JP2004252193A - 現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

Info

Publication number
JP2004252193A
JP2004252193A JP2003042950A JP2003042950A JP2004252193A JP 2004252193 A JP2004252193 A JP 2004252193A JP 2003042950 A JP2003042950 A JP 2003042950A JP 2003042950 A JP2003042950 A JP 2003042950A JP 2004252193 A JP2004252193 A JP 2004252193A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
developer
developing device
casing
carrier
space
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003042950A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3919678B2 (ja
Inventor
Osamu Sato
佐藤  修
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2003042950A priority Critical patent/JP3919678B2/ja
Priority to US10/780,773 priority patent/US7103298B2/en
Publication of JP2004252193A publication Critical patent/JP2004252193A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3919678B2 publication Critical patent/JP3919678B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Dry Development In Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】大幅な設計変更や現像装置の機能を制約することなく、現像領域の下流側で発生するトナー飛散を安定して抑制することである。
【解決手段】現像領域の下流側に位置するケーシング縁部84aと感光体ドラム20の表面との間に形成される流入空隙Cを通じて、外気がケーシング84の内部空間Aに向かって流入し得る構造を備えている。また、装置構成上、現像領域の下流側における現像スリーブ表面とケーシング内壁との間の流路空間Bは、現像剤Tによって塞がれてしまうが、この箇所よりも現像スリーブ回転方向上流側に迂回通路86を設け、その流路空間Bと内部空間Aとを連通させているので、流路空間Bが現像剤Tで塞がれていても、流入間隙Cから流入する気流を発生させることが可能となる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に適用される現像装置、並びに、これを備えた画像形成装置及びプロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、現像装置は、トナーが画像形成装置内部に飛散するのを防止すべく、現像剤担持体表面の一部を潜像担持体に対向させるための開口部を除いて、ケーシングによって現像装置内部と外部との間が隔離された構造となっている。このような構造においても、潜像担持体表面とケーシングとの間に空隙が存在する。そのため、この空隙を通じて現像剤中のトナーが現像装置外部に飛散するおそれがある。現像装置外部にトナーが飛散すると、画像形成装置内部に広がったトナーによって、例えば、最終的に画像が形成される紙等の記録材が汚れたり、画像形成装置内部に配置された部材や装置の正常な動作が妨げられたりする。よって、現像装置外部にトナーが飛散するのを抑制することは、極めて重要な課題である。
【0003】
このようなトナー飛散は、主に、現像剤担持体と潜像担持体とが対向する現像領域に対して現像剤担持体の回転方向上流側(以下、単に「上流側」という。)に存在する空隙と、現像剤担持体の回転方向下流側(以下、単に「下流側」という。)に存在する空隙で発生する。このうち、上流側の空隙は、例えばその空隙を形成しているケーシングの端部に取り付けたシート部材を潜像担持体表面に当接させる構造を採用することで塞ぐことができる。よって、上流側の空隙で発生するトナー飛散は容易に抑制することができる。これに対し、下流側の空隙については、このような構造を採用してその空隙をシート部材により塞ぐことはできない。なぜなら、一般に潜像担持体と現像剤担持体は互いに連れ回る方向に回転するので、現像領域の下流側に存在する潜像担持体表面部分にはトナー像が付着しているからである。したがって、下流側の空隙で発生するトナー飛散を抑制することは、従来から困難な課題となっている。
【0004】
この課題を解決する方法として、特許文献1には、現像領域の下流側の現像装置内部に導電性ロールを設け、その導電性ロールを現像剤担持体に連れ回る方向に回転させる現像装置が提案されている。同文献の記載によれば、導電性ロールと現像剤担持体とが連れ回り方向にそれぞれ回転することで気流が発生する。これにより、現像剤担持体と潜像担持体と導電性ロールとによって囲まれる空間から現像剤担持体と導電性ロールとの間を通り現像装置内へ導かれる空気の流れが形成される。そして、現像領域で飛散しその空間に浮遊しているトナーは、その空気の流れにより現像装置内に導かれ、現像領域の下流側で発生するトナー飛散を抑制できるとしている。
【0005】
また、特許文献2には、現像領域の下流側にキャリア回収ローラを設け、現像剤担持体とキャリア回収ローラとの間隙である第1間隙の幅を、現像剤担持体と潜像担持体との間隙である第2間隙の幅よりも大きく設定した現像装置が提案されている。この現像装置には、キャリア回収ローラと潜像担持体との間隙である第3間隙に現像装置外部から内部へ向かう気流を発生させる気流発生手段が設けられている。潜像担持体と現像剤担持体とキャリア回収ローラとで囲まれた空間において、空気の出入口は上記第1間隙、上記第2間隙及び上記第3間隙の3カ所である。この現像装置においては、上記第1間隙及び上記第2間隙においては、現像剤が現像剤担持体表面に穂立ちして磁気ブラシを形成し、その状態で現像剤担持体の回転に伴い通過する。このとき、磁気ブラシの1本1本は細い小さなプロペラのように働き、その磁気ブラシの通過により磁気ブラシを形成する現像剤の間の空気が磁気ブラシに追随して移動する。これにより、上記第1間隙及び上記第2間隙には現像剤担持体回転方向に強い気流が発生する。一方、上記第3間隙においては、キャリア回収ローラ及び潜像担持体のそれぞれの回転に追随する空気は少なく、その回転によって生じる気流は弱い。従って、この第3間隙における気流は、上記第1間隙及び上記第2間隙に生じる気流によって従属的にほぼ決められる。具体的には、上記第2間隙を介して上記空間に流れ込む気流の流量と上記空間から上記第1間隙を介して流れ出す気流の流量との流量差が、上記第3間隙に生じる気流の流量となる。そして、この現像装置においては、現像剤担持体とキャリア回収ローラとの第1間隙の幅を現像剤担持体と潜像担持体との第2間隙の幅よりも大きく設定している。これにより、上記空間から第1間隙を介して流れ出す気流の流量が上記第2間隙を介して空間に流れ込む気流の流量よりも大きくなるので、この空間の気圧が下がり、上記第3間隙から空気を吸い込もうとする。よって、この第3間隙には、上記空間に向かう気流が生じることとなる。そして、この気流により、現像領域の下流側で発生するトナー飛散を抑制できるとしている。
【0006】
また、特許文献3には、現像領域の下流側で粘性気流が有効に作用して現像装置内部に向かう気流が生成される構造を備え、現像装置内に流入した粘性気流を排風するフィルタ部材を有する現像装置が提案されている。同文献によれば、現像装置内部に流入した粘性気流がフィルタ部材を通して外部に排出されるので、現像装置内部の内圧が粘性気流によって上昇飽和し、逆に現像領域の下流側で噴き出し気流を生じることを防止できるとしている。この装置によれば、現像領域の下流側で噴き出し気流を生じないので、常に現像装置内部に向かう気流が生成され、現像領域の下流側に安定した粘性気流(吸い込み気流)を発生させることができ、現像領域の下流側で発生するトナー飛散を安定して抑制することが可能となる。
【0007】
上記特許文献1に記載の現像装置については定かではないが、上記特許文献2及び上記特許文献3に記載の現像装置については、現像剤担持体が露出するための開口部の下流側縁部と潜像担持体表面との間に形成される空隙(流入空隙)を通じて、外気がケーシングの内部空間に向かって流入し得る構造となっている。そして、その流入空隙を通じて流入する気流により、トナーが現像装置外部に飛散するのを抑制している。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−66663号公報(第4頁左欄)
【特許文献2】
特開平10−3220号公報(第5頁右欄〜第6頁左欄)
【特許文献3】
特開2002−244432号公報(第2頁右欄)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記流入空隙を通じて流入する気流の強さは、ケーシングの内部空間における気流の状態に大きく左右される。
例えば、上記流入空隙からケーシングの内部空間に流れ込む外気の流路の一部又は全部が現像剤によって塞がれてしまうと、流入空隙を通じて流入する単位時間当たりの気体流入量が減ってしまう。こうなると、上記流入空隙を通じて流入する気流の強さが小さくなる。以下、具体例を挙げて説明する。
図14は、従来の現像装置の一例を示す概略構成図である。なお、この現像装置で使用されている現像剤は、磁性キャリアと非磁性トナーとから構成されている。この現像装置380は、現像剤担持体である現像スリーブ381の内部に、固定配置された複数の磁石を有する磁界発生手段385が設けられている。現像スリーブ381と潜像担持体である感光体ドラム20とが対向する現像領域を通過した現像剤は、現像スリーブ表面に担持された状態でケーシング384の内壁と現像スリーブ381との間の流路空間Bを通過し、ケーシングの内部空間Aに戻される。その後、互いに隣り合う2つのS極磁石385a,385bによって形成される反発磁界により、現像スリーブ表面から剥離される。この剥離は次のようにして起こる。反発磁界の作用を受ける領域に搬送されてきた現像スリーブ381上の現像剤Tは、その反発磁界によって現像スリーブ表面との一体的な移動が妨げられ、図示のように滞留する。この滞留した現像剤Tが、現像スリーブ381の回転によって次々と送り込まれる新たな現像剤によって押し出され、最終的には重力によって落下し、剥離が起きるのである。この剥離の前に滞留する現像剤Tは、現像装置380の連続稼働により、量的に平衡な状態になる。図示の例では、この平衡状態において、上記流路空間Bが現像剤Tによって塞がれてしまう。しかも、滞留している現像剤Tに上記新たな現像剤が次々と送り込まれて、密度が高く、気体が通過するのは非常に困難な状態となっている。このように現像剤Tで塞がれた上記流路空間Bは、外気がケーシング384の開口部の下流側縁部384aと感光体ドラム20の表面との間の流入空隙Cからケーシング384の内部空間Aに流入するための流路である。このため、この流入間隙Cを通る気流が発生しなくなってしまう。
【0010】
また、例えば、気流を乱すような気流の発生源がケーシングの内部空間にある場合も、流入空隙を通じて流入する単位時間当たりの気体流入量が減って、流入空隙を通じて流入する気流の強さが小さくなる。
図14に示した現像装置を例に挙げて説明すると、この現像装置380には、2本の搬送スクリュー382a,382bが設けられている。各搬送スクリュー382a,382bは、現像スリーブ381の回転軸方向に沿って互いに逆向きに現像剤Tを搬送する。ここで、現像スリーブ381は回転しているので、その現像スリーブ表面近傍には空気の粘性によって生じる表層気流が存在している。よって、上記流路空間Bが現像剤Tによって完全に塞がれていない場合、流入空隙Cから流入した外気は、その表層気流により、流路空間Bを通ってケーシング384の内部空間Aに入り込むことができる。そして、ケーシング384の内部空間Aに入り込んだ外気は、現像スリーブ381の表層気流により、更に内部空間Aの奥に送り込まれる。ところが、2本の搬送スクリュー382a,382bによって現像剤Tが搬送されると、その搬送中の現像剤Tの表面にも表層気流が発生する。この表層気流の流れ方向は、搬送スクリュー382a,382bの回転軸方向すなわち現像スリーブ381の回転軸方向に平行な方向であるため、現像スリーブ381の表層気流の流れ方向とは直交する方向となる。したがって、この搬送スクリュー382a,382bによって搬送される現像剤Tの表層気流によって、外気を内部空間Aの奥に送り込もうとする現像スリーブ381の表層気流によって発生する気流が乱されてしまう。このように気流が乱されると、外気を内部空間Aの奥に送り込むことが困難となり、流路空間B内の気流が滞ってしまい、流入空隙Cを通じて流入する気流の強さが小さくなってしまう。
【0011】
このようにして、流入空隙Cを通じて流入する気流が発生しなかったり、その気流の強さが小さくなったりすると、その気流によるトナー飛散の抑制効果がなくなったり低下したりし、十分にトナー飛散を抑制することができなくなるという問題が生じる。
なお、この問題を解決する方法としては、例えば、流路空間Bの一部又は全部を現像剤Tが塞ぐことがないような構成を採用したり、気流を乱すような気流の発生源を取り去ったりすることが考えられる。しかし、このような方法では、現像装置自体の構造を大幅に設計変更したり、また現像装置の機能に制約がかかったりする。
【0012】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、現像領域の下流側で発生するトナー飛散を安定して抑制することが可能な現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、表面に現像剤を担持した状態で、潜像担持体に対向しながら該潜像担持体の回転に対して連れ回り方向に回転する現像剤担持体と、内部に現像剤を収容するための内部空間を形成し、現像剤担持体回転方向における該現像剤担持体表面の一部を該潜像担持体に対向させるための開口部が設けられたケーシングとを有し、現像剤担持体回転方向下流側に位置する該開口部の縁部と該潜像担持体表面との間に形成される流入空隙を通じて、外気が該ケーシングの内部空間に向かって流入し得る構造を備えた現像装置において、上記流入空隙を通じて上記ケーシングの内部空間に流入する外気の流路となり得る上記現像剤担持体表面と該ケーシングの内壁との間の流路空間の一部又は全部を現像剤が塞いでしまう箇所よりも、現像剤担持体回転方向上流側の該ケーシングの内壁部分に第2の開口部を形成し、該流路空間内の気体を該第2の開口部を通じて現像剤飛散防止空間に排出するための気体排出路を該第2の開口部に接続したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の現像装置において、上記現像剤飛散防止空間側の上記気体排出路の端部から気体を吸引するための吸引手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の現像装置において、上記現像領域の現像剤担持体回転方向上流側で上記現像剤担持体表面と所定間隔を開けて対向配置され、該現像領域に搬送される現像剤の量を調節すべく、該現像剤担持体表面に担持された現像剤の量を規制する現像剤規制部材を有し、上記吸引手段として、該現像剤規制部材の現像剤担持体回転方向下流側に隣接した負圧空間を利用したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2又は3の現像装置において、上記ケーシングの内部空間が略密閉状態となるように構成し、上記現像剤飛散防止空間として該内部空間を用い、かつ、上記吸引手段により該内部空間の気体を吸引する構成としたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の現像装置において、上記内部空間に開口した上記気体排出路の開口部周辺で該内部空間内を流動する現像剤が該開口部上を通過するのを阻止するための阻止部材を、該開口部の現像剤流動方向上流側に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、表面に現像剤を担持した状態で、潜像担持体に対向しながら該潜像担持体の回転に対して連れ回り方向に回転する現像剤担持体と、内部に現像剤を収容するための内部空間を形成し、現像剤担持体回転方向における該現像剤担持体表面の一部を該潜像担持体に対向させるための開口部が設けられたケーシングとを有し、現像剤担持体回転方向下流側に位置する該開口部の縁部と該潜像担持体表面との間に形成される流入空隙を通じて、外気が該ケーシングの内部空間に向かって流入し得る構造を備えた現像装置において、上記流入空隙を通じて上記ケーシングの内部空間に流入する外気の流路となり得る上記現像剤担持体表面と該ケーシングの内壁との間の流路空間の一部又は全部を現像剤が塞いでしまう箇所よりも、現像剤担持体回転方向上流側の該ケーシングの内壁部分に第2の開口部を形成し、該流路空間内の気体を該第2の開口部を通じて現像装置外部に排出するための気体排出路を該第2の開口部に接続し、該気体排出路上にフィルタ部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、表面に現像剤を担持した状態で、潜像担持体に対向しながら該潜像担持体の回転に対して連れ回り方向に回転する現像剤担持体と、内部に現像剤を収容するための内部空間を形成し、現像剤担持体回転方向における該現像剤担持体表面の一部を該潜像担持体に対向させるための開口部が設けられたケーシングと、該ケーシングの内部空間で該現像剤担持体の回転軸方向に現像剤を搬送する搬送部材とを有し、該現像剤担持体と該搬送部材との間の流路用間隙を通過する気流により、現像剤担持体回転方向下流側に位置する該開口部の縁部と該潜像担持体表面との間に形成される流入空隙を通じて、外気が該ケーシングの内部空間に向かって流入し得る構造を備えた現像装置において、上記流路用間隙を通過する気流から上記搬送部材によって搬送される現像剤を遮蔽するための遮蔽部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の現像装置において、上記現像領域の現像剤担持体回転方向上流側で上記現像剤担持体表面と所定間隔を開けて対向配置され、該現像領域に搬送される現像剤の量を調節すべく、該現像剤担持体表面に担持された現像剤の量を規制する現像剤規制部材を有し、上記流路用間隙を通過する気流が発生するように、該現像剤規制部材の現像剤担持体回転方向下流側に隣接した負圧空間と上記ケーシングの内部空間とを連通させたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項7又は8の現像装置において、上記搬送部材として、上記現像剤担持体の回転軸方向にわたって延在する回転軸上に固定されたフィンが回転することで、該現像剤担持体の回転軸方向に沿って現像剤を互いに逆向きに搬送する2本の搬送スクリューを用い、該2本の搬送スクリューにおける回転軸方向の両端部領域に、一方の搬送スクリューの搬送終了端部まで搬送された現像剤を他方の搬送スクリューの搬送開始端部まで移動させるための移動通路を備え、少なくとも該現像剤担持体に近接する側の搬送スクリューを上記気流から遮蔽するように、上記遮蔽部材を配置したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9の現像装置において、上記移動通路のうち、少なくとも、上記現像剤担持体に近接する側の搬送スクリューの搬送開始端部へ現像剤を移動させるための移動通路内を移動する現像剤を、上記遮蔽部材によって上記気流から遮蔽することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項9又は10の現像装置において、上記遮蔽部材の上記搬送スクリューと対向する側の面に、該搬送スクリューのフィン外周部に接触する可撓性部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項9、10又は11の現像装置において、上記現像剤担持体に近接する側の搬送スクリューと該現像剤担持体との間の流路用間隙に近接するケーシング内壁部分に、気体を吸引するための吸引手段の吸引口を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項9、10又は11の現像装置において、上記現像剤担持体に近接する側の搬送スクリューと該現像剤担持体との間の流路用間隙を通過し、かつ、該現像剤担持体から離れた側の搬送スクリューの周辺領域を通過する気流を発生させる気流発生手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13の現像装置において、上記流入空隙に、上記ケーシングの内部空間の環境をトナー帯電特性にとって良好な条件とするための気体を供給するための気体供給手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像装置とを備えた画像形成装置において、上記現像装置として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14の現像装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項15の画像形成装置の本体に対して着脱可能に構成されるプロセスカートリッジであって、少なくとも上記潜像担持体と上記現像装置とを一体に構成したことを特徴とするものである。
【0014】
上記請求項1乃至14の現像装置並びに請求項15の画像形成装置及び請求項16のプロセスカートリッジにおいては、現像剤担持体回転方向下流側に位置するケーシングの開口部縁部と潜像担持体表面との間に形成される流入空隙を通じて、外気がケーシングの内部空間に向かって流入し得る構造を備えている。
このような構造を採用していても、上述のように、上記流入空隙を通じてケーシングの内部空間に流入する外気の流路となり得る現像剤担持体表面とケーシングの内壁との間の流路空間の一部又は全部が現像剤で塞がれてしまうと、その流入間隙を通る気流の流れが阻害され、トナー飛散の抑制効果が低下してしまう。そこで、請求項1の現像装置においては、上記流路空間の一部又は全部を現像剤が塞いでしまう箇所よりも、現像剤担持体回転方向上流側のケーシングの内壁部分に第2の開口部を形成している。そして、その第2の開口部に、上記流路空間内の気体を第2の開口部を通じて現像剤飛散防止空間に排出するための気体排出路を接続した。この現像剤飛散防止空間は、現像剤あるいはトナーが画像形成装置内部に飛散することがないように処理された空間であり、例えば、現像装置の内部空間、現像剤を回収するクリーニング装置の内部空間等である。よって、本現像装置によれば、上記流入間隙から流入する気流が第2の開口部を介して気体排出路を通過し、現像剤飛散防止空間に向かうという新たな外気の流路を形成することができる。したがって、上記流路空間の一部又は全部が現像剤で塞がれていても、流入間隙から流入する気流を発生させることが可能となる。
また、請求項6の現像装置においては、上記流路空間内の気体を現像剤飛散防止空間ではなく、気体排出路を通じて現像装置外部に排出する構成としている。この気体排出路には、現像剤(トナーを含む)は通さずに気体だけを通すフィルタ部材が設けられているので、気体排出路を通過する気流に乗って現像剤が現像装置外部に飛散することはない。この現像装置においては、上記流入間隙から流入する気流が第2の開口部を介して気体排出路を通過し、現像装置外部に向かうという新たな外気の流路を形成することができる。したがって、上記流路空間の一部又は全部が現像剤で塞がれていても、流入間隙から流入する気流を発生させることが可能となる。
また、上述のように、現像剤担持体と搬送部材との間の流路用間隙を通過する気流を利用して、上記流入空隙から外気を流入させる構造を採用する現像装置もある。このような現像装置においては、その搬送部材がケーシングの内部空間で現像剤担持体の回転軸方向に現像剤を搬送するものであると、現像剤担持体の表層気流によって発生する気流が、搬送部材によって搬送されている現像剤の表層気流によって乱されてしまう。このような乱れが生じると、その流入間隙を通る気流の流れが阻害され、トナー飛散の抑制効果が低下してしまう。そこで、請求項7の現像装置においては、上記流路用間隙を通過する気流から上記搬送部材によって搬送される現像剤を遮蔽するための遮蔽部材を設けている。これにより、流路用間隙を通過する気流が、搬送部材によって搬送される現像剤の表層気流によって乱されるのを抑制することができる。よって、このような搬送部材が備わっていても、流路用間隙を通過する気流が乱されることはなく、流入間隙から流入する気流の強さが弱まることがない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、画像形成装置としての電子写真複写機(以下、単に「複写機」という。)に適用した一実施形態について説明する。本実施形態の複写機は、各色ごとに潜像担持体としての感光体ドラムを備えたいわゆるタンデム型のカラー複写機であるが、これに限られるものではない。
【0016】
まず、本実施形態に係る複写機全体の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る複写機全体の概略構成図である。この複写機は、複写機本体100と、この複写機本体を載置する給紙テーブル200と、その複写機本体上に取り付けるスキャナ300と、このスキャナの上部に取り付けられる原稿自動搬送装置(ADF)400とから構成されている。
【0017】
図3は、複写機本体100部分の構成を示す拡大図である。複写機本体100には、無端ベルト状の像担持体としての中間転写体である中間転写ベルト10が設けられている。この中間転写ベルト10は、3つの支持ローラ14,15,16に張架された状態で、図3中時計回り方向に回転駆動される。支持ローラのうちの第1支持ローラ14と第2支持ローラ15との間のベルト張架部分には、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kが並んで配置されている。これらの画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kの上方には、図2に示すように、露光装置21が設けられている。この露光装置21は、スキャナ300で読み取った原稿の画像情報に基づいて、各画像形成ユニットに設けられる潜像担持体としての感光体ドラム20Y,20C,20M,20K上に静電潜像を形成するためのものである。また、支持ローラのうちの第3支持ローラ16に対向する位置には、2次転写装置22が設けられている。この2次転写装置22は、2つのローラ23a,23b間に無端ベルト状の2次転写ベルト24が張架した構成を有する。そして、中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙上に2次転写する際には、2次転写ベルト24を第3支持ローラ16に巻回された中間転写ベルト10部分に押し当てて2次転写を行う。なお、2次転写装置22は、2次転写ベルト24を用いた構成でなくても、例えば転写ローラや非接触の転写チャージャを用いた構成としてもよい。また、2次転写装置22の2次転写ベルト24による転写紙搬送方向下流側には、転写紙上に転写されたトナー像を定着させるための定着装置25が設けられている。この定着装置25は、加熱ローラ26に加圧ローラ27を押し当てた構成となっている。また、中間転写ベルト10の支持ローラのうちの第2支持ローラ15に対向する位置には、ベルトクリーニング装置17が設けられている。このベルトクリーニング装置17は、記録材としての転写紙に中間転写ベルト10上のトナー像を転写した後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去するためのものである。
【0018】
次に、画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kの構成について説明する。以下の説明では、黒色のトナー像を形成する画像形成ユニット18Kを例に挙げて説明するが、他の画像形成ユニット18Y,18C,18Mも同様の構成を有する。
図4は、隣り合う2つの画像形成ユニット18M,18Kの構成を示す拡大図である。なお、図中の符号では、色の区別を示す「M」及び「K」の記号を省略しており、以下の説明でも記号は適宜省略する。
画像形成ユニット18には、感光体ドラム20の周囲に、帯電装置60、現像装置80及び感光体クリーニング装置63が設けられている。また、感光体ドラム20に対して中間転写ベルト10を介して対向する位置には、1次転写装置62が設けられている。
【0019】
上記帯電装置60は、帯電ローラを採用した接触帯電方式のものであり、感光体ドラム20に接触して電圧を印加することにより感光体ドラム20の表面を一様に帯電する。この帯電装置60には、非接触のスコロトロンチャージャなどを採用した非接触帯電方式のものも採用できる。
【0020】
また、上記現像装置80は、一成分現像剤を使用してもよいが、本実施形態では、磁性キャリアと非磁性トナーからなる二成分現像剤を使用している。この現像装置80は、現像剤担持体としての現像スリーブ81の表面の一部を感光体ドラム20に対向させるための開口部が設けられたケーシング84を備えている。このケーシング84の内部には、二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という。)を収容するための内部空間Aが形成されている。現像スリーブ81は、表面に現像剤を担持した状態で、感光体ドラム20の回転に対して連れ回り方向に回転駆動する。内部空間Aには、現像スリーブ81の回転軸方向に現像剤を搬送する搬送部材としての2本の搬送スクリュー82a,82bが設けられている。この2本の搬送スクリュー82a,82bは、回転軸に固定されたフィンを回転させることで、現像剤を攪拌しながら、現像スリーブ81の回転軸方向と平行な方向にに搬送する。なお、各搬送スクリュー82a,82bは、互いに逆向きに現像剤を搬送するように構成されている。2本の搬送スクリュー82a,82bの間には、現像スリーブ回転軸方向両端部で互いが連通するように仕切っている仕切り板84bがケーシング84と一体的に形成されている。これにより、2本の搬送スクリュー82a,82bの両端部領域には、一方の搬送スクリュー82a,82bの搬送終了端部まで搬送された現像剤を他方の搬送スクリュー82b,82aの搬送開始端部まで移動させるための移動通路が形成される。よって、各搬送スクリュー82a,82bにより現像剤がその搬送終了端部まで搬送されると、その現像剤は移動通路を通って他方の搬送スクリュー82b,82a側に移動し、今度は逆向きに搬送され、内部空間A内を現像剤が循環する。なお、現像装置80の構成及び動作についての詳細は後述する。
【0021】
また、上記1次転写装置62は、1次転写ローラを採用しており、中間転写ベルト10を挟んで感光体ドラム20に押し当てるようにして設置されている。1次転写装置62は、ローラ形状のものでなくても、導電性のブラシ形状のものや、非接触のコロナチャージャなどを採用してもよい。
また、上記感光体クリーニング装置63は、先端を感光体ドラム20に押し当てられるように配置される、例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレード75を備えている。また、本実施形態では、クリーニング性能を高めるために感光体ドラム20に接触する導電性のファーブラシ76を併用している。このファーブラシ76には、金属製の電界ローラ77からバイアスが印加されており、その電界ローラ77にはスクレーパ78の先端が押し当てられている。そして、クリーニングブレード75やファーブラシ76により感光体ドラム20から除去されたトナーは、感光体クリーニング装置63の内部に収容される。その後、回収スクリュ79により感光体クリーニング装置63の片側に寄せられ、図示しないトナーリサイクル装置を通じて現像装置80へと戻され、再利用する。
また、除電装置64は、除電ランプで構成されており、光を照射して感光体ドラム20の表面電位を初期化する。
【0022】
以上の構成をもつ画像形成ユニット18では、感光体ドラム20の回転とともに、まず帯電装置60で感光体ドラム20の表面を一様に帯電する。次いでスキャナ300により読み取った画像情報に基づいて露光装置21からレーザやLED等による書込光Lを照射し、感光体ドラム20上に静電潜像を形成する。その後、現像装置80により静電潜像が可視像化されてトナー像が形成される。このトナー像は、1次転写装置62により中間転写ベルト10上に1次転写される。1次転写後に感光体ドラム20の表面に残留した転写残トナーは、感光体クリーニング装置63により除去され、その後、感光体ドラム20の表面は、除電装置64により除電されて、次の画像形成に供される。
【0023】
次に、本実施形態における複写機の動作について説明する。
上記構成をもつ複写機を用いて原稿のコピーをとる場合、まず、図2に示した原稿自動搬送装置400の原稿台30に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。その後、ユーザーが図示しないスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときには、原稿がコンタクトガラス32上に搬送される。そして、スキャナ300が駆動して第1走行体33および第2走行体34が走行を開始する。これにより、第1走行体33からの光がコンタクトガラス32上の原稿で反射し、その反射光が第2走行体34のミラーで反射されて、結像レンズ35を通じて読取センサ36に案内される。このようにして原稿の画像情報を読み取る。
【0024】
また、ユーザーによりスタートスイッチが押されると、図示しない駆動モータが駆動し、支持ローラ14,15,16のうちの1つが回転駆動して中間転写ベルト10が回転駆動する。また、これと同時に、各画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kの感光体ドラム20Y,20C,20M,20Kも回転駆動する。なお、感光体ドラム20Y,20C,20M,20Kの駆動機構の詳細は後述する。その後、スキャナ300の読取センサ36で読み取った画像情報に基づいて、露光装置21から、各画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kの感光体ドラム20Y,20C,20M,20K上に書込光Lがそれぞれ照射される。これにより、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20Kには、それぞれ静電潜像が形成され、現像装置80Y,80C,80M,80Kにより可視像化される。そして、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20K上には、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのトナー像が形成される。このようにして形成された各色トナー像は、各1次転写装置62Y,62C,62M,62Kにより、順次中間転写ベルト10上に重なり合うようにそれぞれ1次転写される。これにより、中間転写ベルト10上には、各色トナー像が重なり合った合成トナー像が形成される。なお、2次転写後の中間転写ベルト10上に残留した転写残トナーは、ベルトクリーニング装置17により除去される。
【0025】
また、ユーザーによりスタートスイッチが押されると、ユーザーが選択した転写紙に応じた給紙テーブル200の給紙ローラ42が回転し、給紙カセット44の1つから転写紙が送り出される。送り出された転写紙は、分離ローラ45で1枚に分離して給紙路46に入り込み、搬送ローラ47により複写機本体100内の給紙路48まで搬送される。このようにして搬送された転写紙は、レジストローラ49に突き当たったところで止められる。なお、給紙カセット44にセットされていない転写紙を使用する場合、手差しトレイ51にセットされた転写紙を給紙ローラ50により送り出し、手差し給紙路53を通って搬送される。そして、同じくレジストローラ49に突き当たったところで止められる。
【0026】
レジストローラ49は、上述のようにして中間転写ベルト10上に形成された合成トナー画像が2次転写装置22の2次転写ベルト24に対向する2次転写部に搬送されるタイミングに合わせて回転を開始する。ここで、レジストローラ49は、一般的には接地されて使用されることが多いが、転写紙の紙粉除去のためにバイアスを印加するようにしてもよい。レジストローラ49により送り出された転写紙は、中間転写ベルト10と2次転写ベルト24との間に送り込まれ、2次転写装置22により、中間転写ベルト10上の合成トナー像が転写紙上に2次転写される。その後、転写紙は、2次転写ベルト24に吸着した状態で定着装置25まで搬送され、定着装置25で熱と圧力が加えられてトナー像の定着処理が行われる。定着装置25を通過した転写紙は、排出ローラ56により排紙トレイ57に排出されスタックされる。なお、トナー像が定着された面の裏面にも画像形成を行う場合には、定着装置25を通過した転写紙の搬送経路を切換爪55により切り換える。そして、その転写紙は、2次転写装置22の下方に位置するシート反転装置28に送り込まれ、そこで反転し、再び2次転写部に案内される。
【0027】
本実施形態では、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20K、その周囲に配置された現像装置80等の部品を、一体化したプロセスカートリッジとして構成している。このプロセスカートリッジは、プリンタ本体に対して着脱自在となっている。よって、プロセスカートリッジ内に収容された部品に寿命が到来したり、メンテナンスが必要になったりしたときには、そのプロセスカートリッジを交換すればよく、利便性が向上する。
【0028】
次に、本発明の特徴部分である現像装置の構成及び動作について詳述する。なお、いずれの画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kについても、その現像装置80Y,80C,80M,80Kの構成及び動作は同様であるので、以下、色の区別を示す記号については省略して説明する。
【0029】
図1は、本実施形態における現像装置80を示す概略構成図である。
現像スリーブ81の内部には、複数の磁石を有するマグネットローラ85が固定配置されており、現像スリーブ81は、このマグネットローラ85の周囲を回転駆動する。ケーシング84の内部空間A内を2本のスクリュー82a,82bによって攪拌しながら搬送循環している現像剤Tは、マグネットローラ85の磁界作用を受けて現像スリーブ81の表面に汲み上げられる。具体的には、図1に示すように、マグネットローラ85の磁界作用により、現像剤Tは内部空間Aの上方部分に汲み上げられる。そして、この上方部分の現像剤Tはその部分で循環しながら現像スリーブ81の表面に磁力によって保持され、現像スリーブ81の回転に伴って搬送される。そして、現像剤規制部材としてのドクターブレード83の先端と現像スリーブ81の表面との隙間(ドクターギャップ)によって適正な量に規制される。ドクターギャップを通過した現像剤は、現像スリーブ81の回転に伴って感光体ドラム20と対向する現像領域に搬送される。一方、ドクターギャップを通過できずに規制された現像剤Tは、内部空間Aの上方部分に戻される。
【0030】
このようにして現像領域に搬送された現像剤は、マグネットローラ85による磁界の作用を受けて現像スリーブ81の表面上で穂立ち状態となり、磁気ブラシを形成する。この現像領域では、現像スリーブ81に印加されている現像バイアスにより、現像剤中のトナーを感光体ドラム20上の静電潜像部分に移動させる現像電界が形成される。これにより、現像剤中のトナーは、感光体ドラム20上の静電潜像部分に転移し、感光体ドラム20上の静電潜像は可視像化され、トナー像が形成される。
【0031】
現像領域を通過した現像剤は、現像スリーブ81の回転に伴って、現像スリーブ81の表面とケーシング84の内壁との間の流路空間B内に搬送される。そして、その現像剤は、マグネットローラ85に設けられる剥離手段としての互いに隣り合う2つの同極性磁石85a,85bにより形成される反発磁界により、現像スリーブ81の表面から剥離される。ここで、この反発磁界の作用を受ける領域に搬送されてきた現像スリーブ81上の現像剤は、その反発磁界によって現像スリーブ81表面との一体的な移動が妨げられ、図示のように滞留する。そして、この滞留した現像剤Tによって、流路空間Bが塞がってしまう。なお、このようにして滞留した現像剤Tは、現像スリーブ81の回転によって次々と送り込まれる新たな現像剤によって押し出され、最終的には重力によってケーシング内壁を伝って第1搬送スクリュー82aが搬送している現像剤T内に取り込まれる。
【0032】
そこで、本実施形態では、上記流路空間Bを現像剤が塞いでしまう箇所すなわち現像剤Tが滞留している箇所よりも現像スリーブ81の回転方向上流側のケーシング84の内壁部分に、第2の開口部である迂回通路86の入口86aを形成している。
図5は、現像剤Tが滞留している箇所を内部空間Aから見たときの拡大図である。迂回通路86は、流路空間B内の気体を入口86aを通じて排出するための気体排出路であり、出口86bを通じてケーシング84の現像剤飛散防止空間となる内部空間Aに連通している。本実施形態では、現像スリーブ81の軸方向にわたって迂回通路86が形成されている。しかも、内部空間Aと迂回通路86との間の隔壁部分の厚さは比較的薄いので、上記反発磁界により滞留した現像剤Tの圧力を受けると、その隔壁部分が撓んで迂回通路86が狭められるおそれがある。特に、この隔壁部分は、電圧が印加される現像スリーブ81に近接していることから絶縁性が必要となるため、一般に樹脂材料から形成されているので、比較的強度が弱く撓みやすい。そこで、本実施形態では、図示のように、迂回通路86を現像スリーブ81の回転軸方向に複数に分割している。これにより、各通路間の分割壁がリブとして機能し、上記隔壁部分の強度を高めることができる。なお、迂回通路86を複数に分割するのではなく、単一の迂回通路86内にリブを設けるようにしても同様の効果が得られる。また、現像スリーブ81の軸方向における迂回通路86の中央部分が最も強度が弱く撓みやすいので、複数のリブを設ける場合には、リブの間隔は中央部分が密となるようにするのが望ましい。中央部分は端部に比べて気流が安定しているので、リブの間隔が端部よりも密であってもリブによって気流が乱されることはない。
【0033】
迂回通路86が連通する内部空間Aの内圧は、ケーシング外部の気圧よりも低く設定されている。よって、流路空間B内の気体は、迂回通路86を通ってケーシング84の内部空間A内に流れ込むことなる。
具体的に説明すると、本実施形態においては、内部空間Aにおける第2搬送スクリュー82bの上部に、吸引手段としての真空ポンプ87の吸引口87aを連通させている。この真空ポンプ87は吸引口87aから気体を現像剤飛散防止空間となる内部の空間に吸引するもので、第2搬送スクリュー82bの上部空間の気体は、その吸引口87aから真空ポンプ87を通して排出される。この吸引口87aにはフィルタ部材87bが取り付けられているので、気体と一緒に現像剤が排出されることはない。このようにして真空ポンプ87により吸引が行われることで、ケーシング84の内部空間Aには、その吸引口87aに向かう気流が発生する。
ここで、ケーシング84の内部空間Aは、現像領域の上流側に位置するケーシング84の端部と感光体ドラム20の表面との間の空隙と、現像領域の下流側に位置するケーシング84の端部84aと感光体ドラム20の表面との間の流入空隙Cで、装置外部に連通している。しかし、前者の空隙は、ドクターギャップを介して内部空間Aに連通しており、このドクターギャップは密度の高い現像剤で塞がれている。よって、この空隙から外気が流入することはない。したがって、本実施形態の現像装置80は、真空ポンプ87により吸引を行うことで、上記流入空隙Cからのみ外気が流入し得る構造を備えている。
【0034】
なお、図1では、マグネットローラ85の磁石85aの近傍で現像剤が穂立ちし、流路空間Bを塞いでいるように見えるが、この部分の現像剤は、気流の流れを妨げるものではなく、むしろ気流の流れを促進する働きがある。この点について、図6を参照しつつ説明する。
図6は、流路空間Bを通過する1本の磁気ブラシに着目したときの、磁石85aの近傍における磁気ブラシの挙動を示す説明図である。図示のように、現像スリーブ81の回転に伴って移動する現像剤は、磁石85aに近づくにつれて徐々に穂立ちして磁気ブラシを形成し、磁石85aから離れるにつれて徐々に磁気ブラシが寝ていく。このような磁気ブラシの挙動は、流路空間B内の磁石85aの近傍の気体を現像スリーブ81の回転方向に送り込むポンプとして機能することになる。したがって、流路空間B内における磁石85aの近傍では、現像スリーブ81の回転方向に沿った気流が発生することになる。この気流は、現像スリーブ81が露出するケーシング開口部の下流側縁部84aと感光体ドラム20表面との間に形成される流入空隙Cからの外気の流入を促進させるものである。
【0035】
以上のような構成により、本実施形態の現像装置80では、流入間隙C、流路空間B、迂回通路86、内部空間A内の現像スリーブ81と第1搬送スクリュー82aとの間の流路用間隙D、仕切り板84bの上部とケーシング84の内壁との間及び吸引口87aを通る気流を発生させることができる。そして、本実施形態では、流路空間Bで現像剤Tが滞留する箇所は気流の流路上に存在しないので、その箇所で現像剤Tが滞留しても、気流の強さが弱まることはない。よって、この気流によりケーシング84の外気を流入間隙Cから流入させることで流入間隙Cで発生するトナー飛散を抑制する効果を維持することができる。
【0036】
なお、本実施形態では、ケーシング84の内部空間Aに開口する迂回通路86の出口86bは、反発磁界によって滞留する現像剤Tの鉛直方向下方に位置するケーシング内壁に形成されている。そのため、そのケーシング内壁を伝って落ちてくる現像剤Tによって迂回通路86の出口86bが塞がれてしまうことも考えられる。しかし、迂回通路86の出口86b付近では、マグネットローラ85による磁力が弱くなっているため、現像剤Tは疎らな状態でケーシング内壁を伝って落下していく。しかも、各搬送スクリュー82a,82bが回転すると、その搬送中の現像剤Tの表面は、図1に示すように、搬送スクリュー82a,82bの回転方向上流側が鉛直方向下方に沈下した状態となるので、ケーシング内壁を伝って現像剤Tの表面に到達した現像剤Tによって迂回通路86の出口86bが埋没することもない。
【0037】
しかし、本実施形態で例示する現像装置80とは異なる構成、例えば迂回通路86の出口86bを本実施形態よりも鉛直方向上方に変位させた構成を採用した場合、反発磁界により滞留する現像剤Tが迂回通路86の出口86bまで迫り出した状態になることもある。これでは、流入間隙Cから外気を流入させるための気流が弱まってしまう。そこで、このような場合には、図7に示すように、迂回通路86の出口86b上を現像剤Tが通過するのを阻止するための阻止部材としての突起部86cを、その出口86bの鉛直方向上方に設けるようにしてもよい。この場合、ケーシング84の内壁を伝って落下してくる現像剤Tは、突起部86cに沿って移動し、出口86b上を通過することはない。
【0038】
図8は、本実施形態における現像装置80の搬送スクリュー82a,82bが見えるようにケーシング84の一部を破断した状態の斜視図である。
本実施形態では、現像スリーブ81の回転によって、その現像スリーブ表面近傍には空気の粘性によって生じる表層気流が存在する。この表層気流の流れ方向は、流路用間隙Dにおいて、上述した内部空間Aに発生する気流の流れ方向と一致するので、この流路用間隙Dを通過する気流の流れが促進され、流入間隙Cから外気を流入させてトナー飛散を抑制する効果が促進される。ここで、内部空間A内に設けられた2本の搬送スクリュー82a,82bは、現像剤Tを現像スリーブ81の回転軸方向に沿って搬送している。そのため、その搬送中の現像剤Tの表面に生じた表層気流の流れ方向は、上述した内部空間Aに発生する気流の流れ方向と直交する方向となる。したがって、この現像剤Tの表層気流によって上述した内部空間Aに発生する気流が乱される結果、流入間隙Cから外気を流入させてトナー飛散を抑制する効果が低下する。
【0039】
そこで、本実施形態の現像装置80には、上記流路用間隙Dを通過する気流から第1搬送スクリュー82aによって搬送される現像剤Tを遮蔽するための遮蔽部材としてのスクリューカバー88aが設けられている。このスクリューカバー88aは、第1搬送スクリュー82aの回転軸方向にわたって第1搬送スクリュー82aを覆うように設けられている。このようなスクリューカバー88aを設けることで、上記流路用間隙Dを通過する気流から、第1搬送スクリュー82aによって搬送される現像剤Tの表層気流を隔離することができる。よって、流路用間隙Dを通過する気流が現像剤Tの表層気流によって乱されることがなくなる。したがって、流入間隙Cから外気を流入させてトナー飛散を抑制する効果が低下するのを抑制することができる。
【0040】
また、本実施形態では、第2搬送スクリュー82bによって搬送される現像剤Tを遮蔽するための遮蔽部材としてのスクリューカバー88aも設けられている。第2搬送スクリュー82bによって搬送される現像剤Tの表層気流も、仕切り板84bの上部とケーシング84の内壁との間を通過して吸引口87aに流れ込む気流を乱すからである。
尚、吸引口87aが開口した内部空間Aの部分すなわち第2搬送スクリュー82bの上方では、第2搬送スクリュー82bの搬送開始端部側に図示しないトナー補給部から新規トナーを補給するための補給口も開口している。この新規トナーは、帯電が不十分であるためキャリアへの付着力が弱いため、その補給口付近ではトナーが多く浮遊している。そのため、真空ポンプ87の吸引口87aを新規トナーの補給口付近に設けると、フィルタ部材87bに多くのトナーが付着してしまい、気流の流れを阻害する要因となる。よって、真空ポンプ87の吸引口87aは、新規トナーの補給口からなるべく遠くに配置するのが望ましい。しかし、本実施形態では、第2搬送スクリュー82bにもスクリューカバー88bを設置しているので、真空ポンプ87の吸引口87aを新規トナーの補給口付近に設けてたとしても、フィルタ部材87bに大量のトナーが付着するようなことはない。なお、フィルタ部材87bに大量のトナーが付着するのを抑制する方法としては、第2搬送スクリュー82bにもスクリューカバー88bを設置するほかに、例えば、新規トナーの補給口に対向する位置に存在する現像剤Tを穂立ちさせるための磁力発生手段(電磁石)を設け、トナー補給時に現像剤を穂立ちさせる方法が挙げられる。この方法によれば、補給口からの新規トナーを、穂立ちした現像剤の深部まで送り込むことができるので、浮遊トナーを少なくでき、フィルタ部材87bに大量のトナーが付着するのを抑制できる。このような方法を採用すれば、吸引口87aの配置の自由度を高めることができる。
【0041】
なお、各搬送スクリュー82a,82bが回転すると、その搬送中の現像剤Tの表面は、図1に示すように、搬送スクリュー82a,82bの回転方向下流側が鉛直方向に盛り上がった状態となる。本実施形態では、搬送中の現像剤Tに埋もれない搬送スクリュー82a,82bの部分をスクリューカバー88a,88bによって覆うようにしている。これにより、スクリューカバー88a,88bによって現像剤Tの搬送が妨げられることはない。また、現像剤Tのうち、搬送スクリュー82a,82bの回転により鉛直方向に盛り上がった部分が、マグネットローラ85の磁界作用により内部空間Aの上方部分に汲み上げられる。よって、この盛り上がった部分には、スクリューカバー88a,88bで覆わないようにし、現像剤の汲み上げに必要となるスペースを確保している。
【0042】
また、本実施形態では、スクリューカバー88a,88bの搬送スクリュー82a,82bに対向する側の面全体に、可撓性部材であるブラシ89が形成されている。このブラシ89は、搬送スクリュー82a,82bのフィン外周部に当接するように配置されている。これにより、搬送スクリュー82a,82bにより現像剤Tが搬送されたときに生じる表層気流の流れは、ブラシ89によって邪魔される。よって、搬送中の現像剤Tによって生じる表層気流がスクリューカバー88a,88bと搬送スクリュー82a,82bとの隙間から漏れだして、流入間隙Cから外気を流入させるための気流を乱すのを抑制することができる。
【0043】
また、2本の搬送スクリュー82a,82bの両端部領域には、上述したように、一方の搬送スクリュー82a,82bによる搬送領域から他方の搬送スクリュー82b,82aによる搬送領域に現像剤Tを移動させるための移動通路Fが形成されている。この移動通路Fの近傍では、一方の搬送スクリュー82a,82bの回転軸方向に沿って搬送されてきた現像剤は、その移動の向きを90度変えられて移動通路F中を移動した後、更に移動の向きを90度変えて他方の搬送スクリュー82b,82aの回転軸方向に沿って移動する。このような現像剤の移動により、移動通路Fの近傍では気流が大きく乱れている。このように乱れている気流によって、流入間隙Cから流入する気流が乱れることも抑制する場合には、例えば、図9に示すように、搬送スクリュー82a,82bの回転軸方向におけるスクリューカバー88aの両端部を、移動通路Fの上方空間にまで迫り出す突出部188cを形成してもよい。この突出部188cにより、移動通路F内を移動する現像剤Tによって生じる乱れた気流から、流入間隙Cから外気を流入させるための気流を隔離することができる。
【0044】
また、本実施形態では、図1に示すように、上記流入空隙Cに、ケーシング84の内部空間Aの環境をトナー帯電特性にとって良好な条件とするための気体である調湿用空気を供給するための湿気通路90が設けられている。この湿気通路90内には、図示しない調湿用空気生成部で生成した調湿用空気が流れている。この湿気通路90は、流入空隙Cと対向する部分が開口しているので、その湿気通路90を流れる調湿用空気は、流入空隙Cから内部空間Aに向かう気流に乗って内部空間Aに供給される。このようにして調湿用空気を内部空間Aに送り込むことで、その内部空間A内の現像剤の湿度環境をトナー帯電特性にとって良好な条件とすることができる。しかも、本実施形態の構成によれば、内部空間A内に調湿用空気を送り込むための動力として、トナー飛散を抑制するための気流を利用するので、別個独立に動力を必要としない。
【0045】
〔変形例1〕
次に、上記実施形態における現像装置の変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
図10は、本変形例1に係る現像装置を示す概略構成図である。この現像装置は、上記実施形態における現像装置の真空ポンプの吸引口の配置を変化させたものである。すなわち、本変形例1の現像装置は、真空ポンプ187の吸引口187aが、現像スリーブ81と第1搬送スクリュー82aとの間の流路用間隙Dに近接するケーシング84の内壁部分に開口している。この現像装置においては、上記実施形態の現像装置に比べて、流入空隙Cから吸引口187aまでの気流の流路長が短い。よって、気流の流れを弱める圧力損失を少なくでき、流入空隙Cでの気流の強さを確保することができる。
【0046】
また、図11に示すように、流路用間隙Dの近傍に、第1搬送スクリュー82aに連れ回るブラシローラ191を設置してもよい。このブラシローラ191は、第1搬送スクリュー82aが回転駆動すると、これに連れ回り回転する。これにより、ブラシローラ191は現像スリーブ81の回転に対して連れ回り方向に回転することになる。したがって、ブラシローラ191の表層気流は、迂回通路86の出口86bから流路用間隙Dに向かう気流を発生させることができる。よって、迂回通路86の出口86bから内部空間Aに入り込んだ気体を、流路用間隙Dにスムーズに送り込むことができる。しかも、このブラシローラ191を、そのブラシ先端を現像スリーブ81の表面に当接するように配置すれば、反発磁界によって現像スリーブ表面から剥離できなかった現像剤を掻き落とすことができる。
【0047】
〔変形例2〕
次に、上記実施形態における現像装置の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
流入間隙Cから内部空間Aに流入する気流は、主に、真空ポンプ87によって吸引口87a付近に発生させた気流により生じるものである。したがって、流入間隙Cから吸引口87aに至るまでの気流の流路上で如何にして圧力損失を少なくするかが、流入間隙Cでの気流の強さを確保するのに重要となる。この点について、上記実施形態では、搬送スクリュー82a,82bにスクリューカバー88a,88bを取り付けることで気流の乱れを抑制し、気流の流路上の圧力損失を低減している。また、上記変形例1では、気流の流路長を短くして圧力損失を低減している。しかし、ケーシング84の内部空間Aは、気流の流れを阻害する要因が多いため、ケーシング84の内部空間Aに流入間隙Cからの気流を通す構成では、圧力損失が比較的大きくなるおそれが高い。
【0048】
図12は、本変形例2に係る現像装置180を示す概略構成図である。
本変形例2の現像装置180は、迂回通路186の出口186bが真空ポンプ187の吸引口187aの近傍に開口している。この構成によれば、真空ポンプ187による吸引により、流入間隙C、流路空間B、迂回通路186及び吸引口187aを通る気流を発生させることができる。したがって、上記実施形態のように、内部空間A内の現像スリーブ81と第1搬送スクリュー82aとの間の流路用間隙Dや、仕切り板84bの上部とケーシング84の内壁との間など、ケーシング84の内部空間Aを通らない気流の流れを作り出すことができる。よって、気流の流路上の圧力損失が少なく、流入間隙Cから内部空間Aに流入する気流の強さを確保することができる。
また、本変形例2では、内部空間A内の現像スリーブ81と第1搬送スクリュー82aとの間の流路用間隙Dや、第2搬送スクリュー82bの上方を気流が通ることがないので、これらの搬送スクリュー82a,82bにスクリューカバー88a,88bを取り付ける必要はない。
【0049】
〔変形例3〕
次に、上記実施形態における現像装置の変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
図13は、本変形例3に係る現像装置における流路空間Bの周辺を示す拡大図である。
本変形例3の現像装置は、上記実施形態と同様の位置に入口286aを有する迂回通路286の出口286bが現像装置外部に開口している。この構成によれば、流入間隙C、流路空間B及び迂回通路286を通る気流を発生させることができる。なお、本変形例3の現像装置は、真空ポンプ等の吸引手段を備えていないが、図6に示したように、流路空間B内における磁気ブラシの挙動がポンプとして機能するので、流入間隙Cにおいてトナー飛散を十分に抑制することができる気流を発生させることができる。また、仮に流路空間B内における磁気ブラシによるポンプ作用がなくても、現像スリーブ81の回転によって生じる表層気流によって、流入間隙Cにトナー飛散を十分に抑制できる気流を発生させることができる。また、本変形例3の現像装置は、流路空間B内の現像剤が流入間隙Cから流入した外気と一緒に迂回通路286を通って現像装置外部に出てしまうのを防ぐためにフィルタ部材286dが設けられている。これにより、迂回通路286の出口286bからは、現像剤は排出されずに、流入間隙Cから流入した外気だけ排出される。
本変形例3によれば、真空ポンプを設けなくても、トナー飛散を十分に抑制できる気流を流入間隙Cに発生させることができるので、装置の簡素化や低コスト化を図ることができる。
【0050】
なお、真空ポンプを設けずにトナー飛散を十分に抑制できる気流を流入間隙Cで発生させる構成は、本変形例3の構成に限られない。例えば、真空ポンプの代わりに、本複写機内に設けられている既存の装置等を吸引手段として利用する構成が挙げられる。
例えば、感光体クリーニング装置63やベルトクリーニング装置17などのクリーニング装置を吸引手段として利用することができる。この場合、クリーニング装置の内部の空間が現像剤飛散防止空間となる。このようなクリーニング装置は、一般に、内部に回収した現像剤が外部に漏れないように略密閉構造になっており、しかも内部に回収した現像剤を廃トナーボトル等に排出する構成となっているので、内圧が低い。よって、この内圧が低いクリーニング装置63,17と流路空間Bとを迂回通路286によって連通させれば、流路空間Bからクリーニング装置63,17に向かう気流を発生させることができる。
また、例えば、ドクターブレード83の現像スリーブ回転方向下流側に隣接した現像剤飛散防止空間となる負圧空間Eを吸引手段として利用することもできる。この負圧空間Eに存在している空気は、現像スリーブ81の回転によって発生する表層気流に乗って、現像スリーブ回転方向上流側へ送り出される。しかも、図6に示した流路空間B内における磁気ブラシによるポンプ作用と同様の現象が、ドクターブレード83の現像スリーブ回転方向下流側における現像スリーブ81の表面とケーシング84の内壁との間の空間でも発生する。よって、上記負圧空間Eに存在している空気は、このポンプ作用によっても現像スリーブ回転方向上流側へ送り出されることになる。しかも、この負圧空間Eに空気を流入させ得るドクターギャップは、密度の高い現像剤によって塞がれている。したがって、負圧空間Eの圧力は低下した状態になっている。よって、この負圧空間Eと流路空間Bとを迂回通路286によって連通させれば、流路空間Bからクリーニング装置63,17に向かう気流を発生させることができる。
【0051】
以上のように、本実施形態の現像装置80,180は、表面に現像剤Tを担持した状態で、潜像担持体である感光体ドラム20に対向しながらその感光体ドラム20の回転に対して連れ回り方向に回転する現像剤担持体としての現像スリーブ81を備えている。また、内部に現像剤を収容するための内部空間Aを形成し、現像スリーブ回転方向における現像スリーブ表面の一部を感光体ドラム20に対向させるための開口部が設けられたケーシング84も備えている。また、この現像装置80,180は、現像スリーブ回転方向下流側に位置するケーシング開口部の縁部84aと感光体ドラム20の表面との間に形成される流入空隙Cを通じて、外気がケーシング84の内部空間Aに向かって流入し得る構造を備えている。そして、上記流入空隙Cを通じてケーシング84の内部空間Aに流入する外気の流路となり得る現像スリーブ表面とケーシング内壁との間の流路空間Bの一部又は全部を現像剤Tが塞いでしまう箇所よりも、現像スリーブ回転方向上流側のケーシング84の内壁部分に第2の開口部である入口86a,186a,286aを形成し、流路空間B内の気体をその入口を通じて排出するための気体排出路である迂回通路86,186,286をその入口に接続している。これにより、上記流入間隙Cから流入する気流が入口86a,186a,286aを介して迂回通路86,186,286を通過するという新たな外気の流路を形成することができる。したがって、上記流路空間Bの一部又は全部が現像剤Tで塞がれていても、流入間隙Cから流入する気流を発生させることが可能となる。よって、流路空間Bの一部又は全部が現像剤Tで塞がれないような構成に設計変更したり現像装置の機能を制約したりすることなく、現像領域の下流側で発生するトナー飛散を安定して抑制することが可能となる。
特に、上記実施形態で説明した現像装置や上記変形例1や上記変形例2で説明した現像装置では、入口86a,186aとは反対側の迂回通路86,186の端部である出口86b,186bから気体を吸引するための吸引手段としての真空ポンプ187が設けられている。真空ポンプ187による積極的な吸引により気流を発生させることで、より強い気流を流入間隙Cで発生させることができる。よって、その気流によるトナー飛散の抑制効果を高めることができる。
また、上記実施形態の現像装置80,180は、現像領域の現像スリーブ回転方向上流側で現像スリーブ表面と所定間隔を開けて対向配置され、現像領域に搬送される現像剤の量を調節すべく、現像スリーブ表面に担持された現像剤の量を規制する現像剤規制部材としてのドクターブレード83を備えている。そして、上述したように、迂回通路86,186の出口86b,186bから吸引する吸引手段として、ドクターブレード83の現像スリーブ回転方向下流側に隣接した負圧空間Eを利用してもよい。この場合、真空ポンプ87,187のような吸引手段を別個独立に設ける必要がなく、装置の簡素化や低コスト化を図ることが可能となる。
また、上記実施形態及び上記変形例1で説明した現像装置80は、ケーシング84の内部空間Aが略密閉状態となるように構成されている。そして、迂回通路86によってその入口86aと内部空間Aとを連通させ、かつ、真空ポンプ87により内部空間Aの気体を吸引する構成となっている。これにより、流路空間B内の気体は、内部空間Aを通って真空ポンプ87に吸引されることになる。流路空間B内には、現像剤が存在しており、また、現像領域で消費されなかったトナーが多く存在する。よって、迂回通路86を通じて流路空間Bから流れ出る気流には現像剤が混在している。そのため、本現像装置80のように、現像剤が混在する気流が内部空間Aを通る構成となっていれば、気流中の現像剤を再利用することが可能となる。
また、内部空間Aに開口した迂回通路86の出口86bの周辺で内部空間A内を流動する現像剤Tがその出口86b上を通過するのを阻止するための阻止部材としての突起部86cを、その出口86bの鉛直方向上方に設けるようにしてもよい。この場合、ケーシング84の内壁を伝って落下してくる現像剤Tは、突起部86cに沿って移動し、出口86b上を通過することはない。よって、出口86bから内部空間Aに流れ込む気流の流れを現像剤Tによって邪魔されることがなくなり、流入間隙Cで発生する気流の強さが弱まるのを抑制することができる。
また、上記変形例3では、迂回通路286によって、その入口286aと現像装置外部とを連通させた構成を採用している。これにより、流入間隙Cから流入する気流を発生させるために、別個に吸引手段等を設けなくても、トナー飛散を十分に抑制できる気流を流入間隙Cに発生させることが可能となる。よって、装置の簡素化や低コスト化を図ることが可能となる。
また、上記実施形態及び上記変形例1で説明した現像装置80は、ケーシング84の内部空間Aで現像スリーブ81の回転軸方向に現像剤Tを搬送する搬送部材としての搬送スクリュー82a,82bを備えている。また、この現像装置80は、現像スリーブ81と第1搬送スクリュー82aとの間の流路用間隙Dを通過する気流により、上記流入空隙Cを通じて外気がケーシング84の内部空間Aに向かって流入し得る構造となっている。そして、この現像装置80には、上記流路用間隙Dを通過する気流から第1搬送スクリュー82aによって搬送される現像剤Tを遮蔽するための遮蔽部材としてのスクリューカバー88aを備えている。このようなスクリューカバー88aを設けることで、上記流路用間隙Dを通過する気流から、第1搬送スクリュー82aによって搬送される現像剤Tの表層気流を隔離することができる。よって、流路用間隙Dを通過する気流が現像剤Tの表層気流によって乱されることがなくなる。したがって、流入間隙Cから外気を流入させてトナー飛散を抑制する効果が低下するのを抑制することが可能となる。
また、上記実施形態及び上記変形例1で説明した現像装置80は、ドクターブレード83を備えており、上記流路用間隙Dを通過する気流が発生するように、ドクターブレード83の現像スリーブ回転方向下流側に隣接した負圧空間Eとケーシング84の内部空間Aとを連通させてもよい。この場合、真空ポンプ87,187のような吸引手段を別個独立に設ける必要がなく、装置の簡素化や低コスト化を図ることが可能となる。
また、上記実施形態及び上記変形例1で説明した現像装置80に設けられる2本の搬送スクリュー82a,82bは、現像スリーブ81の回転軸方向にわたって延在する回転軸上に固定されたフィンが回転することで、現像スリーブ81の回転軸方向に沿って現像剤Tを互いに逆向きに搬送する。また、この2本の搬送スクリュー82a,82bにおける回転軸方向の両端部領域に、一方の搬送スクリュー82a,82bの搬送終了端部まで搬送された現像剤Tを他方の搬送スクリュー82b,82aの搬送開始端部まで移動させるための移動通路Fを備えている。よって、内部空間A内の現像剤は搬送スクリュー82b,82aによって撹拌されながら循環する。そして、少なくとも現像スリーブ81に近接する側の第1搬送スクリュー82aを上記流路用間隙Dを通過する気流から遮蔽するように、スクリューカバー88aが配置されている。このような第1搬送スクリュー82aは、フィンを現像剤Tの上方に露出した状態で回転するので、搬送中の現像剤Tによる表層気流のほか、フィンの回転によって発生する気流も流路用間隙Dを通過する気流を乱す原因となり得る。よって、このような第1搬送スクリュー82aを用いる場合には、その第1搬送スクリュー82a自体をスクリューカバー88aによって遮蔽することで、流入間隙Cから外気を流入させてトナー飛散をより効果的に抑制することができる。
また、上記移動通路Fのうち、少なくとも、現像スリーブ81に近接する側の第1搬送スクリューの搬送開始端部へ現像剤を移動させるための移動通路内を移動する現像剤Tをスクリューカバー88aの突出部188cによって上記流路用間隙Dを通過する気流から遮蔽するようにしてもよい。この場合、この現像剤Tの移動によって生じる気流の流れ方向は、流路用間隙Dを通過する気流の流れ方向とは逆向きであるため、流路用間隙Dを通過する気流を乱す原因となり得る。よって、このような現像剤Tを突出部188cによって遮蔽することで、流入間隙Cから外気を流入させてトナー飛散をより効果的に抑制することができる。
上記実施形態の現像装置80では、スクリューカバー88a,88bの搬送スクリューと対向する側の面に、搬送スクリュー82a,82bのフィン外周部に接触する可撓性部材としてのブラシ89を備えている。これにより、搬送スクリュー82a,82bにより現像剤Tが搬送されたときに生じる表層気流の流れは、ブラシ89によって邪魔される。よって、搬送中の現像剤Tによって生じる表層気流がスクリューカバー88a,88bと搬送スクリュー82a,82bとの隙間から漏れだして、流入間隙Cから外気を流入させるための気流を乱すのを抑制することができる。
また、上記変形例1の現像装置は、現像スリーブ81に近接する側の第1搬送スクリュー82aと現像スリーブ81との間の流路用間隙Dに近接するケーシング内壁部分に、気体を吸引するための吸引手段である真空ポンプ187の吸引口187aが設けられている。よって、図1に示した現像装置のように吸引口87aが迂回通路86の出口86bから離れた位置にある構成に比べて、流入空隙Cから吸引口までの気流の流路長が短くなる。よって、気流の流れを弱める圧力損失を少なくでき、流入空隙Cでの気流の強さを確保することができる。
一方、図1に示した現像装置のように、真空ポンプ87の吸引口87aを配置して、上記流路用間隙Dを通過し、かつ、現像スリーブ81から離れた側の第2搬送スクリュー82bの周辺領域を通過する気流を発生させる気流発生手段を構成すれば、気流に乗って運ばれるトナーを現像スリーブ81から離れた位置まで運ぶことができる。気流に乗って運ばれてしまうようなトナーは、一般に帯電が不足しているため、このようなトナーを現像スリーブ81から離れた位置まで運ぶことで、そのトナーが現像スリーブ81上に担持されるまでの搬送経路を長く設定できる。よって、帯電が不十分なトナーをその搬送中に撹拌して十分に帯電させることができる。
また、上記実施形態の現像装置80には、上記流入空隙Cに、ケーシングの内部空間Aの環境をトナー帯電特性にとって良好な条件とするための気体である調湿用空気を供給するための気体供給手段としての湿気通路90が設けられている。この現像装置80では、トナー飛散を抑制するための気流が流入空隙Cから内部空間Aに向かって流れているので、別個独立に動力を必要とせずに、この気流を利用して内部空間A内に調湿用空気を送り込むことができる。
また、上述したように、複写機本体に対して着脱自在に構成されたプロセスカートリッジに、少なくとも感光体ドラム20と現像装置80,180とを一体に構成することで、現像装置80,180の交換等が容易となり、メンテナンス性が向上する。
【0052】
【発明の効果】
請求項1乃至16の発明によれば、現像領域の下流側で発生するトナー飛散を安定して抑制することが可能となるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における複写機の現像装置を示す概略構成図。
【図2】同複写機全体の概略構成図。
【図3】同複写機の本体部分の構成を示す拡大図。
【図4】同複写機の隣り合う2つの画像形成ユニットの構成を示す拡大図。
【図5】同現像装置において、現像剤が滞留している箇所を内部空間から見たときの拡大図。
【図6】同現像装置において、流路空間を通過する1本の磁気ブラシに着目したときの、磁石近傍における磁気ブラシの挙動を示す説明図。
【図7】迂回通路出口周辺に関する他の構成例を示す拡大図。
【図8】同現像装置の搬送スクリューが見えるようにケーシングの一部を破断した状態の斜視図。
【図9】搬送スクリュー端部におけるスクリューカバーの他の構成例を示す一部破断斜視図。
【図10】変形例1に係る現像装置を示す概略構成図。
【図11】同現像装置の他の構成例を示す概略構成図。
【図12】変形例2に係る現像装置を示す概略構成図。
【図13】変形例3に係る現像装置における流路空間の周辺を示す拡大図。
【図14】従来の現像装置の一例を示す概略構成図。
【符号の説明】
10 中間転写ベルト
17 ベルトクリーニング装置
18Y,18C,18M,18K 画像形成ユニット
20 感光体ドラム
63 感光体クリーニング装置
80,180,380 現像装置
81,381 現像スリーブ
82a,382a 第1搬送スクリュー
82b,382b 第2搬送スクリュー
83 ドクターブレード
84b 仕切り板
84,384 ケーシング
85 マグネットローラ
86,186,286 迂回通路
86c 突起部
87,187 真空ポンプ
87a,187a 吸引口
87b,187b フィルタ部材
88a,88b スクリューカバー
89 ブラシ
90 湿気通路
188c 突出部
191 ブラシローラ
286d フィルタ部材
A 内部空間
B 流路空間
C 流入間隙
D 流路用間隙
E 負圧空間
F 移動通路

Claims (16)

  1. 表面に現像剤を担持した状態で、潜像担持体に対向しながら該潜像担持体の回転に対して連れ回り方向に回転する現像剤担持体と、
    内部に現像剤を収容するための内部空間を形成し、現像剤担持体回転方向における該現像剤担持体表面の一部を該潜像担持体に対向させるための開口部が設けられたケーシングとを有し、
    現像剤担持体回転方向下流側に位置する該開口部の縁部と該潜像担持体表面との間に形成される流入空隙を通じて、外気が該ケーシングの内部空間に向かって流入し得る構造を備えた現像装置において、
    上記流入空隙を通じて上記ケーシングの内部空間に流入する外気の流路となり得る上記現像剤担持体表面と該ケーシングの内壁との間の流路空間の一部又は全部を現像剤が塞いでしまう箇所よりも、現像剤担持体回転方向上流側の該ケーシングの内壁部分に第2の開口部を形成し、
    該流路空間内の気体を該第2の開口部を通じて現像剤飛散防止空間に排出するための気体排出路を該第2の開口部に接続したことを特徴とする現像装置。
  2. 請求項1の現像装置において、
    上記現像剤飛散防止空間側の上記気体排出路の端部から気体を吸引するための吸引手段を設けたことを特徴とする現像装置。
  3. 請求項2の現像装置において、
    上記現像領域の現像剤担持体回転方向上流側で上記現像剤担持体表面と所定間隔を開けて対向配置され、該現像領域に搬送される現像剤の量を調節すべく、該現像剤担持体表面に担持された現像剤の量を規制する現像剤規制部材を有し、
    上記吸引手段として、該現像剤規制部材の現像剤担持体回転方向下流側に隣接した負圧空間を利用したことを特徴とする現像装置。
  4. 請求項2又は3の現像装置において、
    上記ケーシングの内部空間が略密閉状態となるように構成し、
    上記現像剤飛散防止空間として該内部空間を用い、かつ、上記吸引手段により該内部空間の気体を吸引する構成としたことを特徴とする現像装置。
  5. 請求項4の現像装置において、
    上記内部空間に開口した上記気体排出路の開口部周辺で該内部空間内を流動する現像剤が該開口部上を通過するのを阻止するための阻止部材を、該開口部の現像剤流動方向上流側に設けたことを特徴とする現像装置。
  6. 表面に現像剤を担持した状態で、潜像担持体に対向しながら該潜像担持体の回転に対して連れ回り方向に回転する現像剤担持体と、
    内部に現像剤を収容するための内部空間を形成し、現像剤担持体回転方向における該現像剤担持体表面の一部を該潜像担持体に対向させるための開口部が設けられたケーシングとを有し、
    現像剤担持体回転方向下流側に位置する該開口部の縁部と該潜像担持体表面との間に形成される流入空隙を通じて、外気が該ケーシングの内部空間に向かって流入し得る構造を備えた現像装置において、
    上記流入空隙を通じて上記ケーシングの内部空間に流入する外気の流路となり得る上記現像剤担持体表面と該ケーシングの内壁との間の流路空間の一部又は全部を現像剤が塞いでしまう箇所よりも、現像剤担持体回転方向上流側の該ケーシングの内壁部分に第2の開口部を形成し、
    該流路空間内の気体を該第2の開口部を通じて現像装置外部に排出するための気体排出路を該第2の開口部に接続し、
    該気体排出路上にフィルタ部材を設けたことを特徴とする現像装置。
  7. 表面に現像剤を担持した状態で、潜像担持体に対向しながら該潜像担持体の回転に対して連れ回り方向に回転する現像剤担持体と、
    内部に現像剤を収容するための内部空間を形成し、現像剤担持体回転方向における該現像剤担持体表面の一部を該潜像担持体に対向させるための開口部が設けられたケーシングと、
    該ケーシングの内部空間で該現像剤担持体の回転軸方向に現像剤を搬送する搬送部材とを有し、
    該現像剤担持体と該搬送部材との間の流路用間隙を通過する気流により、現像剤担持体回転方向下流側に位置する該開口部の縁部と該潜像担持体表面との間に形成される流入空隙を通じて、外気が該ケーシングの内部空間に向かって流入し得る構造を備えた現像装置において、
    上記流路用間隙を通過する気流から上記搬送部材によって搬送される現像剤を遮蔽するための遮蔽部材を設けたことを特徴とする現像装置。
  8. 請求項7の現像装置において、
    上記現像領域の現像剤担持体回転方向上流側で上記現像剤担持体表面と所定間隔を開けて対向配置され、該現像領域に搬送される現像剤の量を調節すべく、該現像剤担持体表面に担持された現像剤の量を規制する現像剤規制部材を有し、
    上記流路用間隙を通過する気流が発生するように、該現像剤規制部材の現像剤担持体回転方向下流側に隣接した負圧空間と上記ケーシングの内部空間とを連通させたことを特徴とする現像装置。
  9. 請求項7又は8の現像装置において、
    上記搬送部材として、上記現像剤担持体の回転軸方向にわたって延在する回転軸上に固定されたフィンが回転することで、該現像剤担持体の回転軸方向に沿って現像剤を互いに逆向きに搬送する2本の搬送スクリューを用い、
    該2本の搬送スクリューにおける回転軸方向の両端部領域に、一方の搬送スクリューの搬送終了端部まで搬送された現像剤を他方の搬送スクリューの搬送開始端部まで移動させるための移動通路を備え、
    少なくとも該現像剤担持体に近接する側の搬送スクリューを上記気流から遮蔽するように、上記遮蔽部材を配置したことを特徴とする現像装置。
  10. 請求項9の現像装置において、
    上記移動通路のうち、少なくとも、上記現像剤担持体に近接する側の搬送スクリューの搬送開始端部へ現像剤を移動させるための移動通路内を移動する現像剤を、上記遮蔽部材によって上記気流から遮蔽することを特徴とする現像装置。
  11. 請求項9又は10の現像装置において、
    上記遮蔽部材の上記搬送スクリューと対向する側の面に、該搬送スクリューのフィン外周部に接触する可撓性部材を設けたことを特徴とする現像装置。
  12. 請求項9、10又は11の現像装置において、
    上記現像剤担持体に近接する側の搬送スクリューと該現像剤担持体との間の流路用間隙に近接するケーシング内壁部分に、気体を吸引するための吸引手段の吸引口を設けたことを特徴とする現像装置。
  13. 請求項9、10又は11の現像装置において、
    上記現像剤担持体に近接する側の搬送スクリューと該現像剤担持体との間の流路用間隙を通過し、かつ、該現像剤担持体から離れた側の搬送スクリューの周辺領域を通過する気流を発生させる気流発生手段を設けたことを特徴とする現像装置。
  14. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13の現像装置において、
    上記流入空隙に、上記ケーシングの内部空間の環境をトナー帯電特性にとって良好な条件とするための気体を供給するための気体供給手段を設けたことを特徴とする現像装置。
  15. 潜像担持体と、
    該潜像担持体上の潜像を現像する現像装置とを備えた画像形成装置において、
    上記現像装置として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14の現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  16. 請求項15の画像形成装置の本体に対して着脱可能に構成されるプロセスカートリッジであって、
    少なくとも上記潜像担持体と上記現像装置とを一体に構成したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
JP2003042950A 2003-02-20 2003-02-20 現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Expired - Fee Related JP3919678B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003042950A JP3919678B2 (ja) 2003-02-20 2003-02-20 現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
US10/780,773 US7103298B2 (en) 2003-02-20 2004-02-19 Toner scatter suppressing developing device, image formation apparatus and process cartridge

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003042950A JP3919678B2 (ja) 2003-02-20 2003-02-20 現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004252193A true JP2004252193A (ja) 2004-09-09
JP3919678B2 JP3919678B2 (ja) 2007-05-30

Family

ID=33026096

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003042950A Expired - Fee Related JP3919678B2 (ja) 2003-02-20 2003-02-20 現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3919678B2 (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006106194A (ja) * 2004-10-01 2006-04-20 Fuji Xerox Co Ltd 現像装置及び画像形成装置
JP2006250972A (ja) * 2005-03-08 2006-09-21 Fuji Xerox Co Ltd 現像装置及びこれを用いた画像形成装置
JP2006250961A (ja) * 2005-03-07 2006-09-21 Ricoh Co Ltd カートリッジ、画像形成装置及び現像方法
JP2008225274A (ja) * 2007-03-15 2008-09-25 Konica Minolta Business Technologies Inc 現像装置および画像形成装置
JP2008233834A (ja) * 2007-02-20 2008-10-02 Ricoh Co Ltd 現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP2009037063A (ja) * 2007-08-02 2009-02-19 Ricoh Co Ltd 現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置及びトナー
JP2009251450A (ja) * 2008-04-09 2009-10-29 Ricoh Co Ltd 現像装置、プロセスユニット及び画像形成装置
JP2010060964A (ja) * 2008-09-05 2010-03-18 Ricoh Co Ltd 現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP2010107899A (ja) * 2008-10-31 2010-05-13 Kyocera Mita Corp 現像装置及び画像形成装置
JP2010237635A (ja) * 2009-03-13 2010-10-21 Ricoh Co Ltd 現像装置、並びに、これを備えた画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2011118357A (ja) * 2009-10-30 2011-06-16 Canon Inc 現像装置、現像カートリッジ、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
US9690233B2 (en) 2015-04-20 2017-06-27 Ricoh Company, Ltd. Developing device, process cartridge, and image forming apparatus incorporating same
US10310407B2 (en) 2017-08-14 2019-06-04 Kyocera Document Solutions Inc. Development device and image forming apparatus
US11754949B2 (en) 2019-11-28 2023-09-12 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Imaging system with a developing chamber having a developer roller and multiple air passages

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4655576B2 (ja) * 2004-10-01 2011-03-23 富士ゼロックス株式会社 現像装置及び画像形成装置
JP2006106194A (ja) * 2004-10-01 2006-04-20 Fuji Xerox Co Ltd 現像装置及び画像形成装置
JP2006250961A (ja) * 2005-03-07 2006-09-21 Ricoh Co Ltd カートリッジ、画像形成装置及び現像方法
JP2006250972A (ja) * 2005-03-08 2006-09-21 Fuji Xerox Co Ltd 現像装置及びこれを用いた画像形成装置
JP2008233834A (ja) * 2007-02-20 2008-10-02 Ricoh Co Ltd 現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP2008225274A (ja) * 2007-03-15 2008-09-25 Konica Minolta Business Technologies Inc 現像装置および画像形成装置
JP4535077B2 (ja) * 2007-03-15 2010-09-01 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 現像装置および画像形成装置
JP2009037063A (ja) * 2007-08-02 2009-02-19 Ricoh Co Ltd 現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置及びトナー
JP2009251450A (ja) * 2008-04-09 2009-10-29 Ricoh Co Ltd 現像装置、プロセスユニット及び画像形成装置
JP2010060964A (ja) * 2008-09-05 2010-03-18 Ricoh Co Ltd 現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP2010107899A (ja) * 2008-10-31 2010-05-13 Kyocera Mita Corp 現像装置及び画像形成装置
JP2010237635A (ja) * 2009-03-13 2010-10-21 Ricoh Co Ltd 現像装置、並びに、これを備えた画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2011118357A (ja) * 2009-10-30 2011-06-16 Canon Inc 現像装置、現像カートリッジ、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
US9690233B2 (en) 2015-04-20 2017-06-27 Ricoh Company, Ltd. Developing device, process cartridge, and image forming apparatus incorporating same
US10310407B2 (en) 2017-08-14 2019-06-04 Kyocera Document Solutions Inc. Development device and image forming apparatus
US11754949B2 (en) 2019-11-28 2023-09-12 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Imaging system with a developing chamber having a developer roller and multiple air passages

Also Published As

Publication number Publication date
JP3919678B2 (ja) 2007-05-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101442343B1 (ko) 현상 장치 및 화상 형성 장치
JP6119323B2 (ja) 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
CN112305879B (zh) 显影装置及图像形成装置
JP3919678B2 (ja) 現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2008216565A (ja) 現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP7242002B2 (ja) 現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP2008233834A (ja) 現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP5332738B2 (ja) 現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP2005215232A (ja) 現像装置および画像形成装置
JP7015469B2 (ja) 現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP2006276147A (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP4337759B2 (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP2017207723A (ja) 現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP2005173295A (ja) 画像形成装置、交換ユニット、及び、現像装置
JP2005316064A (ja) 画像形成装置
JP5106191B2 (ja) 現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP2007248826A (ja) 画像形成装置
CN111077754A (zh) 显影装置以及图像形成装置
JP2005084564A (ja) 現像カートリッジ及び画像形成装置
US11199811B2 (en) Developing device with structure to release inner pressure
JP2004272144A (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP2016057472A (ja) 現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JPH1026861A (ja) 多色画像形成装置
JP2007140265A (ja) 現像装置並びにこれを備える画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP7057895B2 (ja) 現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061005

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061020

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070119

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110223

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120223

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130223

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130223

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140223

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees