JP6684033B2 - 撮像レンズ - Google Patents

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Description

本発明は、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子上に被写体像を形成する撮像レンズに係り、車載カメラ、スマートフォン、携帯電話機、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ネットワークカメラ、TV会議用カメラ、ファイバースコープ、カプセル内視鏡等の比較的小型のカメラへの組み込みが好適な撮像レンズに関するものである。
安全性や利便性の向上を目的として一部の車両には複数のカメラが搭載されている。例えば、車両の安全な後退をサポートするためのカメラとしてバックカメラがある。バックカメラが搭載された車両では、車両後退の際に車両後方の状況がモニタ上に映し出される。運転者は車両の影で見えない障害物等であってもモニタを通して目視することができるため、障害物等に接触することなく安全に車両を後退させることができる。こうした車両に搭載されるカメラ、いわゆる車載カメラは今後も需要の増加が見込まれている。
車載カメラは、車両のバックドア、フロントグリル、サイドミラー、車両室内等の比較的狭いスペースに搭載される。このため、車載カメラに内蔵される撮像レンズには、撮像素子の高画素化に伴う高解像度への対応や、広い撮影範囲に対応するための広角化はもとより、限られたスペースに搭載するための小型化が強く求められる。しかしながら、撮像レンズの小型化に伴って一枚一枚のレンズの屈折力が強くなるため、諸収差の良好な補正が困難になる。撮像レンズの実際の設計に当たっては、諸収差の良好な補正、撮影画角の広角化、および小型化等の複数の課題をバランスよく達成することが重要になる。
一方、音声通話主体の携帯電話機に代わり、音声通話機能に加えて様々なアプリケーションソフトウェアの実行を可能とする多機能携帯電話機、いわゆるスマートフォン(smartphone)が普及している。スマートフォンの製品ラインナップはビギナーモデルからハイエンドモデルまでと幅広く、ハードウェアの性能やカメラの光学性能等によって分類されることが多い。このうちハイエンドモデルの中には、2台の撮像レンズを搭載することにより新たな付加価値の創出を狙ったモデルがある。例えば、従来の一般的な画角の撮像レンズに加えて広角の撮像レンズが搭載されたモデルでは、これら撮像レンズからの画像がソフトウェア処理によって合成されて、スムーズなズームインやズームアウトが実現される。こうした用途に使用される撮像レンズに対しては、撮像レンズのより一層の小型化とともに、諸収差の良好な補正や広角化が上記車載カメラの撮像レンズと同様に求められる。
撮影画角の広い広角の撮像レンズとしては、例えば特許文献1に記載の撮像レンズが知られている。当該撮像レンズは物体側から順に、像面側に凹面を有する負の第1レンズと、物体側に凹面を向けたメニスカスレンズの第2レンズと、光軸近傍で両凸形状を有する正の第3レンズと、絞りと、負の第4レンズと、正の第5レンズと、少なくとも一面が非球面形状の第6レンズとから構成される。広角の撮像レンズにあっては、第1レンズの外形が大きくなる傾向にある。この点、特許文献1に記載の撮像レンズによれば、広角でありながらも第1レンズの大型化が抑制され、像面湾曲の良好な補正が図られる。
特開2017−037119号公報
上記特許文献1に記載の撮像レンズはレンズ枚数が6枚と少ないながらも撮影画角が広く、加えて比較的良好に収差が補正される。しかしながら、焦点距離に対してレンズ系の全長が長いため、近年の小型化への要求を満足するものではなく、撮像レンズの小型化と良好な収差補正との両立を図ることが困難であった。なお、こうした問題は車載カメラやスマートフォンに搭載される撮像レンズに限ったものではなく、携帯電話機、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ネットワークカメラ、TV会議用カメラ、ファイバースコープ、およびカプセル内視鏡等の比較的小型のカメラに搭載される撮像レンズにおいて共通の問題である。
本発明は上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型でありながらも撮影画角が広く、諸収差を良好に補正することのできる撮像レンズを提供することにある。
本発明の撮像レンズは物体側から像面側に向かって順に、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、負の屈折力を有する第4レンズと、第5レンズと、負の屈折力を有する第6レンズとから構成され、第4レンズと第5レンズとは対向して配置され、第4レンズはその像面側の面が周辺部において凹形状に形成されており、第5レンズはその物体側の面が周辺部において凹形状に形成される。
撮像レンズの広角化では像面湾曲や歪曲収差の補正が特に重要になる。本発明に係る撮像レンズでは、物体側から順に4枚のレンズの屈折力配列が「負正正負」となっており、バランスのよい屈折力の配列となっている。このため、第1レンズで発生した諸収差は正の屈折力を有する2枚のレンズと負の屈折力を有する第4レンズとによって好適に補正される。また、本発明の撮像レンズの第4レンズはその像面側の面が周辺部において凹形状となる形状であり、当該第4レンズと対向して配置される第5レンズは、その物体側の面が周辺部において凹形状となる形状である。第4レンズおよび第5レンズのこのような形状により、撮像レンズの小型化が図られるとともに像面湾曲および歪曲収差が良好に補正される。
上記構成の撮像レンズは、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、および第4レンズの合成焦点距離をF1としたとき、次の条件式(1)を満足することが望ましい。
0<F1 (1)
条件式(1)は撮像レンズの小型化を図りつつ、非点収差、歪曲収差、および色収差を良好に補正するための条件である。合成焦点距離F1の値が条件式(1)から外れて負になると、第5レンズおよび第6レンズの合成屈折力が正となってその屈折力が強くなるため、撮像レンズの小型化が困難になる。また、歪曲収差が負方向に増大するとともに非点隔差が増大する。軸上色収差は補正過剰(基準波長の焦点位置に対して短波長の焦点位置が像面側に移動)になり、倍率色収差は補正不足(基準波長の結像点に対して短波長の結像点が光軸に近づく方向に移動)となる。このため、良好な結像性能を得ることが困難になる。
上記構成の撮像レンズは、第5レンズおよび第6レンズの合成焦点距離をF2としたとき、次の条件式(2)を満足することが望ましい。
F2<0 (2)
条件式(2)は撮像レンズの小型化を図りつつ、非点収差および歪曲収差を良好に補正するための条件である。合成焦点距離F2の値が条件式(2)から外れると、歪曲収差の補正には有利となるものの撮像レンズの小型化が困難になる。また、非点収差のサジタル像面が物体側に湾曲して非点隔差が増大するとともに像面湾曲の補正が困難になるため、良好な結像性能を得ることが困難になる。
上記構成の撮像レンズでは、第1レンズと第2レンズとの間に開口絞りが配置されることが望ましい。なお、本明細書において第1レンズと第2レンズとの間とは、第1レンズの物体側の面の頂点接平面から第2レンズの像面側の面の頂点接平面までの間のことを指す。開口絞りをこのような位置に配置することにより、撮像レンズから出射した光線の撮像素子の像面への入射角度が主光線角度(CRA:Chief Ray Angle)の範囲内に好適に抑制されるとともに諸収差が良好に補正される。
上記構成の撮像レンズは、レンズ系全体の焦点距離をf、第1レンズと第2レンズとの間の光軸上の距離をD12としたとき、次の条件式(3)を満足することが望ましい。
0.05<D12/f<0.8 (3)
条件式(3)は、色収差、像面湾曲、および非点収差を良好に補正するための条件である。上限値「0.8」を超えると、倍率色収差の補正には有効になるものの、非点収差のサジタル像面が像面側に湾曲して非点隔差が増大する。また、結像面が像面側に湾曲して像面湾曲が補正過剰になる。一方、下限値「0.05」を下回ると、倍率色収差が補正過剰(基準波長の結像点に対して短波長の結像点が光軸から遠ざかる方向に移動)になるとともに、非点収差のサジタル像面が物体側に湾曲して非点隔差が増大する。また、結像面が物体側に湾曲して像面湾曲が補正不足になる。よって、いずれの場合も良好な結像性能を得ることが困難になる。
上記構成の撮像レンズは、レンズ系全体の焦点距離をf、第2レンズと第3レンズとの間の光軸上の距離をD23としたとき、次の条件式(4)を満足することが望ましい。
0.001<D23/f<0.3 (4)
条件式(4)は、色収差、像面湾曲、および非点収差を良好に補正するための条件である。上限値「0.3」を超えると、倍率色収差が補正過剰になるとともに、非点収差のサジタル像面が像面側に湾曲して非点隔差が増大する。また、像面湾曲が補正過剰になるため良好な結像性能を得ることが困難になる。一方、下限値「0.001」を下回ると、軸上色収差が補正過剰になるとともに非点隔差が増大するため、この場合も良好な結像性能を得ることが困難になる。
上記構成の撮像レンズは、第1レンズと第2レンズとの間の光軸上の距離をD12、第2レンズと第3レンズとの間の光軸上の距離をD23としたとき、次の条件式(5)を満足することが望ましい。
2<D12/D23<30 (5)
条件式(5)は撮像レンズの小型化を図りつつ、歪曲収差、像面湾曲、および非点収差を良好に補正するための条件である。上限値「30」を超えると、撮像レンズの小型化が困難になるとともに歪曲収差が負方向に増大する。また、非点収差のサジタル像面が像面側に湾曲して非点隔差が増大する。像面湾曲については補正過剰になる。一方、下限値「2」を下回ると、非点収差のサジタル像面が物体側に湾曲して非点隔差が増大する。したがって、いずれの場合も良好な結像性能を得ることが困難になる。
上記構成の撮像レンズは、第2レンズの焦点距離をf2、第3レンズの焦点距離をf3としたとき、次の条件式(6)を満足することが望ましい。
0.5<f2/f3<3 (6)
条件式(6)は撮像レンズの小型化を図りつつ、非点収差および像面湾曲を良好に補正するための条件である。上限値「3」を超えると、撮像レンズの小型化が困難になる。また、非点収差のサジタル像面が像面側に湾曲して非点隔差が増大するとともに像面湾曲が補正過剰になり、良好な結像性能を得ることが困難になる。一方、下限値「0.5」を下回ると、撮像レンズの小型化には有利となる。しかし、非点隔差が増大するとともに像面湾曲が補正不足になるため、良好な結像性能を得ることが困難になる。
上記構成の撮像レンズは、レンズ系全体の焦点距離をf、第2レンズおよび第3レンズの合成焦点距離をf23としたとき、次の条件式(7)を満足することが望ましい。
0.2<f23/f<1 (7)
条件式(7)は、撮像レンズから出射した光線の像面への入射角度をCRAの範囲内に好適に抑制しつつ、色収差、非点収差、歪曲収差、および像面湾曲を良好に補正するための条件である。上限値「1」を超えると、色収差の補正には有利になるものの歪曲収差が負方向に増大する。また、非点収差のサジタル像面が物体側に湾曲して非点隔差が増大する。一方、下限値「0.2」を下回ると、軸上色収差および倍率色収差が共に補正過剰となる。また、非点収差のサジタル像面が像面側に湾曲して非点隔差が増大するとともに像面湾曲が補正過剰になる。よって、いずれの場合も良好な結像性能を得ることが困難になる。
上記構成の撮像レンズは、諸収差をより良好に補正するために次の条件式(7A)を満足することが望ましい。
0.2<f23/f<0.8 (7A)
上記構成の撮像レンズは、第1レンズのアッベ数をν1、第2レンズのアッベ数をν2、第3レンズのアッベ数をν3としたとき、次の条件式(8)〜(10)を満足することが望ましい。
40<ν1<75 (8)
40<ν2<75 (9)
40<ν3<75 (10)
条件式(8)〜(10)は色収差を良好に補正するための条件である。物体側から3枚のレンズを低分散の材料で形成することにより、撮像レンズにおける色収差の発生が好適に抑制される。上限値「75」を超えると、軸上色収差の補正には有利となるものの倍率色収差が補正過剰になり、良好な結像性能を得ることが困難になる。一方、下限値「40」を下回ると、倍率色収差の補正には有利となるものの軸上色収差が補正過剰になり、この場合も良好な結像性能を得ることが困難になる。
上記構成の撮像レンズは、レンズ系全体の焦点距離をf、第4レンズの焦点距離をf4としたとき、次の条件式(11)を満足することが望ましい。
−4<f4/f<−0.4 (11)
条件式(11)は、撮像レンズから出射した光線の像面への入射角度をCRAの範囲内に好適に抑制しつつ、色収差、非点収差、および像面湾曲を良好に補正するための条件である。上限値「−0.4」を超えると、撮像レンズから出射した光線の像面への入射角度をCRAの範囲内に抑制することが困難になる。また、軸上色収差および倍率色収差が共に補正過剰になるとともに、非点収差のサジタル像面が像面側に湾曲して非点隔差が増大する。一方、下限値「−4」を下回ると、上記光線の像面への入射角度をCRAの範囲内に抑制し易くなるものの、非点収差のサジタル像面が物体側に湾曲して非点隔差が増大する。いずれの場合も良好な結像性能を得ることが困難になる。
上記構成の撮像レンズにおいて第5レンズは、物体側の面および像面側の面の両面が変曲点を有する非球面形状に形成されることが望ましい。第5レンズのこのような形状により、撮像レンズから出射した光線の像面への入射角度はCRAの範囲内に好適に抑制されることになる。
上記構成の撮像レンズにおいて第6レンズの像面側の面は、変曲点を有する非球面形状に形成されることが望ましい。第6レンズのこのような形状によれば、撮像レンズから出射した光線の像面への入射角度はCRAの範囲内により好適に抑制される。
上記構成の撮像レンズは、レンズ系全体の焦点距離をf、第4レンズと第5レンズとの間の光軸上の距離をD45としたとき、次の条件式(12)を満足することが望ましい。
0.15<D45/f<0.4 (12)
条件式(12)は撮像レンズの小型化を図りつつ、色収差および非点収差を良好に補正するための条件である。また、条件式(12)は、撮像レンズから出射した光線の像面への入射角度をCRAの範囲内に好適に抑制するための条件でもある。上限値「0.4」を超えると、撮像レンズから出射した光線の像面への入射角度をCRAの範囲内に抑制し易くなるものの非点隔差が増大する。また、倍率色収差が補正過剰になり、良好な結像性能を得ることが困難になる。一方、下限値「0.15」を下回ると、撮像レンズの小型化には有利になるものの、上記光線の入射角度をCRAの範囲内に抑制することが困難になる。また、非点隔差および軸上色収差が増大するため、良好な結像性能を得ることが困難になる。
上記構成の撮像レンズは、第4レンズと第5レンズとの間の光軸上の距離をD45、第1レンズの物体側の面から第6レンズの像面側の面までの光軸上の距離をL16としたとき、次の条件式(13)を満足することが望ましい。
0.05<D45/L16<0.25 (13)
条件式(13)は撮像レンズの小型化を図りつつ、色収差および非点収差をより良好に補正するための条件である。また、条件式(13)は、撮像レンズから出射した光線の像面への入射角度をCRAの範囲内に好適に抑制するための条件でもある。上限値「0.25」を超えると、撮像レンズから出射した光線の像面への入射角度をCRAの範囲内に抑制し易くなるものの非点隔差が増大する。また、倍率色収差が補正過剰となり、良好な結像性能を得ることが困難になる。一方、下限値「0.05」を下回ると、撮像レンズの小型化には有利になるものの、上記光線の入射角度をCRAの範囲内に抑制することが困難になる。また、非点隔差および軸上色収差が増大するため、良好な結像性能を得ることが困難になる。
上記構成の撮像レンズは、第4レンズの像面側の面の有効径をφ4B、第5レンズの物体側の面の有効径をφ5Aとしたとき、次の条件式(14)を満足することが望ましい。
1<φ5A/φ4B<2 (14)
条件式(14)は撮像レンズの小型化および広角化を図りつつ、撮像レンズから出射した光線の像面への入射角度をCRAの範囲内に好適に抑制するための条件である。上限値「2」を超えると、有効径φ4Bと有効径φ5Aとの差が大きくなり、撮像レンズから出射した光線の像面への入射角度が大きくなり、当該入射角度をCRAの範囲内に抑制することが困難になる。一方、下限値「1」を下回ると、上記入射角度をCRAの範囲内に抑制し易くなるものの、撮像レンズの小型化および広角化を図ることが困難になる。
上記構成の撮像レンズは、レンズ系全体の焦点距離をf、第6レンズの焦点距離をf6としたとき、次の条件式(15)を満足することが望ましい。
−5<f6/f<−0.5 (15)
条件式(15)は撮像レンズの小型化を図りつつ非点収差および歪曲収差を良好に補正するための条件である。また、条件式(15)は、撮像レンズから出射した光線の像面への入射角度をCRAの範囲内に好適に抑制するための条件でもある。上限値「−0.5」を超えると、撮像レンズの小型化には有利となるものの、非点隔差が増大するため良好な結像性能を得ることが困難になる。一方、下限値「−5」を下回ると、撮像レンズから出射した光線の像面への入射角度をCRAの範囲内に抑制し易くなる。しかし、非点収差のサジタル像面が物体側に湾曲して非点隔差が増大するため、良好な結像性能を得ることが困難になる。
上記構成の撮像レンズは、第6レンズのアッベ数をν6としたとき、次の条件式(16)を満足することが望ましい。
10<ν6<40 (16)
条件式(16)は色収差を良好に補正するための条件である。上限値「40」を超えると、軸上色収差を補正し易くなるものの、倍率色収差が補正過剰になり、良好な結像性能を得ることが困難になる。一方、下限値「10」を下回ると、軸上色収差が補正過剰になるとともに倍率色収差が増大する。このため良好な結像性能を得ることが困難になる。
上記構成の撮像レンズは、第1レンズと第2レンズとの間の光軸上の距離をD12、第5レンズと第6レンズとの間の光軸上の距離をD56としたとき、次の条件式(17)を満足することが望ましい。
D56<D12 (17)
条件式(17)は撮像レンズの小型化を図りつつ非点収差を良好に補正するための条件である。条件式(17)を外れると、撮像レンズの小型化には有利となる。しかし、非点収差のサジタル像面が物体側に湾曲して非点隔差が増大するとともに像面湾曲が補正不足になる。したがって、良好な結像性能を得ることが困難になる。
上記構成の撮像レンズは、レンズ系全体の焦点距離をf、第5レンズと第6レンズとの間の光軸上の距離をD56としたとき、次の条件式(18)を満足することが望ましい。
0.03<D56/f<0.3 (18)
条件式(18)は非点収差および倍率色収差を良好に補正するための条件である。上限値「0.3」を超えると、非点収差の補正には有利となるものの倍率色収差が増大する。一方、下限値「0.03」を下回ると、倍率色収差の補正には有利になるものの結像面の周辺部で非点収差が増大する。いずれの場合も良好な結像性能を得ることが困難になる。
上記構成の撮像レンズは、第5レンズの光軸上の厚さをT5、第6レンズの光軸上の厚さをT6としたとき、次の条件式(19)を満足することが望ましい。
0.5<T5/T6<3.5 (19)
条件式(19)は像面湾曲および非点収差を良好に補正するための条件である。上限値「3.5」を超えると、像面湾曲が補正過剰になる。また、非点収差のうちサジタル像面が像面側に倒れて非点隔差が増大する。一方、下限値「0.5」を下回ると、像面湾曲が補正不足になるとともに非点収差が増大する。したがって、いずれの場合も良好な結像性能を得ることが困難になる。
上記構成の撮像レンズは、第1レンズの物体側の面の有効径をφ1A、第6レンズの像面側の面の有効径をφ6Bとしたとき、次の条件式(20)を満足することが望ましい。
φ1A<φ6B (20)
最も物体側に配置された第1レンズの物体側の面は、水等の液体に晒される等、過酷な環境下に置かれることがある。従来の広角の撮像レンズでは一般的に第1レンズが大きく、例えば車載カメラとして車両に取り付けられる際には、その第1レンズの大きさが問題になることがある。また、こうした第1レンズの物体側の面には耐環境性を得るために光学薄膜が成膜されることが多い。条件式(20)を満足することにより、広角の撮像レンズでありながらも、周囲環境と接する第1レンズの露出面積を小さくすることができる。第1レンズの直径が小さくなることにより、上記光学薄膜に要するコストも抑制され、ひいては撮像レンズの製造コストが好適に抑制される。
上記構成の撮像レンズは、第1レンズの物体側の面から像面までの光軸上の距離をLa、像面の最大像高をHmaxとしたとき、次の条件式(21)を満足することが望ましい。
0.4<La/Hmax<1.8 (21)
薄型のスマートフォン等に内蔵される撮像レンズにおいては、限られたスペース内に撮像レンズを収納する必要があることから、撮像レンズの全長について厳しい制約が課される。また、撮像レンズの広角化に伴い、単に小型であるだけでなく、像面の大きさに対する撮像レンズの全長の比を如何に小さくするか、すなわち如何に低背化するかが重要な要素になりつつある。上記条件式(21)を満足することにより、撮像レンズの低背化が好適に図られる。なお、撮像レンズと像面との間には通常、赤外線カットフィルターやカバーガラス等の挿入物が配置されることが多いが、本明細書ではこれら挿入物の光軸上の距離については空気換算長を用いている。
本発明の撮像レンズにおいては、第1レンズから第6レンズまでの各レンズが、空気間隔を隔てて配列されることが望ましい。各レンズが空気間隔を隔てて配列されることにより、本発明の撮像レンズは接合レンズを一枚も含まないレンズ構成になる。このようなレンズ構成では、撮像レンズを構成する6枚のレンズの全てをプラスチック材料から形成することが容易になるため、撮像レンズの製造コストを好適に抑制することが可能となる。
ところで、カメラの性能向上を目的として高画素の撮像素子が撮像レンズと組み合わせられることが多くなってきた。こうした高画素の撮像素子では各画素の受光面積が減少するため、撮影した画像が暗くなる傾向にある。これを補正するための方法として、電気回路を用いて撮像素子の受光感度を向上させる方法がある。しかし、受光感度が上がると画像の形成に直接寄与しないノイズ成分も増幅されてしまうため、新たにノイズ低減のための回路が必要になる。そこで、電気回路等を設けなくても十分に明るい画像を得るために、上記構成の撮像レンズにおいては、レンズ系全体の焦点距離をf、撮像レンズの入射瞳径をDepとしたとき、次の条件式(22)を満足することが望ましい。
f/Dep<2.5 (22)
本発明の撮像レンズは、画角を2ωとしたとき、100°≦2ωを満足することが望ましい。本条件式を満足することにより、撮像レンズの広角化が図られ、撮像レンズの小型化と広角化との両立が好適に図られる。
本発明においては、上述のようにレンズの形状を曲率半径の符号を用いて特定している。曲率半径が正か負かは一般的な定義、すなわち光の進行方向を正として、曲率半径の中心がレンズ面からみて像面側にある場合には曲率半径を正とし、物体側にある場合には曲率半径を負とする定義に従っている。よって、「曲率半径が正となる物体側の面」とは、物体側の面が凸形状であることを指し、「曲率半径が負となる物体側の面」とは、物体側の面が凹形状であることを指す。また、「曲率半径が正となる像面側の面」とは、像面側の面が凹形状であることを指し、「曲率半径が負となる像面側の面」とは、像面側の面が凸形状であることを指す。なお、本明細書での曲率半径は近軸の曲率半径を指しており、レンズ断面図におけるレンズの概形にそぐわない場合がある。
本発明の撮像レンズによれば、諸収差が良好に補正された高い解像度を有しながらも、小型のカメラへの組込みに特に適した広角の撮像レンズを提供することができる。
数値実施例1に係る撮像レンズの概略構成を示す断面図である。 図1に示す撮像レンズの横収差を示す収差図である。 図1に示す撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す収差図である。 数値実施例2に係る撮像レンズの概略構成を示す断面図である。 図4に示す撮像レンズの横収差を示す収差図である。 図4に示す撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す収差図である。 数値実施例3に係る撮像レンズの概略構成を示す断面図である。 図7に示す撮像レンズの横収差を示す収差図である。 図7に示す撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す収差図である。 数値実施例4に係る撮像レンズの概略構成を示す断面図である。 図10に示す撮像レンズの横収差を示す収差図である。 図10に示す撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す収差図である。 数値実施例5に係る撮像レンズの概略構成を示す断面図である。 図13に示す撮像レンズの横収差を示す収差図である。 図13に示す撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す収差図である。 数値実施例6に係る撮像レンズの概略構成を示す断面図である。 図16に示す撮像レンズの横収差を示す収差図である。 図16に示す撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す収差図である。 数値実施例7に係る撮像レンズの概略構成を示す断面図である。 図19に示す撮像レンズの横収差を示す収差図である。 図19に示す撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す収差図である。
以下、本発明を具体化した一実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1、図4、図7、図10、図13、図16、および図19は、本実施の形態の数値実施例1〜7に係る撮像レンズの概略構成を示す断面図である。いずれの数値実施例も基本的なレンズ構成は同一であるため、ここでは数値実施例1の概略断面図を参照しながら、本実施の形態に係る撮像レンズについて説明する。
本実施の形態に係る撮像レンズは物体側から像面側に向かって順に、負の屈折力を有する第1レンズL1と、正の屈折力を有する第2レンズL2と、正の屈折力を有する第3レンズL3と、負の屈折力を有する第4レンズL4と、第5レンズL5と、負の屈折力を有する第6レンズL6とから構成される。第4レンズL4と第5レンズL5とは対向して配置される。第1レンズL1と第2レンズL2との間には開口絞りSTが配置される。また、第6レンズL6と撮像素子の像面IMとの間にはフィルタ10が配置される。このフィルタ10は割愛することも可能である。
第1レンズL1は、物体側の面の曲率半径r1および像面側の面の曲率半径r2が共に正となる形状であり、近軸において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成される。当該第1レンズL1の近軸における形状は本数値実施例1に係る形状に限定されない。第1レンズL1の形状は、曲率半径r1が負となり、曲率半径r2が正となる形状であって、近軸において両凹レンズとなる形状でもよい。第1レンズL1の形状は像面側の面の曲率半径r2が正となる形状であればよい。
第2レンズL2は、物体側の面の曲率半径r4が正となり、像面側の面の曲率半径r5が負となる形状であり、近軸において両凸レンズとなる形状に形成される。この第2レンズL2の近軸における形状は本数値実施例1に係る形状に限定されず、近軸において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状、または近軸において物体側に凹面を向けたメニスカスレンズとなる形状でもよい。
第3レンズL3は、物体側の面の曲率半径r6が正となり、像面側の面の曲率半径r7が負となる形状であって、近軸において両凸レンズとなる形状に形成される。第3レンズL3の近軸における形状は本数値実施例1に係る形状に限定されない。例えば、第3レンズL3の形状は、曲率半径r6および曲率半径r7が共に負となる形状であって、近軸において物体側に凹面を向けたメニスカスレンズとなる形状でもよい。数値実施例6の第3レンズL3は、近軸において物体側に凹面を向けたメニスカスレンズとなる形状の例である。
第4レンズL4はその像面側の面が周辺部において凹形状となる形状に形成される。本数値実施例1に係る撮像レンズにおいて第4レンズL4は、物体側の面の曲率半径r8および像面側の面の曲率半径r9が共に正となる形状であって、近軸において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成されている。なお、第4レンズL4の近軸における形状は本数値実施例1に係る形状に限定されない。数値実施例2〜5の第4レンズL4は近軸において両凹レンズとなる形状の例であり、数値実施例7の第4レンズL4は、近軸において物体側に凹面を向けたメニスカスレンズとなる形状の例である。
第5レンズL5は、物体側の面および像面側の面の両面が変曲点を有する非球面形状に形成されるとともに、その物体側の面が周辺部において凹形状となる形状に形成される。本数値実施例1に係る撮像レンズにおいて第5レンズL5は、物体側の面の曲率半径r10および像面側の面の曲率半径r11が共に正となる形状であり、近軸において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成されている。なお、第5レンズL5の近軸における形状は本数値実施例1に係る形状に限定されない。
第6レンズL6はその像面側の面が変曲点を有する非球面形状となる形状に形成される。本数値実施例1に係る撮像レンズにおいて第6レンズL6は、物体側の面の曲率半径r12および像面側の面の曲率半径r13が共に正となる形状であって、近軸において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成されている。なお、第6レンズL6の近軸における形状は本数値実施例1に係る形状に限定されない。数値実施例4の第6レンズL6は近軸において両凹レンズとなる形状の例である。一方、数値実施例7の第6レンズL6は、近軸において物体側に凹面を向けたメニスカスレンズとなる形状の例である。
本実施の形態に係る撮像レンズは、以下に示す条件式(1)〜(22)を満足する。
0<F1 (1)
F2<0 (2)
0.05<D12/f<0.8 (3)
0.001<D23/f<0.3 (4)
2<D12/D23<30 (5)
0.5<f2/f3<3 (6)
0.2<f23/f<1 (7)
0.2<f23/f<0.8 (7A)
40<ν1<75 (8)
40<ν2<75 (9)
40<ν3<75 (10)
−4<f4/f<−0.4 (11)
0.15<D45/f<0.4 (12)
0.05<D45/L16<0.25 (13)
1<φ5A/φ4B<2 (14)
−5<f6/f<−0.5 (15)
10<ν6<40 (16)
D56<D12 (17)
0.03<D56/f<0.3 (18)
0.5<T5/T6<3.5 (19)
φ1A<φ6B (20)
0.4<La/Hmax<1.8 (21)
f/Dep<2.5 (22)
但し、
f:レンズ系全体の焦点距離
f2:第2レンズL2の焦点距離
f3:第3レンズL3の焦点距離
f4:第4レンズL4の焦点距離
f6:第6レンズL6の焦点距離
f23:第2レンズL2および第3レンズL3の合成焦点距離
F1:第1レンズL1〜第4レンズL4の合成焦点距離
F2:第5レンズL5および第6レンズL6の合成焦点距離
T5:第5レンズL5の光軸上の厚さ
T6:第6レンズL6の光軸上の厚さ
φ1A:第1レンズL1の物体側の面の有効径
φ4B:第4レンズL4の像面側の面の有効径
φ5A:第5レンズL5の物体側の面の有効径
φ6B:第6レンズL6の像面側の面の有効径
D12:第1レンズL1と第2レンズL2との間の光軸上の距離
D23:第2レンズL2と第3レンズL3との間の光軸上の距離
D45:第4レンズL4と第5レンズL5との間の光軸上の距離
D56:第5レンズL5と第6レンズL6との間の光軸上の距離
L16:第1レンズL1の物体側の面から第6レンズL6の像面側の面までの光軸上
の距離。
La:第1レンズL1の物体側の面から像面IMまでの光軸上の距離
(フィルター10は空気換算長)
ν1:第1レンズL1のアッベ数
ν2:第2レンズL2のアッベ数
ν3:第3レンズL3のアッベ数
ν6:第6レンズL6のアッベ数
Hmax:像面IMの最大像高
Dep:入射瞳径
なお、上記各条件式の全てを満たす必要はなく、上記各条件式のそれぞれを単独に満たすことにより、各条件式に対応する作用効果をそれぞれ得ることができる。
本実施の形態に係る撮像レンズを構成するレンズは全てプラスチック材料から形成されている。プラスチック材料は軽量であってコストも安いため、近年、スマートフォン等の携帯機器に搭載される撮像レンズのレンズ材料として使用されている。プラスチックレンズの成形過程には、溶かされたプラスチック材料が金型に流し込まれる工程が一般的である。このため、所望のレンズ形状に成形するためにはプラスチック材料の流動性が非常に重要となる。
そこで、レンズ成形時の流動性を確保しつつ、撮像レンズの小型化と諸収差の良好な補正との両立を図るため、第4レンズL4は次の条件式を満足することが望ましい。本実施の形態に係る撮像レンズは当該条件式を満足する。
1.5<E4/T4<3
但し
T4:第4レンズL4の光軸上の厚さ
E4:第4レンズL4の物体側の面の有効径におけるエッジ厚さ
本実施の形態では、第1レンズL1から第6レンズL6までの各レンズのレンズ面が必要に応じて非球面で形成されている。これら非球面の非球面式を次式に示す。
Figure 0006684033

但し、
Z:光軸方向の距離
H:光軸に直交する方向の光軸からの距離
C:近軸曲率(=1/r、r:近軸曲率半径)
k:円錐定数
An:第n次の非球面係数
次に、本実施の形態に係る撮像レンズの数値実施例を示す。各数値実施例において、fはレンズ系全体の焦点距離、FnoはFナンバー、ωは半画角を示す。iは物体側より数えた面番号、rは曲率半径、dは光軸上のレンズ面間の距離(面間隔)、nはe線の屈折率、νはe線のアッベ数を示す。なお、*(アスタリスク)の符号が付加された面番号は非球面であることを示す。
数値実施例1
基本的なレンズデータ
Figure 0006684033
F1=2.412mm
F2=-3.768mm
f23=1.451mm
E4=0.565mm
T4=0.250mm
T5=0.250mm
T6=0.258mm
φ1A=2.097mm
φ4B=2.558mm
φ5A=2.821mm
φ6B=3.764mm
L16=3.680mm
La=4.331mm
Hmax=3.325mm
Dep=1.210mm
Figure 0006684033
各条件式の値を以下に示す。
D12/f=0.149
D23/f=0.027
D12/D23=5.434
f2/f3=1.499
f23/f=0.522
f4/f=-1.234
D45/f=0.249
D45/L16=0.188
φ5A/φ4B=1.103
f6/f=-1.289
D56/f=0.085
T5/T6=0.969
La/Hmax=1.303
f/Dep=2.298
このように、本数値実施例1に係る撮像レンズは上記各条件式を満足する。
図2は、半画角ωに対応する横収差をタンジェンシャル方向とサジタル方向とに分けて示した収差図である(図5、図8、図11、図14、図17、および図20においても同じ)。また、図3は、球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示した収差図である。このうち非点収差図においてSはサジタル像面を、Tはタンジェンシャル像面をそれぞれ示す(図6、図9、図12、図15、図18、および図21においても同じ)。図2および図3に示されるように、本数値実施例1に係る撮像レンズによれば諸収差が良好に補正される。
数値実施例2
基本的なレンズデータ
Figure 0006684033
F1=2.305mm
F2=-3.726mm
f23=1.371mm
E4=0.600mm
T4=0.250mm
T5=0.250mm
T6=0.250mm
φ1A=2.230mm
φ4B=2.597mm
φ5A=2.843mm
φ6B=3.762mm
L16=3.568mm
La=4.333mm
Hmax=3.816mm
Dep=1.193mm
Figure 0006684033
各条件式の値を以下に示す。
D12/f=0.174
D23/f=0.010
D12/D23=17.1
f2/f3=1.357
f23/f=0.515
f4/f=-1.216
D45/f=0.227
D45/L16=0.169
φ5A/φ4B=1.095
f6/f=-1.302
D56/f=0.106
T5/T6=1.000
La/Hmax=1.135
f/Dep=2.230
このように、本数値実施例2に係る撮像レンズは上記各条件式を満足する。
図5は半画角ωに対応する横収差を示したものであり、図6は球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。図5および図6に示されるように、本数値実施例2に係る撮像レンズによっても諸収差が良好に補正される。
数値実施例3
基本的なレンズデータ
Figure 0006684033
F1=2.226mm
F2=-3.783mm
f23=1.348mm
E4=0.614mm
T4=0.249mm
T5=0.250mm
T6=0.249mm
φ1A=2.335mm
φ4B=2.602mm
φ5A=2.875mm
φ6B=3.767mm
L16=3.589mm
La=4.345mm
Hmax=4.399mm
Dep=1.181mm
Figure 0006684033
各条件式の値を以下に示す。
D12/f=0.191
D23/f=0.009
D12/D23=21.0
f2/f3=1.061
f23/f=0.533
f4/f=-1.327
D45/f=0.223
D45/L16=0.157
φ5A/φ4B=1.105
f6/f=-1.289
D56/f=0.108
T5/T6=1.004
La/Hmax=0.988
f/Dep=2.142
このように、本数値実施例3に係る撮像レンズは上記各条件式を満足する。
図8は半画角ωに対応する横収差を示したものであり、図9は球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。図8および図9に示されるように、本数値実施例3に係る撮像レンズによっても諸収差が良好に補正される。
数値実施例4
基本的なレンズデータ
Figure 0006684033
F1=2.337mm
F2=-5.675mm
f23=1.382mm
E4=0.531mm
T4=0.234mm
T5=0.733mm
T6=0.246mm
φ1A=2.771mm
φ4B=1.901mm
φ5A=2.546mm
φ6B=3.723mm
L16=4.342mm
La=4.936mm
Hmax=4.928mm
Dep=0.933mm
Figure 0006684033
各条件式の値を以下に示す。
D12/f=0.359
D23/f=0.012
D12/D23=29.4
f2/f3=2.163
f23/f=0.603
f4/f=-1.991
D45/f=0.207
D45/L16=0.109
φ5A/φ4B=1.339
f6/f=-1.593
D56/f=0.207
T5/T6=2.980
La/Hmax=1.002
f/Dep=2.454
このように、本数値実施例4に係る撮像レンズは上記各条件式を満足する。
図11は半画角ωに対応する横収差を示したものであり、図12は球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。図11および図12に示されるように、本数値実施例4に係る撮像レンズによっても諸収差が良好に補正される。
数値実施例5
基本的なレンズデータ
Figure 0006684033
F1=2.250mm
F2=-4.745mm
f23=1.336mm
E4=0.582mm
T4=0.249mm
T5=0.341mm
T6=0.325mm
φ1A=2.276mm
φ4B=2.460mm
φ5A=2.668mm
φ6B=3.669mm
L16=3.575mm
La=4.343mm
Hmax=3.564mm
Dep=1.169mm
Figure 0006684033
各条件式の値を以下に示す。
D12/f=0.210
D23/f=0.035
D12/D23=6.0
f2/f3=1.320
f23/f=0.537
f4/f=-1.236
D45/f=0.216
D45/L16=0.150
φ5A/φ4B=1.085
f6/f=-3.013
D56/f=0.067
T5/T6=1.049
La/Hmax=1.219
f/Dep=2.130
このように、本数値実施例5に係る撮像レンズは上記各条件式を満足する。
図14は半画角ωに対応する横収差を示したものであり、図15は球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。図14および図15に示されるように、本数値実施例5に係る撮像レンズによっても諸収差が良好に補正される。
数値実施例6
基本的なレンズデータ
Figure 0006684033
F1=2.163mm
F2=-3.348mm
f23=1.625mm
E4=0.533mm
T4=0.249mm
T5=0.249mm
T6=0.249mm
φ1A=2.326mm
φ4B=2.702mm
φ5A=2.903mm
φ6B=3.839mm
L16=3.599mm
La=4.349mm
Hmax=4.433mm
Dep=1.183mm
Figure 0006684033
各条件式の値を以下に示す。
D12/f=0.184
D23/f=0.044
D12/D23=4.159
f2/f3=0.952
f23/f=0.637
f4/f=-3.193
D45/f=0.221
D45/L16=0.156
φ5A/φ4B=1.074
f6/f=-1.272
D56/f=0.118
T5/T6=1.000
La/Hmax=0.981
f/Dep=2.156
このように、本数値実施例6に係る撮像レンズは上記各条件式を満足する。
図17は半画角ωに対応する横収差を示したものであり、図18は球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。図17および図18に示されるように、本数値実施例6に係る撮像レンズによっても諸収差が良好に補正される。
数値実施例7
基本的なレンズデータ
Figure 0006684033
F1=2.012mm
F2=-4.409mm
f23=1.125mm
E4=0.603mm
T4=0.249mm
T5=0.250mm
T6=0.345mm
φ1A=2.197mm
φ4B=2.349mm
φ5A=2.629mm
φ6B=3.830mm
L16=3.995mm
La=4.648mm
Hmax=4.108mm
Dep=1.120mm
Figure 0006684033
各条件式の値を以下に示す。
D12/f=0.277
D23/f=0.012
D12/D23=23.4
f2/f3=1.127
f23/f=0.477
f4/f=-1.225
D45/f=0.315
D45/L16=0.186
φ5A/φ4B=1.119
f6/f=-3.589
D56/f=0.049
T5/T6=0.725
La/Hmax=1.131
f/Dep=2.107
このように、本数値実施例7に係る撮像レンズは上記各条件式を満足する。
図20は半画角ωに対応する横収差を示したものであり、図21は球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。図20および図21に示されるように、本数値実施例7に係る撮像レンズによっても諸収差が良好に補正される。
以上説明した本実施の形態に係る撮像レンズは、100°以上の非常に広い画角(2ω)を有する。本実施の形態に係る撮像レンズによれば、従来の撮像レンズよりも小型でありながらも広い範囲を撮影することが可能となる。
また、本実施の形態に係る撮像レンズのFnoは2.1〜2.5と小さな値になっている。本実施の形態に係る撮像レンズによれば、撮像素子においてノイズ低減用の電気回路等を設けなくても十分に明るい画像を得ることができる。
したがって、上記実施の形態に係る撮像レンズを車載カメラ、スマートフォン、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ネットワークカメラ、TV会議用カメラ、ファイバースコープ、カプセル内視鏡等の撮像光学系に適用した場合、当該カメラの高機能化と小型化の両立を図ることができる。
本発明は、車載カメラ、スマートフォンや携帯電話機、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ネットワークカメラ、TV会議用カメラ、ファイバースコープ、カプセル内視鏡等の比較的小型のカメラに組み込まれる撮像レンズに適用することができる。
ST 開口絞り
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 第6レンズ
10 フィルタ

Claims (5)

  1. 物体側から像面側に向かって順に、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、負の屈折力を有する第4レンズと、第5レンズと、負の屈折力を有する第6レンズとから構成され、
    前記第4レンズと前記第5レンズとは対向して配置され
    記第5レンズは物体側の面および像面側の面の両面が変曲点を有する非球面形状に形成され、
    レンズ系全体の焦点距離をf、前記第2レンズの焦点距離をf2、前記第3レンズの焦点距離をf3、前記第5レンズおよび前記第6レンズの合成焦点距離をF2、前記第1レンズと前記第2レンズとの間の光軸上の距離をD12としたとき、
    0.5<f2/f3<3
    F2<0
    0.05<D12/f<0.8
    を満足する撮像レンズ。
  2. 物体側から像面側に向かって順に、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、負の屈折力を有する第4レンズと、第5レンズと、負の屈折力を有する第6レンズとから構成され、
    前記第4レンズと前記第5レンズとは対向して配置され、
    前記第5レンズは物体側の面および像面側の面の両面が変曲点を有する非球面形状に形成され、
    レンズ系全体の焦点距離をf、前記第2レンズの焦点距離をf2、前記第3レンズの焦点距離をf3、前記第5レンズおよび前記第6レンズの合成焦点距離をF2、前記第4レンズと前記第5レンズとの間の光軸上の距離をD45としたとき、
    0.5<f2/f3<3
    F2<0
    0.15<D45/f<0.4
    を満足する撮像レンズ。
  3. 物体側から像面側に向かって順に、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、負の屈折力を有する第4レンズと、第5レンズと、負の屈折力を有する第6レンズとから構成され、
    前記第4レンズと前記第5レンズとは対向して配置され、
    前記第5レンズは物体側の面および像面側の面の両面が変曲点を有する非球面形状に形成され、
    前記第2レンズの焦点距離をf2、前記第3レンズの焦点距離をf3、前記第5レンズおよび前記第6レンズの合成焦点距離をF2、前記第6レンズのアッベ数をν6としたとき、
    0.5<f2/f3<3
    F2<0
    10<ν6<40
    を満足する撮像レンズ。
  4. レンズ系全体の焦点距離をf、前記第4レンズの焦点距離をf4としたとき、
    −4<f4/f<−0.4
    を満足する請求項1〜3のいずれか一項に記載の撮像レンズ。
  5. レンズ系全体の焦点距離をf、前記第6レンズの焦点距離をf6としたとき、
    −5<f6/f<−0.5
    を満足する請求項1〜4のいずれか一項に記載の撮像レンズ。
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