JP2004245733A - 磁気センサ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁気センサ装置11は、電源コントローラ12及び磁気センサ13を備えている。また、磁気センサ装置11の近傍には、作動連結された第1永久磁石及び第2永久磁石が配置されている。電源コントローラ12は、磁気センサ13に対して行う電力供給を制御可能となっている。また、電源コントローラ12は、第2永久磁石の変位を検出して起電力を得る検出部17と電気的に接続されている。そして、電源コントローラ12は、前記検出部17の検出に基づいて前記磁気センサ13に電力供給を行い、磁気センサ13の磁気検出機能を有効化する。その後、磁気センサ13は、第1永久磁石の磁気を検出する。従って、磁気センサ13の暗電流による消費電力をなくすことができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気センサ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、磁気センサは、磁気検出素子として例えばMRE(磁気抵抗素子)等を備え、所定の電源から電力供給されることにより磁気検出可能となる構成とされている。例えば、自動車等のブレーキペダル近傍に設けられた磁気センサは、ドライバ等によるブレーキペダルの踏み込みの有無を検出可能とされている。そして、ブレーキペダルの踏み込みを検出した場合には、車両後部に設けられたブレーキランプが点灯されるようになっている。ところが、ブレーキランプは、安全性の観点から、エンジン停止中のような車載オルタネータが駆動しない状態であっても、ブレーキペダルが踏み込まれた際には点灯する必要がある。そのため、このような磁気センサは、充電容量に限りのある車載バッテリを電源とするにもかかわらず、同車載バッテリから常に電力供給される必要がある。そこで、従来から、磁気センサに対して間欠的に電力供給を行う磁気センサ装置によって、暗電流による磁気センサの消費電力を低減することが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−356530号公報(段落番号「0014」〜「0027」、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記磁気センサ装置は、磁気センサの暗電流による消費電力は低減しても、継続的に一定の電力を消費するという本質的な課題を解決するものではなかった。そのため、近年、自動車があらゆるものを電子制御する傾向にあることを考慮すれば、長期間、自動車が使用されず、車載オルタネータが駆動しないような場合には、暗電流による電力消費により車載バッテリ上がりが生じてしまう可能性があるという問題があった。また、前記ブレーキランプの点灯のために用いられる磁気センサ等は、安全性の観点から、前記ペダルの踏み込みから検出までに遅れが生ずるべきでなく、間欠的な電力供給に適さないような場合もあった。
【0005】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、磁気センサの暗電流による消費電力をなくすことができる磁気センサ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、電源と、作動体の変位を検出して電力を発生する発電手段と、前記発電手段からの電力の供給を受け、前記電源からの電力の出力を許容する電力供給許容部と、前記電力供給許容部からの電力の供給を受けて磁気検出機能が有効化され、前記作動体の変位と関連して変化する磁気を検出する磁気センサとを備えたことを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の磁気センサ装置において、前記作動体は、磁性体にて形成され、前記発電手段は、前記作動体の変位に基づいて起電力を発生するコイルを備えていることを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の磁気センサ装置において、前記作動体は、前記発電手段の変位検出領域と前記磁気センサの磁気検出領域とを通過する移動軌跡を有するように配置されていることを要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の磁気センサ装置において、前記磁気センサが検出する磁気を発生する部材を第1磁性部材とし、前記作動体を第2磁性部材としたとき、前記第2磁性部材は、その変位による移動速度が前記第1磁性部材の変位による移動速度よりも大きくなるように、前記第1磁性部材と作動連結されていることを要旨とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の磁気センサ装置において、前記発電手段は、前記作動体の変位と関連して変位する押圧部に押圧されることにより起電力を発生する圧電素子を備えていることを要旨とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を自動車に設けられたブレーキペダルの位置検出に用いられる磁気センサ装置に具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0012】
図1に示すように、磁気センサ装置11は、電力供給許容部としての電源コントローラ12、磁気センサ13及び発電手段としての検出部17を備えている。また、磁気センサ装置11の近傍には、変位可能に配置された第1磁性部材としての第1永久磁石15及び第2磁性部材(作動体)としての第2永久磁石16(いずれも図2参照)が配置されている。
【0013】
電源コントローラ12は、電源としての車載バッテリBと直接接続され、磁気センサ13に対して行う電力供給を制御可能となっている。さらに、電源コントローラ12は、イグニッションスイッチ(以下、IGという。)のオン・オフを認知可能とされ、IGがオン状態では常に磁気センサ13に電力供給する。また、電源コントローラ12は、前記第2永久磁石16の変位を検出可能な検出部17と接続されている。検出部17は、第2永久磁石16の変位を検出したときには、電源コントローラ12に変位検出信号を出力する。そして、電源コントローラ12は、前記検出部17から変位検出信号を入力した場合には、前記IGがオフ状態であっても、前記磁気センサ13に電力供給する構成とされている。なお、磁気センサ13は、MRE(磁気抵抗素子)、GMR(巨大磁気抵抗素子)等の公知の磁気センサが用いられる。
【0014】
ここで、電源コントローラ12の構成の一例を説明する。図3に示すように、電源コントローラ12は、予め設定された所定時間を計時可能なタイマ回路51及びトランジスタTr1,Tr2,Tr3,Tr4を備える。
【0015】
第4トランジスタTr4は、PNP型からなり、エミッタEにて車載バッテリBと接続され、コレクタCにて磁気センサ13と接続されている。また、ベースBは、IGと接続されている。そのため、第4トランジスタTr4は、IGがオンするのに基づいてオンし、磁気センサ13に電力供給する構成となっている。すなわち、電源コントローラ12は、IGがオンの間は、第4トランジスタTr4のオン状態を維持して磁気センサ13に常に電力供給する。一方、電源コントローラ12は、IGがオフ状態の間は、第4トランジスタTr4のオフ状態を維持して磁気センサ13に電力供給しない。
【0016】
タイマ回路51は、電源端子、制御端子及び出力端子を備える。電源端子は、タイマ回路51が常に電力供給されるように、車載バッテリBと接続されている。そのため、タイマ回路51は、制御端子に電位が印加されるのに基づいて時間の計時を開始し、所定時間を計時するまで、出力端子にて電位を出力する構成となっている。
【0017】
制御端子は、PNP型の第2トランジスタTr2のコレクタCと接続されている。第2トランジスタTr2は、エミッタEにて車載バッテリBと接続される。また、ベースBにてNPN型の第3トランジスタTr3のコレクタCと接続される。第3トランジスタTr3は、エミッタEにて接地されている。そのため、第2トランジスタTr2は、第3トランジスタTr3がオンされるとオンして、タイマ回路51の制御端子に電位を印加する構成となっている。また、第3トランジスタTr3のベースBは、検出部17と接続されている。そのため、第3トランジスタTr3は、検出部17から変位検出信号を入力するのに基づいてオンする。
【0018】
出力端子は、PNP型の第1トランジスタTr1のベースBと接続されている。また、第1トランジスタTr1は、エミッタEにて車載バッテリBと接続され、コレクタCにて磁気センサ13と接続されている。そのため、トランジスタTr1は、タイマ回路51の出力端子に電位が出力されるのに基づいてオンし、磁気センサ13に電力を供給する構成となっている。すなわち、電源コントローラ12は、検出部17が第2永久磁石16の変位を検出して発電するのに基づいて、タイマ回路51が所定時間を計時する間、磁気センサ13に電力供給する構成となっている。そのため、電源コントローラ12は、検出部17の検出があったときには、前記IGがオフ状態であっても、前記磁気センサ13に電力供給する。なお、本実施形態における電源コントローラ12のタイマ回路51は、変位検出信号を入力した後に、再び新たな変位検出信号を入力した場合には、それまで計時した時間をリセットして、その新たな変位検出信号の入力に基づいて再び初めから所定時間の計時を開始する。
【0019】
磁気センサ13は、前記電源コントローラ12から電源供給されることにより磁気検出機能が有効化される構成となっている。また、本実施形態の磁気センサ13は、MRE(磁気抵抗素子)を備える公知の磁気センサである。従って、磁気センサ13は、電力供給された状態において、MREに流れる電流に直交する磁界が付与されてその抵抗が最小となることに基づいて、磁気を検出するものである。そのため、磁気センサ13は、MREに流れる電流に磁界が直交するときに、磁気を検出する。また、ここでいう磁気センサ13は、所定の信号処理回路を含む概念であり、磁気を検出した場合には、図示しない車両用ECUに磁気検出信号を出力するようになっている。
【0020】
ここで本実施形態に用いられる車両用ECUについて簡単に説明する。
車両用ECUは、基本的に、磁気検出信号の入力の有無に基づいて、ブレーキランプを点灯する処理を行うものであり、本実施形態では磁気検出信号を入力しないときにブレーキランプを点灯する処理を行う。ただし、車両用ECUは、電源コントローラ12から磁気センサ13への電力供給の有無を検知可能とされ、磁気センサ13が電力供給されない状態ではブレーキランプを点灯する処理を行わない構成とされている。すなわち、車両用ECUは、磁気検出信号を入力しないときであっても、磁気センサ13が電力供給されない状態ではブレーキランプを点灯する処理を行わない。
【0021】
さて、次に、ブレーキペダル(図示しない)の位置の検出を可能とする操作検出機構21の具体的構成の一例を図2,4に基づいて説明する。
図2に示すように、操作検出機構21は、可動片14、第1ロッド22、第2ロッド23及び前記第1ロッド22と第2ロッド23とを連結する連結リンク24を備えている。本実施形態の各ロッド22,23,及び連結リンク24は、いずれも長尺の平板状をなしている。
【0022】
可動片14は、略直方体状をなし、ドライバ等により直接踏み込まれるブレーキペダルと連動する構成とされている。図2に示すように、可動片14は、ブレーキペダルが踏み込まれていない状態(以下、初期状態という。)では、第1ロッド22をその長さ方向(図2において左方)に押圧した状態で保持する。一方、図4に示すように、可動片14は、ブレーキペダルが完全に踏み込まれた状態では、図2において右方に変位し第1ロッド22と離間する。なお、以下、ブレーキペダルが任意位置に保持され、操作検出機構21が静止している状態を保持状態と呼ぶ。また、ブレーキペダルが操作され、操作検出機構21が運動する状態を操作状態と呼ぶ。
【0023】
第1ロッド22は、所定箇所にて支持部材18により第1ロッド22の長さ方向に沿って摺動可能に支持されている。第1ロッド22の先端側の一端は、可動片14に押圧される被押圧部22aとされている。また、第1ロッド22の基端側の一端は、コイルスプリングからなる弾性部材30の一端と固着され、可動片14側に付勢される被付勢部22bとされている。そのため、第1ロッド22は、可動片14による押圧又は弾性部材30による付勢により、その長さ方向に往復動可能とされている。なお、弾性部材30の他端は、車体に固着支持されている。
【0024】
第1ロッド22の概ね中央には第1永久磁石15が固着されている。同第1永久磁石15の下方には、図2に示す初期状態にて対向する磁気センサ13が車体に配置されている。そのため、本実施形態の磁気センサ13は、初期状態にて電力供給されれば、第1永久磁石15の磁気を検出して磁気検出信号を出力する。すなわち、初期状態における第1永久磁石15は、磁気センサ13の磁気検出領域内に位置している。
【0025】
一方で、第1永久磁石15は、第1ロッド22の変位とともに変位する構成とされ、初期状態からブレーキペダルが踏まれると、第1ロッド22の変位により磁気センサ13と対向しない磁気検出領域外に変位する。そのため、本実施形態の磁気センサ13は、初期状態でない場合には、電力供給されても第1永久磁石15の磁気を検出せず、磁気検出信号を出力しない。すなわち、初期状態でない場合における第1永久磁石15は、磁気センサ13の磁気検出領域外に位置している。
【0026】
また、第1ロッド22は、被付勢部22b及び第1永久磁石15の間の部位にて、連結リンク24の一端と連結ピン25により連結されている。連結ピン25は、連結リンク24の一端において、長手方向に延びて形成された第1摺動孔26に対してその長手方向に摺動自在に貫通されている。
【0027】
連結リンク24は、同連結リンク24の長手方向の中央部から連結ピン25側に寄った部位にて、回動軸28により車体に対して回動自在に支持されている。従って、連結リンク24が回動する際には、第1ロッド22は、連結ピン25が第1摺動孔26を摺動することにより、その長さ方向に移動するようになっている。そのため、第1摺動孔26は、連結リンク24の回動の際に、第1ロッド22とともに移動する連結ピン25の移動をスムーズにしている。
【0028】
連結リンク24の第1摺動孔26と逆側となる他端には、長手方向に延びた第2摺動孔32が形成されている。そして、連結リンク24は、同第2摺動孔32に対してその長さ方向に摺動自在に貫通された連結ピン27により、第2ロッド23と連結されている。従って、連結リンク24が回動する際には、第2ロッド23は、連結ピン27が第2摺動孔32を摺動することにより、その長さ方向に移動するようになっている。そのため、第2摺動孔32は、連結リンク24の回動の際に、第2ロッド23とともに移動する連結ピン27の移動をスムーズにしている。すなわち、各ロッド22,23,及び連結リンク24は、相互に作動連結され、いずれか一つの部材が変位又は回動すると、他の部材も変位又は回動する構成となっている。
【0029】
第2ロッド23は、第1ロッド22と平行に配置され、連結リンク24の回動により、第1ロッド22が移動した際には、第1ロッド22の移動方向と逆向きに移動する構成とされている。また、第2ロッド23は、第1ロッド22の連結ピン25側に寄って設けられた回動軸28を中心に回動する連結リンク24により、第1ロッド22と作動連結されるため、常に第1ロッド22の移動速度よりも大きな移動速度で移動する構成となっている。
【0030】
第2ロッド23は、連結ピン27と逆側の一端に第2永久磁石16を固着して備えている。図2に示すように、第2永久磁石16は、初期状態において、筒状の摺動ケース29に差込まれて配置されている。そして、第2永久磁石16は、この初期状態から連結リンク24が回動するのに基づいて、摺動ケース29の内部に向かってその長さ方向に摺動するようになっている。
【0031】
摺動ケース29は、絶縁性の非磁性体から形成されている。摺動ケース29の外周面全体には、検出部17の構成要素としてのコイル17aが巻設されている。従って、第2永久磁石16は、初期状態において、摺動ケース29を介してコイル17aの内部に配置され、前記第2ロッド23が摺動ケース29内を摺動する際にはコイル17aの軸心に沿って変位する構成とされている。
【0032】
また、図1に示すように、コイル17aは、ダイオード17bを介して電源コントローラ12と接続されている。そして、第2永久磁石16の変位によりコイル17aに起電力が生じた場合には、その起電力に基づく誘導電流は前記ダイオード17bにて半波整流された後に電源コントローラ12に出力される。すなわち、本実施形態の検出部17は、コイル17a及びダイオード17bから構成されている。検出部17は、前記誘導電流を第2永久磁石16における変位の検出信号(以下、変位検出信号という。)として電源コントローラ12に出力する構成とされている。
【0033】
また、検出部17は、前記誘導電流をダイオード17bにて半波整流するため、第2永久磁石16の往復動による変位のうち、一方向の変位のみを検出する。本実施形態では、検出部17は、ドライバ等によりブレーキペダルが踏み込まれる際に、第2永久磁石16が変位する方向のみを検出する。なお、本実施形態では、第2永久磁石16は、操作検出機構21が初期状態からブレーキペダルが完全に踏まれた状態になるまで常にコイル17aの内部に位置する構成とされている。そのため、検出部17は、第2永久磁石16がどの位置にて変位しても、コイル17aに起電力を得る。
【0034】
次に、IGがOFF状態における磁気センサ装置11の作用について説明する。
まず、図2に示す初期状態では、電源コントローラ12は磁気センサ13に給電しない。この初期状態では、磁気センサ13は、電力供給されないため磁気検出信号を出力しないが、車両用ECUは、磁気センサ13が電力供給されていないことを検知してブレーキランプを点灯する処理を行わない。なお、この電源コントローラ12から磁気センサ13への電力供給の有無は、常に車両用ECUにより検知されている。そして、ドライバは、自動車にブレーキをかけたい場合には、この初期状態から、ブレーキペダルを踏み込む。
【0035】
すると、可動片14は、第1ロッド22と離間するように変位され、操作検出機構21は初期状態から運動し、操作状態となる。以下、ドライバによりブレーキペダルが踏み込まれた際に、第1ロッド22(可動片14)が移動する方向(図2,3において、右方向)を第1操作方向と呼ぶ。一方、ドライバによりブレーキペダルの踏み込みが中止され、第1ロッド22(可動片14)が初期状態となるように移動する方向(図2,3において、左方向)を第1戻り方向と呼ぶ。
【0036】
第1ロッド22は、可動片14が第1操作方向に変位すると、弾性部材30の付勢力により可動片14との接触を維持して第1操作方向に変位する。その結果、連結リンク24は、回動軸28を中心として回動する。なお、以下、このときの連結リンク24の回動を正回動と呼ぶ。そして、連結リンク24が正回動すると、第1操作方向に変位する第1ロッド22と回動軸28を挟んで配置された第2ロッド23は、第1操作方向と逆の第2操作方向(図2,3において左方向)に変位する。なお、操作検出機構21は、図4に示すように、ブレーキペダルが完全に踏み込まれるまで運動可能である。
【0037】
すると、第2ロッド23に固着された第2永久磁石16は、摺動ケース29内を第2操作方向に摺動する。そのため、第2永久磁石16は、摺動ケース29に巻設されたコイル17aと相対的に変位され、コイル17aに起電力を発生する。その結果、検出部17は、コイル17aに生じた起電力により発電して第2永久磁石16の変位を検出する。そして、検出部17は、前記起電力に基づく誘導電流を、ダイオード17bを介して、変位検出信号として電源コントローラ12に出力する。すると、電源コントローラ12は、その変位検出信号に基づいて磁気センサ13に電力供給を行い、磁気センサ13の磁気検出機能を有効化する。また、電源コントローラ12は、変位検出信号の入力と同時に、タイマ回路51による所定時間の計時を開始する。
【0038】
第1永久磁石15は、第1ロッド22の変位とともに操作方向に変位され、磁気センサ13と対向しなくなり磁気検出領域外に位置する。すると、磁気センサ13は、電源コントローラ12から電力供給されるものの、第1永久磁石15の磁気を検出しないため磁気検出信号を出力しない。そのため、車両用ECUは、ブレーキランプを点灯する処理を行う。
【0039】
その後、ブレーキペダルの踏み込みが中止され、操作検出機構21が初期状態からの運動後に保持状態となった場合には、検出部17は発電せず変位検出信号を出力しない。しかし、電源コントローラ12は、変位検出信号を入力しなくても、タイマ回路51が所定時間を計時するまで電力を供給し続ける。そのため、磁気センサ13は、検出部17が発電する操作状態から、検出部17が発電しない保持状態になっても所定時間電力供給される。その結果、車両用ECUは、検出部17が発電しない状態であっても磁気センサ13が電力供給される状態であれば、第1永久磁石15が磁気検出領域外に位置する限りブレーキランプを点灯する処理を行う。
【0040】
また、ブレーキペダルが踏まれた状態から、その踏み込みが中止され、可動片14が第1戻り方向に変位すると、可動片14は第1ロッド22を再び弾性部材30の付勢に抗して押圧し始める。そのため、第1ロッド22も同様に第1戻り方向に変位する。すると、第2ロッド23は、第1戻り方向とは逆の第2戻り方向(図2,3において右)に変位する。その結果、検出部17はコイル17aに起電力を生ずるが、この起電力に基づく誘導電流はダイオード17bにて半波整流されるため変位検出信号を出力しない。
【0041】
そして、第1ロッド22の変位に基づいて、第1永久磁石15が磁気検出領域外から磁気検出領域内に位置して初期状態に戻ると、磁気センサ13は、第1永久磁石15の磁気を検出して磁気検出信号を出力する。すると、車両用ECUはブレーキランプを消灯する処理を行う。また、電源コントローラ12は、タイマ回路51が所定時間を経過するまで磁気センサ13に電力を供給した後に、磁気センサ13への電力供給を中止する。
【0042】
従って、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、IGがOFF状態では、電源コントローラ12は、電源を必要としない検出部17が第2永久磁石16の変位を検出するのに基づいて(ブレーキペダルが踏まれたのに基づいて)、磁気センサ13に電力を供給した。
【0043】
従って、IGがOFF状態において、磁気センサ13への電力供給なくブレーキペダルが踏まれていない初期状態から、ブレーキペダルが踏まれて操作状態になるまでの間、磁気センサ13の暗電流による電力の消費をなくすことができる。
【0044】
(2)さらに上記実施形態では、前記検出部17に第2永久磁石16の変位に基づいて誘導起電力が生ずるコイル17aを含む構成とした。
従って、磁気センサ13は、第1永久磁石15が第1操作方向に変位する操作状態であるにもかかわらず、電源コントローラ12から電力供給されず、磁気検出機能が有効化されないという事態が発生してしまうのを防止することができる。
【0045】
(3)またさらに、上記実施形態では、電源コントローラ12にタイマ回路51を備えた。そして、電源コントローラ12を、変位検出信号を入力してからタイマ回路51が所定時間を計時するまでの間、変位検出信号の入力の有無にかかわらず磁気センサ13への電力供給を維持する構成とした。
【0046】
従って、IGがOFF状態で、かつ、操作検出機構21が保持状態であっても、電源コントローラ12は、タイマ回路51が所定時間を計時するまでの間、磁気センサ13に電力供給することができる。
【0047】
(4)上記実施形態では、磁気センサ13は、第2永久磁石16と作動連結された第1永久磁石15の磁気を検出することにより、第2永久磁石16の変位と関連して変化する磁気を検出した。
【0048】
従って、磁気センサ13及び検出部17は、それぞれ別個の永久磁石と対応して配置されるため、磁気センサ装置11の設計において、磁気センサ13の配置に関しての設計が容易となる。
【0049】
(5)上記実施形態では、ブレーキペダルの踏み込みに基づく第1永久磁石15の変位による移動速度と、第2永久磁石16の変位による移動速度とでは、第2永久磁石16のほうが大きくなるようにした。
【0050】
従って、第1永久磁石15の移動速度が小さいような場合でも、第2永久磁石16の移動速度を大きくすることができる。その結果、第1永久磁石15の移動速度が小さいような場合でも、コイル17aと第2永久磁石16との相対的な移動速度を大きくすることができるため、コイル17aに十分な起電力を生じさせることが容易となる。
【0051】
(6)上記実施形態では、第1永久磁石15と第2永久磁石16とを作動連結して設けた。
従って、第1永久磁石15と第2永久磁石16とを必ず同時に変位させることができる。
【0052】
(7)上記実施形態では、車両用ECUは、基本的に、磁気センサ13から入力する磁気検出信号の有無に基づいてブレーキランプの負荷を制御(点灯)する構成とした。
【0053】
従って、車両用ECUは、機械式の接触に基づいてブレーキランプの負荷を制御する場合と比較して、迅速に制御することができる。
(8)上記実施形態では、検出部17にダイオード17bを設け、コイル17aにて生じた誘起起電力に基づく誘導電流を、ダイオード17bにて半波整流する構成とした。そして、検出部17は、ブレーキペダルの踏み込みが中止され、ブレーキペダルが踏まれた状態から初期状態に戻る場合のように、第2ロッド23が第2戻り方向に変位する際には、半波整流の作用により変位検出信号を出力しないようにした。また、電源コントローラ12は、最後に入力した変位検出信号に基づいて、磁気センサ13に所定時間電力供給した。
【0054】
従って、ブレーキペダルの踏み込みが中止されて操作検出機構21が初期状態に戻り、磁気センサ13が電力供給される必要のない場合において、電源コントローラ12が電力供給してしまう時間を短縮することができる。その結果、さらに、磁気センサ13の暗電流による消費電力をなくすことができる。
【0055】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図5及び図6に基づいて説明する。
尚、第2実施形態を含む以下の各実施形態においては、既に説明した実施形態の構成と同一構成又は相当する構成については、同一番号を付しその重複説明を省略する。
【0056】
さて、この第2実施形態の磁気センサ装置11は、操作検出機構21の第1ロッド22に設けられた第1永久磁石15を省略し、第2永久磁石16を永久磁石31として設けた点で第1実施形態の磁気センサ装置11と異なる。また、この第2実施形態では、第1永久磁石15を省略したのに伴い磁気センサ13の配置も変更されている。
【0057】
すなわち、図5に示すように、第2ロッド23の連結ピン27と逆側の一端には、永久磁石31が固着されている。永久磁石31は、摺動ケース29の内部に配置され、第2ロッド23の変位により同摺動ケース29内を往復摺動可能にされている。また、本実施形態の摺動ケース29は、その外周面の概ね中央となる一部のみにコイル17aが巻設されている。そして、永久磁石31は、初期状態では、コイル17aの内部に位置しないがコイル17aの近傍、かつ、その軸心上に位置するように配置されている。従って、初期状態において、第2ロッド23が変位され、永久磁石31が変位すれば、コイル17aは誘導起電力を発生する。そのため、永久磁石31は、初期状態において、検出部17の変位検出領域内に位置する。また、図6に示すように、完全にブレーキペダルが踏まれた状態では、永久磁石31は、コイル17aの内部に位置しないが、コイル17aの近傍、かつ、その軸心上に位置する。そのため、永久磁石31は、この状態でも検出部17の変位検出領域内に位置している。
【0058】
磁気センサ13は、第1実施形態と同様の磁気センサである。本実施形態の磁気センサ13は、永久磁石31の近傍に配置され、作動体としての永久磁石31の磁気を検出する構成となっている。従って、永久磁石31は、第1実施形態の第1永久磁石15及び第2永久磁石16を兼用する。
【0059】
図5に示すように、磁気センサ13は、初期状態において、非磁性体の摺動ケース29を挟んで、永久磁石31と対向して配置されている。そのため、永久磁石31は、初期状態にて、磁気センサ13の磁気検出領域内に位置する。一方で、磁気センサ13は、コイル17aとは対向しないように、摺動ケース29のコイル17aが巻設されていない一端の上方に位置している。そのため、磁気センサ13は、コイル17aに誘導電流が流れても、同誘導電流により発生する磁気を検出してしまうのを防止する構成となっている。また、永久磁石31は、初期状態から、第2ロッド23の変位とともに第2操作方向に変位すると、磁気検出領域内から磁気検出領域外に位置する。従って、永久磁石31は、検出部17の変位検出領域と磁気センサ13の磁気検出領域とを通過する移動軌跡を有するように配置されている。
【0060】
次に、IGがOFF状態における磁気センサ装置11の作用について説明する。
さて、ドライバ等により、ブレーキペダルが初期状態から踏み込まれると、可動片14は第1操作方向に変位する。第1ロッド22も同様に、弾性部材30の付勢により可動片14との接触を維持して操作方向に変位する。すると、第2ロッド23は、連結リンク24の正回動に基づいて、第2操作方向に変位する。そのため、永久磁石31は、摺動ケース29内を第2操作方向に摺動し、コイル17aに起電力が発生する。検出部17は、その起電力により永久磁石31の変位を検出する。そして、検出部17は、前記起電力に基づく誘導電流を変位検出信号として電源コントローラ12に出力する。すると、電源コントローラ12は、変位検出信号に基づいて磁気センサ13に電力供給し、磁気センサ13の磁気検出機能が有効化される。
【0061】
一方で、永久磁石31は、初期状態から第2操作方向に変位すると、磁気センサ13と対向しない磁気検出領域外に位置する。そのため、磁気センサ13は、電力供給されるものの、永久磁石31の磁気を検出せず磁気検出信号を出力しない。その結果、車両用ECUは、ブレーキランプを点灯する処理を行う。
【0062】
また、この操作状態で、ブレーキペダルの踏み込みが中止され、操作検出機構21がその状態で静止する保持状態になると、コイル17aに起電力は生じない。その結果、検出部17は、永久磁石31の変位を検出せず、電源コントローラ12に変位検出信号を出力しない。一方、電源コントローラ12は、タイマ回路51により最後に入力した変位検出信号から所定時間が計時されるまで、磁気センサ13への電力供給を維持する。その結果、車両用ECUは、検出部17が発電しない状態であっても磁気センサ13が電力供給される状態であれば、第1永久磁石15が磁気検出領域外に位置する限りブレーキランプを点灯する処理を行う。
【0063】
その後、ブレーキペダルの踏み込みが中止されて可動片14が第1戻り方向に変位すると、可動片14は第1ロッド22を弾性部材30の付勢に抗して押圧し始める。すると、第2ロッド23は、第2戻り方向に変位する。その結果、永久磁石31が磁気検出領域外から磁気検出領域内に位置すると、操作検出機構21は初期状態に戻る。磁気センサ13は、初期状態では、永久磁石31の磁気を検出するため、磁気検出信号を出力する。そのため、車両用ECUはブレーキランプを消灯する処理を行う。なお、電源コントローラ12は、最後に入力した変位検出信号から所定時間を計時した後に、磁気センサ13への電力供給を中止する。
【0064】
従って、本実施形態によれば、前記第1実施形態における(1)〜(3),(7),(8)に記載の効果に相当する効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
【0065】
(9)第2実施形態では、検出部17は、永久磁石31の変位を検出する構成とした。それとともに、磁気センサ13を、永久磁石31の磁気を検出するように配置した。
【0066】
従って、永久磁石を2つ用いた第1実施形態の場合と比較して、磁気センサ装置11の製造コストを低減することができる。また、従来の磁気センサ装置と比較しても、永久磁石の数を増やすことなく、暗電流による磁気センサ13の電力の消費をなくすことができる。
【0067】
(10)第2実施形態では、永久磁石31を有する第2ロッド23の変位による移動速度が、可動片14により直接押圧される第1ロッド22の変位による移動速度よりも大きくなるようにした。
【0068】
従って、第1ロッド22の移動速度が小さいような場合でも、第2ロッド23の移動速度は大きいため、第2ロッド23に設けられた永久磁石31のコイル17aに対する相対的な移動速度を大きくすることができる。そのため、検出部17は、第1ロッド22に永久磁石31を備えた場合と比較して、変位検出信号として十分な大きさの誘導電流を容易に得ることができる。
【0069】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を図7〜図11に基づいて説明する。
さて、この第3実施形態の磁気センサ装置11は、図7に示すように、第1実施形態の検出部17に相当する検出部38を圧電素子からなる被押圧部38aから構成した点で第1実施形態の磁気センサ装置11と異なっている。また、本実施形態の車両用ECUは、磁気検出信号の入力に基づいて、ブレーキランプを点灯する処理を行う点で第1実施形態の場合と異なっている。
【0070】
本実施形態における操作検出機構35の具体的構成を図8,9に基づいて説明する。なお、検出部38を構成する被押圧部38aも共に説明する。
図8に示すように、本実施形態の操作検出機構35は、可動片14、作動体としての押圧ロッド36からなる。本実施形態の可動片14は、図8に示すように、ブレーキペダルが踏まれていない状態で、押圧ロッド36と離間している。一方、図10に示すように、可動片14は、ブレーキペダルが踏まれた場合には、円柱形状をなす押圧ロッド36をその長さ方向に押圧するように変位する。なお、本実施形態では、ブレーキペダルが踏まれていない状態を初期状態と呼ぶ。
【0071】
押圧ロッド36は、例えば図9(a)に示すような支持機構41によりその軸線方向に変位可能となるように支持されている。なお、支持機構41は、図8,10,11においては省略している。図9(a)に示すように、支持機構41は、支持棒43及び付勢部44からなる。支持棒43の一端は、押圧ロッド36と固着されている。他端は、押圧ロッド36の上方の壁部42に形成された摺動室42aに位置している。摺動室42aは、押圧ロッド36がその軸線方向に変位可能となるように押圧ロッド36と平行な長尺状とされている。また、摺動室42aの下面は、長さ方向に沿って形成された長孔42bとされ、同長孔42bに支持棒43が差込まれている。
【0072】
また、図9(b)に示すように、摺動室42a内に位置する支持棒43の他端は、摺動室42aから外れないようにフランジ状に形成された摺動部43aとされている。図9(a)に示すように、摺動部43aは、長さ方向の両側から付勢部44に付勢されている。本実施形態の付勢部44は、コイルスプリングからなり、摺動部43aを摺動室42aの長さ方向の概ね中央となる初期位置に付勢している。従って、押圧ロッド36は、付勢部44による付勢力により、摺動部43aが初期位置となる所定の位置に付勢される構成となっている。なお、摺動部43aが初期位置に位置する状態では、操作検出機構35は初期状態となっている。
【0073】
押圧ロッド36の可動片14側の一端は、踏み込みの際に可動片14と当接する操作片36aとされている。他端は、前記被押圧部38aと当接する押圧部としての押圧片36bとされている。また、操作片36a及び押圧片36bは、コイルスプリングからなる弾性部36cにより連結されている。操作片36aの先端部には、永久磁石39が固着されている。
【0074】
被押圧部38aは、押圧ロッド36と同径の円板形状をなし、押圧ロッド36と対向して設けられている。押圧ロッド36は、所定の壁部40に固着支持されている。また、被押圧部38aは、押圧ロッド36の押圧片36bに押圧されることにより起電力を発生して発電する圧電素子からなっている。なお、押圧ロッド36の弾性部36cは、押圧片36bが被押圧部38aを押圧して、被押圧部38aに起電力が生ずる程度のバネ係数を有するように設定されている。従って、本実施形態の検出部38は、被押圧部38aから構成されている。そして、被押圧部38a(検出部38)は、電源コントローラ12と電気的に接続され、押圧ロッド36に押圧された際に発生する起電力に基づく電流を変位検出信号として出力する構成となっている。本実施形態の被押圧部38aは、初期状態において、押圧ロッド36と離間して配置されている。従って、押圧ロッド36は、初期状態において、検出部38の変位検出領域外に位置している。
【0075】
また、押圧ロッド36の下方には、磁気センサ13が配置されている。本実施形態の磁気センサ13は、初期状態において、永久磁石39と対向せず、磁気検出領域外に位置する構成となっている。一方で、永久磁石39は、ブレーキペダルの踏み込みに基づく押圧ロッド36の変位に伴って、磁気センサ13の磁気検出領域内に変位可能とされている。従って、本実施形態の磁気センサ13は、押圧ロッド36の変位に関連して変化する磁気を検出し得る構成とされている。そして、磁気センサ13は、電力供給された状態で、操作検出機構21が初期状態になく、永久磁石39が磁気検出領域内に位置する場合に、磁気を検出して磁気検出信号を出力する。
【0076】
次に、磁気センサ装置11の作用について説明する。
さて、初期状態において、ドライバ等によりブレーキペダルが踏まれると、可動片14は押圧ロッド36と接触して押圧するように変位する。以下、ブレーキペダルが踏まれた際に可動片14が変位する方向を操作方向と呼ぶ。その結果、可動片14が押圧ロッド36を押圧すると、押圧ロッド36は支持機構41の付勢に抗して操作方向に変位する。一方で、検出部38は、被押圧部38aが押圧ロッド36に押圧されない間は、起電力を発生しない。そのため、磁気センサ13は、初期状態から、被押圧部38aが押圧ロッド36に押圧されない間は、電力供給されない。
【0077】
その後、さらにブレーキペダルが踏まれ、図10に示すように、押圧片36bが被押圧部38aと当接する状態(以下、当接状態という。)となると、押圧ロッド36は被押圧部38aを押圧し、被押圧部38aは起電力を発生して発電する。すると、検出部38は、押圧ロッド36の変位を検出して変位検出信号を電源コントローラ12に出力する。その結果、磁気センサ13は電力供給され、磁気検出機能を有効化される。また、この当接状態では、永久磁石39は、押圧ロッド36の変位により、磁気センサ13と対向して磁気検出領域内に位置する。従って、本実施形態では、押圧ロッド36と被押圧部38aとが接触する箇所が変位検出領域であり、磁気検出領域である。従って、この当接状態では、磁気センサ13は、電力供給されるとともに永久磁石39の磁気を検出して、車両用ECUに磁気検出信号を出力する。すると、車両用ECUは、磁気検出信号の入力に基づいてブレーキランプを点灯する。また、この当接状態で操作検出機構35が静止すると、電源コントローラ12は、最後に変位検出信号を入力したときから、所定時間を計時するまで、磁気センサ13への電力供給を維持する。
【0078】
次に、図11に示すように、ブレーキペダルが当接状態からさらに踏まれると、操作片36aは、可動片14の押圧力により、弾性部36cを蓄力して押圧片36bに近接するように変位する。すると、操作片36aに固着された永久磁石39は、操作片36aの変位により操作方向に変位するが、磁気センサ13との対向を維持し、磁気検出領域内に位置し続ける。その結果、磁気センサ13は、電源コントローラ12から電力供給される間、当接状態から磁気検出信号を出力し続ける。そのため、ブレーキランプの点灯は維持される。
【0079】
その後、ドライバ等により、ブレーキペダルの踏み込みが中止されると、可動片14は操作方向と逆の方向(以下、戻り方向という。)に変位する。すると、押圧ロッド36の操作片36aは、弾性部36cの弾性力により、可動片14との当接を維持して戻り方向に変位する。また、このとき、押圧ロッド36の押圧片36bと被押圧部38aとの当接も維持されている。そして、図10のように、弾性部36cの蓄力がなくなるまで、操作検出機構35は当接状態となる。
【0080】
そして、この当接状態から、可動片14が戻り方向にさらに変位すると、押圧ロッド36は被押圧部38aから離間する。また、永久磁石39は、磁気検出領域外に位置する。そのため、磁気センサ13は、電力供給の有無にかかわらず、磁気を検出せず、磁気検出信号を出力しない。そのため、車両用ECUはブレーキランプを消灯する。なお、電源コントローラ12は、最後に入力した変位検出信号から所定時間を計時した後に、磁気センサ13への電力供給を中止する。
【0081】
従って、本実施形態によれば、前記第1実施形態における(1)〜(3),(7)に記載の効果に相当する効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
【0082】
(11)第3実施形態では、圧電素子からなる被押圧部38aを検出部38に設け、同検出部38の変位検出信号に基づいて、磁気センサ13に供給する電力を制御する構成とした。
【0083】
従って、検出部38は、コイル17aを含む第1,2実施形態の検出部17のように、一定の速さを伴う変位によってのみ検出可能であるというようなことがなく、作動体としての押圧ロッド36が所定量変位すれば、電源コントローラ12に対して確実に変位検出信号を出力することができる。
【0084】
なお、上記各実施形態は以下のような別例に変更して具体化してもよい。
○上記各実施形態では、電源コントローラ12は、磁気センサ13に対して電力供給する際には常時電力を供給したが、間欠的に電力供給してもよい。
【0085】
○第1,2実施形態では、第1永久磁石15、永久磁石31を、磁気センサ13が電力供給されたときのみ、磁気センサ13の磁気検出領域外に変位するようにした。これに代えて、第1永久磁石15、永久磁石31が磁気センサ13の磁気検出領域外に変位した後に、磁気センサ13に電力供給してもよい。また、第3実施形態では、永久磁石39を、磁気センサ13が電力供給されたときのみ、磁気センサ13の磁気検出領域内に変位するようにしたが、永久磁石39が磁気センサ13の磁気検出領域内に変位した後に、磁気センサ13に電力供給してもよい。
【0086】
○第1実施形態では、第1永久磁石15と第2永久磁石16とを作動連結して設けたが、第1永久磁石15及び第2永久磁石16が同時又は連続的に変位するのであれば、作動連結して設けなくてもよい。
【0087】
○第1実施形態では、第2永久磁石16の変位による移動速度を、第1永久磁石15の変位による移動速度よりも大きくしたが、大きくしなくてもよい。また、第1永久磁石15の変位による移動速度を、第2永久磁石16の変位による移動速度よりも大きくしてもよい。
【0088】
○第1,2実施形態では、検出部17にダイオード17bを設けたが、設けなくてもよい。この場合には、ブレーキペダルの踏み込みが中止され、第2ロッド23が第2戻り方向に変位する場合にもコイル17aに誘起電力が生じる。また、ダイオード17bを省略した分、ダイオード17bによる電圧降下をなくすことができる。
【0089】
○上記各実施形態では、電源コントローラ12は、磁気センサ13への電力供給を、タイマ回路51により所定時間保持する制御を行ったが、電源コントローラ12による磁気センサ13への電力供給の制御は特に限定しない。
【0090】
○上記各実施形態では、磁性体として永久磁石を用いた。この永久磁石としての材質は例えば鉄やニッケル等の強磁性体を挙げることができる。
○上記各実施形態では、磁気センサ装置11を、自動車に設けられたブレーキペダルの位置検出に用いたが、それ以外の用途に用いてもよい。
【0091】
○上記各実施形態では、磁気センサ装置11をMREを備える磁気センサとしたが、例えばMR等の他の素子を備える磁気センサとしてもよい。
○上記各実施形態では、磁気センサ13に所定の信号処理回路を含めたが、同信号処理回路は、磁気センサ13又は磁気センサ装置11と別に設けてもよい。
【0092】
次に、上記実施形態及び各別例から把握できる技術的思想について、それらの効果と共に以下に記載する。
(1)前記作動体は、永久磁石であることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の磁気センサ装置。
【0093】
従って、この(1)に記載の発明によれば、暗電流による磁気センサの消費電力をなくすことができる。
【0094】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、磁気センサの暗電流による消費電力をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気センサ装置の第1実施形態を示す概念図。
【図2】初期状態の操作検出機構の説明図。
【図3】電源コントローラの構成の一例を説明する回路図。
【図4】ブレーキペダルが完全に踏まれた状態の操作検出機構の説明図。
【図5】第2実施形態での初期状態の操作検出機構の説明図。
【図6】第2実施形態でのブレーキペダルが完全に踏まれた状態の操作検出機構の説明図。
【図7】本発明の磁気センサ装置の第3実施形態を示す概念図。
【図8】第3実施形態での初期状態の操作検出機構の説明図。
【図9】(a)は、第3実施形態の操作検出機構の支持機構の説明図。
(b)は、図10(a)の支持機構の摺動部の断面図。
【図10】第3実施形態での当接状態での操作検出機構の説明図。
【図11】第3実施形態でのブレーキペダルが完全に踏まれた状態での操作検出機構の説明図。
【符号の説明】
11…磁気センサ装置、12…電力供給許容部としての電源コントローラ、13…磁気センサ、15…第1磁性部材としての第1永久磁石、16…作動体又は第2磁性部材としての第2永久磁石、17,38…発電手段としの検出部、17a…コイル、31…作動体としての永久磁石、36…作動体としての押圧ロッド、38a…圧電素子としての被押圧部、B…電源としての車載バッテリ。
Claims (5)
- 電源と、
作動体の変位を検出して電力を発生する発電手段と、
前記発電手段からの電力の供給を受け、前記電源からの電力の出力を許容する電力供給許容部と、
前記電力供給許容部からの電力の供給を受けて磁気検出機能が有効化され、前記作動体の変位と関連して変化する磁気を検出する磁気センサと
を備えたことを特徴とする磁気センサ装置。 - 前記作動体は、磁性体にて形成され、
前記発電手段は、前記作動体の変位に基づいて起電力を発生するコイルを備えていることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ装置。 - 前記作動体は、前記発電手段の変位検出領域と前記磁気センサの磁気検出領域とを通過する移動軌跡を有するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の磁気センサ装置。
- 前記磁気センサが検出する磁気を発生する部材を第1磁性部材とし、前記作動体を第2磁性部材としたとき、
前記第2磁性部材は、その変位による移動速度が前記第1磁性部材の変位による移動速度よりも大きくなるように、前記第1磁性部材と作動連結されていることを特徴とする請求項2に記載の磁気センサ装置。 - 前記発電手段は、前記作動体の変位と関連して変位する押圧部に押圧されることにより起電力を発生する圧電素子を備えていることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ装置。
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