレーム画像に属するサブ画素を含んでいる。例えば、図8(e)に示した画素Pに着目すると、この画素Pは、図8(a)に示したシフト位置におけるB画素と、図8(b)に示したシフト位置におけるR画素と、図8(c)に示したシフト位置におけるG画素とから構成されている。
【0065】
本実施形態では、図8(a)に示すように同色画素の水平方向に沿ったピッチをPh、垂直方向に沿ったピッチをPvとしたときに、図7中に示したシフト量Δa、Δx、ΔyがそれぞれPh/2、Ph/6、Pv/2となるように光学シフト素子10が設計されている。従って、図8(b)に示した画素配列は、図8(a)に示した画素配列に比べて水平方向にPh/2だけずれた位置にシフトされ、図8(c)に示した画素配列は、図8(a)に示した画素配列に比べて水平方向にPh/3、垂直方向にPv/2だけずれた位置にシフトされる。また、図8(d)に示した画素配列は、図8(a)に示した画素配列に比べて水平方向にPh/6、垂直方向にPv/2だけずれた位置にシフトされる。
【0066】
光学シフト素子10が有する第2の素子g2の厚さや光学軸K2の傾きなどは、上記のシフト量を実現できるように設定される。例えば、図8(e)に示した合成画素配列において、水平方向に沿った画素ピッチを21μm、垂直方向に沿った画素ピッチを15.75μmとしたとき、図8(a)に示した画素配列から図8(b)に示した画素配列にシフトさせる際の水平方向へのシフト量(図7におけるΔaに相当)は31.5μmとなる。従って、第2の素子g2として、常光屈折率が1.544、異常光屈折率が1.553、光学軸k2の傾斜角度が45°の水晶板を用いた場合、水晶板に必要とされる厚さは、公知の関係式を用いて5.4mmと求められる。
【0067】
次に、表示装置100におけるサブフレーム画像の形成方法を説明する。
【0068】
表示装置100では、表示すべき画像(原画像)のデータから、サブフレーム画像生成回路14によって複数のサブフレーム画像のデータが生成される。表示装置100に入力される原画像のデータは、原画像を構成する画素ごとのデータを含んでいる。原画像のデータは、例えば、R、G、Bに分離された信号(RGB信号)、輝度信号Yと色差信号B−YおよびR−Yに分離された信号(Y−C信号)、色搬送波を色差信号で変調した色信号Cと輝度信号Yを周波数多重化した複合映像信号(コンポジット信号)などを含んでいる。
【0069】
図9に、原画像を構成する画素の配列を模式的に示す。なお、図9では、各画素に座標を付して示している。図9に示したように、原画像を構成する複数の画素は、マトリクス状に配列されており、それぞれの画素は正方形状である。また、本実施形態では、原画像の画素数は1024(H)×768(V)である。
【0070】
一方、フレーム画像を構成する画素の配列を図10に模式的に示す。図10に示したように、フレーム画像の画素は3つのサブ画素(R画素、G画素およびB画素)から構成されており、かぎ状(L字状)の形状を有している。また、本実施形態ではフレーム画像の画素数は1024(H)×768(V)である。
【0071】
サブフレーム画像生成回路14は、原画像のデータに基づいて各サブ画素に対する表示データ(R信号、G信号、B信号)を生成し、そのことによって複数のサブフレーム画像のデータを生成する。本実施形態では、原画像の画素数とフレーム画像の画素数とが同じなので、サブフレーム画像生成回路14は、原画像の画素とフレーム画像の画素とを一対一で対応付け、フレーム画像の各画素を構成する複数のサブ画素に対して、その画素に対応付けられた原画像の画素のデータを参照して表示データを生成する。
【0072】
図11(a)および(b)に、原画像の画素とフレーム画像の画素との対応関係を示す。図11(a)は原画像を構成する複数の画素を示し、図11(b)はフレーム画像を構成する複数の画素を示している。図11(a)および(b)では、対応した画素同士に同じ座標を付して示しており、例えば、原画像の画素(1,1)のデータを参照してフレーム画像の画素(1,1)を構成するサブ画素(R画素、G画素およびB画素)に対して表示データが生成される。
【0073】
このように、サブフレーム画像生成回路14は、原画像のデータから所定の座標ごと(ここでは原画像の画素を単位とする座標ごと)に参照データを取得し、フレーム画像の各画素を構成する複数のサブ画素に対して同一の座標の参照データを参照して表示データを生成する。
【0074】
ある画素を構成するサブ画素群に対してどの座標の参照データを参照するか、すなわち、サブ画素群に対する参照データの選択は、例えば、サブ画素群のうちの1つのサブ画素の座標に基づいて行われる。つまり、ある画素を構成するサブ画素のうちのR画素の座標の参照データを参照して、その画素のR画素、G画素およびB画素に対して表示データが生成される。参照データの選択に用いられる画素中のある一点(ここではR画素)を、以下では「参照点」と呼ぶ。
【0075】
上述したようにして各画素を構成するサブ画素群に対して表示データを生成することにより、複数のサブフレーム画像(ここでは4枚のサブフレーム画像)が生成される。これら複数のサブフレーム画像を時分割で表示することにより、フレーム画像を合成することができる。
【0076】
このように、本発明による表示装置100では、フレーム画像の各画素を構成する複数のサブ画素に対して同一座標の参照データを参照して表示データが生成される。従って、各画素においてサブ画素の位置の違いに起因した色ずれが発生することがなく、色再現性の高い表示が可能になる。
【0077】
なお、ここでは、平行四辺形の頂点に対応する4つの異なる位置に画像をシフトさせる場合を示したが、シフト方向や選択する位置の数はこれに限定されない。シフト方向は水平方向のみあるいは垂直方向のみであってもよい。また、位置の数も必要に応じて設定すればよい。さらに、本発明は、画像のシフトを行わない場合にも適用できる。
【0078】
(実施形態2)
本発明による表示装置の第2の実施形態を説明する。以下では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0079】
本実施形態における光学シフト素子10は、図12に示すように、光学シフト部10´を1つ有しており、2つの異なる位置を選択できるよう画像をシフトさせることができる。光学シフト部10´の第2の素子g2は、2枚の水晶板g2aおよびg2bを重ね合わせて形成されている。
【0080】
光学シフト部10´の入射側の水晶板g2a(厚さがx)によるシフト量をΔx、また、出射側の水晶板g2b(厚さがy)によるシフト量をΔyとし、水晶板g2aの光学軸k2が水平な面内に含まれるように、水晶板g2bの光学軸k2が垂直な面内に含まれるように配置すると、図13に示すように、2つの異なる位置A、B間での斜め方向へのシフトを実現することができる。
【0081】
図13に示した位置A、Bへのシフトに対応して画素配列がシフトされる様子を図14(a)および(b)に示す。図14(b)には、図14(a)において左上に位置するR画素の位置を基準位置として示している。画素配列を図14(a)および(b)に示したように互いに重ならないようにシフトさせることによって、観測者には、図14(c)に示すように合成された画素配列(合成画素配列)が観測されることになる。従って、図14(a)および(b)に示したシフトに同期してサブフレーム画像を切り替えて表示することによって、図14(e)に示した合成画素配列でフレーム画像を表示することができる。なお、本実施形態では、図14(b)に示した画素配列は、図14(a)に示した画素配列に比べて水平方向にPh/2、垂直方向にPv/2だけずれた位置にシフトされる。
【0082】
また、本実施形態における液晶表示パネル8の画素領域の数は1024(H)×768(V)であり、画素領域の水平方向に沿ったピッチおよび垂直方向に沿ったピッチはいずれも21μmである。
【0083】
次に、本実施形態におけるサブフレーム画像の形成方法を説明する。
【0084】
本実施形態における原画像の画素配列は、図9に示したものと同じであり、原画像の画素数は1024(H)×768(V)である。
【0085】
これに対して、図14(c)に示した合成画素配列によって表示されるフレーム画像の画素数は、図15に示すように、682(H)×768(V)である。なお、図15では、各サブ画素に座標を付しているが、この座標は、図9中の各画素の座標には対応していない。本実施形態では、サブ画素を(1,1)→(1,2)、(2,1)→(2,2)、・・・と斜め方向にシフトさせるので、3つのサブ画素から構成される1つの画素はT字状であり、3つのサブ画素の重心同士を結ぶとほぼ正三角形状となる。
【0086】
本実施形態では、原画像の画素数とフレーム画像の画素数とが異なっているので、原画像の画素とフレーム画像の画素とを一対一で対応付けることはできない。そこで、本実施形態におけるサブフレーム画像生成回路14は、原画像のデータから、フレーム画像の各画素の重心(図15中に黒丸で示している)の座標ごとに参照データを取得する。具体的には、原画像のデータに含まれる1024(H)×768(V)個のデータをサンプリングしなおすことによって、フレーム画像の画素の重心の座標に対応した684(H)×768(V)個の参照データを生成する。そして、フレーム画像の各画素を構成する複数のサブ画素に対してその画素の重心の座標の参照データを参照して表示データを生成する。
【0087】
なお、各画素の重心ではなく、各画素を構成するサブ画素群のうちの1つのサブ画素(例えばR画素)の座標の参照データを参照してもよい。
【0088】
このように、フレーム画像の各画素を構成する複数のサブ画素に対して同一座標の参照データに基づいて表示データが生成されるので、本実施形態においても、サブ画素の位置の違いに起因した色ずれが発生することがなく、色再現性の高い表示が可能になる。
【0089】
なお、ここでは2つの位置間で斜め方向にシフトさせる場合を例示したが、シフトの方向や選択する位置の数はこれに限定されない。シフト方向は水平方向のみあるいは垂直方向のみであってもよい。また、位置の数も必要に応じて設定すればよい。さらに、画像のシフトを行わなくてもよい。
【0090】
また、上記の例では、フレーム画像の各画素が3つのサブ画素(R画素、G画素およびB画素が1つずつ)から構成され、サブ画素の重心同士を結ぶ線分が三角形を形成する場合を示したが、必ずしもそうである必要はない。各画素がR画素、G画素およびB画素を2つずつ以上含んでいてもよいし、サブ画素の重心同士を結ぶ線分が例えば横長や縦長の長方形を形成してもよい。
【0091】
(実施形態3)
本発明による表示装置の第3の実施形態を説明する。以下では、第1および第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0092】
本実施形態における光学シフト素子10は、図16に示すように、光学シフト部10´を1つ有しており、2つの異なる位置を選択できるよう画像をシフトさせることができる。光学シフト部10´が有する第2の素子g2(厚さがa)によるシフト量をΔaとすると、第2の素子g2の光学軸k2が水平な面内に含まれるように配置することによって、図17に示すように、2つの異なる位置A、B間での水平方向のシフトを実現することができる。
【0093】
図17に示した位置A、Bへのシフトに対応して画素配列がシフトされる様子を図18(a)および(b)に示す。図18(b)には、図18(a)において左上に位置するR画素の位置を基準位置として示している。画素配列を図18(a)および(b)に示したように互いに重ならないようにシフトさせることによって、観測者には、図18(c)に示すように合成された画素配列(合成画素配列)が観測されることになる。従って、図18(a)および(b)に示したシフトに同期してサブフレーム画像を切り替えて表示することによって、図18(c)に示した合成画素配列でフレーム画像を表示することができる。本実施形態では、図18(b)に示した画素配列は、図18(a)に示した画素配列に比べて水平方向にPh/2だけずれた位置にシフトされる。
【0094】
また、本実施形態における液晶表示パネル8の画素領域の数は1024(H)×768(V)であり、画素領域の水平方向に沿ったピッチおよび垂直方向に沿ったピッチはいずれも21μmである。
【0095】
次に、本実施形態におけるサブフレーム画像の形成方法を説明する。
【0096】
原画像の画素配列は、図9に示したものと同じであり、原画像の画素数は1024(H)×768(V)である。
【0097】
本実施形態では、サブフレーム画像生成回路14は、フレーム画像の各画素を構成する複数のサブ画素に対して、それぞれの座標の参照データを参照して表示データを生成する。つまり、参照点が画素ごとではなくサブ画素ごとに規定される。
【0098】
図18(c)に示した合成画素配列におけるサブ画素の数は、図19に示すように、2048(H)×768(V)である。なお、図19では、各サブ画素に座標を付しているが、この座標は図9中の各画素の座標には対応していない。また、図19では、わかりやすさのために(1,1)に位置するサブ画素と(1,2)に位置するサブ画素とが上下にずれて示されているが、実際には、(1,1)と(1,2)間、(2,1)と(2,2)間で水平方向にシフトを行う。
【0099】
原画像の画素数と、フレーム画像におけるサブ画素数とは異なっているので、原画像の各画素とフレーム画像における各サブ画素とを一対一で対応付けることはできない。従って、原画像のデータを参照できないサブ画素が存在してしまう。例えば、図19中、(1,2)、(2,2)、(1,4)などに位置するサブ画素は原画像のデータを参照できない。
【0100】
そこで、本実施形態におけるサブフレーム画像生成回路14は、参照すべき参照データが存在しないサブ画素に対して、そのサブ画素とその周辺のサブ画素との相対配置関係と、周辺のサブ画素に対して参照される参照データとに基づいて演算を行うことによって表示データを生成する。
【0101】
例えば、図19中、(2,2)に位置しているサブ画素は原画像のデータを参照できないが、このサブ画素は(3,1)に位置するサブ画素と(4,1)に位置するサブ画素の中間に位置しているので、これらのサブ画素に対して参照される参照データを平均化したものを(2,2)に位置するサブ画素に対して参照し、そのことによって表示データを生成する。
【0102】
本実施形態では、さらに、上記の演算は、表示データとして与えられる信号の強度と表示輝度との非線形の関係(典型的には図23に示したような下に凸な曲線で表される関係)を線形の関係に補正してから行われる。
【0103】
この補正を、参照データの存在しないサブ画素が参照データの存在する2つのサブ画素の中間に位置している場合を例として図20を参照しながら説明する。周辺の2つのサブ画素に対して参照される参照データに基づく信号強度をS1およびS3、表示輝度をL1およびL3としたとき、単にS1およびS3の中間値S2の信号を与えても、表示輝度はL1およびL3の中間値L2´ではなくそれよりも低い輝度L2となってしまう。本実施形態では、信号の強度と表示輝度との非線形の関係を図20中に破線で示すような線形の関係に補正してから演算を行うので、L1およびL3の中間値L2´の表示輝度を与える信号強度S2´が、参照データの存在しないサブ画素に表示データとして与えられる。
【0104】
このように、本実施形態では、参照すべきデータが存在しない座標のサブ画素に対しては、その周辺の座標のサブ画素に対して参照される参照データに基づいて演算を行うことによって表示データを生成する。また、本実施形態では、この演算を、信号強度と表示輝度との非線形の関係を線形の関係に補正してから行うので、信号強度と表示輝度との非線形の関係に起因した色ずれの発生が抑制され、色再現性の高い表示が実現される。
【0105】
なお、表示データの演算方法は例示したものに限定されない。例えば、図14に示したように斜め方向にシフトを行う場合には、参照データの存在しないサブ画素が参照データの存在する4つのサブ画素に取り囲まれているので、これらの4つのサブ画素に対して参照される参照データに基づいて演算を行えばよい。
【0106】
また、ここでは、2つの位置間で水平方向にシフトさせる場合を例示したが、シフトの方向や選択する位置の数はこれに限定されない。シフト方向が垂直方向または斜め方向である場合や、選択する位置の数が3つ以上である場合にも、上述のようにして色再現性の高い表示を実現できる。また、画像のシフトを行わない場合も同様である。
【0107】
【発明の効果】
本発明によると、フレーム画像の各画素が複数のサブフレームに亘って構成されるときに色再現性の高い表示が可能な表示装置およびそれに用いられる回路装置が提供される。
【0108】
本発明は、特に、光学シフト素子を備えた表示装置に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による表示装置を模式的に示す図である。
【図2】図1に示す表示装置の液晶表示パネル付近を拡大して模式的に示す断面図である。
【図3】図1に示す表示装置が備えるダイクロイックミラーの分光特性を示すグラフである。
【図4】光学シフト素子の光学シフト部の構成および動作を説明する模式図である。
【図5】光学シフト素子の光学シフト部の構成および動作を説明する他の模式図である。
【図6】光学シフト素子の構成および動作を説明する模式図である。
【図7】光学シフト素子による光学的なシフトを模式的に示す図である。
【図8】(a)〜(d)は、画素配列のシフトを模式的に示す図であり、(e)は、合成された画素配列を模式的に示す図である。
【図9】原画像を構成する画素の配列を模式的に示す図である。
【図10】フレーム画像を構成する画素の配列を模式的に示す図である。
【図11】(a)および(b)は、原画像の画素とフレーム画像の画素との対応関係を模式的に示す図である。
【図12】光学シフト素子の構成および動作を説明する模式図である。
【図13】光学シフト素子による光学的なシフトを模式的に示す図である。
【図14】(a)および(b)は、画素配列のシフトを模式的に示す図であり、(c)は、合成された画素配列を模式的に示す図である。
【図15】合成された画素配列を模式的に示す図である。
【図16】光学シフト素子の構成および動作を説明する模式図である。
【図17】光学シフト素子による光学的なシフトを模式的に示す図である。
【図18】(a)および(b)は、画素配列のシフトを模式的に示す図であり、(c)は、合成された画素配列を模式的に示す図である。
【図19】合成された画素配列を模式的に示す図である。
【図20】信号強度と表示輝度との関係を示すグラフである。
【図21】(a)および(b)は、画素配列のシフトを模式的に示す図であり、(c)は、合成された画素配列を模式的に示す図である。
【図22】(a)および(b)は、画素配列のシフトを模式的に示す図であり、(c)は、合成された画素配列を模式的に示す図である。
【図23】信号強度と表示輝度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 光源
2 球面鏡
3 コンデンサーレンズ
4、5、6 ダイクロイックミラー
7 マイクロレンズアレイ
8 液晶表示パネル(画像表示パネル)
9 フィールドレンズ
10 光学シフト素子
10´ 光学シフト部
11 投影レンズ
12、12a、12b 光束
13 被投影面
14 サブフレーム画像生成回路
100 表示装置
Claims (7)
- 原画像のデータから複数のサブフレーム画像のデータを生成する回路を備え、前記複数のサブフレーム画像を時分割で表示することによってフレーム画像を合成する表示装置であって、
前記フレーム画像を構成する複数の画素のそれぞれは、それぞれが前記複数のサブフレーム画像のいずれかに属し、相互に空間的に分離された複数のサブ画素から構成されており、
各画素を構成する前記複数のサブ画素は、互いに異なるサブフレーム画像に属する2つのサブ画素を少なくとも含み、
前記回路は、原画像のデータから所定の座標毎に参照データを取得し、各画素を構成する前記複数のサブ画素に対して同一座標の参照データを参照して表示データを生成することによって、前記複数のサブフレーム画像のデータを生成する、表示装置。 - 各画素を構成する前記複数のサブ画素に対して前記回路によって参照される前記同一座標の参照データは、前記複数のサブ画素のうちの1つのサブ画素の座標の参照データである、請求項1に記載の表示装置。
- 各画素を構成する前記複数のサブ画素に対して前記回路によって参照される前記同一座標の参照データは、前記複数のサブ画素から構成される画素の重心の座標の参照データである、請求項1に記載の表示装置。
- 原画像のデータから複数のサブフレーム画像のデータを生成する回路を備え、前記複数のサブフレーム画像を時分割で表示させることによってフレーム画像を合成する表示装置であって、
前記フレーム画像を構成する複数の画素のそれぞれは、それぞれが前記複数のサブフレーム画像のいずれかに属し、相互に空間的に分離された複数のサブ画素から構成されており、
各画素を構成する前記複数のサブ画素は、互いに異なるサブフレーム画像に属する2つのサブ画素を少なくとも含み、
前記回路は、原画像のデータから所定の座標毎に参照データを取得し、各画素を構成する前記複数のサブ画素に対してそれぞれの座標の参照データを参照して表示データを生成することによって前記複数のサブフレーム画像のデータを生成する回路であって、
前記回路は、さらに、参照すべき参照データが存在しないサブ画素に対して、そのサブ画素とその周辺のサブ画素との相対配置関係と、前記周辺のサブ画素に対して参照される参照データとに基づいて演算を行うことによって表示データを生成し、
前記演算は、表示データとして与えられる信号の強度と表示輝度との非線形の関係を線形の関係に補正してから行われる、表示装置。 - 前記フレーム画像を合成する前記複数のサブフレーム画像のうちの選択されたサブフレーム画像に属するサブ画素を、その他のサブフレーム画像に属するサブ画素に重ならないように光学的にシフトさせる光学シフト素子をさらに備える、請求項1から4のいずれかに記載の表示装置。
- 複数のサブフレーム画像を時分割で表示することによってフレーム画像を合成し、前記フレーム画像を構成する複数の画素のそれぞれは、それぞれが前記複数のサブフレーム画像のいずれかに属し、相互に空間的に分離された複数のサブ画素から構成されており、各画素を構成する前記複数のサブ画素は、互いに異なるサブフレーム画像に属する2つのサブ画素を少なくとも含む、表示装置に用いられ、原画像のデータから前記複数のサブフレーム画像のデータを生成する回路装置であって、
原画像のデータから所定の座標毎に参照データを取得し、各画素を構成する前記複数のサブ画素に対して同一座標の参照データを参照して表示データを生成することによって、前記複数のサブフレーム画像のデータを生成する、回路装置。 - 複数のサブフレーム画像を時分割で表示することによってフレーム画像を合成し、前記フレーム画像を構成する複数の画素のそれぞれは、それぞれが前記複数のサブフレーム画像のいずれかに属し、相互に空間的に分離された複数のサブ画素から構成されており、各画素を構成する前記複数のサブ画素は、互いに異なるサブフレーム画像に属する2つのサブ画素を少なくとも含む、表示装置に用いられ、原画像のデータから前記複数のサブフレーム画像のデータを生成する回路装置であって、
原画像のデータから所定の座標毎に参照データを取得し、各画素を構成する前記複数のサブ画素に対してそれぞれの座標の参照データを参照して表示データを生成することによって前記複数のサブフレーム画像のデータを生成し、
さらに、参照すべき参照データが存在しないサブ画素に対して、そのサブ画素とその周辺のサブ画素との相対配置関係と、前記周辺のサブ画素に対して参照される参照データとに基づいて演算を行うことによって表示データを生成し、
前記演算は、表示データとして与えられる信号の強度と表示輝度との非線形の関係を線形の関係に補正してから行われる、回路装置。
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