JP2004250850A - 印刷可能な表面用のカチオン性コーティング - Google Patents
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Abstract
【課題】紙、板紙、繊維、不織布及び木材の上に印刷可能な表面を形成する、特にインクジェットプリントを行なうために有用であるコーティング組成物を提供する。
【解決手段】0.4〜3モルパーセントの1種以上のカチオン性単量体単位及び少なくとも50モルパーセントの1種以上のビニルエステル単量体単位を含む水不溶性エマルジョン重合体0.5〜25質量パーセント、顔料25〜75質量パーセント及び水で構成された繊維質基材用コーティング組成物とする。該コーティングは、液体インクが定着させられることになる繊維質基材上で有用である。コーティングのカチオン性のため、基材には、アニオン性インク及び染料のための優れた付着点が備わり、その結果、明るく鮮明なプリント画像が得られる。
【選択図】 なし
【解決手段】0.4〜3モルパーセントの1種以上のカチオン性単量体単位及び少なくとも50モルパーセントの1種以上のビニルエステル単量体単位を含む水不溶性エマルジョン重合体0.5〜25質量パーセント、顔料25〜75質量パーセント及び水で構成された繊維質基材用コーティング組成物とする。該コーティングは、液体インクが定着させられることになる繊維質基材上で有用である。コーティングのカチオン性のため、基材には、アニオン性インク及び染料のための優れた付着点が備わり、その結果、明るく鮮明なプリント画像が得られる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷可能な表面用のカチオン性コーティングに関する。特に、該コーティング組成物は、0.4〜3モルパーセントの1種以上のカチオン性単量体及び少なくとも50モルパーセントの1種以上のビニルエステル単量体を有するエマルジョン重合体を含有する。該コーティングは、液体インクが上に定着させられることになる繊維質基材上で有用である。コーティングのカチオン性特性のため、基材には、アニオン性インク及び染料のための優れた付着点が備わり、その結果、明るく鮮明なプリント画像が得られる。該コーティングは、紙、板紙、繊維、不織布及び木材の上にインクジェットプリントを行なうために特に有用である。
【0002】
【従来の技術】
印刷用インク及びその他の機能的コーティングを塗布するさらに平滑でかつ吸収性の低い表面を生成するために、紙といったような繊維質基材にコーティングが施される。該コーティング組成物は標準的に、天然の又は人工的に作られた顔料、合成又は天然の重合体コーティング結合剤、水及び少量のさまざまな添加物を含んで成る。繊維質の紙ウェブの不均質な表面を充填し平滑化させるのに顔料が使用される一方、顔料粒子を合わせて保持し紙に対しコーティング層を保持するのに結合剤が使用される。標準的な紙コーティング結合剤は、合成重合体,天然重合体又はこれらの成分の混合物で構成されている。
【0003】
最高0.4モルパーセントの第3アミン官能基を低レベルで有する重合体を含有するコーティング組成物が、米国特許第4,944,988号(特許文献1)の中で開示されている。米国特許第5,660,928号(特許文献2)は、カチオン性水溶性重合体を第3層として含有するインクジェットプリンティング用の多層紙コーティングを開示している。例においては、このカチオン性層は非常に薄いことから測定されない。
【0004】
米国特許第6,153,288号(特許文献3)は、エチレン−酢酸ビニル重合体及び水溶液カチオン性重合体の配合物を有する多重合体紙コーティングについて記述している。カチオン性重合体は、コーティング処方の5〜50パーセントを構成し、第4級ジメチルアミノエチルアクリレート又はメタクリレートを含有する水溶性共重合体であり得る。ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンといったようなその他の水溶性重合体が、紙コーティング中に使用されている。残念なことに、これらのコーティングは湿気に敏感で、湿潤な環境では使用しにくい。ポリビニルアルコールは、使用できる溶液を形成するのに加熱を必要とするという欠点をもち、その上、ポリビニルアルコールを用いてコーティング固形物を最大限にすることは困難である。ポリビニルピロリドンコーティングは高価で、しかも黄変しやすい。
【0005】
米国特許第6,194,077号(特許文献4)は、ゼラチンと架橋剤と共に使用される低分子量の水不溶性カチオン性重合体について記述している。
米国特許第6,358,306号(特許文献5)は、最高5質量パーセントの割合で親水性基及び第3アミノ基を有する水不溶性樹脂を有するインクジェット記録用紙を開示している。この樹脂は、有機溶剤中の溶液重合により形成された、ポリウレタン、ポリ尿素及びポリアミドの縮重合体である。
【0006】
インクジェット紙用のカチオン性エマルジョンについては、特開平11−123867号(特許文献6)に記述されている。これらのエマルジョンは、アクリルベースのエマルジョンである。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第4,944,988号
【特許文献2】
米国特許第5,660,928号
【特許文献3】
米国特許第6,153,288号
【特許文献4】
米国特許第6,194,077号
【特許文献5】
米国特許第6,358,306号
【特許文献6】
特開平11−123867号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
さらに高いインク保持率及びその他のプリント特性の改善を提供するべく、現行の処方に比べ高いレベルのカチオン性特性を有する紙及びその他の繊維質基材用の水性でかつ水不溶性の合成重合体コーティング組成物に対するニーズが存在する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
驚くべきことに、基材に塗布した時点で液体インクのすぐれた定着を提供する安定したコーティング組成物を製造するために、少なくとも50モルパーセントのビニルエステル単量体を有しかつ約0.4モルパーセントを超えるカチオン性単量体レベルの水不溶性合成エマルジョン重合体を使用することができる、ということが発見された。
【0010】
本発明は同様に、
a)0.4〜3モルパーセントの1種以上のカチオン性単量体単位及び少なくとも50モルパーセントの1種以上のビニルエステル単量体単位を含む水不溶性エマルジョン重合体0.5〜25質量パーセント、
b)顔料25〜75質量パーセント、及び
c)水、を含んで成る繊維質基材用コーティング組成物にも関する。
【0011】
該コーティング組成物は同様に、その他のさまざまな添加剤を含有することができる。好ましくは、カチオン性単量体は1種以上の第1、第2又は第3アミン単量体である。
本発明はさらに、カチオン性重合体を含有するコーティング組成物を少なくとも1つの表面上に有するコーティングされた繊維質基材と同様に、コーティングされた基材を製造するためのプロセスにも関する。コーティングされた基材はさらに、印刷又は染色プロセスの後、コーティングと結びつけられたインク又は染料を含むことができる。
【0012】
【発明の実施形態】
本発明のコーティング組成物は、顔料、カチオン性エマルジョン重合体及び水を含有する。
【0013】
カチオン性エマルジョン重合体は、少なくとも50モルパーセントの1種以上のビニルエステル単量体、0〜49.4モルパーセントの1種以上のその他のエチレン不飽和単量体及び0.4〜3モルパーセントの1種以上のカチオン性単量体を含有する。好ましくは、重合体は、0.4〜2モルのカチオン性単量体を含有する。好ましいカチオン性単量体は、第1、第2又は第3アミンを包含する。かかる単量体の例としては、N,Nジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;N,N,ジアルキルアノミノアルキル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジアルキルミノアルキルアクリルアミドが含まれるが、これらに制限されるわけではなく、ここでアルキル基は独立してC1−18である。ビニルピリジンといったような芳香族アミン含有単量体も同様に用い得る。さらに、加水分解時にアミン部分を生成するビニルホルムアミド、ビニルアセトアミドなどといったような単量体も用い得る。好ましくは、親水性酸中和性単量体は、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びN,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドである。用い得るカチオン性単量体は、上述の単量体の四級化された誘導体ならびに塩化ジアリルジメチルアンモニウム、塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムである。好ましい単量体は、N,Nジアルキルアミノアルキルアクリレート及びN,Nジアルキルアミノアルキルメタクリレートである。特に好ましいのは、ジメチルアミノエチルメタクリレートである。カチオン性官能基レベルが過度に高い場合、本発明の水不溶性重合体としてとどまるよりはむしろ、重合体は水溶性となり増粘剤として作用する。
【0014】
カチオン性重合体は、少なくとも50モルパーセントの1種以上のビニルエステル単量体、好ましくは少なくとも70モルパーセント、そして最も好ましくは少なくとも80モルパーセントのビニルエステル単量体を含有する。適切なビニルエステルとしては、酢酸ビニル、蟻酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、吉草酸ビニル及び2−エチル−ヘキサン酸ビニルが含まれるが、これらに制限されるわけではない。好ましい重合体は、これらの酢酸ビニル単独重合体、カチオン性単量体とのエチレン−酢酸ビニル共重合体である。ビニルエステル単量体は親水性であることから、ビニルエステルの加水分解に向かう傾向に起因して、窒素含有カチオン性重合体とこれらを共重合させることは困難である。本発明の重合体は、カチオン性官能基が1モルパーセント以上でも3モルパーセントまでは顕著な劣化を全く示さないことがわかっている。
【0015】
カチオン性重合体の中に0〜48.6モルのレベルで存在するその他の適切なエチレン不飽和単量体には、マレエート、(メタ)アクリルアミド、イタコネート、スチレン系樹脂、不飽和炭化水素及びアクリロニトリル、窒素官能性単量体、アルコール官能性単量体、不飽和炭化水素及び(メタ)アクリレートが含まれるが、これらに制限されるわけではない。酸性官能基とアミン官能基の間の何らかの反応によってひき起こされる不利な効果があることから、用いるとしても、わずかな量のカルボン酸又はその他の酸性単量体しか使用すべきでない。
【0016】
N−メチロールアクリルアミドといったような少量の架橋性単量体も、重合体中に存在していてよい。繊維印刷プロセスでは、わずかに架橋した重合体が特に有用である。カチオン性重合体エマルジョンは水不溶性であり、水中で不溶の薄膜を形成する能力をもつ。
【0017】
本発明のカチオン性エマルジョン重合体は、10万以上、好ましくは50万以上の質量平均分子量をもつ高分子量の重合体である。
【0018】
重合体は、水性ラテックス又は分散重合体系を形成する当該技術分野において既知のエマルジョン重合によって形成される。エマルジョンプロセスは、バッチ式、半バッチ式又は連続式のいずれであってもよく、好ましくは、数時間にわたる単量体の供給を含む。好ましくは、重合段階全体にわたって、ゆっくりとカチオン性単量体を添加することになる。エマルジョンは、粒度制御のための種重合体を使用して形成できる。エマルジョンは、表面活性剤、コロイド安定剤又はそれらの組合せを用いて、安定化させることができる。1つの好ましい安定化剤はポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールの一部又は全てが、カチオン性官能性であってよい。安定剤は、エマルジョン/分散液中で重合体粒子を安定化させるために機能できると同時に、エマルジョン重合体が結合剤として用いられるコーティング組成物を安定化するためにも役立つ。コーティング組成物内の表面活性剤が、基材、特に合成繊維から成る基材に対するコーティングの接着を助けるということも発見された。
【0019】
重合体分散液は、顔料及びその他の添加剤と組合わされて、紙コーティング組成物を形成する。標準的なインクジェット紙コーティング組成物は、55〜80質量パーセントの無機顔料を含有している。顔料の選択は、紙の表面に必要とされる特性に基づく。炭酸カルシウムのような高いアニオン性をもつ顔料はカチオン性結合剤を沈殿させ得ることから、カチオン性結合剤は一般に、シリカといったような非イオン性顔料と共に用いられる。紙コーティング用の好ましいシリカ顔料は、4〜14ミクロンの範囲内の粒度をもつものである。コーティング組成物はさらに、結合剤を10〜30質量パーセント、タンパク質、カゼイン及びでんぷんといったような結合助剤を2〜9質量パーセント、その他の添加剤を0.1〜1.5質量パーセントそして水を25〜45質量パーセント含有している。結合剤は、完全にカチオン性エマルジョン結合剤により構成されていてもよいが、そうでなければポリビニルアルコール又はポリビニルピロリドンといったようなその他の天然又は合成重合体結合剤と本発明のカチオン性結合剤の配合物であり得る。
【0020】
コーティング組成物中に取込むことのできるその他の添加剤には、増粘剤、離型剤、浸透剤、湿潤剤、熱ゲル化剤、サイズ剤、脱泡剤、抑泡剤、発泡剤、着色剤、螢光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消光剤、防腐剤、分散剤、不溶化剤(湿潤強度を改善させるため)、帯電防止剤、架橋剤、分散剤、潤滑剤、可塑化剤、pH調節剤、流動性向上剤、硬化促進剤及び防水剤が含まれるが、これらに制限されるわけではない。
【0021】
コーティング組成物は、顔料、結合剤、結合助剤及びその他の添加剤を水と低いせん断下で組合せることによって処方される。わずかなコーティング添加剤は一般に最後に加えられる。
コーティング組成物のTgは、ほぼ室温である。これは、当該技術分野において既知の通り0〜50℃の範囲内のTgをもつ重合体を合成することによってか、又はより高いTgの重合体と可塑剤を用いて、達成可能である。
【0022】
コーティングは、インク又は染料受容表面として使用するため、繊維質基材の1以上の表面に塗布することができる。繊維質基材の例としては、板紙、木材、皮革、皮ふ、毛髪、織物、不織布が含まれるが、これらに制限されるわけではない。織物及び不織布は、天然及び/又は合成繊維から形成されていてよい。紙にはプリンタ用紙といったインク又は染料を受けるあらゆる紙ならびに壁紙、包装紙といった印刷された紙が含まれる。
【0023】
重合体コーティング組成物は、当該技術分野において既知のあらゆる手段により、基材の1以上の面に塗布し得る。紙コーティング方法には、ロールアプリケーターと、ロール、ロッド、ブレード、バー又はエアナイフでの計量;ポンドアプリケーターと、ロール、ロッド、ブレード、バー又はエアナイフでの計量;ファウンテンアプリケーターと、ロール、ロッド、ブレード又はバー又はエアナイフでの計量;予備計量式フィルム又はパターン(例えば、ゲートロール、スリー−ロール、アニロックス、グラビア、フィルムプレス、カーテン、スプレー)及び泡塗布、が含まれるが、これらに制限されるわけではない。かかるプロセスの例としては、圧力下で紙表面に移送されるコーティング組成物がすでにコーティングされたローラーを通して紙を導びくフィルム−プレス方法が含まれるが、それらに制限されるわけではない。コーティングの厚みは、ローラーに塗布されるコーティング組成物の厚みにより制御される。コーティング組成物は、噴霧、ブラシがけ、発泡及び浸漬によりさまざまなその他の基材に塗布することができる。
【0024】
コーティングされた表面は、インク及び染料を保持する傾向をもちかくしてインク及び染料の移染を軽減させるカチオン性官能基を含有する。コーティング処方中のカチオン性重合体は、印刷適性を改善する上で一助となる。基材表面と接触することになるインク及び染料は、定着した染料であり、水性又は溶剤ベースであり得る。染料はアニオン性をもつ傾向にあり、かくしてカチオン性コーティング組成物に引きつけられる。
【0025】
以下の例は、本発明をさらに例示し説明するために提示されており、いかなる点でも制限的意味のあるものと考えられてはならない。
【0026】
【0027】
AIRVOL A−523は、87〜89パーセントの加水分解レベル及び中位の分子量をもつポリ(ビニルアルコール)である。
DISPONIL 3065は、エトキシル化アルコール(C12)非イオン性表面活性剤である。
【0028】
還流凝縮器、添加用漏斗及び撹拌器を備えた2リットル入り容器中。初期装入材料を反応装置に添加し、反応内容物を60℃まで加熱した。一回分の初期触媒材料を60℃で添加し、緩添加単量体を3.75時間添加した。反応の温度を75℃まで上昇させ、緩添加触媒を4時間添加した。反応内容物を75℃に20分間保った。反応塊を65℃まで冷却し、一回分の掃去剤を導入した。反応塊を室温で放出した。以下のような物理的特性が得られた:固形分 44.78%; 粘度3300cps;pH4.5;粒度(200M)0.006。
【0029】
例2(比較例)
0.32モルパーセントのジメチルアミノエチルメタクリレートを有するという点を除いて、例1のプロセスによって、エマルジョン重合体を合成した。以下の物理的特性が得られた:固形分45%;粘度4000cps;pH3.8;粒度(200M)0.005。
【0030】
例3
例1の表面活性剤系を用いて、エチレン及び酢酸ビニルのエマルジョン重合体を合成した(2pphmのAmmonyx Cetylを用いて)。以下の物理的特性が得られた:固形分52.5%;粘度100cps;pH3.0;粒度(200M)0.002。
【0031】
例4:
2.0モルパーセントのジメチルアミノエチルメタクリレートを有しカチオン性表面活性剤を全く含まないという点を除いて、例1のプロセスによって、酢酸ポリビニルのエマルジョン重合体を合成した。以下の物理的特性が得られた:固形分45.3%;粘度835cps;pH4.4;粒度(200M)0.001。
【0032】
例5:インクジェット記録シートの調製
約10ミクロンの粒度を有する非晶質合成シリカスラリー約80質量%、エマルジョン重合体10質量パーセント及び水10パーセントを組合わせてコーティング組成物を形成した。使用された正確な処方は、以下のとおりであった:
6A:
10ミクロンの粒度をもつ固形分15%のシリカスラリー 666.7g
水 110.9g
例1のエマルジョン重合体 55.8g
6B:
10ミクロンの粒度をもつ固形分15%のシリカスラリー 666.7g
水 111.1g
例2のエマルジョン重合体 55.6g
6C:
10ミクロンの粒度をもつ固形分15%のシリカスラリー 666.7g
水 119g
例3のエマルジョン重合体 47.6g
6D:
10ミクロンの粒度をもつ固形分15%のシリカスラリー 666.7g
水 111.5g
例4のエマルジョン重合体 55.2g
6E(対照):
10ミクロンの粒度をもつ固形分15%のシリカスラリー 666.7g
水 13.3g
完全に加水分解されたポリビニルアルコールの20%溶液 153.4g
コーティング組成物は6.0のpHを有していた。コーティングを22℃で紙に塗布して、1連あたり3〜5ポンドのコーティング質量とした。
【0033】
例6:試験の結果
例5のコーティングされたインクジェット記録シートについて、以下の試験を行なった。
1.光学濃度は、列挙された色の各々についてMACBETH RD−514反射濃度計により測定される通りの印刷された色の暗さ及び/又はスペクトル反射率の度合である。
【0034】
2.透き通し百分率は、印刷された基材の反対側への印刷された画像の望ましくない出現のことである。これは、光学濃度(OD)により測定され、次の計算に従った:
透き通し百分率=(印刷側のOD−裏側のCD)/印刷側OD×100
3.印刷の光沢は、75度でのHunger光沢計を用いて測定された印刷の光沢である、入射光角度での印刷されたインクフィルムから発出する光の反射(鏡面光沢度)である。
【0035】
4.印刷鮮明度は、光学濃度及び合計面積/周囲測定値により測定される通りのテキストの品質及び/又は鮮明さである。インクの拡延によりひき起こされる灯心現象及びにじみは、望ましくない。
5.色のブリードは、光学濃度と合計面積/周囲測定値により測定される通りの1つの色のもう1つの色への拡延である。
【0036】
【表1】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷可能な表面用のカチオン性コーティングに関する。特に、該コーティング組成物は、0.4〜3モルパーセントの1種以上のカチオン性単量体及び少なくとも50モルパーセントの1種以上のビニルエステル単量体を有するエマルジョン重合体を含有する。該コーティングは、液体インクが上に定着させられることになる繊維質基材上で有用である。コーティングのカチオン性特性のため、基材には、アニオン性インク及び染料のための優れた付着点が備わり、その結果、明るく鮮明なプリント画像が得られる。該コーティングは、紙、板紙、繊維、不織布及び木材の上にインクジェットプリントを行なうために特に有用である。
【0002】
【従来の技術】
印刷用インク及びその他の機能的コーティングを塗布するさらに平滑でかつ吸収性の低い表面を生成するために、紙といったような繊維質基材にコーティングが施される。該コーティング組成物は標準的に、天然の又は人工的に作られた顔料、合成又は天然の重合体コーティング結合剤、水及び少量のさまざまな添加物を含んで成る。繊維質の紙ウェブの不均質な表面を充填し平滑化させるのに顔料が使用される一方、顔料粒子を合わせて保持し紙に対しコーティング層を保持するのに結合剤が使用される。標準的な紙コーティング結合剤は、合成重合体,天然重合体又はこれらの成分の混合物で構成されている。
【0003】
最高0.4モルパーセントの第3アミン官能基を低レベルで有する重合体を含有するコーティング組成物が、米国特許第4,944,988号(特許文献1)の中で開示されている。米国特許第5,660,928号(特許文献2)は、カチオン性水溶性重合体を第3層として含有するインクジェットプリンティング用の多層紙コーティングを開示している。例においては、このカチオン性層は非常に薄いことから測定されない。
【0004】
米国特許第6,153,288号(特許文献3)は、エチレン−酢酸ビニル重合体及び水溶液カチオン性重合体の配合物を有する多重合体紙コーティングについて記述している。カチオン性重合体は、コーティング処方の5〜50パーセントを構成し、第4級ジメチルアミノエチルアクリレート又はメタクリレートを含有する水溶性共重合体であり得る。ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンといったようなその他の水溶性重合体が、紙コーティング中に使用されている。残念なことに、これらのコーティングは湿気に敏感で、湿潤な環境では使用しにくい。ポリビニルアルコールは、使用できる溶液を形成するのに加熱を必要とするという欠点をもち、その上、ポリビニルアルコールを用いてコーティング固形物を最大限にすることは困難である。ポリビニルピロリドンコーティングは高価で、しかも黄変しやすい。
【0005】
米国特許第6,194,077号(特許文献4)は、ゼラチンと架橋剤と共に使用される低分子量の水不溶性カチオン性重合体について記述している。
米国特許第6,358,306号(特許文献5)は、最高5質量パーセントの割合で親水性基及び第3アミノ基を有する水不溶性樹脂を有するインクジェット記録用紙を開示している。この樹脂は、有機溶剤中の溶液重合により形成された、ポリウレタン、ポリ尿素及びポリアミドの縮重合体である。
【0006】
インクジェット紙用のカチオン性エマルジョンについては、特開平11−123867号(特許文献6)に記述されている。これらのエマルジョンは、アクリルベースのエマルジョンである。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第4,944,988号
【特許文献2】
米国特許第5,660,928号
【特許文献3】
米国特許第6,153,288号
【特許文献4】
米国特許第6,194,077号
【特許文献5】
米国特許第6,358,306号
【特許文献6】
特開平11−123867号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
さらに高いインク保持率及びその他のプリント特性の改善を提供するべく、現行の処方に比べ高いレベルのカチオン性特性を有する紙及びその他の繊維質基材用の水性でかつ水不溶性の合成重合体コーティング組成物に対するニーズが存在する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
驚くべきことに、基材に塗布した時点で液体インクのすぐれた定着を提供する安定したコーティング組成物を製造するために、少なくとも50モルパーセントのビニルエステル単量体を有しかつ約0.4モルパーセントを超えるカチオン性単量体レベルの水不溶性合成エマルジョン重合体を使用することができる、ということが発見された。
【0010】
本発明は同様に、
a)0.4〜3モルパーセントの1種以上のカチオン性単量体単位及び少なくとも50モルパーセントの1種以上のビニルエステル単量体単位を含む水不溶性エマルジョン重合体0.5〜25質量パーセント、
b)顔料25〜75質量パーセント、及び
c)水、を含んで成る繊維質基材用コーティング組成物にも関する。
【0011】
該コーティング組成物は同様に、その他のさまざまな添加剤を含有することができる。好ましくは、カチオン性単量体は1種以上の第1、第2又は第3アミン単量体である。
本発明はさらに、カチオン性重合体を含有するコーティング組成物を少なくとも1つの表面上に有するコーティングされた繊維質基材と同様に、コーティングされた基材を製造するためのプロセスにも関する。コーティングされた基材はさらに、印刷又は染色プロセスの後、コーティングと結びつけられたインク又は染料を含むことができる。
【0012】
【発明の実施形態】
本発明のコーティング組成物は、顔料、カチオン性エマルジョン重合体及び水を含有する。
【0013】
カチオン性エマルジョン重合体は、少なくとも50モルパーセントの1種以上のビニルエステル単量体、0〜49.4モルパーセントの1種以上のその他のエチレン不飽和単量体及び0.4〜3モルパーセントの1種以上のカチオン性単量体を含有する。好ましくは、重合体は、0.4〜2モルのカチオン性単量体を含有する。好ましいカチオン性単量体は、第1、第2又は第3アミンを包含する。かかる単量体の例としては、N,Nジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;N,N,ジアルキルアノミノアルキル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジアルキルミノアルキルアクリルアミドが含まれるが、これらに制限されるわけではなく、ここでアルキル基は独立してC1−18である。ビニルピリジンといったような芳香族アミン含有単量体も同様に用い得る。さらに、加水分解時にアミン部分を生成するビニルホルムアミド、ビニルアセトアミドなどといったような単量体も用い得る。好ましくは、親水性酸中和性単量体は、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びN,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドである。用い得るカチオン性単量体は、上述の単量体の四級化された誘導体ならびに塩化ジアリルジメチルアンモニウム、塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムである。好ましい単量体は、N,Nジアルキルアミノアルキルアクリレート及びN,Nジアルキルアミノアルキルメタクリレートである。特に好ましいのは、ジメチルアミノエチルメタクリレートである。カチオン性官能基レベルが過度に高い場合、本発明の水不溶性重合体としてとどまるよりはむしろ、重合体は水溶性となり増粘剤として作用する。
【0014】
カチオン性重合体は、少なくとも50モルパーセントの1種以上のビニルエステル単量体、好ましくは少なくとも70モルパーセント、そして最も好ましくは少なくとも80モルパーセントのビニルエステル単量体を含有する。適切なビニルエステルとしては、酢酸ビニル、蟻酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、吉草酸ビニル及び2−エチル−ヘキサン酸ビニルが含まれるが、これらに制限されるわけではない。好ましい重合体は、これらの酢酸ビニル単独重合体、カチオン性単量体とのエチレン−酢酸ビニル共重合体である。ビニルエステル単量体は親水性であることから、ビニルエステルの加水分解に向かう傾向に起因して、窒素含有カチオン性重合体とこれらを共重合させることは困難である。本発明の重合体は、カチオン性官能基が1モルパーセント以上でも3モルパーセントまでは顕著な劣化を全く示さないことがわかっている。
【0015】
カチオン性重合体の中に0〜48.6モルのレベルで存在するその他の適切なエチレン不飽和単量体には、マレエート、(メタ)アクリルアミド、イタコネート、スチレン系樹脂、不飽和炭化水素及びアクリロニトリル、窒素官能性単量体、アルコール官能性単量体、不飽和炭化水素及び(メタ)アクリレートが含まれるが、これらに制限されるわけではない。酸性官能基とアミン官能基の間の何らかの反応によってひき起こされる不利な効果があることから、用いるとしても、わずかな量のカルボン酸又はその他の酸性単量体しか使用すべきでない。
【0016】
N−メチロールアクリルアミドといったような少量の架橋性単量体も、重合体中に存在していてよい。繊維印刷プロセスでは、わずかに架橋した重合体が特に有用である。カチオン性重合体エマルジョンは水不溶性であり、水中で不溶の薄膜を形成する能力をもつ。
【0017】
本発明のカチオン性エマルジョン重合体は、10万以上、好ましくは50万以上の質量平均分子量をもつ高分子量の重合体である。
【0018】
重合体は、水性ラテックス又は分散重合体系を形成する当該技術分野において既知のエマルジョン重合によって形成される。エマルジョンプロセスは、バッチ式、半バッチ式又は連続式のいずれであってもよく、好ましくは、数時間にわたる単量体の供給を含む。好ましくは、重合段階全体にわたって、ゆっくりとカチオン性単量体を添加することになる。エマルジョンは、粒度制御のための種重合体を使用して形成できる。エマルジョンは、表面活性剤、コロイド安定剤又はそれらの組合せを用いて、安定化させることができる。1つの好ましい安定化剤はポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールの一部又は全てが、カチオン性官能性であってよい。安定剤は、エマルジョン/分散液中で重合体粒子を安定化させるために機能できると同時に、エマルジョン重合体が結合剤として用いられるコーティング組成物を安定化するためにも役立つ。コーティング組成物内の表面活性剤が、基材、特に合成繊維から成る基材に対するコーティングの接着を助けるということも発見された。
【0019】
重合体分散液は、顔料及びその他の添加剤と組合わされて、紙コーティング組成物を形成する。標準的なインクジェット紙コーティング組成物は、55〜80質量パーセントの無機顔料を含有している。顔料の選択は、紙の表面に必要とされる特性に基づく。炭酸カルシウムのような高いアニオン性をもつ顔料はカチオン性結合剤を沈殿させ得ることから、カチオン性結合剤は一般に、シリカといったような非イオン性顔料と共に用いられる。紙コーティング用の好ましいシリカ顔料は、4〜14ミクロンの範囲内の粒度をもつものである。コーティング組成物はさらに、結合剤を10〜30質量パーセント、タンパク質、カゼイン及びでんぷんといったような結合助剤を2〜9質量パーセント、その他の添加剤を0.1〜1.5質量パーセントそして水を25〜45質量パーセント含有している。結合剤は、完全にカチオン性エマルジョン結合剤により構成されていてもよいが、そうでなければポリビニルアルコール又はポリビニルピロリドンといったようなその他の天然又は合成重合体結合剤と本発明のカチオン性結合剤の配合物であり得る。
【0020】
コーティング組成物中に取込むことのできるその他の添加剤には、増粘剤、離型剤、浸透剤、湿潤剤、熱ゲル化剤、サイズ剤、脱泡剤、抑泡剤、発泡剤、着色剤、螢光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消光剤、防腐剤、分散剤、不溶化剤(湿潤強度を改善させるため)、帯電防止剤、架橋剤、分散剤、潤滑剤、可塑化剤、pH調節剤、流動性向上剤、硬化促進剤及び防水剤が含まれるが、これらに制限されるわけではない。
【0021】
コーティング組成物は、顔料、結合剤、結合助剤及びその他の添加剤を水と低いせん断下で組合せることによって処方される。わずかなコーティング添加剤は一般に最後に加えられる。
コーティング組成物のTgは、ほぼ室温である。これは、当該技術分野において既知の通り0〜50℃の範囲内のTgをもつ重合体を合成することによってか、又はより高いTgの重合体と可塑剤を用いて、達成可能である。
【0022】
コーティングは、インク又は染料受容表面として使用するため、繊維質基材の1以上の表面に塗布することができる。繊維質基材の例としては、板紙、木材、皮革、皮ふ、毛髪、織物、不織布が含まれるが、これらに制限されるわけではない。織物及び不織布は、天然及び/又は合成繊維から形成されていてよい。紙にはプリンタ用紙といったインク又は染料を受けるあらゆる紙ならびに壁紙、包装紙といった印刷された紙が含まれる。
【0023】
重合体コーティング組成物は、当該技術分野において既知のあらゆる手段により、基材の1以上の面に塗布し得る。紙コーティング方法には、ロールアプリケーターと、ロール、ロッド、ブレード、バー又はエアナイフでの計量;ポンドアプリケーターと、ロール、ロッド、ブレード、バー又はエアナイフでの計量;ファウンテンアプリケーターと、ロール、ロッド、ブレード又はバー又はエアナイフでの計量;予備計量式フィルム又はパターン(例えば、ゲートロール、スリー−ロール、アニロックス、グラビア、フィルムプレス、カーテン、スプレー)及び泡塗布、が含まれるが、これらに制限されるわけではない。かかるプロセスの例としては、圧力下で紙表面に移送されるコーティング組成物がすでにコーティングされたローラーを通して紙を導びくフィルム−プレス方法が含まれるが、それらに制限されるわけではない。コーティングの厚みは、ローラーに塗布されるコーティング組成物の厚みにより制御される。コーティング組成物は、噴霧、ブラシがけ、発泡及び浸漬によりさまざまなその他の基材に塗布することができる。
【0024】
コーティングされた表面は、インク及び染料を保持する傾向をもちかくしてインク及び染料の移染を軽減させるカチオン性官能基を含有する。コーティング処方中のカチオン性重合体は、印刷適性を改善する上で一助となる。基材表面と接触することになるインク及び染料は、定着した染料であり、水性又は溶剤ベースであり得る。染料はアニオン性をもつ傾向にあり、かくしてカチオン性コーティング組成物に引きつけられる。
【0025】
以下の例は、本発明をさらに例示し説明するために提示されており、いかなる点でも制限的意味のあるものと考えられてはならない。
【0026】
【0027】
AIRVOL A−523は、87〜89パーセントの加水分解レベル及び中位の分子量をもつポリ(ビニルアルコール)である。
DISPONIL 3065は、エトキシル化アルコール(C12)非イオン性表面活性剤である。
【0028】
還流凝縮器、添加用漏斗及び撹拌器を備えた2リットル入り容器中。初期装入材料を反応装置に添加し、反応内容物を60℃まで加熱した。一回分の初期触媒材料を60℃で添加し、緩添加単量体を3.75時間添加した。反応の温度を75℃まで上昇させ、緩添加触媒を4時間添加した。反応内容物を75℃に20分間保った。反応塊を65℃まで冷却し、一回分の掃去剤を導入した。反応塊を室温で放出した。以下のような物理的特性が得られた:固形分 44.78%; 粘度3300cps;pH4.5;粒度(200M)0.006。
【0029】
例2(比較例)
0.32モルパーセントのジメチルアミノエチルメタクリレートを有するという点を除いて、例1のプロセスによって、エマルジョン重合体を合成した。以下の物理的特性が得られた:固形分45%;粘度4000cps;pH3.8;粒度(200M)0.005。
【0030】
例3
例1の表面活性剤系を用いて、エチレン及び酢酸ビニルのエマルジョン重合体を合成した(2pphmのAmmonyx Cetylを用いて)。以下の物理的特性が得られた:固形分52.5%;粘度100cps;pH3.0;粒度(200M)0.002。
【0031】
例4:
2.0モルパーセントのジメチルアミノエチルメタクリレートを有しカチオン性表面活性剤を全く含まないという点を除いて、例1のプロセスによって、酢酸ポリビニルのエマルジョン重合体を合成した。以下の物理的特性が得られた:固形分45.3%;粘度835cps;pH4.4;粒度(200M)0.001。
【0032】
例5:インクジェット記録シートの調製
約10ミクロンの粒度を有する非晶質合成シリカスラリー約80質量%、エマルジョン重合体10質量パーセント及び水10パーセントを組合わせてコーティング組成物を形成した。使用された正確な処方は、以下のとおりであった:
6A:
10ミクロンの粒度をもつ固形分15%のシリカスラリー 666.7g
水 110.9g
例1のエマルジョン重合体 55.8g
6B:
10ミクロンの粒度をもつ固形分15%のシリカスラリー 666.7g
水 111.1g
例2のエマルジョン重合体 55.6g
6C:
10ミクロンの粒度をもつ固形分15%のシリカスラリー 666.7g
水 119g
例3のエマルジョン重合体 47.6g
6D:
10ミクロンの粒度をもつ固形分15%のシリカスラリー 666.7g
水 111.5g
例4のエマルジョン重合体 55.2g
6E(対照):
10ミクロンの粒度をもつ固形分15%のシリカスラリー 666.7g
水 13.3g
完全に加水分解されたポリビニルアルコールの20%溶液 153.4g
コーティング組成物は6.0のpHを有していた。コーティングを22℃で紙に塗布して、1連あたり3〜5ポンドのコーティング質量とした。
【0033】
例6:試験の結果
例5のコーティングされたインクジェット記録シートについて、以下の試験を行なった。
1.光学濃度は、列挙された色の各々についてMACBETH RD−514反射濃度計により測定される通りの印刷された色の暗さ及び/又はスペクトル反射率の度合である。
【0034】
2.透き通し百分率は、印刷された基材の反対側への印刷された画像の望ましくない出現のことである。これは、光学濃度(OD)により測定され、次の計算に従った:
透き通し百分率=(印刷側のOD−裏側のCD)/印刷側OD×100
3.印刷の光沢は、75度でのHunger光沢計を用いて測定された印刷の光沢である、入射光角度での印刷されたインクフィルムから発出する光の反射(鏡面光沢度)である。
【0035】
4.印刷鮮明度は、光学濃度及び合計面積/周囲測定値により測定される通りのテキストの品質及び/又は鮮明さである。インクの拡延によりひき起こされる灯心現象及びにじみは、望ましくない。
5.色のブリードは、光学濃度と合計面積/周囲測定値により測定される通りの1つの色のもう1つの色への拡延である。
【0036】
【表1】
Claims (5)
- a)0.4〜3モルパーセントの1種以上のカチオン性単量体単位及び少なくとも50モルパーセントの1種以上のビニルエステル単量体単位を含む水不溶性エマルジョン重合体0.5〜25質量パーセント、
b)顔料25〜75質量パーセント及び
c)水
を含んで成る繊維質基材用コーティング組成物。 - 前記カチオン性単量体が、第1、第2及び第3アミノ基を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
- 前記エマルジョン重合体が少なくとも70モルパーセントのビニルエステル単量体単位を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
- 前記エマルジョン重合体がさらにエチレン単量体単位を含んで成る、請求項1に記載のコーティング組成物。
- 少なくとも1つの表面が、
a)0.4〜3モルパーセントのカチオン性官能基を含む水不溶性エマルジョン重合体0.5〜25質量パーセント
b)顔料25〜75パーセント
c)水
を含む重合体を含有するコーティング組成物でコーティングされている繊維質基材を含んで成る、コーティングされた繊維基材。
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Legal Events
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