JP2004244196A - ブーム伸縮機構の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固定ピン駆動手段40の駆動圧を制御する駆動圧制御手段130と固定ピンの作動速度を検出する固定ピン作動速度検出手段と、コントローラとを配置し、コントローラ65がこの固定ピン作動速度検出手段の信号に基き前記固定ピン駆動手段40の作動速度が遅い時には駆動圧を高くするよう駆動圧制御手段130に駆動圧信号を出力し、ブーム間固定行程および前記ブーム間固定解除行程において、固定ピン駆動手段40の駆動圧を高くして作動を速くする。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動式クレーンの多段伸縮ブームに使用される伸縮シリンダを用いたブーム伸縮機構の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動式クレーンの多段伸縮ブームの伸縮機構として、1本の伸縮シリンダのみにより全段のブームを伸縮させるブーム伸縮機構が実用化されている(例えば、特許文献1参照)。かかるブーム伸縮機構は伸縮シリンダが1本であるため機構全体を軽量化できるという利点を有している。
【0003】
以下このブーム伸縮機構について説明する。図1は1本の伸縮シリンダによる伸縮機構が使用された6段伸縮ブームの伸縮シリンダに沿った断面図であって、全縮小状態の基端部を示している。伸縮ブーム10はベースブーム11内に、セカンドブーム12、サードブーム13、フォースブーム14、フィフスブーム15、およびトップブーム16がそれぞれ伸縮自在に嵌挿されて構成されている。1は伸縮シリンダであって、シリンダチューブ2、シリンダチューブロッド側端部3、ロッド4、ロッド端部5とから構成されている。伸縮シリンダ1は、前記伸縮ブーム10に内装されており、前記ベースブーム11の基端部11aに前記伸縮シリンダロッド端部5が軸支されている。以下、1本の伸縮シリンダによる伸縮機構の主要構成を分説する。
【0004】
(シリンダ・ブーム連結手段)図2は図1のA−A断面図である。20はシリンダ・ブーム連結手段であって、前記伸縮シリンダ1のシリンダチューブロッド側端部3に配置された連結ピン駆動シリンダ21、連結ピン駆動レバー22、連結ピン23、および前記セカンドブーム基端部12aに配置された連結ボス12cの連結穴12bから構成されている。連結ピン23は前記伸縮シリンダロッド側端部3を構成するトラニオン部材25の連結ピン収納穴26に摺動可能に組み付けられている。連結ピン駆動レバー22は、前記トラニオン部材25から上方に一体構成されたサポート24に揺動可能に軸支されている。図2では連結穴12bは、セカンドブーム基端部12aに設けられたもののみ示しているが、図1で二点鎖線で示すようにサードブーム基端部13a、フォースブーム基端部14a、フィフスブーム基端部15a、トップブーム基端部16aにも同様にそれぞれ連結穴13b、14b、15b、16bが設けられている。
【0005】
前記連結ピン23と連結ピン駆動レバー22は左右に一対配置されている。連結ピン駆動レバー22の一端は連結ピン23に枢着され、その他端は前記連結ピン駆動シリンダ21のロッド側端部21aおよびシリンダ側端部21bにそれぞれ枢着されている。
【0006】
なお、28はインタロック部材であって、前記連結ピン駆動レバー22の他端の長穴に軸支されており、後述する固定ピンとの間でインタロック機構を構成するものである。
【0007】
(ブーム間固定手段)30はセカンドブーム12のブーム間固定手段であって、セカンドブーム基端部12aの固定ピン収納部材12eに摺動可能に組み付けられたセカンドブーム固定ピン12dとベースブーム11の側面に取付られた固定ボス31に設けられた固定穴32とから構成されている。33はセカンドブーム固定ピン12dの内端に位置して設けられた連結部材である。連結部材33は一部が開口した箱型形状をしており、後述する固定ピン駆動手段の固定ピン駆動レバーと連結可能となっている。図2に示すようにセカンドブーム固定ピン12dは左右に一対配置されている。同様に、図示しないサードブーム基端部13a、フォースブーム基端部14a、フィフスブーム基端部15a、トップブーム基端部16aにも同様にそれぞれサードブーム固定ピン13d、フォースブーム固定ピン14d、フィフスブーム固定ピン15d、トップブーム固定ピン16dが左右に一対配置されている。
【0008】
また、上述したベースブーム側面に取付られた固定ボス31の他に、ベースブーム側面にはその長手方向にセカンドブーム12の伸長長さに応じて複数個の固定ボスが配置されており、各固定ボスはそれぞれ固定穴を有している。固定ボスの配置に関しては、セカンドブーム12、サードブーム13、フォースブーム14およびフィフスブーム15においてもほぼ同様の構成である。
【0009】
図3は図2のB−B矢視図である。34は固定ピン12dのボールロック機構である。前記固定ピン12dにはノッチ36が切られており、ボールロック機構34のバネ付勢されたボール35が当該ノッチ36にはまり込むことにより、前記固定ピン12dはその先端部38が前記外側ブームの固定穴32に入ったブーム間固定位置で位置保持されるようになっている。
【0010】
(固定ピン駆動手段)40は固定ピン駆動手段であって、固定ピン駆動シリンダ41、固定ピン駆動レバー42、ローラー44とから構成されている。固定ピン駆動レバー42は前記伸縮シリンダ1のシリンダチューブロッド側端部3と一体に形成されたサポート45に揺動自在に軸支されており、かつ左右一対配置されている。固定ピン揺動レバー42の一端にはローラー44が回転自在に軸支されており、その他端には前記固定ピン駆動シリンダ41のロッド側端部41a及びシリンダ側端部41bにそれぞれ枢着されている。
【0011】
固定ピン駆動手段40はその全体が伸縮シリンダ1のシリンダチューブロッド側端部3と一体構造となっている。そのため、伸縮シリンダ1の伸縮動作により各段ブームの基端部に配置された前記ブーム間固定手段30等の固定ピン12d〜16dのうちの任意の固定ピンの連結部材33内に前記ローラ44を位置させることができ、当該固定ピンを駆動することが可能となっている。その際の伸縮シリンダ1の伸縮動作時には、前記固定ピンの内端部に設けられた連結部材33は一部が開口した箱型形状をしているため、前記固定ピン駆動レバー42は目的としない固定ピンの連結部材33の開口部分を通過していくことができるようになっている。
【0012】
以下、上記構成の1本の伸縮シリンダによる伸縮機構の動作を説明する。図8(a)に示した6段伸縮ブーム10の全縮小状態から、(b)に示したトップブーム16の伸長状態に至る間の上記構成の動作の1サイクルを一例として説明する。
【0013】
(シリンダ・ブーム連結行程)図5は、トップブーム16、フィフスブーム15と伸縮機構の関係を示す図である。図1の状態から、後述するシリンダ・ブーム連結解除行程及び伸縮シリンダ伸長行程を経て、シリンダ・ブーム連結手段20の連結ピン23はトップブーム16のブーム基端部16aに設けられた連結穴16bと対向する状態となっている。前記連結ピン駆動シリンダ21が縮小動作すると、前記連結ピン駆動レバー22が揺動し前記連結ピン23が前記トップブーム基端部16aの連結穴16bへ入る。これにより、伸縮シリンダ1のシリンダチューブ側端部3とトップブーム基端部16aが一体となって連結されたことになる。この時のシリンダ・ブーム連結手段20の状態を図11に示す。
【0014】
(ブーム間固定解除行程)図11に示すようにトップブーム16のブーム間固定手段50の固定ピン16dはフィフスブーム15の側面に設けられた固定ボス52の固定穴51内に入っている。前記固定ピン駆動手段40の固定ピン駆動シリンダ41を伸長動作すると、前記固定ピン駆動レバー42が揺動し、当該固定ピン駆動レバー42の一端に位置するローラ44が前記固定ピン16dの内端に位置する連結部材33の開口側37に作用する。すると、ボールロック機構34のボール35は前記固定ピン16dのノッチ36を外れて押し戻され、固定ピン16dの先端部53は前記フィフスブーム15の固定穴51を抜けることになる。これにより、トップブーム16のブーム間固定手段50によるトップブーム基端部16aとフィフスブーム15との固定が解除される。このときの状態を図6及び図6のC−C矢視図である図7に示す。
【0015】
(ブーム伸縮行程)図6に示した状態から伸縮シリンダ1が伸長すると、伸縮シリンダ1はトップブーム16を伸長する。伸縮シリンダ1による伸長動作が終了した時の伸縮ブーム10の全体の状態を、図8の(b)に示す。
【0016】
(ブーム間固定行程)ブーム伸縮行程の前後におけるブーム・シリンダ連結手段20、ブーム間固定手段50および固定ピン駆動手段40の状態は同じであるので、先に使用した図6と図7を用いて説明する。55はフィフスブーム15の先端部の側面に設けられた固定ボスであって、その内部には固定穴54が設けられている。固定ピン駆動手段40の固定ピン駆動シリンダ41を縮小すると、固定ピン16dの先端部53は前記固定穴54に入る。トップブーム基端部16aのブーム間固定手段50のボールロック機構34のボール35は固定ピン16dのノッチ36に入り込み、固定ピン16dはその先端部53を固定穴54に入れた状態で保持される。
【0017】
(シリンダ・ブーム連結解除行程)図6と図7に示した状態から、前記シリンダ・ブーム連結手段20の連結ピン駆動シリンダ21を伸長すると、前記連結ピン23はトップブーム基端部16aの連結穴16bから抜き出される。これにより、伸縮シリンダ1のシリンダチューブロッド側端部3とトップブーム基端部16aとの連結が解除される。この時の状態を図5に示す。
【0018】
(伸縮シリンダ伸縮行程)伸縮シリンダ1はどのブームをも駆動することなく単独で縮小動作し、前記シリンダ・ブーム連結手段20の連結ピン23が、フィフスブーム15の基端部15aに設けられた連結穴15bに対向する位置に達するとその縮小動作を停止する。
【0019】
以上がこのブーム伸縮機構による伸長動作の1サイクルである。同様のサイクルを繰り返すことにより、図8の(C)に示すようにトップブーム16とフィフスブーム15を伸長することができる。また、このブーム伸縮機構での縮小動作は上述した伸長動作を逆に行うことによりなされる。
【0020】
【特許文献1】
特開2002−255482号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した1本の伸縮シリンダを用いた伸縮機構には、上述した行程の中で、下記の解決すべき課題があった。
【0022】
図6および図11で図示するように、固定ピン駆動手段40の固定ピン駆動シリンダ41を縮小させて、固定ピン16dの先端部53を固定穴54に入れる場合に、油温の低下により固定ピン駆動シリンダ41の作動速度が遅く、トップブーム基端部16aとフィフスブーム15の先端部のブーム間同士の連結に時間がかかる。また、ブーム間同士の連結解除の場合も同様に時間がかかる。したがって、ブーム間固定行程で時間がかかった分、伸縮ブーム10を伸縮させるに要する全体時間が長くなるという課題を有している。
【0023】
また、上記課題は前記シリンダ・ブーム連結行程および前記シリンダ・ブーム連結解除行程においても同様の課題となっている。すなわち、例えば図5に図示し上述した前記シリンダ・ブーム連結行程で、シリンダ・ブーム連結手段20の連結ピン駆動シリンダ21を縮小動作させて連結ピン23をトップブーム基端部16aの連結穴16bに入れる場合に、油温の低下により連結ピン駆動シリンダ21の作動速度が遅く、伸縮シリンダ1のシリンダチューブ側端部3とトップブーム基端部16aの連結に時間がかかる。また、シリンダ・ブーム連結解除時も同様に時間がかかる。したがって、シリンダ・ブーム連結行程で時間がかかった分、伸縮ブーム10を伸縮させるに要する全体時間が長くなるという課題を有している。
【0024】
そこで、本発明は、上記の課題を解決することができるブーム伸縮機構の制御装置を提供しようとするものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1の発明は、ベースブーム内に中間ブームおよびトップブームがそれぞれ伸縮自在に嵌挿されてなる伸縮ブームと、当該伸縮ブームに内装されて前記ベースブーム基端部にそのロッド端部が軸支されている一本の伸縮シリンダと、当該伸縮シリンダのシリンダチューブのロッド側端部に配置され、目的とするブーム基端部の連結穴に向けて内蔵する連結ピンを進退することにより選択的にブーム基端部と連結・解除可能なシリンダ・ブーム連結手段と、隣接するブームの内側ブーム基端部に配置され、外側ブームの適所に設けられた固定穴に向けて内蔵する固定ピンを進退することにより当該隣接するブーム同士を固定・解除可能なブーム間固定手段と、前記伸縮シリンダのシリンダチューブロッド側端部に配置され、目的とするブーム基端部の前記固定ピンの内端に作用して油圧アクチュエータで進退駆動する固定ピン駆動手段と、から構成され、
前記シリンダ・ブーム連結手段により前記伸縮シリンダと目的のブーム基端部を連結するシリンダ・ブーム連結行程と、前記固定ピン駆動手段により前記ブーム間固定手段による目的ブームと外側ブームとの固定を解除するブーム間固定解除行程と、前記伸縮シリンダにより目的ブームを伸縮するブーム伸縮行程と、前記固定ピン駆動手段により前記ブーム間固定手段による目的ブームと外側ブームとを固定するブーム間固定行程と、前記シリンダ・ブーム連結手段による前記伸縮シリンダと目的ブーム基端部との連結を解除するシリンダ・ブーム連結解除行程と、前記伸縮シリンダが次の目的ブーム基端部まで伸縮する伸縮シリンダ伸縮行程と、からなる行程を繰り返すことにより前記伸縮ブームの伸縮を行うブーム伸縮機構の制御装置において、
当該ブーム伸縮機構の制御装置は、前記固定ピン駆動手段の駆動圧を制御する駆動圧制御手段と、前記固定ピン駆動手段の作動速度を検出する固定ピン作動速度検出手段と、当該固定ピン作動速度検出手段の信号に基き前記固定ピン駆動手段の作動速度が遅い時には前記駆動圧を高くするよう前記駆動圧制御手段に駆動圧信号を出力するコントローラとを備えたことを特徴とするものである。
【0026】
この構成により、コントローラが固定ピン作動速度検出手段の信号に基き前記固定ピン駆動手段の作動速度が遅い時には駆動圧を高くするよう駆動圧制御手段に駆動圧信号を出力するものであるから、前記ブーム間固定行程および前記ブーム間固定解除行程において、固定ピン駆動手段の作動速度が遅い場合は、固定ピン駆動手段の駆動圧を高くして作動を速くすることができる。したがって、伸縮ブームを伸縮させる時に固定ピン駆動手段の作動遅れによるブーム間同士の連結あるいは連結解除に時間がかかり、その分伸縮ブームの伸縮に要する全体時間が長くなることを可及的に阻止できる。
【0027】
請求項2のブーム伸縮機構の制御装置は、請求項1のブーム伸縮機構の制御装置において、前記固定ピン作動速度検出手段は、固定ピン駆動手段の作動開始から完了までの作動時間を計測して検出するように構成したことを特徴とするものである。
【0028】
この構成により、固定ピン駆動手段の作動開始から完了までの作動時間を計測して固定ピン作動速度を検出するようにしたものであるから、簡単に固定ピン駆動手段の速度を検出することができる。そしてこの検出結果を利用してコントローラは固定ピン駆動手段の作動速度が遅い時には駆動圧を高くするよう駆動圧制御手段に駆動圧信号を出力するものであり、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0029】
請求項3のブーム伸縮機構の制御装置は、請求項1のブーム伸縮機構の制御装置において、前記固定ピン作動速度検出手段は、油温検出に基いて検出するように構成したことを特徴とするものである。
【0030】
この構成により、固定ピン駆動手段の作動速度を油温検出に基いて検出できるようにしたもので、簡単に固定ピン駆動手段の速度を検出することができる。そしてこの検出結果を利用してコントローラは固定ピン駆動手段の作動速度が遅い時には駆動圧を高くするよう駆動圧制御手段に駆動圧信号を出力するものであり、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0031】
請求項4のブーム伸縮機構の制御装置は、請求項1乃至請求項3のブーム伸縮機構の制御装置において、前記コントローラは、前記駆動圧制御手段を常時は低圧で制御させ、前記ブーム間固定解除行程とブーム間固定行程でのみ前記駆動圧信号で制御するよう構成したことを特徴とするものである。
【0032】
この構成により、コントローラは、前記駆動圧制御手段を常時は低圧で制御させ、前記ブーム間固定解除行程とブーム間固定行程でのみ前記駆動圧信号で制御するようにしたものであるから、固定ピン駆動手段を駆動させるための駆動圧を常時は低くし、固定ピン駆動手段を駆動させる前記ブーム間固定解除行程とブーム間固定行程でのみ固定ピン作動速度検出手段の信号に基く駆動圧で駆動させることができる。したがって、不必要に駆動圧を高くすることなく駆動圧を可及的に低くして効率よく固定ピン駆動手段を駆動させることができる。
【0033】
請求項5のブーム伸縮機構の制御装置は、ベースブーム内に中間ブームおよびトップブームがそれぞれ伸縮自在に嵌挿されてなる伸縮ブームと、当該伸縮ブームに内装されて前記ベースブーム基端部にそのロッド端部が軸支されている一本の伸縮シリンダと、当該伸縮シリンダのシリンダチューブのロッド側端部に配置され、目的とするブーム基端部の連結穴に向けて内蔵する連結ピンを油圧アクチュエータで進退駆動することにより選択的にブーム基端部と連結・解除可能なシリンダ・ブーム連結手段と、隣接するブームの内側ブーム基端部に配置され、外側ブームの適所に設けられた固定穴に向けて内蔵する固定ピンを進退することにより当該隣接するブーム同士を固定・解除可能なブーム間固定手段と、前記伸縮シリンダのシリンダチューブロッド側端部に配置され、目的とするブーム基端部の前記固定ピンの内端に作用して進退駆動する固定ピン駆動手段と、から構成され、
前記シリンダ・ブーム連結手段により前記伸縮シリンダと目的のブーム基端部を連結するシリンダ・ブーム連結行程と、前記固定ピン駆動手段により前記ブーム間固定手段による目的ブームと外側ブームとの固定を解除するブーム間固定解除行程と、前記伸縮シリンダにより目的ブームを伸縮するブーム伸縮行程と、前記固定ピン駆動手段により前記ブーム間固定手段による目的ブームと外側ブームとを固定するブーム間固定行程と、前記シリンダ・ブーム連結手段による前記伸縮シリンダと目的ブーム基端部との連結を解除するシリンダ・ブーム連結解除行程と、前記伸縮シリンダが次の目的ブーム基端部まで伸縮する伸縮シリンダ伸縮行程と、からなる行程を繰り返すことにより前記伸縮ブームの伸縮を行うブーム伸縮機構の制御装置において、
当該ブーム伸縮機構の制御装置は、前記シリンダ・ブーム連結手段の駆動圧を制御する駆動圧制御手段と、前記シリンダ・ブーム連結手段の作動速度を検出するシリンダ・ブーム作動速度検出手段と、当該シリンダ・ブーム作動速度検出手段の信号に基き前記シリンダ・ブーム連結手段の作動速度が遅い時には前記駆動圧を高くするよう前記駆動圧制御手段に駆動圧信号を出力するコントローラとを備えたことを特徴とするものである。
【0034】
この構成により、コントローラがシリンダ・ブーム作動速度検出手段の信号に基き前記シリンダ・ブーム連結手段の作動速度が遅い時には駆動圧を高くするよう駆動圧制御手段に駆動圧信号を出力するものであるから、前記シリンダ・ブーム連結行程および前記シリンダ・ブーム連結解除行程において、シリンダ・ブーム連結手段の作動速度が遅い場合は、シリンダ・ブーム連結手段の駆動圧を高くして作動を速くすることができる。したがって、伸縮ブームを伸縮させる時にシリンダ・ブーム連結手段の作動遅れによるシリンダとブーム間の連結あるいは連結解除に時間がかかり、その分伸縮ブームの伸縮に要する全体時間が長くなることを可及的に阻止できる。
【0035】
請求項6のブーム伸縮機構の制御装置は、請求項5のブーム伸縮機構の制御装置において、前記シリンダ・ブーム作動速度検出手段は、シリンダ・ブーム連結手段の作動開始から完了までの作動時間を計測して検出するように構成したことを特徴とするものである。
【0036】
この構成により、シリンダ・ブーム連結手段の作動開始から完了までの作動時間を計測してシリンダ・ブーム作動速度を検出するようにしたものであるから、簡単にシリンダ・ブーム連結手段の速度を検出することができる。そしてこの検出結果を利用してコントローラはシリンダ・ブーム連結手段の作動速度が遅い時には駆動圧を高くするよう駆動圧制御手段に駆動圧信号を出力するものであり、請求項5と同様の効果を得ることができる。
【0037】
請求項7のブーム伸縮機構の制御装置は、請求項5のブーム伸縮機構の制御装置において、前記シリンダ・ブーム作動速度検出手段は、油温検出に基いて検出するように構成したことを特徴とするものである。
【0038】
この構成により、シリンダ・ブーム連結手段の作動速度を油温検出に基いて検出できるようにしたもので、簡単にシリンダ・ブーム連結手段の速度を検出することができる。そしてこの検出結果を利用してコントローラはシリンダ・ブーム連結手段の作動速度が遅い時には駆動圧を高くしするよう駆動圧制御手段に駆動圧信号を出力するものであり、請求項5と同様の効果を得ることができる。
【0039】
請求項8のブーム伸縮機構の制御装置は、請求項5乃至請求項7のブーム伸縮機構の制御装置において、前記コントローラは、前記駆動圧制御手段を常時は低圧で制御させ、前記シリンダ・ブーム連結解除行程とシリンダ・ブーム連結行程でのみ駆動圧信号で制御するよう構成したことを特徴とするものである。
【0040】
この構成により、コントローラは、前記駆動圧制御手段を常時は低圧で制御させ、前記シリンダ・ブーム連結解除行程とシリンダ・ブーム連結行程でのみ駆動圧信号で制御するようにしたものであるから、シリンダ・ブーム連結手段を駆動させるための駆動圧を常時は低くし、シリンダ・ブーム連結手段を駆動させる前記シリンダ・ブーム連結解除行程とシリンダ・ブーム連結行程でのみシリンダ・ブーム作動速度検出手段の信号に基く駆動圧で駆動させることができる。したがって、不必要に駆動圧を高くすることなく駆動圧を可及的に低くして効率よくシリンダ・ブーム連結手段を駆動させることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明するにあたって、従来の技術で説明した1本の伸縮シリンダによる伸縮機構に本願発明を適用した例を説明する。従って本発明と従来の技術で説明したものと共通する部分については、同符号を用いて以下に説明する。
【0042】
図4に、本発明の実施の形態に係るブーム伸縮機構の制御装置のブロック図を示す。60は伸縮操作手段であって、伸縮操作レバー61、マニュアル伸縮切換スイッチ62、操作キー63、グラフィック表示器70とから構成されており、図示しないクレーン運転室内に配置されている。伸縮操作レバー61は伸縮操作のレバー操作量を電気信号に変換し、コントローラ65に出力する。マニュアル伸縮切換スイッチ62は、前記ブーム伸縮機構の自動伸縮制御と、伸縮機構に関係する各種アクチュエータをそれぞれ個別操作できるマニュアル伸縮とを切換えるものであって、その切換信号は前記コントローラ65に出力するようになっている。操作キー63は、後述するグラフィック表示器と一体となって操作されるものであって、前記伸縮機構によって伸縮ブームを伸縮させる際に目的とするブーム長さ・ブーム伸長状態等を選択操作するものである。操作キー63の操作信号も、前記コントローラ65に出力される。グラフィック表示器70は伸縮機構の操作に関する情報を、前記コントローラ65からの信号によりグラフィック表示するものである。
【0043】
80はブーム基端位置検出手段であって、シリンダ・ブーム連結手段20がどのブームの基端位置に位置しているかを検出し、その信号を前記コントローラ65に出力するものである。90はシリンダ長さ検出手段であって、前記伸縮シリンダ1のシリンダ長さを検出し、その信号を前記コントローラ65に出力するものである。100は伸縮シリンダ伸縮制御手段であって、前記コントローラ65からの信号を受取り、前記伸縮シリンダ1を伸縮制御するものである。20はシリンダ・ブーム連結手段であって、前記コントローラ65からの信号により駆動される。110は連結ピン状態検出手段であって、前記シリンダ・ブーム連結手段20により駆動される連結ピンの状態を検出し、その信号を前記コントローラ65に出力するものである。40は固定ピン駆動手段であって、前記コントローラ65からの信号により駆動される。120は固定ピン状態検出手段であって、前記固定ピン駆動手段40により駆動される固定ピンの状態を検出し、その信号を前記コントローラ65に出力するものである。
【0044】
コントローラ65には、作動速度算出手段65aと駆動圧決定手段65bとを備えている。作動速度算出手段65aは、前記連結ピン状態検出手段110からの信号を受けてシリンダ・ブーム連結手段20の作動速度を算出する算出手段であり、前記固定ピン状態検出手段120からの信号を受けて前記固定ピン駆動手段40の作動速度を算出する算出手段ででもある。ここで、前記連結ピン状態検出手段110と作動速度算出手段65aで請求項5記載のシリンダ・ブーム作動速度検出手段を構成している。また、前記固定ピン状態検出手段120と作動速度算出手段65aで請求項1記載の固定ピン作動速度検出手段を構成している。
【0045】
駆動圧決定手段65bは、作動速度算出手段65aからの信号を受け、シリンダ・ブーム連結手段20の作動速度ならびに固定ピン駆動手段40の作動速度に基いて予めシリンダ・ブーム連結手段20および連結ピン状態検出手段110の油圧アクチュエータ(連結ピン駆動シリンダ21および固定ピン駆動シリンダ41)を駆動する駆動圧を決定しており、シリンダ・ブーム連結手段20の作動速度ならびに固定ピン駆動手段40の作動速度に基く駆動圧信号を出力するものである。
【0046】
具体的には、シリンダ・ブーム連結手段20の作動速度ならびに固定ピン駆動手段40の作動速度が所定値より遅い場合に、駆動圧決定手段65bは駆動圧信号を出力し、所定値より速い場合もしくは所定値の場合は駆動圧信号を出力しないようにしている。
【0047】
130は、駆動圧制御手段であって、コントローラ65の駆動圧決定手段65bからの信号によって、シリンダ・ブーム連結手段20および連結ピン状態検出手段110の油圧アクチュエータ(連結ピン駆動シリンダ21および固定ピン駆動シリンダ41)を駆動する駆動圧を制御する駆動圧制御手段である。
【0048】
前記グラフィック表示器70はその表示内容を切換可能となっており、図12は前記グラフィック表示器70による第1の表示画面を示すものである。ブーム条件を表す伸縮ブームの伸長長さ71と各段ブームの伸長割合72が複数表示されており、前記操作キー63に含まれる送り・戻りキーにより箱型カーソル73を上下に移動できるようになっている。箱型カーソル73を目的とするブーム条件の行へ移動させたのち、前記操作キー63に含まれるセットキーを操作すると、前記コントローラ65に目的とする伸縮ブームのブーム条件を入力することができる。選択したブーム条件は、丸印74により表示される。以上のブーム条件を入力した後は、前記伸縮操作レバー61を操作し続けておけば、前述した伸縮サイクルを繰り返し、目的とするブーム条件となるまで伸縮動作を自動的に行うのである。
【0049】
図13は、前記グラフィック表示器70による第2の表示画面を示すものである。75は選択したブーム条件を表示しており、76は伸縮動作途中における刻々変化する現時点でのブーム状態を示している。77は上記選択したブーム条件と現時点でのブーム状態を絵表示するものである。
【0050】
図14は、前記ブーム基端位置検出手段80の具体例を示すものである。近接スイッチ82〜86がサポート81、81を介して前記伸縮シリンダ1のシリンダチューブロッド側端部3に位置するトラニオン25に取付けられている。12fは前記セカンドブーム基端部12aに取付けられた検出片である。図14は近接スイッチ82がセカンドブーム基端部12aの検出片12fを検出した状態を表している。同様に他のブーム基端部にも上記近接スイッチ83〜86に対応する位置に検出片13f〜16fが設けられており、前記近接スイッチ83〜86が上記検出片をそれぞれ検出するようになっている。この構成により、どの近接スイッチが検出片を検出しているかにより、前記ブーム・シリンダ連結手段20の連結ピン23がどのブームの基端部の連結穴に位置しているかが判断できるようになっている。
【0051】
図1には前記シリンダ長さ検出手段90が前記伸縮ブーム10に取付けられた状態を示している。シリンダ長さ検出手段90はベースブーム基端部11aに取付けられており、長さ検出器95から引き出されたコード91はガイドローラ92、93を介して、前記伸縮シリンダ1のシリンダチューブロッド側端部3のサポート94に連結されている。伸縮シリンダ1の伸縮動作に伴ない、前記コード91は長さ検出器95から出し入れされるようになっており、前記コード91の引き出し量により、伸縮シリンダ1のシリンダ長さが検出されるようになっている。
【0052】
図10は図2のD−D矢視図であって、前記連結ピン状態検出手段110の詳細を示したものである。112と113は前記連結ピン駆動シリンダ21のシリンダ部に取付けられた近接スイッチであり、111は前記連結ピン駆動シリンダ21のロッド部に取付られたコ字状の検出片である。図2はシリンダ・ブーム連結手段の連結ピン23がセカンドブーム12の連結穴12bに入ったシリンダ・ブーム連結状態となっており、この時前記一方の近接スイッチ112が前記検出片111を検出し、OFFからONの出力信号を出力するようになっている。前記連結ピン駆動シリンダ21が駆動され、連結ピン23の先端部が前記連結穴12bから抜けると、他方の近接スイッチ113が前記検出片111を検出し、OFFからONの出力信号を出力するようになっている。
【0053】
なお、前記連結ピン状態検出手段110の近接スイッチ112,113は、請求項5記載のシリンダ・ブーム作動速度検出手段の一部を構成している。すなわち、近接スイッチ112,113とで連結ピン23がセカンドブーム12の連結穴12bに入った状態から、連結ピン23の先端部が前記連結穴12bから抜け出るまでの時間をコントローラ65の作動速度算出手段65aで計測することで前記連結ピン駆動シリンダ21の作動速度を検出できるようにしてある。また、逆に連結ピン23の先端部が前記連結穴12bから抜け出た状態から、連結ピン23がセカンドブーム12の連結穴12bに入るまでの時間をコントローラ65の作動速度算出手段65aで計測することで前記連結ピン駆動シリンダ21の作動速度を検出できるようにしてある。
【0054】
図3の120は前記固定ピン状態検出手段の具体例を示したものである。122と123は前記固定ピン駆動シリンダ41のシリンダ部に取付けられた近接スイッチであり、121は前記連結ピン駆動シリンダ41のロッド部に取付られたコ字状の検出片である。図3はセカンドブーム基端部12aの固定ピン12dの先端部38がベースブーム11の固定穴32に入ったブーム間固定状態となっており、この時前記一方の近接スイッチ122が前記検出片121を検出し、OFFからONの信号を出力するようになっている。前記固定ピン駆動シリンダ41が駆動され、固定ピン12dの先端部38が前記固定穴32から抜けると、他方の近接スイッチ123が前記検出片121を検出し、OFFからONの信号を出力するようになっている。
【0055】
なお、前記固定ピン検出手段110の近接スイッチ122,123は、請求項1記載の固定ピン作動速度検出手段の一部を構成している。すなわち、近接スイッチ122,123からの信号で、セカンドブーム基端部12aの固定ピン12dの先端部38がベースブーム11の固定穴32に入ったブーム間固定状態から、固定ピン12dの先端部38が前記固定穴32から出るまでの時間を、コントローラ65の作動速度算出手段65aで計測することで前記固定ピン駆動シリンダ41の作動速度を検出できるようにしてある。また、逆に固定ピン12dの先端部が前記ベースブーム11の固定穴32から抜け出た状態から、固定ピン12dがベースブーム11の固定穴32に入るまでの時間を、コントローラ65の作動速度算出手段65aで計測することで前記固定ピン駆動シリンダ41の作動速度を検出できるようにしてある。
【0056】
図9は前記伸縮シリンダ伸縮制御手段100を構成する具体的な油圧回路の例を示したものである。伸縮シリンダ制御手段100は、前記伸縮シリンダ1、カウンタバランス弁104と油圧源、タンクとの間に介装されたパイロット式切換弁103、当該パイロット式切換弁103を切換えるパイロット圧を送る電磁比例弁101、102およびフロコン弁109から構成されている。当該電磁比例弁101と102は前記コントローラ65からの信号により比例制御されるようになっている。
【0057】
連結ピン駆動シリンダ21と固定ピン駆動シリンダ41はそれぞれ、ホースリール105、パイロットチェック弁106、ソレノイド切換弁107、108を介して油圧源とタンクに接続されており、ソレノイド切換弁107、108は前記コントローラ65からの信号により切換操作されるようになっている。
【0058】
また、連結ピン駆動シリンダ21と固定ピン駆動シリンダ41に供給される油圧源は、前記駆動圧制御手段130により予め設定した高圧と低圧の2種類の駆動圧を供給可能になっている。すなわち、駆動圧制御手段130は、油圧源に一次側を接続し高圧に設定した第1シーケンス弁131と、第1シーケンス弁131の二次側とタンク間に配置し低圧に設定した第2シーケンス弁132と、コントローラ65の駆動圧決定手段65bからの出力信号を受けた時に連結ピン駆動シリンダ21と固定ピン駆動シリンダ41に第1シーケンス弁131の一次側を接続し、出力信号を受けない時に第1シーケンス弁131の二次側を接続するように切換える電磁切換弁133で構成している。
【0059】
以上説明した本願発明の実施の形態に係る伸縮機構の制御装置の作用を以下に説明する。従来の技術で説明した図8(a)に示す6段伸縮ブーム10の全縮小状態から、(b)に示したトップブーム16が伸長した状態に至る間の伸縮機構の1サイクルに対応させて、本願発明の制御装置の制御内容を説明する。(ブーム条件設定)伸縮ブーム10は全縮小状態にあると仮定する。このとき、図1に示したようにシリンダ・ブーム連結手段20はセカンドブーム12の基端部12bと連結状態にあり、各段ブームのブーム間固定手段は全て固定状態にあると仮定する。図4に示すマニュアル伸縮切換スイッチ62は自動伸縮側を選択している。操作キー63に含まれる送り・戻りキーにより図12に示されたグラフィック表示器70の第1の表示画面上でブーム条件を選択する。今は、仮にトップブーム(6段目)が93%伸長し、フィフスブーム(5段目)が93%伸長するNO.5のブーム条件を選んだと仮定する。操作キー63に含まれるセットキーを操作すると、選択したブーム条件がコントローラ65に出力され、コントローラ65に記憶される。次に伸縮操作レバー61を伸長側に操作し、その操作を継続する限り、以降コントローラ65は伸縮機構を自動制御し、伸縮機構のサイクルを繰り返し上記設定したブーム条件となるまで伸縮動作を続ける。なお、伸縮操作レバー61を中立位置に戻すと、コントローラ65は伸縮機構の動作をその時点で停止させる。
【0060】
(シリンダ・ブーム連結解除行程)前記伸縮操作レバーの伸長側操作により、コントローラ65は伸縮機構の伸長動作を開始する。まず、コントローラ65は、シリンダ・ブーム間連結解除行程の直前に伸縮シリンダ伸縮制御手段100へ伸縮シリンダ縮小信号を出力する。具体的には、図9に示すコントローラ65から、短時間だけ電磁比例弁102へ信号が出力される。パイロット圧がパイロット式切換弁103へ作用し、縮小側へ切換られることにより伸縮シリンダ1は僅かに縮小する。
【0061】
これにより、シリンダ・ブーム間連結手段20の連結ピン23はセカンドブーム基端部12aの連結穴12bとのガタ分だけ伸縮ブーム基端側へ移動する。すると、セカンドブーム12以降トップブーム16までの重量はすべて前記セカンドブームのブーム間固定手段30の固定ピン12dを経てベースブーム11に伝達されるため、連結ピン23にはブームの重量が負荷されない状態となる。
【0062】
この状態で、コントローラ65はシリンダ・ブーム連結手段20へ連結ピン21の抜き信号を出力する。具体的には、図9のソレノイド切換弁107に対し信号を送り、連結ピン駆動シリンダ21が駆動され連結ピン23が抜き側に動かされる。この時、連結ピン23には荷重が作用していないため、スムーズに抜き動作が行われる。
【0063】
この時コントローラ65は連結ピン状態検出手段110の近接スイッチ112と近接スイッチ113からの信号を受け、コントローラ65の作動速度算出手段65aは近接スイッチ112がONからOFFに切換わってから、近接スイッチ113がOFFからONに切換わる時間を計測してシリンダ・ブーム連結手段20の作動速度を検出する。計測した作動速度はコントローラ65の駆動圧決定手段65bに送る。
【0064】
駆動圧決定手段65bは、計測された作動速度が所定値以上か否かの判断をし、所定値以下の遅い速度であれば駆動圧決定手段65bから駆動圧制御手段130にシリンダ・ブーム連結手段20の油圧アクチュエータ(連結ピン駆動シリンダ21)を駆動させる駆動圧を高圧とする駆動圧信号を出力するよう記憶しておき、次回コントローラ65からシリンダ・ブーム連結手段20を作動させる信号を出力する際に当該駆動圧信号を出力する。
【0065】
また、駆動圧決定手段65bは、計測された作動速度が所定値以上または所定値の速度であれば駆動圧決定手段65bから駆動圧制御手段130に駆動圧信号を出力しないように記憶しておく。よって次回コントローラ65からシリンダ・ブーム連結手段20を作動させる信号を出力する際に駆動圧信号は出力されない。ここでは計測された作動速度が所定値以下で駆動圧決定手段65bには駆動圧を高圧とする駆動圧信号を出力するよう記憶されているものとして以下に説明する。
【0066】
(伸縮シリンダ伸長行程)前記連結ピン状態検出手段110からの信号により、前記シリンダ・ブーム連結手段20により伸縮ブーム1のシリンダチューブロッド側端部3とセカンドブーム基端部12aとの連結解除が確認されると、コントローラ65から伸縮シリンダ制御手段100へ信号が送られ、伸縮シリンダ1はどのブームも駆動することなく単独で伸長動作を開始する。具体的には、図9のコントローラ65から電磁比例弁101に信号が出力され、パイロット式切換弁103にパイロット圧が作用し切換えられ、伸縮シリンダ1が伸長する。
【0067】
更に、コントローラ65はシリンダ長さ検出手段90の信号に基き、前記シリンダ・ブーム連結手段20の連結ピン23がトップブーム基端部16aの連結穴16bに対し所定の距離まで接近したと判断した時に、前記伸縮シリンダ伸縮制御手段100に対し伸縮シリンダ減速信号を出力する。図15に伸縮シリンダ速度制御の内容を表したグラフを示す。具体的には、伸縮シリンダ伸長行程中において、既述したシリンダ長さ検出手段90は伸縮シリンダ1の伸長長さ信号をコントローラ65に送り続けており、図15に示す減速開始点に到達したことをコントローラ65が判断すると、コントローラ65は電磁比例弁101への出力信号値を減少させ始める。パイロット式切換弁103は徐々に中立側へ切換えられ、スプールの開口面積が減少する。前記フロコン弁109の作用も伴ない、伸縮シリンダ1の負荷に関わりなくパイロット式切換弁103を通過する流量が減少するので伸縮シリンダ1の伸長速度が低下していく。減速終了点に達したところでコントローラ65から電磁比例弁101への出力は所定の低い値で一定となる。すなわち、伸縮シリンダ1の伸長速度は低速度を維持する。
【0068】
以上のように、前記シリンダ・ブーム連結手段20の連結ピン23が目的とするトップブーム基端部12aの連結穴12bに対し所定の距離まで接近したと判断した時に、前記コントローラ65が前記伸縮シリンダ1の伸長速度を減速し低速状態を維持するので、前記シリンダ・ブーム連結手段20の連結ピン23が目的とするトップブーム基端部12aの連結穴12bに位置したところで、前記シリンダ・ブーム連結手段20の連結ピン23による連結動作を確実に行うことができるのである。
【0069】
図15に示された目標位置は、前記シリンダ長さ検出器90の信号とともに、前記ブーム基端位置検出手段80の信号により判断される。具体的には、図14に示した近接スイッチ86がトップブーム基端部16aに設置した検出片16fを検出することにより、目標位置に到達したことが判断され、次述するシリンダ・ブーム連結行程に移行する。
【0070】
このようにトップブーム基端部16aの連結穴16bに対するシリンダ・ブーム連結手段20の連結ピン23の位置を、伸縮シリンダ長さ検出手段90の信号のみならず、前記ブーム基端位置検出手段80の信号をも使用して判断しているため、その位置検出が正確となり、前記シリンダ・ブーム連結手段20による連結動作を確実に行うことできるのである。
【0071】
さらに、目的とするトップブーム基端部16aの連結穴16bの位置をシリンダ・ブーム連結手段20の連結ピン23が通過した場合は、前記シリンダ長さ検出手段90の信号に基き、前記コントローラ65は前記伸縮シリンダ制御手段100に対し、伸縮シリンダ反転動作信号を出力する。具体的には、コントローラ65から電磁比例弁102へ信号が出力される。すると、パイロット式切換弁103は今までと反対方向に切換られるため、伸縮シリンダ1は縮小動作を始める。そして、コントローラ65は再度上述したのと同様にシリンダ長さ検出手段90とトップブーム基端位置検出手段80からの信号に基き、シリンダ・ブーム連結動作を試みる。このように、再度自動的に前記シリンダ・ブーム連結手段20の連結ピン23を目的とするトップブーム基端部16aの連結穴16bに連結させる制御を行うことができるのである。
【0072】
(シリンダ・ブーム連結行程)前記コントローラ65から前記シリンダ・ブーム連結手段20に連結信号が出力されるとともに、駆動圧制御手段130に駆動圧信号が出力される。具体的には、駆動圧決定手段65bには連結ピン駆動シリンダ21を高圧駆動するための駆動圧信号を出力するように記憶されており、図9の駆動圧制御手段130の電磁切換弁133にコントローラ65の駆動圧決定手段65bで記憶している駆動圧信号が出力され、電磁切換弁133が切換わり、連結ピン駆動シリンダ21の油圧源として第1シーケンス弁131で設定された高圧が供給されるようになる。
【0073】
一方ソレノイド弁107へコントローラ65から信号が出力され、連結ピン駆動シリンダ21が駆動されると、連結ピン23がトップブーム基端部16aの連結穴16bに入る。これにより、伸縮シリンダ1のシリンダチューブロッド側端部3のトラニオン部25とトップブーム基端部16aが一体的に連結される。
この時連結ピン駆動シリンダ21は、高圧で駆動されるものであるから、シリンダ・ブーム連結手段20は、前回速度を計測させながらに作動させた時に比較して速く作動させることができる。
【0074】
(ブーム間固定解除行程)コントローラ65は、ブーム間固定解除行程の直前に伸縮シリンダ伸縮制御手段100へ伸縮シリンダ伸長信号を出力する。具体的には、図9に示すコントローラ65から、短時間だけ電磁比例弁101へ信号が出力される。パイロット圧がパイロット式切換弁103へ作用し、伸長側へ切換られることにより伸縮シリンダ1は僅かに伸長する。
【0075】
これにより、図11に示すトップブーム16のブーム間連結手段50の固定ピン16dの先端部53はフィフスブーム15の固定穴51とのガタ分だけ伸縮ブーム先端側へ移動する。すると、トップブーム16の重量はすべて前記シリンダ・ブーム連結手段20の連結ピン23を経て伸縮シリンダ1に伝達されるため、前記固定ピン16dにはトップブーム16の重量が負荷されない状態となる。
【0076】
この状態で、コントローラ65は固定ピン駆動手段40へ固定ピン16dの抜き信号を出力する。具体的には、図9のソレノイド切換弁108対し信号を送り、固定ピン駆動シリンダ41が駆動され、固定ピン16dが抜き側に動かされる。この時、固定ピン16dには上述したように荷重が作用していないため、スムーズに抜き動作が行われる。
【0077】
この時コントローラ65は固定ピン状態検出手段120の近接スイッチ122と近接スイッチ123からの信号を受け、コントローラ65の作動速度算出手段65aは近接スイッチ122がONからOFFに切換わってから、近接スイッチ123がOFFからONに切換わる時間を計測して固定ピン駆動手段40の作動速度を検出する。計測した作動速度はコントローラ65の駆動圧決定手段65bに送る。
【0078】
駆動圧決定手段65bは、計測された作動速度が所定値以上か否かの判断をし、所定値以下の遅い速度であれば駆動圧決定手段65bから駆動圧制御手段130に固定ピン駆動手段40の油圧アクチュエータ(固定ピン駆動シリンダ41)を駆動させる駆動圧を高圧とする駆動圧信号を出力するよう記憶しておき、次回コントローラ65から固定ピン駆動手段40を作動させる信号を出力する際に当該駆動圧信号を出力する。
【0079】
また、駆動圧決定手段65bは、計測された作動速度が所定値以上または所定値の速度であれば駆動圧決定手段65bから駆動圧制御手段130に駆動圧信号を出力しないように記憶しておく。よって次回コントローラ65から固定ピン駆動手段40を作動させる信号を出力する際に当該駆動圧信号は出力されない。 ここでは計測された作動速度が所定値以下で駆動圧決定手段65bには駆動圧を高圧とする駆動圧信号を出力するよう記憶されているものとして以下に説明する。
【0080】
(ブーム伸縮行程)前記固定ピン状態検出手段120からの信号により、前記トップブーム基端部16aのブーム間固定手段50の固定ピン16dとフィフスブーム15の固定穴51との固定解除が確認されると、コントローラ65から伸縮シリンダ伸縮制御手段100へ伸長信号が出力され、伸縮シリンダ1はトップブーム16の伸長動作を開始する。具体的には、図9のコントローラ65から電磁比例弁101に信号が出力され、パイロット式切換弁103にパイロット圧が作用し切換えられ、伸縮シリンダ1が伸長することによりトップブーム16を伸長させる。
【0081】
さらに、コントローラ65はシリンダ長さ検出手段90の信号に基き、前記固定ピン駆動手段40が把持する前記固定ピン16dが前記フィフスブーム15の目的とする固定穴54に対し所定の距離まで接近したと判断した時に、前記伸縮シリンダ伸縮制御手段100に対し伸縮シリンダ減速信号を出力する。具体的には、ブーム伸長行程中において、既述したシリンダ長さ検出手段90は伸縮シリンダ1の伸長長さ信号をコントローラ65に送り続けており、図15に示す減速開始点に到達したことをコントローラ65が判断すると、コントローラ65は電磁比例弁101への出力信号値を減少させ始める。パイロット式切換弁103は徐々に中立側へ切換えられ、スプールの開口面積が減少する。前記フロコン弁109の作用も伴ない、伸縮シリンダ1の負荷に関わりなくパイロット式切換弁103を通過する流量が減少するので伸縮シリンダ1の伸長速度が低下していく。減速終了点に達したところでコントローラ65から電磁比例弁101への出力は所定の低い値で一定となる。すなわち、伸縮シリンダ1の伸長速度は低速度を維持する。そして、コントローラ65が前記固定ピン16dが目的とする固定穴の位置に達したと判断した時に次述するブーム間固定行程に移行する。
【0082】
以上のように、前記固定ピン駆動手段40が把持するトップブーム基端部16aの固定ピン16dが目的とするフィフスブーム15の固定穴54に対し所定の距離まで接近したと判断した時に、前記コントローラ65が前記伸縮シリンダ1の伸長速度を減速し低速状態を維持するので、前記固定ピン駆動手段40が把持するトップブーム基端部16aの固定ピン16dが、目的とするフィフスブーム15の固定穴54に位置したところで、固定ピン駆動手段40が駆動する固定ピン16dによる固定動作を確実に行うことができるのである。
【0083】
さらに、目的とするフィフスブーム15の固定穴54の位置を前記固定ピン駆動手段40が把持するトップブーム基端部16aの固定ピン16dが通過した場合は、前記シリンダ長さ検出手段90の信号に基き、前記コントローラ65は前記伸縮シリンダ制御手段100に対し、伸縮シリンダ反転動作信号を出力する。具体的には、コントローラ65から電磁比例弁102へ信号が出力される。すると、パイロット式切換弁103は今までと反対方向に切換られるため、伸縮シリンダ1は縮小動作を始める。そして、コントローラ65は再度上述したのと同様にシリンダ長さ検出手段90の信号に基きブーム間固定動作を試みる。このように、再度自動的に前記固定ピン駆動手段40が把持する前記固定ピン16dをフィフスブーム15の目的とする固定穴に固定させる制御を行うことができるのである。
【0084】
(ブーム間固定行程)前記コントローラ65から前記固定ピン駆動手段40に連結信号が出力されるとともに、駆動圧制御手段130に駆動圧信号が出力される。具体的には、駆動圧決定手段65bには固定ピン駆動シリンダ41を高圧駆動するための駆動圧信号を出力するように記憶されており、図9の駆動圧制御手段130の電磁切換弁133にコントローラ65の駆動圧決定手段65bで記憶している駆動圧信号が出力され、電磁切換弁133が切換わり、固定ピン駆動シリンダ41の油圧源として第1シーケンス弁131で設定された所定の高圧が供給されるようになる。
【0085】
一方図9のコントローラ65からソレノイド弁108に信号が出力され、固定ピン駆動シリンダ41が駆動され、トップブーム基端部16aのブーム間固定手段50の固定ピン16dの先端部53がフィフスブーム15の固定穴54に入る。これにより、トップブーム基端部16aとフィフスブーム15が固定される。この時固定ピン駆動シリンダ41は、高圧で駆動されるものであるから、固定ピン駆動手段40は、前回速度を計測させながらに作動させた時に比較して速く作動させることができる。そしてこのときの伸縮ブーム10の状態は、図8(b)に示す通りである。
【0086】
以降は、既述した各行程を繰り返すことにより、フィフスブーム15を伸長し、図8(c)に示す目的とするブーム条件となると、伸縮機構の制御装置はその動作を終了するのである。
【0087】
以上の如く構成し作用するものであるから、コントローラ65が固定ピン作動速度検出手段(固定ピン状態検出手段120と作動速度算出手段65a)の信号に基き前記固定ピン駆動手段40の作動速度が遅い時には駆動圧を高くするよう駆動圧制御手段130に駆動圧信号を出力するものであるから、前記ブーム間固定行程および前記ブーム間固定解除行程において、固定ピン駆動手段40の作動速度が遅い場合は、固定ピン駆動手段40の駆動圧を高くして作動を速くすることができる。したがって、伸縮ブーム10を伸縮させる時に固定ピン駆動手段40の作動遅れによるブーム間同士の連結あるいは連結解除に時間がかかり、その分伸縮ブーム10の伸縮に要する全体時間が長くなることを可及的に阻止できる。
【0088】
また、コントローラ65がシリンダ・ブーム作動速度検出手段(連結ピン状態検出手段110と作動速度算出手段65a)の信号に基き前記シリンダ・ブーム連結手段20の作動速度が遅い時には駆動圧を高くするよう駆動圧制御手段130に駆動圧信号を出力するものであるから、前記シリンダ・ブーム連結行程および前記シリンダ・ブーム連結解除行程において、シリンダ・ブーム連結手段20の作動速度が遅い場合は、シリンダ・ブーム連結手段20の駆動圧を高くして作動を速くすることができる。したがって、伸縮ブーム10を伸縮させる時にシリンダ・ブーム連結手段20の作動遅れによるシリンダとブーム間の連結あるいは連結解除に時間がかかり、その分伸縮ブーム10の伸縮に要する全体時間が長くなることを可及的に阻止できる。
【0089】
なお、上記実施形態では、固定ピン駆動手段40およびシリンダ・ブーム連結手段20の作動速度で以ってそれぞれの駆動圧を変更するようにしたが、片方のみを行うようにした場合であってもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、固定ピン駆動手段40およびシリンダ・ブーム連結手段20の作動速度が所定値以下の速度で作動した場合について説明したが、所定値以上もしくは所定値の速度で作動した場合について以下に説明する。なお、この場合においても固定ピン駆動手段40およびシリンダ・ブーム連結手段20の作動時間を計測して作動速度を算出する作用の説明は上記で説明した場合と同じであるので説明を省略する。また、固定ピン駆動手段40およびシリンダ・ブーム連結手段20を作動させる場合についても上記に説明した場合と同じであるので説明を省略する。
【0091】
そして固定ピン駆動手段40およびシリンダ・ブーム連結手段20の作動が所定値以上もしくは所定値の速度で作動した場合に、コントローラ65の駆動圧決定手段65bは、駆動圧信号を出力しない。よって図9に図示する電磁切換弁133は切換わらず、第2シーケンス弁132の設定圧(低圧)が連結ピン駆動シリンダ21および固定ピン駆動シリンダ41の駆動油圧源として供給される。よって、固定ピン駆動手段40およびシリンダ・ブーム連結手段20は、高圧で駆動されないものであるから、作動速度を検出した時の速度で作動する。
【0092】
なお、上記実施形態では、固定ピン駆動手段40を作動させる時には、固定ピン駆動手段40の作動速度を検出し、検出された作動速度に基いて次回の固定ピン駆動手段40を作動させる時の駆動圧を変更させるようにしたものである。また、シリンダ・ブーム連結手段20を作動させる時には、シリンダ・ブーム連結手段20の作動速度を検出し、検出された作動速度に基いて次回のシリンダ・ブーム連結手段20の駆動圧を変更させるようにしたものである。
【0093】
しかしながら、固定ピン駆動手段40の作動速度を検出し、検出された作動速度に基いて次回の固定ピン駆動手段40を作動させる時の駆動圧を変更させるだけでなく、シリンダ・ブーム連結手段20の駆動圧も変更させるようにしてもよい。また逆に、シリンダ・ブーム連結手段20の作動速度を検出し、検出された作動速度に基いて次回のシリンダ・ブーム連結手段20の駆動圧を変更させるだけでなく、固定ピン駆動手段40の駆動圧も変更させるようにしてもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、最初の固定ピン駆動手段40およびシリンダ・ブーム連結手段20の作動時に各手段の作動速度を検出するようにしたが、操作キー63により選択したブーム条件がコントローラ65に設定され、伸縮操作レバー61が操作されて伸縮ブーム10を伸縮させよう操作された時に、コントローラ65により自動的に固定ピン駆動手段40およびシリンダ・ブーム連結手段20の作動ができる状態に伸縮シリンダ1を駆動させ、各手段の作動速度を検出して各手段を駆動させる駆動圧を決定してから、伸縮ブーム10を伸縮させる前記各工程に移行するようにしてもよい。
【0095】
あるいは固定ピン駆動手段40またはシリンダ・ブーム連結手段20のいずれか一方の手段のみを単独作動させてこの手段の作動速度を検出して各手段を駆動させる駆動圧を決定し、決定した駆動圧で以って伸縮ブーム10を伸縮させる前記各工程に移行するようにしてもよい。
【0096】
なお、固定ピン駆動手段40またはシリンダ・ブーム連結手段20の作動速度が遅くする要因は、各手段の油圧アクチュエータ(固定ピン駆動シリンダ41および連結ピン駆動シリンダ21)が油圧で駆動され油温低下によりその作動速度を遅くするものである。したがって、上記実施形態では各手段の作動速度を各手段の作動時間を計測して検出するようにしたが、直接油温を検出し油温に基いて各手段の駆動圧を変更するようにしてもよい。以下この実施形態について図16に基いて説明する。
【0097】
図16で20aは、油温検出手段であって、連結ピン駆動シリンダ21の近傍に配置して連結ピン駆動シリンダ21に供給される油温を検出する手段である。40aは、油温検出手段であって、固定ピン駆動シリンダ41の近傍に配置して固定ピン駆動シリンダ41に供給される油温を検出する手段である。65cは、予め油温に基く前記各手段の作動速度を記憶しており、油温検出手段20a,40aからの信号を受けて前記各手段の作動速度を駆動圧決定手段に信号を出力する駆動速度算出手段である。
【0098】
このように油温で固定ピン駆動手段40およびシリンダ・ブーム連結手段20の各油圧アクチュエータの駆動圧を決定する場合は、次のように作用させる。各油温検出手段20a,40aからの信号が所定値以下の低温で有る場合には、駆動圧決定手段65bから駆動圧信号が出力され、固定ピン駆動手段40およびシリンダ・ブーム連結手段20の作動が高圧の油圧源で駆動され、固定ピン駆動手段40およびシリンダ・ブーム連結手段20を速く作動させる。逆に各油温検出手段20a,40aからの信号が所定値以上または所定値の高温で有る場合には、駆動圧決定手段65bから駆動圧信号が出力されず、固定ピン駆動手段40およびシリンダ・ブーム連結手段20の作動が低圧の油圧源で駆動され、固定ピン駆動手段40およびシリンダ・ブーム連結手段20を低圧(通常)の速度で作動させる。
【0099】
このようにした実施形態でも、固定ピン駆動手段40およびシリンダ・ブーム連結手段20の作動速度を油温検出に基づいて検出し、油温に基づいて各手段の駆動圧を変更するようにしたものであるから、各手段の作動速度が遅いときには高圧にして速く作動させるようにすることができる。よって、伸縮ブームを伸縮させる際に各手段が作動する工程での作動時間を短縮することができ、伸縮ブーム10を伸縮させる場合の全体時間を短縮することができる。
【0100】
更に、上記実施形態では、固定ピン駆動手段40およびシリンダ・ブーム連結手段20を2段階の駆動油圧で行うようにしたが、作動速度により更に多段階の駆動圧に変更するようにしたり、作動速度に基いて駆動圧をリニアに変更するようにしてもよい。
【0101】
次に、上記実施形態では、固定ピン駆動手段40またはシリンダ・ブーム連結手段20の作動速度を検出し作動速度が所定値より遅い場合に駆動圧を上げて作動速度を速くする場合について説明したが、逆に作動速度が所定値より速い場合に駆動圧を下げて作動速度を遅くするようにしてもよい。この場合は上記と逆に作用するように構成すればよい。このようにすることで、次のような課題を解決することができる。
【0102】
すなわち、油温が高温になると固定ピン駆動シリンダ41の作動速度が速くなり、固定ピン16dが固定穴54へ勢いよく入り大きな衝撃音が発生し、オペレータに不安を抱かせるものとなる。このことは、逆に前記ブーム間固定解除行程、
前記シリンダ・ブーム連結行程、前記シリンダ・ブーム連結解除行程でも同様な課題を有している。しかし、上記のようにすることで各手段の作動速度を遅くすることができ、大きな衝撃音が発生しオペレータに不安を抱かせることをなくすることができる。
【0103】
更に、上記実施形態では、固定ピン駆動手段40またはシリンダ・ブーム連結手段20の油圧アクチュエータを固定ピン駆動シリンダ41と連結ピン駆動シリンダ21で構成したが、固定ピン駆動手段40またはシリンダ・ブーム連結手段20の油圧アクチュエータとして別の油圧アクチユエータ(例えば油圧モータ等)で構成するようにしたものであってもよい。
【0104】
また、上述した伸縮ブーム10の伸長動作を逆に行う縮小動作を行ない、伸縮ブーム10が最縮小した際には、前記シリンダ・ブーム連結手段20の連結ピン23がトップブーム基端部16aの連結穴16bに入った状態でその縮小動作を終了するように前記コントローラ65はプログラムされている。それにより、トップブーム16とベースブーム11間は前記伸縮シリンダ1により保持されるため、前記伸縮機構を有する伸縮ブーム10を搭載した移動式クレーンが、その伸縮ブームを全縮小かつ水平とした走行姿勢での急制動時にトップブーム16の先端が各段のブーム間固定手段のガタが集積した寸法だけ前方へ飛び出すことを防止することができるようになっている。
【0105】
次に、上記実施形態では、固定ピン駆動手段40またはシリンダ・ブーム連結手段20の作動速度が遅い場合に固定ピン駆動手段40またはシリンダ・ブーム連結手段20の油圧アクチュエータの駆動を速めるために駆動圧を高くするようにしたものである。しかし駆動圧を高めてもまだ固定ピン駆動手段40またはシリンダ・ブーム連結手段20の作動速度が十分に得られ内場合には、伸縮ブーム1の作動速度を固定ピン駆動手段40またはシリンダ・ブーム連結手段20の作動速度に基いて遅くするようにして各工程における作動が確実に行われるようにするとよい。
【0106】
この場合には、固定ピン駆動手段40またはシリンダ・ブーム連結手段20の各1回目で作動速度を検出して駆動圧を高めるようにし、固定ピン駆動手段40またはシリンダ・ブーム連結手段20の2回目でも作動速度を検出し所定値以上の作動速度が得られない場合に、更なる固定ピン駆動手段40またはシリンダ・ブーム連結手段20の作動時には作動速度に応じて伸縮ブーム1の作動速度を遅くなるようにすればよい。
【0107】
このように固定ピン駆動手段40またはシリンダ・ブーム連結手段20の作動遅れにより伸縮ブーム1の作動速度を遅くする場合は、伸縮ブーム10の作動速度が上記工程で急に遅くなるので、オペレータは故障したのではと不安を抱くことから、その時には前記グラフィック表示器70でその旨の表示をさせたり、音声等で報知させるようにすればよい。
【0108】
【発明の効果】
以上の如く構成し作用するものであるから、請求項1に記載された発明では、コントローラが固定ピン作動速度検出手段の信号に基き前記固定ピン駆動手段の作動速度が遅い時には駆動圧を高くするよう駆動圧制御手段に駆動圧信号を出力するものであるから、前記ブーム間固定行程および前記ブーム間固定解除行程において、固定ピン駆動手段の作動速度が遅い場合は、固定ピン駆動手段の駆動圧を高くして作動を速くすることができる。したがって、伸縮ブームを伸縮させる時に固定ピン駆動手段の作動遅れによるブーム間同士の連結あるいは連結解除に時間がかかり、その分伸縮ブームの伸縮に要する全体時間が長くなることを可及的に阻止できる。
【0109】
請求項2に記載された発明では、固定ピン駆動手段の作動開始から完了までの作動時間を計測して固定ピン作動速度を検出するようにしたものであるから、簡単に固定ピン駆動手段の速度を検出することができる。そしてこの検出結果を利用してコントローラは固定ピン駆動手段の作動速度が遅い時には駆動圧を高くするよう駆動圧制御手段に駆動圧信号を出力するものであり、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0110】
請求項3に記載された発明では、固定ピン駆動手段の作動速度を油温検出に基いて検出できるようにしたもので、簡単に固定ピン駆動手段の速度を検出することができる。そしてこの検出結果を利用してコントローラは固定ピン駆動手段の作動速度が遅い時には駆動圧を高くするよう駆動圧制御手段に駆動圧信号を出力するものであり、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0111】
請求項4に記載された発明では、コントローラは、前記駆動圧制御手段を常時は低圧で制御させ、前記ブーム間固定解除行程とブーム間固定行程でのみ前記駆動信号で制御するようにしたものであるから、固定ピン駆動手段を駆動させるための駆動圧を常時は低くし、固定ピン駆動手段を駆動させる前記ブーム間固定解除行程とブーム間固定行程では固定ピン作動速度検出手段の信号に基く駆動圧で駆動させることができる。したがって、不必要に駆動圧を高くすることなく駆動圧を可及的に低くして効率よく固定ピン駆動手段を駆動させることができる。
【0112】
請求項5に記載された発明では、コントローラがシリンダ・ブーム作動速度検出手段の信号に基き前記シリンダ・ブーム連結手段の作動速度が遅い時には駆動圧を高くするよう駆動圧制御手段に駆動圧信号を出力するものであるから、前記シリンダ・ブーム連結行程および前記シリンダ・ブーム連結解除行程において、シリンダ・ブーム連結手段の作動速度が遅い場合は、シリンダ・ブーム連結手段の駆動圧を高くして作動を速くすることができる。したがって、伸縮ブームを伸縮させる時にシリンダ・ブーム連結手段の作動遅れによるシリンダとブーム間の連結あるいは連結解除に時間がかかり、その分伸縮ブームの伸縮に要する全体時間が長くなることを可及的に阻止できる。
【0113】
請求項6に記載された発明では、シリンダ・ブーム連結手段の作動開始から完了までの作動時間を計測してシリンダ・ブーム作動速度を検出するようにしたものであるから、簡単にシリンダ・ブーム連結手段の速度を検出することができる。そしてこの検出結果を利用してコントローラはシリンダ・ブーム連結手段の作動速度が遅い時には駆動圧を高くするよう駆動圧制御手段に駆動圧信号を出力するものであり、請求項5と同様の効果を得ることができる。
【0114】
請求項7に記載された発明では、シリンダ・ブーム連結手段の作動速度を油温検出に基いて検出できるようにしたもので、簡単にシリンダ・ブーム連結手段の速度を検出することができる。そしてこの検出結果を利用してコントローラはシリンダ・ブーム連結手段の作動速度が遅い時には駆動圧を高くするよう駆動圧制御手段に駆動圧信号を出力するものであり、請求項5と同様の効果を得ることができる。
【0115】
請求項8に記載された発明ではコントローラは、前記駆動圧制御手段を常時は低圧で制御させ、前記シリンダ・ブーム連結解除行程とシリンダ・ブーム連結行程でのみ駆動圧信号で制御するようにしたものであるから、シリンダ・ブーム連結手段を駆動させるための駆動圧を常時は低くし、シリンダ・ブーム連結手段を駆動させる前記シリンダ・ブーム連結解除行程とシリンダ・ブーム連結行程で作動速度検出手段の信号に基く駆動圧で駆動させることができる。したがって、不必要に駆動圧を高くすることなく駆動圧を可及的に低くして効率よくシリンダ・ブーム連結手段を駆動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】1本の伸縮シリンダによる伸縮機構が使用された6段伸縮ブームの伸縮シリンダに沿った断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図2のB−B矢視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るブーム伸縮機構の制御装置のブロック図である。
【図5】トップブーム、フィフスブームと伸縮機構の関係を示す図である。
【図6】トップブーム基端部のブーム間固定解除された状態を示す図である。
【図7】図6のC−C矢視図である。
【図8】6段伸縮ブームの伸長状態図である。
【図9】伸縮シリンダ伸縮制御手段の具体的な油圧回路図である。
【図10】図2のD−D矢視詳細図である。
【図11】トップブーム基端部におけるシリンダブーム連結状態を示す図である。
【図12】グラフィック表示器による第1の表示画面である。
【図13】グラフィック表示器による第2の表示画面である。
【図14】ブーム基端位置検出手段の具体例である。
【図15】伸縮シリンダ速度制御の内容を表したグラフである。
【図16】本発明の他の実施の形態に係るブーム伸縮機構の制御装置のブロック図である。
【符号の説明】
1は伸縮シリンダ、2はシリンダチューブ、3はシリンダチューブロッド側端部、4はロッド、5はロッド端部、10は伸縮ブーム、11はベースブーム、12はセカンドブーム、12aはセカンドブーム基端部、12cは連結ボス、12bは連結穴、12eは固定ピン収納部材、12dは固定ピン、12fは検出片、13はサードブーム、14はフォースブーム、15はフィフスブーム、16はトップブーム、20はシリンダ・ブーム連結手段、20aは油温検出手段、21は連結ピン駆動シリンダ、22は連結ピン駆動レバー、23は連結ピン、25はトラニオン部材、28はインタロック部材、30はセカンドブームのブーム間固定手段、31は固定ボス、32は固定穴、33は連結部材、34はボールロック機構、35はボール、36はノッチ、38は固定ピン先端部、40は固定ピン駆動手段、40aは油温検出手段、41は固定ピン駆動シリンダ、42は固定ピン駆動レバー、50はトップブームのブーム間固定手段、51と54はフィフスブームの固定穴、52と55はフィフスブームの固定ボス、53は固定ピンの先端部、60は伸縮操作手段、61は伸縮操作レバー、62はマニュアル伸縮切換スイッチ、63は操作キー、65はコントローラ、65aは作動速度算出手段、65bは駆動圧決定手段、65cは駆動圧決定手段、70はグラフィック表示器、80はブーム基端位置検出手段、82〜86は近接スイッチ、90はシリンダ長さ検出手段、91はコード、95は長さ検出器、100は伸縮シリンダ伸縮制御手段、101と102は電磁比例弁、103はパイロット式切換弁、104はカウンタバランス弁、109はフロコン弁、107と108はソレノイド切換弁、110は連結ピン状態検出手段、111は検出片、112と113は近接スイッチ、120は固定ピン状態検出手段、121は検出片、122と123は近接スイッチ、130は駆動圧制御手段、131は、第1シーケンス弁、132は第2シーケンス弁、133は、電磁切換弁
Claims (8)
- ベースブーム内に中間ブームおよびトップブームがそれぞれ伸縮自在に嵌挿されてなる伸縮ブームと、
当該伸縮ブームに内装されて前記ベースブーム基端部にそのロッド端部が軸支されている一本の伸縮シリンダと、
当該伸縮シリンダのシリンダチューブのロッド側端部に配置され、目的とするブーム基端部の連結穴に向けて内蔵する連結ピンを進退することにより選択的にブーム基端部と連結・解除可能なシリンダ・ブーム連結手段と、
隣接するブームの内側ブーム基端部に配置され、外側ブームの適所に設けられた固定穴に向けて内蔵する固定ピンを進退することにより当該隣接するブーム同士を固定・解除可能なブーム間固定手段と、
前記伸縮シリンダのシリンダチューブロッド側端部に配置され、目的とするブーム基端部の前記固定ピンの内端に作用して油圧アクチュエータで進退駆動する固定ピン駆動手段と、から構成され、
前記シリンダ・ブーム連結手段により前記伸縮シリンダと目的のブーム基端部を連結するシリンダ・ブーム連結行程と、前記固定ピン駆動手段により前記ブーム間固定手段による目的ブームと外側ブームとの固定を解除するブーム間固定解除行程と、前記伸縮シリンダにより目的ブームを伸縮するブーム伸縮行程と、前記固定ピン駆動手段により前記ブーム間固定手段による目的ブームと外側ブームとを固定するブーム間固定行程と、前記シリンダ・ブーム連結手段による前記伸縮シリンダと目的ブーム基端部との連結を解除するシリンダ・ブーム連結解除行程と、前記伸縮シリンダが次の目的ブーム基端部まで伸縮する伸縮シリンダ伸縮行程と、からなる行程を繰り返すことにより前記伸縮ブームの伸縮を行うブーム伸縮機構の制御装置において、
当該ブーム伸縮機構の制御装置は、前記固定ピン駆動手段の駆動圧を制御する駆動圧制御手段と、前記固定ピン駆動手段の作動速度を検出する固定ピン作動速度検出手段と、当該固定ピン作動速度検出手段の信号に基き前記固定ピン駆動手段の作動速度が遅い時には前記駆動圧を高くするよう前記駆動圧制御手段に駆動圧信号を出力するコントローラとを備えたことを特徴とするブーム伸縮機構の制御装置。 - 請求項1のブーム伸縮機構の制御装置において、前記固定ピン作動速度検出手段は、固定ピン駆動手段の作動開始から完了までの作動時間を計測して検出するように構成したことを特徴とするブーム伸縮機構の制御装置。
- 請求項1のブーム伸縮機構の制御装置において、前記固定ピン作動速度検出手段は、油温検出に基いて検出するように構成したことを特徴とするブーム伸縮機構の制御装置。
- 請求項1乃至請求項3のブーム伸縮機構の制御装置において、前記コントローラは、前記駆動圧制御手段を常時は低圧で制御させ、前記ブーム間固定解除行程とブーム間固定行程でのみ前記駆動圧信号で制御するよう構成したことを特徴とするブーム伸縮機構の制御装置。
- ベースブーム内に中間ブームおよびトップブームがそれぞれ伸縮自在に嵌挿されてなる伸縮ブームと、
当該伸縮ブームに内装されて前記ベースブーム基端部にそのロッド端部が軸支されている一本の伸縮シリンダと、
当該伸縮シリンダのシリンダチューブのロッド側端部に配置され、目的とするブーム基端部の連結穴に向けて内蔵する連結ピンを油圧アクチュエータで進退駆動することにより選択的にブーム基端部と連結・解除可能なシリンダ・ブーム連結手段と、
隣接するブームの内側ブーム基端部に配置され、外側ブームの適所に設けられた固定穴に向けて内蔵する固定ピンを進退することにより当該隣接するブーム同士を固定・解除可能なブーム間固定手段と、
前記伸縮シリンダのシリンダチューブロッド側端部に配置され、目的とするブーム基端部の前記固定ピンの内端に作用して進退駆動する固定ピン駆動手段と、から構成され、
前記シリンダ・ブーム連結手段により前記伸縮シリンダと目的のブーム基端部を連結するシリンダ・ブーム連結行程と、前記固定ピン駆動手段により前記ブーム間固定手段による目的ブームと外側ブームとの固定を解除するブーム間固定解除行程と、前記伸縮シリンダにより目的ブームを伸縮するブーム伸縮行程と、前記固定ピン駆動手段により前記ブーム間固定手段による目的ブームと外側ブームとを固定するブーム間固定行程と、前記シリンダ・ブーム連結手段による前記伸縮シリンダと目的ブーム基端部との連結を解除するシリンダ・ブーム連結解除行程と、前記伸縮シリンダが次の目的ブーム基端部まで伸縮する伸縮シリンダ伸縮行程と、からなる行程を繰り返すことにより前記伸縮ブームの伸縮を行うブーム伸縮機構の制御装置において、
当該ブーム伸縮機構の制御装置は、前記シリンダ・ブーム連結手段の駆動圧を制御する駆動圧制御手段と、前記シリンダ・ブーム連結手段の作動速度を検出するシリンダ・ブーム作動速度検出手段と、当該シリンダ・ブーム作動速度検出手段の信号に基き前記シリンダ・ブーム連結手段の作動速度が遅い時には前記駆動圧を高くするよう前記駆動圧制御手段に駆動圧信号を出力するコントローラとを備えたことを特徴とするブーム伸縮機構の制御装置。 - 請求項5のブーム伸縮機構の制御装置において、前記シリンダ・ブーム作動速度検出手段は、シリンダ・ブーム連結手段の作動開始から完了までの作動時間を計測して検出するように構成したことを特徴とするブーム伸縮機構の制御装置。
- 請求項5のブーム伸縮機構の制御装置において、前記シリンダ・ブーム作動速度検出手段は、油温検出に基いて検出するように構成したことを特徴とするブーム伸縮機構の制御装置。
- 請求項5乃至請求項7のブーム伸縮機構の制御装置において、前記コントローラは、前記駆動圧制御手段を常時は低圧で制御させ、前記シリンダ・ブーム連結解除行程とシリンダ・ブーム連結行程でのみ前記駆動圧信号で制御するよう構成したことを特徴とするブーム伸縮機構の制御装置。
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