JP2004248153A - 監視カメラ装置 - Google Patents

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Tadashi Kamogawa
正 鴨川
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Abstract

【目的】画策を受けた場合でも引き続いて撮像を継続することが可能な監視カメラ装置を提供する。
【構成】ドーム状ケース12内に監視カメラ11が設けられている。ドーム状ケース12は、円筒状のケース本体部12aと、リング状の電磁石12bと、内側透明半球体12cと、リング状の磁性体12dと、外側透明半球体12eとから成る。画策判定部は通常状態では前記電磁石12bへの通電を行い、画策の発生を判定したときには、例えばその1分後に通電をOFFする。通電OFFにより、電磁石12bの磁場が消失し、磁性体12dともども外側透明半球体12eがケース本体部12aから離脱落下し、汚されていない内側透明半球体12cが露呈し、カメラ視野を回復でき、再び監視範囲を撮像し得る状態となる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は監視カメラ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、銀行や店舗などにおいて、監視カメラ装置を設置することで防犯を図ることが多くなってきている。その一方で、店舗内等に侵入しようとする者も後を絶たず、例えば、侵入者が監視カメラ装置に対して塗料スプレーを噴霧することによりレンズに塗料を付着させて撮像を困難にさせたり、監視カメラ装置に布などを被せることで撮像を困難にさせることが行なわれている。このように、侵入者が自分の顔や容姿を認識されないようにすることをここでは画策という。
【0003】
上記画策の検出判定方法として種々の方法が提案されており、例えば、撮像映像の周波数成分を検出し、高い周波数成分が存在する場合は通常映像と判断し、高い周波数成分が消失したときには画策が行なわれたと判断するものがある。そして、画策であると判定したときは、アラームなどの警報を出力するようになっている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−160975号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術においては、画策を検出しても、もはや監視カメラによる撮像は困難となっており、アラームで警備員が出向いてくるのを待つしかないことになる。
【0006】
この発明は、上記の事情に鑑み、画策を受けた場合でも引き続いて監視撮影を継続することが可能な監視カメラ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の監視カメラ装置は、上記の課題を解決するために、カメラ本体のレンズ前に透明カバーを配置して成る監視カメラ装置であって、前記透明カバーの全部又は一部を前記レンズ前から退避動作させる作動手段と、前記透明カバーを通して得られるカメラ視野が奪われたと判断した場合に前記作動手段による退避動作を実行させる制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
上記の構成であれば、透明カバーを通して得られるカメラ視野が奪われたと判断した場合に前記透明カバーの全部又は一部がレンズ前から自動的に退避されるので、カメラ視野を回復でき、再び監視範囲を撮像し得る状態となる。
【0009】
前記透明カバーは電磁石によってカメラ本体側に支持されており、前記作動手段は電磁石の磁場停止又は磁場反転にて前記透明カバーを離脱又は開動作させるように構成されていてもよい。また、かかる構成において、前記透明カバーが設置場所の天井に紐状部材で連結されていてもよい。或いは、前記透明カバーがカメラ本体側に紐状部材で連結されていてもよい。或いは、前記透明カバーがカメラ本体側にヒンジによって開閉可能に連結されていてもよい。
【0010】
また、前記透明カバーの前方側に前記レンズに対応した開口を有する外カバーを備えており、前記作動手段は前記透明カバーをレンズの光軸に垂直な方向に移動させて透明カバーの他の部分を前記開口に位置させるように構成されていてもよい。また、前記透明カバーの前方側に前記レンズに対応した開口を有する外カバーを備えており、前記作動手段は前記透明カバーをレンズの光軸に垂直な方向に巻き取って透明カバーの他の部分を前記開口に位置させるように構成されていてもよい。
【0011】
また、これらの構成において、前記制御手段はカメラ視野が奪われたと判断してから所定時間経過後に前記作動手段による退避動作を実行するのがよい。ここで、カメラ視野が奪われたと判断してからすぐに退避動作が実行されたのではカメラ視野の回復を侵入者に知られてしまい、更なる画策が行なわれてしまう。これに対し、カメラ視野が奪われたと判断してから所定時間経過後に退避動作を実行する構成であれば、このような更なる画策を回避することができる。
【0012】
前記作動手段による退避動作が実行されて以降に音を発生する音発生手段を備えるのがよい。ここで、侵入者が覆面をした状態で画策を行なった後、覆面を外して安心して作業に取りかかっているとする。そのような状態のときに、前記音発生手段によって音が発生されると、その音に驚いて侵入者が監視カメラ装置の方に顔を向けることが考えられ、この動作によって侵入者の顔がカメラ視野を回復した監視カメラ装置によって撮影されることになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、この発明の実施形態における監視カメラ装置を図1乃至図4に基づいて説明する。
【0014】
図1はドーム型の監視カメラ装置1を示した透視斜視図である。監視カメラ11はドーム状ケース12内に設けられている。ドーム状ケース12は、図2に示しているように、円筒状のケース本体部12aと、リング状の電磁石12bと、内側透明半球体12cと、リング状の磁性体12dと、外側透明半球体12eとから成る。内側透明半球体12cはケース本体部12aに固定されている。電磁石12bは内側透明半球体12cの外側に位置して前記ケース本体部12aに固定されている。また、電磁石12bは図示しない画策判定部からの通電によって磁場を発生して磁性体を吸引するようになっている。外側透明半球体12eの円形縁部に前記リング状の磁性体12dが固定されており、前記電磁石12bによる磁場にて磁性体12dが引き寄せられている状態では、外側透明半球体12eはドーム状ケース12側に装着された状態となる。前記画策判定部は通常状態では前記通電を行い、画策の発生を判定したときには、通電をOFFする。画策(例えば、塗料スプレーによって塗料が外側透明半球体12eに付着し、カメラ視野が奪われた場合など)の判定は、従来例で説明したような撮像映像の高周波成分の有無判定などを利用できるが、この判定処理については、どのような手法を用いても構わない。画策判定部が画策の発生を判定して電磁石12bへの通電をOFFすると、電磁石12bによる磁場が消失し、図3に示しているように、磁性体12dともども外側透明半球体12eがケース本体部12aから自重で離脱落下することになる。これにより、汚されていない内側透明半球体12cが露呈し、カメラ視野を回復でき、再び監視範囲を撮像し得る状態となる。
【0015】
この実施形態では、画策判定部が画策の発生を判定したときに直ちに電磁石12bへの通電をOFFするのではなく、例えば、1分後に電磁石12bへの通電をOFFするようにしている。侵入者が覆面をした状態で上記の画策を行なった後、覆面を外して安心して作業に取りかかっているとする。そのような状態のときに、外側透明半球体12eがケース本体部12aから離脱落下し、そのときの音に驚いて侵入者が監視カメラ装置1の方に顔を向けることが考えられ、この動作によって侵入者はその顔を監視カメラ装置1によって撮影されることになる。また、カメラ視野が回復していることに気づき、何もできずに逃げ出していくことも期待できる。
【0016】
図4はドーム型の監視カメラ装置1の変形例を示した説明図であり、同図(a)は通常状態を示し、同図(b)は画策発生時を示している。円筒状のケース本体部12aには、図示しないモーターなどのアクチュエータによって回動する支持部材13が設けられている。この支持部材13に外側透明半球体12eが紐部材14によって連結されている。画策判定部は、画策の発生を判定したときから例えば、1分後に前記アクチュエータへの通電をONすると共に電磁石12b(図4では図示せず)への通電をOFFするようになっている。また、画策判定部は、ブザーなどの音発生手段を備えており、電磁石12bへの通電OFFを行なった以降に、音を発生させるようになっている。
【0017】
図4に示す監視カメラ装置1であれば、電磁石12bへの通電OFFによって外側透明半球体12eはケース本体部12aから自重で離脱するものの落下はしないことになり、誤った画策判定で外側透明半球体12eがケース本体部12aから離脱しても、この外側透明半球体12eが下方にいる人に当たってしまうのを防止することができる。実際に画策が行なわれたときにおいては、支持部材13の回動動作で外側透明半球体12eはカメラ撮影範囲の横方向に退避されるので、外側透明半球体12eが撮影の邪魔になることはない。また、前述のごとく音を発生することで、この音に驚いて侵入者が監視カメラ装置1の方に顔を向けることが考えられ、この動作によって侵入者はその顔をカメラ視野が回復した監視カメラ装置1によって撮影されることになる。
【0018】
なお、支持部材13を回動動作させたが、ケース本体部12aから横方向に遠ざかるようにスライド動作させるようにしてもよい。また、このような可動な支持部材を備えなくても、外側透明半球体12eをカメラ撮影範囲から退避させることが可能である。また、外側透明半球体12eをケース本体部12aに紐部材14で連結するのではなく、外側透明半球体12eを設置場所の天井に紐部材14で連結するようにしてもよいものである。
【0019】
(実施形態2)
以下、この発明の他の実施形態における監視カメラ装置を図5乃至図7に基づいて説明する。
【0020】
図5は筒型の監視カメラ装置2を示した透視斜視図である。監視カメラ21は筒型ケース22内に設けられている。筒型ケース22は、図6に示しているように、円筒状のケース本体部22aと、リング状の電磁石枠22bと、内側透明板22cと、リング状の磁石枠22dと、外側透明板22eとから成る。電磁石枠22bは前記ケース本体部22aに嵌合固定されている。また、内側透明板22cは電磁石枠22bに嵌め込まれている。外側透明板22eは磁石枠22dの一方の面側に貼付固定されている。また、磁石枠22dの他方の面は電磁石枠22bに接するようにしてある。
【0021】
そして、磁石枠22dの前記他方の面側が例えばN極であるとすると、当該面に接することになる電磁石枠22bの外側の面は通常時通電においてS極を成すように構成されている。また、磁石枠22dにはヒンジ23の一方側構成部23aが設けられ、電磁石枠22bにはヒンジ23の他方側構成部23bが設けられており、磁石枠22dはヒンジ23によって開閉することになる。なお、監視カメラ装置2の設置においては、前記ヒンジ23を下側に位置させる。
【0022】
画策判定部は通常状態では前記通電を行い、画策の発生を判定したときには、電磁石枠22bによる磁場が反転するように通電の極性を切り替える。画策判定部が画策の発生を判定して通電極性を切り替えると、電磁石枠22bの磁場反転によって磁石枠22dが反発し、図7に示すように、外側透明板22eは重力にも助けられて開蓋となる動作を行なうことになる。これにより、汚されていない内側透明板22cが露呈し、カメラ視野を回復でき、再び監視範囲を撮像し得る状態となる。
【0023】
(実施形態3)
以下、この発明の他の実施形態における監視カメラ装置を図8図9に基づいて説明する。
【0024】
図8に示す監視カメラ装置3は、監視カメラ33のレンズ33aの前方位置に透明板状カバー31を備える。そして、この透明板状カバー31の前方側に前記レンズ33aに対応した開口32aを有する外カバー32を備えている。透明板状カバー31は図示しないガイドによってレンズ33aの光軸に垂直な方向にスライド可能に設けられたものであり、そのスライド方向の長さは前記開口32aの直径の略2倍以上に設定されている。モータ34の回転軸には紐部材36が連結されており、この紐部材36は滑車35を介して透明板状カバー31に連結されている。画策判定部は、画策の発生を判定したときから例えば1分後に前記モータ34への通電をONする。これにより、透明板状カバー31が移動し、塗料で汚されていない透明板状カバー31の部分が開口32aの箇所(レンズ33aの前方位置)に位置し、カメラ視野を回復でき、再び監視範囲を撮像し得る状態となる。
【0025】
図9に示す監視カメラ装置4は、監視カメラ43のレンズ43aの前方位置に透明フィルム状カバー41を備える。そして、この透明フィルム状カバー41の前方側に前記レンズ43aに対応した開口42aを有する外カバー42を備えている。透明フィルム状カバー41は、ガイドローラ44・44、供給ローラ45、及び巻取ローラ46によって、レンズ43aの光軸に垂直な方向に移動可能に設けられたものである。前記巻取ローラ46はモータ47の回転軸に固定されている。画策判定部は、画策の発生を判定したときから例えば1分後に前記モータ47への通電をONする。これにより、塗料でカメラ視野を遮られた透明フィルム状カバー41の部分が移動し、塗料で汚されていない透明フィルム状カバー41の部分が開口42aの箇所(レンズ43aの前方位置)に位置し、カメラ視野を回復でき、再び監視範囲を撮像し得る状態となる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、カメラ視野が遮られたと判断した場合に、カメラレンズ前の透明カバーの全部又は一部をレンズ前から退避動作させるので、画策を受けた場合でも引き続いて撮像を継続することが可能になる。また、前記退避動作を画策発生時から遅延させて行なう構成であれば、侵入者に気付かれずに監視撮影再開が行なえることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態の監視カメラ装置を示した斜視図である。
【図2】図1の監視カメラ装置の分解斜視図である。
【図3】図1の監視カメラ装置の動作を示した斜視図である。
【図4】同図(a)(b)は第1の実施形態の変形例を示した説明図である。
【図5】この発明の第2の実施形態の監視カメラ装置を示した斜視図である。
【図6】図5の監視カメラ装置の分解斜視図である。
【図7】図5の監視カメラ装置の動作を示した斜視図である。
【図8】この発明の第3の実施形態の監視カメラ装置を示した説明図である。
【図9】第3の実施形態の変形例を示した説明図である。
【符号の説明】
1,2,3,4 監視カメラ装置
11 監視カメラ
12 ドーム状ケース
12b 電磁石
12e 外側透明半球体
21 監視カメラ
22 筒型ケース
22b 電磁石枠
22d 磁石
22e 外側透明板

Claims (9)

  1. カメラ本体のレンズ前に透明カバーを配置して成る監視カメラ装置であって、前記透明カバーの全部又は一部を前記レンズ前から退避動作させる作動手段と、前記透明カバーを通して得られるカメラ視野が奪われたと判断した場合に前記作動手段による退避動作を実行させる制御手段と、を備えたことを特徴とする監視カメラ装置。
  2. 請求項1に記載の監視カメラ装置において、前記透明カバーは電磁石によってカメラ本体側に支持されており、前記作動手段は電磁石の磁場停止又は磁場反転にて前記透明カバーを離脱又は開動作させるように構成されたことを特徴とする監視カメラ装置。
  3. 請求項2に記載の監視カメラ装置において、前記透明カバーが設置場所の天井に紐状部材で連結されることを特徴とする監視カメラ装置。
  4. 請求項2に記載の監視カメラ装置において、前記透明カバーがカメラ本体側に紐状部材で連結されていることを特徴とする監視カメラ装置。
  5. 請求項2に記載の監視カメラ装置において、前記透明カバーがカメラ本体側にヒンジによって開閉可能に連結されていることを特徴とする監視カメラ装置。
  6. 請求項1に記載の監視カメラ装置において、前記透明カバーの前方側に前記レンズに対応した開口を有する外カバーを備えており、前記作動手段は前記透明カバーをレンズの光軸に垂直な方向に移動させて透明カバーの他の部分を前記開口に位置させるように構成されていることを特徴とする監視カメラ装置。
  7. 請求項1に記載の監視カメラ装置において、前記透明カバーの前方側に前記レンズに対応した開口を有する外カバーを備えており、前記作動手段は前記透明カバーをレンズの光軸に垂直な方向に巻き取って透明カバーの他の部分を前記開口に位置させるように構成されていることを特徴とする監視カメラ装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の監視カメラ装置において、前記制御手段は、カメラ視野が奪われたと判断してから所定時間経過後に前記作動手段による退避動作を実行させることを特徴とする監視カメラ装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の監視カメラ装置において、前記作動手段による退避動作が実行されて以降に音を発生する音発生手段を備えたことを特徴とする監視カメラ装置。
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