JP2004250975A - 道路用防音壁構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透光板7の音源側とは反対側位置に金属製網体9が配置されている。金属製網体9の下部は網目を細かく形成され、中間部分又は上部は網目を粗く形成されている。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、主として高速道路等の路肩に沿って構築される防音壁の技術分野に属し、特に、車輌の衝突事故などによる火災で透光板が延焼した際に、燃えて溶け落ちた合成樹脂が一般居住区域(民地側)へ飛散、落下して二次災害が発生することを未然に防止する防音壁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、道路用防音壁は、ポリカーボネート板やアクリル板等の合成樹脂製透光板を用いて、道路を走行する車輌からの外界の視界を遮らない防音壁が多く採用されている。
【0003】
これらの透光板が車輌の衝突事故などで破損して、破片が飛散、落下することを防ぐために、これまで種々提案されている。
【0004】
この種の従来技術、特に透光板の破損を防止する技術、及び破損した透光板の飛散、落下を防止する技術は、例えば以下の(a)〜(d)に開示されている。
【0005】
(a)特許文献1及び2には、透光板が破損した場合にその破片を受け止める防護ネット又は波形板材を、道路側(音源側)と反対側に取り付けた防音壁が開示されている。
【0006】
(b)特許文献3には、透光板の内部に補強用網状部材が埋設された透光板が開示されている。前記補強用網状部材によって透光板の補強が施されている。
【0007】
(c)特許文献4及び5には、透光板が破損しないように板状体で樹脂薄膜を挟持したり、フィルム貼付等の飛散防止手段を施した合成樹脂板が開示されている。
【0008】
(d)特許文献6及び7には、透明樹脂板に難燃剤を混合することで燃焼速度を遅くし、火災の延焼を防止する技術が開示されている。
【0009】
【特許文献1】
実公平7−15854号公報
【特許文献2】
実公平5−10009号公報
【特許文献3】
特開平7−317023号公報
【特許文献4】
特開平6−83365号公報
【特許文献5】
実開平1−138910号公報
【特許文献6】
特開平8−311822号公報
【特許文献7】
特開平10−219634号公報
【0010】
【本発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、透光板が破損した場合の破片の落下防止に有効であり、破損しないように工夫したり、延焼を防止或いは遅らせるなどの工夫がなされているが、延焼した合成樹脂製の透光板が一旦、溶融樹脂となった場合には防ぐ手段がない。
【0011】
本発明の目的は、防音壁の透光板が車輌の衝突事故などによる火災で延焼して溶け落ちた合成樹脂が民地側へ飛散、落下することを確実に防ぎ、二次災害の発生を未然に防止でき、しかも視界の良好性は相変わらず保持できる構成とした、道路用防音壁構造を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る道路用防音壁構造は、
複数の支柱及び、該支柱間に透光板が取り付けられて成る道路用防音壁構造において、
透光板の音源側とは反対側位置に金属製網体が配置されていること、
前記金属製網体の下部は網目を細かく形成され、中間部分又は上部は網目を粗く形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載した発明に係る道路用防音壁構造は、
複数の支柱及び、該支柱間に合成樹脂製透光板が取り付けられて成る道路用防音壁構造において、
透光板の音源側とは反対側位置に金属製網体が配置されていること、
前記金属製網体の下部は、溶け落ちた合成樹脂の飛散、落下を防止可能な程度に網目を細かく形成され、中間部分又は上部は網目を粗く形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載した道路用防音壁構造において、
透光板が縦枠材と横枠材とで矩形状に組み立てられた周枠の面内に嵌め込まれ固定されて成る枠付き透光板であって、該金属製網体が支柱又は枠付き透光板の周枠へ固定されていることを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項2に記載した道路用防音壁構造において、
金属製網体は、垂直部と、その下部に透光板側へ突き出るように設けられた網目の細かい溶融樹脂受け部とで構成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項2に記載した防路用防音壁構造において、
金属製網体は、垂直部と、その下部に透光板とは反対側へ突き出るように設けられた網目の細かい溶融樹脂受け部とで構成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項4又は5に記載した道路用防音壁構造において、
溶融樹脂受け部は、側面方向に見ると、水平方向に一定幅を有する溝形状に形成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項7記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一に記載した道路用防音壁構造において、
金属製網体は、支柱又は枠付き透光板の周枠へクリップ金物により固定して取り付けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載した発明に係る道路用防音壁構造は、
縦枠材と横枠材とで矩形状に組み立てられた周枠の面内に透光板が嵌め込まれ固定されて成る枠付き透光板が、道路等の路肩に沿って設けた複数本の支柱の間に固定されている道路用防音壁構造において、
枠付き透光板の上方であって、支柱の上端部に吸音部材が取り付けられていること、
各枠付き透光板の音源側とは反対側位置に金属製網体が配置され、該金属製網体は支柱へ固定されていること、
前記金属製網体の下部は網目を細かく形成され、前記透光板と対応する部分は網目を粗く形成されていること、
前記吸音部材の音源側とは反対側位置に、前記金属製網体の上方へ連続する金属製網体が配置され、当該上位の金属製網体は支柱へ固定されており、同金属製網体は網目を細かく形成されていることを特徴とする。
【0020】
【本発明の実施形態】
本発明に係る道路用防音壁構造の実施形態を大別すると、第1は、透光板が車輌の衝突事故などで破損した際に、破片が一般居住区域へ飛散、落下して二次災害が発生することを未然に防止する、請求項1記載の発明の実施形態である。透光板の音源側とは反対側位置に金属製網体が配置されている。前記金属製網体の下部は網目を細かく形成され、中間部分又は上部は網目を粗く形成されている。
【0021】
第2は、車輌の衝突事故などによる火災で透光板が延焼して溶け落ちた合成樹脂が一般居住区域へ飛散、落下して二次災害が発生することを未然に防止する、請求項2〜7記載の発明の実施形態である。この実施形態は、金属製網体を枠付き透光板へ取り付ける実施形態と、金属製網体を支柱へ取り付ける実施形態とに大別される。透光板の音源側とは反対側位置に金属製網体が配置され、前記金属製網体は支柱又は枠付き透光板の周枠へ固定されている。金属製網体の下部は、溶け落ちた合成樹脂の飛散、落下を防止可能な程度に網目を細かく形成され、中間部分又は上部は網目を粗く形成されている。
【0022】
第3は、グラスウール等により成り、車輌の衝突事故などによる火災で溶け落ちる吸音部材の飛散、落下を防止すると共に、破損した透光板の破片の飛散、落下も防止する、請求項8記載の発明の実施形態である。枠付き透光板の上方であって、支柱の上端部に吸音部材が取り付けられている。金属製網体は支柱へ固定されている。金属製網体の下部は網目を細かく形成され、透光板と対応する部分は網目を粗く形成されている。吸音部材の音源側とは反対側位置に、前記金属製網体の上方へ連続する金属製網体が配置され、支柱へ固定されている。この金属製網体は網目を細かく形成されている。
【0023】
【実施例】
以下に、先ず請求項1及び請求項2〜7記載の発明に係る道路用防音壁構造(以下、防音壁と省略する場合がある。)の実施例を図1〜図3に基づいて説明する。
【0024】
この防音壁3は、縦枠材4と横枠材5とで略長方形に組み立てられた周枠6の面内にポリカーボネート板又はアクリル板等の合成樹脂製透光板7が嵌め込まれ押縁8(図7及び図8を参照)で固定されて成る枠付き透光板1が、道路等の路肩に沿って設けた複数本のH型鋼より成る支柱2…のうち隣り合う2本の支柱2、2の溝内へ嵌め込んで、その間に固定された構成である(請求項3記載の発明)。但し、請求項1に係る発明の場合、透光板7はポリカーボネート板又はアクリル板の限りではなく、ガラス等を含む更に広い概念のものである。
【0025】
各枠付き透光板1の音源側とは反対側の位置(いわゆる民地側)に金属製網体9(又は9’)が配置され、該金属製網体9(又は9’)は前記枠付き透光板1(又は1’)の周枠6へ固定された構造とされている(請求項3記載の発明)。
【0026】
前記金属製網体9(又は9’)は、隣接する支柱2、2の間に露出する透光板7の背面全域を覆うのに十分な形状と大きさ(一例として、縦寸が1000mm、横寸が1900mm。但し、この限りではない。)に線材10を縦横に組み合わせ、その各交点が溶接された構成である。透光板7を通じて見る視界を遮らないように、中央部は線材10の網目(ピッチ)を粗くし、周辺部は金属製網体9(又は9’)の強度を確保するため中央部に比べて網目を細かく形成されている。したがって、金属製網体9(又は9’)によって視界が遮られることは少なく、透光板7の本来の視界の良好性を保持できる。
【0027】
金属製網体9は、図3に示すように、防音壁3の最下段に配置される枠付き透光板1に取り付けられ、金属製網体9’は二段目以上に配置される枠付き透光板1’に取り付けられるので、下記するように若干異なる形状、構造とされている。
【0028】
図4〜図6は、防音壁3の最下段に配置される枠付き透光板1及び金属製網体9の具体的構成を示している。
【0029】
金属製網体9は、上部において網目を粗く形成された垂直部9aと、その下部に設けられた溶融樹脂受け部(以下、受け部と省略する場合がある。)9bとで構成されている。前記受け部9bは火災で溶け落ちた合成樹脂の飛散、落下を防止可能な程度に網目を細かく形成されている(一例として、縦ピッチが30mm、横ピッチが100mm。但し、この限りでない。)。
【0030】
前記受け部9bは、側面方向に見ると、水平方向に一定幅を有する溝形状に形成されており、その溝の略半分が透光板側(いわゆる道路側)へ突き出し、他側の略半分が民地側へ突き出るように形成されている(請求項4〜6記載の発明)。そのため、車輌等の火災時の熱により溶けて形状を維持できなくなった透光板7は、垂直部9aにもたれながら溶け落ち、落ちた合成樹脂は民地側の受け部9bで受け止められる。したがって、溶け落ちた合成樹脂は民地側へ飛散、落下することがなく、二次災害の発生を防止することができる。また、溶け落ちた合成樹脂が道路側へ飛散、落下することも防止することができる。
【0031】
ちなみに、上記受け部9bの幅寸Wは、図2に示すように、金属製網体9を周枠6へ取り付けた際に、同受け部9bの背面とH型鋼支柱2の背面とが略面一となるように形成され、民地側にハミ出さない大きさとされている。また、受け部9bの高さH(厚み)は、図6に示すように、枠付き透光板1の下側の横枠材5の高さと略等しく形成され、もって視界を遮らない構成とされている。
【0032】
図7は、上記金属製網体9の上端部の取付け構造の一例を示している。
図6に示した金属製網体9の垂直部9aは、その下端部に設けた受け部9bの道路側への突出分だけ、周枠6から離れて配置される。そのため前記垂直部9aの上端部を枠付き透光板1の上側の横枠材5へ連結できるように、当該上端部には、上記突出分と等しい幅寸の水平部9cが設けられ、更に前記水平部9cの先端部には、鉛直下方に垂れ下がる垂直部9aの取付け部9dが設けられている。
【0033】
前記取付け部9dは上側の横枠材5の背面部に配置し、同取付け部9dの水平方向に延びる上下2本の線材10、10を挟むように4個のクリップ金物11…(図4を参照、但し、個数は限定されない。)を当てがって、同クリップ金物11を前記横枠材5へリベット12で固定している。かくして、金属製網体9の上端部は周枠6へ取り付けられている(請求項7記載の発明)。
【0034】
前記金属製網体9の下端部も、具体的に図示することは省略したが、略同様に受け部9bの道路側の側面部で水平に延びる上下2本の線材10、10を、枠付き透光板1の下側の横枠材5の背面部へクリップ金物11を用いて固定し取り付けられている。
【0035】
図8は、上記金属製網体9の側部の取付け構造の一例を示している。
枠付き透光板1の縦枠材4の内側縁に沿って、波形状の取付け金物13の一方の平面部がリベット12で連結されている。前記取付け金物13は、金属製網体9の垂直部9aを縦枠材4へ連結可能な幅寸に構成されている。
【0036】
同取付け金物13の他方の平面部には、金属製網体9の垂直部9aの側縁において鉛直方向に延びる線材10を配置し、この線材10を挟むようにクリップ金物14を当てがって、同クリップ金物14を前記平面部へボルト15とナット16で固定している。かくして、金属製網体9の側部は周枠6へ取り付けられている。
【0037】
上記の通り、金属製網体9の枠付き透光板1への取付けは簡単にでき、金属製網体9のみを交換することも容易である。
【0038】
図9〜図11は、防音壁3の二段目以上に配置される上記枠付き透光板1’及び金属製網体9’の具体的構成を示している。
上記二段目以上の金属製網体9’は、同金属製網体9’に沿って溶け落ちる合成樹脂が、上述した最下段の金属製網体9の受け部9bまで伝って落ち受け止められるように、最下段の垂直部9aと上下方向に一連に連続する構成とされている(図3を参照)。すなわち、この金属製網体9’の垂直部9a’は、上記最下段の金属製網体9の垂直部9aと略同様に、上下の水平部9c’、9c’によって周枠6から所定の間隔を開けて配置されている。前記上下の水平部9c’、9c’には、垂直部9a’の取付け部9d’、9d’が設けられている。前記垂直部9a’は、上側及び下側の横枠材5、5の背面部へ、当該垂直部9a’の取付け部9d’、9d’をクリップ金物11を用いて固定し取り付けられている。更に前記垂直部9a’は、左右の縦枠材4、4の背面部へ、同垂直部9a’の側部を、取付け金物13とクリップ金物14を用いて固定し取り付けられている。なお、請求項1記載の発明に係る金属製網体も、上記金属製網体9’と同様な形状及び構成とされ、同様な手段で枠付き透光板へ取り付けられる。
【0039】
上記の金属製網体9(又は9’)を取り付けた枠付き透光板1(又は1’)は、通例の構築手順として、予め高速道路の路肩に沿って所定の間隔で設けられたH型鋼より成る支柱2の溝部へ、先ず最下段の枠付き透光板1を挿入し、バネクリップ部材15(図2)で固定する。続いて支柱2の溝部へ2段目以降の枠付き透光板1’を必要数挿入して最下段の枠付き透光板1の上方へ積み重ね、やはり、バネクリップ部材15で固定する。上記の要領で、枠付き透光板1’を積み重ねて防音壁3を構築することができる。
【0040】
本発明の防音壁3は、火災で溶け落ちる合成樹脂の飛散、落下を確実に防ぐと共に、破損した透光板の破片の飛散、落下も防ぐことができ、二次災害の発生を未然に防止することができる。特に、金属製網体9の下部は、網目を細かく形成されているので、小さな破片が抜け落ちることはない。
【0041】
図12は、最下段の枠付き透光板1に取り付けられる金属製網体9の異なる形状を示している。この金属製網体9は、受け部9bが箱形状に形成されていることが特徴である。要するに、受け部9bは溶け落ちた合成樹脂を受け止めることができる形状であれば良く、受け部9bの形状は特に限定されない。なお、図4〜図6に示す金属製網体9の受け部9bは、民地側及び道路側に突き出た形状とされているが、この限りでない。どちらか一方に、突き出ていれば良い。
【0042】
次に、防音壁構造の異なる実施例を図13〜図15に基づいて説明する。
この防音壁16は、上記図1〜図3に示した防音壁3と略同様に各枠付き透光板1(又は1’)の民地側に金属製網体17(又は17’)が配置されているが、同金属製網体17(又は17’)は、支柱2へ取り付けられた構造とされていることが特徴である(請求項3記載の発明)。
【0043】
防音壁16の最下段に配置される金属製網体17は、図4〜図6に示した金属製網体9と略同様に、垂直部17aを網目の粗い構成で形成し、下部を網目の細かい受け部17bで形成している。前記受け部17bは、側面方向に見ると、水平方向に一定幅を有する屈曲形状に形成されており、その略半分が民地側へ突き出し、他側の略半分が民地側へ突き出るように形成されている(請求項4及び5記載の発明)。ちなみに、上記金属製網体17の上端部及び下端部は、図15に示すように筒状に形成されているので、横梁としての機能を発揮するほか、取付け作業時の作業員の怪我防止にも有効である。
【0044】
一方、防音壁16の二段目以上に配置される金属製網体17’は、図9〜図11に示す金属製網体9’と略同様に垂直部17a’で構成されている。但し、前記垂直部17a’の下部は網目を細かく形成され、その上部は網目を粗く形成されている。そのため、前記垂直部17a’に沿って溶け落ちる合成樹脂は、網目の細かい箇所で抵抗が増し、溶け落ちるのに時間が掛かるので、その間に殆どが凝固する。また、前記垂直部17a’から更に溶け落ちる合成樹脂は、最下段の金属製網体17の受け部17bまで伝って落ち受け止められる。そのため、確実に合成樹脂の飛散、落下を防止して、二次災害の発生を防止することができる。
【0045】
図16及び図17は、上記金属製網体17及び17’の支柱2への取付け構造の一例を示している。
金属製網体17及び17’は、支柱2のフランジ部2aへ取付け金物18とクリップ金物19を用いて固定し取り付けられている(請求項7記載の発明)。前記取付け金物18は、一方の端部18aが側方から支柱2のフランジ部2aを挟み込むのに適したコ字形のクリップに形成されている(以下、端部18aをクリップ部18aと云う場合がある。)。前記クリップ部18aの一方の端部に民地側に突き出た結合部18bが設けられており、支柱2のフランジ部2aの両側方から、2個の取付け金物18、18のクリップ部18a、18aがフランジ部2aを挟み、中央で突き合わせた結合部18b、18b相互がボルト20とナット21で一体的に接合され、取付け金物18は支柱2のフランジ部2aへ拘束(固定)されている。
【0046】
このクリップ部18aの他側の端部には、民地側に突き出た垂直部18cが設けられている。前記垂直部18cは、金属製網体17(又は17’)を支柱2へ連結可能な長さを有し、その先端部に金属製網体17(又は17’)を連結する取付け金物18の他方の端部18dが金属製網体と平行な向きに設けられている。
【0047】
前記他方の端部18dには、金属製網体17(又は17’)の側部において鉛直方向に延びる2本の線材10、10を挟むようにクリップ金物19を当てがって、同クリップ金物19をボルト22とナット23で固定している。したがって、金属製網体17(又は17’)の支柱2への取付け及び交換は簡単にできる。
【0048】
図18A、Bは、金属製網体17(又は17’)を上下に一連に取り付ける際の連結構造を示している。
下側の金属製網体17(又は17’)の上端部で筒状に配置された線材10…の最上段で水平方向に延びる線材10と、上側の金属製網体17’の下端部で水平方向に延びる線材10とが連結金物24を用いて連結されている。前記連結金物24は、挟み材24a、24bで構成され、その相互で当該上下の線材10、10を挟み込みボルト25とナット26で連結されている。したがって、金属製網体17と17’の連結又は分離は簡単にできる。
【0049】
上記図13〜図15に示した防音壁16は、図1〜図3に示した防音壁3と同様に、火災で溶け落ちる合成樹脂の飛散、落下を確実に防ぐと共に、破損した透光板の破片の飛散、落下も防ぐことができ、二次災害の発生を未然に防止することができる。
【0050】
なお、図13〜図15に示した防音壁16は、枠付き透光板1(又は1’)を支柱2の溝部へ挿入した構成とされているが、この限りでない。透光板7を直接、支柱2に取り付けた防音壁でも同様に実施できる。
【0051】
図19及び図20は、請求項8記載の発明に係る防音壁構造の実施例を示している。
この防音壁27は、上記図13〜図15に示した防音壁16と略同様の構成であるが、最上段の枠付き透光板1’の上端部に吸音部材28が配置され、当該吸音部材28は支柱2の上端部に取り付けられている。そして、前記吸音部材28の民地側に、上記金属製網体17及び17’と上下方向に一連に連続する金属製網体29が配置され、この金属製網体29も支柱2へ固定された構造とされている(請求項8記載の発明)。もちろん、金属製網体17、17’は、その下部が網目を細かく形成され、透光板7と対応する部分は視界を遮らないように網目を粗く形成されている。
【0052】
上位の金属製網体29は、側面方向に見ると、吸音部材28の外周に沿って屈曲した形状とされている(図20を参照)。その網目は、火災により溶け落ちる当該吸音部材28のグラスウール28aの飛散、落下を防止可能に細かく(一例として、縦ピッチが30mm、横ピッチが300mm。但し、この限りでない。)形成されている。そのため、溶け落ちるグラスウール28aは、上位の金属製網体29で殆ど受け止められる。また、前記金属製網体29から更に溶け落ちるグラスウール28aは、最下段の金属製網体17の受け部17bまで伝って落ち受け止められる。したがって、溶け落ちるグラスウール28aは、民地側へ飛散、落下することがなく、二次災害の発生を防止することができる。もちろん、図1〜図3に示す防音壁3、図13〜図15に示す防音壁16と同様に、溶け落ちる合成樹脂の飛散、落下を防ぐと共に、破損した透光板の破片の飛散、落下も防ぐことができ、二次災害の発生を未然に防止することができる。
【0053】
前記金属製網体29の側部は、支柱2へ固定されたパイプ材30に取り付けられている。
【0054】
図21及び図22は、前記パイプ材30の支柱2への連結構造を示している。最上段の金属製網体17’を固定する上側2段の取付け金物18、18それぞれの端部18d、18dには、民地側に向かって連結部18e、18eが設けられている(図20を参照)。その上下2段に配置された連結部18e、18eに、上記パイプ材30の下部がボルト31とナット32で固定されている。
【0055】
前記パイプ材30に当該金属製網体29の側部がバンド金物33を用いて取り付けられている。また、筒状に形成された金属製網体29の上端部は、前記パイプ材30の上端部に水平に設けられた差し込み片30aに差し込まれている。一方、下端部は、図18A、Bに示した連結構造と同様に、連結金物24を用いて最上段の金属製網体17’の上端部と連結されている(図19を参照)。したがって、上位の金属製網体29も、上記した金属製網体17及び17’と同様に簡単に支柱2へ取り付けることができる。
【0056】
なお、上述した図1〜図3、及び図13〜図15、並びに図19及び図20に示す防音壁は、民地側に金属製網体を配置しているが、この限りでない。即ち、金属製網体は音源側とは反対側に配置されれば良い。
【0057】
【本発明の奏する効果】
請求項1〜8に記載した発明に係る道路用防音壁構造は、車輌の衝突事故などで破損した透光板の破片が民地側へ飛散、落下することを確実に防ぎ、二次災害の発生を未然に防止することができる。
また、金属製網体によって視界が遮られることがなく、透光板本来の視界の良好性を保持できる。
【0058】
特に、請求項2〜8に記載した発明に係る道路用防音壁構造は、車輌の衝突事故などによる火災で延焼した際に、焼けて溶け落ちた合成樹脂が民地側へ飛散、落下することを防ぎ、二次災害の発生を未然に防止することができる。
【0059】
更に、請求項8に記載した発明に係る道路用防音壁構造は、溶け落ちる吸音部材のグラスウールが民地側へ飛散、落下することも防ぎ、二次災害の発生を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1及び請求項2〜7に記載した発明に係る道路用防音壁構造の第1の実施例を示した背面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の側面図である。
【図4】道路用防音壁の最下段に配置される金属製網体を備えた枠付き透光板の背面図である。
【図5】図4の平面図である。
【図6】図4の側面図である。
【図7】金属製網体の上端部の取付け構造を概略的に示した斜視図である。
【図8】金属製網体の側部の取付け構造を概略的に示した斜視図である。
【図9】道路用防音壁の二段目以上に配置される金属製網体を備えた枠付き透光板の背面図である。
【図10】図9の平面図である。
【図11】図9の側面図である。
【図12】最下段の枠付き透光板に取り付けられる金属製網体の異なる形状を示した側面図である。
【図13】請求項1及び請求項2〜7に記載した発明に係る道路用防音壁構造の第2の実施例を示した背面図である。
【図14】図13の平面図である。
【図15】図13の側面図である。
【図16】金属製網体の取付け構造の一例を示した正面図である。
【図17】図16の平面図である。
【図18】Aは上下に配置される金属製網体相互の連結構造を示した側面図である。Bは連結金物の具体的構成を示した側面図である。
【図19】請求項8に記載した発明に係る道路用防音壁構造の実施例を示した背面図である。
【図20】図19の側面図である。
【図21】パイプ材の連結構造を示した正面図である。
【図22】図21の平面図である。
【符号の説明】
1、1’ 枠付き透光板
2 支柱
3、16、27 道路用防音壁
4 縦枠材
5 横枠材
6 周枠
7 透光板
9、9’ 金属製網体
9a、9a’ 垂直部
17、17’、29 金属製網体
17a、17a’ 垂直部
9b、17b 受け部
11、14、19 クリップ金物
28 吸音部材
Claims (8)
- 複数の支柱及び、該支柱間に透光板が取り付けられて成る道路用防音壁構造において、
透光板の音源側とは反対側位置に金属製網体が配置されていること、
前記金属製網体の下部は網目を細かく形成され、中間部分又は上部は網目を粗く形成されていることを特徴とする、道路用防音壁構造。 - 複数の支柱及び、該支柱間に合成樹脂製透光板が取り付けられて成る道路用防音壁構造において、
透光板の音源側とは反対側位置に金属製網体が配置されていること、
前記金属製網体の下部は、溶け落ちた合成樹脂の飛散、落下を防止可能な程度に網目を細かく形成され、中間部分又は上部は網目を粗く形成されていることを特徴とする、道路用防音壁構造。 - 透光板が縦枠材と横枠材とで矩形状に組み立てられた周枠の面内に嵌め込まれ固定されて成る枠付き透光板であって、該金属製網体が支柱又は枠付き透光板の周枠へ固定されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した道路用防音壁構造。
- 金属製網体は、垂直部と、その下部に透光板側へ突き出るように設けられた網目の細かい溶融樹脂受け部とで構成されていることを特徴とする、請求項2に記載した道路用防音壁構造。
- 金属製網体は、垂直部と、その下部に透光板とは反対側へ突き出るように設けられた網目の細かい溶融樹脂受け部とで構成されていることを特徴とする、請求項2に記載した道路用防音壁構造。
- 溶融樹脂受け部は、側面方向に見ると、水平方向に一定幅を有する溝形状に形成されていることを特徴とする、請求項4又は5に記載した道路用防音壁構造。
- 金属製網体は、支柱又は枠付き透光板の周枠へクリップ金物により固定して取り付けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載した道路用防音壁構造。
- 縦枠材と横枠材とで矩形状に組み立てられた周枠の面内に透光板が嵌め込まれ固定されて成る枠付き透光板が、道路等の路肩に沿って設けた複数本の支柱の間に固定されている道路用防音壁構造において、
枠付き透光板の上方であって、支柱の上端部に吸音部材が取り付けられていること、
各枠付き透光板の音源側とは反対側位置に金属製網体が配置され、該金属製網体は支柱へ固定されていること、
前記金属製網体の下部は網目を細かく形成され、前記透光板と対応する部分は網目を粗く形成されていること、
前記吸音部材の音源側とは反対側位置に、前記金属製網体の上方へ連続する金属製網体が配置され、当該上位の金属製網体は支柱へ固定されており、同金属製網体は網目を細かく形成されていることを特徴とする、道路用防音壁構造。
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