JP2004251925A - 光源ユニットおよびこれを備えるプロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】楕円ミラーおよびこれに組み合わせるレンズの光軸を正確に位置合わせすることにより、良好に高圧放電ランプからの光を集光して利用することが可能な光源ユニットと、これを用いて優れた画像表示性能を発揮できるプロジェクタを提供する。
【解決手段】楕円ミラー39のリブ401に突起402a〜402dを十字配列させ、これらと対向する樹脂カバー50側に固定具502a〜502dを配する。当該固定具502a〜502dの内側には凹部503a〜503dを形成しておき、前記突起402a〜402dと嵌合させることで、楕円ミラー39と凹レンズ60との光軸を一致させる。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧放電ランプ等を備える光源ユニットと、これを備えるプロジェクタに関し、特に光源ユニットにおける高圧放電ランプと凹レンズの光軸調整技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に高圧水銀ランプに代表される高圧放電ランプは、高輝度かつ優れた発光効率と長寿命特性を有しているため、プロジェクタの光源ユニットにおけるVPS(Video Projector System)ランプに適している。
プロジェクタにおいては、高圧放電ランプからの発光は平行光を利用して画像表示に供されるが、近年になって高圧放電ランプからの光を集光し、これを利用する光源ユニットが導入されるようになった。当該光源ユニットでは、高圧放電ランプを覆う楕円ミラー(放物線ミラー)の前に凹レンズを配置し、両者の光軸が一致するよう調整される。このような構成の光源ユニットによれば、楕円ミラーにより高圧放電ランプからの光束を絞って集光することで光利用率が飛躍的に向上するほか、前記集光によって光路上の光学要素の小型化が図れるようになるなど、メリットが大きい。
【0003】
【特許文献1】特開2001−101923号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、凹レンズを用いて高圧放電ランプを集光する構成の場合、光源ユニットの光軸調整が従来よりシビアになるという問題がある。すなわち、従来のランプの平行光を利用する構成の場合は、ランプとこの前に配される光学装置との光軸がずれていてもそれほど悪影響はないが、楕円ミラーを用いて高圧放電ランプを集光する構成の場合には、楕円ミラーと凹レンズの光軸がずれると楕円ミラーの集光点が逸れるため、ランプからの光が極端に拾えなくなり、光利用効率が著しく低下するという問題を生じる。これは高圧放電ランプを利用するプロジェクタの性能低下にも繋がるので、早急に解決すべき問題である。また、この問題は前記凹レンズ以外の光学要素を用いる場合にも同様に発生する。
【0005】
従来の位置決め方法は、例えば楕円ミラー開口部のフランジ部の縁を基準にして行われていたが、正確な位置決めを行う上では不十分であり、楕円ミラーと凹レンズの厳密な光軸合わせを行う対策としては未だ改善の余地が残されている。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、楕円ミラーおよびレンズの光軸を正確に位置決めすることにより、良好に高圧放電ランプからの光を集光して利用することが可能な光源ユニットと、これを用いて優れた画像表示性能を発揮できるプロジェクタを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、内部にランプが取り付けられた楕円ミラーの開口部前面に、レンズが設けられたカバーが取り付けられてなる光源ユニットであって、前記楕円ミラーの開口部端面には、少なくとも三つ以上の第一の嵌合部が形成され、前記カバーには当該第一の嵌合部と対向する位置に、前記三つの嵌合部とそれぞれ相補的に勘合する第二の嵌合部が形成され、前記第一の嵌合部が前記第二の嵌合部と嵌合することによって、前記楕円ミラーの光軸と前記レンズとの光軸とが略一致され、且つ、前記第一の嵌合部、および前記第二の嵌合部は、各々が嵌合された状態において、前記第一の嵌合部が当該第一の嵌合部の中心から前記楕円ミラーの光軸に向かって延びる直線方向に対して、前記第二の嵌合部に摺動する形状をそれぞれ有しているものとした。
【0007】
また本発明は、内部にランプが装着された楕円ミラーの開口部前面に、レンズが設けられたカバーが取り付けられてなる光源ユニットであって、前記楕円ミラーの開口部周縁におけるフランジ部には、高圧放電ランプの光軸を挟んで対向する第一の嵌合部が複数対にわたり形成され、かつ各第一の嵌合部と対向するホルダー側には、第一の嵌合部と相補的に嵌合する第二の嵌合部が複数形成されており、当該第一および第二嵌合部によって、楕円ミラーとレンズの光軸が合わさるよう調整される構成とすることもできる。
【0008】
このような構成によれば、楕円ミラーとホルダーはそれぞれに設けられた第一および第二の複数の嵌合部によって互いに正確な所定の位置で対向配置されるので、楕円ミラー、およびホルダーに取り付けられた集光レンズの各光軸が良好に合わせられる。
また、本発明では前記第一の嵌合部が当該第一の嵌合部の中心から前記楕円ミラーの光軸に向かって延びる直線方向に対して、前記第二の嵌合部に摺動する形状をそれぞれ有しているようにすることで、楕円ミラーのガラス材料の収縮率がばらついて外形寸法、および各嵌合部との間隔が多少変動しても、ガタツキを防止し、且つ光軸ずれも抑制してホールドできる。
【0009】
なお具体的には、前記第一および第二の嵌合部のうち一方は、楔形断面形状を有する突起であり、他方は前記突起の形状に対応する凹部とするのが望ましい。このとき前記突起は、その稜線の延長線が高圧放電ランプの光軸と交差するように配置する。
このような構成によれば、一方の嵌合部における楔形の突起の両斜面が他方の嵌合部と接触し、突起の稜線と凹部の谷線とが一致するように位置決めされるので、突起のセンターの位置が一定に保たれ、楕円ミラーおよび集光レンズが光軸と垂直方向でずれるのが防止されることになり、より高い位置決め効果が得られる。
【0010】
ここで、前記楔形断面形状を有する突起の斜面の傾斜角が30°〜60°の範囲で設定されていると、楕円ミラーおよび集光レンズが光軸と垂直方向でずれるのが一層効果的に防止されるので望ましい。
なお、楕円ミラーにおいて、前記第一の嵌合部を、楕円ミラーの開口部を挟んで対向するように複数対にわたって配置すると、嵌合時の各嵌合部における加重配分のバランスが良くなり、安定してより正確な位置決めが可能となる。
【0011】
本発明では、以上のような光源ユニットを用いることにより、映像の照度ムラを防止して良好な画像表示が可能な優れたプロジェクタを構成することができる。
ここで、前記楕円ミラーは、ガラス材料を凹状の胴型に入れ、胴型に矢型と楕円ミラー周縁部の形状をパターニングするためのリング型を押圧して形成するとともに、前記楕円ミラーの第一の嵌合部を、前記矢型または前記リング型によって成型することができる。このような製造方法によれば、楕円ミラーの光軸を決定する矢型の中心とリング型の中心が常に一致するので、楕円ミラー周辺に形成される突起が楕円ミラーの光軸に対して正しい位置に形成される。その結果、楕円ミラーとホルダーの良好な位置決めを行うことが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
1.実施の形態1
1−1.光源ユニットの構成
図1(a)、(b)は本実施の形態1における光源ユニットの構成を示す斜視図である。
【0013】
各図に示される光源ユニット1は、例えば高圧水銀ランプ30を含む照明光学装置40が、樹脂ホルダー50を介して凹レンズ60と対向配置および位置決めされつつ、樹脂ベース20に組み付けられた構成を有する。
図2は、光源ユニットの組図を示す図である。
照明光学装置40は、内面形状が楕円状に成形され、且つ鏡面処理された反射面39aを持つ楕円ミラー39に、VPSランプとしての高圧水銀ランプ30が取り付けられてなる。高圧水銀ランプ30からの各配線は給電コード301にまとめられ、ソケット302から樹脂ベース20側に設けられたソケット202と嵌合される。ソケット202には不図示の配線がなされており、外部より高圧水銀ランプ30へ電力供給されるようになっている。なおランプには高圧水銀ランプ以外にメタルハライドランプ等の高圧放電ランプや、ハロゲン電球等を用いてもよい。
【0014】
なお、本実施の形態1の主たる特徴として、楕円ミラー39のほぼ正方形状の開口部39bに沿って設けられたフランジ部401には、台形状の突起402a〜402dが、その稜線の延長線が高圧放電ランプ30の光軸に対して対称的な十字配列をなすように設けられ、当該突起402a〜402dが樹脂ホルダー50側と相補的に嵌合することにより、楕円ミラー39と凹レンズ60との光軸が正確に合わさるように調整される。この効果については詳細を後述する。
【0015】
樹脂ホルダー50は耐熱性・機械的強度に優れるPPS(ポリフェニレンサルファイド)材料で作製されており、楕円ミラー39の開口部39bより一定距離を置いて開口部501の先端で凹レンズ60を保持するホルダーとしての目的で配置される。楕円ミラー39のフランジ部401に配された突起402a〜402dと対向する樹脂ホルダー50側には、固定具502a〜502dが配されており、当該固定具502a〜502dの内側に配された凹部503a〜503d(図8を参照)が前記突起402a〜402dと嵌合するようになっている。
【0016】
樹脂ベース20は樹脂ホルダー50と同様に耐熱性樹脂で作製されており、楕円ミラー39と樹脂ホルダー50を嵌合した状態で、樹脂ベース20のプレート部201に沿わせ、プレート部201の両端で垂直に配された固定具203、204に挟んで担持するようになっている。
1−2.光学照明装置の構成
図3は、光学照明装置40の高圧水銀ランプ30周辺の構成を示す図である。当図(a)は斜視図、当図(b)は楕円ミラーの断面図、当図(c)は突起402dの拡大図をそれぞれ示している。
【0017】
楕円ミラー39は耐熱ガラス材料から作製されており、図6に示すように、高温で柔らかい状態にあるガラス材料を凹部a2が形成された胴型Aに入れ、上からフランジ部401の形状に対応したモールド部b1が形成されたリング型Bで胴型Aの縁a1側に押圧するとともに、リング型Bの開口部b2から矢型Cを胴型A側へ押圧することによって成形される。反射面39bの鏡面はアルミ蒸着処理等で形成することができる。楕円ミラー39の中央には口金挿通用の穴391が設けられており、口金37を介して高圧水銀ランプ30の外部リード線35が通される。一方、反射面39aには貫通孔390が穿孔され、これに外部リード線36に接続された電力供給線38が通される。
【0018】
ここで楕円ミラー39の開口部39Bはほぼ正方形状に形成され、これにともなってフランジ部401はほぼ正方形枠状に形成される。この形状は樹脂ホルダー50との組み付け後に楕円ミラー39が回転しないよう確実に固定するための工夫である。
突起402dは当図(c)に示すように、斜面4021d、4022dと頂部4020dからなる楔形の断面形状を有している。この突起402dは他の突起402a〜402cとともに、ほぼ正方形枠状のフランジ部401の各四隅において、高圧水銀ランプ30の光軸を中心に十字配列するように設けられる。そして樹脂ホルダー側の凹部503dと嵌合するように設けられるものである。突起402a〜402dはすべて同様の形状を有している。
【0019】
高圧水銀ランプ30は、石英ガラスからなるほぼ回転楕円体形状の発光管を備えている。発光管の内部には先端を対向させた一対の電極34が設けられるとともに、発光金属として水銀、ハロゲンとして臭素、および始動用ガスとしてアルゴンガスが所定の封入圧で封入されている。
1−3.本実施の形態1の効果
従来の光源ユニットでは一般的に楕円ミラーの周縁側面を箱形の樹脂ホルダーに入れ、樹脂ホルダー側の側面に押しつけるように、外形を基準に両者をセットする方法が採られていた(図10(b)を参照)。このため、寸法公差の最大内寸の箱とする必要があり、縮小誤差によって隙間が発生するため、前記樹脂ホルダーの側面に押しつけて固定する際に、光軸ずれを発生し易かった(図10(d)を参照、図中の各破線の交点が光軸交点を示す)。また、各種歪み(長方形状の歪み図11(b)、菱形状の歪み図11(d)、湾曲状の歪み図11(f)等)を発生したものも光軸ずれを引き起こし易かった。
【0020】
これに対し、上記構成を有する本実施の形態1の光源ユニット1では、楕円ミラー39のフランジ部401に配設された突起402a〜402dが樹脂ホルダー50の凹部503a〜503dと4点支持で嵌合する構成となっている。これによって図8に示すように、比較的容易かつ正確に、楕円ミラー39と凹レンズ60が互いに所定の位置に配置されるようになる。特に本実施の形態1では、突起402a〜402dが楔形断面形状を有しており、45°以上の角度(本発明では30°〜60°の範囲で設定が可能)で成形された斜面4021a〜4021d、4022a〜4022dが凹部503a〜503dと接触することによって、各突起402a〜402dの稜線と凹部503a〜503dの谷線とが一致するように相補的に位置決めされるので、嵌合時に位置決めのためのセンター出しが行われ、より正確な位置決めがなされるようになっている。
【0021】
また、本実施の形態1では楕円ミラー39のフランジ部401がほぼ正方形枠状にパターンされ、その各四隅において突起402a〜402dが光軸を中心に対称的な十字配列をなすように配置されているので、楕円ミラー39の正面方向から見て前記十字方向のいずれにずれるのも抑制されるようになっている。さらに、突起402a〜402dが光軸を挟んで対向配置されることで、樹脂ホルダー50側との嵌合時の加重配分がよくなり、安定した位置決めがなされる。
【0022】
したがって本実施の形態1によれば、従来のように、楕円ミラー39と凹レンズ60との位置決めがずれてしまい、光軸が乱れて著しく光利用効率が低下するのが効果的に防止され、良好な発光駆動が発揮されるという効果が得られる。
また、楕円ミラー39の作製時において、図6に示したように、突起402a〜402dを含むフランジ部401周辺構造を成形するリング型Bを用いることによって、製造上のバラツキを生じた楕円ミラー39も使用に耐えるようにすることができる。具体的には、通常は図9(a)のように楕円ミラーが形成されるはずであるが、例えば図9(b)に示すようなパターニングのずれが生じることがある。特に楕円ミラー39の材料にガラス材料を用いられるので、その材料特性に起因した公差のバラツキが無視できない場合がある。しかしながら本実施の形態1では、この場合でも、楕円ミラー39の光軸が常に突起402a〜402dに対して正しい位置に設定されるので、その光学上の問題を抑えて使用に耐えるようにすることができる。
【0023】
尚、突起402a〜402dを矢型Cを用いて成型した場合でも、上記と同様の効果を得ることができる。
また本実施の形態1では、図10(a)に示すように、突起402a〜402dが光軸を中心とする方向に向かって摺動可能な形状(長い楔形断面形状)を有しているので、図10(c)、図11(a)(c)(e)にそれぞれ示す通り、製造工程時に楕円ミラーが縮小、長方形状、菱形状、湾曲状等の歪みを起こしても、そのバラツキや変動が前記光軸を中心とする方向に沿うことで吸収される効果が奏され、従来より飛躍的にガタツキを無くし、且つ光軸ずれも防止できる。
【0024】
1−4.ランプ点灯装置の構成
続いて、前記光源ユニット1を駆動するためのランプ点灯装置の構成について説明する。図5は本実施の形態1のランプ点灯装置(安定器)700の構成を示すブロック図である。同図に示すように、ランプ点灯装置700は、DC電源701、DC/DCコンバータ702、DC/ACインバータ703、高圧発生器704、制御部705、電流検出器706、電圧検出器707から構成されている。
【0025】
DC電源701は、例えば整流回路を備えており、家庭用の交流100V電源から直流電圧おを生成する。DC/DCコンバータ702はマイクロコンピュータを備えた制御部705により制御され、所定の大きさの直流電流をDC/ACインバータ703に供給する。DC/ACインバータ703は制御部705の制御により所定の周波数の交流矩形波電流を生成して高圧発生器704に送る。高圧発生器704は、例えばトランスを備えており、ここで発生された高電圧が光源ユニット1の超高圧水銀ランプ30に印加され、発光に供される。
【0026】
この光源ユニット1およびランプ点灯装置700は、以下のプロジェクタ10に内蔵され、光源ユニット1からの発光が画像表示に利用されるようになっている。
1−5.プロジェクタの構成
ここでは、本発明の光源ユニット1を用いたプロジェクタについて説明する。図4は、上記構成の高圧水銀ランプ30および照明光学装置40を用いたプロジェクタ10の概略構成について説明するための図である。
【0027】
このプロジェクタ10は、上記照明光学装置40を含む光源部と、ミラー112、光源部からの白色光を青、緑、赤の三原色に分離するダイクロイックミラー113、114、分離された光をそれぞれ反射するミラー115、116、117、分離された三原色についてそれぞれ単色光画像を形成するための液晶ライトバルブ118、119、120、フィールドレンズ121、122、123、リレーレンズ124、125、液晶ライトバルブ118、119、120をそれぞれ透過した光を再度合成するダイクロイックプリズム126、および投射レンズ127を備えており、プロジェクタ110からの画像がスクリーン128上に投影されるようになっている。同図に示されるようなプロジェクタ10は、光源部において本発明に係る高圧放電ランプを用いていること以外は、いわゆる3板型のプロジェクタとして従来から良く知られたものであるから、その構成についての詳細な説明は省略する。
【0028】
このような構成のプロジェクタ10に、上記光源ユニット1を適用すれば、光軸の乱れの発生を抑制しつつ高い光利用率の発光を利用して装置を駆動でき、照度ムラの少ない優れた画像表示性能を発揮することができる。
2.その他の事項
上記実施の形態1では、楔形断面形状を持つ突起402a〜402dを利用する例を示したが、本発明において楕円ミラー39と樹脂ホルダー50とを嵌合させる手段としては、この突起形状を用いる場合に限定せず、これ以外の形状の突起を利用してもよい。例えば図9に示すように、円錐をベースにした突起(a)、(d)、放物線状の断面形状を持つ突起(b)、三角形状の断面形状を持つ突起(c)等の形状の突起を形成することもできる。突起の形状を選択する際には、位置決めのためのセンター出しが行えるよう、30°〜60°の範囲、望ましくは45°以上の斜面を有する形状とするのが望ましい。また、突起の先端に向けてテーパーがかかるような形状であることが望ましい。
【0029】
また突起と凹部との組み合わせに関しては、図12(a)〜(c)にそれぞれ示すように、三角柱状(楔形断面形状)の突起に対して、三角溝状、三角切り欠き板状、矩形溝状等の凹部を組み合わせてもよいし、同図(d)に示すように、三角錐状の突起と三角溝状の凹部を組み合わせてもよい。このような凹部と突起の組み合わせによって、突起が凹部内で摺動することが可能となり、以下に示すような精密な位置合わせが実現される。
【0030】
本実施の形態1では突起402a〜402dを十字配列で4個設けるようにしているが、本発明の突起はこれ以外の個数(望ましくは3個以上)で設けてもよい。このとき突起は、その各々が対応する凹部と相補的に嵌合した状態において、当該突起の中心から前記楕円ミラーの光軸に向かって延びる直線方向に対して、凹部に摺動する形状をそれぞれ有している構成とすることで、より精密な位置合わせが可能となる。
【0031】
また突起402a〜402dを偶数個配設する場合には、光軸中心を通る線上で互いに突起が向き合い、かつ互いの稜線を結ぶ線が一致するように、各突起が対をなすようにして配設するのが望ましい。
また上記実施の形態1では楕円ミラー39に突起402a〜402d、樹脂ホルダー50に凹部突起503a〜503dを設ける構成としたが、これとは逆に、楕円ミラーに凹部、樹脂ホルダー50に突起を設ける構成としてもよい。また、突起402a、402bと凹部503c、503dを楕円ミラー39に形成し、突起402c、402dと凹部503a、503bを樹脂ホルダー50に設ける等、突起と凹部を適宜組み合わせて配設するようにしてもよい。
【0032】
また、上記実施の形態1ではホルダー50を樹脂製(PPS製)としたが、当然ながらこれ以外の材料を用いて構成してもよい。但し、駆動時に高圧水銀ランプ30がかなり高温になるため、耐熱性材料を用いることが必要である。
【0033】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、本発明は高圧放電ランプを楕円ミラーに装着した光学照明装置およびレンズが、互いに対向するように中空のホルダーに保持されてなる光源ユニットであって、前記楕円ミラーの開口部周縁におけるフランジ部には、高圧放電ランプの光軸を挟んで対向する第一の嵌合部が複数対にわたり形成され、かつ各第一の嵌合部と対向するホルダー側には、第一の嵌合部と相補的に嵌合する第二の嵌合部が複数形成されており、当該第一および第二嵌合部によって、楕円ミラーとレンズの光軸が合わさるよう調整される構成なので、楕円ミラーとホルダーはそれぞれに設けられた第一および第二の複数の嵌合部によって互いに正確な所定の位置で対向配置され、楕円ミラー、およびホルダーに取り付けられたレンズの各光軸が良好に合わせられるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光源ユニットの構成を示す斜視図である。
【図2】光源ユニットの構成を示す組図である。
【図3】光学照明装置の構成を示す図である。
【図4】プロジェクタの構成を示す図である。
【図5】ランプ点灯装置の構成を示すブロック図である。
【図6】楕円ミラーの製造工程を示す図である。
【図7】楕円ミラーのフランジ部周辺の構成を示す図である。
【図8】楕円ミラー、樹脂ホルダー、凹レンズの位置関係を示す図である。
【図9】突起の形状バリエーションを示す図である。
【図10】楕円ミラーの上面図である。
【図11】楕円ミラーの上面図である。
【図12】突起と凹部との組み合わせのバリエーションを示す図である。
【符号の説明】
1 光源ユニット
10 プロジェクタ
20 樹脂ベース
30 高圧水銀ランプ
39 楕円ミラー
39a 反射面
39b 開口部
40 光学照明装置
50 樹脂ホルダー
60 凹レンズ
401 フランジ部
402a〜402d 突起
502a〜502d 固定具

Claims (6)

  1. 内部にランプが取り付けられた楕円ミラーの開口部前面に、レンズが設けられたカバーが取り付けられてなる光源ユニットであって、
    前記楕円ミラーの開口部端面には、少なくとも三つ以上の第一の嵌合部が形成され、前記カバーには当該第一の嵌合部と対向する位置に、前記三つの嵌合部とそれぞれ相補的に勘合する第二の嵌合部が形成され、
    前記第一の嵌合部が前記第二の嵌合部と嵌合することによって、前記楕円ミラーの光軸と前記レンズとの光軸とが略一致され、且つ、
    前記第一の嵌合部、および前記第二の嵌合部は、各々が嵌合された状態において、前記第一の嵌合部が当該第一の嵌合部の中心から前記楕円ミラーの光軸に向かって延びる直線方向に対して、前記第二の嵌合部に摺動する形状をそれぞれ有していることを特徴とする光源ユニット。
  2. 内部にランプが装着された楕円ミラーの開口部前面に、レンズが設けられたカバーが取り付けられてなる光源ユニットであって、
    前記楕円ミラーの開口部周縁におけるフランジ部には、高圧放電ランプの光軸を挟んで対向する第一の嵌合部が複数対にわたり形成され、かつ各第一の嵌合部と対向するホルダー側には、第一の嵌合部と相補的に嵌合する第二の嵌合部が複数形成されており、
    当該第一および第二嵌合部によって、楕円ミラーとレンズの光軸が合わさるよう調整される構成であることを特徴とする光源ユニット。
  3. 前記第一および第二の嵌合部のうち一方は、楔形断面形状を有する突起であり、他方は前記突起の形状に対応する凹部であって、
    前記突起は、その稜線の延長線が高圧放電ランプの光軸と交差するように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光源ユニット。
  4. 前記楔形断面形状を有する突起の斜面の傾斜角は30°〜60°の範囲で設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光源ユニット。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光源ユニットを用いることを特徴とするプロジェクタ。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の光源ユニットに用いられる楕円ミラーの製造方法であって、
    前記楕円ミラーは、ガラス材料を凹状の胴型に入れ、当該胴型の形状に対応する矢型と、楕円ミラー周縁部を成形するためのリング型を前記ガラス材料に押圧することで形成され、
    前記楕円ミラーの第一の嵌合部は、前記矢型または前記リング型によって成型されることを特徴とする楕円ミラーの製造方法。
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