JP2004245893A - レトロフォーカス型広角レンズ - Google Patents
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Abstract
【課題】小型,多画素化が進んだ撮像素子に対応できる優れた光学性能を備えると共に、十分なコンパクト化を達成できること。
【解決手段】物体側から順に、負の屈折力を備えた第1レンズ群1、負の屈折力を備えた第2レンズ群2、正の屈折力を備えた第3レンズ群3、正の屈折力を備えた第4レンズ群4、正の屈折力を備えた第5レンズ群5が配置されて構成される。第2レンズ群2と第3レンズ群3との間には、絞り6が備えられている。第5レンズ群5の後方にはローパスフィルタや色フィルタなどから構成されるフィルタユニット7が配置される。
【選択図】 図1
【解決手段】物体側から順に、負の屈折力を備えた第1レンズ群1、負の屈折力を備えた第2レンズ群2、正の屈折力を備えた第3レンズ群3、正の屈折力を備えた第4レンズ群4、正の屈折力を備えた第5レンズ群5が配置されて構成される。第2レンズ群2と第3レンズ群3との間には、絞り6が備えられている。第5レンズ群5の後方にはローパスフィルタや色フィルタなどから構成されるフィルタユニット7が配置される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高画質のデジタルカメラやビデオカメラなどに好適なレトロフォーカス型広角レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタルカメラやビデオカメラの普及が著しい。デジタルカメラやビデオカメラには、レトロフォーカス型広角レンズが用いられることが多い。特に、最近のデジタルカメラやビデオカメラのコンパクト化は著しく、これに伴い撮像面のサイズが小さいCCDなどの撮像素子が用いられることから、光学性能の優れたレトロフォーカス型広角レンズが必要になる。そこで、このようなデジタルカメラやビデオカメラに用いることが可能な種々のレトロフォーカス型広角レンズが提案されている(例えば、下記特許文献1,2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−293246号公報
【特許文献2】
特開2002−228925号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に記載されているレトロフォーカス型レンズは、テレセントリック特性を向上させた5枚のレンズからなるものである。しかし、十分な広角化が達成されたものとはいえず、デジタルカメラに用いるレンズとしては物足りない。また、一応のコンパクト化が図られてはいるものの、多画素の撮像素子が搭載されたデジタルカメラに用いる場合には、当該撮像素子の性能を引き出すための結像性能が得られない。
【0005】
また、前記特許文献2に記載されているレトロフォーカス型広角レンズは、5枚のレンズ構成で十分な広角化を達成すると共に撮像面のサイズが小さい撮像素子にも対応できるように結像性能も向上させている。しかしながら、このレトロフォーカス型広角レンズでは、より一層多画素化された撮像素子が用いられる傾向にある最近のデジタルカメラに要求される結像性能は期待できない。
【0006】
本発明は、上記のような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、小型、多画素化が進んだ撮像素子に対応可能な優れた光学性能を備えると共に、十分なコンパクト化を達成できるレトロフォーカス型広角レンズを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1にかかるレトロフォーカス型広角レンズは、物体側から順に、負の屈折力を備えた第1レンズ群、負の屈折力を備えた第2レンズ群、正の屈折力を備えた第3レンズ群、正の屈折力を備えた第4レンズ群、および正の屈折力を備えた第5レンズ群が配置されて構成され、以下に示す条件を満足することを特徴とする。
0.8<d23/d34<1.0
1.3<bf/f<1.8
0.9<bf/ls<1.1
ただし、d23は前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の空気間隔、d34は前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間の空気間隔、bfは前記第5レンズ群の最も像側面から像面までの空気換算での長さ、fは前記レトロフォーカス型広角レンズ全系の焦点距離、lsは像面の面サイズの対角長を示す。
【0008】
この請求項1に記載の発明によれば、十分なコンパクト化が達成されると共に、高い光学性能を備えたレトロフォーカス型広角レンズを提供することができる。このレトロフォーカス型広角レンズは、特に小型で画素数の多い撮像素子を搭載したコンパクトなデジタルカメラやビデオカメラに最適である。
【0009】
また、請求項2にかかるレトロフォーカス型広角レンズは、請求項1に記載の発明において、前記第3レンズ群の最も物体側面の曲率半径をr3F、前記第3レンズ群の最も像側面の曲率半径をr3B、前記第5レンズ群の最も物体側面の曲率半径をr5F、前記第5レンズ群の最も像側面の曲率半径をr5Bとするとき、以下に示す条件を満足することを特徴とする。
0.2<|r3F/r3B|<0.3
0.1<|r5F/r5B|<0.3
【0010】
この請求項2に記載の発明によれば、十分なコンパクト化が達成されると共に、より高い光学性能を備えたレトロフォーカス型広角レンズを提供することができる。このレトロフォーカス型広角レンズは、特に小型で画素数の多い撮像素子を搭載したコンパクトなデジタルカメラやビデオカメラに最適である。
【0011】
また、請求項3にかかるレトロフォーカス型広角レンズは、請求項1または2に記載の発明において、前記第1レンズ群は物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズにより構成され、前記第2レンズ群は物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズにより構成され、前記第3レンズ群は両凸レンズにより構成され、前記第4レンズ群は物体側に凸面を向けた負の屈折力を備えた凹メニスカスレンズと正の屈折力を備えた両凸レンズとが接合されて構成され、前記第5レンズ群は両凸レンズにより構成されていることを特徴とする。
【0012】
この請求項3に記載の発明によれば、5群6枚といった少ないレンズ構成でコンパクトなレトロフォーカス型広角レンズを提供することができる。
【0013】
また、請求項4にかかるレトロフォーカス型広角レンズは、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記第1レンズ群は少なくとも1面の非球面を備えていることを特徴とする。
【0014】
この請求項4に記載の発明によれば、歪曲収差を良好に補正することができる。
【0015】
また、請求項5にかかるレトロフォーカス型広角レンズは、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記第1レンズ群の最も像側面には樹脂が張り付けられ、該樹脂の像側面に非球面が形成されていることを特徴とする。
【0016】
この請求項5に記載の発明によれば、歪曲収差を良好に補正することができる。特に、前記第1レンズ群を構成するレンズが加工しにくいガラス材などで形成されている場合、容易に所望の面に非球面を形成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のレトロフォーカス型広角レンズは、物体側から順に、負の屈折力を備えた第1レンズ群、負の屈折力を備えた第2レンズ群、正の屈折力を備えた第3レンズ群、正の屈折力を備えた第4レンズ群、および正の屈折力を備えた第5レンズ群が配置されて構成される。
【0018】
第1レンズ群は、物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズにより構成される。第2レンズ群は、物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズにより構成される。第3レンズ群は、両凸レンズにより構成される。第4レンズ群は、物体側に凸面を向けた負の屈折力を備えた凹メニスカスレンズと正の屈折力を備えた両凸レンズとが接合されて構成される。第5レンズ群は、両凸レンズにより構成される。
【0019】
本発明は、コンパクトなデジタルカメラやビデオカメラなどに用いることができるレトロフォーカス型広角レンズを提供することを目的としている。このためには、レンズのコンパクト化はもとより、小型で画素数の多い撮像素子の性能に合った高い光学性能を備えることが必要になる。そこで、まず、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の空気間隔をd23、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間の空気間隔をd34とするとき、次の条件を満足することが好ましい。
【0020】
0.8<d23/d34<1.0 ・・・(1)
【0021】
この条件式(1)は前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の空気間隔と前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間の空気間隔の比を決定するための式である。d23/d34の値が0.8以下になると、レトロフォーカス型広角レンズのバックフォーカスの確保が不十分になる。この値で、無理に必要なバックフォーカスを確保しようとすると、前記第1レンズ群および前記第2レンズ群の屈折力を強くしなければならず、収差補正が困難になる。一方、d23/d34の値が1.0以上になると、前記第1レンズ群の物体側面のレンズ頂点から像面(撮像素子)までの長さが長くなり、レトロフォーカス型広角レンズのコンパクト化が達成できない。
【0022】
さらに、前記第5レンズ群の最も像側面から像面までの空気換算での長さをbf、本発明のレトロフォーカス型広角レンズ全系の焦点距離をfとするとき、次の条件を満足することが好ましい。
【0023】
1.3<bf/f<1.8 ・・・(2)
【0024】
この条件式(2)は、本発明のレトロフォーカス型広角レンズのバックフォーカスとレンズ全系の焦点距離との比を決定するための式である。bf/fの値が1.3以下になると、レトロフォーカス型広角レンズのバックフォーカスが短くなり、ローパスフィルタなどのフィルタ類を配置するスペースを確保することが困難になる。一方、bf/fの値が1.8以上になると、レトロフォーカス型広角レンズの全長が長くなり、十分なコンパクト化の達成ができない。加えて、第1レンズ群および第2レンズ群の屈折力を強くしなければならず、収差補正が困難になる。
【0025】
さらに、像面の面サイズの対角長をlsとするとき、次の条件を満足することが好ましい。
【0026】
0.9<bf/ls<1.1 ・・・(3)
【0027】
この条件式(3)は、本発明のレトロフォーカス型広角レンズのバックフォーカスと像面の面サイズの対角長との比を決定するための式である。bf/lsの値が0.9以下になると、レトロフォーカス型広角レンズにおける十分なバックフォーカスの確保が困難になるか、もしくは画角が大きくなりすぎて像面周辺部の性能確保が困難になる。一方、bf/lsの値が1.1以上になると、レトロフォーカス型広角レンズのバックフォーカスが長くなり、十分なコンパクト化を達成できなくなる。
【0028】
また、本発明のレトロフォーカス型広角レンズでは、前記第3レンズ群の最も物体側面の曲率半径をr3F、前記第3レンズ群の最も像側面の曲率半径をr3Bとするとき、次の条件を満足することが好ましい。
【0029】
0.2<|r3F/r3B|<0.3 ・・・(4)
【0030】
この条件式(4)は、前記第3レンズ群における最も物体側面の曲率半径と最も像側面の曲率半径との比を決定するための式である。|r3F/r3B|の値が0.2以下になると、前記第3レンズ群の最も物体側面の屈折効果が大きくなりすぎ、球面収差がアンダー補正になる。この結果、歪曲収差の負変位が大きく残存することになって好ましくない。一方、|r3F/r3B|の値が0.3以上になると、像面湾曲が負変位して補正が困難になる。
【0031】
さらに、本発明のレトロフォーカス型広角レンズでは、前記第5レンズ群の最も物体側面の曲率半径をr5F、前記第5レンズ群の最も像側面の曲率半径をr5Bとするとき、次の条件を満足することが好ましい。
【0032】
0.1<|r5F/r5B|<0.3 ・・・(5)
【0033】
この条件式(5)は、前記第5レンズ群における最も物体側面の曲率半径と最も像側面の曲率半径との比を決定するための式である。|r5F/r5B|の値が0.1以下になると、レトロフォーカス型広角レンズにおける正の屈折力が物体側に移動するため、歪曲収差の負変位が大きくなる。加えて、レトロフォーカス型広角レンズの全長が長くなり、レンズのコンパクト化が達成できなくなる。一方、|r5F/r5B|の値が0.3以上になると、球面収差が負変位する一方で歪曲収差が正変位するため、好ましくない。
【0034】
さらに、本発明のレトロフォーカス型広角レンズでは、前記第1レンズ群は少なくとも1面の非球面を備えている。このため、歪曲収差を良好に補正することができる。なお、前記第1レンズ群を構成するレンズが加工しにくいガラス材などで形成されている場合、当該レンズに樹脂を張り付け、この樹脂面に非球面を形成するとよい。
【0035】
次に、本発明の各実施の形態を説明する。
【0036】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1にかかるレトロフォーカス型広角レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このレトロフォーカス型広角レンズは、図示しない物体側から順に、負の屈折力を備えた第1レンズ群1、負の屈折力を備えた第2レンズ群2、正の屈折力を備えた第3レンズ群3、正の屈折力を備えた第4レンズ群4、正の屈折力を備えた第5レンズ群5が配置されて構成される。第1レンズ群1は、前記物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズ1aと、この凹メニスカスレンズ1aの像側面に貼り付けられた樹脂1bにより構成される。樹脂1bの像側面には、非球面が形成されている。第2レンズ群2は、前記物体側に凸面を向けたメニスカスレンズにより構成される。第3レンズ群3は、両凸レンズにより構成される。第4レンズ群4は、前記物体側に凸面を向けた負の屈折力を備えた凹メニスカスレンズ4aと正の屈折力を備えた両凸レンズ4bとが接合されて構成される。第5レンズ群5は、両凸レンズにより構成される。また、第3レンズ群3と第4レンズ群4との間には、絞り6が備えられている。第5レンズ群5の後方(図の右側)にはローパスフィルタや色フィルタなどのフィルタから構成されるフィルタユニット7が配置される。
【0037】
以下、本実施の形態1のレトロフォーカス型広角レンズに関する各種数値データを示す。
【0038】
本実施の形態1のレトロフォーカス型広角レンズ全系の焦点距離f=3.3
Fナンバー=2.8
第1レンズ群1の焦点距離=−23.0
第2レンズ群2の焦点距離=−6.4
第3レンズ群3の焦点距離=7.9
第4レンズ群4の凹メニスカスレンズ4aの焦点距離=−4.25
第4レンズ群4の両凸レンズ4bの焦点距離=3.8
第5レンズ群5の焦点距離=11.9
第1レンズ群1〜第3レンズ群3からなる前群の合成焦点距離=7.2
第4レンズ群4および第5レンズ群5からなる後群の合成焦点距離=11.9
【0039】
【0040】
【0041】
また、図2は本実施の形態1のレトロフォーカス型広角レンズの収差図である。
【0042】
(実施の形態2)
図3は、本実施の形態2にかかるレトロフォーカス型広角レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このレトロフォーカス型広角レンズも実施の形態1に示したレンズと同様に、図示しない物体側から順に、負の屈折力を備えた第1レンズ群1、負の屈折力を備えた第2レンズ群2、正の屈折力を備えた第3レンズ群3、正の屈折力を備えた第4レンズ群4、正の屈折力を備えた第5レンズ群5が配置されて構成される。
【0043】
第1レンズ群1は、前記物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズ1aと、この凹メニスカスレンズ1aの像側面に貼り付けられた樹脂1bにより構成される。樹脂1bの像側面には、非球面が形成されている。第2レンズ群2は、前記物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズにより構成される。第3レンズ群3は、両凸レンズにより構成される。第4レンズ群4は、前記物体側に凸面を向けた負の屈折力を備えた凹メニスカスレンズ4aと正の屈折力を備えた両凸レンズ4bとが接合されて構成される。第5レンズ群5は、両凸レンズにより構成される。また、第3レンズ群3と第4レンズ群4との間には、絞り6が備えられている。第5レンズ群5の後方(図の右側)にはローパスフィルタや色フィルタなどのフィルタから構成されるフィルタユニット7が配置される。
【0044】
以下、本実施の形態2のレトロフォーカス型広角レンズに関する各種数値データを示す。
【0045】
本実施の形態2のレトロフォーカス型広角レンズ全系の焦点距離f=3.3
Fナンバー=2.8
第1レンズ群1の焦点距離=−22.5
第2レンズ群2の焦点距離=−6.1
第3レンズ群3の焦点距離=7.9
第4レンズ群4の凹メニスカスレンズ4aの焦点距離=−4.6
第4レンズ群4の両凸レンズ4bの焦点距離=3.8
第5レンズ群5の焦点距離=14.8
第1レンズ群1〜第3レンズ群3からなる前群の合成焦点距離=6.1
第4レンズ群4および第5レンズ群5からなる後群の合成焦点距離=14.8
【0046】
【0047】
【0048】
また、図4は本実施の形態2のレトロフォーカス型広角レンズの収差図である。
【0049】
(実施の形態3)
図5は、本実施の形態3にかかるレトロフォーカス型広角レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このレトロフォーカス型広角レンズも、実施の形態1に示したレンズと同様に、図示しない物体側から順に、負の屈折力を備えた第1レンズ群1、負の屈折力を備えた第2レンズ群2、正の屈折力を備えた第3レンズ群3、正の屈折力を備えた第4レンズ群4、正の屈折力を備えた第5レンズ群5が配置されて構成される。
【0050】
第1レンズ群1は、前記物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズ1aと、この凹メニスカスレンズ1aの像側面に貼り付けられた樹脂1bにより構成される。樹脂1bの像側面には、非球面が形成されている。第2レンズ群2は、前記物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズにより構成される。第3レンズ群3は、両凸レンズにより構成される。第4レンズ群4は、前記物体側に凸面を向けた負の屈折力を備えた凹メニスカスレンズ4aと正の屈折力を備えた両凸レンズ4bとが接合されて構成される。第5レンズ群5は、両凸レンズにより構成される。また、第3レンズ群3と第4レンズ群4との間には、絞り6が備えられている。第5レンズ群5の後方(図の右側)にはローパスフィルタや色フィルタなどから構成されるフィルタユニット7が配置される。
【0051】
以下、本実施の形態3のレトロフォーカス型広角レンズに関する各種数値データを示す。
【0052】
本実施の形態3のレトロフォーカス型広角レンズ全系の焦点距離f=3.3
Fナンバー=2.8
第1レンズ群1の焦点距離=−20.7
第2レンズ群2の焦点距離=−6.3
第3レンズ群3の焦点距離=8.1
第4レンズ群4の凹メニスカスレンズ4aの焦点距離=−4.7
第4レンズ群4の両凸レンズ4bの焦点距離=3.8
第5レンズ群5の焦点距離=16.0
第1レンズ群1〜第3レンズ群3からなる前群の合成焦点距離=5.7
第4レンズ群4および第5レンズ群5からなる後群の合成焦点距離=16.0
【0053】
【0054】
【0055】
また、図6は本実施の形態3のレトロフォーカス型広角レンズの収差図である。
【0056】
なお、上記数値データにおいて、r1,r2,・・・・は各レンズ、絞りまたはフィルタ面の曲率半径、d1,d2,・・・・は各レンズ、絞りまたはフィルタの肉厚またはそれらの面間隔、nd1,nd2,・・・・は各レンズのd線の屈折率、νd1,νd2,・・・・は各レンズのアッベ数を示している。
【0057】
また、上記各非球面形状は、光軸方向にX軸、光軸と垂直方向にY軸をとり、光の進行方向を正とするとき、以下に示す式により表される。
【0058】
【数1】
【0059】
ただし、rは近軸曲率半径、Kは円錐係数、A4,A6,A8,A10はそれぞれ4次,6次,8次,10次の非球面係数である。
【0060】
以上説明したように、本発明のレトロフォーカス型広角レンズは、5群6枚という少ないレンズ構成により十分なコンパクト化が達成されると共に、諸収差の発生を抑制できるという優れた光学性能を備えている。特に、小型の撮像素子に対応できる十分な長さの射出瞳位置を確保できる。また、∞〜10cmの結像性能の最適化を図り、最短撮影距離10cm(名刺サイズ)を実現した。したがって、本発明のレトロフォーカス型広角レンズは、小型で画素数の多い撮像素子にも十分対応可能であり、特に近年コンパクト化が著しいデジタルカメラやビデオカメラに最適である。
【0061】
以上、本発明の一実施形態を図面に沿って説明した。しかしながら本発明はこの実施の形態に示した事項に限定されず、特許請求の範囲の記載に基づいてその変更、改良等が可能である。
【0062】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、十分なコンパクト化が達成されると共に、高い光学性能を備えたレトロフォーカス型広角レンズを提供することができる。このレトロフォーカス型広角レンズは、特に小型で画素数の多い撮像素子を搭載したコンパクトなデジタルカメラやビデオカメラに最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のレトロフォーカス型広角レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。
【図2】実施の形態1のレトロフォーカス型広角レンズの収差図である。
【図3】実施の形態2のレトロフォーカス型広角レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。
【図4】実施の形態2のレトロフォーカス型広角レンズの収差図である。
【図5】実施の形態3のレトロフォーカス型広角レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。
【図6】実施の形態3のレトロフォーカス型広角レンズの収差図である。
【符号の説明】
1 第1レンズ群
1a,4a 凹メニスカスレンズ
1b 樹脂
2 第2レンズ群
3 第3レンズ群
4 第4レンズ群
4b 両凸レンズ
5 第5レンズ群
6 絞り
7 フィルタユニット
d d線
g g線
dS サジタル面でのd線に対する非点収差
dT メリジオナル面でのd線に対する非点収差
【発明の属する技術分野】
本発明は、高画質のデジタルカメラやビデオカメラなどに好適なレトロフォーカス型広角レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタルカメラやビデオカメラの普及が著しい。デジタルカメラやビデオカメラには、レトロフォーカス型広角レンズが用いられることが多い。特に、最近のデジタルカメラやビデオカメラのコンパクト化は著しく、これに伴い撮像面のサイズが小さいCCDなどの撮像素子が用いられることから、光学性能の優れたレトロフォーカス型広角レンズが必要になる。そこで、このようなデジタルカメラやビデオカメラに用いることが可能な種々のレトロフォーカス型広角レンズが提案されている(例えば、下記特許文献1,2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−293246号公報
【特許文献2】
特開2002−228925号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に記載されているレトロフォーカス型レンズは、テレセントリック特性を向上させた5枚のレンズからなるものである。しかし、十分な広角化が達成されたものとはいえず、デジタルカメラに用いるレンズとしては物足りない。また、一応のコンパクト化が図られてはいるものの、多画素の撮像素子が搭載されたデジタルカメラに用いる場合には、当該撮像素子の性能を引き出すための結像性能が得られない。
【0005】
また、前記特許文献2に記載されているレトロフォーカス型広角レンズは、5枚のレンズ構成で十分な広角化を達成すると共に撮像面のサイズが小さい撮像素子にも対応できるように結像性能も向上させている。しかしながら、このレトロフォーカス型広角レンズでは、より一層多画素化された撮像素子が用いられる傾向にある最近のデジタルカメラに要求される結像性能は期待できない。
【0006】
本発明は、上記のような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、小型、多画素化が進んだ撮像素子に対応可能な優れた光学性能を備えると共に、十分なコンパクト化を達成できるレトロフォーカス型広角レンズを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1にかかるレトロフォーカス型広角レンズは、物体側から順に、負の屈折力を備えた第1レンズ群、負の屈折力を備えた第2レンズ群、正の屈折力を備えた第3レンズ群、正の屈折力を備えた第4レンズ群、および正の屈折力を備えた第5レンズ群が配置されて構成され、以下に示す条件を満足することを特徴とする。
0.8<d23/d34<1.0
1.3<bf/f<1.8
0.9<bf/ls<1.1
ただし、d23は前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の空気間隔、d34は前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間の空気間隔、bfは前記第5レンズ群の最も像側面から像面までの空気換算での長さ、fは前記レトロフォーカス型広角レンズ全系の焦点距離、lsは像面の面サイズの対角長を示す。
【0008】
この請求項1に記載の発明によれば、十分なコンパクト化が達成されると共に、高い光学性能を備えたレトロフォーカス型広角レンズを提供することができる。このレトロフォーカス型広角レンズは、特に小型で画素数の多い撮像素子を搭載したコンパクトなデジタルカメラやビデオカメラに最適である。
【0009】
また、請求項2にかかるレトロフォーカス型広角レンズは、請求項1に記載の発明において、前記第3レンズ群の最も物体側面の曲率半径をr3F、前記第3レンズ群の最も像側面の曲率半径をr3B、前記第5レンズ群の最も物体側面の曲率半径をr5F、前記第5レンズ群の最も像側面の曲率半径をr5Bとするとき、以下に示す条件を満足することを特徴とする。
0.2<|r3F/r3B|<0.3
0.1<|r5F/r5B|<0.3
【0010】
この請求項2に記載の発明によれば、十分なコンパクト化が達成されると共に、より高い光学性能を備えたレトロフォーカス型広角レンズを提供することができる。このレトロフォーカス型広角レンズは、特に小型で画素数の多い撮像素子を搭載したコンパクトなデジタルカメラやビデオカメラに最適である。
【0011】
また、請求項3にかかるレトロフォーカス型広角レンズは、請求項1または2に記載の発明において、前記第1レンズ群は物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズにより構成され、前記第2レンズ群は物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズにより構成され、前記第3レンズ群は両凸レンズにより構成され、前記第4レンズ群は物体側に凸面を向けた負の屈折力を備えた凹メニスカスレンズと正の屈折力を備えた両凸レンズとが接合されて構成され、前記第5レンズ群は両凸レンズにより構成されていることを特徴とする。
【0012】
この請求項3に記載の発明によれば、5群6枚といった少ないレンズ構成でコンパクトなレトロフォーカス型広角レンズを提供することができる。
【0013】
また、請求項4にかかるレトロフォーカス型広角レンズは、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記第1レンズ群は少なくとも1面の非球面を備えていることを特徴とする。
【0014】
この請求項4に記載の発明によれば、歪曲収差を良好に補正することができる。
【0015】
また、請求項5にかかるレトロフォーカス型広角レンズは、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記第1レンズ群の最も像側面には樹脂が張り付けられ、該樹脂の像側面に非球面が形成されていることを特徴とする。
【0016】
この請求項5に記載の発明によれば、歪曲収差を良好に補正することができる。特に、前記第1レンズ群を構成するレンズが加工しにくいガラス材などで形成されている場合、容易に所望の面に非球面を形成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のレトロフォーカス型広角レンズは、物体側から順に、負の屈折力を備えた第1レンズ群、負の屈折力を備えた第2レンズ群、正の屈折力を備えた第3レンズ群、正の屈折力を備えた第4レンズ群、および正の屈折力を備えた第5レンズ群が配置されて構成される。
【0018】
第1レンズ群は、物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズにより構成される。第2レンズ群は、物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズにより構成される。第3レンズ群は、両凸レンズにより構成される。第4レンズ群は、物体側に凸面を向けた負の屈折力を備えた凹メニスカスレンズと正の屈折力を備えた両凸レンズとが接合されて構成される。第5レンズ群は、両凸レンズにより構成される。
【0019】
本発明は、コンパクトなデジタルカメラやビデオカメラなどに用いることができるレトロフォーカス型広角レンズを提供することを目的としている。このためには、レンズのコンパクト化はもとより、小型で画素数の多い撮像素子の性能に合った高い光学性能を備えることが必要になる。そこで、まず、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の空気間隔をd23、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間の空気間隔をd34とするとき、次の条件を満足することが好ましい。
【0020】
0.8<d23/d34<1.0 ・・・(1)
【0021】
この条件式(1)は前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の空気間隔と前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間の空気間隔の比を決定するための式である。d23/d34の値が0.8以下になると、レトロフォーカス型広角レンズのバックフォーカスの確保が不十分になる。この値で、無理に必要なバックフォーカスを確保しようとすると、前記第1レンズ群および前記第2レンズ群の屈折力を強くしなければならず、収差補正が困難になる。一方、d23/d34の値が1.0以上になると、前記第1レンズ群の物体側面のレンズ頂点から像面(撮像素子)までの長さが長くなり、レトロフォーカス型広角レンズのコンパクト化が達成できない。
【0022】
さらに、前記第5レンズ群の最も像側面から像面までの空気換算での長さをbf、本発明のレトロフォーカス型広角レンズ全系の焦点距離をfとするとき、次の条件を満足することが好ましい。
【0023】
1.3<bf/f<1.8 ・・・(2)
【0024】
この条件式(2)は、本発明のレトロフォーカス型広角レンズのバックフォーカスとレンズ全系の焦点距離との比を決定するための式である。bf/fの値が1.3以下になると、レトロフォーカス型広角レンズのバックフォーカスが短くなり、ローパスフィルタなどのフィルタ類を配置するスペースを確保することが困難になる。一方、bf/fの値が1.8以上になると、レトロフォーカス型広角レンズの全長が長くなり、十分なコンパクト化の達成ができない。加えて、第1レンズ群および第2レンズ群の屈折力を強くしなければならず、収差補正が困難になる。
【0025】
さらに、像面の面サイズの対角長をlsとするとき、次の条件を満足することが好ましい。
【0026】
0.9<bf/ls<1.1 ・・・(3)
【0027】
この条件式(3)は、本発明のレトロフォーカス型広角レンズのバックフォーカスと像面の面サイズの対角長との比を決定するための式である。bf/lsの値が0.9以下になると、レトロフォーカス型広角レンズにおける十分なバックフォーカスの確保が困難になるか、もしくは画角が大きくなりすぎて像面周辺部の性能確保が困難になる。一方、bf/lsの値が1.1以上になると、レトロフォーカス型広角レンズのバックフォーカスが長くなり、十分なコンパクト化を達成できなくなる。
【0028】
また、本発明のレトロフォーカス型広角レンズでは、前記第3レンズ群の最も物体側面の曲率半径をr3F、前記第3レンズ群の最も像側面の曲率半径をr3Bとするとき、次の条件を満足することが好ましい。
【0029】
0.2<|r3F/r3B|<0.3 ・・・(4)
【0030】
この条件式(4)は、前記第3レンズ群における最も物体側面の曲率半径と最も像側面の曲率半径との比を決定するための式である。|r3F/r3B|の値が0.2以下になると、前記第3レンズ群の最も物体側面の屈折効果が大きくなりすぎ、球面収差がアンダー補正になる。この結果、歪曲収差の負変位が大きく残存することになって好ましくない。一方、|r3F/r3B|の値が0.3以上になると、像面湾曲が負変位して補正が困難になる。
【0031】
さらに、本発明のレトロフォーカス型広角レンズでは、前記第5レンズ群の最も物体側面の曲率半径をr5F、前記第5レンズ群の最も像側面の曲率半径をr5Bとするとき、次の条件を満足することが好ましい。
【0032】
0.1<|r5F/r5B|<0.3 ・・・(5)
【0033】
この条件式(5)は、前記第5レンズ群における最も物体側面の曲率半径と最も像側面の曲率半径との比を決定するための式である。|r5F/r5B|の値が0.1以下になると、レトロフォーカス型広角レンズにおける正の屈折力が物体側に移動するため、歪曲収差の負変位が大きくなる。加えて、レトロフォーカス型広角レンズの全長が長くなり、レンズのコンパクト化が達成できなくなる。一方、|r5F/r5B|の値が0.3以上になると、球面収差が負変位する一方で歪曲収差が正変位するため、好ましくない。
【0034】
さらに、本発明のレトロフォーカス型広角レンズでは、前記第1レンズ群は少なくとも1面の非球面を備えている。このため、歪曲収差を良好に補正することができる。なお、前記第1レンズ群を構成するレンズが加工しにくいガラス材などで形成されている場合、当該レンズに樹脂を張り付け、この樹脂面に非球面を形成するとよい。
【0035】
次に、本発明の各実施の形態を説明する。
【0036】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1にかかるレトロフォーカス型広角レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このレトロフォーカス型広角レンズは、図示しない物体側から順に、負の屈折力を備えた第1レンズ群1、負の屈折力を備えた第2レンズ群2、正の屈折力を備えた第3レンズ群3、正の屈折力を備えた第4レンズ群4、正の屈折力を備えた第5レンズ群5が配置されて構成される。第1レンズ群1は、前記物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズ1aと、この凹メニスカスレンズ1aの像側面に貼り付けられた樹脂1bにより構成される。樹脂1bの像側面には、非球面が形成されている。第2レンズ群2は、前記物体側に凸面を向けたメニスカスレンズにより構成される。第3レンズ群3は、両凸レンズにより構成される。第4レンズ群4は、前記物体側に凸面を向けた負の屈折力を備えた凹メニスカスレンズ4aと正の屈折力を備えた両凸レンズ4bとが接合されて構成される。第5レンズ群5は、両凸レンズにより構成される。また、第3レンズ群3と第4レンズ群4との間には、絞り6が備えられている。第5レンズ群5の後方(図の右側)にはローパスフィルタや色フィルタなどのフィルタから構成されるフィルタユニット7が配置される。
【0037】
以下、本実施の形態1のレトロフォーカス型広角レンズに関する各種数値データを示す。
【0038】
本実施の形態1のレトロフォーカス型広角レンズ全系の焦点距離f=3.3
Fナンバー=2.8
第1レンズ群1の焦点距離=−23.0
第2レンズ群2の焦点距離=−6.4
第3レンズ群3の焦点距離=7.9
第4レンズ群4の凹メニスカスレンズ4aの焦点距離=−4.25
第4レンズ群4の両凸レンズ4bの焦点距離=3.8
第5レンズ群5の焦点距離=11.9
第1レンズ群1〜第3レンズ群3からなる前群の合成焦点距離=7.2
第4レンズ群4および第5レンズ群5からなる後群の合成焦点距離=11.9
【0039】
【0040】
【0041】
また、図2は本実施の形態1のレトロフォーカス型広角レンズの収差図である。
【0042】
(実施の形態2)
図3は、本実施の形態2にかかるレトロフォーカス型広角レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このレトロフォーカス型広角レンズも実施の形態1に示したレンズと同様に、図示しない物体側から順に、負の屈折力を備えた第1レンズ群1、負の屈折力を備えた第2レンズ群2、正の屈折力を備えた第3レンズ群3、正の屈折力を備えた第4レンズ群4、正の屈折力を備えた第5レンズ群5が配置されて構成される。
【0043】
第1レンズ群1は、前記物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズ1aと、この凹メニスカスレンズ1aの像側面に貼り付けられた樹脂1bにより構成される。樹脂1bの像側面には、非球面が形成されている。第2レンズ群2は、前記物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズにより構成される。第3レンズ群3は、両凸レンズにより構成される。第4レンズ群4は、前記物体側に凸面を向けた負の屈折力を備えた凹メニスカスレンズ4aと正の屈折力を備えた両凸レンズ4bとが接合されて構成される。第5レンズ群5は、両凸レンズにより構成される。また、第3レンズ群3と第4レンズ群4との間には、絞り6が備えられている。第5レンズ群5の後方(図の右側)にはローパスフィルタや色フィルタなどのフィルタから構成されるフィルタユニット7が配置される。
【0044】
以下、本実施の形態2のレトロフォーカス型広角レンズに関する各種数値データを示す。
【0045】
本実施の形態2のレトロフォーカス型広角レンズ全系の焦点距離f=3.3
Fナンバー=2.8
第1レンズ群1の焦点距離=−22.5
第2レンズ群2の焦点距離=−6.1
第3レンズ群3の焦点距離=7.9
第4レンズ群4の凹メニスカスレンズ4aの焦点距離=−4.6
第4レンズ群4の両凸レンズ4bの焦点距離=3.8
第5レンズ群5の焦点距離=14.8
第1レンズ群1〜第3レンズ群3からなる前群の合成焦点距離=6.1
第4レンズ群4および第5レンズ群5からなる後群の合成焦点距離=14.8
【0046】
【0047】
【0048】
また、図4は本実施の形態2のレトロフォーカス型広角レンズの収差図である。
【0049】
(実施の形態3)
図5は、本実施の形態3にかかるレトロフォーカス型広角レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このレトロフォーカス型広角レンズも、実施の形態1に示したレンズと同様に、図示しない物体側から順に、負の屈折力を備えた第1レンズ群1、負の屈折力を備えた第2レンズ群2、正の屈折力を備えた第3レンズ群3、正の屈折力を備えた第4レンズ群4、正の屈折力を備えた第5レンズ群5が配置されて構成される。
【0050】
第1レンズ群1は、前記物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズ1aと、この凹メニスカスレンズ1aの像側面に貼り付けられた樹脂1bにより構成される。樹脂1bの像側面には、非球面が形成されている。第2レンズ群2は、前記物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズにより構成される。第3レンズ群3は、両凸レンズにより構成される。第4レンズ群4は、前記物体側に凸面を向けた負の屈折力を備えた凹メニスカスレンズ4aと正の屈折力を備えた両凸レンズ4bとが接合されて構成される。第5レンズ群5は、両凸レンズにより構成される。また、第3レンズ群3と第4レンズ群4との間には、絞り6が備えられている。第5レンズ群5の後方(図の右側)にはローパスフィルタや色フィルタなどから構成されるフィルタユニット7が配置される。
【0051】
以下、本実施の形態3のレトロフォーカス型広角レンズに関する各種数値データを示す。
【0052】
本実施の形態3のレトロフォーカス型広角レンズ全系の焦点距離f=3.3
Fナンバー=2.8
第1レンズ群1の焦点距離=−20.7
第2レンズ群2の焦点距離=−6.3
第3レンズ群3の焦点距離=8.1
第4レンズ群4の凹メニスカスレンズ4aの焦点距離=−4.7
第4レンズ群4の両凸レンズ4bの焦点距離=3.8
第5レンズ群5の焦点距離=16.0
第1レンズ群1〜第3レンズ群3からなる前群の合成焦点距離=5.7
第4レンズ群4および第5レンズ群5からなる後群の合成焦点距離=16.0
【0053】
【0054】
【0055】
また、図6は本実施の形態3のレトロフォーカス型広角レンズの収差図である。
【0056】
なお、上記数値データにおいて、r1,r2,・・・・は各レンズ、絞りまたはフィルタ面の曲率半径、d1,d2,・・・・は各レンズ、絞りまたはフィルタの肉厚またはそれらの面間隔、nd1,nd2,・・・・は各レンズのd線の屈折率、νd1,νd2,・・・・は各レンズのアッベ数を示している。
【0057】
また、上記各非球面形状は、光軸方向にX軸、光軸と垂直方向にY軸をとり、光の進行方向を正とするとき、以下に示す式により表される。
【0058】
【数1】
【0059】
ただし、rは近軸曲率半径、Kは円錐係数、A4,A6,A8,A10はそれぞれ4次,6次,8次,10次の非球面係数である。
【0060】
以上説明したように、本発明のレトロフォーカス型広角レンズは、5群6枚という少ないレンズ構成により十分なコンパクト化が達成されると共に、諸収差の発生を抑制できるという優れた光学性能を備えている。特に、小型の撮像素子に対応できる十分な長さの射出瞳位置を確保できる。また、∞〜10cmの結像性能の最適化を図り、最短撮影距離10cm(名刺サイズ)を実現した。したがって、本発明のレトロフォーカス型広角レンズは、小型で画素数の多い撮像素子にも十分対応可能であり、特に近年コンパクト化が著しいデジタルカメラやビデオカメラに最適である。
【0061】
以上、本発明の一実施形態を図面に沿って説明した。しかしながら本発明はこの実施の形態に示した事項に限定されず、特許請求の範囲の記載に基づいてその変更、改良等が可能である。
【0062】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、十分なコンパクト化が達成されると共に、高い光学性能を備えたレトロフォーカス型広角レンズを提供することができる。このレトロフォーカス型広角レンズは、特に小型で画素数の多い撮像素子を搭載したコンパクトなデジタルカメラやビデオカメラに最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のレトロフォーカス型広角レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。
【図2】実施の形態1のレトロフォーカス型広角レンズの収差図である。
【図3】実施の形態2のレトロフォーカス型広角レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。
【図4】実施の形態2のレトロフォーカス型広角レンズの収差図である。
【図5】実施の形態3のレトロフォーカス型広角レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。
【図6】実施の形態3のレトロフォーカス型広角レンズの収差図である。
【符号の説明】
1 第1レンズ群
1a,4a 凹メニスカスレンズ
1b 樹脂
2 第2レンズ群
3 第3レンズ群
4 第4レンズ群
4b 両凸レンズ
5 第5レンズ群
6 絞り
7 フィルタユニット
d d線
g g線
dS サジタル面でのd線に対する非点収差
dT メリジオナル面でのd線に対する非点収差
Claims (5)
- 物体側から順に、負の屈折力を備えた第1レンズ群、負の屈折力を備えた第2レンズ群、正の屈折力を備えた第3レンズ群、正の屈折力を備えた第4レンズ群、および正の屈折力を備えた第5レンズ群が配置されて構成され、以下に示す条件を満足することを特徴とするレトロフォーカス型広角レンズ。
0.8<d23/d34<1.0
1.3<bf/f<1.8
0.9<bf/ls<1.1
ただし、d23は前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の空気間隔、d34は前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間の空気間隔、bfは前記第5レンズ群の最も像側面から像面までの空気換算での長さ、fは前記レトロフォーカス型広角レンズ全系の焦点距離、lsは像面の面サイズの対角長を示す。 - 前記第3レンズ群の最も物体側面の曲率半径をr3F、前記第3レンズ群の最も像側面の曲率半径をr3B、前記第5レンズ群の最も物体側面の曲率半径をr5F、前記第5レンズ群の最も像側面の曲率半径をr5Bとするとき、以下に示す条件を満足することを特徴とする請求項1に記載のレトロフォーカス型広角レンズ。
0.2<|r3F/r3B|<0.3
0.1<|r5F/r5B|<0.3 - 前記第1レンズ群は物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズにより構成され、前記第2レンズ群は物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズにより構成され、前記第3レンズ群は両凸レンズにより構成され、前記第4レンズ群は物体側に凸面を向けた負の屈折力を備えた凹メニスカスレンズと正の屈折力を備えた両凸レンズとが接合されて構成され、前記第5レンズ群は両凸レンズにより構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のレトロフォーカス型広角レンズ。
- 前記第1レンズ群は少なくとも1面の非球面を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のレトロフォーカス型広角レンズ。
- 前記第1レンズ群の最も像側面には樹脂が張り付けられ、該樹脂の像側面に非球面が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のレトロフォーカス型広角レンズ。
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