JP2004250140A - コーン型ボビン供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のコーン型ボビンを嵌め込むようにして積層したボビン集合体から一本のコーン型ボビンを分離する際に、簡単に分離できると共に、分離したコーン型ボビンを確実に搬送することが可能なコーン型ボビン供給装置を提供することである。
【解決手段】複数のコーン型ボビンを嵌め込むようにして積層したボビン集合体から一本のコーン型ボビンを分離して糸巻取装置に供給するコーン型ボビン供給装置であって、積層されるコーン型ボビンの小径頭部側の孔径より僅かに小さい径の先端丸棒部と分離された前記ボビンの小径頭部を受ける受け台とを備える引き離し部材の先端丸棒部を、コーン型ボビンの小径頭部側から、前記受け台と接しない程度に挿入すると共に、前記先端丸棒部に設けた複数の空気噴射孔から圧縮空気を噴射する構成とした。
【選択図】 図1
【解決手段】複数のコーン型ボビンを嵌め込むようにして積層したボビン集合体から一本のコーン型ボビンを分離して糸巻取装置に供給するコーン型ボビン供給装置であって、積層されるコーン型ボビンの小径頭部側の孔径より僅かに小さい径の先端丸棒部と分離された前記ボビンの小径頭部を受ける受け台とを備える引き離し部材の先端丸棒部を、コーン型ボビンの小径頭部側から、前記受け台と接しない程度に挿入すると共に、前記先端丸棒部に設けた複数の空気噴射孔から圧縮空気を噴射する構成とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、糸巻取装置にコーン型ボビンを自動的に供給するコーン型ボビン供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、糸条の巻取ボビンとしてコーン型(円錐台型)のボビンが一般的に採用されている。また、前記コーン型ボビンは巻取装置のボビン保持部に装着するためと、軽量化のために中空状であり、一般的に厚紙を円錐筒状に巻いたものが使用されている場合が多い。
【0003】
またコーン形状の強度保持のために、小径頭部側の端部を内側に曲げ込んで二重構造とした頭部を形成している。そのために、このコーン型ボビンを複数積層した集合体は、小径頭部の反対側の大径孔部から他のボビンの小径頭部を嵌め込んだ形状の集合である。
【0004】
この集合体からボビン一本を分離する際には、最上(最端部)のボビンの外側を把持して捻るようにして引き離すか、または、最上のボビンの小径頭部側孔部に指を突っ込んで、前記二重構造の頭部を引っ張るようにして引き離し分離していた。
【0005】
また、機械式にボビン集合体から一本のボビンを引き離して分離する自動装置も公開されている。(例えば、特許文献1参照)
【0006】
【特許文献1】
特開昭61−186535号公報(第1−13頁、第6B図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、円錐台状のコーン型ボビンを積層した状態から引き離すには多大の力を必要とする。そのために、手作業にてボビンを分離することは作業効率上好ましくない。
【0008】
また、機械式に分離を行う特許文献1に記載の装置では、指部材を積層されているボビン端部の段に当てて押出すことで一本のボビンを分離する構成であるので、前記指部材が当接して擦れる部分が傷付いたり、ボビンが変形する問題がある。特に、高速度でボビン分離作業を行う際には、前記ボビンの傷付きや変形の可能性が顕著になるおそれがある。
【0009】
本発明の目的は、複数のコーン型ボビンを嵌め込むようにして積層したボビン集合体から一本のコーン型ボビンを分離する際に、簡単に分離できると共に、コーン型ボビンの表面形状への影響を小さくすることが可能なコーン型ボビン供給装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1に係る発明は、複数のコーン型ボビンが嵌め込まれて積層されたボビン集合体から一本のコーン型ボビンを分離して糸巻取装置に供給するコーン型ボビン供給装置であって、前記ボビン集合体の任意のボビンを把持すると共に、該把持された任意のボビンと該任意のボビンに接合する別のボビンとの間の、両ボビン内外周面により形成される空隙部に圧縮空気を噴射して、前記別のボビンを分離する引き離し部材を備えていることを特徴としている。
【0011】
上記の構成を有する請求項1に係る発明によれば、ボビン表面形状への影響を最小限にして、コーン型ボビン集合体から所定のコーン型ボビンを分離することができる。
【0012】
請求項2に係る発明は、前記引き離し部材が、積層されるコーン型ボビンの小径頭部側の孔径より僅かに小さい径の先端丸棒部と分離された前記ボビンの小径頭部を受ける受け台とを備えており、前記先端丸棒部が、前記別のボビンの小径頭部側から少なくとも任意のコーン型ボビンの小径頭部側を貫通するまで挿入可能な長さを有していると共に、丸棒部の円周上に径方向の外方に向けて空気噴射孔を備えていることを特徴としている。
【0013】
上記の構成を有する請求項2に係る発明によれば、前記引き離し部材をコーン型ボビンの積層部に差し込んで丸棒部を貫通させることにより、前記空隙部が略密閉状態になるため、ここで圧縮空気を噴射すると、該圧縮空気が任意のボビンと別のボビンとの間に充満するため、前記圧縮空気を損失なくコーンの分離動作に使用することができる。
【0014】
請求項3に係る発明は、前記引き離し部材が、分離したコーン型ボビンを保持した状態から、前記丸棒部と小径頭部とを離間させ、分離したコーン型ボビンを引き離し部材から外すための第2の引き離し部材を備えることを特徴としている。
【0015】
上記の構成を有する請求項3に係る発明によれば、圧縮空気を噴射して分離されたコーン型ボビンを、前記引き離し部材が支持して案内することで、確実に巻取装置に供給することができる。
【0016】
請求項4に係る発明は、前記引き離し部材が、分離されたコーン型ボビンを検出する検知手段を備え、圧縮空気を噴射後に前記ボビンを検出しない時には、再度圧縮空気を噴射する空気噴射制御部を設けたことを特徴としている。
【0017】
上記の構成を有する請求項4に係る発明によれば、1回の圧縮空気の噴射によりコーン型ボビンを分離できなかった場合には、再度圧縮空気を噴射することになり、作業者のメンテナンスの手間を省き、確実に巻取装置に供給することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るコーン型ボビン供給装置の実施の形態について、図1から図5に基づいて説明する。
【0019】
図1は本発明に係るコーン型ボビン引き離し部の一実施例を示す側面図である。図2はコーン型ボビンの引き離し工程順を示す概略説明図である。図3は本発明に係るコーン型ボビン供給装置の全体説明図である。図4は分離されたコーン型ボビンの受け渡し部材を示す概略説明図である。図5はコーン型ボビンを嵌め込むようにして積層した状態の概略説明図を示す。
【0020】
図5にコーン型ボビン11と12とを嵌め込んで積層させた状態を示す。ボビン11は小径頭部11Aと大径後部11Bとを備えており、該大径後部11Bにボビン12の小径頭部12Aを差し込むようにして嵌め込んだ状態である。この時に、小径頭部11Aと小径頭部12Aとの間の、ボビン11の内周面とボビン12の外周面とにより空隙部11Cが形成されている。この状態でさらに複数のボビンを積層していって、長尺なボビン集合体10を形成するものである。
【0021】
前記ボビン11と12とは例えば厚紙製のテーパーコーン型であって、外表面のテーパー角度が同一であるので、互いに嵌め込んで積層した状態では、しっかりと接合した状態であり、簡単には分離できない。従来では、人手または機械式のアーム手段で分離する際には、分離しようとするボビン同士をそれぞれ保持して、捻るようにして引き離すことで分離していることが多い。
【0022】
図1により、本発明に係るコーン型ボビンの引き離し部材1について説明する。前記引き離し部材1は先端丸棒部1Aの径が、ボビン11の小径頭部11Aの孔11aより僅かに小さい径であって、該孔11aに進退自在な円柱状部材である。また、その内部にはエアー供給路1Cが配設されており、該エアー供給路1Cから、先端丸棒部1Aの中間部に設けられた1つ又は複数の空気噴射孔1Bを通して、圧縮空気が先端丸棒部1Aの円周上に径方向の外方に向けて噴射される構成である。前記エアー供給路1Cへは、空気継手1Eに接続されたエアー配管1Fを経て供給弁21の切換により図示しない圧縮空気供給源から圧縮空気が供給可能となっている。また、供給弁21の切換制御は引き離し部材制御部20の空気噴射制御部20Bにより行われる。
【0023】
ボビン集合体10は、一方のボビンの大径後部に他方のボビンの小径頭部を嵌め込むようにして、複数のコーン型ボビンを順次積層していって形成した、長尺な筒状の集合体である。そのために、図3にその全体を示すコーン型ボビン供給装置Mは、その長尺なボビン集合体10から、コーン型ボビンを1個ずつ分離して、所定の図示しない糸巻取装置へ供給するよう動作する。
【0024】
つまり、ボビン集合体10の先頭側をボビンの小径頭部側とした場合、先頭の(任意のボビンに接合する別の)ボビン11を2番目の(任意の)ボビン12から分離して図3に示す搬送コンベア6に供給するものである。この時に、ボビン集合体10を支持している先頭(最下段)のボビン11の小径頭部11Aが下向きになって且つストッパー2に当接しているが、該ボビン11の大径後部11Bの上に飛び出ている2番目のボビン12の大径後部12Bをクランプ3が把持した状態で、ボビン集合体10が立設している構成である。
【0025】
この状態で、ストッパー2を旋回移動する。ボビン集合体10はクランプ3により把持されており、各ボビン11、12、13・・・はしっかりと嵌め込まれているので、最下段のボビン11が抜け落ちることはない。その後、引き離し部材1を上昇させて先端丸棒部1Aを、前記ボビン11の小径頭部側の孔に差し入れて、圧縮空気を噴射してボビン11をボビン12、即ちボビン集合体10から分離する。
【0026】
引き離し部材1を上昇させて先端丸棒部1Aを、前記ボビン11の小径頭部11Aの孔11aとボビン12の孔12aとを貫通するように差し入れた状態では、図1に示すように、空気噴射孔1Bが、ボビン11の小径頭部11Aとボビン12の小径頭部12Aとの間の空隙部11Cに位置する状態であり、受け台1Dは小径頭部11Aとは接していない。
【0027】
空気噴射孔1Bは、先端丸棒部1Aの中心軸に沿って配設されるエアー供給路1Cから、前記丸棒の中間部付近で半径方向外向きに分岐されて設けられる噴射孔であって、本実施例では円周上等角度間隔に複数設けられている。尚、噴射孔1Bの数や間隔、孔径は、供給される圧縮空気の空気圧、ボビンを分離させるのに力等を考慮して適宜選択すればよい。先端丸棒部1Aの外径は、前記ボビン11の小径頭部11Aの孔11aよりも僅かに小さく形成されており、前記孔11aに進退自在であり、且つ前記先端丸棒部1Aを貫通させることにより、前記空隙部11Cを略密閉状態にし、噴射される空気の漏出を防止して有効に利用可能とするよう考慮されている。
【0028】
ボビン集合体10に引き離し部材1を挿入すると、前記先端丸棒部1Aがボビン11の小径頭部11Aの孔11aと、ボビン12の小径頭部12Aの孔12aとを貫通する位置まで進入して停止する。この時に、受け台1Dとボビン11の小径頭部11Aとは接触しておらず、空間部を有している。つまり、このまま、ボビン11が落下すると初めて、前記受け台1Dに小径頭部11Aが当接することになる。
【0029】
また、ボビン集合体10に引き離し部材1を挿入した状態では、前記空気噴射孔1Bは、積層状態のボビン11の小径頭部11Aと、ボビン12の小径頭部12Aとの間の空隙部11Cの略中央部に位置している。
【0030】
そのために、エアー供給路1Cを通して空気噴射孔1Bから圧縮空気を噴射すると、該圧縮空気は前記空隙部11Cに充満する構成となって、ボビン11とボビン12とを引き離すよう作用力を発揮することになる。前述したように、ボビン12はクランプ3により把持されているので、ボビン11のみが落下することになり、結果として下向きに引き離されて、小径頭部11Aが前記受け台1Dに当接して保持されることになる。
【0031】
ボビン11が分離される順序を図2によりさらに詳細に説明する。図2(a)に示すようにストッパー2上に、ボビン11の小径頭部11Aを下向きにして当接させ、ボビン11、12、・・・を多数嵌め込むようにして積層したボビン集合体10を載置する。次に(b)に示すように、クランプ3を駆動し2番目のボビン12の大径後部12Bを把持する。この状態でストッパー2を旋回移動して、(c)に示すように、引き離し部材1を上昇させる。該引き離し部材1を所定量上昇させると、前記空気噴射孔1Bが前記空隙部11Cに位置し、受け台1Dが前記小径頭部11Aから所定距離離反した位置で停止する。次に、圧縮空気を噴射すると、(d)に示すように、最下段のボビン11が分離され落下して、小径頭部11Aが受け台1Dに当接し載置される。この状態で引き離し部材1を下降させると、受け台1Dにボビン11を載置した状態で共に下降する構成である。
【0032】
次に、本発明に係るコーン型ボビン供給装置Mについて図3および図4により説明する。載置台7にボビン集合体10を装着した後で、旋回駆動部8により、前記載置台7が図中に示すように反時計方向に回転し、二点鎖線で示すような前記ボビン集合体10が直立状態となる。この時にストッパー2が所定位置に待機しており、直立状態のボビン集合体10の最下段のボビン11を受け止めている。
【0033】
この状態でクランプ3を駆動すると、下から2番目のボビン12の大径後部12Bを把持する形となる。クランプ3を駆動した状態では、ストッパー2を所定位置から旋回移動させても、最下段のボビン11はボビン12から離反して落下せず、ボビン集合体10全体をクランプ3がしっかりと把持した状態となっている。
【0034】
つまり、ストッパー2を所定位置から旋回移動させた状態は、ボビン11の下部には広い空間部が形成されている。この空間部に昇降自在に引き離し部材1を配設し、所定の制御信号により前記引き離し部材を駆動してボビンを一個ずつ分離して、搬送路6に供給するものである。
【0035】
前記引き離し部材1は取付部材1Gを介して駆動装置4により昇降駆動されており、さらに、旋回駆動装置4Aにより支軸4a回りに回動自在に構成されている。
【0036】
上述したように引き離し部材1がボビン11を分離して、受け台1D上に載置した状態で下降した後で、図4に示すように旋回し、引き離し部材1からボビン11が供給される上側が開放され、下側が略円筒状に形成された受け取りガイド5にボビン11を載置させ受け渡すことになる。その後で受け取りガイド5がシリンダ5Aの駆動により旋回し、前記受け取りガイド5の旋回途中に該受け取りガイド5ではなく、受け取りガイド5に載置されたボビン11に干渉する位置に配置された分離用壁部5Bに大径後部11Bが衝突することにより旋回中の受け取りガイド5からボビン11が離れてボビン11を傾斜面9上に落とし搬送路6まで転動させ案内する構成である。
【0037】
先端丸棒部1Aは、ボビン11の小径頭部11Aの孔11aよりも僅かに小さい径であるために、互いの摩擦により引き離し部材1から前記ボビン11を確実に引き離すためには何らかの外力を加えてやるのが好ましい。そこで、ボビン11を前記先端丸棒部1Aから引き離すために第2の引き離し部材として受け取りガイド5を設けた。ここでは、旋回する引き離し部材1から受け取りガイド5にボビン11が引き渡され、受け取りガイド5が旋回を始めた時点で、該受け取りガイド5は先端丸棒部1Aからボビン11を引き抜く方向の力を付与し、更なる旋回によって、完全に先端丸棒部1Aからボビン11を離間させ、引き離し部材1からボビン11を外すことになる。
【0038】
前記駆動装置4としてエアーシリンダーを採用し、旋回駆動装置4Aとしてラックとピニオンを採用したが、駆動源を特に限定するものではなく、その他の駆動装置を用いてもよい。また、引き離し部材1によりボビン11を分離した後で、搬送路6にまで案内する構成としたが、引き離し部材1によりボビン11を分離した後の工程を特に限定するものではない。
【0039】
また、ボビンを検知する検知手段として、クランプ3に把持されるコーン型ボビン12の一個上のボビン13を検知する検知センサS1と、分離され受け台1Dに当接するボビン11を検出する検知センサS2を配設する構成とした。
【0040】
具体的には、検知センサS2は、落下するボビン11の荷重により上下に回動可能な検出先端部S2aと、該検出先端部S2aの回動中心付近にボタンが位置するように配置されたスイッチ部材とにより構成されている。また、ボビン11の落下に伴い、検出先端部S2aが下方に押し付けられて回動することによりボタンを押し、その変化をスイッチ部材が電気信号に変えるようになっている。更に、その電気信号に基づいて(引き離し部材)制御部20の分離状態判定部20Aは、引き離し部材1によるボビン11の分離の成否を判定するように構成されている。
【0041】
検知センサS1により載置台7から供給されたボビン集合体10のボビンの残りがあるかどうかの検出がなされ、残りがあれば、前記制御部20の昇降制御部20Cにより引き離し部材1を上昇させ、先端丸棒部1Aをボビン11の小径頭部11Aの孔11aに挿通させて、噴射制御部20Bが供給弁21を開放制御して圧縮空気を噴射する。この1回の噴射でボビン11を分離することに成功すると、ボビン11は受け台1Dに落下する。検知センサS2がこの落下したボビン11を検出すると、引き離し制御部材制御部20はその後の移載動作(引き離し部材1を降下させ旋回する)を続行する。
【0042】
圧縮空気を1回噴射した後でも、前記検知センサS2がボビン11を検出しない時には、前記判定部20Aが、ボビン11が分離されていないと判断し、それに基づいて空気噴射制御部20Bは再度供給弁を開放制御して、再度圧縮空気を噴射するプログラムとした。そのために、作業者によるメンテナンスの手間を省き、確実にボビン11をボビン集合体10から分離できるようになった。この試行回数はさらに増加させることも可能であり、3回でも4回でもよいが、本実施例においては、予め噴射回数に上限値を設け、噴射回数がその上限値に達すると、アラームを発するようにしてもよい。
【0043】
また、前記検知センサS1によりボビンを検出しなくなったら、クランプ3に把持されているボビンの上にはもう次のボビンがないことが判る。そのためにその旨を表示するよう構成してもよいし、また、次の新しいボビン集合体を供給する構成としてもよい。
【0044】
前記センサS2としてボタンを備えるスイッチ部材を採用したが、特にセンサの種類を限定するものではなく、受け台1D上にボビン11があることを検知するものであれば、ボビン11を直接光学的に検知する光電センサを設けたり、受け台1D上にボビン11の荷重を検出する圧力センサを取着してもよい。検知センサS1についても同様である。
【0045】
尚、上述した例では、ボビン集合体10の端から2番目のボビン12を把持すると共に、積層されるボビンの端から1番目のボビン11と2番目のボビン12との間の空隙部11Cに圧縮空気を噴射して1番目のボビン11を分離するものを示したが、これに限定されるものではない。例えば、上記センサS2によりボビンが検出されず、1番目のボビン11が集合体10から分離されていないと判定すると、先端丸棒部1Aを1ピッチ分即ちボビン1個分更に上昇させ、2番目のボビンと3番目のボビンとの間の空隙部に圧縮空気を噴射して1番目、2番目の2個のボビンで構成される小集合体を元の集合体から分離し、通常とは異なる場所に搬送させるようにしてもよい。
【0046】
さらに、前記実施例では、ボビン11の小径頭部11A側から先端丸棒部1Aを差し込んだものを示しているが、載置台7からボビンの向きが逆に供給され、ボビンの大径後部側の端から前記先端丸棒部1Aを差し込み、大径後部11Bを受け台1Dに当接させるようにしてもよい。
【0047】
つまり本発明によれば、多数のコーン型ボビンを嵌め込むように積層した状態でも、引き離し部材1がボビン表面に過剰に擦れてボビン表面形状に影響を及ぼすことを最小限にとどめつつ、ボビンを確実に集合体から分離することができるコーン型ボビン供給装置とすることができる。
【0048】
【発明の効果】
上記したように本発明によれば、複数のコーン型ボビンを積層したボビン集合体に空気噴射孔を備える引き離し部材を差し込んで、把持された任意のボビンと該任意のボビンに接合する別のボビンとの間の両ボビン内外周面により形成される空隙部に圧縮空気を噴射するだけで、ボビン表面形状への影響を最小限にして、確実にコーン型ボビンを分離することができる。
【0049】
また、圧縮空気を噴射して分離されたコーン型ボビンを、前記引き離し部材が保持して案内することで、確実に巻取装置に供給することができる。
【0050】
さらに、1回の圧縮空気の噴射によりコーン型ボビンを分離できなかった場合には、再度圧縮空気を噴射することで、作業者のメンテナンスの手間を省き、確実に巻取装置に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコーン型ボビン引き離し部の一実施例を示す側面図である。
【図2】コーン型ボビンの引き離し工程順を示す概略説明図である。
【図3】本発明に係るコーン型ボビン供給装置の全体説明図である。
【図4】分離されたコーン型ボビンの受け渡し部材を示す概略説明図である。
【図5】コーン型ボビンを嵌め込むようにして積層した状態の概略説明図を示す。
【符号の説明】
1 引き離し部材
1A 先端丸棒部
1B 空気噴射孔
1D 受け台
2 ストッパー
3 クランプ
4 駆動装置
5 受け渡し部材(第2の引き離し部材)
6 ボビン搬送路
10 ボビン集合体
11 (コーン型)ボビン(最下段)
11A 小径頭部
11a 孔
20 引き離し部材制御部
20B (空気)噴射制御部
M コーン型ボビン供給装置
S1 検知センサ(検知手段)
S2 検知センサ(検知手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、糸巻取装置にコーン型ボビンを自動的に供給するコーン型ボビン供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、糸条の巻取ボビンとしてコーン型(円錐台型)のボビンが一般的に採用されている。また、前記コーン型ボビンは巻取装置のボビン保持部に装着するためと、軽量化のために中空状であり、一般的に厚紙を円錐筒状に巻いたものが使用されている場合が多い。
【0003】
またコーン形状の強度保持のために、小径頭部側の端部を内側に曲げ込んで二重構造とした頭部を形成している。そのために、このコーン型ボビンを複数積層した集合体は、小径頭部の反対側の大径孔部から他のボビンの小径頭部を嵌め込んだ形状の集合である。
【0004】
この集合体からボビン一本を分離する際には、最上(最端部)のボビンの外側を把持して捻るようにして引き離すか、または、最上のボビンの小径頭部側孔部に指を突っ込んで、前記二重構造の頭部を引っ張るようにして引き離し分離していた。
【0005】
また、機械式にボビン集合体から一本のボビンを引き離して分離する自動装置も公開されている。(例えば、特許文献1参照)
【0006】
【特許文献1】
特開昭61−186535号公報(第1−13頁、第6B図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、円錐台状のコーン型ボビンを積層した状態から引き離すには多大の力を必要とする。そのために、手作業にてボビンを分離することは作業効率上好ましくない。
【0008】
また、機械式に分離を行う特許文献1に記載の装置では、指部材を積層されているボビン端部の段に当てて押出すことで一本のボビンを分離する構成であるので、前記指部材が当接して擦れる部分が傷付いたり、ボビンが変形する問題がある。特に、高速度でボビン分離作業を行う際には、前記ボビンの傷付きや変形の可能性が顕著になるおそれがある。
【0009】
本発明の目的は、複数のコーン型ボビンを嵌め込むようにして積層したボビン集合体から一本のコーン型ボビンを分離する際に、簡単に分離できると共に、コーン型ボビンの表面形状への影響を小さくすることが可能なコーン型ボビン供給装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1に係る発明は、複数のコーン型ボビンが嵌め込まれて積層されたボビン集合体から一本のコーン型ボビンを分離して糸巻取装置に供給するコーン型ボビン供給装置であって、前記ボビン集合体の任意のボビンを把持すると共に、該把持された任意のボビンと該任意のボビンに接合する別のボビンとの間の、両ボビン内外周面により形成される空隙部に圧縮空気を噴射して、前記別のボビンを分離する引き離し部材を備えていることを特徴としている。
【0011】
上記の構成を有する請求項1に係る発明によれば、ボビン表面形状への影響を最小限にして、コーン型ボビン集合体から所定のコーン型ボビンを分離することができる。
【0012】
請求項2に係る発明は、前記引き離し部材が、積層されるコーン型ボビンの小径頭部側の孔径より僅かに小さい径の先端丸棒部と分離された前記ボビンの小径頭部を受ける受け台とを備えており、前記先端丸棒部が、前記別のボビンの小径頭部側から少なくとも任意のコーン型ボビンの小径頭部側を貫通するまで挿入可能な長さを有していると共に、丸棒部の円周上に径方向の外方に向けて空気噴射孔を備えていることを特徴としている。
【0013】
上記の構成を有する請求項2に係る発明によれば、前記引き離し部材をコーン型ボビンの積層部に差し込んで丸棒部を貫通させることにより、前記空隙部が略密閉状態になるため、ここで圧縮空気を噴射すると、該圧縮空気が任意のボビンと別のボビンとの間に充満するため、前記圧縮空気を損失なくコーンの分離動作に使用することができる。
【0014】
請求項3に係る発明は、前記引き離し部材が、分離したコーン型ボビンを保持した状態から、前記丸棒部と小径頭部とを離間させ、分離したコーン型ボビンを引き離し部材から外すための第2の引き離し部材を備えることを特徴としている。
【0015】
上記の構成を有する請求項3に係る発明によれば、圧縮空気を噴射して分離されたコーン型ボビンを、前記引き離し部材が支持して案内することで、確実に巻取装置に供給することができる。
【0016】
請求項4に係る発明は、前記引き離し部材が、分離されたコーン型ボビンを検出する検知手段を備え、圧縮空気を噴射後に前記ボビンを検出しない時には、再度圧縮空気を噴射する空気噴射制御部を設けたことを特徴としている。
【0017】
上記の構成を有する請求項4に係る発明によれば、1回の圧縮空気の噴射によりコーン型ボビンを分離できなかった場合には、再度圧縮空気を噴射することになり、作業者のメンテナンスの手間を省き、確実に巻取装置に供給することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るコーン型ボビン供給装置の実施の形態について、図1から図5に基づいて説明する。
【0019】
図1は本発明に係るコーン型ボビン引き離し部の一実施例を示す側面図である。図2はコーン型ボビンの引き離し工程順を示す概略説明図である。図3は本発明に係るコーン型ボビン供給装置の全体説明図である。図4は分離されたコーン型ボビンの受け渡し部材を示す概略説明図である。図5はコーン型ボビンを嵌め込むようにして積層した状態の概略説明図を示す。
【0020】
図5にコーン型ボビン11と12とを嵌め込んで積層させた状態を示す。ボビン11は小径頭部11Aと大径後部11Bとを備えており、該大径後部11Bにボビン12の小径頭部12Aを差し込むようにして嵌め込んだ状態である。この時に、小径頭部11Aと小径頭部12Aとの間の、ボビン11の内周面とボビン12の外周面とにより空隙部11Cが形成されている。この状態でさらに複数のボビンを積層していって、長尺なボビン集合体10を形成するものである。
【0021】
前記ボビン11と12とは例えば厚紙製のテーパーコーン型であって、外表面のテーパー角度が同一であるので、互いに嵌め込んで積層した状態では、しっかりと接合した状態であり、簡単には分離できない。従来では、人手または機械式のアーム手段で分離する際には、分離しようとするボビン同士をそれぞれ保持して、捻るようにして引き離すことで分離していることが多い。
【0022】
図1により、本発明に係るコーン型ボビンの引き離し部材1について説明する。前記引き離し部材1は先端丸棒部1Aの径が、ボビン11の小径頭部11Aの孔11aより僅かに小さい径であって、該孔11aに進退自在な円柱状部材である。また、その内部にはエアー供給路1Cが配設されており、該エアー供給路1Cから、先端丸棒部1Aの中間部に設けられた1つ又は複数の空気噴射孔1Bを通して、圧縮空気が先端丸棒部1Aの円周上に径方向の外方に向けて噴射される構成である。前記エアー供給路1Cへは、空気継手1Eに接続されたエアー配管1Fを経て供給弁21の切換により図示しない圧縮空気供給源から圧縮空気が供給可能となっている。また、供給弁21の切換制御は引き離し部材制御部20の空気噴射制御部20Bにより行われる。
【0023】
ボビン集合体10は、一方のボビンの大径後部に他方のボビンの小径頭部を嵌め込むようにして、複数のコーン型ボビンを順次積層していって形成した、長尺な筒状の集合体である。そのために、図3にその全体を示すコーン型ボビン供給装置Mは、その長尺なボビン集合体10から、コーン型ボビンを1個ずつ分離して、所定の図示しない糸巻取装置へ供給するよう動作する。
【0024】
つまり、ボビン集合体10の先頭側をボビンの小径頭部側とした場合、先頭の(任意のボビンに接合する別の)ボビン11を2番目の(任意の)ボビン12から分離して図3に示す搬送コンベア6に供給するものである。この時に、ボビン集合体10を支持している先頭(最下段)のボビン11の小径頭部11Aが下向きになって且つストッパー2に当接しているが、該ボビン11の大径後部11Bの上に飛び出ている2番目のボビン12の大径後部12Bをクランプ3が把持した状態で、ボビン集合体10が立設している構成である。
【0025】
この状態で、ストッパー2を旋回移動する。ボビン集合体10はクランプ3により把持されており、各ボビン11、12、13・・・はしっかりと嵌め込まれているので、最下段のボビン11が抜け落ちることはない。その後、引き離し部材1を上昇させて先端丸棒部1Aを、前記ボビン11の小径頭部側の孔に差し入れて、圧縮空気を噴射してボビン11をボビン12、即ちボビン集合体10から分離する。
【0026】
引き離し部材1を上昇させて先端丸棒部1Aを、前記ボビン11の小径頭部11Aの孔11aとボビン12の孔12aとを貫通するように差し入れた状態では、図1に示すように、空気噴射孔1Bが、ボビン11の小径頭部11Aとボビン12の小径頭部12Aとの間の空隙部11Cに位置する状態であり、受け台1Dは小径頭部11Aとは接していない。
【0027】
空気噴射孔1Bは、先端丸棒部1Aの中心軸に沿って配設されるエアー供給路1Cから、前記丸棒の中間部付近で半径方向外向きに分岐されて設けられる噴射孔であって、本実施例では円周上等角度間隔に複数設けられている。尚、噴射孔1Bの数や間隔、孔径は、供給される圧縮空気の空気圧、ボビンを分離させるのに力等を考慮して適宜選択すればよい。先端丸棒部1Aの外径は、前記ボビン11の小径頭部11Aの孔11aよりも僅かに小さく形成されており、前記孔11aに進退自在であり、且つ前記先端丸棒部1Aを貫通させることにより、前記空隙部11Cを略密閉状態にし、噴射される空気の漏出を防止して有効に利用可能とするよう考慮されている。
【0028】
ボビン集合体10に引き離し部材1を挿入すると、前記先端丸棒部1Aがボビン11の小径頭部11Aの孔11aと、ボビン12の小径頭部12Aの孔12aとを貫通する位置まで進入して停止する。この時に、受け台1Dとボビン11の小径頭部11Aとは接触しておらず、空間部を有している。つまり、このまま、ボビン11が落下すると初めて、前記受け台1Dに小径頭部11Aが当接することになる。
【0029】
また、ボビン集合体10に引き離し部材1を挿入した状態では、前記空気噴射孔1Bは、積層状態のボビン11の小径頭部11Aと、ボビン12の小径頭部12Aとの間の空隙部11Cの略中央部に位置している。
【0030】
そのために、エアー供給路1Cを通して空気噴射孔1Bから圧縮空気を噴射すると、該圧縮空気は前記空隙部11Cに充満する構成となって、ボビン11とボビン12とを引き離すよう作用力を発揮することになる。前述したように、ボビン12はクランプ3により把持されているので、ボビン11のみが落下することになり、結果として下向きに引き離されて、小径頭部11Aが前記受け台1Dに当接して保持されることになる。
【0031】
ボビン11が分離される順序を図2によりさらに詳細に説明する。図2(a)に示すようにストッパー2上に、ボビン11の小径頭部11Aを下向きにして当接させ、ボビン11、12、・・・を多数嵌め込むようにして積層したボビン集合体10を載置する。次に(b)に示すように、クランプ3を駆動し2番目のボビン12の大径後部12Bを把持する。この状態でストッパー2を旋回移動して、(c)に示すように、引き離し部材1を上昇させる。該引き離し部材1を所定量上昇させると、前記空気噴射孔1Bが前記空隙部11Cに位置し、受け台1Dが前記小径頭部11Aから所定距離離反した位置で停止する。次に、圧縮空気を噴射すると、(d)に示すように、最下段のボビン11が分離され落下して、小径頭部11Aが受け台1Dに当接し載置される。この状態で引き離し部材1を下降させると、受け台1Dにボビン11を載置した状態で共に下降する構成である。
【0032】
次に、本発明に係るコーン型ボビン供給装置Mについて図3および図4により説明する。載置台7にボビン集合体10を装着した後で、旋回駆動部8により、前記載置台7が図中に示すように反時計方向に回転し、二点鎖線で示すような前記ボビン集合体10が直立状態となる。この時にストッパー2が所定位置に待機しており、直立状態のボビン集合体10の最下段のボビン11を受け止めている。
【0033】
この状態でクランプ3を駆動すると、下から2番目のボビン12の大径後部12Bを把持する形となる。クランプ3を駆動した状態では、ストッパー2を所定位置から旋回移動させても、最下段のボビン11はボビン12から離反して落下せず、ボビン集合体10全体をクランプ3がしっかりと把持した状態となっている。
【0034】
つまり、ストッパー2を所定位置から旋回移動させた状態は、ボビン11の下部には広い空間部が形成されている。この空間部に昇降自在に引き離し部材1を配設し、所定の制御信号により前記引き離し部材を駆動してボビンを一個ずつ分離して、搬送路6に供給するものである。
【0035】
前記引き離し部材1は取付部材1Gを介して駆動装置4により昇降駆動されており、さらに、旋回駆動装置4Aにより支軸4a回りに回動自在に構成されている。
【0036】
上述したように引き離し部材1がボビン11を分離して、受け台1D上に載置した状態で下降した後で、図4に示すように旋回し、引き離し部材1からボビン11が供給される上側が開放され、下側が略円筒状に形成された受け取りガイド5にボビン11を載置させ受け渡すことになる。その後で受け取りガイド5がシリンダ5Aの駆動により旋回し、前記受け取りガイド5の旋回途中に該受け取りガイド5ではなく、受け取りガイド5に載置されたボビン11に干渉する位置に配置された分離用壁部5Bに大径後部11Bが衝突することにより旋回中の受け取りガイド5からボビン11が離れてボビン11を傾斜面9上に落とし搬送路6まで転動させ案内する構成である。
【0037】
先端丸棒部1Aは、ボビン11の小径頭部11Aの孔11aよりも僅かに小さい径であるために、互いの摩擦により引き離し部材1から前記ボビン11を確実に引き離すためには何らかの外力を加えてやるのが好ましい。そこで、ボビン11を前記先端丸棒部1Aから引き離すために第2の引き離し部材として受け取りガイド5を設けた。ここでは、旋回する引き離し部材1から受け取りガイド5にボビン11が引き渡され、受け取りガイド5が旋回を始めた時点で、該受け取りガイド5は先端丸棒部1Aからボビン11を引き抜く方向の力を付与し、更なる旋回によって、完全に先端丸棒部1Aからボビン11を離間させ、引き離し部材1からボビン11を外すことになる。
【0038】
前記駆動装置4としてエアーシリンダーを採用し、旋回駆動装置4Aとしてラックとピニオンを採用したが、駆動源を特に限定するものではなく、その他の駆動装置を用いてもよい。また、引き離し部材1によりボビン11を分離した後で、搬送路6にまで案内する構成としたが、引き離し部材1によりボビン11を分離した後の工程を特に限定するものではない。
【0039】
また、ボビンを検知する検知手段として、クランプ3に把持されるコーン型ボビン12の一個上のボビン13を検知する検知センサS1と、分離され受け台1Dに当接するボビン11を検出する検知センサS2を配設する構成とした。
【0040】
具体的には、検知センサS2は、落下するボビン11の荷重により上下に回動可能な検出先端部S2aと、該検出先端部S2aの回動中心付近にボタンが位置するように配置されたスイッチ部材とにより構成されている。また、ボビン11の落下に伴い、検出先端部S2aが下方に押し付けられて回動することによりボタンを押し、その変化をスイッチ部材が電気信号に変えるようになっている。更に、その電気信号に基づいて(引き離し部材)制御部20の分離状態判定部20Aは、引き離し部材1によるボビン11の分離の成否を判定するように構成されている。
【0041】
検知センサS1により載置台7から供給されたボビン集合体10のボビンの残りがあるかどうかの検出がなされ、残りがあれば、前記制御部20の昇降制御部20Cにより引き離し部材1を上昇させ、先端丸棒部1Aをボビン11の小径頭部11Aの孔11aに挿通させて、噴射制御部20Bが供給弁21を開放制御して圧縮空気を噴射する。この1回の噴射でボビン11を分離することに成功すると、ボビン11は受け台1Dに落下する。検知センサS2がこの落下したボビン11を検出すると、引き離し制御部材制御部20はその後の移載動作(引き離し部材1を降下させ旋回する)を続行する。
【0042】
圧縮空気を1回噴射した後でも、前記検知センサS2がボビン11を検出しない時には、前記判定部20Aが、ボビン11が分離されていないと判断し、それに基づいて空気噴射制御部20Bは再度供給弁を開放制御して、再度圧縮空気を噴射するプログラムとした。そのために、作業者によるメンテナンスの手間を省き、確実にボビン11をボビン集合体10から分離できるようになった。この試行回数はさらに増加させることも可能であり、3回でも4回でもよいが、本実施例においては、予め噴射回数に上限値を設け、噴射回数がその上限値に達すると、アラームを発するようにしてもよい。
【0043】
また、前記検知センサS1によりボビンを検出しなくなったら、クランプ3に把持されているボビンの上にはもう次のボビンがないことが判る。そのためにその旨を表示するよう構成してもよいし、また、次の新しいボビン集合体を供給する構成としてもよい。
【0044】
前記センサS2としてボタンを備えるスイッチ部材を採用したが、特にセンサの種類を限定するものではなく、受け台1D上にボビン11があることを検知するものであれば、ボビン11を直接光学的に検知する光電センサを設けたり、受け台1D上にボビン11の荷重を検出する圧力センサを取着してもよい。検知センサS1についても同様である。
【0045】
尚、上述した例では、ボビン集合体10の端から2番目のボビン12を把持すると共に、積層されるボビンの端から1番目のボビン11と2番目のボビン12との間の空隙部11Cに圧縮空気を噴射して1番目のボビン11を分離するものを示したが、これに限定されるものではない。例えば、上記センサS2によりボビンが検出されず、1番目のボビン11が集合体10から分離されていないと判定すると、先端丸棒部1Aを1ピッチ分即ちボビン1個分更に上昇させ、2番目のボビンと3番目のボビンとの間の空隙部に圧縮空気を噴射して1番目、2番目の2個のボビンで構成される小集合体を元の集合体から分離し、通常とは異なる場所に搬送させるようにしてもよい。
【0046】
さらに、前記実施例では、ボビン11の小径頭部11A側から先端丸棒部1Aを差し込んだものを示しているが、載置台7からボビンの向きが逆に供給され、ボビンの大径後部側の端から前記先端丸棒部1Aを差し込み、大径後部11Bを受け台1Dに当接させるようにしてもよい。
【0047】
つまり本発明によれば、多数のコーン型ボビンを嵌め込むように積層した状態でも、引き離し部材1がボビン表面に過剰に擦れてボビン表面形状に影響を及ぼすことを最小限にとどめつつ、ボビンを確実に集合体から分離することができるコーン型ボビン供給装置とすることができる。
【0048】
【発明の効果】
上記したように本発明によれば、複数のコーン型ボビンを積層したボビン集合体に空気噴射孔を備える引き離し部材を差し込んで、把持された任意のボビンと該任意のボビンに接合する別のボビンとの間の両ボビン内外周面により形成される空隙部に圧縮空気を噴射するだけで、ボビン表面形状への影響を最小限にして、確実にコーン型ボビンを分離することができる。
【0049】
また、圧縮空気を噴射して分離されたコーン型ボビンを、前記引き離し部材が保持して案内することで、確実に巻取装置に供給することができる。
【0050】
さらに、1回の圧縮空気の噴射によりコーン型ボビンを分離できなかった場合には、再度圧縮空気を噴射することで、作業者のメンテナンスの手間を省き、確実に巻取装置に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコーン型ボビン引き離し部の一実施例を示す側面図である。
【図2】コーン型ボビンの引き離し工程順を示す概略説明図である。
【図3】本発明に係るコーン型ボビン供給装置の全体説明図である。
【図4】分離されたコーン型ボビンの受け渡し部材を示す概略説明図である。
【図5】コーン型ボビンを嵌め込むようにして積層した状態の概略説明図を示す。
【符号の説明】
1 引き離し部材
1A 先端丸棒部
1B 空気噴射孔
1D 受け台
2 ストッパー
3 クランプ
4 駆動装置
5 受け渡し部材(第2の引き離し部材)
6 ボビン搬送路
10 ボビン集合体
11 (コーン型)ボビン(最下段)
11A 小径頭部
11a 孔
20 引き離し部材制御部
20B (空気)噴射制御部
M コーン型ボビン供給装置
S1 検知センサ(検知手段)
S2 検知センサ(検知手段)
Claims (4)
- 複数のコーン型ボビンが嵌め込まれて積層されたボビン集合体から一本のコーン型ボビンを分離して糸巻取装置に供給するコーン型ボビン供給装置であって、
前記ボビン集合体の任意のボビンを把持すると共に、該把持された任意のボビンと該任意のボビンに接合する別のボビンとの間の、両ボビン内外周面により形成される空隙部に圧縮空気を噴射して、前記別のボビンを分離する引き離し部材を備えていることを特徴とするコーン型ボビン供給装置。 - 前記引き離し部材が、積層されるコーン型ボビンの小径頭部側の孔径より僅かに小さい径の先端丸棒部と分離された前記ボビンの小径頭部を受ける受け台とを備えており、前記先端丸棒部が、前記別のボビンの小径頭部側から少なくとも任意のコーン型ボビンの小径頭部側を貫通するまで挿入可能な長さを有していると共に、丸棒部の円周上に径方向の外方に向けて空気噴射孔を備えていることを特徴とする請求項1に記載のコーン型ボビン供給装置。
- 前記引き離し部材が、分離したコーン型ボビンを保持した状態から、前記丸棒部と小径頭部とを離間させ、分離したコーン型ボビンを引き離し部材から外すための第2の引き離し部材を備えることを特徴とする請求項2に記載のコーン型ボビン供給装置。
- 前記引き離し部材が、分離されたコーン型ボビンを検出する検知手段を備え、圧縮空気を噴射後に前記ボビンを検出しない時には、再度圧縮空気を噴射する空気噴射制御部を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のコーン型ボビン供給装置。
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