JP2004251818A - 分注量制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の分注量を分注(吐出)する際に、シリンジの体積変化を制御するだけでは所望の分注量を分注したかどうかという確実性には欠け、確認はできないという課題がある。
【解決手段】先端に孔を有するピペットから微量の試料を液滴化して分注する分注ヘッドと、分注ヘッドから飛翔した液滴の体積を非接触で検出する液滴体積センサと、分注ヘッドを駆動制御し、且つ液滴体積センサの出力信号から液滴の体積を計算する体積演算部を有したコントローラを備えた分注装置に於いて、分注ヘッドでピペットの孔から液滴を吐出する工程と、液滴体積センサで飛翔中の液滴の体積を演算する工程と、この工程で得られた体積情報をフィードバックして所望の分注量を制御する工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】先端に孔を有するピペットから微量の試料を液滴化して分注する分注ヘッドと、分注ヘッドから飛翔した液滴の体積を非接触で検出する液滴体積センサと、分注ヘッドを駆動制御し、且つ液滴体積センサの出力信号から液滴の体積を計算する体積演算部を有したコントローラを備えた分注装置に於いて、分注ヘッドでピペットの孔から液滴を吐出する工程と、液滴体積センサで飛翔中の液滴の体積を演算する工程と、この工程で得られた体積情報をフィードバックして所望の分注量を制御する工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に微量の試料やサンプル等の分注作業時に、分注量を確認しながら高精度に分注する分注量制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の分注量の制御方法は、シリンジの体積変化を制御する手法が一般的であり、その分注量は数十μL以上の容量が殆どである。この程度の分注量を検出する方法として、光学系を用いて吐出中の試料の投影像から分注量を測定する手法が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0003】
また、水が滴下するサイズである10μL程度の試料の体積を測定する方法として、CCD(charge coupled device)のような受光素子群を用いて、投影像から体積を測定する手法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0004】
上述したような体積測定装置を用いて、特許文献2に記載されているように、分注量が正常であったか否かを判定する手法が提案されている。
【0005】
また、最近では分注量の微量化に伴い分注精度の要求も高く、インクジェット技術を応用して液滴を微量に吐出する手法が提案されているが、ノズル先端に液滴が付着してしまい、注入されないなどの問題がある。
【特許文献1】
特開平5−2025号公報
【特許文献2】
特開平5−223830号公報
【特許文献3】
特開昭58−165015号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来技術では、所望の分注量を分注(吐出)する際に、シリンジの体積変化を制御するだけでは所望の分注量を分注したかどうかという確実性には欠け、確認はできないという問題がある。また、体積測定装置を用いて分注量を測定し、その分注量が正常であったか否かを判定する手法は、結果的に判定する方法であって、分注量そのものを高精度に制御するものではない。
【0007】
本発明の目的は、特に分注量が数十μL以下の分注作業に於いて、分注量を測定しながら、所望の分注量を高精度で確実に分注できる分注量制御方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、先端に孔を有するピペットから微量の試料を液滴化して分注する分注ヘッドと、分注ヘッドから飛翔した液滴の体積を非接触で検出する液滴体積センサと、分注ヘッドを駆動制御し、且つ液滴体積センサの出力信号から液滴の体積を計算する体積演算部を有したコントローラを備えた分注装置に於いて、分注ヘッドでピペットの孔から液滴を吐出する工程と、液滴体積センサで飛翔中の液滴の体積を演算する工程と、該工程で得られた体積情報をフィードバックして所望の分注量を制御する工程と、により達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の分注量制御方法を実現するための分注装置10であり、分注装置10を側面から見た一部断面図である。図1に示す分注装置10の構成について以下説明する。先端に直径500μm程の孔を有したピペット1はピペット把持部6によりネジ6aで固定されている。ピペット把持部6は圧入方式によりピペット1を固定しても良い。ピペット1の内壁面に接して進退するピストン2はピストン把持部5によりネジ5aで固定されている。ピストン把持部5は圧入方式によりピストン2を固定しても良いし、チャック機構によりピストン2頭部を把持しても良い。圧電アクチュエータ11の一端はピストン把持部5と接着され、圧電アクチュエータ11の他端はリニアステッピングモータ3のシャフト4と接着されている。圧電アクチュエータ11の固定方法としてはネジなどを用いても良い。リニアステッピングモータ3のシャフト4は直線運動し、直動するシャフト4により、ピストン2と圧電アクチュエータ11は上下に動作する。リニアステッピングモータ3とピペット把持部6及びヒンジ13はベース7に固定されている。ヒンジ13には液滴8aの体積を非接触で検出する液滴体積センサ12が固定され、リング状の中空形をした液滴体積センサ12はピペット1の孔の下方に配置している。
【0010】
上述したように構成された分注装置10のコントローラ20は、ステップモータドライバ22、圧電ドライバ23、体積演算部24、及びこれらを制御する制御部21から構成される。制御部21からステップモータドライバ22へパルス列信号を送ることにより、ピストン2を進退方向に速度制御及び位置制御できるようになっている。また、圧電ドライバ23は、例えば制御部21から出力される0VからDC5Vのアナログ電圧信号を0VからDC150Vに増幅する高速増幅器であり、圧電ドライバ23から出力される電圧に応じて圧電アクチュエータ11は微小変位する。この微小変位量は例えば50μm程度であり、ピストン2を高速に変位させることにより、試料8に圧力を加えて孔から押し出そうと動作するため、結果的に、孔から数十nリットル程度の液滴8aが吐出される。この液滴8aが中空の液滴体積センサ12を通って容器9に注入される時、液滴体積センサ12の出力信号から液滴8aの体積を体積演算部24にて演算測定する。
【0011】
以下、液滴8aの体積を測定する方法について図4、図5、図6、図7を用いて説明する。図4は、液滴体積センサ12と体積演算部24のブロック回路を示すものであり、液滴体積センサ12は2対の発光及び受光素子から構成される。第1の発光素子30aから発した光は第1の受光素子30bだけに当たるように形成されており、同様に第2の発光素子31aから発した光は第2の受光素子31bだけに当たるようになっている。上記2つの光は液滴8aが通過する方向に距離h隔てた位置になるように、2対の発光及び受光素子を配置している。
1対の発光及び受光素子を示す図5を用いて、発光側と受光側について説明する。発光素子30a及び31aは、例えば発光LEDや半導体レーザー等のデバイス40から発した光をレンズ41で平行光線にして、遮蔽板42で極細長い光線を形成する。受光素子30b及び31bは遮蔽板43を備えたフォトダイオードなどであり、液滴8aの投影像を受光する。図6は受光側から見た光線45と液滴8aを示す図である。図6に示すように、形成された光線45は縦方向に薄く、横方向に長くしてある。その理由は、液滴8aの水平方向の断面像を極めて細かく撮像するためと、液滴8aが必ずしも光線45の中心を通らないため、細長くしてある。
【0012】
次に、図4に示す体積演算部24のブロック回路図について説明する。液滴体積センサ12から出力された液滴8aの断面像の電圧信号は増幅器32及び33を経て増幅され、A/D変換機34及び35でアナログ信号からデジタル値に変換され、メモリ36及び37に記憶させる。そのサンプリング周期は所定の周波数f、例えば10MHzがクロック39から出力され、同時にメモリ36及び37のアドレスカウンタ(図示せず)をインクリメントして、液滴8aの投影像をメモリ36及び37に逐次記憶して行く。前述した液滴8aの投影像を記憶するタイミングは、圧電ドライバ23を駆動する時であり、上位の制御部21から信号(図示せず)を受ける。この時、予めプログラムが記憶されたROM38aを備えたCPU38は、ポートP1端子からLoレベルの信号からHiレベルの信号を出力する。クロック39から発振されている周波数は、3ステイト出力素子39aから出力され、メモリ36及び37への投影像の記憶動作を開始する。液滴8aが液滴体積センサ12を通過する所定の時間が経つと、CPU38はポートP1端子からLoレベルの信号を出力して投影像の記憶動作を終了する。
【0013】
投影像の記憶動作が終了すると、メモリ36及び37に図7に示すようなデータが記憶され、CPU38はこれらのデータから液滴8aの体積計算を実行する。先ず、液滴8aの飛翔速度vを求める。飛翔速度vは2つの光線間の距離hとそこの通過時間tから、
v=h/t
となる。通過時間tは、サンプリング周期(1/f)秒が固定周期なので、2つのメモリ36及び37の投影像データが変化し始める間隔から得られる。液滴8aの投影像から1サンプリング時の体積を微小円柱Viとみなすと、断面積と高さの積であるから、
微小円柱の高さ=v(1/f)
微小円柱の断面積=π(半径)2=π(yi・α)2
より、
Vi=π(yi・α)2×v(1/f)
ここで、yiは投影像データの影の量であり、補正係数αを掛けることで微小円柱Viの半径とみなしている。補正係数αは既知の物体例えば円柱を投影させて実験的に得ることができる。
【0014】
液滴8aの体積Vは、1サンプリング時の微小円柱Viを求めて、投影像データの凹み部分全てのデータ数n個を積和することにより得られる(式1)。
【0015】
【式1】
【0016】
液滴8aの体積測定の演算精度を上げる方法として、2つのメモリ36及び37に記憶した投影像データから、それぞれ体積を演算して平均しても良い。また、液滴体積センサ12の2つの光線は平行でも良いが、好ましくは、光線を直交させて異なる角度から投影し、それぞれ体積を演算して平均する方法が良い。
図2及び図3に示す本発明の分注量制御方法を表すフローチャートを用いて、以下説明する。上記説明した分注装置10を用いて、先ずピペット1に試料8を吸引する工程について図2を参照しながら説明する。
【0017】
工程200の吸引開始時は、リニアステッピングモータ3のシャフト4を駆動してピストン2を最下端まで下げる。次に、図示していないワイヤー等で液滴体積センサ12を引っ張り、ピペット1の下方の空間を空けるセンサ退避の工程210を実行する。続いて、ピペット1の先端を親となる試料8に浸し、リニアステッピングモータ3を駆動してピストン2を引き上げて所定の分注量をピペット1内に吸引する工程220を実行する。吸引終了後、親試料8からピペット1の先端が離れた後に、退避させていた液滴体積センサ12をピペット1の孔の下方にセットする工程230を実行する。以上で、吸引動作を終了する(工程240)。
次に、分注する容器9の上空に分注装置10を移動させ、液滴8aの体積を測定しながら分注量を制御する方法について図3を参照しながら説明する。
【0018】
分注開始(工程250)が指示されると、制御部21は圧電アクチュエータ11を高速に微小変位させて、ピペット1の先端の孔から液滴8aを飛翔させる(工程260)。飛翔中の液滴8aの体積は、体積演算部24にて前述した手法で得られる(工程270)。ピペット1先端の孔部の液面は、液滴8aが吐出された量だけピペット1内部に入り込むため、工程280ではリニアステッピングモータ3を駆動してピストン2を送り込む。その移動量はピペット1の内径が既知であるため、吐出された液滴8aの体積から得られる。工程290では吐出した液滴8aの積和を求める。その吐出した分注量、つまり積和の量が、所望の分注量であるか否かを判断し(工程300)、未だ達していなければ、工程260から繰り返し実行する。所望の分注量に達すると、分注作業を終了する(工程310)。
【0019】
また、コントローラ20では、個々の分注量を記憶したり、上位のコンピュータなどへ分注量を通信したりすることができ、貴重な検体等の分注量のデータ管理を行うことができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、先端に孔を有するピペットから微量の試料を液滴化して分注する分注ヘッドと、分注ヘッドから飛翔した液滴の体積を非接触で検出する液滴体積センサと、分注ヘッドを駆動制御し、且つ液滴体積センサの出力信号から液滴の体積を計算する体積演算部を有したコントローラを備えた分注装置に於いて、分注ヘッドでピペットの孔から液滴を吐出する工程と、液滴体積センサで飛翔中の液滴の体積を演算する工程と、この工程で得られた体積情報をフィードバックして所望の分注量を制御する工程とにより、高精度で確実な分注量制御方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分注量制御方法に係る一実施例の分注装置を側面から見た一部断面図。
【図2】本発明の分注量制御方法の一実施例を表すフローチャート。
【図3】本発明の分注量制御方法の一実施例を表すフローチャート。
【図4】本発明の分注量制御方法に係る一実施例の体積演算部のブロック回路図。
【図5】本発明の分注量制御方法に係る一実施例の液滴体積センサの光学系を表す側面図。
【図6】本発明の分注量制御方法に係る一実施例の液滴体積センサの光線を表す断面図。
【図7】本発明の分注量制御方法に係る一実施例の液滴の投影像をメモリに記憶させたイメージ図。
【符号の説明】
1はピペット、2はピストン、3はリニアステッピングモータ、4はシャフト、8は試料、8aは液滴、10は分注装置、11は圧電アクチュエータ、12は液滴体積センサ、20はコントローラ、24は体積演算部、260は液滴を吐出する工程、270は液滴の体積を演算する工程、300は体積情報をフィードバックして所望の分注量を制御する工程である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に微量の試料やサンプル等の分注作業時に、分注量を確認しながら高精度に分注する分注量制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の分注量の制御方法は、シリンジの体積変化を制御する手法が一般的であり、その分注量は数十μL以上の容量が殆どである。この程度の分注量を検出する方法として、光学系を用いて吐出中の試料の投影像から分注量を測定する手法が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0003】
また、水が滴下するサイズである10μL程度の試料の体積を測定する方法として、CCD(charge coupled device)のような受光素子群を用いて、投影像から体積を測定する手法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0004】
上述したような体積測定装置を用いて、特許文献2に記載されているように、分注量が正常であったか否かを判定する手法が提案されている。
【0005】
また、最近では分注量の微量化に伴い分注精度の要求も高く、インクジェット技術を応用して液滴を微量に吐出する手法が提案されているが、ノズル先端に液滴が付着してしまい、注入されないなどの問題がある。
【特許文献1】
特開平5−2025号公報
【特許文献2】
特開平5−223830号公報
【特許文献3】
特開昭58−165015号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来技術では、所望の分注量を分注(吐出)する際に、シリンジの体積変化を制御するだけでは所望の分注量を分注したかどうかという確実性には欠け、確認はできないという問題がある。また、体積測定装置を用いて分注量を測定し、その分注量が正常であったか否かを判定する手法は、結果的に判定する方法であって、分注量そのものを高精度に制御するものではない。
【0007】
本発明の目的は、特に分注量が数十μL以下の分注作業に於いて、分注量を測定しながら、所望の分注量を高精度で確実に分注できる分注量制御方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、先端に孔を有するピペットから微量の試料を液滴化して分注する分注ヘッドと、分注ヘッドから飛翔した液滴の体積を非接触で検出する液滴体積センサと、分注ヘッドを駆動制御し、且つ液滴体積センサの出力信号から液滴の体積を計算する体積演算部を有したコントローラを備えた分注装置に於いて、分注ヘッドでピペットの孔から液滴を吐出する工程と、液滴体積センサで飛翔中の液滴の体積を演算する工程と、該工程で得られた体積情報をフィードバックして所望の分注量を制御する工程と、により達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の分注量制御方法を実現するための分注装置10であり、分注装置10を側面から見た一部断面図である。図1に示す分注装置10の構成について以下説明する。先端に直径500μm程の孔を有したピペット1はピペット把持部6によりネジ6aで固定されている。ピペット把持部6は圧入方式によりピペット1を固定しても良い。ピペット1の内壁面に接して進退するピストン2はピストン把持部5によりネジ5aで固定されている。ピストン把持部5は圧入方式によりピストン2を固定しても良いし、チャック機構によりピストン2頭部を把持しても良い。圧電アクチュエータ11の一端はピストン把持部5と接着され、圧電アクチュエータ11の他端はリニアステッピングモータ3のシャフト4と接着されている。圧電アクチュエータ11の固定方法としてはネジなどを用いても良い。リニアステッピングモータ3のシャフト4は直線運動し、直動するシャフト4により、ピストン2と圧電アクチュエータ11は上下に動作する。リニアステッピングモータ3とピペット把持部6及びヒンジ13はベース7に固定されている。ヒンジ13には液滴8aの体積を非接触で検出する液滴体積センサ12が固定され、リング状の中空形をした液滴体積センサ12はピペット1の孔の下方に配置している。
【0010】
上述したように構成された分注装置10のコントローラ20は、ステップモータドライバ22、圧電ドライバ23、体積演算部24、及びこれらを制御する制御部21から構成される。制御部21からステップモータドライバ22へパルス列信号を送ることにより、ピストン2を進退方向に速度制御及び位置制御できるようになっている。また、圧電ドライバ23は、例えば制御部21から出力される0VからDC5Vのアナログ電圧信号を0VからDC150Vに増幅する高速増幅器であり、圧電ドライバ23から出力される電圧に応じて圧電アクチュエータ11は微小変位する。この微小変位量は例えば50μm程度であり、ピストン2を高速に変位させることにより、試料8に圧力を加えて孔から押し出そうと動作するため、結果的に、孔から数十nリットル程度の液滴8aが吐出される。この液滴8aが中空の液滴体積センサ12を通って容器9に注入される時、液滴体積センサ12の出力信号から液滴8aの体積を体積演算部24にて演算測定する。
【0011】
以下、液滴8aの体積を測定する方法について図4、図5、図6、図7を用いて説明する。図4は、液滴体積センサ12と体積演算部24のブロック回路を示すものであり、液滴体積センサ12は2対の発光及び受光素子から構成される。第1の発光素子30aから発した光は第1の受光素子30bだけに当たるように形成されており、同様に第2の発光素子31aから発した光は第2の受光素子31bだけに当たるようになっている。上記2つの光は液滴8aが通過する方向に距離h隔てた位置になるように、2対の発光及び受光素子を配置している。
1対の発光及び受光素子を示す図5を用いて、発光側と受光側について説明する。発光素子30a及び31aは、例えば発光LEDや半導体レーザー等のデバイス40から発した光をレンズ41で平行光線にして、遮蔽板42で極細長い光線を形成する。受光素子30b及び31bは遮蔽板43を備えたフォトダイオードなどであり、液滴8aの投影像を受光する。図6は受光側から見た光線45と液滴8aを示す図である。図6に示すように、形成された光線45は縦方向に薄く、横方向に長くしてある。その理由は、液滴8aの水平方向の断面像を極めて細かく撮像するためと、液滴8aが必ずしも光線45の中心を通らないため、細長くしてある。
【0012】
次に、図4に示す体積演算部24のブロック回路図について説明する。液滴体積センサ12から出力された液滴8aの断面像の電圧信号は増幅器32及び33を経て増幅され、A/D変換機34及び35でアナログ信号からデジタル値に変換され、メモリ36及び37に記憶させる。そのサンプリング周期は所定の周波数f、例えば10MHzがクロック39から出力され、同時にメモリ36及び37のアドレスカウンタ(図示せず)をインクリメントして、液滴8aの投影像をメモリ36及び37に逐次記憶して行く。前述した液滴8aの投影像を記憶するタイミングは、圧電ドライバ23を駆動する時であり、上位の制御部21から信号(図示せず)を受ける。この時、予めプログラムが記憶されたROM38aを備えたCPU38は、ポートP1端子からLoレベルの信号からHiレベルの信号を出力する。クロック39から発振されている周波数は、3ステイト出力素子39aから出力され、メモリ36及び37への投影像の記憶動作を開始する。液滴8aが液滴体積センサ12を通過する所定の時間が経つと、CPU38はポートP1端子からLoレベルの信号を出力して投影像の記憶動作を終了する。
【0013】
投影像の記憶動作が終了すると、メモリ36及び37に図7に示すようなデータが記憶され、CPU38はこれらのデータから液滴8aの体積計算を実行する。先ず、液滴8aの飛翔速度vを求める。飛翔速度vは2つの光線間の距離hとそこの通過時間tから、
v=h/t
となる。通過時間tは、サンプリング周期(1/f)秒が固定周期なので、2つのメモリ36及び37の投影像データが変化し始める間隔から得られる。液滴8aの投影像から1サンプリング時の体積を微小円柱Viとみなすと、断面積と高さの積であるから、
微小円柱の高さ=v(1/f)
微小円柱の断面積=π(半径)2=π(yi・α)2
より、
Vi=π(yi・α)2×v(1/f)
ここで、yiは投影像データの影の量であり、補正係数αを掛けることで微小円柱Viの半径とみなしている。補正係数αは既知の物体例えば円柱を投影させて実験的に得ることができる。
【0014】
液滴8aの体積Vは、1サンプリング時の微小円柱Viを求めて、投影像データの凹み部分全てのデータ数n個を積和することにより得られる(式1)。
【0015】
【式1】
【0016】
液滴8aの体積測定の演算精度を上げる方法として、2つのメモリ36及び37に記憶した投影像データから、それぞれ体積を演算して平均しても良い。また、液滴体積センサ12の2つの光線は平行でも良いが、好ましくは、光線を直交させて異なる角度から投影し、それぞれ体積を演算して平均する方法が良い。
図2及び図3に示す本発明の分注量制御方法を表すフローチャートを用いて、以下説明する。上記説明した分注装置10を用いて、先ずピペット1に試料8を吸引する工程について図2を参照しながら説明する。
【0017】
工程200の吸引開始時は、リニアステッピングモータ3のシャフト4を駆動してピストン2を最下端まで下げる。次に、図示していないワイヤー等で液滴体積センサ12を引っ張り、ピペット1の下方の空間を空けるセンサ退避の工程210を実行する。続いて、ピペット1の先端を親となる試料8に浸し、リニアステッピングモータ3を駆動してピストン2を引き上げて所定の分注量をピペット1内に吸引する工程220を実行する。吸引終了後、親試料8からピペット1の先端が離れた後に、退避させていた液滴体積センサ12をピペット1の孔の下方にセットする工程230を実行する。以上で、吸引動作を終了する(工程240)。
次に、分注する容器9の上空に分注装置10を移動させ、液滴8aの体積を測定しながら分注量を制御する方法について図3を参照しながら説明する。
【0018】
分注開始(工程250)が指示されると、制御部21は圧電アクチュエータ11を高速に微小変位させて、ピペット1の先端の孔から液滴8aを飛翔させる(工程260)。飛翔中の液滴8aの体積は、体積演算部24にて前述した手法で得られる(工程270)。ピペット1先端の孔部の液面は、液滴8aが吐出された量だけピペット1内部に入り込むため、工程280ではリニアステッピングモータ3を駆動してピストン2を送り込む。その移動量はピペット1の内径が既知であるため、吐出された液滴8aの体積から得られる。工程290では吐出した液滴8aの積和を求める。その吐出した分注量、つまり積和の量が、所望の分注量であるか否かを判断し(工程300)、未だ達していなければ、工程260から繰り返し実行する。所望の分注量に達すると、分注作業を終了する(工程310)。
【0019】
また、コントローラ20では、個々の分注量を記憶したり、上位のコンピュータなどへ分注量を通信したりすることができ、貴重な検体等の分注量のデータ管理を行うことができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、先端に孔を有するピペットから微量の試料を液滴化して分注する分注ヘッドと、分注ヘッドから飛翔した液滴の体積を非接触で検出する液滴体積センサと、分注ヘッドを駆動制御し、且つ液滴体積センサの出力信号から液滴の体積を計算する体積演算部を有したコントローラを備えた分注装置に於いて、分注ヘッドでピペットの孔から液滴を吐出する工程と、液滴体積センサで飛翔中の液滴の体積を演算する工程と、この工程で得られた体積情報をフィードバックして所望の分注量を制御する工程とにより、高精度で確実な分注量制御方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分注量制御方法に係る一実施例の分注装置を側面から見た一部断面図。
【図2】本発明の分注量制御方法の一実施例を表すフローチャート。
【図3】本発明の分注量制御方法の一実施例を表すフローチャート。
【図4】本発明の分注量制御方法に係る一実施例の体積演算部のブロック回路図。
【図5】本発明の分注量制御方法に係る一実施例の液滴体積センサの光学系を表す側面図。
【図6】本発明の分注量制御方法に係る一実施例の液滴体積センサの光線を表す断面図。
【図7】本発明の分注量制御方法に係る一実施例の液滴の投影像をメモリに記憶させたイメージ図。
【符号の説明】
1はピペット、2はピストン、3はリニアステッピングモータ、4はシャフト、8は試料、8aは液滴、10は分注装置、11は圧電アクチュエータ、12は液滴体積センサ、20はコントローラ、24は体積演算部、260は液滴を吐出する工程、270は液滴の体積を演算する工程、300は体積情報をフィードバックして所望の分注量を制御する工程である。
Claims (2)
- 先端に孔を有するピペットから微量の試料を液滴化して分注する分注ヘッドと、該分注ヘッドから飛翔した液滴の体積を非接触で検出する液滴体積センサと、前記分注ヘッドを駆動制御し、且つ前記液滴体積センサの出力信号から液滴の体積を計算する体積演算部を有したコントローラと、を備えた分注装置に於いて、前記分注ヘッドで前記ピペットの孔から液滴を吐出する工程と、前記液滴体積センサで飛翔中の液滴の体積を演算する工程と、該工程で得られた体積情報をフィードバックして所望の分注量を制御する工程と、を有することを特徴とする分注量制御方法。
- 先端に孔を有するピペットから微量の試料を液滴化して分注する分注ヘッドと、該分注ヘッドから飛翔した液滴の体積を非接触で検出する液滴体積センサと、前記分注ヘッドを駆動制御し、且つ前記液滴体積センサの出力信号から液滴の体積を計算する体積演算部を有したコントローラと、を備えた分注装置に於いて、前記ピペットの先端の孔から試料を吸引する時は、前記液滴体積センサを退避する工程を有することを特徴とする分注量制御方法。
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