JP2004250505A - コーティング組成物、コーティング薄膜および複合材料 - Google Patents

コーティング組成物、コーティング薄膜および複合材料 Download PDF

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和之 高見
Akira Nakajima
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Abstract

【課題】優れた撥水性と高い摺動耐久性を兼ね備えたコーティング薄膜を簡易に得ることができるコーティング組成物を提供すること。
【解決手段】(X)(a)パーフルオロアルキル基を有する特定構造の(メタ)アクリル酸エステル0.8〜22モル%、(b)エポキシ基を有する特定構造の(メタ)アクリル酸エステル23〜93モル%、(c)アルコキシル基が結合した金属含有基を有する特定構造の(メタ)アクリル酸エステル6〜14モル%、および(d)(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なエチレン性不飽和化合物0〜70モル%とから得られた共重合体と、(Y)エポキシ基用架橋剤を含むと共に、(Z)特定の溶剤を30〜98重量%の割合で含むコーティング組成物である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コーティング組成物、コーティング薄膜および複合材料に関する。さらに詳しくは、本発明は、優れた撥水機能と高い摺動耐久性を兼ね備えたコーティング薄膜を与えるコーティング組成物、それを用いて形成された前記特性を有するコーティング薄膜および基材表面に該コーティング薄膜を設けてなる複合材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に撥水性はその表面が低い表面エネルギーで被覆された物質で認められる現象であり、撥水性コーティング組成物の主成分は低表面エネルギーな物質であることが多い。このような物質は低表面エネルギーであることから、通常、接着性に乏しく、摺動などの物理的な力によって容易に剥離するという問題点があった。
【0003】
これらの問題を解決するに際し、一般には、接着性を付与する部位を付加させた低表面エネルギー物質を利用することになる。しかしながら、この接着性を付与する部位は一般に高表面エネルギーであることが多く、その結果、このコーティング薄膜が高い撥水性を発揮しにくくなることがほとんどであり、また一部の高い撥水性と高い接着性を兼ね備えたコーティング組成物も、その塗工に極めて高い技術を必要とするため、汎用性に欠けるものが多かった。
【0004】
一方、複数種のモノマーからなる共重合体高分子化合物によるコーティング薄膜は、その表面エネルギー差などの理由から、特異的な配向を示すことが一般に知られている。この性質を利用して、空気面(表面)側に配向しやすい撥水部位と、基板と反応することで基板側に配向しやすいアンカー部位、どちらにも配向しないがそれらが密な架橋構造を形成する架橋部位を有する共重合体を含むコーティング液を、その配向現象が生じやすい条件でコーティングすることによって、高い撥水性と高い接着性を兼ね備えたコーティング薄膜を簡便に成膜することも可能である(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、その手法に従っても、実用に耐える耐久性を兼ね備えたコーティング薄膜が得られないことがあった。
【0005】
摺動に関する耐久性に限定すると、その耐久性は分子の構造のみで簡易的には決まらず、物質の硬さ、基材の硬さ、界面での接着性、膜厚、摺動によって生じる負荷によって複雑な関係で決まっている。このような背景から、目的にあった耐久性を有する撥水性コーティング薄膜を安易に得ることは極めて困難であった。
【0006】
【特許文献1】
WO02/074878号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもと、物質の硬さや界面での接着性、その塗工方法、薄膜の膜厚などを綿密に調整し、また目的の摺動負荷に併せて薄膜の構造を設計することによって、優れた撥水性と高い摺動耐久性を兼ね備えたコーティング薄膜を簡易に得ることができるコーティング組成物、それを用いて形成された上記特性を有するコーティング薄膜および基材表面に該コーティング薄膜を設けてなる複合材料を提供することを目的とするものである。
【0008】
【発明が解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために研究を重ねた結果、
(1)撥水性を発揮する低表面エネルギー物質の共重合割合が低い場合は、得られるコーティング薄膜の表面撥水性が乏しく、逆に共重合割合が高い場合は、得られるコーティング薄膜の硬さが低下し、耐久性を損なうこと、
(2)基板との接着性を発揮するアンカー物質の共重合割合が低い場合は、得られるコーティング薄膜の基板との密着性が低下し耐久性を損なう一方、逆に共重合割合が高い場合は、得られるコーティング薄膜の硬さが低下し、やはり耐久性を損なうこと、
(3)共重合体高分子間を架橋する架橋部位の共重合割合が高くなるほど、得られるコーティング薄膜の硬さが向上し、耐久性も向上させうること、
(4)共重合体高分子の重量平均分子量が、共重合体高分子間を架橋する架橋部位の共重合割合によって決まる特定の範囲にある場合に、得られるコーティング薄膜の硬さが向上し、耐久性も向上させうること、
(5)共重合体高分子の組成を特定化することにより、金属、金属酸化物または水酸基を有する有機化合物からなる表面層を有する基材に対し、硬さや耐久性が向上したコーティング薄膜を形成しうること、
(6)コーティング薄膜の膜厚を、表面で摺動する物質から受ける面に垂直方向に働く圧力によって規定することにより、得られるコーティング薄膜の硬さが向上し、耐久性も向上させうること、
を見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1)(X)(a)一般式(I)
【化4】
Figure 2004250505
【0010】
(式中、Rは水素原子またはメチル基、Aは直接結合又は炭素数1〜4のアルキレン基、aは1〜20の整数、bは0または1を示す。)
で表される(メタ)アクリル酸エステル0.8〜22モル%、
(b)一般式(II)
【化5】
Figure 2004250505
【0011】
(式中、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはメチル基、Aは直接結合またはエーテル結合を有していてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示す。)
で表される(メタ)アクリル酸エステル23〜93モル%、
(c)一般式(III)
【化6】
Figure 2004250505
【0012】
(式中、Rは水素原子またはメチル基、Aは炭素数1〜10のアルキレン基、Mは金属アルコキシドを安定に形成する金属原子、Rは炭素数1〜6のアルキル基、mは金属原子Mの価数を示し、ORが複数ある場合には、複数のORはたがいに同一でも異なっていてもよい。)
で表される(メタ)アクリル酸エステル6〜14モル%、および(d)前記(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なエチレン性不飽和化合物0〜70モル%とから得られた共重合体と、(Y)1分子内に、前記(b)成分におけるエポキシ基と反応し得る官能基を少なくとも2つ有し、かつケトン系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤またはこれらの混合溶剤に溶解する化合物を含むと共に、(Z)ケトン系溶剤、エステル系溶剤および芳香族炭化水素系溶剤の中から選ばれる少なくとも1種を30〜98重量%の割合で含むことを特徴とするコーティング組成物、
(2)(X)成分の共重合体を形成する全単量体中の(a)成分の割合が13〜22モル%であり、かつ硬化薄膜表面の水接触角が100°以上である上記(1)項に記載のコーティング組成物、
(3)(X)成分の共重合体が、式(1)
Mw>500,000/[B] …(1)
[ただし、Mwは、ポリメチルメタクリレート換算の重量平均分子量を示し、[B]は、該共重合体を形成する全単量体中の(b)成分の割合(モル%)を示す。]
で規定される重量平均分子量(Mw)を有するものである上記(1)または(2)項に記載のコーティング組成物、
(4)(X)成分1〜20重量%、(Y)成分1〜40重量%および(Z)成分40〜98重量%を含む上記(1)、(2)または(3)項に記載のコーティング組成物、
(5)コーティング対象物が、金属、金属酸化物、水酸基を有する有機化合物またはそれらが被覆されてなる構造体である上記(1)ないし(4)項のいずれか1項に記載のコーティング組成物、
(6)上記(1)ないし(5)項のいずれか1項に記載のコーティング組成物を用いて形成されてなるコーティング薄膜、
(7)表面で摺動する物体から受ける、膜面に対して垂直方向に働く圧力が9.8×P(mN/cm)である場合、膜厚d(nm)が、式(2)
d≧0.5×P …(2)
の関係を満たす上記(6)項に記載のコーティング薄膜、
(8)基材と、その表面に形成された上記(6)または(7)項に記載のコーティング薄膜を有することを特徴とする複合材料、および
(9)基材が、金属、金属酸化物または水酸基を有する有機化合物からなる表面層を少なくとも有するものである上記(8)項に記載の複合材料、
を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のコーティング組成物において、(X)成分として用いられる共重合体は、以下に示す(a)成分単量体、(b)成分単量体および(c)成分単量体を必須成分として用い、さらに所望成分として、(d)成分単量体を用いて共重合させて得られたものである。
【0014】
前記(a)成分単量体としては、一般式(I)
【化7】
Figure 2004250505
【0015】
で表される(メタ)アクリル酸エステルが用いられる。なお、本発明において、(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリレート]とは、アクリル酸エステル(アクリレート)またはメタクリル酸エステル(メタクリレート)を指す。
前記一般式(I)において、Rは水素原子またはメチル基、Aは直接結合または炭素数1〜4のアルキレン基を示す。ここで、炭素数1〜4のアルキレン基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、その例としては、メチレン基、エチレン基、メチルエチレン基、トリメチレン基、各種ブチレン基などが挙げられるが、これらの中でエチレン基、トリメチレン基が好ましく、特にエチレン基が好ましい。
aは1〜20の整数、bは0または1を示す。aが20より大きいと溶解性が悪くなる上、経済性の面でも不利となる。aは好ましくは3〜20の整数であり、特に7〜20の整数が好適である。
【0016】
本発明においては、この(a)成分単量体は1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、単量体全量に基づき、0.8〜22モル%の範囲で選定される。この量が22モル%を超えると得られるコーティング薄膜は軟らかくなって、耐久性に劣るものとなり、一方、0.8モル%未満では該コーティング薄膜は撥水性が十分に発揮されない。特に水接触角が100°以上の高い撥水性を必要とする場合は、この(a)成分の使用量は13〜22モル%の範囲が好ましい。
【0017】
また、(b)成分単量体としては、一般式(II)
【化8】
Figure 2004250505
で表される(メタ)アクリル酸エステルが用いられる。
【0018】
前記一般式(II)において、RおよびRは、それぞれ水素原子またはメチル基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、Aは直接結合またはエーテル結合を有していてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示す。
【0019】
ここで、Aのうちの炭素数1〜10のアルキレン基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、その例としては、メチレン基、エチレン基、メチルエチレン基、トリメチレン基、各種ブチレン基、各種ペンチレン基、各種ヘキシレン基などが挙げられる。これらのアルキレン基はエーテル結合を有していてもよい。また、Rのうちの炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基などが挙げられる。
【0020】
前記一般式(II)で表される化合物としては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、3−グリシドキシプロピル(メタ)アクリレートなどを、好ましく挙げることができる。
本発明においては、この(b)成分単量体は1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、単量体全量に基づき、23〜93モル%の範囲で選ばれる。この量が23モル%未満では得られるコーティング薄膜は軟らかくて耐久性に劣る。また、93モル%を超えると後述の(c)成分単量体の使用量を少なくせねばならず、本発明の目的が達せられない。
【0021】
次に、(c)成分単量体としては、一般式(III)
【化9】
Figure 2004250505
で表される(メタ)アクリル酸エステルが用いられる。
前記一般式(III)において、Rは水素原子またはメチル基、Aは炭素数1〜10のアルキレン基、Mは金属アルコキシドを安定に形成する金属原子、Rは炭素数1〜6のアルキル基、mは金属原子Mの価数を示し、ORが複数ある場合には、複数のORはたがいに同一でも異なっていてもよい。
【0022】
ここで、Aで示される炭素数1〜10のアルキレン基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、その例としては、メチレン基、エチレン基、メチルエチレン基、トリメチレン基、各種ブチレン基、各種ペンチレン基、各種ヘキシレン基などが挙げられる。また、Mで示される金属アルコキシドを安定に形成する金属原子としては、例えばケイ素、チタン、ジルコニウム、アルミニウムなどが挙げられる。Rで示される炭素数1〜6のアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基などが挙げられる。
【0023】
一般式(III)における−M(ORm−1で表される基としては、例えばトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリ−n−プロポキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリ−n−ブトキシシリル基、トリイソブトキシシリル基、トリ−sec−ブトキシシリル基、トリ−tert−ブトキシシリル基、トリメトキシチタニウム基、トリエトキシチタニウム基、トリ−n−プロポキシチタニウム基、トリイソプロポキシチタニウム基、トリ−n−ブトキシチタニウム基、トリイソブトキシチタニウム基、トリ−sec−ブトキシチタニウム基、トリ−tert−ブトキシチタニウム基、トリメトキシジルコニウム基、トリエトキシジルコニウム基、トリ−n−プロポキシジルコニウム基、トリイソプロポキシジルコニウム基、トリ−n−ブトキシジルコニウム基、トリイソブトキシジルコニウム基、トリ−sec−ブトキシジルコニウム基、トリ−tert−ブトキシジルコニウム基、ジメトキシアルミニウム基、ジエトキシアルミニウム基、ジ−n−プロポキシアルミニウム基、ジイソプロポキシアルミニウム基、ジ−n−ブトキシアルミニウム基、ジイソブトキシアルミニウム基、ジ−sec−ブトキシアルミニウム基、ジ−tert−ブトキシアルミニウム基などが挙げられる。
【0024】
前記一般式(III)において、金属原子Mとしては、ケイ素原子が好ましく、このケイ素原子を有する一般式(III)で表される(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば2−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
【0025】
本発明においては、この(c)成分単量体は1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、単量体全量に基づき、6〜14モル%の範囲で選ばれる。この量が6モル%未満では基材との接着性が低下し、耐久性が不十分となり。一方14モル%を超えると得られるコーティング薄膜は、軟らかく耐久性の劣るものになる。
【0026】
さらに、所望により、(d)成分単量体として、前記(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なエチレン性不飽和化合物を用いることができる。このエチレン性不飽和化合物としては特に制限はなく、例えば一般式(IV)
【化10】
Figure 2004250505
【0027】
で表される(メタ)アクリル酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、ビニリデンクロリドなどのハロゲン化オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル系単量体;N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N―ジメチルメタクリルアミドなどのN,N−ジアルキル置換アクリルアミド類等が挙げられる。
【0028】
前記一般式(IV)において、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭化水素基を示す。ここで、Rで示される炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基を好ましく挙げることができる。炭素数1〜10のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、および各種のブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。炭素数3〜10のシクロアルキル基の例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基などが、炭素数6〜10のアリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、メチルナフチル基などが、炭素数7〜10のアラルキル基の例としては、ベンジル基、メチルベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。
【0029】
前記一般式(IV)で表される(メタ)アクリル酸エステルの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0030】
本発明においては、この(d)成分単量体は1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、単量体全量に基づき、0〜70モル%の範囲で適宜選定することができる。
この(d)成分単量体のエチレン性不飽和化合物は、特に要求がない場合は共重合させる必要はないが、例えばメタクリル酸メチルを共重合させることで、(a)成分単量体の(メタ)アクリル酸エステルや(c)成分単量体の(メタ)アクリル酸エステルの共重合比を調整しても構わない。
【0031】
本発明のコーティング組成物における前記(X)成分の共重合体は、前述の(a)成分単量体、(b)成分単量体、(c)成分単量体および必要に応じて用いられる(d)成分単量体を、それぞれ所定の割合で用い、ラジカル重合開始剤を使用する従来公知の方法でラジカル共重合させることにより、製造することができる。
【0032】
一方、本発明のコーティング組成物における(Y)成分としては、1分子内に、前記(b)成分におけるエポキシ基と反応し得る官能基を少なくとも2つ有し、かつ後述の(Z)成分であるケトン系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤またはこれらの混合溶剤に溶解する化合物(以下、エポキシ基用架橋剤と称す。)が用いられる。
【0033】
この(Y)成分のエポキシ基用架橋剤としては、従来エポキシ樹脂用硬化剤として知られている公知の架橋剤の中から、上記溶剤に溶解し得るものを適宜選択して用いる。このような架橋剤としては、各種アミン類や酸無水物を用いることができるが、本発明においては、前記の溶剤に対して溶解性がよく、かつ常温硬化型でもある、1分子中に少なくとも2個の一級若しくは二級アミノ基を有する脂肪族・脂環式ポリアミンおよびポリアミド・アミンが特に好適である。
【0034】
上記脂肪族・脂環式ポリアミンとしては、例えばエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、1,3,6−トリス(アミノメチル)ヘキサン、N−ベンジルエチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジエチレングリコール・ビスプロピレンジアミン、ポリプロピレングリコールの両末端水酸基をアミノ基に変換したジアミン、メンタンジアミン、イソホロンジアミンなどが挙げられる。また、ポリアミド・アミンとしては、各種市販品のものを用いることができる。これらのアミン類は1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0035】
この(Y)成分であるエポキシ基用架橋剤の使用量は、(X)成分の共重合体中の前記(b)成分単量体由来の構成単位に含まれるエポキシ基に対し、通常1〜40倍当量、好ましくは1〜20倍当量の範囲で選定される。
本発明のコーティング組成物においては、所望により、架橋促進剤として、従来エポキシ樹脂の硬化促進剤として知られている公知の化合物、例えば第三級アミン類、イミダゾール類、有機金属化合物、第四級アンモニウム化合物、有機リン系化合物、ホウ素系化合物、金属ハロゲン化物などの中から、適宜1種以上選び含有させることができる。
【0036】
本発明のコーティング組成物において、(Z)成分として用いられる溶剤としては、ケトン系溶剤、エステル系溶剤および芳香族炭化水素系溶剤の中から選ばれる少なくとも一種が用いられる。ここで、ケトン系溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどが挙げられ、エステル系溶剤としては、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、酪酸メチル、酪酸エチルなどが挙げられ、芳香族炭化水素系溶剤としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、プソイドキュメンなどが挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0037】
本発明のコーティング組成物においては、前述の(X)成分の共重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定されるポリメチルメタクリレート換算の重量平均分子量Mwが、式(1)
Mw>500,000/[B] …(1)
(ただし、[B]は、該共重合体を形成する全単量体中の(b)成分の割合(モル%)を示す。)
を満たすことが好ましい。
【0038】
重量平均分子量の小さな共重合体からなるコーティング薄膜は、分子間の架橋密度が十分でなくなるおそれがあり、薄膜の耐久性を著しく低下させる可能性がある。このような重量平均分子量の下限値は、共重合体高分子間を架橋する架橋部位((b)成分単量体由来の構成単位)の共重合割合[B]によって変化するが、種々検討の結果、上記(式1)を満たす重量平均分子量を有した共重合体を含むコーティング薄膜であれば、実用上満足する耐久性を有することが明らかになった。
【0039】
なお、該共重合体に含まれるアンカー機能を果たす部位((c)成分単量体由来の構成単位)は、主に基材の水酸基と化学結合性を示す部位であり、基材の化学的性質を著しく制限する。アンカー機能が十分に期待できる基材の種類としては、金属、金属酸化物、OHを含む有機化合物が好ましく挙げられる。ただし、基材の全てがこれらの素材によって形成されている必要はなく、コーティングを所望する面の少なくとも表面層がこのような素材からなるものであればよい。したがって例えば、汎用な高分子化合物に、金属、金属酸化物、OH基を含む有機化合物、あるいはその混合物による被膜を予め施しておくことによって、それらの素材に対してこの撥水性コーティング膜を成膜することができ、高い耐久性が期待できる。
【0040】
薄膜の耐久性は、その膜厚によっても大きく左右され、研究の結果、その耐久性は膜厚に比例することが明らかになった。より詳細に説明すると、摺動耐久性は、その表面の撥水性を十分維持し得る耐久時間で評価しているが、この耐久時間は、摺動する物体から受ける、面に垂直方向に働く圧力9.8×P(mN/cm)によっても大きく変化する。種々検討の結果、同じ摺動耐久時間を達成するために必要な膜厚(nm)は、面に垂直方向に働く圧力9.8×P(mN/cm)とほぼ比例関係にあることが明らかになっている。したがって、コーティング薄膜の膜厚は、目的となる摺動負荷の大きさによって調整することが好ましく、簡易的には、以下の式(2)を満たす膜厚d(nm)を有するコーティング薄膜であることが好ましい。なお式(2)は2cm×2cmの帆布を用いて摺動試験を行った場合の関係式である。
【0041】
d(nm)≧0.5×P …(2)
本発明のコーティング組成物は、前述の(X)成分の共重合体および(Y)成分のエポキシ基用架橋剤を、(Z)成分の溶剤に溶解させることにより、調製することができる。この際、(X)成分の共重合体および(Y)成分のエポキシ基用架橋剤の濃度は、組成物における(Z)成分の溶剤の含有量が30〜98重量%の範囲内で、目的の膜厚や、その塗工方法に併わせて、適宜調整される。通常、(X)成分の共重合体濃度は1〜20重量%の範囲で選定され、(Y)成分のエポキシ基用架橋剤の濃度は1〜40重量%の範囲で選定される。(Z)成分の溶剤の含有量が30重量%未満では塗工性が悪い上、コーティング薄膜の膜厚が厚くなりすぎて透明性が低下しやすい。一方、溶剤の含有量が98重量%を超えるとコーティング薄膜の膜厚が薄くなりすぎて耐久性が低下する。この溶剤の好ましい含有量は40〜98重量%の範囲で選定される。
【0042】
ところで、本発明者らの研究によると、コーティング薄膜の摺動耐久性を行った際、摺動に伴う表面の濡れ性の低下は3つのモードで起こることが確認されている。すなわち初期に見られる接触角の急激な低下を“初期劣化”、中期に見られる接触角の緩やかな低下を“摩耗”、末期に見られる接触角の急激な低下を“剥離”とする。ここで摩耗モードから剥離モードに変化する回数を、この薄膜の耐久限界、あるいは寿命であると評価した。摺動回数と表面水接触角の変化の様子の一例を図1に示す。
【0043】
この耐久限界は、(b)成分単量体の割合と分子量で決まることが多い。例えば(b)成分単量体にグリシジルメタクリレート(以下GMAと称す)を用いた場合の、GMA共重合比、重量平均分子量と摺動1000回時の表面水接触角の低下率の関係を図2に示す。
この結果から、摺動耐久性が高い薄膜は、(X)成分の共重合体の重量平均分子量が、50万/GMA共重合比の値を超える領域が好ましく、さらに好ましくは100万/GMA共重合比以上、最も好ましくは150万/GMA共重合比以上であることが分かる。
【0044】
また摺動試験で負荷する負荷加重によっても耐久性は変化する。一例を図3に示す。負荷加重と耐久性の関係は連続的に変化するわけではなく、ある閾値を持って、その耐久性が劇的に変化することがわかる。この閾値は薄膜の膜厚によっても変化し、この閾値Pと薄膜の膜厚d(nm)の関係は、d≧0.5×Pであることが示唆されている。
したがって、特に優れた摺動耐久性を求める場合は、(X)成分の共重合体の重量平均分子量(Mw)や薄膜の膜厚にも配慮する必要があり、該共重合体の重量平均分子量が50万/GMA共重合比の値よりも高く、好ましくは100万/GMA共重合比以上、さらに好ましくは150万/GMA共重合比以上になるものを選定し、かつ成膜した薄膜の膜厚d(nm)を、d≧0.5×P[ただし、負荷荷重が9.8×P(mN/cm)である。]になるように設計した薄膜がさらに好ましい。
【0045】
本発明のコーティング組成物においては、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じ、各種添加剤、例えばシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニアなどの金属酸化物の超微粒子、他の樹脂、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤などを適宜含有させることができる。
本発明はまた、前述の本発明のコーティング組成物を用いて形成されてなるコーティング薄膜、および基材と、その表面に形成された上記コーティング薄膜を有する複合材料をも提供する。
【0046】
基材表面に、本発明のコーティング組成物を塗布する方法としては特に制限はなく、状況に応じて、従来公知の方法、例えばスピンコーティング法、ディップコーティング法、フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、バーコーター法、刷毛塗り、スポンジ塗りなどの中から適宜選択することができる。
このようにして、基材表面に形成された塗膜は、通常10〜150℃程度の温度にて硬化させることにより、コーティング薄膜となる。また基材としては、前述のように、金属、金属酸化物または水酸基を有する有機化合物からなる表面層を少なくとも有するものが好適である。
【0047】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、コーティング薄膜の物性は、以下に示す方法に従って測定した。
(1)透明性
JIS K 7105に準じて、薄膜が設けられた基板のヘイズ値を測定した。3.0%未満のヘイズ値を有するものが、良好な透明性を有する。
(2)表面水接触角
薄膜が設けられた基板上に約1μLの水滴をのせ、接触角計(協和界面科学社製「CA−X150型」)を用いて水接触角を測定した。
(3)寿命
摺動試験器(トーヨー精機社製)を用い、2cm×2cmの帆布に負荷荷重が9.8×100(mN/cm)になるように調整し、摺動試験を行い、図1に示すような摺動回数と表面水接触角との関係を示すグラフを作成し、このグラフから薄膜の耐久限界の摺動回数を求めた。この耐久限界が摺動回数100以上の場合を○、摺動回数10以上100未満の場合を△、摺動回数10未満の場合を×とした。
(4)膜厚
走査型レーザー顕微鏡(オリンパス社製「OLS1110」)を用い、摺動試験によって剥離した界面の段差を測定し、その最大値を薄膜の膜厚とした。
【0048】
実施例1
▲1▼ 共重合体(X)の製造
メチルメタクリレート(和光純薬工業社製)25g、グリシジルメタクリレート(和光純薬工業社製)71g、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製)25g、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート(ダイキン工業社製)80gを混合した溶液を調製し、その溶液30mLとメチルイソブチルケトン70mLを混合して重合液とする。この溶液を56℃に加熱し、その後に2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製)0.6gを加えて、2時間反応させた。得られた反応溶液をメタノール900mLに加えて沈殿物を回収し、減圧乾燥して共重合体(X)を得た。
▲2▼ 塗工液の調製
共重合体(X)3g、ポリオキシプロピレンジアミン6gをメチルエチルケトン91gに溶解させ、これを塗工液とした。
▲3▼ 薄膜の作成
良く洗浄したガラス基板上に、上記塗工液をスピンコート法にて1500rpm、15秒間の条件で塗布成膜し、室温で5分間乾燥させた後、120℃で84時間エージングを行い、薄膜を形成させた。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0049】
実施例2
共重合体の重合において、メチルメタクリレート20g、グリシジルメタクリレート71g、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン25g、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート106.5gを混合した溶液を調製し、その溶液30mLとメチルイソブチルケトン70mLを混合して重合液としたこと以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0050】
実施例3
共重合体の重合において、メチルメタクリレート30g、グリシジルメタクリレート71g、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン25g、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート53gを混合した溶液を調製し、その溶液30mLとメチルイソブチルケトン70mLを混合して重合液としたこと以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0051】
実施例4
共重合体の重合において、メチルメタクリレート35g、グリシジルメタクリレート71g、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン25g、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート26.5gを混合した溶液を調製し、その溶液30mLとメチルイソブチルケトン70mLを混合して重合液としたこと以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0052】
実施例5
共重合体の重合において、メチルメタクリレート39g、グリシジルメタクリレート71g、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン25g、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート5.3gを混合した溶液を調製し、その溶液30mLとメチルイソブチルケトン70mLを混合して重合液としたこと以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0053】
実施例6
共重合体の重合において、メチルメタクリレート28g、グリシジルメタクリレート71g、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン17.5g、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート80gを混合した溶液を調製し、その溶液30mLとメチルイソブチルケトン70mLを混合して重合液としたこと以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0054】
実施例7
共重合体の重合において、メチルメタクリレート22g、グリシジルメタクリレート71g、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン32g、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート80gを混合した溶液を調製し、その溶液30mLとメチルイソブチルケトン70mLを混合して重合液としたこと以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0055】
実施例8
共重合体の重合において、メチルメタクリレート50g、グリシジルメタクリレート35.5g、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン25g、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート80gを混合した溶液を調製し、その溶液30mLとメチルイソブチルケトン70mLを混合して重合液としたこと以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0056】
実施例9
共重合体の重合において、グリシジルメタクリレート106.5g、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン25g、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート80gを混合した溶液を調製し、その溶液30mLとメチルイソブチルケトン70mLを混合して重合液としたこと以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0057】
実施例10
共重合体の重合において、グリシジルメタクリレート130.5g、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン17.3g、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート5.3gを混合した溶液を調製し、その溶液30mLとメチルイソブチルケトン70mLを混合して重合液としたこと以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0058】
実施例11
塗工液の調製において、ポリオキシプロピレンジアミン6gに代わりに、無水マレイン酸(和光純薬工業社製)6gを用いたこと以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0059】
実施例12
塗工液の調製において、メチルエチルケトン91gに代わりに、酢酸エチル91gを用いたこと以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0060】
実施例13
塗工液の調製において、メチルエチルケトン91gに代わりに、トルエン91gを用いたこと以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0061】
実施例14
共重合体の重合において、メチルメタクリレート25g、グリシジルメタクリレート71g、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン25g、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート80gを混合した溶液を調製し、その溶液7mLとメチルイソブチルケトン93mLを混合して重合液としたこと以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0062】
実施例15
共重合体の重合において、メチルメタクリレート50g、グリシジルメタクリレート71g、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン32g、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート80gを混合した溶液を調製し、その溶液13mLとメチルイソブチルケトン87mLを混合して重合液としたこと以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0063】
実施例16
塗工液の調製において、共重合体(X)1g、ポリオキシプロピレンジアミン2gをメチルエチルケトン97gに溶解させたものを塗工液とした以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0064】
実施例17
塗工液の調製において、共重合体(X)20g、ポリオキシプロピレンジアミン40gをメチルエチルケトン40gに溶解させたものを塗工液とした以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0065】
実施例18
薄膜の成膜を、ガラス基板の代わりにアルミニウム板を用いたこと以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0066】
実施例19
薄膜の成膜を、ガラス基板の代わりにコロナ放電処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いたこと以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0067】
比較例1
共重合体の重合において、メチルメタクリレート15g、グリシジルメタクリレート71g、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン25g、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート133gを混合した溶液を調製し、その溶液30mLとメチルイソブチルケトン70mLを混合して重合液としたこと以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0068】
比較例2
共重合体の重合において、メチルメタクリレート30g、グリシジルメタクリレート(和光純薬興業)71g、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン12.5g、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート80gを混合した溶液を調製し、その溶液30mLとメチルイソブチルケトン70mLを混合して重合液としたこと以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0069】
比較例3
共重合体の重合において、メチルメタクリレート20g、グリシジルメタクリレート71g、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン37g、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート80gを混合した溶液を調製し、その溶液30mLとメチルイソブチルケトン70mLを混合して重合液としたこと以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0070】
比較例4
共重合体の重合において、メチルメタクリレート55g、グリシジルメタクリレート28.5g、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン25g、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート80gを混合した溶液を調製し、その溶液30mLとメチルイソブチルケトン70mLを混合して重合液としたこと以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0071】
比較例5
塗工液の調製において、共重合体(X)0.4g、ポリオキシプロピレンジアミン0.8gをメチルエチルケトン98.8gに溶解させたものを塗工液とした以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0072】
比較例6
塗工液の調製において、共重合体(X)25g、ポリオキシプロピレンジアミン50gをメチルエチルケトン25gに溶解させたものを塗工液とした以外は、実施例1に同じ方法で薄膜を作製した。
共重合体(X)の組成とMwを表1に、塗工液の組成および薄膜の物性を表2に示す。
【0073】
【表1】
Figure 2004250505
【0074】
(注)
(d)化合物:M=メチルメタクリレート
(Y)化合物:A=ポリオキシプロピレンジアミン、MA=無水マレイン酸
溶媒:K=メチルエチルケトン、E=酢酸エチル、V=トルエン
【0075】
【表2】
Figure 2004250505
【0076】
(注)
基板:G=ガラス板、A=アルミニウム板、cP=コロナ放電処理したPET
表2から分かるように、実施例5および実施例10を除いて、他の実施例は、いずれも水接触角が100°を超え、優れた撥水性を有している。また、実施例1〜19はいずれもヘイズ値が3%未満で透明性に優れ、かつ寿命にも優れている。
【0077】
なお、実施例1において、単量体混合液を3mL、メチルイソブチルケトン97mLを用いた以外は、同様な方法で薄膜を作製したところ、得られた共重合体のMwが10×10と小さく、その結果、寿命は△であった。
また、実施例1において、ガラス基板の代わりにPET板を用い、薄膜を作製したところ、寿命は×であった。
さらに、実施例8において、単量体混合液を6mL、メチルイソブチルケトン94mLを用いた以外は、同様な方法で薄膜を作製したところ、得られた共重合体のMwが19×10と小さく、その結果、寿命は△であった。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、優れた撥水機能と高い摺動耐久性を兼ね備えたコーティング薄膜を与えるコーティング組成物、それを用いて形成された前記特性を有するコーティング薄膜および基材表面に該コーティング薄膜を設けてなる複合材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】摺動回数と表面水接触角の変化の様子の一例を示すグラフである。
【図2】GMA共重合比、重量平均分子量と摺動1000回時の表面水接触角の低下率との関係の一例を示すグラフである。
【図3】摺動試験における負荷荷重と耐久限界との関係の一例を示すグラフである。

Claims (9)

  1. (X)(a)一般式(I)
    Figure 2004250505
    (式中、Rは水素原子またはメチル基、Aは直接結合又は炭素数1〜4のアルキレン基、aは1〜20の整数、bは0または1を示す。)
    で表される(メタ)アクリル酸エステル0.8〜22モル%、
    (b)一般式(II)
    Figure 2004250505
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはメチル基、Aは直接結合またはエーテル結合を有していてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示す。)
    で表される(メタ)アクリル酸エステル23〜93モル%、
    (c)一般式(III)
    Figure 2004250505
    (式中、Rは水素原子またはメチル基、Aは炭素数1〜10のアルキレン基、Mは金属アルコキシドを安定に形成する金属原子、Rは炭素数1〜6のアルキル基、mは金属原子Mの価数を示し、ORが複数ある場合には、複数のORはたがいに同一でも異なっていてもよい。)
    で表される(メタ)アクリル酸エステル6〜14モル%、および(d)前記(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なエチレン性不飽和化合物0〜70モル%とから得られた共重合体と、(Y)1分子内に、前記(b)成分におけるエポキシ基と反応し得る官能基を少なくとも2つ有し、かつケトン系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤またはこれらの混合溶剤に溶解する化合物を含むと共に、(Z)ケトン系溶剤、エステル系溶剤および芳香族炭化水素系溶剤の中から選ばれる少なくとも1種を30〜98重量%の割合で含むことを特徴とするコーティング組成物。
  2. (X)成分の共重合体を形成する全単量体中の(a)成分の割合が13〜22モル%であり、かつ硬化薄膜表面の水接触角が100°以上である請求項1に記載のコーティング組成物。
  3. (X)成分の共重合体が、式(1)
    Mw>500,000/[B] …(1)
    [ただし、Mwは、ポリメチルメタクリレート換算の重量平均分子量を示し、[B]は、該共重合体を形成する全単量体中の(b)成分の割合(モル%)を示す。]
    で規定される重量平均分子量(Mw)を有するものである請求項1または2に記載のコーティング組成物。
  4. (X)成分1〜20重量%、(Y)成分1〜40重量%および(Z)成分40〜98重量%を含む請求項1、2または3に記載のコーティング組成物。
  5. コーティング対象物が、金属、金属酸化物、水酸基を有する有機化合物またはそれらが被覆されてなる構造体である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のコーティング組成物。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のコーティング組成物を用いて形成されてなるコーティング薄膜。
  7. 表面で摺動する物体から受ける、膜面に対して垂直方向に働く圧力が9.8×P(mN/cm)である場合、膜厚d(nm)が、式(2)
    d≧0.5×P …(2)
    の関係を満たす請求項6に記載のコーティング薄膜。
  8. 基材と、その表面に形成された請求項6または7に記載のコーティング薄膜を有することを特徴とする複合材料。
  9. 基材が、金属、金属酸化物または水酸基を有する有機化合物からなる表面層を少なくとも有するものである請求項8に記載の複合材料。
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