JP2004245518A - 床暖房装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】PCTヒーターの熱膨張によって発生する応力を吸収することにより、表面仕上げ材の部分的な盛上りを抑制すると共に、PCTヒーターと表面仕上げ材との接着性を良好に保つ。施工の信頼性を高めること。
【解決手段】下地材4と表面仕上げ材3との間にPCTヒーター5が埋設された床暖房装置1において、PCTヒーター5上に耐熱性を有するホットメルト6をコーティングし、該ホットメルト6上にフィルム7を介して表面仕上げ材3を積層した。
【選択図】 図1
【解決手段】下地材4と表面仕上げ材3との間にPCTヒーター5が埋設された床暖房装置1において、PCTヒーター5上に耐熱性を有するホットメルト6をコーティングし、該ホットメルト6上にフィルム7を介して表面仕上げ材3を積層した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下地材と表面仕上げ材との間にPCTヒーターが埋設された床暖房装置に関し、詳しくはPCTヒーターの熱膨張と表面仕上げ材の表層収縮とによって表面仕上げ材に部分的な突状が発生するのを防止しようとする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、温度の上昇とともに電気抵抗値が増大する正温度係数特性を有するPTCヒータを用いた床暖房装置が多用されている。この種の床暖房装置1として、図7に示すように、下地材4上にPCTヒーター5を積層し、PCTヒーター5直上に表面仕上げ材3を設置施工したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−296034号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のように、PCTヒーター5直上に表面仕上げ材3を設置施工する構造にあっては、床暖房を使用する際に、PCTヒーター5は図8(a)の矢印Bに示す方向に熱により膨張し、表面仕上げ材3は図8(a)の矢印Cに示す方向に含水率低下により収縮し、このため図8(b)に示すように表面仕上げ材3に部分的な盛上りが発生するという問題があった。ここで、盛上りが発生する要因を考えると、図9(a)に示すように、PCTヒーター5上には、発熱体5a(電極部分5b、発熱部分5c)の外周部から外側方に突出するように熱拡散用のアルミ箔9が貼着されており、このアルミ箔9は隣接するPCTヒーター5の発熱体5a,5a間の隙間までを覆っており、これにより表面仕上げ材3への熱伝導の均一化が図られている。ところが発熱体5a,5a間の隙間にはアルミ箔9しかなく、その部分AではPCTヒーター5自体の強度が弱く、またその部分において表面仕上げ材3との接着力も弱いために、表面仕上げ材3に部分的な盛上りが発生すると考えられる。また、PCTヒーター5の熱膨張によって上方に凸となるように盛上る理由としては、下地材4の下には床スラブがあるためであり、そのうえ表面仕上げ材3の強度的に弱い部分A(上記アルミ箔9のみしか存在しない部分)でPCTヒーター5の熱膨張による長さを吸収しているためであると考えられる。また、表面仕上げ材3が部分的に突状になる理由として、仮りに図10(a)に示すように下地4’が強度的に均一な場合にあっては、下地4’の熱膨張と表面仕上げ材3の矢印方向Hへの表層収縮とによって図10(b)の矢印方向Gに向かって全体として凹となるが、一方、図11(a)に示すように、下地4が強度的に不均一な場合にあっては、図11(b)の矢印方向Hへの表層収縮が下地4’の強度的に弱い部分Aで吸収され、部分的に上方に向かって突状に盛上りやすくなると考えられる。このことから、上記図8のようにPCTヒーター5に強度的に弱い部分Aがあると表面仕上げ材3が部分的に突状に盛上りやすくなると考えられる。
【0005】
本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、PCTヒーターの熱膨張によって発生する応力をホットメルトを利用して吸収できるようにし、これにより、表面仕上げ材の部分的な盛上りを抑制できると共に、PCTヒーターと表面仕上げ材との接着性を良好に保つことができるようにした床暖房装置を提供することにあり、他の目的とするところは、ホットメルトをPCTヒーター上に均一な厚みで硬化させることが容易な床暖房装置を提供することにあり、他の目的とするところは、硬化後のホットメルトと表面仕上げ材とを確実に接着できる床暖房装置を提供することにあり、更に他の目的とするところは、PCTヒーター同士或いはホットメルト同士のこすれ音の発生を防止できる床暖房装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明にあっては、下地材4と表面仕上げ材3との間にPCTヒーター5が埋設された床暖房装置であって、PCTヒーター5上に耐熱性を有するホットメルト6をコーティングし、該ホットメルト6上にフィルム7を介して表面仕上げ材3を積層してなることを特徴としており、このように構成することで、PCTヒーター5の熱膨張によって発生する応力をホットメルト6の粘弾性による「ずり」によって吸収できるようになり、これによりPCTヒーター5自体の強度が弱い部分Aにおいて表面仕上げ材3の部分的な盛上りを抑制することができ、しかも、ホットメルト6は耐熱性を有しているので、PCTヒーター5により表面仕上げ材3を所定温度まで加熱してもPCTヒーター5とフィルム7とを十分強固に接着することができ、さらに、耐熱性を有するホットメルト6はフィルム7を介して表面仕上げ材3に接着されるので、例えば表面仕上げ材3の材質がホットメルト6と接着しにくい木質材であっても、フィルム7を介してホットメルト6と表面仕上げ材3との接着性が良好に保たれるようになる。
【0007】
また上記耐熱性を有するホットメルト6はUV硬化型であるのが好ましく、この場合、PCTヒーター5上に塗工したホットメルト6の上からUV照射を行うことで、ホットメルト6を硬化させることができると共に硬化後のホットメルト6は耐熱性を有するものとなる。これによりホットメルト6をPCTヒーター5上に均一な厚みで硬化させることが容易となる。
【0008】
また上記フィルム7はPETフィルム7aであるのが好ましく、この場合、硬化前のホットメルト6上にPETフィルム7aを覆うことで、ホットメルト6の硬化時にホットメルト6が除去されてしまうおそれがなく、PETフィルム7aを利用してPCTヒーター5上に均一な厚みでホットメルト6を硬化させることが一層容易となる。しかも、ホットメルト6の硬化後に、PETフィルム7a上に接着剤を介して表面仕上げ材3を積層接着すれば、硬化後のホットメルト6と表面仕上げ材3とを直接接着する場合と比較して、表面仕上げ材3とPCTヒーター5とを確実且つ安価で接着できるようになる。
【0009】
また上記PCTヒーター5は複数の発熱体5aが横方向に隙間8を隔てて配置されていると共に、上記ホットメルト6はPCTヒーター5の隙間8と連通する隙間8aを隔ててPCTヒーター5上にコーティングされているのが好ましく、この場合、上記隙間8,8aによってPCTヒーター5の熱膨張によるPCTヒーター5同士或いはホットメルト6同士のこすれ音の発生を防止できるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0011】
本実施形態の床暖房装置1は、図1、図4に示すように、下地材4上にPCTヒーター5を積層し、該PCTヒーター5上に耐熱性を有するホットメルト6とフィルム7とを積層して得られる床暖房マット2と、フィルム7上に積層される表面仕上げ材3とで構成されている。なお図4中の20は部屋の扉、21は壁である。
【0012】
PCTヒーター5は、一対の電極を被覆し温度の上昇とともに電気抵抗値が増大する正温度係数特性(自己温度コントロール機能)を有する発熱体5aで構成されている。ここでは複数のPCTヒーター5が使用され、隣接する発熱体5a,5aが隙間8を隔てて並設されている。
【0013】
上記PCTヒーター5の上面には熱拡散用のアルミ箔9が被覆されている。このアルミ箔9は、発熱体5aの上面全面を覆うだけでなく、更に発熱体5aの外周四辺からそれぞれ外側方に突出して隣接する発熱体5aとの隙間8までを覆っており、これにより隙間8部分での温度低下を防いで表面仕上げ材3への熱伝導が均一に行なわれるようになっている。
【0014】
ここで、上記PCTヒーター5上にはホットメルト6がコーティングされている。ホットメルト6はその粘弾性による「ずり」によってPCTヒーター5の熱膨張による応力を吸収する働きをする。ここでは、UV照射により硬化された後に耐熱性を有するものとなるUV硬化型ホットメルト6が使用されている。このホットメルト6は、図2に示す例では、発熱体5aの外側方に突出しているアルミ箔9の端部9aにはコーティングされていない。つまり、ホットメルト6はPCTヒーター5の隙間8と連通する隙間8aを隔ててPCTヒーター5上にコーティングされている。これらの隙間8,8aによってPCTヒーター5の熱膨張時においてPCTヒーター5同士或いはホットメルト6同士のこすれ音の発生を防止できるようになっている。
【0015】
上記ホットメルト6上にはフィルム7が被覆されている。本例ではPETフィルム7aが使用される。PETフィルム7aでホットメルト6を覆う理由は、(1)硬化前のホットメルト6を露出させたままでUV照射すると、ホットメルト6が除去されてしまうおそれがあり、(2)硬化後のホットメルト6と表面仕上げ材3との接着性が悪いためである。そこで、硬化前のホットメルト6上にPETフィルム7aを覆い、PETフィルム7aの上からUV照射を行なうことで、上記(1)の問題を解消できる。またホットメルト6と表面仕上げ材3との間にPETフィルム7aを介入し、PETフィルム7aと表面仕上げ材3とをウレタン接着剤等で接着することで、ホットメルト6と表面仕上げ材3との接着性を良好に保つことができ、上記(2)の問題を解消できる。つまり、PETフィルム7aは、ホットメルト6を均一な厚みで硬化させる機能と、ホットメルト6と表面仕上げ材3とを強固に接着する機能とを有している。また、PETフィルム7aは、図2に示す例では、上記ホットメルト6の隙間8aと連通する隙間8bを隔ててPETフィルム7a上に被覆されている。なお隙間8bは省略可能である。
【0016】
表面仕上げ材3は、例えば図4に示すように、複数のPCTヒーター5,5間にまたがって配置される長尺状の合板で構成されている。この合板はウレタン接着剤等を用いて上記PETフィルム7aに対して接着されている。
【0017】
上記構成によれば、下地材4上にPCTヒーター5を載置し、PCTヒーター5上にホットメルト6を塗工し、さらにその上にPETフィルム7aを覆うことで床暖房マット2を得、さらにPETフィルム7a上にウレタン接着材を介して表面仕上げ材3を積層一体化して床暖房装置1が構成されている。このように、PCTヒーター5と表面仕上げ材3との間にホットメルト6を介入させることで、PCTヒーター5の熱膨張によって図3の矢印方向Eに応力が発生したとき、ホットメルト6の粘弾性による「ずり」が図3の矢印方向Dに向かって発生して該応力を吸収できるようになる。これにより、PCTヒーター5自体の強度が弱い部分A(図2)において表面仕上げ材3の部分的な盛上りが発生するのを抑制することができ、結果、床面のフラット化を長期に亘って持続することができる。しかも、ホットメルト6は耐熱性を有しているので、PCTヒーター5により表面仕上げ材3を所定温度まで加熱してもPCTヒーター5上のアルミ箔9とPETフィルム7aとを十分強固に接着できるようになる。さらに、耐熱性を有するホットメルト6はPETフィルム7aを介して表面仕上げ材3に接着されるので、例えば表面仕上げ材3の材質がホットメルト6と接着しにくい木質材であっても、安価なPETフィルム7aを用いてホットメルト6と表面仕上げ材3との接着性を良好に保つことができるものである。
【0018】
また本例では耐熱性を有するホットメルト6はUV硬化型であるので、PCTヒーター5上にホットメルト6を塗工し、その上にPETフィルム7aを被せ、PETフィルム7aの上からUV照射器によってUV照射を行うことで、ホットメルト6を硬化させることができると共に硬化後のホットメルト6は耐熱性を有するものとなる。これによりホットメルト6をPCTヒーター5上に均一な厚みで硬化させることが容易となり、作業能率が大幅に向上する。さらに硬化前のホットメルト6上にPETフィルム7aを覆うことで、UV照射時にホットメルト6が除去されてしまうおそれがなく、PETフィルム7aを利用してPCTヒーター5上に均一な厚みでホットメルト6を硬化させることが容易となる。そのうえ、ホットメルト6の硬化後に、PETフィルム7a上に接着剤を介して表面仕上げ材3を積層接着するので、硬化後のホットメルト6と表面仕上げ材3とを直接接着する場合と比較して、表面仕上げ材3とPCTヒーター5とを確実に接着できるようになり、施工の信頼性を一層高めることができる。
【0019】
さらに本例では、PCTヒーター5の複数の発熱体5aは隙間8をあけて配置されているので、隙間8によってPCTヒーター5の熱膨張時におけるPCTヒーター5同士のこすれ音の発生を防止できるようになる。さらにホットメルト6は上記隙間8と連通する隙間8aを隔ててPCTヒーター5上にコーティングされているので、PCTヒーター5の熱膨張時におけるホットメルト6同士のこすれ音の発生も同時に防止できるようになる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳述する。
(実施例)
PCTヒーター5上にUV硬化型のホットメルト6を50μm厚で塗工し、その上からPETフィルム7aを載せ、圧締後にUV照射によりホットメルト6を硬化させることにより、ホットメルト6は耐熱性を有するものとなる。PET繊維からなる下地材4上に上記PCTヒーター5を載置し、さらにPETフィルム7a上にウレタン接着剤を塗布量(例えば250g/m2)で塗布し、その上に合板よりなる6mm厚さの表面仕上げ材3を設置施工した。
【0021】
本例では、PETフィルム7aとして12μm厚、38μm厚、50μm厚のものを用いた。また本例では、横方向に隣接するPCTヒーター5の発熱体5a,5a間、及びホットメルト6,6間に、こすれ音防止のための隙間8,8aをそれぞれ設けた。
【0022】
ここで、図5は、本発明の床暖房装置1及び従来の床暖房装置1に120時間連続して通電した際のPCTヒーター5の盛上りを経時変化で示したグラフであり、図6は、120時間経過後のPCTヒーター5の盛上りを示すグラフである。図5中のラインL1は50μm厚のホットメルト6、12μm厚のPETフィルム7aを用いた実施例、ラインL2は50μm厚ホットメルト6、38μm厚PETフィルム7aを用いた実施例、ラインL3は50μm厚ホットメルト6、50μm厚PETフィルム7aを用いた実施例をそれぞれ示し、ラインL4は、従来品(ホットメルト6無し、フィルム無し)の比較例を示している。なお、表面仕上げ材3の含水率変化に関しては本発明品と従来品とは変わりはなかった。
【0023】
図5から明らかなように、従来品(ラインL4)ではPCTヒーター5の熱膨張により初期2時間経過後に盛上り量が0.8mmとなり、その後、表面仕上げ材3の含水率低下による収縮により、盛上り量は増加し、120時間経過後には1.67mmとなった。一方、本発明品の実施例(ラインL1〜L3)では、PCTヒーター5の熱膨張による初期2時間経過後の盛上り量は0.2〜0.3mm程度であり、その後、表面仕上げ材3の含水率低下による収縮が生じても、盛上り量はほとんど増加せず、120時間経過後の盛上り量は0.2〜0.4mmであった。
【0024】
これにより、ホットメルト6とPETフィルム7aを有する本発明品では、これらを有しない従来品と比較して、PCTヒーター5の熱膨張により発生する床の盛上りを低減することができ、大きな改善効果が得られることがわかった。
【0025】
また、PETフィルム7aの厚さはコストと製造の容易性に係わり、概ね表1のようになる。
【0026】
【表1】
なお表1において、厚さ12mmのPETフィルム7aの製造が難しい理由は、フィルム7が薄くなると皺が発生しやすくなるためである。
【0027】
【発明の効果】
上述のように請求項1記載の発明にあっては、下地材と表面仕上げ材との間にPCTヒーターが埋設された床暖房装置であって、PCTヒーター上に耐熱性を有するホットメルトをコーティングし、該ホットメルト上にフィルムを介して表面仕上げ材を積層してなるので、PCTヒーターの熱膨張によって発生する応力をホットメルトの粘弾性による「ずり」にて吸収できるようになり、これによりPCTヒーター自体の強度が弱い部分において表面仕上げ材の部分的な盛上りを抑制できる結果、床面のフラット化を長期に亘って持続することができると共に、ホットメルトは耐熱性を有しているので、PCTヒーターにより表面仕上げ材を所定温度まで加熱してもPCTヒーターとフィルムとを十分強固に接着することができる。さらに、耐熱性を有するホットメルトはフィルムを介して表面仕上げ材に接着されるので、例えば表面仕上げ材の材質がホットメルトと接着しにくい木質材であっても、フィルムを介してホットメルトと表面仕上げ材との接着性を良好に保つことができ、施工の信頼性を高めることができる。
【0028】
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、上記耐熱性を有するホットメルトはUV硬化型であるので、PCTヒーター上に塗工したホットメルトの上からUV照射を行うことで、ホットメルトを硬化させることができると共に硬化後のホットメルトは耐熱性を有するものとなる。これによりホットメルトをPCTヒーター上に均一な厚みで硬化させることが容易となり、作業能率が大幅に向上する。
【0029】
また請求項3記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、上記フィルムはPETフィルムであるので、硬化前のホットメルト上にPETフィルムを覆うことで、ホットメルトの硬化時にホットメルトが除去されてしまうおそれがなく、PETフィルムを利用してPCTヒーター上に均一な厚みでホットメルトを硬化させることが一層容易となる。しかも、ホットメルトの硬化後に、PETフィルム上に接着剤を介して表面仕上げ材を積層接着するので、硬化後のホットメルトと表面仕上げ材とを直接接着する場合と比較して、表面仕上げ材とPCTヒーターとを確実に接着できるようになり、施工の信頼性をより一層高めることができる。
【0030】
また請求項4記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の効果に加えて、上記PCTヒーターは複数の発熱体が横方向に隙間を隔てて配置されていると共に、上記ホットメルトはPCTヒーターの隙間と連通する隙間を隔ててPCTヒーター上にコーティングされているので、上記隙間によってPCTヒーターの熱膨張によるPCTヒーター同士のこすれ音、ホットメルト同士のこすれ音の発生を防止できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の床暖房装置の断面図である。
【図2】同上のPCTヒーターの隙間付近の拡大断面図である。
【図3】図2のA部の断面図である。
【図4】同上の床暖房装置が設置される部屋の斜視図である。
【図5】同上のPCTヒーターの盛上りの経時変化を説明するグラフである。
【図6】本発明品と従来品との表面仕上げ材の盛上り状態を比較するグラフである。
【図7】従来の床暖房装置の断面図である。
【図8】(a)(b)は従来の表面仕上げ材の盛上り状態を説明する断面図である。
【図9】(a)はPCTヒーターの設置状態を説明する平面図、(b)は(a)のJ−J線に沿う断面図である。
【図10】(a)(b)は下地が強度的に均一な場合における表層収縮状態の説明図である。
【図11】(a)(b)は下地が強度的に不均一な場合における表層収縮状態の説明図である。
【符号の説明】
1 床暖房装置
3 表面仕上げ材
4 下地材
5 PCTヒーター
6 ホットメルト
7 フィルム
7a PETフィルム
8 PCTヒーターの隙間
8a ホットメルトの隙間
【発明の属する技術分野】
本発明は、下地材と表面仕上げ材との間にPCTヒーターが埋設された床暖房装置に関し、詳しくはPCTヒーターの熱膨張と表面仕上げ材の表層収縮とによって表面仕上げ材に部分的な突状が発生するのを防止しようとする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、温度の上昇とともに電気抵抗値が増大する正温度係数特性を有するPTCヒータを用いた床暖房装置が多用されている。この種の床暖房装置1として、図7に示すように、下地材4上にPCTヒーター5を積層し、PCTヒーター5直上に表面仕上げ材3を設置施工したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−296034号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のように、PCTヒーター5直上に表面仕上げ材3を設置施工する構造にあっては、床暖房を使用する際に、PCTヒーター5は図8(a)の矢印Bに示す方向に熱により膨張し、表面仕上げ材3は図8(a)の矢印Cに示す方向に含水率低下により収縮し、このため図8(b)に示すように表面仕上げ材3に部分的な盛上りが発生するという問題があった。ここで、盛上りが発生する要因を考えると、図9(a)に示すように、PCTヒーター5上には、発熱体5a(電極部分5b、発熱部分5c)の外周部から外側方に突出するように熱拡散用のアルミ箔9が貼着されており、このアルミ箔9は隣接するPCTヒーター5の発熱体5a,5a間の隙間までを覆っており、これにより表面仕上げ材3への熱伝導の均一化が図られている。ところが発熱体5a,5a間の隙間にはアルミ箔9しかなく、その部分AではPCTヒーター5自体の強度が弱く、またその部分において表面仕上げ材3との接着力も弱いために、表面仕上げ材3に部分的な盛上りが発生すると考えられる。また、PCTヒーター5の熱膨張によって上方に凸となるように盛上る理由としては、下地材4の下には床スラブがあるためであり、そのうえ表面仕上げ材3の強度的に弱い部分A(上記アルミ箔9のみしか存在しない部分)でPCTヒーター5の熱膨張による長さを吸収しているためであると考えられる。また、表面仕上げ材3が部分的に突状になる理由として、仮りに図10(a)に示すように下地4’が強度的に均一な場合にあっては、下地4’の熱膨張と表面仕上げ材3の矢印方向Hへの表層収縮とによって図10(b)の矢印方向Gに向かって全体として凹となるが、一方、図11(a)に示すように、下地4が強度的に不均一な場合にあっては、図11(b)の矢印方向Hへの表層収縮が下地4’の強度的に弱い部分Aで吸収され、部分的に上方に向かって突状に盛上りやすくなると考えられる。このことから、上記図8のようにPCTヒーター5に強度的に弱い部分Aがあると表面仕上げ材3が部分的に突状に盛上りやすくなると考えられる。
【0005】
本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、PCTヒーターの熱膨張によって発生する応力をホットメルトを利用して吸収できるようにし、これにより、表面仕上げ材の部分的な盛上りを抑制できると共に、PCTヒーターと表面仕上げ材との接着性を良好に保つことができるようにした床暖房装置を提供することにあり、他の目的とするところは、ホットメルトをPCTヒーター上に均一な厚みで硬化させることが容易な床暖房装置を提供することにあり、他の目的とするところは、硬化後のホットメルトと表面仕上げ材とを確実に接着できる床暖房装置を提供することにあり、更に他の目的とするところは、PCTヒーター同士或いはホットメルト同士のこすれ音の発生を防止できる床暖房装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明にあっては、下地材4と表面仕上げ材3との間にPCTヒーター5が埋設された床暖房装置であって、PCTヒーター5上に耐熱性を有するホットメルト6をコーティングし、該ホットメルト6上にフィルム7を介して表面仕上げ材3を積層してなることを特徴としており、このように構成することで、PCTヒーター5の熱膨張によって発生する応力をホットメルト6の粘弾性による「ずり」によって吸収できるようになり、これによりPCTヒーター5自体の強度が弱い部分Aにおいて表面仕上げ材3の部分的な盛上りを抑制することができ、しかも、ホットメルト6は耐熱性を有しているので、PCTヒーター5により表面仕上げ材3を所定温度まで加熱してもPCTヒーター5とフィルム7とを十分強固に接着することができ、さらに、耐熱性を有するホットメルト6はフィルム7を介して表面仕上げ材3に接着されるので、例えば表面仕上げ材3の材質がホットメルト6と接着しにくい木質材であっても、フィルム7を介してホットメルト6と表面仕上げ材3との接着性が良好に保たれるようになる。
【0007】
また上記耐熱性を有するホットメルト6はUV硬化型であるのが好ましく、この場合、PCTヒーター5上に塗工したホットメルト6の上からUV照射を行うことで、ホットメルト6を硬化させることができると共に硬化後のホットメルト6は耐熱性を有するものとなる。これによりホットメルト6をPCTヒーター5上に均一な厚みで硬化させることが容易となる。
【0008】
また上記フィルム7はPETフィルム7aであるのが好ましく、この場合、硬化前のホットメルト6上にPETフィルム7aを覆うことで、ホットメルト6の硬化時にホットメルト6が除去されてしまうおそれがなく、PETフィルム7aを利用してPCTヒーター5上に均一な厚みでホットメルト6を硬化させることが一層容易となる。しかも、ホットメルト6の硬化後に、PETフィルム7a上に接着剤を介して表面仕上げ材3を積層接着すれば、硬化後のホットメルト6と表面仕上げ材3とを直接接着する場合と比較して、表面仕上げ材3とPCTヒーター5とを確実且つ安価で接着できるようになる。
【0009】
また上記PCTヒーター5は複数の発熱体5aが横方向に隙間8を隔てて配置されていると共に、上記ホットメルト6はPCTヒーター5の隙間8と連通する隙間8aを隔ててPCTヒーター5上にコーティングされているのが好ましく、この場合、上記隙間8,8aによってPCTヒーター5の熱膨張によるPCTヒーター5同士或いはホットメルト6同士のこすれ音の発生を防止できるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0011】
本実施形態の床暖房装置1は、図1、図4に示すように、下地材4上にPCTヒーター5を積層し、該PCTヒーター5上に耐熱性を有するホットメルト6とフィルム7とを積層して得られる床暖房マット2と、フィルム7上に積層される表面仕上げ材3とで構成されている。なお図4中の20は部屋の扉、21は壁である。
【0012】
PCTヒーター5は、一対の電極を被覆し温度の上昇とともに電気抵抗値が増大する正温度係数特性(自己温度コントロール機能)を有する発熱体5aで構成されている。ここでは複数のPCTヒーター5が使用され、隣接する発熱体5a,5aが隙間8を隔てて並設されている。
【0013】
上記PCTヒーター5の上面には熱拡散用のアルミ箔9が被覆されている。このアルミ箔9は、発熱体5aの上面全面を覆うだけでなく、更に発熱体5aの外周四辺からそれぞれ外側方に突出して隣接する発熱体5aとの隙間8までを覆っており、これにより隙間8部分での温度低下を防いで表面仕上げ材3への熱伝導が均一に行なわれるようになっている。
【0014】
ここで、上記PCTヒーター5上にはホットメルト6がコーティングされている。ホットメルト6はその粘弾性による「ずり」によってPCTヒーター5の熱膨張による応力を吸収する働きをする。ここでは、UV照射により硬化された後に耐熱性を有するものとなるUV硬化型ホットメルト6が使用されている。このホットメルト6は、図2に示す例では、発熱体5aの外側方に突出しているアルミ箔9の端部9aにはコーティングされていない。つまり、ホットメルト6はPCTヒーター5の隙間8と連通する隙間8aを隔ててPCTヒーター5上にコーティングされている。これらの隙間8,8aによってPCTヒーター5の熱膨張時においてPCTヒーター5同士或いはホットメルト6同士のこすれ音の発生を防止できるようになっている。
【0015】
上記ホットメルト6上にはフィルム7が被覆されている。本例ではPETフィルム7aが使用される。PETフィルム7aでホットメルト6を覆う理由は、(1)硬化前のホットメルト6を露出させたままでUV照射すると、ホットメルト6が除去されてしまうおそれがあり、(2)硬化後のホットメルト6と表面仕上げ材3との接着性が悪いためである。そこで、硬化前のホットメルト6上にPETフィルム7aを覆い、PETフィルム7aの上からUV照射を行なうことで、上記(1)の問題を解消できる。またホットメルト6と表面仕上げ材3との間にPETフィルム7aを介入し、PETフィルム7aと表面仕上げ材3とをウレタン接着剤等で接着することで、ホットメルト6と表面仕上げ材3との接着性を良好に保つことができ、上記(2)の問題を解消できる。つまり、PETフィルム7aは、ホットメルト6を均一な厚みで硬化させる機能と、ホットメルト6と表面仕上げ材3とを強固に接着する機能とを有している。また、PETフィルム7aは、図2に示す例では、上記ホットメルト6の隙間8aと連通する隙間8bを隔ててPETフィルム7a上に被覆されている。なお隙間8bは省略可能である。
【0016】
表面仕上げ材3は、例えば図4に示すように、複数のPCTヒーター5,5間にまたがって配置される長尺状の合板で構成されている。この合板はウレタン接着剤等を用いて上記PETフィルム7aに対して接着されている。
【0017】
上記構成によれば、下地材4上にPCTヒーター5を載置し、PCTヒーター5上にホットメルト6を塗工し、さらにその上にPETフィルム7aを覆うことで床暖房マット2を得、さらにPETフィルム7a上にウレタン接着材を介して表面仕上げ材3を積層一体化して床暖房装置1が構成されている。このように、PCTヒーター5と表面仕上げ材3との間にホットメルト6を介入させることで、PCTヒーター5の熱膨張によって図3の矢印方向Eに応力が発生したとき、ホットメルト6の粘弾性による「ずり」が図3の矢印方向Dに向かって発生して該応力を吸収できるようになる。これにより、PCTヒーター5自体の強度が弱い部分A(図2)において表面仕上げ材3の部分的な盛上りが発生するのを抑制することができ、結果、床面のフラット化を長期に亘って持続することができる。しかも、ホットメルト6は耐熱性を有しているので、PCTヒーター5により表面仕上げ材3を所定温度まで加熱してもPCTヒーター5上のアルミ箔9とPETフィルム7aとを十分強固に接着できるようになる。さらに、耐熱性を有するホットメルト6はPETフィルム7aを介して表面仕上げ材3に接着されるので、例えば表面仕上げ材3の材質がホットメルト6と接着しにくい木質材であっても、安価なPETフィルム7aを用いてホットメルト6と表面仕上げ材3との接着性を良好に保つことができるものである。
【0018】
また本例では耐熱性を有するホットメルト6はUV硬化型であるので、PCTヒーター5上にホットメルト6を塗工し、その上にPETフィルム7aを被せ、PETフィルム7aの上からUV照射器によってUV照射を行うことで、ホットメルト6を硬化させることができると共に硬化後のホットメルト6は耐熱性を有するものとなる。これによりホットメルト6をPCTヒーター5上に均一な厚みで硬化させることが容易となり、作業能率が大幅に向上する。さらに硬化前のホットメルト6上にPETフィルム7aを覆うことで、UV照射時にホットメルト6が除去されてしまうおそれがなく、PETフィルム7aを利用してPCTヒーター5上に均一な厚みでホットメルト6を硬化させることが容易となる。そのうえ、ホットメルト6の硬化後に、PETフィルム7a上に接着剤を介して表面仕上げ材3を積層接着するので、硬化後のホットメルト6と表面仕上げ材3とを直接接着する場合と比較して、表面仕上げ材3とPCTヒーター5とを確実に接着できるようになり、施工の信頼性を一層高めることができる。
【0019】
さらに本例では、PCTヒーター5の複数の発熱体5aは隙間8をあけて配置されているので、隙間8によってPCTヒーター5の熱膨張時におけるPCTヒーター5同士のこすれ音の発生を防止できるようになる。さらにホットメルト6は上記隙間8と連通する隙間8aを隔ててPCTヒーター5上にコーティングされているので、PCTヒーター5の熱膨張時におけるホットメルト6同士のこすれ音の発生も同時に防止できるようになる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳述する。
(実施例)
PCTヒーター5上にUV硬化型のホットメルト6を50μm厚で塗工し、その上からPETフィルム7aを載せ、圧締後にUV照射によりホットメルト6を硬化させることにより、ホットメルト6は耐熱性を有するものとなる。PET繊維からなる下地材4上に上記PCTヒーター5を載置し、さらにPETフィルム7a上にウレタン接着剤を塗布量(例えば250g/m2)で塗布し、その上に合板よりなる6mm厚さの表面仕上げ材3を設置施工した。
【0021】
本例では、PETフィルム7aとして12μm厚、38μm厚、50μm厚のものを用いた。また本例では、横方向に隣接するPCTヒーター5の発熱体5a,5a間、及びホットメルト6,6間に、こすれ音防止のための隙間8,8aをそれぞれ設けた。
【0022】
ここで、図5は、本発明の床暖房装置1及び従来の床暖房装置1に120時間連続して通電した際のPCTヒーター5の盛上りを経時変化で示したグラフであり、図6は、120時間経過後のPCTヒーター5の盛上りを示すグラフである。図5中のラインL1は50μm厚のホットメルト6、12μm厚のPETフィルム7aを用いた実施例、ラインL2は50μm厚ホットメルト6、38μm厚PETフィルム7aを用いた実施例、ラインL3は50μm厚ホットメルト6、50μm厚PETフィルム7aを用いた実施例をそれぞれ示し、ラインL4は、従来品(ホットメルト6無し、フィルム無し)の比較例を示している。なお、表面仕上げ材3の含水率変化に関しては本発明品と従来品とは変わりはなかった。
【0023】
図5から明らかなように、従来品(ラインL4)ではPCTヒーター5の熱膨張により初期2時間経過後に盛上り量が0.8mmとなり、その後、表面仕上げ材3の含水率低下による収縮により、盛上り量は増加し、120時間経過後には1.67mmとなった。一方、本発明品の実施例(ラインL1〜L3)では、PCTヒーター5の熱膨張による初期2時間経過後の盛上り量は0.2〜0.3mm程度であり、その後、表面仕上げ材3の含水率低下による収縮が生じても、盛上り量はほとんど増加せず、120時間経過後の盛上り量は0.2〜0.4mmであった。
【0024】
これにより、ホットメルト6とPETフィルム7aを有する本発明品では、これらを有しない従来品と比較して、PCTヒーター5の熱膨張により発生する床の盛上りを低減することができ、大きな改善効果が得られることがわかった。
【0025】
また、PETフィルム7aの厚さはコストと製造の容易性に係わり、概ね表1のようになる。
【0026】
【表1】
なお表1において、厚さ12mmのPETフィルム7aの製造が難しい理由は、フィルム7が薄くなると皺が発生しやすくなるためである。
【0027】
【発明の効果】
上述のように請求項1記載の発明にあっては、下地材と表面仕上げ材との間にPCTヒーターが埋設された床暖房装置であって、PCTヒーター上に耐熱性を有するホットメルトをコーティングし、該ホットメルト上にフィルムを介して表面仕上げ材を積層してなるので、PCTヒーターの熱膨張によって発生する応力をホットメルトの粘弾性による「ずり」にて吸収できるようになり、これによりPCTヒーター自体の強度が弱い部分において表面仕上げ材の部分的な盛上りを抑制できる結果、床面のフラット化を長期に亘って持続することができると共に、ホットメルトは耐熱性を有しているので、PCTヒーターにより表面仕上げ材を所定温度まで加熱してもPCTヒーターとフィルムとを十分強固に接着することができる。さらに、耐熱性を有するホットメルトはフィルムを介して表面仕上げ材に接着されるので、例えば表面仕上げ材の材質がホットメルトと接着しにくい木質材であっても、フィルムを介してホットメルトと表面仕上げ材との接着性を良好に保つことができ、施工の信頼性を高めることができる。
【0028】
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、上記耐熱性を有するホットメルトはUV硬化型であるので、PCTヒーター上に塗工したホットメルトの上からUV照射を行うことで、ホットメルトを硬化させることができると共に硬化後のホットメルトは耐熱性を有するものとなる。これによりホットメルトをPCTヒーター上に均一な厚みで硬化させることが容易となり、作業能率が大幅に向上する。
【0029】
また請求項3記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、上記フィルムはPETフィルムであるので、硬化前のホットメルト上にPETフィルムを覆うことで、ホットメルトの硬化時にホットメルトが除去されてしまうおそれがなく、PETフィルムを利用してPCTヒーター上に均一な厚みでホットメルトを硬化させることが一層容易となる。しかも、ホットメルトの硬化後に、PETフィルム上に接着剤を介して表面仕上げ材を積層接着するので、硬化後のホットメルトと表面仕上げ材とを直接接着する場合と比較して、表面仕上げ材とPCTヒーターとを確実に接着できるようになり、施工の信頼性をより一層高めることができる。
【0030】
また請求項4記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の効果に加えて、上記PCTヒーターは複数の発熱体が横方向に隙間を隔てて配置されていると共に、上記ホットメルトはPCTヒーターの隙間と連通する隙間を隔ててPCTヒーター上にコーティングされているので、上記隙間によってPCTヒーターの熱膨張によるPCTヒーター同士のこすれ音、ホットメルト同士のこすれ音の発生を防止できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の床暖房装置の断面図である。
【図2】同上のPCTヒーターの隙間付近の拡大断面図である。
【図3】図2のA部の断面図である。
【図4】同上の床暖房装置が設置される部屋の斜視図である。
【図5】同上のPCTヒーターの盛上りの経時変化を説明するグラフである。
【図6】本発明品と従来品との表面仕上げ材の盛上り状態を比較するグラフである。
【図7】従来の床暖房装置の断面図である。
【図8】(a)(b)は従来の表面仕上げ材の盛上り状態を説明する断面図である。
【図9】(a)はPCTヒーターの設置状態を説明する平面図、(b)は(a)のJ−J線に沿う断面図である。
【図10】(a)(b)は下地が強度的に均一な場合における表層収縮状態の説明図である。
【図11】(a)(b)は下地が強度的に不均一な場合における表層収縮状態の説明図である。
【符号の説明】
1 床暖房装置
3 表面仕上げ材
4 下地材
5 PCTヒーター
6 ホットメルト
7 フィルム
7a PETフィルム
8 PCTヒーターの隙間
8a ホットメルトの隙間
Claims (4)
- 下地材と表面仕上げ材との間にPCTヒーターが埋設された床暖房装置であって、PCTヒーター上に耐熱性を有するホットメルトをコーティングし、該ホットメルト上にフィルムを介して表面仕上げ材を積層してなることを特徴とする床暖房装置。
- 上記耐熱性を有するホットメルトはUV硬化型であることを特徴とする請求項1記載の床暖房装置。
- 上記フィルムはPETフィルムであることを特徴とする請求項1記載の床暖房装置。
- 上記PCTヒーターは複数の発熱体が横方向に隙間を隔てて配置されていると共に、上記ホットメルトはPCTヒーターの隙間と連通する隙間を隔ててPCTヒーター上にコーティングされていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の床暖房装置。
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004245518A (ja) |
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2003
- 2003-02-14 JP JP2003036516A patent/JP2004245518A/ja not_active Withdrawn
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