JP2006092777A - 無接点スイッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】 温度変化の影響を受けずに高精度でON/OFFを検出する。
【解決手段】 ケーシング3のセンサ収納部4にユニポーラ検出型のホール素子20を備える回路基板21を磁路板25を介して取り付ける。センサ収納部から延びるロッド支持部5の貫通穴7にロッド10をストローク可能に挿通する。ロッドはスプリング15によりその大径部11の肩が開口壁4bに当接する方向に付勢され、その当接状態で先端がロッド支持部の端面5aから突出している。大径部11には磁石17が取り付けられ、磁石はロッドのストローク範囲の両端ではホール素子20の真正面から外れており、ロッドが所定量押し込まれた位置でホール素子に最接近する。磁石が真正面に来て切り換わるまではホール素子が受ける磁力線の向きは変わらないので、温度にかかわらず一定位置でON、OFFが切り換わる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両のストップランプスイッチ等として用いる無接点スイッチに関する。
従来、車両のブレーキペダルに付設されるストップランプスイッチとして、摺動接点方式のスイッチが用いられていたが、これは異物による接点の接触障害に起因する動作不良や、接点のこすれによる異音が発生し易いと問題があった。
その対策として、例えば特開2004−200046号公報には、仕切り板の一方の面にホール素子を設け、これに対して固定的な位置関係でバイアス磁石を配置するとともに、仕切り板の反対側の面にそって移動可能に磁性体を設けた無接点方式の近接スイッチが開示されている。
この近接スイッチでは、磁性体の位置に応じてホール素子への印加磁束量が変化するので、ホール素子の出力から印加磁束量を検出することにより、磁性体の相対的な位置を求め、その位置からON(オン)またはOFF(オフ)の検出信号を得ることができる。
特開2004−200046号公報
しかしながら、上記従来の無接点方式の近接スイッチでは、周囲温度の変化による磁力の変化が大きい。例えば判断基準値を5mT(ミリテスラ)として該判断基準値以下をOFF、判断基準値より高いときをONに設定していても、温度変化で基準値が変動するので、誤差が生じ、検出精度を確保できないという問題がある。
したがって本発明は、上記従来の問題点に鑑み、温度変化の影響を受けずに高い精度でON/OFFを検出できる無接点スイッチを提供することを目的とする。
このため、本発明は、ユニポーラ型のホール素子を設けたケーシングと、ケーシングに対して移動可能で、磁石を取り付けたストローク部材とを有し、該ストローク部材の移動範囲の両端ではそれぞれ磁石とホール素子は離間し、移動範囲の途中で磁石がホール素子に最接近するように設定されているものとした。
ストローク部材の移動範囲の両端からそれぞれ最接近位置までの間は、周囲温度にかかわりなくホール素子の出力状態が保持され、最接近位置で切り換わるので、温度変化の影響を受けずに高い精度でON/OFFを検出できる。
以下、本発明をストップランプスイッチに適用した実施の形態について説明する。このストップランプスイッチは、例えばLEDからなるストップランプの駆動電流回路に挿入されて、ストップランプをON/OFFさせるものである。
図1は実施の形態の構成を示す断面図である。
ストップランプスイッチ1は、内部に後述のホール素子を配置したケーシング3と、ストローク部材としてケーシング3に対して相対的に移動可能に配置され磁石17が取り付けられたロッド10を主要素としている。
ケーシング3は、ボックス形状のセンサ収納部4と、センサ収納部4から延びるロッド支持部5と、センサ収納部4のロッド支持部5とは反対側に形成されたコネクタ部6とからなる。
センサ収納部4の内側壁4aには、ユニポーラ検出型のホール素子20を備える回路基板21が、磁性体からなる磁路板25を介して取り付けられている。磁路板25はロッド10のストローク方向に延びている。
回路基板21には、ホール素子20の出力に基いて動作するFETなどの半導体駆動素子を用いたパワースイッチ回路が構成されており、その図示しない入出力端子がコネクタ部6の端子27に接続されている。
ロッド支持部5には貫通穴7が設けられ、この貫通穴7にロッド10が挿通されている。またロッド支持部5の外周には雄ねじ9が形成されている。
ロッド10はセンサ収納部4側の端に大径部11を備え、大径部11の肩がセンサ収納部4における貫通穴7の開口壁4bに当接した状態で、他端(先端)がロッド支持部5の端面5aから所定量突出している。
ロッド10の大径部11の端面にはスプリング受け凹部13が形成され、センサ収納部4の開口壁4bと対向するコネクタ部側の端壁4cにはスプリング支持突起14が設けられて、スプリング支持突起14とスプリング受け凹部13間に配置されたスプリング15により、ロッド10はその大径部11の肩が開口壁4bに当接する方向に付勢されている。
磁石17は回路基板21に対向させてロッド10の大径部11に固定されている。磁石17は、大径部11の肩が開口壁4bに当接した図示の位置で、回路基板21上のホール素子20の真正面から外れており、ロッド10が所定量押し込まれた位置で、ホール素子20の真正面に来て最接近するように設定されている。
ロッド10の大径部11から先端方向所定の範囲には外周面に軸方向のキー突条19が形成され、ロッド支持部5の貫通穴7にはキー突条19と整合するキー溝8が形成されて、ロッド10が貫通穴7内を軸方向にストローク中回転しないようになっている。これにより、大径部11上の磁石17は常に回路基板21に対向する。
以上のように構成されたストップランプスイッチ1は、図2に示すように、足離し状態のブレーキペダルのレバー30にロッド10の先端を当接させて、ロッド先端がロッド支持部5の端面5aとほぼ一致するように、車体側固定部の雌ねじを備える取付けブラケット35に、ロッド支持部5の雄ねじ9を用いて取付けられる。なお、37はロックナットである。
レバー30の支持構造はとくに図示しないが、公知のように、図2において上方の図示しない端部で車体側固定部に回動可能に支持され、リターンスプリングでロッド支持部5に当接する方向に付勢されている。
この状態において、ケーシング3内のスプリング15は圧縮された状態で、ロッド10を押し戻し方向に付勢している。そして、ロッド10の大径部11に取り付けられた磁石17は、ホール素子20からコネクタ部6側寄りに外れている。
磁石17からは一方の磁極(例えばN極)からの磁力線がホール素子20に印加されており、回路基板21に構成されたパワースイッチ回路はOFF状態を形成し、すなわちストップランプスイッチ1はOFFとなっている。
つぎに、ドライバがブレーキペダルを踏み、ブレーキペダルのレバー30が回動してロッド支持部の端面5aから離れると、図3に示すように、ケーシング3内のスプリング15で付勢されていたロッド10が、その先端をレバー30に当接させたまま、レバー30に追随してロッド支持部の端面5aから突出する方向にストロークする。
これにより、ロッド10の大径部11に取り付けられホール素子20から離間していた磁石17が、ホール素子20に接近していく。
磁石17がホール素子20に接近していく間、ホール素子20には磁石17の一方の磁極からの磁力線が継続的に印加されているので、ホール素子20の出力に基くストップランプスイッチ1のOFF状態は変わらない。この際、回路基板21には磁路板25が取り付けられているので、これが磁路となってホール素子20は大きな磁束の中にあり、安定した状態が確保される。
そして、ロッド10のストロークがさらに進んで、磁石17がホール素子20の真正面に至ると、ホール素子20に印加される磁力線が磁石17の他方の磁極(S極)からの磁力線に反転するので、OFF状態がONに切り換わる。図3は磁石17がホール素子20の真正面に至った状態を示している。
その後、ブレーキペダルのレバー30がさらに回動していくと、ロッド10はその大径部11の肩がセンサ収納部の開口壁4bに当接して、それ以上のストロークが規制され、図4に示すように、レバー30に対するロッド10の追従は終了する。
磁石17がホール素子20の真正面の位置を過ぎて離れていく間、ホール素子20には磁石17の他方の磁極からの磁力線が継続的に印加されているので、ホール素子20の出力に基くストップランプスイッチ1のON状態は変わらない。したがって、ブレーキペダルが大きく踏込まれ、レバー30とロッド10が離れている間もON状態が継続される。
車両の必要な減速が終わり、踏込まれていたブレーキペダルが戻されるときは、上述と逆の順でストップランプスイッチ1はONからOFF状態へ切り換わる。
実施の形態は以上のように構成され、ユニポーラ型のホール素子20を設けたケーシング3と、ケーシング3に対して移動可能で、磁石17を取り付けたロッド10とを有し、ロッド10のストローク範囲の両端ではそれぞれ磁石17とホール素子20は離間し、ストロークの途中で磁石17がホール素子20に最接近するように設定されているので、ロッド10のストローク範囲の両端からそれぞれ最接近位置までの間はホール素子20にかかる磁力線の向きが変わず、周囲温度にかかわりなくONまたはOFFの状態が保持され、最接近位置でON/OFFが切り換わる。したがって、温度変化の影響を受けずに高い精度でON/OFFを検出できる。
さらに、ホール素子20は磁路板25を介してケーシング3の内側壁に取り付けられているので、その磁路形成によりホール素子20が大きな磁束の中にあり、外乱磁気に影響されることなく安定したONまたはOFF状態が確保される。
また、磁路板25は放熱板としても機能するから、ホール素子20が取り付けられた回路基板21に半導体駆動素子などを用いたパワースイッチ回路を構成しても、優れた放熱性が得られる。
また、ケーシング3は、ホール素子20を収納するセンサ収納部4と、貫通穴7を備えてセンサ収納部4から延びるロッド支持部5とを有し、ロッド10は貫通穴7に挿通されてセンサ収納部4側の端部に磁石17が取り付けられるとともに、センサ収納部4に配置されたスプリング15により、その先端がロッド支持部5の端面から突出する方向に付勢されている構成であるから、ロッド10の先端をブレーキペダルのレバー30に当接させて動作可能とすることができ、またロッド支持部外周のねじを用いて固定側に取り付けることで動作位置の調整設置がとくに簡単である。
本発明の実施の形態の構成を示す断面図である。 実施の形態の動作説明図である 実施の形態の動作説明図である 実施の形態の動作説明図である
符号の説明
1 ストップランプスイッチ
3 ケーシング
4 センサ収納部
4a 内側壁
4b 開口壁
4c 端壁
5 ロッド支持部
5a 端面
6 コネクタ部
7 貫通穴
8 キー溝
9 雄ねじ
10 ロッド(ストローク部材)
11 大径部
13 スプリング受け凹部
14 スプリング支持突起
15 スプリング
17 磁石
19 キー突条
20 ホール素子
21 回路基板
25 磁路板
27 端子
30 レバー
35 取付けブラケット
37 ロックナット

Claims (3)

  1. ユニポーラ型のホール素子を設けたケーシングと、
    ケーシングに対して移動可能で、磁石を取り付けたストローク部材とを有し、
    該ストローク部材の移動範囲の両端ではそれぞれ前記磁石と前記ホール素子は離間し、移動範囲の途中で前記磁石が前記ホール素子に最接近するように設定されていることを特徴とする無接点スイッチ。
  2. 前記ホール素子は磁路板を介して前記ケーシングに取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の無接点スイッチ。
  3. 前記ケーシングは、前記ホール素子を収納するセンサ収納部と、貫通穴を備えてセンサ収納部から延び外周にねじを形成したロッド支持部とを有し、
    前記ストローク部材は、前記貫通穴に挿通されたロッドであり、
    該ロッドのセンサ収納部側の端部に前記磁石が取り付けられ、
    前記ロッドは、前記センサ収納部に配置されたスプリングにより、その先端が前記ロッド支持部の端面から突出する方向に付勢されていることを特徴とする請求項1または2記載の無接点スイッチ。
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